JP3326611B1 - 受光器を備えるヘルメット並びに吊荷下の警報装置 - Google Patents

受光器を備えるヘルメット並びに吊荷下の警報装置

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JP3326611B1
JP3326611B1 JP2002030445A JP2002030445A JP3326611B1 JP 3326611 B1 JP3326611 B1 JP 3326611B1 JP 2002030445 A JP2002030445 A JP 2002030445A JP 2002030445 A JP2002030445 A JP 2002030445A JP 3326611 B1 JP3326611 B1 JP 3326611B1
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Abstract

【要約】 【課題】 作業者が下を向いて作業を行っているような
場合であっても、投光器が照射した光を受光器で確実に
受光して、地面付近において吊荷の下方に存在する作業
者に対して、警報が発せられるようにする。 【解決手段】 クレーンのブームの先端部に取り付けら
れた第1投光器が照射する光を受光する受光ユニット2
がヘルメットHに取り付けられている。この受光ユニッ
ト2は起立状態維持機構3を介して取り付けられてお
り、その受光面22は常に上方を向いている。この受光
面22を介して光L1,L2を受光することにより、受
光ユニット2に内蔵された警報器が警報を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレーン等の吊り
機の下で作業をする作業者に警報を発する警報装置およ
び警戒範囲照射装置が照射する光を受光する受光器を備
えるヘルメットに関する。
【0002】
【従来の技術】建物を建築する際には、建築資材等の荷
物を建築中の建物と当該建物の周辺との間でクレーンに
より移動する作業が頻繁になされる。このようなクレー
ンを用いた作業では、クレーンのブーム先端に吊られた
吊荷が、吊荷自身のバランスの崩れや風の影響等によっ
て落下する危険性がある。
【0003】このような危険を回避するために、クレー
ンを用いた作業が行われる現場には、警戒を呼びかける
バリケートや看板等の表示が行われている。ところが、
看板等の表示は、実際に危険のある範囲を具体的に特定
するものではなく、その周辺の範囲も広く含めて警告し
ている。しかも、特定の人にだけ警告するのではなく、
現在においては危険のない人であってもその広い範囲に
いる人全員に対して警告するものである。したがって、
現在において危険のある範囲にいる作業者に警戒心を引
き起こす効果は低いものであった。
【0004】このような問題点を解決するために、本出
願人は、特開平7−108067号公報において、危険
のある範囲にいる作業者に危険を警告することにより、
当該作業者に強い警戒心を引き起こすことのできる吊荷
下の警戒装置を開示した。この警戒装置は、クレーンの
フック等の吊り機に取り付けられた、下方に向けて超音
波、電波、光等の警戒信号を発信する発信器と、作業者
の安全帽または着衣等に取り付けられた前記発信器から
の警戒信号を受信する受信器と、前記受信機に接続され
て前記警戒信号の受信時に音、光、振動等の手段により
当該作業者に警報を発する警報器とを備えたものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示された
警戒装置における警戒信号のうち、超音波は乱反射があ
り、また電波はフックに帯電を起こさせたり、無線機に
対して電波障害を起こさせる可能性がある。このため、
警戒信号としては、赤外線、遠近赤外線、あるいは赤外
線レーザなどの光を使用することが有効である。
【0006】ところが、作業の過程においては、作業者
は下を向いて作業を行っている場合がある。ここで、た
とえば受信器(受光器)の警戒信号受信部(受光部)が
常時は上を向いた状態で固定してヘルメットに取り付け
られていると、作業者が下を向いた時には、受光部も下
を向いてしまう。光には指向性があるので、受光部が下
を向いてしまうと、受光器を身につけている作業者が前
記警戒範囲に入り、その警戒範囲に発信器(投光器)か
ら発信された警戒信号である光が到達しても受光器が光
を受光しないで、当該作業者に警報が発せられない危険
性がある。
【0007】そこで、本発明の課題は、作業者が下を向
いて作業を行っているような場合であっても、投光器が
照射した光を受光器で確実に受光して、地面付近におい
て吊荷の下方に存在する作業者に対して、警報が発せら
れるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した請求
項1に係る受光器を備えるヘルメットは、上方位置に設
けられた投光器から発せられる光を受光する受光器を備
えるヘルメットであって、前記受光器は該ヘルメットの
左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前
後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記各受光
素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲を有し
て、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向に55
°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特徴とす
る。
【0009】請求項2に係る発明は、上方位置に設けら
れた投光器から発せられる光を受光する受光器を備える
ヘルメットであって、前記受光器における受光面が上方
を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が設けら
れていることを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2に記載の
受光器を備えるヘルメットであって、前記起立状態維持
機構を解除して、前記受光器を固定する受光器固定装置
が設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一項に記載の受光器を備えるヘルメット
であって、前記受光器の受光感度の調整が可能となるよ
うに構成されていることを特徴とする。
【0012】請求項5に係る吊荷下の警報装置は、吊り
機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警
戒範囲に光を照射する投光器と、作業員が被るヘルメッ
トに取り付けられて前記投光器から照射される光を受光
する受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器
から照射される光を受光したときに警報を発する警報器
とを備え、前記投光器から投射される光で照射される範
囲の照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が
調整可能とされているとともに、前記受光器は該ヘルメ
ットの左右に固定され、前記各受光器は、側面視で鉛直
軸の前後に少なくとも一個ずつ受光素子を内蔵し、前記
各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光範囲
を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後方向
に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、ことを特
徴とする。
【0013】請求項6に係る吊荷下の警報装置は、吊り
機における荷吊アームの先端に吊られた吊荷の下方の警
戒範囲に光を照射する投光器と、人体に被着される物に
取り付けられて前記投光器から照射される光を受光する
受光面を有する受光器と、前記受光器が前記投光器から
照射される光を受光したときに警報を発する警報器とを
備え、前記投光器から投射される光で照射される範囲の
照射範囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整
可能とされているとともに、前記受光器における受光面
が上方を向くように、前記受光器に起立状態維持機構が
設けられていることを特徴とする。
【0014】請求項7に係る発明は、請求項5または請
求項6に記載の吊荷下の警報装置であって、前記警報器
が、前記吊り機のオペレータにも警報を発するものであ
ることを特徴とする。
【0015】請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求
項7のいずれか一項に記載の吊荷下の警報装置であっ
て、前記受光器の近傍に配置された重機にも投光器が設
けられており、前記重機に設けられた投光器から照射さ
れた光を前記受光器が受光したときに、重機との間の挟
まれ警報を前記警報器から発することを特徴とする。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項8に記載の
吊荷下の警報装置であって、前記警報器が、前記重機の
オペレータにも警報を発するものであることを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明に係る吊荷下の警報装置の概要を
示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る警
報装置は、本発明の吊り機である移動式クレーン(以下
「クレーン」という)Cの荷吊アームであるブームCA
に設けられて下向きに光L1(L2)を投光して、クレ
ーンCにおけるブームCAの先端に吊られた吊荷Fの下
方の警戒範囲を照射する吊荷下用投光器(以下「第1投
光器」という)1を有している。また、作業者Mに被着
される物であるヘルメットHに取り付けられ、第1投光
器1から照射される光L1(L2)を受光する本発明の
受光器である受光ユニット2を有している。この受光ユ
ニット2は、起立状態維持機構3に取り付けられている
とともに、受光ユニット2には本発明の警報器が内蔵さ
れている。さらに、本実施形態に係る警報装置は、本発
明の重機である油圧ショベルSの上方位置に取り付けら
れる重機挟まれ警報用投光器(以下「第2投光器」とい
う)4を有している。なお、図1では、建築作業現場に
おける躯体Pの近傍で、クレーンCのブームCAの先端
に吊られた吊荷Fの下方の警戒範囲に作業者Mが存在
し、油圧ショベルSは作業者Mの近傍にいる状態を描い
ている。
【0018】第1投光器1は、ブームCAの先端に取り
付けられ、吊荷Fの真下を含む警戒範囲に光L1(L
2)を照射している。したがって、クレーンCのブーム
CAが移動しても、照射される光L1(L2)の光軸が
常に鉛直下方(すなわち吊荷Fの中心)に向くように設
置してある。
【0019】第1投光器1は、図2に示すように、ケー
ス11を有しており、ケース11の内側に光発信器12
が設けられている。光発信器12は、下方に向けて光を
照射している。光発信器12の下方には固定凹レンズ1
3が配設されており、固定凹レンズ13のさらに下方に
は、上下動可能な移動凹レンズ14が配設されている。
また、ケース11の内側にはズーム駆動装置15が設け
られておりズーム駆動装置15によって上下動させられ
るスライダ16の下端部に移動凹レンズ14が固定され
ている。したがって、ズーム駆動装置15を駆動するこ
とによってスライダ16を介して移動凹レンズ14が上
下動するようになっている。また、移動凹レンズ14が
上下動することによって、固定凹レンズ13と移動凹レ
ンズ14の間の離間距離が変化する。この離間距離の変
化によって、光発信器12から照射される光の照射範囲
が拡大し、または縮小するようになっている。具体的に
は、図2に実線で示すように、移動凹レンズ14が上方
に位置しているときには、固定凹レンズ13と移動凹レ
ンズ14の間の離間距離が短く、照射範囲が8°の範囲
内と狭くなっている。逆に、図2に仮想線で示すよう
に、移動凹レンズ14が下方に位置しているときには、
固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の間の離間距離が
長いので、照射範囲が18°の範囲内と広くなってい
る。
【0020】また、クレーンCの運転席には、ズーム駆
動装置15を駆動して、照射角度を設定するための照射
角度切り替えスイッチが設けられている。この照射角度
切り替えスイッチには、照射角度を広くする「広い」と
いうボタンと、照射角度を狭くする「狭い」というボタ
ンが設けられている。これらのスイッチを操作すること
により、第1投光器1のズーム駆動装置15が駆動し
て、第1投光器1から投射される光の照射範囲が調整さ
れる。
【0021】受光ユニット2は、図3(a),(b)に
示すように、作業者Mが被るヘルメットHの側部に設け
られている。本実施形態では、ヘルメットHの両サイド
にそれぞれ受光ユニット2,2が設けられているが、こ
れらの受光ユニット2,2は同一の構成を有するので、
その一方について説明する。受光ユニット2は、起立状
態維持機構3によってヘルメットHの側部に取り付けら
れており、ケース20を有する本体部21の上部に受光
面22が形成されている。本体部21には、ブザー23
が設けられており、第1投光器1が投射した光を受光面
22で受光したときに、このブザー23から警報が発せ
られるようになっている。また、本体部21には、図示
しない受光感度調整手段が設けられている。ブザー23
は、所定感度以上の光を受光したときに警報を発するよ
うになっているが、受光感度調整手段では、ブザーが警
報を発する光の感度を調整することができるようになっ
ている。
【0022】また、受光ユニット2は、ヘルメットHに
対して起立状態維持機構3を介して取り付けられてい
る。この起立状態維持機構3は、図3(a),(b)に
示すように、取付アダプタ31を有している。この取付
アダプタ31には、スイベル機構が形成されており、回
転軸32によって受光ユニット2が揺動可能となるよう
にして支持されている。さらに、受光ユニット2におけ
る本体部21の下端部には、重錘33が取り付けられて
いる。したがって、ヘルメットHを被る作業員が低所の
作業を行う際などにかがんで頭を下げて、図3(a)に
仮想線で示すように、ヘルメットHが傾いた場合であっ
ても、常に受光ユニット2の受光面22は上方を向くよ
うに構成されている。
【0023】ところで、本実施形態では、受光ユニット
2をヘルメットHの左右二個所に設けているが、上方か
ら照射される光を受光することを考えれば、ヘルメット
Hの真上位置に1つ設けるのが望ましいと考えられる。
しかし、ヘルメットHの真上位置に設けたのでは、現場
内で足場等にあたり破損する頻度が高くなると考えられ
る。このため、上方からの光を受光できるように、ヘル
メットHの左右2箇所に設ける態様とするのが望ましい
が、もちろん、ヘルメットHの真上位置に1つ設ける態
様としてもよい。
【0024】さらに、油圧ショベルSには第2投光器4
が設けられている。この第2投光器4は、図4(a)に
示すように、ブラケット40を介して油圧ショベルSの
後部位置に取り付けられている。このブラケット40
は、油圧ショベルSの後部からさらに後方に突出してお
り、その先端に第2投光器4が取り付けられている。こ
のブラケット40が油圧ショベルSの後部から突出する
長さはおよそ0.6mに設定されている。また、第2投
光器4が設けられている高さ位置は、地面からおよそ
2.5m程度の高さとなる位置である。この高さ位置
は、作業者Mの身長が、背の高い者でおよそ180cm
程度であることを考慮して設定されているが、これより
も多少上下した高さ位置に設けることもできる。また、
油圧ショベルSの高さが2.5mに満たない場合には、
適宜ブラケットなどを用いて高さを調整して取り付ける
こともできる。この第2投光器4は、図4(b)に示す
ように油圧ショベルSにおける後方および両側方の合計
3箇所に設けられており、油圧ショベルSの後方および
側方にいる作業者Mにその存在を報知できるようになっ
ている。なお、本実施形態では重機として油圧ショベル
Sを用いており、本発明における重機としては、後方小
旋回タイプ以外のものが好適な対象となるが、もちろ
ん、後方小旋回タイプのものを対象とすることもでき
る。また、第2投光器4は、1つあるいは複数のものを
取り付けることもできる。
【0025】これらの第2投光器4は、第1投光器1で
用いた光発信器と同様の光発信器および固定凹レンズを
有している。そして、光発信器で投射した光の照射範囲
を固定凹レンズで拡大して、所定の範囲を光で照射でき
るようになっている。この第2投光器4には、図示しな
い角度調整機構が設けられており、投光器から照射する
光の角度を調整することができるようになっている。
【0026】また、受光ユニット2の受光面22で、第
2投光器4が発する光を受光したときには、ブザー23
から挟まれ警報が発せられるようになっている。
【0027】以上の構成を有する警報装置の動作・作用
について説明する。図1に示すように、建築作業現場で
は、たとえば躯体Pの近傍でクレーンCが使用される。
警報装置は、このクレーンCが揚送する吊荷の下方の警
戒範囲内に作業者Mが入っているときに、作業者Mに対
して警報を発するものである。すなわち、第1投光器1
が光L1(L2)を照射している警戒範囲Eに受光ユニ
ット2が取り付けられたヘルメットHを被った作業者M
が侵入してきた、あるいは存在していたとする。この場
合には、第1投光器1が照射する光L1(L2)が受光
ユニット2の受光面22によって受光される。第1投光
器1が照射する光L1(L2)を受光ユニット2が受光
すると、受光ユニット2のケース20内に設けられたブ
ザー23が警報を発して作業者Mに警戒領域にいること
を知らせるものである。
【0028】このとき、作業者Mは、図5に示すよう
に、たとえば下を向いて作業を行っている場合もある。
下を向いて作業を行っていると、ヘルメットHの頂部
は、側方または下方を向くことになる。いま、受光ユニ
ット2がヘルメットHに固定されていたとしたら、受光
ユニット2の受光面22は側方から下方を向いてしまう
ため、第1投光器1が照射する光L1(L2)または第
2投光器4が照射する光L3を受光ユニット2が受光で
きないという事態が考えられる。第1投光器1が照射す
る光L1(L2)および第2投光器4が照射する光L3
を受光ユニット2が受光できなければ、警報装置として
の機能を果たさなくなってしまう。
【0029】この点、本実施形態に係る警報装置では、
受光ユニット2はヘルメットHに対して起立状態維持機
構3を介して取り付けられており、その受光面22は常
に上方を向いている状態にある。このため、第1投光器
1および第2投光器4が光L1(L2)および光L3を
照射した際には、受光ユニット2は、確実にその光L1
〜L3を受光することができる。
【0030】ここで、受光ユニット2では、第1投光器
1および第2投光器4がパルス光を照射する状態で、所
定のパルス光計測時間内でパルス光の検出を行ってい
る。パルス光の検出を行う前には、所定のアンプ系電源
安定化時間が設けられている。パルス光計測時間中に第
1投光器1が照射するパルス光を検出しなかった場合に
は、消費電力を低減させるために、所定休止時間をおい
て、再びパルス光の検出を行う。以後、この作業が繰り
返される。また、パルス光計測時間にパルス光が検出さ
れた場合には、ブザー23によって、所定時間警報を発
する。そして、警報を発し終えた後、およそ所定の休止
時間をおいて、再びパルス光の検出を行う。
【0031】ところで、クレーンCによって吊荷Fを吊
り上げる工程において、第1投光器1から発せられる光
L1(L2)は、ブームCAで吊り上げられる吊荷Fに
も照射される。ここで、吊荷Fの平面視した面積が大き
い場合には、第1投光器1が発した光を吊荷Fが遮って
しまい、地面の作業者Mが被るヘルメットHに設けられ
た受光ユニット2まで届かないことが懸念される。そこ
で、第1投光器1から発せられる光が地面の作業者Mま
で届くように、光を照射する範囲を2段階に設定できる
ようになっている。
【0032】具体的には、図2に示す第1投光器1にお
ける固定凹レンズ13と移動凹レンズ14の離間距離を
調整することによって照射範囲を調整する。移動凹レン
ズ14が上方にある場合には、照射範囲はおよそ8°の
角度範囲内となり、移動凹レンズ14が下方にある場合
には、照射範囲が18°の角度範囲内となる。そして、
図6に実線で示すように、吊荷Fが低い位置にある場合
には、吊荷Fで遮られる面積は狭い。このため、クレー
ンCのオペレータは照射角度切り替えスイッチを「狭
い」にして、移動凹レンズ14が上方に位置するように
ズーム駆動装置15を駆動して、光L1が照射する警戒
範囲がおよそ8°の角度範囲に設定される。また、吊荷
Fがある程度の高さまで吊り上げられると、照射した光
が吊荷Fで遮られる部分の面積が広くなる。そのため、
このままでは、第1投光器1から照射された光L1が地
面に充分に届かない可能性がある。そこで、図6に仮想
線で示すように、吊荷Fがある程度の高さまで吊り上げ
られたら、クレーンCを操作するオペレータが角度切り
替えスイッチを「広い」に切り替える。すると、移動凹
レンズ14が下方に位置するようにズーム15を駆動し
て、光L2が照射する警戒範囲がおよそ18°の角度範
囲に設定される。こうして、高い位置に吊荷Fがあっ
て、光L2を遮られる面積が大きくなったとしても、第
1投光器1から照射される光L2が、地面にいる作業者
Mが被るヘルメットHに取り付けられた受光ユニット2
に届くようになる。
【0033】また、警戒範囲をむやみに広げすぎると、
受光ユニット2における警報が発せられる機会が必要以
上に多くなってしまい、作業者Mの警戒心を薄くしてし
まうおそれがある。そこで、適切な警戒範囲を照射でき
るように、広い角度範囲を照射できるだけでなく、狭い
範囲を照射できるようにしておくことにより、警戒範囲
をむやみに広げ過ぎないようにすることができる。
【0034】ここで、移動凹レンズ14を上方に移動さ
せて狭い範囲で光L1を照射した場合に照らすことがで
きる範囲と、移動凹レンズ14を下方に移動させて広い
範囲で光L2を照射した場合に照らすことができる範囲
を図7に示す。ここで、第1投光器1は、およそ75m
の高さに設置されている。図7に示すように、狭い範囲
で光L1を照射した場合には、直径およそ11mの範囲
内に光を照射することができる。広い範囲で光L2を照
射した場合には、直径およそ24mの範囲内に光L2を
照射することができる。
【0035】ところで、吊荷Fが平板状のものである場
合には、吊荷Fの直下に作業者Mが入り込むと、光L1
(L2)が届かず、警報が発せられないことが懸念され
る。このとき、実際に吊荷Fの真下に作業者Mが入り込
むのは、吊荷Fの玉掛け作業をした後、揚重作業をする
場合と、警戒領域であることを知らずに、警戒領域外か
ら警戒領域内に侵入してくる場合とが考えられる。
【0036】しかし、玉掛け作業をした後に揚重作業を
する場合には、吊荷Fが吊り上げられる前に、作業者M
は吊荷Fの側方に位置している。このため、吊荷Fの直
下に作業者Mが入っている状況ではないので、第1投光
器1が照射する光L1(L2)を受光ユニット2が受光
することができる。
【0037】また、吊荷Fの巻き上げ作業等を行ってい
る間に、作業者Mが吊荷Fの直下に入り込むためには、
必ずその周囲を通って作業者Mは入り込むことになる。
これに対して、第1投光器1が照射する光L1(L2)
は、吊荷Fよりも広い範囲で地面にまで到達しているの
で、作業者Mが吊荷Fの直下に入り込む前に受光ユニッ
ト2が光L1(L2)を受光する。このため、吊荷Fの
直下に作業者Mが入り込む前に警報が発せられることに
なる。したがって、吊荷Fの直下に光L1(L2)が到
達しなくても、警報機能は充分に満たされる。
【0038】こうして、クレーンCによる荷吊作業が行
われている間、吊荷下の警戒領域に対して第1投光器1
で光L1(L2)を照射することができる。このとき、
受光ユニット2はその受光面22が常に上方を向いてい
るので、吊荷Fの下の警戒領域に作業者Mがいる場合に
その作業者Mに警戒領域にいることを確実に報知するこ
とができる。
【0039】また、油圧ショベルSの近傍で作業者Mが
作業を行う場合もあり、油圧ショベルSの後方または側
方で作業者Mが作業を行っている場合に、油圧ショベル
Sに挟まれる事故が懸念される。このような挟まれ事故
を防止するべく、油圧ショベルSの存在を作業者Mに知
らせるために、第2投光器4および受光ユニット2が使
用される。第2投光器4は、油圧ショベルSにおける高
所に設けられており、第1投光器1と同様に光L3を照
射するが、この照射角度は、図4(a)に示すように、
およそ60°の角度範囲に設定されている。したがっ
て、作業者Mが立って作業を行っている場合には、作業
者Mが油圧ショベルSの後方における所定の範囲内にい
る場合に警報が発せられる。また、作業者Mが図5に示
すようにかがんでいるときにも、受光ユニット2におけ
る受光面22は、常に上方を向いているので、油圧ショ
ベルSの後方にいる作業者に対して、近傍に油圧ショベ
ルSがあることを確実に報知することができる。また、
受光ユニット2はヘルメットHの両側面に設けられてい
るので、作業者Mが油圧ショベルSに設置した第2投光
器4に対して横を向いていても、確実に光L3を受光す
ることができる。
【0040】ここで、受光ユニット2では、所定の計測
時間中にパルス光の検出を行っている。この計測時間中
に第2投光器4が照射するパルス光を検出しなかった場
合には、所定の休止時間をおいて、再びパルス光の検出
を行う。以後、この作業が繰り返される。また、計測時
間内にパルス光が検出された場合には、計測時間経過後
に、ブザー23によって、所定時間警報を発する。そし
て、警報を発し終えた後、所定の休止時間をおいて、再
びパルス光の検出を行う。
【0041】こうして、油圧ショベルSが作業者Mの近
傍にあるときに、受光ユニット2はその受光面22が常
に上方を向いており、さらにはヘルメットHの両側に設
けられているので、その作業者Mに警戒領域にいること
を確実に報知することができる。
【0042】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるもので
はない。たとえば、前記実施形態では、第1投光器1が
照射する光の照射角度の切り替えは、クレーンCのオペ
レータが目視して角度切り替えスイッチを操作して手動
により行っていたが、これを自動的に切り替える態様と
することができる。この態様では、クレーンCのブーム
CAの高さおよび角度から第1投光器1の高さ位置を算
出する。ブームCAの高さおよび角度は、ブームCAの
端部に取り付けたエンコーダ式の角度検出センサによっ
て知ることができる。また、吊荷Fを吊るすワイヤの巻
き上げ量より、吊荷Fの高さ位置を算出する。このワイ
ヤの巻き上げ量は、ブームCAの先端に取り付けられた
ワイヤの巻き上げを行う巻き上げ器に設けられたエンコ
ーダ式の巻き上げ量検出器によって知ることができる。
【0043】これらのブームCAの高さおよび角度、並
びにワイヤの巻き上げ量に基づいて、第1投光器1から
照射される光の角度が、たとえばクレーンCの運転席に
設けられた制御装置によって設定される。制御装置で
は、具体的には、たとえば吊荷Fが第1投光器1の高さ
の半分の高さ位置に到達するまでは、照射範囲を狭く設
定しておく。この設定に基づいて、制御装置は、第1投
光器1に対して、移動凹レンズ14を上方に移動させて
狭い範囲の光L1を照射させるように信号を出力する。
また、吊荷Fが第1投光器1の高さ位置から半分の高さ
を超えた時点で、制御装置は、照射範囲を自動的に広く
設定する。この設定に基づいて、制御装置は、第1投光
器1に対して、移動凹レンズ14を下方に移動させて広
い範囲で光L2を照射させるように信号を出力する。
【0044】また、受光ユニット2の受光感度を調整可
能な態様とすることもできる。具体的には、受光ユニッ
ト2が受光した時に電圧を発生するようにし、発生する
電圧が出力する信号を、判定器が「active」と認
識する電圧のしきい値を上下することによって受光感度
を調整することができる。警報装置は一般に屋外での使
用が想定されることにより、その使用環境は、天候、昼
夜、季節、作業の種類などの諸条件に基づいてさまざま
に変化する。たとえば、昼間の晴天時では警報装置が使
用される環境下は非常に明るいので、太陽光によるノイ
ズで受光ユニット2の感度が悪くなり、受光範囲が狭く
なって、作業者が警戒領域にいるにもかかわらず、警報
装置が作動しない可能性がある。また、消費電力が必要
以上に増加してしまうことになる。逆に、夜間などでは
使用環境が暗いので、受光ユニット2の感度が高くな
り、受光範囲が広くなって作業者が警戒領域にいないに
もかかわらず警報装置が作動してしまう。かかる不具合
を防止するために、受光ユニット2の受光感度を調整す
ることができるようにしておく。受光感度の調整は、所
定のしきい値を上下することによって行うことができ、
しきい値を上げると受光感度が低くなり、しきい値を下
げると受光感度が高くなる。受光ユニット2には、この
受光感度を上下動させるためのつまみなどを設けておく
ことができる。
【0045】また、第1投光器1で照射される光L1
は、その中心位置から周方向に広がるにつれて、その光
L1がだんだん弱くなっていく。この点に鑑み、作業者
が警戒領域を広く設定して安全性を高くしたい場合に
は、受光ユニット2の受光感度を高く設定することがで
きる。逆に、警報装置が過度に反応して警報が鳴り過ぎ
ないように警戒領域を狭く設定したい場合には、受光感
度を低く設定することができる。
【0046】ここで、本発明者らは、第1投光器1で照
射する光L1(L2)の量が、中心部から離れるにつれ
て、どの程度低減するかについての実験を行った。その
実験について説明する。実験は、前記実施形態で説明し
た警報装置を用いて行った。第1の実験では、第1投光
器1の高さを40mに固定して、照射角度を8°および
18°として、地面に向けて光L1,L2を照射した。
【0047】さらに、地面に第1投光器1が照射する光
L1,L2の中心位置Oを中心として、30°の間隔を
置いて12本の線を放射状に引き、それらの線上で、第
1投光器1が照射する光L1,L2を受光ユニット2が
所定の量だけ受光したときの中心位置からの距離を測定
した。また、測定にあたっては、受光ユニット2の受光
感度が高い場合と低い場合のそれぞれに設定した。
【0048】この実験において、第1投光器1の照射角
度を8°に設定した場合において、受光感度を低く設定
したときに受光ユニット2が受光することができた範囲
の平均値はおよそ5.2mであり、受光感度を高く設定
したときに受光ユニット2が受光することができた範囲
の平均値はおよそ8.1mであった。また、第1投光器
1の照射角度を18°に設定した場合において、受光感
度を低く設定したときに受光ユニット2が受光すること
ができた範囲の平均値はおよそ10.0mであり、受光
感度を高く設定したときに受光ユニット2が受光するこ
とができた範囲の平均値はおよそ12.5mであった。
この結果より、受光ユニット2の受光感度を高くした場
合には、広い範囲で光を受光できることが判った。ま
た、照射角度を広くした方が照射範囲が広くなることも
実証された。
【0049】次に、第2の実験として第1投光器1の高
さを順次高くしていきながら、前記第1の実験で示した
ように、受光ユニット2の受光感度を高く、あるいは低
く設定したときに、受光ユニット2が受光することがで
きる範囲の平均値を測定した。
【0050】実験の結果、一律して、受光ユニット2に
おける受光感度の高い方が、第1投光器1が照射する光
L1,L2を受光できる範囲が広いということが判っ
た。また、受光感度を低く設定した場合には、第1投光
器1が70mの高さを超えると、第1投光器1が照射す
る光L1を受光できなくなるという結果となった。これ
に対して、受光感度を高く設定した場合には、第1投光
器が75mを超えても、充分に光L2を受光することが
できた。この結果より、たとえば第1投光器1が70m
を超える高さまで持ち上げられるような場合には、感度
をある程度まで高く設定しておくのが好適であることが
判った。
【0051】他方、前記実施形態では、起立状態維持機
構3によって、常に受光ユニット2の受光面22が上方
を向くようにされていたが、この起立状態維持機構3を
解除して、受光ユニット2をヘルメットHに対して相対
的に動かないように固定する受光器固定装置を設けるこ
ともできる。起立状態維持機構3が常に機能している
と、作業者Mが頭を傾けるたびに受光ユニット2はヘル
メットHに対して相対的に揺動する。このため、作業者
Mは、この揺動動作による揺れなどに伴う不快感を覚え
ることもある。その一方で、ヘルメットHを使用する環
境、たとえば屋内でヘルメットHを使用する場合には、
必ずしも警戒領域が設定されるわけではない。このよう
に、警戒領域が設定されないにもかかわらず、ヘルメッ
トHの起立状態維持機構3が働いて、作業者Mが受光ユ
ニット2の傾動動作による揺れなどに伴う不快感を覚え
るのは好ましい状況ではない。そこで、起立状態維持機
構3に受光器固定装置を設けて、警戒範囲が設定されな
いようなときには、起立状態維持機構3が解除されて、
受光ユニット2がヘルメットHに対して相対的に固定さ
れる態様とすることもできる。この受光器固定装置とし
ては、たとえば起立状態維持機構3における回転軸32
を締め付けて拘束し、回転不能とする固定装置や、回転
軸32にピンを取り付けておき、このピンに引っかかる
突起をヘルメットHから突出させて、回転軸32を回転
不能にする固定装置など、適宜のものを挙げることがで
きる。
【0052】また、前記実施形態のヘルメットHでは、
起立状態維持機構3によって常に受光ユニット2の受光
面22が上方を向くようにされていたが、その他の実施
形態として、起立状態維持機構を設けることなく、図8
(a),(b)に示すように、ヘルメットHの左右両側
に取付アダプタ31’を介して受光ユニット2,2を固
定するようにしてもよい。ここで各受光ユニット2は、
それぞれが複数(ここでは2つ)の受光素子22’,2
2’を内蔵している。各受光素子22’は側面視で前後
方向に55°の受光範囲をカバーするものであり、この
ような受光素子22’が各受光ユニット2において鉛直
軸を境にして前後に二個一対で配置されているので、ヘ
ルメットH全体としては、側面視で鉛直軸から前後に5
5°ずつ計110°の受光範囲を有するようになってい
る。なお、各受光ユニット2における受光素子22’の
配置形態を決定するに際しては、以下の(a),(b)
を考慮した。 (a)受光範囲の広い受光素子を多数設けるほどヘルメ
ット全体としての受光範囲が広くなるが、その分コスト
が上昇し、またヘルメットが重くなって作業者の快適性
が減じられる。 (b)発明者らが実験を繰り返した結果、作業者が被っ
たヘルメットの鉛直軸が作業中に前後に55°以上傾く
ことはほとんどなかった。したがって、ヘルメットH全
体として側面視で鉛直軸から前後に55°ずつ計110
°の受光範囲を有するようにしておけば、鉛直上方から
のほとんど全ての光を確実に受光できるとともに、低コ
ストかつ軽量とすることができ、最もバランスがよいと
いえるのであって、作業者Mが図8(c)に示すように
下を向いていたり横を向いて作業を行っていても、常に
いずれかの受光素子22’が上方からの光L1〜L3を
受光できる状態となっており、受光ユニット2はその向
きにかかわらず、第1投光器1または第2投光器4から
照射された光L1〜L3を確実に受光して、ブザー23
から警報音を発する。なお、ヘルメットHにおける受光
ユニット2の数や配置形態、受光ユニット2における受
光素子22’の数や配置形態はここで示したものに限ら
れず、常にいずれかの受光素子22’で光L1〜L3を
確実に受光できるように適宜定められる。
【0053】また、受光ユニット2には、第1投光器1
または第2投光器4から照射された光L1〜L3を受光
した際に、無線信号からなる受光信号を発信する受光信
号発信手段を設けることもできる。このとき、クレーン
Cおよび油圧ショベルSには、それぞれ受光信号発信手
段から発信される受光信号を受信する受光信号受信手段
が設けられる。クレーンCにおける受光信号受信手段で
受光信号が受信されると、運転席に設けられた受光信号
確認ランプが点灯するようになっている。この受光信号
確認ランプをクレーンCのオペレータが視認することに
より、クレーンCのオペレータは、警報装置が正常に作
動していることを確認することができる。また、吊荷作
業中に作業者Mが警戒領域に入っているにも拘わらず、
受光信号確認ランプが点灯しない場合には、警報装置が
故障して、作業者Mに対して警報が発せられない状態と
なっている可能性がある。このような場合には、クレー
ンCのオペレータが、作業者Mに対して、警戒領域にい
ることを拡声器などを用いて知らせることもできる。な
お、受光信号確認ランプではなく、警報音や警報振動等
をもってクレーンCのオペレータに注意を喚起するよう
にしてもよい。
【0054】一方、油圧ショベルSが受光信号受信手段
によって受光信号を受信した場合には、たとえば油圧シ
ョベルSにブレーキを掛ける態様としておくことができ
る。作業者Mの近傍に油圧ショベルSが存在して、作業
者Mの挟み込み事故を起こしやすい状態にあるときに、
作業者Mに挟まれ警報を発すると同時に、油圧ショベル
S自体の移動を停止させることにより、挟み込み事故を
確実に防止することができる。また、油圧ショベルSに
ブレーキを掛ける態様とするほか、油圧ショベルSの運
転手に警報を発する態様とすることもできる。かかる態
様により、油圧ショベルSの近傍に作業者Mがいるとき
には、油圧ショベルSの運転手が、作業者Mの存在を意
識して、安全を確認しながら油圧ショベルSの運転をす
るように促すことができる。もちろん、その他、警報と
して光、音、振動等をもって油圧ショベルSのオペレー
タに注意を喚起するようにしてもよい。
【0055】また、前記実施形態では、第1投光器1で
照射できる光L1,L2の照射角度を2段階に設定した
が、これを3段階あるいは4段階以上に設定することも
できる。このように、光を照射できる角度を多数段階に
設定することによって、複数の種類の工事に広く利用し
やすくなる。
【0056】他方、躯体Pを構築する際に、固定式タワ
ークレーンを用いる場合には、図9に示すように、クレ
ーンジブCJの先端部に第1投光器1を設けるととも
に、躯体Pの上方側面に補助用投光器1′を設けること
ができる。この補助用投光器1′としては、第1投光器
1と同一の構成を有する投光器を用いることができる。
図9に示すように、この態様に係る警報装置では、仮想
線で示すように、吊荷Fが躯体Pの真上にあるときに
は、第1投光器1から光L4が照射される。また、実線
で示すように、吊荷Fが躯体Pの真上から外れる場合に
は、補助用投光器1′から光L5を照射するようにして
いる。このように、吊荷Fの位置に基づいて照射する投
光器を使い分けることによって、吊荷Fに遮断されるこ
となく確実に警戒範囲を照射することができる。
【0057】さらに、前記実施形態では、受光ユニット
2をヘルメットHに取り付けているが、受光ユニット2
を取り付けるものとしては、作業者Mが被着する物であ
ればよい。したがって、たとえば靴や作業着、ベルトな
どに取り付ける態様とすることもできる。
【0058】また、クローラクレーンの走行部自体によ
る挟み込み事故を防止するために、クローラクレーンの
走行部が本発明の重機となって、第2投光器を取り付け
た態様とすることもできる。さらに、前記実施形態で
は、第1投光器1および第2投光器4で照射される光と
して近赤外線を用いているが、レーザ光や遠赤外線など
の他の光を用いることができるのはもちろんである。
【0059】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、作業者
が下を向いて作業を行っているような場合であっても、
投光器が照射した光を受光器で確実に受光して、地面付
近において吊荷の下方に存在する作業者に対して、警報
が発せられるようにすることができる。特に、投光器が
発する光の照射範囲(警戒範囲)を調整することができ
るので、吊荷Fが大きい場合であっても、投光器が発す
る光を地面に確実に到達させることができる。
【0060】また、受光器の受光感度を調整可能とする
ことにより、天候、昼夜、季節、作業の種類などの諸条
件によらず、投光器が照射する光を受光することができ
る。
【0061】さらに、作業者の近傍に存在する重機にも
投光器が設けられているので、クレーンに吊られた吊荷
下に作業者がいるほか、重機の近傍に作業者がいる場合
にも警報器から警報が発せられる。したがって、吊荷の
落下による事故のほか、重機の挟まれ事故をも防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吊荷下の警報装置の概要を示す図
である。
【図2】第1投光器の側断面図である。
【図3】(a)は、受光器を備えるヘルメットの側面
図、(b)はその正面図である。
【図4】(a)は、第2投光器を備える重機の後部の概
要を示す側面図、(b)はその平面図である。
【図5】下を向いて作業を行う作業者を示す図である。
【図6】第1投光器が光を照射する状態の概要を示す図
である。
【図7】第1投光器が照射した光が地面に照らされた状
態を示す平面図である。
【図8】(a)は、受光器を備えるヘルメットの側面
図、(b)はその正面図、(c)は作業者が下を向いた
ときの側面図である。
【図9】本発明の他の態様に係る吊荷下の警報装置の概
要を示す図である。
【符号の説明】
1 第1投光器 2 受光ユニット(受光器) 3 起立状態維持機構 4 第2投光器 11 ケース 12 光発信器 13 固定凹レンズ 14 移動凹レンズ 15 ズーム駆動装置 22 受光面 22’ 受光素子 25 フォトダイオード 28 ブザー(警報器) 32 回転軸 33 重錘 F 吊荷 C クレーン(吊り機) CA ブーム(荷吊アーム) H ヘルメット M 作業者 S 油圧ショベル(重機)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒野 敏郎 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−193092(JP,A) 特開 平9−208182(JP,A) 特開 平5−294596(JP,A) 特開 平7−108067(JP,A) 特開 平7−158270(JP,A) 実開 平6−65385(JP,U) 実開 平3−115623(JP,U) 実開 平5−33080(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 21/00 - 21/24 A42B 3/04 B66C 15/00 - 15/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方位置に設けられた投光器から発せら
    れる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、 前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、 前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一
    個ずつ受光素子を内蔵し、 前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光
    範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後
    方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、こと
    を特徴とする受光器を備えるヘルメット。
  2. 【請求項2】 上方位置に設けられた投光器から発せら
    れる光を受光する受光器を備えるヘルメットであって、 前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受
    光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴と
    する受光器を備えるヘルメット。
  3. 【請求項3】 前記起立状態維持機構を解除して、前記
    受光器を固定する受光器固定装置が設けられていること
    を特徴とする請求項2に記載の受光器を備えるヘルメッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記受光器の受光感度の調整が可能とな
    るように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれか一項に記載の受光器を備えるヘルメ
    ット。
  5. 【請求項5】 吊り機における荷吊アームの先端に吊ら
    れた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、作
    業員が被るヘルメットに取り付けられて前記投光器から
    照射される光を受光する受光面を有する受光器と、前記
    受光器が前記投光器から照射される光を受光したときに
    警報を発する警報器とを備え、 前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範
    囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能と
    されているとともに、 前記受光器は該ヘルメットの左右に固定され、 前記各受光器は、側面視で鉛直軸の前後に少なくとも一
    個ずつ受光素子を内蔵し、 前記各受光素子が側面視で前後方向に55°ずつの受光
    範囲を有して、前記各受光器が側面視で鉛直軸から前後
    方向に55°ずつ計110°の受光範囲を有する、こと
    を特徴とする吊荷下の警報装置。
  6. 【請求項6】 吊り機における荷吊アームの先端に吊ら
    れた吊荷の下方の警戒範囲に光を照射する投光器と、人
    体に被着される物に取り付けられて前記投光器から照射
    される光を受光する受光面を有する受光器と、前記受光
    器が前記投光器から照射される光を受光したときに警報
    を発する警報器とを備え、 前記投光器から投射される光で照射される範囲の照射範
    囲を調整することによって、前記警戒範囲が調整可能と
    されているとともに、 前記受光器における受光面が上方を向くように、前記受
    光器に起立状態維持機構が設けられていることを特徴と
    する吊荷下の警報装置。
  7. 【請求項7】 前記警報器が、前記吊り機のオペレータ
    にも警報を発するものであることを特徴とする請求項5
    または請求項6に記載の吊荷下の警報装置。
  8. 【請求項8】 前記受光器の近傍に配置された重機にも
    投光器が設けられており、 前記重機に設けられた投光器から照射された光を前記受
    光器が受光したときに、重機との間の挟まれ警報を前記
    警報器から発することを特徴とする請求項5乃至請求項
    7のいずれか一項に記載の吊荷下の警報装置。
  9. 【請求項9】 前記警報器が、前記重機のオペレータに
    も警報を発するものであることを特徴とする請求項8に
    記載の吊荷下の警報装置。
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