JP3324713B2 - 脱墨パルプの製造方法 - Google Patents

脱墨パルプの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷古紙から脱墨パル
プを製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は、
印刷古紙パルプを脱墨処理するに際し、特定条件下での
オゾン処理を行うことにより脱墨効果を高め、パルプの
より一層の高白色度化を可能とする脱墨パルプの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より古紙は重要な製紙原料として再
生使用されてきているが、近年における地球的規模での
環境保全および省資源に対する強い要請を背景として、
古紙をより高度に処理し、再生利用の範囲を拡大するこ
とが当業界における極めて重要な技術課題となってい
る。この一つの方向として、印刷古紙の印刷インキを脱
墨工程で除去し、白色度の高い脱墨パルプとし、各種印
刷用紙の原料としての使用を可能とするべく、各種の脱
墨・漂白方法が提案され、工業的に実施されてきてい
る。
【0003】現行の一般的な脱墨パルプの製造法によれ
ば、印刷古紙をパルパーにて離解、解繊する離解工程に
続き、脱水濃縮した離解パルプにアルカリ性薬品、界面
活性剤、過酸化水素等を添加して、パルプ繊維を膨潤さ
せ、印刷インキをパルプ繊維から剥離させるアルカリソ
ーキング工程、ソーキング処理したパルプを希釈し、細
かい空気の気泡を吹き込み、印刷インキを気泡に付着さ
せて浮上分離するフローテーション工程、ソーキング処
理後またはフローテーション処理後、パルプ繊維を多量
の水で希釈・脱水して印刷インキを洗浄除去する洗浄工
程を経て、脱墨パルプを製造している。
【0004】アルカリソーキング処理およびフローテー
ション処理および(または)洗浄処理だけでも、ある程
度の白色度の脱墨パルプが得られる。しかし、これらの
処理工程で得られる脱墨パルプの白色度には限界があ
り、更に高い白色度の脱墨パルプを得るためには、後段
に漂白処理が必要となる。脱墨パルプの漂白処理方法と
しては、過酸化水素等による酸化漂白処理、フォルムア
ミジンスルフィン酸等による還元漂白処理等が採用さ
れ、高白色度の脱墨パルプが製造されている。
【0005】パルプの漂白に関しては、有機塩素化合物
による環境汚染防止の観点から、塩素系漂白剤の使用を
削減もしくはゼロにするECFまたはTCFパルプの実
用化が検討され、一部実用化されている。塩素系漂白剤
にかわる漂白剤として、酸素、過酸化水素、オゾン等の
酸素系漂白剤が使用されている。オゾンは極めて酸化力
の強い酸素系漂白剤であるが、酸化力が強すぎるため、
パルプの漂白作用以外にパルプ繊維の崩壊をも引き起こ
し、パルプ強度の低下をもたらす危険性がある。また、
オゾンは常温常圧で水に溶けにくい気体であり、反応性
が激しく、自己無効分解も起こり、特にアルカリ性では
分解しやすいという性質がある。このため、パルプのオ
ゾン漂白は、常温付近の比較的低温での、30〜45%
の高濃度パルプを処理する気相反応が主流となってお
り、パルプ強度の低下を防止するため、pH1〜3程度
の酸性で処理している。
【0006】古紙の再生処理におけるオゾンの利用も検
討されており、F.A. Abadie-Maubert, N.Soteland の報
告(Ozone Sci. and Eng. 7(3) 229(1985))によれば、
印刷古紙を離解・脱水してパルプ濃度35%としてフラ
ッフィングし、オゾン濃度2%の酸素ガスを供給し、酸
性条件下(例えばPH3.0)、オゾン添加率1〜3%
で室温で処理し、その後アルカリでPH8.5にして残
オゾンを分解している。この報告によれば、オゾン処理
は脱インキ効果はないが、パルプの機械的性質および光
学的性質の改良に可能性があるとしている。また、M.Mu
guet, J.Koganの報告(Proceeding of the 1992 TAPPI
Pulping Conference,1992,p.75)では、脱墨古紙パルプ
を3%濃度でpH2.5に調製した後、パルプ濃度30
〜40%に脱水し、フラッフィングし、オゾン濃度3.
5%の酸素を供給し、絶乾パルプ当たり0.3%〜2%
程度のオゾン消費率で25℃で処理している。これらの
オゾン処理は、オゾンを古紙パルプの漂白に使用するも
のが主体であり、酸性での漂白方法が採用されている。
【0007】印刷古紙より脱墨パルプを製造する方法に
おいて、アルカリソーキング処理によりパルプ繊維を膨
潤させ、印刷インキを剥離し、フローテーション処理に
より印刷インキをパルプ繊維から分離する方法が我国で
は主流となっている。フローテーション処理で分離され
やすい印刷インキの粒径は、10〜100μmであると
いわれている。従って、フローテーション処理によって
除去できない印刷インキが脱墨パルプに残留し、脱墨パ
ルプ特有の“くすみ”を生じさせ、脱墨パルプの用途拡
大を阻害する一因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の実情に鑑み、脱墨パルプに残留する印刷インキ(以
下、残留カーボンと称する)を減少させ、脱墨パルプ特
有の“くすみ”を減少させ、より高白色度の脱墨パルプ
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕 本発明者らは、古紙パルプの脱墨処理において、特定の
処理工程にてアルカリ性〜中性条件下でのオゾン処理を
行うことにより上記目的が達成されることを見出した。
即ち、本発明による脱墨パルプの製造方法は、印刷古紙
を離解工程、アルカリソーキング工程、フローテーショ
ン工程、および、洗浄工程、および所望により漂白工程
を含む工程で処理することにより脱墨パルプを製造する
方法において、前記アルカリソーキング工程とフローテ
ーション工程との間で、パルプ濃度8〜45%、pH
7.0〜13.5の条件下でオゾン処理を行うことを特
徴とするものである。
【0010】〔発明の具体的な説明〕 本発明によるオゾン処理は、脱墨パルプ製造工程のうち
離解工程、アルカリソーキング工程、フローテーション
工程、および、洗浄工程において、アルカリソーキング
工程とフローテーション工程との間で、パルプ濃度8〜
45%、pH7.0〜13.5の条件下でオゾン処理を
行うことにより大きなオゾン処理効果である“くすみ”
を減少させることができる。その理由は、オゾン処理に
より印刷インキの粒径がオゾンとの反応によりフローテ
ーションし易い粒径に変化したり、印刷インキの粒子と
オゾンとの反応により印刷インキ粒子の表面性が変化
し、フローテーションし易い表面性に変化して、次工程
のフローテーション工程で気泡に付着させて分離するた
めではないかと考えられる。
【0011】本発明によるオゾン処理を更に漂白工程
(過酸化水素漂白、フォルムアミジンスルフィン酸(F
AS)漂白等)にて行う場合にも、その実施時期はやは
り工程の後半、特に漂白処理が実質的に終了した時点が
好ましい。漂白処理開始当初にオゾンを添加すると、上
述のアルカリソーキング工程におけるオゾン処理の場合
と同様、漂白剤として使用される過酸化水素、フォルム
アミジンスルフィン酸等とオゾンとの反応により、それ
ぞれのパルプへの作用が低減してしまう。
【0012】本発明においては、パルプのオゾン処理に
おける条件としては、オゾン処理時のパルプスラリーの
pHは7.0〜13.5であり、好ましくは9.0〜1
2.0である。このpH範囲は、通常のアルカリソーキ
ング処理および漂白処理(過酸化水素漂白、FAS漂白
等)時のパルプスラリーのpH範囲に相当し、従って、
これらの処理時(上述のように処理終了時も含む)にオ
ゾン処理を実施するに際し、パルプスラリーpHを特に
変更する必要はない。オゾンの使用量は、一般に対絶乾
パルプ0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜
5重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。
【0013】オゾン処理時のパルプスラリーの温度は、
オゾンの反応性が極めて激しく、短時間でオゾンの反応
が終了するため特に制限されないが、一般に5〜95
℃、好ましくは40〜70℃である。処理時間は、オゾ
ンの使用量、オゾンの濃度およびパルプの処理濃度等に
依存するが、短時間でオゾンの反応が終了するため、一
般に0.1〜60分、好ましくは0.5〜30分であ
る。オゾンは水に溶けにくい気体であるため、オゾンと
古紙パルプとの接触を良くする目的で、オゾン処理時の
古紙パルプの濃度は出来るだけ高濃度であることが好ま
しく、古紙パルプの濃度が8〜45%にて行われる。ま
た、オゾンは前述のように水に溶解しにくい、極めて反
応性に富む気体であるため、処理効率を高めるために
は、オゾン処理に際して古紙パルプを攪拌混合すること
が望ましい。攪拌混合時の攪拌回転数は、10〜200
0rpm、特に100〜1500rpmが、攪拌効率お
よび高速回転によるパルプ繊維の強度低下防止の観点か
ら望ましい。
【0014】本発明で使用するオゾンとしては、例え
ば、空気を含む脱湿した酸素含有ガス気流中に無声放電
するオゾン発生器により製造されるオゾン含有ガスを用
いることができる。酸素含有ガスの酸素濃度が高いほ
ど、製造されるオゾン濃度が高くなる。このオゾン含有
ガスを使用する場合、オゾン濃度が高い方が処理効率上
望ましく、処理時間が短縮化される。このため、オゾン
製造用酸素含有ガスとしては、コスト的にも有利な、空
気のPSA法による高濃度酸素含有ガスまたは深冷分離
法による高純度酸素含有ガスを使用することが好まし
い。これらオゾン製造用酸素含有ガス中の酸素濃度は一
般に65〜100体積%である。また、オゾン含有ガス
中のオゾン濃度は、オゾン発生器に供給する酸素含有ガ
スの酸素濃度および流量、無声放電の荷電電圧により変
動可能であるが、一般に0.01〜15重量%、好まし
くは5〜15重量%である。本発明によるオゾン処理
は、通常、上記オゾン含有ガスをパルプスラリー中に吹
込むことにより行われる。
【0015】上記オゾン含有ガス中のオゾンは、オゾン
処理の際の古紙パルプとの反応もしくは自己無効分解等
によりその大半が分解し、オゾン処理後のガス中にはオ
ゾンはほとんど含まれていない。しかし、このオゾン処
理後の酸素含有ガスである排気ガスは、オゾン製造用の
酸素含有ガスとして再使用することができる。無声放電
によるオゾン発生器に使用する酸素含有ガスは、無声放
電電極間でショートさせないため、脱湿されたものでな
ければならない。従って、オゾン処理後の排気ガスを再
使用するためには、排気ガスを再脱湿する必要があり、
大気圧下の露点が少なくとも−50℃以下、より好まし
くは−60℃以下に脱湿する必要がある。この脱湿した
酸素含有排気ガスをオゾン製造用の脱湿した酸素含有ガ
スに再循環させ、オゾン発生器に供給し、再びオゾン含
有ガスとして、本発明によるオゾン処理に使用すること
ができる。
【0016】前述のように、パルプの漂白にオゾンを漂
白剤として使用する場合は、パルプの繊維強度の低下を
防止するため、通常、酸性でオゾンを添加処理してい
る。一方、印刷古紙の再生処理工程では、アルカリ性で
処理する工程が極めて多く用いられている。古紙の離解
処理においても、離解を促進するためアルカリ性薬品を
添加することがあるし、アルカリソーキングでは、苛性
ソーダ、珪酸ソーダ等のアルカリ性薬品を添加し、アル
カリ性でパルプ繊維の膨潤を促進させ、印刷インキを剥
離しやすくしており、過酸化水素漂白も、アルカリ性で
過酸化水素をHOOアニオンにして漂白しており、フォ
ルムアミジンスルフィン酸(FAS)漂白も、FASを
アルカリ性で分解し、強力な還元性を示すスルフィン酸
イオン(SO 2-)にして漂白している。従って、アル
カリ処理工程を多用する脱墨工程では、酸性でオゾン処
理をするためには、酸で中和し、またアルカリ性に戻す
必要があり、工程数を増加させる必要がある。本発明に
よれば、脱墨パルプのオゾン処理がpH7.0〜13.
5の条件下で行われるので、pH7.0で実施した場合
には中和工程を省略することもできる。
【0017】パルプのオゾン処理は、通常、リグニン含
有量の僅かな化学パルプの漂白に使用されている。これ
は、リグニンを多量に含む機械パルプの漂白にオゾン漂
白を採用しようとすると、多量のリグニンを酸化分解す
るためには多量のオゾンで長時間処理する必要がある
が、オゾンの反応性が極めて激しく、塩素、二酸化塩素
のようなリグニンとの選択的反応性がないため、セルロ
ースもリグニンと同様に酸化分解されてしまい、パルプ
強度の低下をもたらすからである。本発明では、機械パ
ルプを多量に含有する新聞古紙、雑誌古紙等の印刷古紙
を処理の対象とすることが可能である。これは、本発明
のオゾン処理が、これらの印刷古紙に含まれる機械パル
プのリグニンを積極的にオゾンで酸化分解して漂白しよ
うとするものではなく、中性からアルカリ性で短時間、
少量のオゾンで処理することにより、パルプ繊維から剥
離した印刷インキを酸化分解しようとするものであり、
パルプ繊維のセルロースに対するオゾンの作用が極めて
小さいからである。
【0018】本発明の対象となる印刷古紙は、オフセッ
ト、活版、グラビア、フレキソ印刷、スクリーン印刷等
による新聞古紙、雑誌古紙、チラシ古紙および一般商業
印刷古紙等の印刷古紙およびコンピューターアウトプッ
ト古紙および電子複写、静電複写、感熱複写等の各種複
写方式によりコピーまたは印刷されたOA古紙等を含む
印刷古紙である。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、更に詳しく
説明するが、これらの実施例は本発明をなんら限定する
ものではない。なお、実施例における薬品の添加量
(%)は、すべて絶乾パルプ重量に対する純分換算の重
量%を表す。実施例1〜5および比較例1〜3オフセッ
ト印刷された新聞古紙を試験用パルパーで濃度5%にお
いて5分間離解した。この離解パルプにつき、下記の条
件下でアルカリソーキング処理を行い、表1に示す時期
でオゾン処理を行った。 <処理条件> パルプ濃度 :15% 過酸化水素添加量:3.5% 苛性ソーダ添加量:2% 珪酸ソーダ添加量:5% 界面活性剤添加量:0.2% 処理温度 :70℃ 処理時間 :2時間 *ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(n=
8)
【0020】上記ソーキング薬品添加前(比較例1)お
よび添加直後(比較例2)、および、オゾン処理を実施
しなかった場合(比較例3)、並びに、ソーキング処理
終了時(実施例1〜5)について実施した。オゾン処理
は下記の条件下で実施した。ここでオゾン処理は、オゾ
ン含有酸素ガス(オゾン濃度5重量%、酸素濃度95重
量%)をパルプスラリー中に吹込むことにより行った。 <処理条件> パルプ濃度 :15% オゾン使用量 :0〜1% パルプスラリーpH:10 処理温度 :40℃ 処理時間 :10分 パルプスラリー攪拌回転数:200rpm
【0021】上記オゾン処理終了後のパルプスラリーを
パルプ濃度1%に希釈し、ボックス式のテストフローテ
ーターで15分間、フローテーション処理を実施した。
フローテーション処理後のパルプの白色度をISO24
69に準拠して測定した。また、上記フローテーション
後の古紙パルプを、パルプの2,500倍量の脱イオン
水で洗浄したパルプ(完全洗浄パルプと称する)につい
ても同様にして白色度の測定を行った。更に、この完全
洗浄パルプの手漉きシートの表面の画像解析により、残
留カーボンインキの累計面積率(残カーボン%)を求め
た。具体的には、(株)ピアス社製画像解析装置および
光学顕微鏡を使用し、白色度測定用シートを用いて残イ
ンキ面積を測定し、測定視野面積との比率を求めた。結
果を表1に示す。比較例4〜6 上記実施例1においてパルプ濃度を0.5%、1.0
%、3.0%に変更した以外は実施例1と同様に実施し
た。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、オゾン処理した
古紙パルプのフローテーション後の白色度は、オゾン未
処理(比較例3)のパルプ白色度に比較して2〜5.5
ポイントも高くなっているのに対し、フローテーション
後の古紙パルプをパルプの2,500倍量の脱イオン水
で洗浄した完全洗浄パルプの白色度の比較では、0〜
0.5ポイントの差しか認められない。この事実から、
印刷古紙パルプのアルカリ性でのオゾン処理におけるオ
ゾンの作用は、通常のパルプの酸性でのオゾン処理にお
いてパルプに直接オゾンが作用し、パルプを酸化漂白す
ることにより、パルプの白色度を増加させているのでは
なく、印刷古紙パルプ中に含まれる印刷インキ粒子に作
用し、印刷インキを分解して印刷インキの粒径が減少ま
たは消失するか、印刷インキの粒径がオゾンとの反応に
よりフローテーションしやすい粒径に変化したか、印刷
インキの粒子とオゾンとの反応により印刷インキ粒子の
表面性が変化し、フローテーションしやすい表面性に変
化したためではないかと考えられる。この推定は、オゾ
ン処理したパルプの完全洗浄パルプの残カーボン%のデ
ータが、オゾン未処理のパルプより50%も減少してい
ることからも裏付けられる。また、表1の比較例4〜6
と実施例1とを対比することにより明らかな如く、パル
プ濃度が0.5%(比較例4)、1.0%(比較例
5)、3.0%(比較例6)にて実施したものは、パル
プ濃度15%(実施例1)のものに比較して、フローテ
ーションパルプ白色度、完全洗浄パルプ白色度、及び、
完全洗浄パルプ残カーボンの何れの測定結果においても
劣っていることが明らかである。従って、本発明におい
てはパルプ濃度1〜3%よりパルプ濃度15%に調整す
ることにより、特に、フローテーションパルプ白色度を
56.6〜55.4%から58.1%に、又、完全洗浄
パルプ残カーボンを0.26〜0.27%から0.22
%にと格段に優れた効果を発揮することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、古紙パルプの脱
墨処理においてアリカリ〜中性条件下でのオゾン処理を
行うことにより、残留カーボンの減少した、より高白色
度の脱墨パルプが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 5/02 D21C 9/153

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷古紙を離解工程、アルカリソーキング
    工程フローテーション工程、および、洗浄工程、およ
    び所望により漂白工程を含む工程で処理することにより
    脱墨パルプを製造する方法において、前記アルカリソー
    キング工程とフローテーション工程との間で、パルプ濃
    度8〜45%、pH7.0〜13.5の条件下でオゾン
    処理を行うことを特徴とする、脱墨パルプの製造方法。
  2. 【請求項2】オゾンの使用量が、対絶乾パルプ0.01
    〜10重量%である、請求項1に記載の脱墨パルプの製
    造方法。
  3. 【請求項3】オゾン処理に際し、パルプスラリーを10
    〜2000rpmの回転数で攪拌混合する、請求項1ま
    たは2に記載の脱墨パルプの製造方法。
  4. 【請求項4】オゾン処理時のパルプスラリーのpHが
    9.0〜12.0である、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の脱墨パルプの製造方法。
  5. 【請求項5】オゾン処理時のパルプスラリーの温度が4
    0〜70℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の脱墨パルプの製造方法。
  6. 【請求項6】オゾン処理の処理時間が0.5〜30分で
    ある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱墨パルプ
    の製造方法。
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