JP3326020B2 - 薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents
薄膜トランジスタの作製方法Info
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Description
半導体装置、特に薄膜トランジスタの構成およびその作
製方法に関する。
を用いたトランジスタ(薄膜トランジスタと称される)
を形成する技術が研究されている。特に薄膜半導体とし
て非晶質珪素(アモルファスシリコン)を用いた技術
は、実用化されており、アクティブマトリクス型の液晶
表示装置等に利用されている。
ランジスタは、その特性が低いという問題がある。例え
ば、アクティブマトリクス型の液晶表示装置の表示機能
としてより高い機能を求めようとする場合、非晶質珪素
膜を用いた薄膜トランジスタでは、その特性が低すぎ
る。
素膜を用いて薄膜トランジスタを構成する技術が知られ
ている。この技術は、非晶質珪素膜の形成後に加熱処理
やレーザー光の照射を行うことにより、非晶質珪素膜を
結晶性珪素膜に変成するものである。非晶質珪素膜を結
晶化させることによって得られる結晶性珪素膜は、一般
に多結晶構造あるいは微結晶構造を有している。
構成した場合、非晶質珪素膜を用いた場合に比較して、
はるかに高い特性を得ることができる。例えば、薄膜ト
ランジスタの特性を評価する一つの指標である移動度で
見た場合、非晶質珪素膜を用いた薄膜トランジスタでは
移動度が1〜2cm2 /Vs以下であるが、結晶性珪素
膜を用いた薄膜トランジスタでは、100cm2 /Vs
程度以上とすることができる。
ことによって得られた結晶性珪素膜は、多結晶構造を有
しており、結晶粒界に起因する数々の問題があった。例
えば、結晶粒界を経由して移動してしまうキャリアが存
在するために、薄膜トランジスタの耐圧が大きく制限さ
れてしまうという問題である。また、高速動作を行わす
場合等に特性の変化や劣化が起こりやすいという問題が
ある。また、結晶粒界を経由して移動してしまうキャリ
アが存在するために、薄膜トランジスタがOFF時にお
けるリーク電流(漏れ電流)が多くなってしまうという
問題がある。
置をより集積化した形で構成しようとする場合、画素領
域のみでなく、周辺回路をも1枚のガラス基板上に形成
してしまうことが望まれる。このような場合、マトリク
ス状に数十万個配置された画素トランジスタを駆動する
ために、周辺回路に配置された薄膜トランジスタには大
電流を扱えることが要求される。
ジスタを得るには、チャネル幅を大きくした構造を採用
する必要がある。しかしながら、多結晶珪素薄膜や微結
晶珪素薄膜を用いた薄膜トランジスタでは、そのチャネ
ル幅を広くしても耐圧の問題から実用にならないという
問題があった。またしきい値の変動等が大きく、実用的
ではないという問題がある。
明は、結晶粒界の影響を受けない薄膜トランジスタを提
要することを目的とする。また、本明細書で開示する発
明の他の目的は、耐圧が高く大電流を扱うことのできる
薄膜トランジスタを提供することを目的とする。また、
本明細書で開示する発明の他の目的は、特性の劣化や変
動の無い薄膜トランジスタを提供することを目的とす
る。また、本明細書で開示する発明の他の目的は、単結
晶半導体を用いた場合と同様な特性を有する薄膜トラン
ジスタを提供することを目的とする。
の一つは、絶縁表面を有する基板上に形成された薄膜半
導体を用いた半導体装置であって、前記薄膜半導体は結
晶性を有しており、かつ水素またはハロゲン元素を含有
し、前記半導体装置の活性層を形成する前記薄膜半導体
中には結晶粒界が存在していないことを特徴とする。
上に形成された薄膜半導体を用いた半導体装置であっ
て、前記薄膜半導体は結晶性を有しており、前記半導体
装置の活性層を形成する前記薄膜半導体中には結晶粒界
が存在しておらず、かつ中和されるべき点欠陥を1×1
016cm-3以上有し、前記点欠陥を中和すべき水素また
はハロゲン元素を1×1015〜1×1020cm-3の濃度
で含有し、ていることを特徴とする。
珪素ウエハーに存在する点欠陥は、計測限界以下(1×
1015cm-3)以下である。この意味で本明細書で開示
する薄膜状を有し、結晶粒界が存在しない領域(モノド
メイン領域)は、従来より公知の単結晶珪素ウエハーと
は異なるものであるといえる。
は、炭素及び窒素の原子が1×1016cm-3〜5×10
18cm-3の濃度で含まれており、かつ酸素の原子が1×
1017cm-3〜5×1019cm-3の濃度で含まれてい
る。
は、その厚さが200Å〜2000Åである。これは、
プラズマCVD法や減圧熱CVD法で成膜された薄膜状
の非晶質珪素膜を出発膜としてしていることに起因す
る。また前述の中和されるべき点欠陥の存在(不対結合
手)の存在も出発膜がCVD法で成膜された薄膜珪素半
導体であることに起因する。
おいて、その作製工程において、珪素の結晶化を助長す
る金属元素を利用することは有効である。この金属元素
としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、O
s、Ir、Pt、Cu、Zn、Ag、Auから選ばれた
一種または複数種類の元素を用いることができる。これ
らの元素は珪素に対して進入型の性質を有しており、加
熱処理やレーザー光の照射を行うことによって珪素膜中
に拡散していく。上記元素の中で特に顕著な効果を得る
ことができる元素はNi(ニッケル)である。
素膜の上面または下面に接して金属元素単体または金属
元素を含む層を形成し、しかる後に加熱しつつのレーザ
ー光の照射を行えばよい。また、加熱処理をした後にレ
ーザー光を照射するのでもよい。
する金属元素の濃度は、1×1016cm-3〜5×1019
cm-3となるようにする必要がある。これは、この濃度
範囲よりも金属元素の濃度が高い場合、半導体としての
特性が阻害され、デバイスとしての機能が損なわれてし
まい、またこの濃度範囲よりも金属元素の濃度が低い場
合、結晶化を助長する作用が得られないからである。
上に形成された薄膜半導体で活性層を構成した半導体装
置であって、前記薄膜半導体は結晶性を有しており、前
記活性層はソース領域とドレイン領域とチャネル形領域
とを有し、前記チャネル形成領域中には結晶粒界が存在
していないことを特徴とする半導体装置。
イン領域とすることを特徴とするものである。上記構成
のように、少なくともチャネル形成領域中において結晶
粒界が存在しない構成とすることによって、高い特性を
有する薄膜トランジスタを得ることができる。これは、
結晶粒界の存在に起因するキャリアの散乱、特性の変
動、特性の劣化が無くなるためである。
含めた活性層全体をモノドメイン領域とすることはより
好ましい。
上に形成された薄膜半導体で活性層を構成した半導体装
置であって、前記薄膜半導体は結晶性を有しており、前
記活性層はソース領域とドレイン領域とチャネル形領域
とを有し、前記チャネル形成領域中には結晶粒界が存在
しておらず、前記チャネル形成領域中には点欠陥が1×
1016cm-3以上存在していることを特徴とする。
上に非晶質珪素膜を形成する工程と、450℃〜750
℃の温度に加熱した状態でレーザー光または強光を照射
し、スピン密度が1×1015〜1×1019cm-3の結晶
性を有する薄膜珪素半導体を形成する工程と、を有する
ことを特徴とする。
成するには、加熱しつつレーザー光の照射を行うことが
有用である。この際、加熱の温度を450℃〜750
度、好ましくは、500℃〜600℃の温度範囲に試料
(被形成面)を加熱した状態でレーザー光を照射するこ
とが重要である。なおレーザー光の他に赤外光等の強光
を照射するのでもよい。
素を導入した場合において、レーザー光の照射の前に加
熱処理を行い、結晶化または結晶核の生成を行うことは
有効である。またレーザー光の照射の後に加熱処理を行
うことは、膜中の欠陥を減少させるために有効である。
い、膜中の欠陥の中和を行うことは有効である。この水
素化工程は、水素または水素を含む雰囲気中で加熱処理
やプラズマ処理を行えばよい。
エン(モノドメイン)として見なすことができる。この
単結晶と見なせる領域を用いて形成された薄膜トランジ
スタをモノドメインTFTという。
形成するには、例えば、以下に示すような方法がある。
まず非晶質珪素膜をガラス基板や石英基板上に形成し、
しかる後に非晶質珪素膜の表面にニッケルを含む膜を形
成する。このニッケルを含む膜は、スパッタ法等によっ
て、極薄いニッケル薄膜を形成するのでもよいし、ニッ
ケルを含んだ溶液を非晶質珪素膜の表面に塗布すること
により、ニッケル元素が非晶質珪素膜の表面に接して配
置される方法を採用するのでもよい。
ら、加熱処理により、非晶質珪素膜を結晶化させる。こ
の加熱処理は、ニッケル元素の作用によって750℃以
下の温度で行うことができる。基板としてガラス基板を
用いた場合には、この加熱処理の温度を600℃以下と
することが好ましいが、結晶化工程の効率を考慮した場
合、500℃以上、好ましくは550℃以上の温度で行
うことが有用である。なお、基板として石英基板を用い
た場合には、800℃さらにはそれ以上の温度でこの加
熱処理を行うことができ、単時間で結晶性珪素膜を得る
ことができる。この工程で得られる結晶性珪素膜は、多
結晶または微結晶状態を有しており、膜中には結晶粒界
が存在している。
した状態でレーザー光を照射することによって、レーザ
ー光が照射された領域の結晶性を局所的に助長させる。
この工程によって単結晶と見なせる領域を形成すること
ができる。このレーザー光の照射を行う際に試料または
被照射面を450℃以上の温度で加熱することが重要で
ある。この加熱温度は、450℃〜750℃、特に基板
としてガラス基板を用いた場合には、450℃〜600
℃とすることが好ましい。
方法としては、非晶質珪素膜を形成し、結晶化を助長す
る金属元素を導入したら、加熱処理を行わないで、レー
ザー光を照射し、単結晶とみなせる領域を形成する方法
を挙げることができる。この場合もレーザー光の照射時
に試料を450℃〜750℃、特に基板としてガラス基
板を用いる場合には、450℃〜600℃(基板の耐熱
性が許すならば750℃)の温度で加熱することが重要
である。
〜600℃(基板の耐熱性が許すならば750℃)の温
度で加熱処理を行うことは、膜中に存在する欠陥を減少
させるために有用である。
理と連続して処理することは最も高い効果を得ることが
できる。
を中和するために、レーザー光の照射終了後に水素雰囲
気中で加熱処理を行うことは極めて有効である。
VD法や減圧熱CVD法でもって成膜された珪素膜を出
発膜としており、膜中には、炭素と窒素とが1×1016
〜5×1018cm-3、酸素が1×1017〜5×1019c
m-3の濃度で含まれている。
で、珪素の不対結合手を中和するために水素を1×10
17〜5×1020cm-3の濃度で含んでいる。即ち、この
単結晶と見なせる領域は、点欠陥を有してはいるが、線
欠陥や面欠陥は有していないことが特徴である。なお、
これら含有されている元素の濃度は、SIMS(2次イ
オン分析法)で計測される値の最低値として定義され
る。
型トランジスタと多結晶珪素薄膜トランジスタ(P−S
i TFT)と非晶質珪素薄膜トランジスタ(a−Si
TFT)とモノドメイン薄膜トランジスタの諸特性お
よび特徴を比較した表を示す。
層として用いて薄膜トランジスタを構成することで、耐
圧が高く、また特性の変動や劣化の無い薄膜トランジス
タを得ることができる。
る。ガラス基板としては、ガラス歪点が350℃〜70
0℃であるものを用いることができる。本実施例におい
ては、ガラス基板として(コーニング7059)を用
い、このガラス基板の歪点温度以下の温度で、薄膜トラ
ンジスタを作製する例である。コーニング7059ガラ
ス基板の歪点は、593℃であり、この温度以上の温度
での加熱処理は、ガラス基板の縮や変形を招くことにな
り好ましくない。特に大型の液晶表示装置に利用するた
めに大面積を有するガラス基板を用いた場合には、ガラ
ス基板の縮や変形の影響が顕著になってしまう。
は、加熱処理工程における最高温度を600℃以下、好
ましくは550℃以下とすることによって、基板に対す
る熱の影響を大きく低減させることを特徴とする。
作製工程を示す。まずコーニング7059ガラス基板1
01上に下地膜として酸化珪素膜102を3000Åの
厚さにスパッタ法によって形成する。次に非晶質珪素膜
を500Åの厚さにプラズマCVD法または減圧熱CV
D法によって成膜する。
50℃、ここでは550℃の温度に試料を加熱した状態
でレーザー光(KrFエキシマレーザー)を照射し、図
1(A)に示すように単結晶と見なせるモノドメイン領
域103、104、105を形成する。図1(A)に示
す状態を上面から見た様子を図2(A)に示す。モノド
メイン領域103〜105は、結晶粒界100でもって
お互いに接している。図2においては、3つのモノドメ
イン領域しか示していないが、実際には多数のモノドメ
インが形成される。なおモノデメインの形状は円形に限
定されるものではなく、多様な形状を挙げることができ
る。
時に試料を550℃という高い温度に加熱して行うこと
によって、50μm以上の粒径を有するモノドメイン
(単結晶と見なせる)領域を形成することができる。
を助長する金属元素を導入することは有効である。こう
することによって、より大きな面積に渡って単結晶と見
なせる領域を形成することができる。
たら、この領域を用いて薄膜トランジスタの活性層をパ
ターニングより形成する。活性層は、その全体が単結晶
と見なせる領域内に形成されるのが最も好ましい。ここ
では、104で示される領域に活性層106を形成す
る。こうして図1(B)に示す領域100を活性層とし
て形成する。
質的に存在しておらず、従って単結晶を用いた場合に匹
敵する特性を有する薄膜トランジスタを得ることができ
る。図7に示すのは、550℃の加熱をしながらKrF
エキシマレーザー光を照射することによって得られた薄
膜珪素半導体の結晶構造を示した写真である。そして、
図7に示すようなモノドメイン領域を利用して、薄膜ト
ランジスタの活性層を構成することで、モノデメインT
FTを得ることができる。
として酸化珪素膜112を1000Åの厚さにプラズマ
CVD法で成膜する。そして、スカンジウムが0.2 %含
まれたアルミニウムを主成分とする膜を6000Åの厚
さに成膜する。次にこのアルミニウムを主成分とする膜
をパターニングすることにより、ゲイト電極113を得
る。
コール溶液中でゲイト電極113を陽極として陽極酸化
を行うことで、酸化物層114を形成する。この酸化物
層114の厚さは2000Å程度とする。この酸化物層
114が存在することで、後の不純物イオン注入の工程
において、オフセットゲイト領域を形成することができ
る。
ればリンのイオンを、Pチャネル型の薄膜トランジスタ
であればボロンのイオンを不純物イオンとして活性層に
注入する。この工程において、ゲイト電極113とその
周囲の酸化物層114がマスクとなり、107と111
で示される領域に不純物イオンが注入される。そして不
純物イオンが注入された107の領域はソース領域に、
また111の領域はドレイン領域として形成される。ま
たゲイト電極113の周囲の酸化物層114がマスクと
なり、オフセットゲイト領域108と110とが同時に
形成される。またチャネル形成領域109も自己整合的
に形成される。(図1(C))
ー光を照射し、不純物イオンの注入によって損傷した活
性層のアニールと注入された不純物の活性化を行う。こ
の工程は、赤外光等の強光を照射することによって行っ
てもよい。
をプラズマCVD法で7000Åの厚さに成膜する。さ
らに穴開け工程を経て、ソース電極116とドレイン電
極117を形成する。さらに350℃の水素雰囲気中に
おいて加熱処理を行うことにより、薄膜トランジスタを
完成させる。(図1(D))
層が単結晶と見なせる構造を有した領域(モノドメイン
領域)で構成されているので、結晶粒界に起因する耐圧
の低さの問題やリーク電流が大きいという問題を解決す
ることができる。
設けた例を示したが、複数のモノドメイン領域を用いて
複数の薄膜トランジスタを形成することは当然可能であ
る。
る金属元素を非晶質珪素膜に導入することにより、単結
晶と見なせる結晶領域を形成し、この結晶性を有する領
域を用いて薄膜トランジスタを構成した例を示す。
金属元素を導入する工程以外は実施例1に示すものと同
様である。本実施例においては、まず非晶質珪素膜の形
成後に、非晶質珪素膜の表面にUV酸化法によって、極
薄い酸化膜(図示せず)を形成する。この酸化膜は後の
溶液塗布工程において、溶液の濡れ性を良くするための
ものである。ここで行うUV酸化工程は、酸化性雰囲気
中においてUV光を照射することによって、被照射面の
表面に極薄い酸化膜を形成するものである。
形成された非晶質珪素膜の表面にスピンコート法によっ
てコーティングし、ニッケルを含有した被膜を形成す
る。この被膜が存在することで、極薄い酸化膜を介して
ニッケル元素が非晶質珪素膜に接して配置された状態と
なる。
施し、非晶質珪素膜を結晶性珪素膜に変成させる。ここ
では、結晶化を助長する金属元素であるニッケルが導入
されているので、550℃、4時間程度の加熱処理で結
晶性珪素膜を得ることができる。
た珪素膜を得たら、レーザー光を照射することによっ
て、図1の103〜104で示されるようなモノドメイ
ン領域を形成する。本実施例の場合は、結晶化を助長す
る金属元素であるニッケルが導入されているので、より
大きなモノドメイン領域を得ることができる。モノドメ
イン領域を得た後は、実施例1と同様にして薄膜トラン
ジスタを形成する。
インを用いて、薄膜トランジスタのチャネル形成領域を
形成した例を示す。図3に本実施例で示す薄膜トランジ
スタの作製工程を示す。
化珪素膜102を3000Åの厚さにスパッタ法で形成
する。そしてプラズマCVD法または減圧熱CVD法を
用いて、非晶質珪素膜を500Åの厚さに形成する。そ
して試料を550℃の温度に加熱した状態でレーザー光
(KrFエキシマレーザー)を照射し、複数のモノデメ
イン領域103〜105を形成する。(図3(A))
4(A)に示す。各モノドメイン103〜105は、結
晶粒界100のよって互い接している。結晶粒界100
で仕切られる内部が単結晶と見なせる領域、即ちモノド
メイン領域である。
109で示される領域)がモノデメイン領域104の内
部に含まれるように、活性層106を形成する。(図3
(B))
として酸化珪素膜112を1000Åの厚さにプラズマ
CVD法で成膜する。そして、スカンジウムが0.2 %含
まれたアルミニウムを主成分とする膜を6000Åの厚
さに成膜する。次にこのアルミニウムを主成分とする膜
をパターニングすることにより、ゲイト電極113を得
る。
コール溶液中でゲイト電極113を陽極として陽極酸化
を行うことで、酸化物層114を形成する。この酸化物
層114の厚さは2000Å程度とする。この酸化物層
114が存在することで、後の不純物イオン注入の工程
において、オフセットゲイト領域を形成することができ
る。
ればリンのイオンを、Pチャネル型の薄膜トランジスタ
であればボロンのイオンを不純物イオンとして活性層に
注入する。この工程において、ゲイト電極113とその
周囲の酸化物層114がマスクとなり、107と111
で示される領域に不純物イオンが注入される。そして不
純物イオンが注入された107の領域はソース領域に、
また111の領域はドレイン領域として形成される。ま
たゲイト電極113の周囲の酸化物層114がマスクと
なり、オフセットゲイト領域108と110とが同時に
形成される。またチャネル形成領域109も自己整合的
に形成される。(図3(C))
ー光を照射し、不純物イオンの注入によって損傷した活
性層のアニールと注入された不純物の活性化を行う。こ
の工程は、赤外光等の強光を照射することによって行っ
てもよい。
をプラズマCVD法で7000Åの厚さに成膜する。さ
らに穴開け工程を経て、ソース電極116とドレイン電
極117を形成する。さらに350℃の水素雰囲気中に
おいて加熱処理を行うことにより、薄膜トランジスタを
完成させる。(図3(D))
ネル形成領域が単結晶と見なせる構造を有した領域(モ
ノドメイン領域)で構成されているので、キャリアの移
動に際して、障害となる存在が少なく、高い特性を得る
ことができる。
インの領域は、最低限チャネル形成領域の大きさがあれ
ばよいので、薄膜トランジスタを作製する際の自由度を
高めることができる。
設けた例を示したが、複数のモノドメイン領域を用いて
複数の薄膜トランジスタを形成することは当然可能であ
る。
で、結晶粒界の影響を受けない薄膜トタンジスタを得る
ことができる。そして耐圧が高く、特性の変動がなく、
さらに大電流を扱うことのできる薄膜トランジスタを得
ることができる。また薄膜トランジスタの動作が結晶粒
界の影響を受けないものとすることができるので、OF
F電流の小さな特性とすることができる。
図。
トランジスタとの比較表を示す図。
トランジスタとの比較表を示す図。
せる領域) 106 活性層 107 ソース領域 108 オフセットゲイト領域 109 チャネル形成領域 110 オフセットゲイト領域 111 ドレイン領域 112 ゲイト絶縁膜 113 ゲイト電極 114 酸化物層 115 層間絶縁膜 116 ソース電極 117 ドレイン電極 100 結晶粒界(グレインバンダリ)
Claims (9)
- 【請求項1】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記金属
元素を導入した非晶質珪素膜にレーザー光を照射する工
程と、 該レーザー光が照射された領域を450℃〜600℃の
温度で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程
と、 を有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項2】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 該金属元素を導入した非晶質珪素膜を加熱して結晶化す
る工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記結晶
化により形成した結晶性珪素膜にレーザー光を照射する
工程と、 該レーザー光が照射された領域を450℃〜600℃の
温度で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程
と、を有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項3】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 該金属元素を導入した非晶質珪素膜を加熱して結晶核を
形成する工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記結晶
核を形成した非晶質珪素膜にレーザー光を照射する工程
と、 該レーザー光が照射された領域を450℃〜600℃の
温度で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程
と、を有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項4】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記金属
元素を導入した非晶質珪素膜に赤外光を照射する工程
と、 該赤外光が照射された領域を450℃〜600℃の温度
で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程と、 を有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項5】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 該金属元素を導入した非晶質珪素膜を加熱して結晶化す
る工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記結晶
化により形成した結晶性珪素膜に赤外光を照射する工程
と、 該赤外光が照射された領域を450℃〜600℃の温度
で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程と、を
有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項6】絶縁表面を有する基板上に非晶質珪素膜を
形成する工程と、 該非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属元素を導
入する工程と、 該金属元素を導入した非晶質珪素膜を加熱して結晶核を
形成する工程と、 450℃〜750℃の温度に加熱した状態で、前記結晶
核を形成した非晶質珪素膜に赤外光を照射する工程と、 該赤外光が照射された領域を450℃〜600℃の温度
で加熱して単結晶と見なせる領域を形成する工程と、を
有し、 前記単結晶と見なせる領域をチャネル形成領域に用いる
ことを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか一におい
て、前記珪素の結晶化を助長する金属元素は、ニッケル
であることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載
の方法を用いて作製されたことを特徴とする薄膜トラン
ジスタ。 - 【請求項9】請求項8に記載の薄膜トランジスタを用い
たことを特徴とする液晶表示装置。
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