JP3324413B2 - 導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

導電性シリコーンゴムロール

Info

Publication number
JP3324413B2
JP3324413B2 JP28603196A JP28603196A JP3324413B2 JP 3324413 B2 JP3324413 B2 JP 3324413B2 JP 28603196 A JP28603196 A JP 28603196A JP 28603196 A JP28603196 A JP 28603196A JP 3324413 B2 JP3324413 B2 JP 3324413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
parts
rubber roll
roll
organopolysiloxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28603196A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10110100A (ja
Inventor
佐太央 平林
中村  勉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP28603196A priority Critical patent/JP3324413B2/ja
Publication of JPH10110100A publication Critical patent/JPH10110100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3324413B2 publication Critical patent/JP3324413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務機等に使用さ
れる現像、搬送、帯電、転写、定着用ロールなどとして
好適な導電性シリコーンゴムロールに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、事務機等に用いられる各種ロールを製造するための
ロール材料としては、シリコーンゴム、ポリウレタン、
エチレン・プロピレンゴム、天然ゴム等の種々のゴム材
料が知られており、またこれらの複合材料も提案されて
いる。この場合、ゴム材料にカーボンなどの導電性材料
を配合して1×1010Ω・cm以下に導電性を付与した
ものが複写機などのロール材料に用いられている。
【0003】ここで、導電性ロール材料は、使用される
目的に応じ様々な特性が要求される。例えば、転写能力
等の目的のためには、その抵抗値の安定性が重要であ
り、また、現像ロール、トナー搬送ロールには、均一に
トナーをOPCドラムに移送するために、表面状態や抵
抗値を経時変化に影響されることなく一定に保つ等の特
性が必要である。
【0004】これらの要求特性の点からは、導電性シリ
コーンゴム材料が有効であることが知られているが、導
電性シリコーンゴムロールをコピー、プリンタ、ファッ
クス等の事務機などに組み込んだ場合、シリコーンゴム
ロールから汚染性成分が感光体ドラム(OPCドラム)
やトナー、紙などに移行、汚染してしまい、白抜けや黒
抜け等の画像不良やOPCドラムの帯電量に関係なくト
ナーが常にOPCドラムに付着してしまう「トナーかぶ
り」が発生したりして、ロールの種類によっては使用不
可能な場合が生じることがあった。
【0005】このため、かかる汚染性成分の画像やOP
Cドラムへの悪影響を防止した導電性シリコーンゴムロ
ールが望まれていた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
OPCドラムや周辺ロール、トナー等に対する汚染性成
分の移行、汚染を可及的に防止した導電性シリコーンゴ
ムロールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロ
キサン、導電性カーボン、それに硬化剤を含有する導電
性シリコーンゴム組成物に対し、吸油量をxml/10
0g、比表面積をym2/gとした場合、x/y≧1.
1の湿式系補強性シリカ粉末を配合することにより、シ
リコーンゴムロール中の汚染性成分の悪影響を抑制し得
ることを知見した。
【0008】 R1 nSiO(4-n)/2 (1) (式中、R1は少なくとも2個のアルケニル基を有する
同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であ
り、nは1.98〜2.02の正数である。)
【0009】即ち、本発明者は、上記汚染性成分が式
(1)で示されるオルガノポリシロキサン中に含まれる
架橋に関与する置換基を有しない低分子乃至中分子シロ
キサン(特に粘度として25℃で5〜1000csのシ
ロキサン)であることを見出すと共に、これらの成分が
導電性シリコーンゴムロール外ににじみ出さないように
することが諸問題の解決になることを知見した。
【0010】しかしながら、上記低分子乃至中分子シロ
キサンは式(1)で示されるオルガノポリシロキサンを
重合、製造する場合に必然的に生成してしまう成分であ
り、これをある程度除去することはそのオルガノポリシ
ロキサンの製造過程で行われているが、更にそれ以上除
去することはかなりの手間及びコストを要し、とりわけ
式(1)で示されるオルガノポリシロキサンがガム状で
ある場合は特に除去し難い。
【0011】そこで、式(1)で示されるオルガノポリ
シロキサン中にある程度の汚染性成分(低分子乃至中分
子シロキサン)が混入されていることを前提にしつつ、
なおかつかかる汚染性成分を悪影響を実質的になくすこ
とを検討した結果、上記x/y≧1.1の湿式系補強性
シリカ粉末の配合が有効であること、つまりこのx/y
≧1.1の湿式系補強性シリカ粉末には上記汚染性成分
が効果的に吸着されて、事務機などに使用されるような
温度、圧力では、汚染性成分がもはやOPCドラムやト
ナー、紙等に移行しにくくなることを知見したものであ
る。
【0012】なお従来、特開平8−104813号公報
には、シリカの吸油量とロール特性について論じている
が、比表面積との関係については示されていない。本発
明者の検討によれば、上記汚染性成分による影響を防止
するためには、単に吸油量を規定するだけでは足りず、
吸油量と比表面積とが上述した関係、つまりx/y≧
1.1であることが必要である。実際、吸油量が180
〜200ml/100gであっても、x/yが1.1よ
り小さいシリカでは、シリコーン汚染が発生するもので
ある。
【0013】従って、本発明は、 (A)下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサン 100重量部、 R1 nSiO(4-n)/2 (1) (式中、R1は少なくとも2個のアルケニル基を有する
同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であ
り、nは1.98〜2.02の正数である。) (B)導電性カーボン 1〜100重量部、 (C)吸油量をxml/100g、比表面積(BET法)をym2/gとした場 合、x/yが1.1以上である湿式系補強性シリカ粉末 3〜70重量部、 (D)硬化剤 上記(A)成分のオルガノポリシロキサンを硬化させ得る量 を主成分とするシリコーンゴム組成物の硬化物層を表面
に有してなることを特徴とする導電性シリコーンゴムロ
ールを提供する。
【0014】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明に係るシリコーンゴム組成物の第1必須成分のオルガ
ノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で示される
ものである。
【0015】 R1 nSiO(4-n)/2 (1) (式中、R1は少なくとも2個のアルケニル基を有する
同一又は異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であ
り、nは1.98〜2.02の正数である。)
【0016】ここで、上記式中R1としては、好ましく
は炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の1価
炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基などの脂肪族飽和炭化水素基、ビニル
基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニ
ル基などの脂肪族不飽和基、フェニル基、トリル基等の
アリール基、ベンジル基等のアルケニル基、またはこれ
らの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部を
ハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル
基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などが挙
げられる。
【0017】各置換基R1は異なっていても同一であっ
てもよいが、好ましくは炭素数2〜4のアルケニル基、
より好ましくはビニル基を少なくとも2個有しているこ
とが必要である。また、R1中の脂肪族不飽和基の含有
量は0.001〜20モル%、特に0.025〜5モル
%であることが望ましい。また、nは1.98〜2.0
2の正数である。上記式(1)のオルガノポリシロキサ
ンは基本的には直鎖状であることが好ましいが、分子構
造の異なる1種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0018】上記オルガノポリシロキサンは平均重合度
が好ましくは100以上、特に3000〜10000で
あることが好ましい。
【0019】式(1)のオルガノポリシロキサンは公知
の方法で製造することができ、ジオルガノジハゲノシラ
ンの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合させたり、
環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体な
ど)、アルカリ性又は酸性触媒の存在下開環重合するこ
とにより得ることができる。アルケニル基はアルケニル
基含有シランを共加水分解させたり、アルケニル基含有
環状ポリシロキサンを併用することにより任意に導入で
き、また、アルケニル基含有末端封鎖剤を用いてもよ
い。
【0020】この重合反応において、架橋に関与する置
換基を有しない原料のオルガノポリシロキサンや重合体
が必ず式(1)のオルガノポリシロキサン中に存在して
しまう。このオルガノポリシロキサン中に含まれる低分
子乃至中分子シロキサンは、このようにアルケニル基等
の架橋に関与する置換基を有さず、架橋に取り込まれな
いもので、これは環状及び直鎖状のものがあり、通常3
量体以上である。
【0021】本発明に係るシリコーンゴム組成物の第2
必須成分は導電性カーボンである。このカーボンは導電
性を付与すると共に、カーボンの有する大きな比表面積
から汚染性シリコーン成分の吸着物質としても作用し得
る。そのため上記x/yが0.3以上、特に0.5以上
であることが好ましい。
【0022】カーボンの種類としてはアセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、グラフ
ァイト等が挙げられ、シリコーンゴムに導電性を付与し
得る物質であれば特に限定されるものではないが、第3
必須成分の湿式系補強性シリカ粉末のような内部に発達
した空間を持ち合わせていることがより好ましい。
【0023】また、カーボンブラックにはシリコーンゴ
ムの架橋反応を阻害するような物質が含まれないものが
好ましい。なお、カーボンとしては、2種以上のカーボ
ン粉を併用してもよい。
【0024】上記カーボンの添加量はロールの種類に応
じて求められる材料の抵抗値によって決定されるが、配
合量としては第1成分のオルガノポリシロキサン100
重量部(重量部、以下同様)に対して1〜100部、好
ましくは3〜50部の範囲が好適である。1部に満たな
いと満足な導電性が得られない場合が多く、100部を
超えると配合が著しく困難となり、また加工性も悪く、
不適当である。
【0025】次に、シリコーンゴム組成物を構成する第
3必須成分の湿式系補強性シリカ粉末は、本来機械的強
度の優れたシリコーンゴムを得るために必須とされるも
のであるが、本発明では、この補強性シリカ粉末は可能
な限り内部に空間構造が発達した、即ち吸油量が多い湿
式系シリカを使用する。この湿式系シリカは、一般に珪
酸ソーダである水ガラスを酸で中和すると珪酸モノマー
が発生し、一定以上の濃度になると縮合を開始し、でき
た核が成長とゲル化を通じて内部に空間構造が発達した
構造となるため、シリカ内部に汚染性成分である流動性
シリコーン成分を吸着しやすい。
【0026】なお、乾式系シリカはSiCl4を水蒸気
と反応させて作るため、比表面積が大きく、吸油量も比
表面積を大きくすることによって増加できるが、内部に
空間構造はあまりなく、シリカ内部にシリコーン汚染性
成分をとどめておけないため、汚染性成分を供給してし
まう結果となり、本発明には不適当である。
【0027】本発明においては、上記湿式系補強性シリ
カ粉末として、その吸油量をxml/100g、比表面
積(N2吸着によるBET法)をym2/gとした場合、
x/yが1.1(ml/m2)以上、より好ましくは
1.2以上、更に好ましくは1.3以上であるものを使
用するものであり、x/yが1.1より小さいものは耐
汚染性において本発明の目的を達成し得ない。なお、吸
油量はJIS−K5101に規定された方法による測定
値である。
【0028】この場合、本発明で用いるシリカとして
は、特に細かい方がシリコーンゴムの補強性の面からよ
く、このような点から比表面積が100m2/g以上、
特に150〜400m2/gであることが好ましい。
【0029】なお、これらのシリカは第1必須成分のオ
ルガノポリシロキサンの硬化を阻害するものでなく、上
記条件を満たすものであれば、各種シランやオイルで処
理を行った処理シリカを用いてもよく、またシリカの種
類もPorous Glass(多孔性シリカ)等を使
用してもよい。
【0030】この補強性シリカ粉末の添加量は、第1成
分のオルガノポリシロキサン100部に対して3〜70
部、より好ましくは10〜50部がよい。3部未満の添
加では配合したシリカの吸油量が足りないため効果が薄
く、70部を超えると加工性が悪くなり、得られるゴム
材料の機械的強度が低下してしまう場合がある。
【0031】本発明に係るシリコーンゴム組成物におい
て第4必須成分の硬化剤としては、組成物の硬化方法に
適したものを適宜選択することができ、例えばシリコー
ンゴムの硬化剤として既知の白金系触媒とオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンとの組み合わせ、または有機
過酸化物を使用することができ、これら付加硬化型硬化
剤と有機過酸化物を組み合わせてもよい。
【0032】この場合、白金系触媒としては既知のもの
が使用でき、具体的には白金元素単体、白金化合物、白
金複合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合
物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィ
ン類とのコンプレックスなどが例示される。なお、白金
系触媒の添加量は触媒量とすることができるが、特に第
1成分のオルガノポリシロキサンに対し白金原子として
1〜2000ppmの範囲とすることが好ましい。
【0033】また、オルガノハイドロジェンポリシロキ
サンとしては、下記平均組成式(2) R2 abSiO(4-a-b)/2 (2) (式中、R2は同一又は異種の非置換又は置換の1価炭
化水素基であり、aは0〜3、bは0.005〜2の数
で、かつ0.8<a+b<4である。)で示されるもの
が好適に使用される。
【0034】ここで、上記式(2)中のR2は同一又は
異種の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、具体的
には上記式(1)中のR1と同様な基が例示されるが、
脂肪族不飽和基を有さないものが好ましい。
【0035】上記式(2)のオルガノハイドロジェンポ
リシロキサンは、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであ
ってもよいが、重合度が300以下のものが好ましい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとし
ては、例えばジメチルハイドロジェンシリル基で末端が
封鎖されたジオルガノポリシロキサン、ジメチルシロキ
サン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末
端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイ
ドロジェンシロキサン単位〔H(CH32SiO0.5
位〕とSiO2単位とからなる低粘度流体、1,3,
5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,
5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラ
メチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジ
ェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメ
チルシクロテトラシロキサンなどが例示される。
【0036】硬化剤としての上記式(2)のオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンの配合量は、第1成分のオ
ルガノポリシロキサンのアルケニル基に対して、オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に直結
した水素原子が50〜500モル%となることが望まし
い。
【0037】一方、有機過酸化物触媒としては、例えば
ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾ
エートなどが挙げられる。有機過酸化物触媒の添加量
は、第1成分のオルガノポリシロキサン100部に対し
て0.1〜5部が好適である。
【0038】本発明は、いずれの硬化方法でも従来の技
術よりも汚染性成分の移行、汚染を低減できるが、付加
硬化型を用いた方が、更に本発明の効果を発揮しやす
い。
【0039】本発明に係るシリコーンゴム組成物には、
上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨
げない範囲で必要に応じ酸化チタンや金属ニッケル粉末
等の他の無機導電性材料、増量剤としてシリコーンゴム
パウダー、ベンガラ、炭酸カルシウムなどを添加しても
よい。また、特開平3−195749号、同19575
2号公報に記載されているように、合成ゴム、例えばE
PDMや天然ゴム等を添加し、シリコーンポリマーと海
島構造を生ずるような系としてもよい。
【0040】更に、シリコーンゴムスポンジを成形する
場合は、無機、有機の発泡剤を添加してもよい。この発
泡剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロ
ペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルフォンヒドラ
ジドアゾジカルボンアミド等が例示され、その添加量は
シリコーン組成物全体に対し1〜10部の範囲が好適で
ある。
【0041】本発明組成物には、必要に応じて着色剤、
耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤或
いは充填用分散剤などを添加することは任意とされる
が、この充填用分散剤として使用されるジフェニルシラ
ンジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンク
ショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサンな
どは本発明の効果を損わないように最小限の添加量に止
めることが好ましい。
【0042】また、本発明のシリコーンゴム組成物を難
燃性、耐火性にするために、白金含有材料、白金化合物
と二酸化チタン、白金と炭酸マンガン、白金とγ−Fe
23、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレー
クなどの公知の添加剤を添加してもよい。
【0043】本発明に係るシリコーンゴム組成物は、上
記した成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミ
キサー(ニーダー)などのゴム混練機を用いて均一に混
合し、必要に応じ加熱処理を施すことにより得ることが
できるが、この場合、例えば第1成分のオルガノポリシ
ロキサン、第3成分の補強性シリカ粉末等を予め混合し
てベースコンパウンドを調製しておき、これに第2成分
のカーボン粉を同様にゴム混練機で混合して調製しても
よく、更には第4成分の硬化剤を添加、混合しても差し
支えない。
【0044】このようにして得られたシリコーンゴムロ
ール材料(シリコーンゴム組成物)は、金型加圧成形、
押し出し成形などの種々の成形法によって必要とされる
用途に成形することができ、その成形条件は特に限定さ
れないが、100〜400℃で5秒〜1時間の範囲が好
ましい。また成形後に2次加硫する場合においては、1
50〜250℃で1〜30時間の範囲で2次加硫するこ
とが好ましい。
【0045】本発明の導電性シリコーンゴムロールは、
芯金、例えば鉄、アルミニウム、SUS等の軸芯の部材
の周りに直接又は必要に応じ所望のゴム材料からなる中
間層を介して上記シリコーンゴムロール材料を上記のよ
うに成形、硬化して、導電性シリコーンゴム層を形成す
ることにより製造することができ、この場合、軸芯部材
又は中間層とシリコーンゴムは一体接着してもよいし、
予めシリコーンゴムをチューブ状に成形しておいてから
軸芯部材又は中間層と一体化してもよい。必要により、
軸芯部材又は中間層とシリコーンゴムとの接着性向上の
ために接着剤やプライマーを使用してもよい。
【0046】なお、上記導電性シリコーンゴム層の抵抗
値は、ロールの種類等により相違し、特に限定されるも
のではないが、本発明では半導電域をも含み、通常1×
1012Ω・cm以下、特に1×102〜1×1010Ω・
cmである。
【0047】
【発明の効果】本発明の導電性シリコーンゴムロール
は、湿式系シリカの特に内部構造が発達し、内部に多く
の空間を持つ吸油性の優れたシリカを配合したことによ
り、汚染性成分である流動性シリコーン成分の移行を防
ぎ、OPCドラムやトナーの汚染を低減することができ
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
る。
【0049】〔実施例1〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モ
ル%からなり、平均重合度が約5000、ポリマーの2
00℃/4時間における揮発分が1.0%であるガム状
オルガノポリシロキサン100部に、分散剤としての両
末端シラノール基含有ジメチルポリシロキサン(平均重
合度4)3部、導電性付与カーボンとしてデンカブラッ
ク(電気化学工業(株)製)11部、補強性シリカとし
てNipsil NS−K(吸油量260ml/100
g、比表面積195m2/g、吸油量/比表面積=1.
33)(日本シリカ工業(株)製)15部を加圧ニーダ
ーにて十分に混合し、200メッシュで濾過してコンパ
ウンドをつくった。
【0050】上記コンパウンド100部に硬化剤として
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン0.5部を混練りし、得られたコンパウン
ドを用いて芯金(6mm径のSUS)上にプレス成形し
た。成形温度は165℃/10分、成形圧力は35kg
f/cm2であった。
【0051】このロールは2次加硫を200℃、4時間
行った後、ロールの長さ220mm、直径18mm(肉
厚6mm)、表面粗さ15μmに研磨した。
【0052】〔実施例2〕補強性シリカNipsil
NS−K15部を8部に変更した以外は実施例1と同様
にしてゴムロールを得た。
【0053】〔実施例3〕補強性シリカNipsil
NS−K15部の代わりにトクシールP(吸油量260
ml/100g、比表面積195m2/g、吸油量/比
表面積=1.33)((株)トクヤマ製)15部に変更
した以外は実施例1と同様にしてゴムロールを得た。
【0054】〔実施例4〕デンカブラック11部の代わ
りにケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックイン
ターナショナル(株)製)5部に変更した以外は実施例
1と同様にしてゴムロールを得た。
【0055】〔実施例5〕ロール硬度を実施例2のロー
ルと合わせるためにオルガノポリシロキサンガムのメチ
ルビニルシロキサン単位を0.15モル%から0.08
モル%に変更した以外は実施例1と同様にしてゴムロー
ルを得た。
【0056】〔実施例6〕硬化剤として2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの代
わりにコンパウンド100部に対して塩化白金酸のアル
コール溶液(白金量1.0%)0.05g、SiH量
0.005モル%のメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン1.2部を用いてシリコーンゴムを硬化させる以外は
実施例1と同様にしてゴムロールを得た。
【0057】〔実施例7〕デンカブラック11部の代わ
りに導電性亜鉛華FX(本荘ケミカル(株)製)250
部とデンカブラック(電気化学工業(株)製)5部を併
用したものに変更した以外は実施例4と同様にしてゴム
ロールを得た。
【0058】〔比較例1〕補強性シリカNipsil
NS−K15部の代わりに乾式シリカエロジル200
(吸油量290ml/100g、比表面積200m2
g、吸油量/比表面積=1.45)(日本アエロジル
(株)製)15部に変更して混練りする以外は実施例1
と同様にしてゴムロールを得た。
【0059】〔比較例2〕補強性シリカのエロジル20
0を15部使用する代わりに通常の湿式シリカであるN
ipsil LP(吸油量190ml/100g、比表
面積195m2/g、吸油量/比表面積=0.95)
(日本シリカ工業(株)製)15部に変更して混練りす
る以外は比較例1と同様にしてゴムロールを得た。
【0060】〔比較例3〕補強性シリカのエロジル20
0を15部使用する代わりにトクシールUS−A(吸油
量200ml/100g、比表面積191m2/g、吸
油量/比表面積=1.05)((株)トクヤマ製)15
部に変更して混練りする以外は比較例1と同様にしてゴ
ムロールを得た。
【0061】〔比較例4〕デンカブラック11部の代わ
りにケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックイン
ターナショナル(株)製)5部に変更した以外は比較例
1と同様にしてゴムロールを得た。
【0062】〔比較例5〕硬化剤として2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの代
わりにコンパウンド100部に対して塩化白金酸のアル
コール溶液(白金量1.0%)0.05g、SiH量
0.005モル%のメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン1.2部を用いてシリコーンゴムを硬化させる以外は
比較例1と同様にしてゴムロールを得た。
【0063】〔比較例6〕デンカブラック11部の代わ
りに導電性亜鉛華FX(本荘ケミカル(株)製)250
部とデンカブラック(電気化学工業(株)製)5部を併
用したものに変更した以外は比較例1と同様にしてゴム
ロールを得た。
【0064】〔比較例7〕補強性シリカNipsil
NS−K15部の代わりにNipsil HD(吸油量
250ml/100g、比表面積260m2/g、吸油
量/比表面積=0.96)(日本アエロジル(株)製)
15部に変更した以外は実施例1と同様にしてゴムロー
ルを得た。
【0065】得られた導電性シリコーンゴムロールを、
透明ガラス板の上に1kg/cm2の圧力が加わるよう
に接触させ、恒温恒湿槽(45℃/95%)へ168時
間静置した後、25℃/30%で5時間常温になじま
せ、ロールを取り除いた後、ガラス板の表面にシリコー
ンの汚染によるにじみがないかどうかを調べた。
【0066】評価方法としては目視にて明らかにくすみ
が見えるものを×、くすみがなんとか確認できるものを
△、汚染を確認できないものを○とした。
【0067】また、同様に得られた導電性シリコーンゴ
ムロールを、日本国内で購入したA−4サイズ電子写真
式プリンタのトナーカートリッジ内のOPCドラムに図
1に示すように1kg/cm2の圧力が加わるように接
触させ、恒温恒湿槽(45℃/95%)へ168時間静
置した後、25℃/30%で5時間常温になじませ、O
PCドラムの汚染テストをした。その後ゴムロールを取
り外し、カートリッジをプリンタ本体に戻し、シリコー
ンゴムロールの汚染性を調べた。
【0068】評価方法としては機械側で設定された所定
のウォーミングアップ終了後、 OPCドラムにゴムロールが接触した部分にイレギュ
ラーとして付着しているトナーをセロハンテープで剥が
したものをゴムロールが接触していないOPCドラム部
分をブランクとして比較し、トナーが多く付着している
ものを「かぶり多い」、やや付着しているものを「かぶ
り少ない」、ブランクと同様のものを「かぶり無し」と
した。 即座に画像を印刷し、印刷紙面への白抜け又は黒抜け
が目視で完全になくなる状態までの印字枚数をOPCド
ラムへの汚染の程度の目安とした。
【0069】なお、図1において、1はOPCドラム
(ガラス板)、2は導電性シリコーンゴムロールであ
る。以上の結果を表1,2に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】表1,2の結果より、本発明の導電性シリ
コーンゴムロール(実施例)は、流動性シリコーン成分
の移行を防ぎ、OPCドラムやトナーの汚染性を低減す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】OPCドラムの汚染テスト方法を説明する斜視
図である。
【符号の説明】
1 OPCドラム 2 導電性シリコーンゴムロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83:05) C08L 83:05) (56)参考文献 特開 平8−20725(JP,A) 特開 平8−104813(JP,A) 特開 平6−171922(JP,A) 特開 昭61−215638(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/07 C08K 3/04 C08K 3/36 F16C 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記平均組成式(1)で示される
    オルガノポリシロキ サン 100重量部、 R1 nSiO(4-n)/2 (1) (式中、R1は少なくとも2個のアルケニル基を有する同一又は異種の非置換又 は置換の1価炭化水素基であり、nは1.98〜2.02の正数である。) (B)導電性カーボン 1〜100重量部、 (C)吸油量をxml/100g、比表面積(BET法)をym2/gとした場 合、x/yが1.1以上である湿式系補強性シリカ粉末 3〜70重量部、 (D)硬化剤 上記(A)成分のオルガノポリシロキ
    サンを硬化させ得る量を主成分とするシリコーンゴム組
    成物の硬化物層を表面に有してなることを特徴とする導
    電性シリコーンゴムロール。
  2. 【請求項2】 (D)成分の硬化剤が付加硬化型である
    請求項1記載の導電性シリコーンゴムロール。
JP28603196A 1996-10-08 1996-10-08 導電性シリコーンゴムロール Expired - Fee Related JP3324413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28603196A JP3324413B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 導電性シリコーンゴムロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28603196A JP3324413B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 導電性シリコーンゴムロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10110100A JPH10110100A (ja) 1998-04-28
JP3324413B2 true JP3324413B2 (ja) 2002-09-17

Family

ID=17699085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28603196A Expired - Fee Related JP3324413B2 (ja) 1996-10-08 1996-10-08 導電性シリコーンゴムロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3324413B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6945921B2 (en) * 2002-05-16 2005-09-20 Ict Coatings N.V. Roller for a printer, fax machine or copier
JP2004359878A (ja) * 2003-06-06 2004-12-24 Tokuyama Corp クリアラバー用充填材
DE102010062139A1 (de) * 2010-11-29 2012-05-31 Wacker Chemie Ag Einkomponentige Organopolysiloxanmassen mit hoher relativer Permittivität
JP5504192B2 (ja) * 2011-03-04 2014-05-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置、定着部材の製造方法、及び画像形成装置
JP2014224193A (ja) * 2013-05-16 2014-12-04 信越化学工業株式会社 シリコーンゴム組成物の接着方法及び複合成型品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10110100A (ja) 1998-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4604424A (en) Thermally conductive polyorganosiloxane elastomer composition
JP3183111B2 (ja) 半導電性シリコーンゴムロール用半導電性シリコーンゴム組成物
JP3494039B2 (ja) 熱定着ロール用シリコーンゴム組成物及び熱定着ロール
US5684064A (en) Silicone composition, elastic revolution body and fixing device using the composition
JPH0816193B2 (ja) 熱安定化シリコ−ンエラストマ−
JP2897098B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP2748215B2 (ja) シリコーンゴムロール
KR100832726B1 (ko) 정착 롤용 열전도성 액체 실리콘 고무 조성물 및 불소 수지로 피복된 정착 롤
JP2008163282A (ja) 電子写真装置用半導電性シリコーンゴム部材の製造方法、並びに該シリコーンゴム部材を有する電子写真装置用ロール及びベルト
US5846643A (en) Thermally stable fuser member
JP3324413B2 (ja) 導電性シリコーンゴムロール
JPH1160955A (ja) フッ素樹脂又はフッ素ラテックスコーティングシリコーンゴム定着ロール
JP3501055B2 (ja) 半導電性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムロール
JPH07258548A (ja) 導電性シリコーンゴム組成物
JP3158879B2 (ja) 事務機用半導電性シリコーンゴム部材
JP3727450B2 (ja) 定着ロール
JP3383536B2 (ja) 半導電性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムロール
JPH0566589B2 (ja)
JP3198847B2 (ja) 半導電性ロールの製造方法
JP3246854B2 (ja) 定着ローラー用付加硬化型シリコーンゴム組成物及びそれを用いた熱定着用ローラー
JP2937198B2 (ja) フッ素系樹脂被覆定着ロール用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物及びフッ素系樹脂被覆定着用ロール
JP2002338808A (ja) 電子写真式画像形成装置用導電性シリコーンゴム組成物
JP3500927B2 (ja) 半導電性シリコーンゴム組成物及び半導電性シリコーンゴムロール
JPH11158377A (ja) シリコーンゴム組成物及び定着ロール
JP3185583B2 (ja) 定着ロール表層材用加熱硬化型シリコーンエラストマー組成物及び定着ロール

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080705

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110705

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120705

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees