JP3323734B2 - 作業機の旋回制御装置 - Google Patents

作業機の旋回制御装置

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JP3323734B2
JP3323734B2 JP10251896A JP10251896A JP3323734B2 JP 3323734 B2 JP3323734 B2 JP 3323734B2 JP 10251896 A JP10251896 A JP 10251896A JP 10251896 A JP10251896 A JP 10251896A JP 3323734 B2 JP3323734 B2 JP 3323734B2
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勉 宇田川
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順市 成澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機の旋回制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば操作レバーの操作量に応じ
て流体圧アクチュエータの駆動を制御する装置として、
いわゆる速度制御式のものが一般によく知られている。
これをクレーンの旋回にあてはめて説明する。図2はク
レーンの全体構成図であり、図12は従来技術での旋回
体の速度制御方法の回路構成図である。図2に示すよう
に、クレーンは走行体61と、走行体61上に搭載され
旋回可能な旋回体62と、旋回体62上に設けられたブ
ーム63とを有し、シーブ64を介してワイヤロープに
接続されたフック65により吊り荷66を吊り上げる。
【0003】旋回体62の旋回のための油圧回路は、図
12に示すように、原動機1と、この原動機1によって
駆動される油圧ポンプ2と、油圧ポンプ2から吐出され
る圧油によって駆動される旋回モータ3と、油圧ポンプ
2から旋回モータ3に供給される圧油とタンク4へブリ
ードされる圧油の流れを制御する旋回用方向制御弁5
と、方向制御弁5によりブリードされた圧油の圧力を制
御する圧力制御弁6と、オペレータが旋回指令を入力す
る操作レバー7と、操作レバー7の操作量を方向制御弁
5に伝達するパイロット油圧回路へ圧油を供給するパイ
ロット油圧源8とを備えている。圧力制御弁6は、ブリ
ードされた圧油の圧力を旋回モータ3の駆動圧を導くこ
とにより旋回モータ3の駆動圧力と等価な圧力に制御で
きる構成となっている。
【0004】このような従来の旋回装置では、上記のよ
うに旋回モータ3の駆動圧とブリードされた圧油の圧力
とが等しくなるように構成されているので、方向制御弁
5の前後の圧力差が等しくなり、旋回モータ3側への流
量と、ブリード側への流量は、油圧ポンプ2の吐出流量
を旋回用方向制御弁5の開口面積比どおりに配分される
こととなり、負荷圧力によらずオペレータの入力したと
おりの流量配分ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、操作レバ
ー7の操作量に対応したアクチュエータの速度を負荷の
大きさに影響されないで制御することが可能であるが、
方向制御弁5の開口面積比によりアクチュエータの速
度、つまり流量は一意的に定まってしまう。このため、
アクチュエータの速度すなわち流量特性を作業状態に応
じて変えたい場合には、所定の操作量に対応した旋回用
方向制御弁5のスプールの開口面積比をその都度作業状
態に応じて変える必要がある。しかし、このスプールの
開口面積比を作業状態に応じてその都度変えることは現
実的ではなく、従来では、全ての作業がカバーできるよ
うなある特定の流量特性に設定されおり、作業状態によ
っては制御性が十分でないという問題が生じる。例えば
クレーンの旋回においては、作業半径が大きいときは微
小な速度制御性が要求され、一方作業半径が小さいとき
は比較的大きい旋回速度で作業するため高速域までの制
御性が要求される。このような場合に、一方の制御性に
合わせると他方の制御性が十分でなくなり、また、中間
の制御性に合わせると両者とも満足のいく制御性が得ら
れないという問題が生じる。
【0006】本発明の目的は、作業状態に応じて任意に
流量特性を変更できる作業機の旋回制御装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】実施の形態の図1に対応
づけて本発明を説明する。上記目的を達成するために、
請求項1の発明は、可変容量油圧ポンプ11からの圧油
を方向制御弁5でブリードオフ制御して油圧モータ3の
回転速度を制御する作業機の旋回制御装置に適用され、
方向制御弁5からタンクへ連通するブリードオフ回路の
圧力を油圧モータ3の駆動圧力と等しく設定する圧力制
御弁6と、方向制御弁5の操作量を検出する操作量検出
手段13と、作業機の作業状態を検出する作業状態検出
手段14と、作業機の作業状態に対して予め対応づけら
れている方向制御弁5の複数の流量特性の中から、検出
された作業状態に基づいていずれかの流量特性を選択す
る選択手段12と、その選択された流量特性から、検出
された操作量に基づいて可変容量油圧ポンプ11の吐出
流量を演算する演算手段12と、演算された吐出流量に
より可変容量油圧ポンプ11を制御する制御手段12、
11aとを備えるものである。請求項2の発明は、請求
項1の作業機の旋回制御装置において、作業機がクレー
ンであり、作業機の作業状態はクレーンの作業半径によ
り分類されるものである。請求項3の発明は、請求項1
の作業機の旋回制御装置において、作業機がクレーンで
あり、作業機の作業状態は吊り荷重値により分類される
ものである。請求項4の発明は、請求項1の作業機の旋
回制御装置において、作業状態検出手段14は過負荷防
止装置である。請求項5の発明は、請求項1の作業機の
旋回制御装置において、流量特性は、操作量と油圧モー
タ3を流れる流量との関係において非線形性の関係を有
するものである。図10に対応づけて次の発明を説明す
る。請求項6の発明は、可変容量油圧ポンプ11からの
圧油を方向制御弁5でブリードオフ制御して油圧モータ
3の回転速度を制御する作業機の旋回制御装置に適用さ
れ、方向制御弁5からタンクへ連通するブリードオフ回
路の圧力を油圧モータ3の駆動圧力と等しく設定する圧
力制御弁6と、方向制御弁5の操作量を検出する操作量
検出手段13と、方向制御弁5の流量特性を指令する指
令手段21、12と、指令された流量特性から、検出さ
れた操作量に基づいて可変容量油圧ポンプ11の吐出流
量を演算する演算手段12と、演算された吐出流量によ
り可変容量油圧ポンプ11を制御する制御手段12とを
備えるものである。
【0008】なお、本発明の構成を説明している上記課
題を解決するための手段の項では、分かりやすく説明す
るため実施の形態の図に対応づけて説明したが、これに
より本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
するが、本発明による油圧制御装置はすべてクレーンの
旋回用油圧回路に適用したものである。
【0010】−第1の実施の形態− 図1〜図8を参照して本発明の第1の実施の形態を説明
する。図1は、第1の実施の形態であるクレーンの旋回
用油圧回路の構成図である、図2に示すようなクレーン
に適用した場合について、以下説明する。
【0011】図1において、原動機1、旋回モータ3、
タンク4、旋回用方向制御弁5、圧力制御弁6、操作レ
バー7、およびパイロット油圧源8は、図12の従来技
術の油圧回路と同一の構成要素であるので同一符号を付
して説明を省略する。第1の実施の形態では、これらの
要素に加えて、原動機1により駆動され外部信号により
傾転角が制御され吐出流量が可変できる可変容量型油圧
ポンプ(以下可変ポンプという)11と、この可変ポン
プ11の吐出流量をレギュレータ11aを介して制御す
るコントローラ12と、操作レバー7の操作量をパイロ
ット圧油の圧力により検出する圧力検出装置13と、作
業状態を検出する作業状態検出装置14とを備えてい
る。
【0012】コントローラ12にはマイクロコンピュー
タおよびメモリやその他の周辺回路が組み込まれ、プロ
グラムにより種々の信号処理、演算および制御等を可能
としている。操作レバー7はパイロット圧力式の操作レ
バーであるため、操作レバー7の操作量は圧力検出装置
13によりパイロット油圧の圧力を検出することにより
得ることができる。圧力検出装置13で検出された圧力
は電気信号に変換されコントローラ12に入力される。
作業状態検出装置14は、現在の作業状態を検出しコン
トローラ12にその信号を入力するもので、周知の過負
荷防止装置を用いることができ、作業半径や吊り荷重を
コントローラ12に入力する。作業半径や吊り荷重の検
出方法については公知な内容であるので説明を省略す
る。第1の実施の形態では、作業状態量として作業半径
を用いる。
【0013】次に、可変ポンプ11の吐出流量と、方向
制御弁5の各ポートの開口面積と、分流される流量との
関係を図3〜図5を用いて説明する。図3は、旋回モー
タ3、タンク4、方向制御弁5、圧力制御弁6、可変ポ
ンプ11を表すモデル回路図であり、一方向のみとして
簡略化して示されている。方向制御弁5は二つの絞りA
IN、AOUTを有する。AINは旋回モータ3に連通
させる絞り(オリフィス)であり、AOUTは圧力制御
弁6を介して作動油タンク4に連通させる絞り(オリフ
ィス)であり、これらは方向制御弁5の内部に備えられ
たスプール(不図示)の変位に伴う絞り度に対応するも
のである。すなわち、スプールの開口面積の変化をこの
絞りAIN、AOUTで表し、スプールの開口面積比で
ポンプ吐出流量が分配されることを表している。
【0014】絞りの流量Qaは、絞り前後の圧力差を
p、開口面積をA、流体密度をρとすると、一般に
【数1】 で表される。Cdは流量係数である。図3では、圧力制
御弁6により絞りAOUTの下流の圧力は絞りAINの
下流の圧力と同じになるように設定されているため、両
絞り前後の圧力差は等しい。したがって、式(1)によ
り、絞りAINとAOUTの各流量は開口面積の違いに
よってのみ差が生じる。また、可変ポンプ11の吐出流
量はすべてAINおよびAOUTに流れる。したがっ
て、絞りAINとAOUTの各流量は可変ポンプ11の
吐出流量を開口面積比で分流して決まることが分かる。
【0015】図4は操作レバー7の操作量と上記AIN
とAOUTの開口面積の関係の一例を表すグラフであ
り、図5はそのときの流量特性を示すグラフである。操
作レバー7の操作量はパイロット油圧回路を通じて方向
制御弁5のスプールストロークに変換され、スプールの
開口面積を変化させる。この例では、操作レバー7の操
作量がゼロのときAINとAOUTの開口面積比を0:
1にし、操作量が最大のときに1:0にしている。従っ
て、操作量がゼロのときはAINの流量すなわち旋回モ
ータ3への流量はゼロとなり、操作量ゼロから最大まで
は操作量に比例して流量が増加され、操作量が最大のと
き可変ポンプ11の吐出流量すべてが旋回モータ3へ流
れる。
【0016】以上により、図1の旋回用油圧回路では、
旋回モータ3に流れる流量は、旋回モータ3の負荷には
影響されず、操作レバー7の操作量のみに応じて可変ポ
ンプ11の吐出流量を分流して決められていくことが分
かる。
【0017】次に流量特性について説明する。操作レバ
ー7の操作量をxとし、操作量xに対する方向制御弁5
の開口面積をAIN(x)、AOUT(x)、AIN側
の流量特性をQREF(x)、可変ポンプ11の吐出流
量をQとすると、上記のとおり絞りAINに流れる流量
は、可変ポンプ11の吐出流量Qを方向制御弁5の開口
面積比で分流した値となるため、
【数2】 が導き出される。ここで流量特性QREF(x)を、作
業状態に応じて予め決められた特性のものであるとする
と、ポンプ吐出流量Qは次の式(3)で表される。
【数3】 この式(3)より、可変ポンプ11の吐出流量Qは、操
作量xの関数により表され、流量特性QREF(x)と
操作量xにおける開口面積比によって定まることが分か
る。すなわち、可変ポンプ11の吐出流量Qを操作量x
に応じて式(3)で定めることにより、任意の流量特性
QREF(x)を得ることができる。
【0018】前述したとおり、クレーンの旋回体62の
旋回においては旋回半径が大きいときは微小な速度制御
性が要求され、また作業半径が小さいときは比較的大き
い旋回速度で作業するため高速域までの制御性が要求さ
れる。例えば作業半径が小さいときは図6(a)で示さ
れる流量特性QREF1、通常の作業半径のときは図6
(b)で示される流量特性QREF2、作業半径が大き
いときは図6(c)で示される流量特性QREF3が望
まれる。これらの流量特性は、理論値および各種実験デ
ータや経験値から導きだされるものである。これらの流
量特性を得るためには、前述した式(3)に基づき、可
変ポンプ11の吐出流量Qを決めていけばよい。流量特
性QREF1に対する可変ポンプ11の吐出流量Q1、
流量特性QREF2に対する可変ポンプ11の吐出流量
Q2、流量特性QREF3に対する可変ポンプ11の吐
出流量Q3とすると、
【数4】
【数5】
【数6】 を得ることができる。図7(a)〜(c)に吐出流量Q
1〜Q3を示す。
【0019】コントローラ12では、作業状態検出装置
14から入力される作業半径に対応した信号によりクレ
ーンの作業半径を認識し、この作業半径により流量特性
を決定する。作業半径が小さい場合は前述したとおり図
6(a)に示した流量特性QREF1を、作業半径が通
常の場合は図6(b)に示した流量特性QREF2を、
作業半径が大きい場合は図6(c)に示した流量特性Q
REF3を選択する。これらの流量特性はコントローラ
12のメモリに予め記憶されている。操作レバー7の操
作量は圧力検出装置13によりパイロット油圧の圧力を
検出することにより得ることができ、また、この操作量
からこれに対応する方向制御弁5のスプールの開口面積
比も一意的に得ることができる。
【0020】コントローラ12は、これらの選択された
流量特性および得られた開口面積比により、式(4)〜
(6)に基づき、可変ポンプ11の吐出流量Qを演算す
る。図7は、このようにして得られた吐出流量Q1、Q
2、Q3を流量特性QREF1、QREF2、QREF
3とともにグラフに表わしたものである。コントローラ
12は、この演算結果に基づきレギュレータ11aを介
して可変ポンプ11の傾転角を制御し可変ポンプ11の
必要とする吐出流量を得る。
【0021】図8は、コントローラ12が作業状態検出
装置14により検出された作業半径の情報をもとにメモ
リMに格納された流量特性を選択し、選択された流量特
性と圧力検出装置13により検出された操作レバー7の
操作量により可変ポンプ11の吐出流量を制御するため
の傾転角を演算し、可変ポンプ11のレギュレータ11
aにその信号を出力する様子を示すブロック図である。
【0022】このようにして、スイッチSWにより作業
半径が小さい場合には作業半径小に適した流量特性が、
作業半径が中ぐらいの場合は作業半径中に適した流量特
性が、作業半径が大きい場合は作業半径大に適した流量
特性が、旋回用方向制御弁5のスプールの開口面積比を
その都度変更しなくても自動的に得られるため、クレー
ンの旋回の操作性を高めることができる。
【0023】−第2の実施の形態− 第1の実施の形態では作業状態量を作業半径としたが、
第2の実施の形態では作業状態量を吊り荷重とする。通
常、クレーンでは重量物を吊り上げ旋回操作するときは
慎重にゆっくり操作しており、吊り荷を下ろし空フック
で旋回操作するときは比較的高速旋回を行う。そのた
め、吊り荷を吊っているときは低速域重視の流量特性
が、吊り荷がないときは高速重視の流量特性が要求され
る。
【0024】第2の実施の形態は、第1の実施の形態の
図1の旋回用油圧回路と構成は同一であるので油圧回路
の構成図およびその説明を省略する。第2の実施の形態
では、作業状態量として吊り荷重を用いる。この点のみ
が、第1の実施の形態と異なるところである。すなわ
ち、作業状態検出装置14で検出された吊り荷重に対応
した信号がコントローラ12に入力されると、コントロ
ーラ12は、入力された吊り荷重に対応した信号により
吊り荷重を認識し吊り荷重に応じた流量特性を決定す
る。例えば、吊り荷重が小重量物の場合は比較的旋回速
度が高い領域が要求されるため図9(a)で示される流
量特性QREF4を、吊り荷重が中重量物の場合は中速
領域と若干微操作性も要求されるため図9(b)で示さ
れる流量特性QREF5を、また、吊り荷重が大重量物
の場合などは低速領域と微操作性要求されるため図9
(c)で示される流量特性QREF6を選択する。
【0025】コントローラ12は、これらの選択された
流量特性および操作レバー7の操作量により得られた開
口面積比により、第1の実施の形態と同様に可変ポンプ
11の吐出流量Qを演算する。図9には、このようにし
て得られた吐出流量Q4、Q5、Q6と流量特性QRE
F4、QREF5、QREF6とがともにグラフに表わ
されている。コントローラ12は、この演算結果に基づ
き可変ポンプ11の傾転角を制御し可変ポンプ11の必
要とする吐出流量を得る。
【0026】このようにして、吊り荷重が小さい場合は
小重量物運搬に適した流量特性が、また吊り荷重大きい
場合は大重量物運搬に適した流量特性が、旋回用方向制
御弁5のスプールの開口面積比をその都度変更しなくて
も自動的に得られるため、クレーンの旋回の操作性を高
めることができる。
【0027】−第3の実施の形態− 第1の実施の形態および第2の実施の形態では、作業状
態量を作業状態検出装置14で検出される作業半径ある
いは吊り荷重としたが、第3の実施の形態ではこの作業
状態をオペレータが任意に設定できる構成としたもので
ある。例えば、オペレータの技量は様々であり、熟練し
たオペレータは比較的高速作業で行うのに対して、初心
者など低技量のオペレータは慎重に旋回操作をしたいた
め比較的低速作業を好む。また、吊り荷の微小な位置決
めなどの微速作業や、掘削作業などの高速作業などと要
求される作業は様々である。このような様々な作業状態
に対して、オペレータが任意に作業状態を設定し、それ
に対応する流量特性が選択できると大変有効となる。
【0028】図10は、第3の実施の形態であるクレー
ンの旋回用油圧回路の構成図である。図10の旋回用油
圧回路では、第1の実施の形態の図1と共通する部分は
同一符号を付しその説明を省略する。図1と図10にお
いて異なるところは、図1の作業状態検出装置14が図
10の作業状態設定装置21に置き換わったのみであ
り、その他の要素は同一である。作業状態設定装置21
は各種スイッチで構成されるが、モニタおよびキースイ
ッチ等により画面を利用した会話形式で設定するように
してもよい。
【0029】第3の実施の形態では、作業状態設定装置
21により、位置決めなどの微操作が必要なとき設定す
る微操作モード、および、低技量のオペレータなどが必
要とする低速モードが設定できる。作業状態設定装置2
1においてオペレータにより微操作モードが設定される
と、作業状態検出装置21はそのモードに対応した信号
をコントローラ12に入力する。コントローラ12は微
操作モードが設定されたことを認識すると、第1の実施
の形態と同様に予めメモリに格納されている図11
(a)に示される微操作モード用の流量特性QREF7
を選択する。同様に、低速モードが設定されると、図1
1(b)に示される流量特性QREF8が選択される。
【0030】コントローラ12は、これらの選択された
流量特性および操作レバー7の操作量により得られた開
口面積比により、第1の実施の形態と同様に可変ポンプ
11の吐出流量Qを演算する。図11には、このように
して得られた吐出流量Q7、Q8と流量特性QREF
7、QREF8とがともにグラフに表わされている。コ
ントローラ12は、この演算結果に基づき可変ポンプ1
1の傾転角を制御し可変ポンプ11の必要とする吐出流
量を得る。これにより、オペレータが必要とする流量特
性をオペレータ自身で選択できるためオペレータの必要
性に応じた最適な流量特性が得られ、クレーンの操作性
等が高めることができる。
【0031】第3の実施の形態では、微操作モードと低
速モードを設定できるようにしたが、その他に、例えば
比較的大きな旋回速度で作業する掘削作業モード、通常
クレーン作業モード、長尺ブームでの作業を示す長尺ブ
ームモードなど、各種のモードを作業状態設定装置21
により設定できるようにすることも可能である。この場
合は、コントローラ12にはそれぞれに対応した流量特
性を予めメモリに記憶しておく。
【0032】以上の第1の実施の形態から第3の実施の
形態では、操作レバーはパイロット圧力式のものを使用
したが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作レ
バーの操作により方向制御弁を機械的にあるいは電磁的
に直接駆動し、ポテンションメータにより操作レバーの
操作量を検出することも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、方向制御弁の操作量と作業状態に基づ
き、油圧ポンプの吐出流量を演算して制御しているの
で、作業状態に適した方向制御弁の流量特性を、方向制
御弁のスプールの開口面積比をその都度変更しなくても
自動的に得られ、作業機の旋回の操作性を高めることが
できる。請求項2の発明によれば、作業機の作業状態を
作業機の作業半径により分類するものであるため、作業
半径が小さい場合には作業半径小に適した流量特性が、
作業半径が中ぐらいの場合は作業半径中に適した流量特
性が、作業半径が大きい場合は作業半径大に適した流量
特性が、旋回用方向制御弁のスプールの開口面積比をそ
の都度変更しなくても自動的に得られ、作業機の旋回の
操作性を高めることができる。請求項3の発明によれ
ば、作業機の作業状態を吊り荷重値により分類するもの
であるため、吊り荷重が小さい場合は小重量物運搬に適
した流量特性が、また吊り荷重大きい場合は大重量物運
搬に適した流量特性が、旋回用方向制御弁のスプールの
開口面積比をその都度変更しなくても自動的に得られ、
作業機の旋回の操作性を高めることができる。請求項4
の発明によれば、作業状態検出手段を移動式作業機で装
着が義務づけられている過負荷防止装置とするものであ
るため、特に新たに作業状態検出手段を付加する必要が
なく、開発コスト、製造コストにおいて経済的である。
請求項5の発明によれば、流量特性の操作量と油圧モー
タに流れる流量との関係において非線形性の関係を持た
せて吐出流量を制御するものであるため、油圧モータの
流量は必ずしも操作量に比例して増加するものではな
く、作業状態の必要に応じてより多く増加させたりより
少なく増加させたりすることができ、きめ細かい制御を
可能としている。請求項6の発明によれば、油圧モータ
の流量特性を指令手段で指令できるようにしているた
め、オペレータが必要とする流量特性をオペレータ自身
で指令でき、オペレータの必要性に応じた最適な流量特
性が得られ、作業機の操作性等を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のクレーンの旋回用
油圧回路の構成図である。
【図2】本発明が適用されるクレーンの全体構成図であ
る。
【図3】第1の実施の形態のクレーンの旋回用油圧回路
の一部のモデル回路図であ
【図4】第1の実施の形態の操作量と開口面積の関係の
一例を表すグラフである。
【図5】第1の実施の形態の操作量と流量特性の関係の
一例を表すグラフである。
【図6】第1の実施の形態の作業半径に基づく流量特性
を表すグラフである。
【図7】第1の実施の形態の作業半径に基づく流量特性
と油圧ポンプの流量を表すグラフである。
【図8】第1の実施の形態の制御を説明するブロック図
である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の吊り荷重に基づく
流量特性と油圧ポンプの流量を表すグラフである。
【図10】本発明の第3の実施の形態のクレーンの旋回
用油圧回路の構成図である。
【図11】第3の実施の形態の設定モードに基づく流量
特性と油圧ポンプの流量を表すグラフである。
【図12】従来技術のクレーンの旋回用油圧回路の構成
図である。
【符号の説明】
1 原動機 2 油圧ポンプ 3 旋回モータ 4 タンク 5 旋回用方向制御弁 6 圧力制御弁 7 操作レバー 8 パイロット油圧源 11 可変容量型油圧ポンプ 12 コントローラ 13 圧力検出装置 14 作業状態検出装置 21 作業状態設定装置 61 走行体 62 旋回体 63 ブーム 64 シーブ 65 フック 66 吊り荷
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−287697(JP,A) 特開 平4−203506(JP,A) 特開 平5−46254(JP,A) 特開 平7−25589(JP,A) 特開 昭63−172002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 23/86

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変容量油圧ポンプからの圧油を方向制御
    弁でブリードオフ制御して油圧モータの回転速度を制御
    する作業機の旋回制御装置において、 前記方向制御弁からタンクへ連通するブリードオフ回路
    の圧力を前記油圧モータの駆動圧力と等しく設定する圧
    力制御弁と、 前記方向制御弁の操作量を検出する操作量検出手段と、 前記作業機の作業状態を検出する作業状態検出手段と、 前記作業機の作業状態に対して予め対応づけられている
    方向制御弁の複数の流量特性の中から、前記検出された
    作業状態に基づいていずれかの流量特性を選択する選択
    手段と、 前記選択された流量特性から、前記検出された操作量に
    基づいて前記可変容量油圧ポンプの吐出流量を演算する
    演算手段と、 前記演算された吐出流量により前記可変容量油圧ポンプ
    を制御する制御手段とを備えることを特徴とする作業機
    の旋回制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の作業機の旋回制御装置におい
    て、 前記作業機はクレーンであり、前記作業機の作業状態は
    クレーンの作業半径により分類されることを特徴とする
    作業機の旋回制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の作業機の旋回制御装置におい
    て、 前記作業機はクレーンであり、前記作業機の作業状態は
    吊り荷重値により分類されることを特徴とする作業機の
    旋回制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の作業機の旋回制御装置におい
    て、 前記作業状態検出手段は過負荷防止装置であることを特
    徴とする作業機の旋回制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の作業機の旋回制御装置におい
    て、 前記流量特性は、前記操作量と前記油圧モータを流れる
    流量との関係において非線形性の関係を有することを特
    徴とする作業機の旋回制御装置。
  6. 【請求項6】可変容量油圧ポンプからの圧油を方向制御
    弁でブリードオフ制御して油圧モータの回転速度を制御
    する作業機の旋回制御装置において、 前記方向制御弁からタンクへ連通するブリードオフ回路
    の圧力を前記油圧モータの駆動圧力と等しく設定する圧
    力制御弁と、 前記方向制御弁の操作量を検出する操作量検出手段と、 前記方向制御弁の流量特性を指令する指令手段と、 前記指令された流量特性から、前記検出された操作量に
    基づいて前記可変容量油圧ポンプの吐出流量を演算する
    演算手段と、 演算された吐出流量により前記可変容量油圧ポンプを制
    御する制御手段とを備えることを特徴とする作業機の旋
    回制御装置。
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