JP3323460B2 - ディジタル・アナログ変換装置 - Google Patents

ディジタル・アナログ変換装置

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JP3323460B2 JP23490399A JP23490399A JP3323460B2 JP 3323460 B2 JP3323460 B2 JP 3323460B2 JP 23490399 A JP23490399 A JP 23490399A JP 23490399 A JP23490399 A JP 23490399A JP 3323460 B2 JP3323460 B2 JP 3323460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル信号を
アナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換装置
に関するものである。特に、ディジタル入力信号のサン
プリング周波数よりも高いサンプリング周波数でディジ
タル・アナログ変換を行う、オーバーサンプリング型の
ディジタル・アナログ変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル・アナログ変換装置の一つと
して、ノイズシェーパと1ビットディジタル・アナログ
変換器列を用いたディジタル・アナログ変換装置が知ら
れている。従来知られていたこの方式のディジタル・ア
ナログ変換装置について、図6を用いて説明する。な
お、この技術については、特開平5−335963号公
報に記載がある。
【0003】図6は従来のディジタル・アナログ変換装
置の一例を示すブロック図である。図6において、ディ
ジタルフィルタ10は、入力されたディジタル信号、例
えばコンパクトディスクから再生したディジタル音声信
号のサンプリング周波数fSをk倍(kは整数)にする
ものである。ここでは説明のため、fS =44.1kH
z、k=64とする。
【0004】ノイズシェーパ11は、ディジタルフィル
タ10から出力されるディジタル信号の量子化(語長制
限)を行うとともに、ノイズの周波数特性を所定の特性
に変化させるものである。具体的には、ノイズの周波数
特性を、例えば低周波領域のノイズレベルを下降させ、
高周波領域のノイズレベルを上昇させるように、変化さ
せる。ここでは、ノイズシェーパ11は、3次特性を有
し、入力Xに対する出力Yは(数1)で表されるものと
する。
【0005】ここで、ディジタル信号の量子化(語長制
限)について説明する。語長制限とは、例えば、CDプ
レーヤのように、16ビットの信号であれば、これを4
ビット程度にすることを指している。すなわち、簡単に
言えば、16ビット信号の上位4ビットだけを出力し、
下位12ビット分は帰還してつぎの信号入力に加算す
る、といった処理により、切り捨てられる12ビット分
の情報を生かしていくことを意味する。この処理はいわ
ゆるノイズシェーパと呼ばれる。
【0006】
【数1】
【0007】また、ここでは出力Yが7(=p)レベル
の出力(−3〜+3)を持つものとする。なお、ここで
は説明を簡単にするために、3を加えて0〜6として説
明を行う。
【0008】ポインタ60は、入力信号の累算値の剰余
を出力するものである。ここでは、ノイズシェーパ11
の出力を累算して6の剰余を出力するものとする。ある
時刻nのポインタ60の入力をXnとするとき、出力Y
nは(数2)で表される。
【0009】
【数2】
【0010】読み出し専用メモリ(ROM)61は、入
力信号をアドレスとし、アドレスに対応する6(=m=
p−1)ビットのデータD5〜D0を出力するものであ
る。読み出し専用メモリ61のアドレスとデータの関係
は表1に示されている。なお、表1では見やすくするた
め値“0”が“.”と表記されている。
【0011】
【表1】
【0012】表1のように、読み出し専用メモリ61
は、入力信号を、入力信号の値に対応した数の1ビット
信号に置き換えるようになっている。具体的に説明する
と、入力信号の値が例えば2である場合に、6個の1ビ
ット信号のうち2個の1ビット信号が値“1”をとり、
それ以外の1ビット信号が値“0”をとることになる。
入力信号の値が上記以外の値をとったときには、表1に
示される数だけの1ビット信号が値“1”をとり、それ
以外の1ビット信号が値“0”をとることになる。
【0013】シフタ62は、ポインタ60の出力に応じ
て読み出し専用メモリ61の6ビットの出力を巡回する
ようにシフトするものである。読み出し専用メモリ61
の出力D5〜D0とシフタ62の出力b5〜b0との関
係は、ポインタ60の出力に対して表2のようになって
いる。
【0014】
【表2】
【0015】1ビットディジタル・アナログ変換器列1
3は、例えば、全て均一な特性を有する6個(=m)の
1ビットディジタル・アナログ変換器13−1〜13−
6で構成され、シフタ62の出力をアナログ信号に変換
する。
【0016】アナログ加算器14は、1ビットディジタ
ル・アナログ変換器列13から出力される6個のアナロ
グ信号を総合(加算)し、アナログ信号として出力す
る。
【0017】ディジタル・アナログ変換回路15は、1
ビットディジタル・アナログ変換器列13とアナログ加
算器14とで構成される。
【0018】図6のディジタル・アナログ変換装置は、
ディジタルフィルタ10とノイズシェーパ11とにより
ディジタル入力信号をサンプリング周波数64fS 、7
(=p)レベルの信号とした後に、ポインタ60、読み
出し専用メモリ61およびシフタ62で6個の1ビット
信号からなる1ビット信号列とし、さらにディジタル・
アナログ変換回路15でアナログ信号に変換するもので
ある。このディジタル・アナログ変換装置は、ディジタ
ル信号をより高いサンプリング周波数でアナログ信号に
変換する、いわゆるオーバーサンプリング型のディジタ
ル・アナログ変換装置となっている。
【0019】図6のディジタル・アナログ変換装置の出
力信号スペクトラムを、ディジタル・アナログ変換回路
15が理想的な特性を有する場合について、コンピュー
タ・シミュレーションで求めた結果を図7に示す。な
お、入力信号としておよそ2kHz,0dBの正弦波に
相当するディジタル信号を与えている。またここでは、
0〜2fS (88.2kHz)までの信号を示してい
る。なお、理想的な特性というのは、1ビットディジタ
ル・アナログ変換器列13の各1ビットディジタル・ア
ナログ変換器13−1〜13−6が6個とも均一な出力
を持っているということである。
【0020】このディジタル・アナログ変換装置は、上
記したように僅か7レベルのディジタル信号をアナログ
信号に変換するものながら、図7に示したようにノイズ
シェーパ11によって0〜fS /2の信号帯域では10
0dBを超えるダイナミックレンジが得られるものであ
る。
【0021】つぎに、ポインタ60、読み出し専用メモ
リ61およびシフタ62の動作について説明する。
【0022】図7では1ビットディジタル・アナログ変
換器列13の各1ビットディジタル・アナログ変換器1
3−1〜13−6が6個とも均一な出力を持つという理
想的な場合を想定した。しかしながら、実際の回路では
各1ビットディジタル・アナログ変換器13−1〜13
−6を完全に均一に製造することは不可能であるため、
各1ビットディジタル・アナログ変換器13−1〜13
−6の出力の間には必ず何らかの出力レベルのバラツキ
(相対誤差)が存在する。このバラツキがノイズや高調
波歪の発生原因となる。このノイズや高調波歪を抑圧す
るため、このディジタル・アナログ変換装置では、1ビ
ットディジタル・アナログ変換器13−1〜13−6を
巡回するように用いる。
【0023】ここで、1ビットディジタル・アナログ変
換器13−1〜13−6の特性がばらつくことによって
ノイズや高調波歪が発生する理由、ならびに1ビットデ
ィジタル・アナログ変換器13−1〜13−6を巡回す
るように用いることによって高調波歪が抑圧される理由
について説明する。
【0024】6個の1ビットディジタル・アナログ変換
器13−1〜13−6を用いることで、0〜+6の7通
りの出力を得ることができる。ところが、例えば3番目
の1ビットディジタル・アナログ変換器13−3の出力
レベルが+1ではなく+1.01であれば、本来+3を
出力するはずが+3.01となり、誤差が生じる。すな
わち、歪となるのである。入力信号が純音でなければ、
ノイズ様となる。
【0025】そこで、6個の1ビットディジタル・アナ
ログ変換器13−1〜13−6を巡回するように用いる
ことにより、各1ビットディジタル・アナログ変換器1
3−1〜13−6は、長い時間でみれば、ほぼ均等に使
われることになる。その結果、誤差成分による歪が分散
されることになり、1ビットディジタル・アナログ変換
器13−1〜13−6の信号を加算した加算結果におけ
る高調波歪が抑圧されることになる。
【0026】以下で、アナログ変換器13−1〜13−
6を巡回するように用いるための構成について説明す
る。このディジタル・アナログ変換装置では、まず、ポ
インタ60にノイズシェーパ11から出力される7レベ
ル(0〜6)の信号を入力する。その結果、ポインタ6
0が上記したようにノイズシェーパ11から出力される
7レベルの信号(0〜6)を累算し、6の剰余を求め出
力する。したがって、ポインタ60の出力は0〜5の6
通りとなる。
【0027】一方、ノイズシェーパ11の出力を読み出
し専用メモリ61にも入力することによって、読み出し
専用メモリ61から6ビットのデータを得る。この6ビ
ットのデータは、重み付けのない6個の1ビット信号を
表すものである。さらに、これらの6個の1ビット信号
をシフタ62に入力し、かつポインタ60の出力をシフ
タ62に入力することで、6個の1ビット信号を巡回さ
せる。このようにして得られるシフタ62の出力は、例
えば表3に示されるようになる。表3には、時刻と入力
信号(ROMアドレス)とポインタ出力とシフタ出力と
の関係が示されている。
【0028】
【表3】
【0029】表3からも判るように、入力信号の数値が
示すだけの個数の値“1”が巡回するようにシフタ62
から6個の1ビット信号が出力されている。このこと
は、入力信号の数値と6個の1ビット信号のうちの特定
の1ビット信号との間に相関がないということである。
また、各ビットの使用頻度も充分長い時間に対しては均
等である。このため、6個の1ビット信号がそれぞれ入
力される1ビットディジタル・アナログ変換器13−1
〜13−6の各出力の間にバラツキがある場合でも、信
号帯域でのノイズ等の発生を小さくすることができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のディジタル・アナログ変換装置では、図6に示すデ
ィジタル・アナログ変換回路15において、各1ビット
ディジタル・アナログ変換器13−1〜13−6の出力
に高調波歪が現れることがある。上述したような1ビッ
トディジタル・アナログ変換器13−1〜13−6の出
力のばらつきに起因するものとは別の原因であると考え
られる。このときの様子を図8に示す。
【0031】図8は入力信号を−40dB,2kHzの
正弦波に相当するディジタル信号としたときの、1ビッ
トディジタル・アナログ変換器13−1の出力スペクト
ラムをコンピュータ・シミュレーションで求めたもので
ある。なお、6個の1ビットディジタル・アナログ変換
器13−1〜13−6のうち1個の出力のみを観測して
いるため、振幅は1/6となる。したがって、信号レベ
ルはおよそ−55dBとなっている。図8に見られるよ
うに高調波歪が発生しており、しかも−70dB前後と
高いレベルであることが判る。
【0032】ここで、各1ビットディジタル・アナログ
変換器13−1〜13−6の出力に高調波歪が現れる原
因について説明する。入力信号の値と1ビットディジタ
ル・アナログ変換器13−1〜13−6の個数との関係
により、ある種の共鳴(発振)状態が発生することが原
因と言われている。詳しくは説明していないが、各1ビ
ットディジタル・アナログ変換器13−1〜13−6の
入力(シフタ62の各出力)は、一次ノイズシェーパ、
つまり1次Δ−Σ変調器と等価であり、共鳴が起こりや
すくなっている。特に一定周波数の入力に対して共鳴の
発生が見られる。
【0033】念のために述べると、従来例で解決されて
いるのは、1ビットディジタル・アナログ変換器13−
1〜13−6間のアナログ出力誤差により発生するアナ
ログ的な歪ノイズである。一方、本発明で解決しようと
しているのは、ポインタ60,ROM61およびシフタ
62からなるディジタル回路の構造により、例えば一定
周波数の正弦波形に対応したディジタル信号が入力され
る場合などに特異的に発生するディジタル的な高調波歪
であり、高調波歪の原因が従来例で解決されているもの
とは異なる。
【0034】上記したように、各1ビットディジタル・
アナログ変換器13−1〜13−6は、巡回するように
用いるため、他の1ビットディジタル・アナログ変換器
13−2〜13−6の出力スペクトラムも同様であり、
高調波歪が現れる。だだ、各1ビットディジタル・アナ
ログ変換器13−1〜13−6に現れる高調波歪の位相
が異なる。そのため、1ビットディジタル・アナログ変
換器13−1〜13−6の出力の間にバラツキがない場
合(理想的な場合)、各1ビットディジタル・アナログ
変換器13−1〜13−6に現れる高調波歪は、アナロ
グ加算器14による加算で相殺され、アナログ加算器1
4の出力には、高調波歪は現れない。
【0035】しかしながら、上述のように、実際の1ビ
ットディジタル・アナログ変換器13−1〜13−6の
出力の間には、バラツキが存在する。そのため、アナロ
グ加算器14では相殺されず、アナログ加算器14の出
力には高調波歪が残ってしまうことになる。
【0036】つまり、各1ビットディジタル・アナログ
変換器13−1〜13−6の出力の誤差に起因するアナ
ログ的な歪は、発生原因が固定的であり、従来技術で抑
圧できる。しかし、各1ビットディジタル・アナログ変
換器13−1〜13−6にそれぞれディジタル的に発生
する高調波歪は、そのレベルがかなり大きく、しかも発
生原因が固定的ではないので、単なる巡回動作では抑圧
できない。
【0037】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、各1ビットディジタル・アナログ変換器の出力に高
調波歪が現れず、各1ビットディジタル・アナログ変換
器の出力の間のバラツキによる高調波歪の発生を効果的
に抑圧できるディジタル・アナログ変換装置を提供する
ことを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は以下の構成を有する。
【0039】請求項1記載のディジタル・アナログ変換
装置は、入力されたディジタル信号のサンプリング周波
数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタと、デ
ィジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行うとと
もにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させるノイ
ズシェーパと、ノイズシェーパの出力をデコード入力と
しデコード入力の値に対応した数の1ビット信号に値
“1”が割り当てられた1ビット信号列を生成して出力
するデコーダと、デコーダの出力をアナログ信号に変換
する1ビットディジタル・アナログ変換器列と、1ビッ
トディジタル・アナログ変換器列の出力を総合するアナ
ログ加算器とを備えている。
【0040】この場合、1ビットディジタル・アナログ
変換器列の出力に含まれる高調波歪が減少するように、
1ビット信号列は、値“1”が割り当てられる1ビット
信号の位置が巡回し、1ビット信号列のうち所定位置の
1ビット信号を値“1”の割り当てを禁止する禁止ビッ
トと指定している。
【0041】この構成によれば、ノイズシェーパの出力
をデコーダで1ビット信号列に変換する際に、1ビット
ディジタル・アナログ変換器列の出力に含まれる高調波
歪が減少するように、値“1”の割り当てを禁止する禁
止ビットを設けることによって、値“1”が割り当てら
れる1ビット信号の位置の巡回に、所定の揺らぎ(ある
決められたルールに基づいた揺らぎ)を与えることがで
きる。その結果、高調波歪の発生を回避することができ
る。
【0042】請求項2記載のディジタル・アナログ変換
装置は、入力されたディジタル信号のサンプリング周波
数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタと、デ
ィジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行うとと
もにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させるノイ
ズシェーパと、ノイズシェーパの出力をデコード入力と
しデコード入力の値に対応した数の1ビット信号に値
“1”が割り当てられた1ビット信号列を生成して出力
するデコーダと、デコーダの出力をアナログ信号に変換
する1ビットディジタル・アナログ変換器列と、1ビッ
トディジタル・アナログ変換器列の出力を総合するアナ
ログ加算器とを備えている。
【0043】この場合、1ビット信号列は、値“1”が
割り当てられる1ビット信号の位置が巡回し、1ビット
信号列のうち所定位置の1ビット信号を値“1”の割り
当てを禁止する禁止ビットと指定し禁止ビットに該当す
る1ビット信号の位置が巡回するようにしている。
【0044】この構成によれば、ノイズシェーパの出力
をデコーダで1ビット信号列に変換する際に、値“1”
の割り当てを禁止する禁止ビットを設けることによっ
て、値“1”が割り当てられる1ビット信号の位置の巡
回に、所定の揺らぎ(ある決められたルールに基づいた
揺らぎ)を与えることができる。その結果、高調波歪の
発生を回避することができる。しかも、値“1”を割り
当てるビットと禁止ビットとを、ともにデコード入力に
応じて巡回させるようにしたことにより、各ビットとも
値“1”の割り当て頻度が同じであると同時に禁止ビッ
トの割り当て頻度も同じになる。
【0045】請求項3記載のディジタル・アナログ変換
装置は、入力されたディジタル信号のサンプリング周波
数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタと、デ
ィジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行うとと
もにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させるノイ
ズシェーパと、ノイズシェーパの出力をデコード入力と
しデコード入力の値に対応した数の1ビット信号に値
“1”が割り当てられた1ビット信号列を生成して出力
するデコーダと、デコーダの出力をアナログ信号に変換
する1ビットディジタル・アナログ変換器列と、1ビッ
トディジタル・アナログ変換器列の出力を総合するアナ
ログ加算器とを備えている。
【0046】この場合、1ビットディジタル・アナログ
変換器列の出力に含まれる高調波歪が減少するように、
1ビット信号列は、値“1”が割り当てられる1ビット
信号の位置が巡回し、1ビット信号列のうち所定位置の
1ビット信号を値“1”の割り当てを禁止する禁止ビッ
トと指定し禁止ビットに該当する1ビット信号の位置が
巡回するようにしている。
【0047】この構成によれば、ノイズシェーパの出力
をデコーダで1ビット信号列に変換する際に、1ビット
ディジタル・アナログ変換器列の出力に含まれる高調波
歪が減少するように、値“1”の割り当てを禁止する禁
止ビットを設けることによって、値“1”が割り当てら
れる1ビット信号の位置の巡回に、所定の揺らぎ(ある
決められたルールに基づいた揺らぎ)を与えることがで
きる。その結果、高調波歪の発生を回避することができ
る。しかも、値“1”を割り当てるビットと禁止ビット
とを、ともにデコード入力に応じて巡回させるようにし
たことにより、各ビットとも値“1”の割り当て頻度が
同じであると同時に禁止ビットの割り当て頻度も同じに
なる。
【0048】請求項4記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項2または3記載のディジタル・アナログ
変換装置において、1ビット信号列において値“1”を
割り当てる1ビット信号の位置の巡回方向と、1ビット
信号列において禁止ビットに該当する1ビット信号の位
置の巡回方向とを一致させるようにデコーダを構成して
いる。
【0049】この構成によれば、値“1”を割り当てる
巡回方向と禁止ビットの巡回方向を同方向とすることに
より、巡回の揺らぎを高調波抑圧に対して最適な状態と
することができる。
【0050】請求項5記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項2または3記載のディジタル・アナログ
変換装置において、デコーダは、デコード入力がp通り
(pは2以上の整数)の値を持つときに(p−1)個の
1ビット信号からなる1ビット信号列を出力するように
構成され、1ビット信号列において値“1”の割り当て
を開始する1ビット信号の位置が、通常1サンプルデー
タ前の1ビット信号列において値“1”が最後に割り当
てられた1ビット信号の位置の次の位置になるように、
1ビット信号列を構成する各1ビット信号に対して値
“1”を巡回して割り当てるようにし、1ビット信号列
を構成する1ビット信号に対する値“1”の巡回割り当
てにより、禁止ビットに該当する1ビット信号が値
“1”の割り当て対象となるときは、禁止ビットに該当
する1ビット信号を避けて値“1”の巡回割り当てを継
続するとともに、禁止ビットの位置を次の位置の1ビッ
ト信号へ巡回して移動させるようにしている。
【0051】この構成によれば、請求項2または3と同
様に、値“1”が割り当てられる1ビット信号の位置の
巡回に、所定の揺らぎ(ある決められたルールに基づい
た揺らぎ)を与えることができる。その結果、高調波歪
の発生を回避することができる。しかも、値“1”を割
り当てるビットと禁止ビットとを、ともにデコード入力
に応じて巡回させるようにしたことにより、各ビットと
も値“1”の割り当て頻度が同じであると同時に禁止ビ
ットの割り当て頻度も同じになる。
【0052】請求項6記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項5記載のディジタル・アナログ変換装置
において、入力される0から(p−1)までのp通りの
値のうち最大値(p−1)を出力するとき、1ビット信
号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解除し1ビッ
ト信号列のすべての1ビット信号に値“1”を割り当て
るように、デコーダを構成している。
【0053】この構成によれば、入力信号が最大値で禁
止ビットが設定できないときには一時的に禁止ビットを
解除することによって、最少数の1ビットディジタル・
アナログ変換器でディジタル・アナログ変換装置を構成
することができる。
【0054】請求項7記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項5記載のディジタル・アナログ変換装置
において、入力される0から(p−1)までのp通りの
値のうち最大値(p−1)を出力するとき、1ビット信
号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解除し1ビッ
ト信号列のすべての1ビット信号に値“1”を割り当て
るとともに、1ビット信号列において値“1”の割り当
てを開始する1ビット信号の位置、および禁止ビットに
該当する1ビット信号の位置の移動をともに停止するよ
うに、デコーダを構成している。
【0055】この構成によれば、入力信号が最大値で禁
止ビットが設定できないときには一時的に禁止ビットを
解除することによって、最少数の1ビットディジタル・
アナログ変換器でディジタル・アナログ変換装置を構成
することができる。しかも、禁止ビットの割り当て頻度
をビット位置によらず均一にすることができる。
【0056】請求項8記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項5記載のディジタル・アナログ変換装置
において、1ビット信号列において値“1”を割り当て
る1ビット信号の位置の巡回方向と、1ビット信号列に
おいて禁止ビットに該当する1ビット信号の位置の巡回
方向とを一致させるようにデコーダを構成している。
【0057】この構成によれば、値“1”を割り当てる
巡回方向と禁止ビットの巡回方向を同方向とすることに
より、巡回の揺らぎを高調波抑圧に対して最適な状態と
することができる。
【0058】請求項9記載のディジタル・アナログ変換
装置は、請求項8記載のディジタル・アナログ変換装置
において、入力される0から(p−1)までのp通りの
値のうち最大値(p−1)を出力するとき、1ビット信
号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解除し1ビッ
ト信号列のすべての1ビット信号に値“1”を割り当て
るように、デコーダを構成している。
【0059】この構成によれば、入力信号が最大値で禁
止ビットが設定できないときには一時的に禁止ビットを
解除することによって、最少数の1ビットディジタル・
アナログ変換器でディジタル・アナログ変換装置を構成
することができる。
【0060】請求項10記載のディジタル・アナログ変
換装置は、請求項8記載のディジタル・アナログ変換装
置において、入力される0から(p−1)までのp通り
の値のうち最大値(p−1)を出力するとき、1ビット
信号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解除し1ビ
ット信号列のすべての1ビット信号に値“1”を割り当
てるとともに、1ビット信号列において値“1”の割り
当てを開始する1ビット信号の位置、および禁止ビット
に該当する1ビット信号の位置の移動をともに停止する
ように、デコーダを構成している。
【0061】この構成によれば、入力信号が最大値で禁
止ビットが設定できないときには一時的に禁止ビットを
解除することによって、最少数の1ビットディジタル・
アナログ変換器でディジタル・アナログ変換装置を構成
することができる。しかも、禁止ビットの割り当て頻度
をビット位置によらず均一にすることができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0063】図1は本発明によるディジタル・アナログ
変換装置の実施の形態を表すブロック図である。図1に
おいて、ディジタルフィルタ10とノイズシェーパ11
とはそれぞれ図6で示したものと同一の構成・機能を有
する。
【0064】デコーダ12は、ノイズシェーパ11から
出力されるディジタル信号に対応してm個の1ビット信
号を出力するものである。ここではm=6とする。
【0065】1ビットディジタル・アナログ変換器列1
3は、例えば6個の1ビットディジタル・アナログ変換
器13−1〜13−6からなる。1ビットディジタル・
アナログ変換器列13と、アナログ加算器14と、ディ
ジタル・アナログ変換回路15は、それぞれ図6で示し
たものと同一の構成・機能を有する。
【0066】図1のディジタル・アナログ変換装置は、
ディジタルフィルタ10とノイズシェーパ11によりデ
ィジタル入力信号をサンプリング周波数64fS 、7
(=p)レベルの信号とした後に、デコーダ12で6個
の1ビット信号とし、さらにディジタル・アナログ変換
回路15でアナログ信号に変換するものである。このデ
ィジタル・アナログ変換装置は、ディジタル信号を、よ
り高いサンプリング周波数でアナログ信号に変換するい
わゆるオーバーサンプリング型のディジタル・アナログ
変換装置となっている。なお、レベル数は7に限らず、
8以上でも6以下でもよいの当然である。
【0067】図1のデコーダ12の具体的な構成の一例
を図2に示す。図2において、信号用ポインタ20は入
力信号の出力割り当て開始位置を示すものであり、入力
信号の累算値の剰余を出力する。ここでは、デコーダ1
2の入力と後述する遅延器26の出力を累算して値6の
剰余を出力するものとする。ある時刻tのデコーダ12
の入力をXt、遅延器26の出力をZtとするとき、出
力Ytは(数3)で表される。
【0068】
【数3】
【0069】読み出し専用メモリ(ROM)21および
シフタ22は、それぞれ図6に示す読み出し専用メモリ
61およびシフタ62と同一の構成・機能を有し、入出
力の関係はそれぞれ表1および表2に示した通りであ
る。
【0070】禁止ビット用ポインタ23は、禁止ビット
の位置を示すものであり、遅延器26の出力を累算(減
算)して6の剰余を出力するものである。ある時刻tの
遅延器26の出力をZtとするとき、禁止ビット用ポイ
ンタ23の出力Wtは(数4)で表される。
【0071】
【数4】
【0072】禁止判定回路24は、禁止判定を行うもの
であり、シフタ22の出力のうち禁止ビット用ポインタ
23が示すビット位置が値“1”の場合には“1”を、
値“0”の場合には“0”を出力する。禁止ビットシフ
ト処理回路25は、禁止ビット判定にしたがってシフタ
22の出力をシフト処理するものであり、禁止ビット判
定結果が“1”のときには該禁止ビットを“0”とする
とともに、信号割り当ての巡回方向に対して該禁止ビッ
トより後に値“1”の出力位置をシフトするものであ
る。遅延器26は1サンプリング周期だけ禁止判定回路
24の出力を遅延するものである。
【0073】つぎに、図2のデコーダ12の動作を説明
する。まず、信号用ポインタ20は、図1のノイズシェ
ーパ11から出力される7レベルの信号(0〜6)を累
算し、6の剰余を求めて出力する。したがって、信号用
ポインタ20の出力は(0〜5)の6通りとなる。ま
た、ノイズシェーパ11の出力が読み出し専用メモリ2
1に入力され、6ビットのデータが得られる。この6ビ
ットのデータは、重み付けのない6個の1ビット信号を
表すものである。これらの読み出し専用メモリ21の出
力がシフタ22に入力され、6ビットのデータが巡回す
る。
【0074】このシフタ22の出力は、禁止判定回路2
4によって、値“1”が割り当てられたビット位置が禁
止ビット用ポインタ23によって禁止ビットに指定され
ているかどうかが判定される。そして、禁止判定回路2
4による判定結果が禁止ビットシフト処理回路25に入
力される。
【0075】禁止ビットシフト処理回路25は、禁止判
定回路24の判定結果にしたがって上記した処理を行
う。すなわち、禁止判定回路24の出力が“1”のと
き、禁止ビットに指定されたビット位置を避け、代わり
に1ビットだけ信号割り当ての巡回を進めるように処理
するものである。こうして禁止判定回路24の出力が
“1”となったときには、遅延器26を介して信号用ポ
インタ20と禁止ビット用ポインタ23に“1”が帰還
され、それぞれのポインタ値は1ビット分進められる。
なお、禁止判定回路24の出力が“0”のときは、禁止
ビットシフト処理回路25は入力をそのまま出力する。
【0076】このように動作する図2の回路の出力は、
例えば表4のようになる。なお、表4では見やすくする
ため、データ“0”を“.”と表記し、またデコーダ出
力におけるアンダーライン「_」は禁止ビット位置を、
「0」はシフタ出力が禁止ビット位置で“1”であった
ために“0”に変更されたことを示している。
【0077】
【表4】
【0078】ここで、表4について説明する。まず、時
刻0〜時刻2では禁止ビットの位置は「5」(左端)で
あり、シフタ22の出力は“1”でないため、デコーダ
12の出力はシフタ22の出力と同一である。時刻3で
シフタ22の出力は禁止ビットの位置「5」が“1”と
なるため、このビットは“0”とされ、つぎの巡回位置
である位置「0」(右端)が“1”となっている。また
これにより時刻4では、信号用と禁止ビット用の各信号
用ポインタ20および禁止ビット用ポインタ23が1ビ
ット分進んでいることが判る。このように値“1”の巡
回とともに禁止ビットも巡回していくように構成されて
いるものである。
【0079】図2のデコーダを用いた場合、図1の1ビ
ットディジタル・アナログ変換器13−1の出力は図3
のようになる。図3は入力信号を−40dB,2kHz
の正弦波に相当するディジタル信号としたときの、1ビ
ットディジタル・アナログ変換器13−1の出力スペク
トラムをコンピュータ・シミュレーションで求めたもの
である。
【0080】なお、6個の1ビットディジタル・アナロ
グ変換器13−1〜13−6のうち1個の1ビットディ
ジタル・アナログ変換器13−1の出力のみを観測して
いるため、振幅はアナログ加算器14の出力の1/6と
なる。したがって、信号レベルはおよそ−55dBとな
っている。
【0081】図3に見られるように、図8と比較して1
ビットディジタル・アナログ変換器13−1の単体の高
調波歪が大幅に減少していることが判る。これによっ
て、上記したように1ビットディジタル・アナログ変換
器13−1〜13−6の出力の間にバラツキがあって、
高調波歪がアナログ加算器14で完全に相殺されないよ
うな場合であっても、アナログ加算器14の出力におけ
る高調波歪の発生を大幅に抑圧することができるのであ
る。
【0082】ここで、禁止ビットを巡回させることによ
る揺らぎによって、各1ビットディジタル・アナログ変
換器13−1〜13−6の個々の高調波歪が抑制される
理由について説明する。前述したように、各1ビットデ
ィジタル・アナログ変換器13−1〜13−6に現れる
高調波歪は、入力信号と1ビットディジタル・アナログ
変換器の個数により決まるある種の共鳴(発振)現象で
あるため、これをランダムに乱すような外乱を与えるこ
とにより、避けることができるのである。この点はシミ
ュレーションによって統計的に確認されている。上述し
た禁止ビットの挿入が外乱を与えることに相当する。
【0083】なおここでは、禁止ビット用ポインタ23
の動作を(数4)で定義し、表4からも明らかなように
信号の巡回方向と禁止ビットの巡回方向を互いに反対の
方向としている。しかし、例えば禁止ビットの巡回方向
を信号の巡回方向と同一にすることも考えられる。例え
ば禁止ビット用ポインタ23の動作を(数5)とすれ
ば、上記した1ビットディジタル・アナログ変換器13
−1の出力スペクトラムは図4のようになり、図3に比
べて高調波歪が減少していることが明らかである。
【0084】
【数5】
【0085】ここで、信号巡回の揺らぎの頻度について
説明する。本方式では、信号巡回による歪、ノイズへの
影響は、つぎの3点になる。
【0086】1)従来技術に示した各1ビットディジタ
ル・アナログ変換器13−1〜13−6の出力誤差の抑
圧 2)禁止ビット挿入による、ディジタル的歪発生の抑圧 3)禁止ビット挿入そのものによるノイズ発生の抑圧 このうち、3)による歪・ノイズ発生は、本質的には、
1)と同じ理由で、抑圧するには、例えば禁止ビットの
位置を巡回することが有効であり、値“1”を有する1
ビット信号の巡回方向に対して、順方向または逆方向に
禁止ビットの位置を巡回させればよい。一方、2)は、
揺らぎが多いほど効果が大きいとも考えられるが、高調
波歪の発生は、一種の共鳴(発振)現象であるから、こ
の共鳴を抑えるために最適な位相で揺らぎを与えること
によって、より少ない揺らぎでも効果的に高調波歪を抑
えることのできる場合が存在することは容易に推察でき
る。この最適な位相に、より近いのが、同一方向の巡回
であると考えられる。
【0087】図4は(数5)による禁止ビット用ポイン
タ23を用いた場合に、入力信号を−40dB,2kH
zの正弦波に相当するディジタル信号としたときの、1
ビットディジタル・アナログ変換器13−1の出力スペ
クトラムをコンピュータ・シミュレーションで求めたも
のである。図4に見られるように、図3と比較しても高
調波歪はさらに減少していることが判る。
【0088】さて、ここでデコーダ12の入力が最大値
6の場合について説明する。デコーダ12の入力が6の
ときには読み出し専用メモリ21の出力は6ビット全て
が“1”となるため、必ず禁止判定回路24の出力は
“1”となり、禁止ビットを設定しなければならない。
ところが、禁止ビットを“0”とするとデコーダ12の
出力値は5となり入力と一致しないため、禁止ビットの
設定ができないという問題が生ずる。この問題を回避す
るためには、デコーダ12の入力が最大値6の場合に限
り禁止ビットの設定を一時的に解除すれば良い。この方
法は、例えば図2の回路において禁止ビット用シフト処
理回路25の動作を、入力が6の場合には禁止ビット処
理を行わず出力の全ビットを“1”とするように変更す
ることで容易に実現できる。
【0089】このときの様子を表4で説明する。時刻4
では入力が6となっておりシフタ22の出力は6ビット
全て“1”であるため、デコーダ12の出力も6ビット
全て“1”となっている。
【0090】この場合、禁止ビット用ポインタ23はそ
のまま動作を継続するため、表4のように禁止ビット位
置が時刻5では1ビット分進んでしまう。このように最
大値6の入力時に禁止ビット位置が進むと、禁止ビット
の割り当て頻度がビット位置により異なることとなり、
ノイズ特性が大きく劣化する原因となる。これを回避す
るためには、最大値6の入力時には禁止ビット用ポイン
タ23の動作を停止し禁止ビット位置の移動を停止すれ
ばよい。
【0091】この方式によるデコーダを用いたディジタ
ル・アナログ変換装置の出力について、図5に出力スペ
クトラムを示す。図5において、(a)は、1から5ま
での値の入力時には、値“1”をもった1ビット信号が
禁止ビットに対応したときに禁止ビットの位置を移動さ
せ、最大値6の入力時には、例外的に禁止ビットの移動
を停止する方式の場合の出力スペクトラムを示してい
る。また、(b)は、1から6までの値の入力時におい
て、値“1”をもった1ビット信号が禁止ビットに対応
したときに禁止ビットの位置を移動させ、例外的な禁止
ビットの移動の停止は行わない方式の場合の出力スペク
トラムを示している。図5で明らかなように、最大値6
の入力時に例外的に禁止ビットの移動を停止する上記し
た方式を用いることによって、効果的にノイズを抑圧で
きることが判る。
【0092】以上説明したようにディジタル・アナログ
変換装置を構成するものである。なおここではノイズシ
ェーパ11に(数1)で表されるものを用いたが、ノイ
ズシェーパとして機能するものであれば異なる次数、特
性、出力階調数であってもよいことはもちろんである。
また図2に示したデコーダ12の構成や(表1)の読み
出し専用メモリデータ等は説明のための一例であり、勿
論これに限ったものではなく、また読み出し専用メモリ
以外に例えばロジック回路で構成することも可能であ
る。
【0093】なお、上記実施の形態では、ディジタル的
な高調波歪を抑制するために、禁止ビットが逆方向また
は同方向に巡回するように構成したが、巡回の仕方は、
1サンプル毎に1個ずつ順に送っていくものだけでな
く、2個あるいはそれ以上ずつ送っていく方法でも、ま
た複数サンプル毎に1個ずつあるいは2個ずつ送ってい
く方法でもよい。また、禁止ビットを特に巡回させる必
要はない。要は、1ビットディジタル・アナログ変換器
列の出力に含まれるディジタル的な高調波歪が減少する
ように、信号割り当てを禁止する禁止ビットを設ければ
よい。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載のディジタル・アナログ変
換装置によれば、巡回する1ビット信号列に、1ビット
ディジタル・アナログ変換器列の出力に含まれる高調波
歪が減少するように禁止ビットを挿入したことにより、
各1ビットディジタル・アナログ変換器の出力に発生し
ていた高調波歪を効果的に抑圧できるため、各1ビット
ディジタル・アナログ変換器の出力レベルにバラツキが
あってもディジタル・アナログ変換出力に高調波歪が現
れないという優れた効果を奏する。
【0095】請求項2記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、巡回する1ビット信号列に禁止ビットを
巡回するように挿入したことにより、各1ビットディジ
タル・アナログ変換器の出力に発生していた高調波歪を
効果的に抑圧できるため、各1ビットディジタル・アナ
ログ変換器の出力レベルにバラツキがあってもディジタ
ル・アナログ変換出力に高調波歪が現れないという優れ
た効果を奏する。
【0096】請求項3記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、巡回する1ビット信号列に禁止ビットを
巡回させて1ビットディジタル・アナログ変換器列の出
力に含まれる高調波歪が減少するように挿入したことに
より、各1ビットディジタル・アナログ変換器の出力に
発生していた高調波歪を効果的に抑圧できるため、各1
ビットディジタル・アナログ変換器の出力レベルにバラ
ツキがあってもディジタル・アナログ変換出力に高調波
歪が現れないという優れた効果を奏する。
【0097】請求項4記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、1ビット信号列に割り当てられる値
“1”の巡回方向と禁止ビットの巡回方向を同一にする
ことで、高調波歪をさらに効果的に抑圧できる。
【0098】請求項5記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、各1ビットディジタル・アナログ変換器
の出力に発生していた高調波歪を効果的に抑圧できるた
め、各1ビットディジタル・アナログ変換器の出力レベ
ルにバラツキがあってもディジタル・アナログ変換出力
に高調波歪が現れないという優れた効果を奏する。
【0099】請求項6記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、最大値入力時には、禁止ビットの割り当
てを一時解除し全ビットを“1”とすることにより、p
通りの値を出力するために最低必要な(p−1)個の1
ビットディジタル・アナログ変換器によるディジタル・
アナログ変換装置を実現できる。
【0100】請求項7記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、最大値入力時には、禁止ビットの割り当
てを一時解除し全ビットを“1”とすることにより、p
通りの値を出力するために最低必要な(p−1)個の1
ビットディジタル・アナログ変換器によるディジタル・
アナログ変換装置を実現できるという効果を奏する他
に、最大値入力時には、禁止ビット位置および値“1”
の割り当て位置の巡回動作を停止することによりノイズ
の増加を防止できる。
【0101】請求項8記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、1ビット信号列に割り当てられる値
“1”の巡回方向と禁止ビットの巡回方向を同一にする
ことで、高調波歪をさらに効果的に抑圧できる。
【0102】請求項9記載のディジタル・アナログ変換
装置によれば、最大値入力時には、禁止ビットの割り当
てを一時解除し全ビットを“1”とすることにより、p
通りの値を出力するために最低必要な(p−1)個の1
ビットディジタル・アナログ変換器によるディジタル・
アナログ変換装置を実現できる。
【0103】請求項10記載のディジタル・アナログ変
換装置によれば、最大値入力時には、禁止ビットの割り
当てを一時解除し全ビットを“1”とすることにより、
p通りの値を出力するために最低必要な(p−1)個の
1ビットディジタル・アナログ変換器によるディジタル
・アナログ変換装置を実現できるという効果を奏する他
に、最大値入力時には、禁止ビット位置および値“1”
の割り当て位置の巡回動作を停止することによりノイズ
の増加を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディジタル・アナログ変換装置の
実施の形態を表すブロック図である。
【図2】図1のデコーダの具体的な構成の一例を表すブ
ロック図である。
【図3】図1の1ビットディジタル・アナログ変換器列
のうちの1個の1ビットディジタル・アナログ変換器の
出力スペクトラムの一例を示すスペクトラム図である。
【図4】図1の1ビットディジタル・アナログ変換器列
のうちの1個の1ビットディジタル・アナログ変換器の
出力スペクトラムの一例を示すスペクトラム図である。
【図5】図1のディジタル・アナログ変換装置の出力ス
ペクトラムの一例を示すスペクトラム図である。
【図6】従来のディジタル・アナログ変換装置の一例を
示すブロック図である。
【図7】図6のディジタル・アナログ変換装置の出力ス
ペクトラムの一例を示すスペクトラム図である。
【図8】図6の1ビットディジタル・アナログ変換器1
3ののうちの1個の1ビットディジタル・アナログ変換
器の出力スペクトラムの一例を示すスペクトラム図であ
る。
【符号の説明】
10 ディジタルフィルタ 11 ノイズシェーパ 12 デコーダ 13 1ビットディジタル・アナログ変換器列(DA
C−1〜6) 14 アナログ加算器 15 ディジタル・アナログ変換回路 20 信号用ポインタ 21 読み出し専用メモリ 22 シフタ 23 禁止ビット用ポインタ 24 禁止判定回路 25 シフト処理回路 26 遅延器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 3/02 H03M 1/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたディジタル信号のサンプリン
    グ周波数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタ
    と、 前記ディジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行
    うとともにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させ
    るノイズシェーパと、 前記ノイズシェーパの出力をデコード入力とし前記デコ
    ード入力の値に対応した数の1ビット信号に値“1”が
    割り当てられた1ビット信号列を生成して出力するデコ
    ーダと、 前記デコーダの出力をアナログ信号に変換する1ビット
    ディジタル・アナログ変換器列と、 前記1ビットディジタル・アナログ変換器列の出力を総
    合するアナログ加算器とを備え、 前記1ビットディジタル・アナログ変換器列の出力に含
    まれる高調波歪が減少するように、前記1ビット信号列
    は、値“1”が割り当てられる1ビット信号の位置が巡
    回し、前記1ビット信号列のうち所定位置の1ビット信
    号を値“1”の割り当てを禁止する禁止ビットと指定し
    たことを特徴とするディジタル・アナログ変換装置。
  2. 【請求項2】 入力されたディジタル信号のサンプリン
    グ周波数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタ
    と、 前記ディジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行
    うとともにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させ
    るノイズシェーパと、 前記ノイズシェーパの出力をデコード入力とし前記デコ
    ード入力の値に対応した数の1ビット信号に値“1”が
    割り当てられた1ビット信号列を生成して出力するデコ
    ーダと、 前記デコーダの出力をアナログ信号に変換する1ビット
    ディジタル・アナログ変換器列と、 前記1ビットディジタル・アナログ変換器列の出力を総
    合するアナログ加算器とを備え、 前記1ビット信号列は、値“1”が割り当てられる1ビ
    ット信号の位置が巡回し、前記1ビット信号列のうち所
    定位置の1ビット信号を値“1”の割り当てを禁止する
    禁止ビットと指定し前記禁止ビットに該当する1ビット
    信号の位置が巡回するようにしたことを特徴とするディ
    ジタル・アナログ変換装置。
  3. 【請求項3】 入力されたディジタル信号のサンプリン
    グ周波数をk倍(kは整数)にするディジタルフィルタ
    と、 前記ディジタルフィルタの出力を入力とし語長制限を行
    うとともにノイズの周波数特性を所定の特性に変化させ
    るノイズシェーパと、 前記ノイズシェーパの出力をデコード入力とし前記デコ
    ード入力の値に対応した数の1ビット信号に値“1”が
    割り当てられた1ビット信号列を生成して出力するデコ
    ーダと、 前記デコーダの出力をアナログ信号に変換する1ビット
    ディジタル・アナログ変換器列と、 前記1ビットディジタル・アナログ変換器列の出力を総
    合するアナログ加算器とを備え、 前記1ビットディジタル・アナログ変換器列の出力に含
    まれる高調波歪が減少するように、前記1ビット信号列
    は、値“1”が割り当てられる1ビット信号の位置が巡
    回し、前記1ビット信号列のうち所定位置の1ビット信
    号を値“1”の割り当てを禁止する禁止ビットと指定し
    前記禁止ビットに該当する1ビット信号の位置が巡回す
    るようにしたことを特徴とするディジタル・アナログ変
    換装置。
  4. 【請求項4】 前記1ビット信号列において値“1”を
    割り当てる1ビット信号の位置の巡回方向と、前記1ビ
    ット信号列において前記禁止ビットに該当する1ビット
    信号の位置の巡回方向とを一致させるように前記デコー
    ダを構成したことを特徴とする請求項2または3記載の
    ディジタル・アナログ変換装置。
  5. 【請求項5】 前記デコーダは、前記デコード入力がp
    通り(pは整数)の値を持つときに(p−1)個の1ビ
    ット信号からなる1ビット信号列を出力するように構成
    され、前記1ビット信号列において値“1”の割り当て
    を開始する1ビット信号の位置が、通常1サンプルデー
    タ前の前記1ビット信号列において値“1”が最後に割
    り当てられた1ビット信号の位置の次の位置になるよう
    に、前記1ビット信号列を構成する各1ビット信号に対
    して値“1”を巡回して割り当てるようにし、前記1ビ
    ット信号列を構成する1ビット信号に対する値“1”の
    巡回割り当てにより、前記禁止ビットに該当する1ビッ
    ト信号が値“1”の割り当て対象となるときは、前記禁
    止ビットに該当する1ビット信号を避けて値“1”の巡
    回割り当てを継続するとともに、前記禁止ビットの位置
    を次の位置の1ビット信号へ巡回して移動させるように
    したことを特徴とする請求項2または3記載のディジタ
    ル・アナログ変換装置。
  6. 【請求項6】 入力される0から(p−1)までのp通
    りの値のうち最大値(p−1)を出力するとき、前記1
    ビット信号列に対する前記禁止ビットの指定を一時的に
    解除し前記1ビット信号列のすべての1ビット信号に値
    “1”を割り当てるように、前記デコーダを構成したこ
    とを特徴とする請求項5記載のディジタル・アナログ変
    換装置。
  7. 【請求項7】 入力される0から(p−1)までのp通
    りの値のうち最大値(p−1)を出力するとき、前記1
    ビット信号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解除
    し前記1ビット信号列のすべての1ビット信号に値
    “1”を割り当てるとともに、前記1ビット信号列にお
    いて値“1”の割り当てを開始する1ビット信号の位
    置、および前記禁止ビットに該当する1ビット信号の位
    置の移動をともに停止するように、前記デコーダを構成
    したことを特徴とする請求項5記載のディジタル・アナ
    ログ変換装置。
  8. 【請求項8】 前記1ビット信号列において値“1”を
    割り当てる1ビット信号の位置の巡回方向と、前記1ビ
    ット信号列において前記禁止ビットに該当する1ビット
    信号の位置の巡回方向とを一致させるように前記デコー
    ダを構成したことを特徴とする請求項5記載のディジタ
    ル・アナログ変換装置。
  9. 【請求項9】 入力される0から(p−1)までのp通
    りの値のうち最大値(p−1)を出力するとき、前記1
    ビット信号列に対する前記禁止ビットの指定を一時的に
    解除し前記1ビット信号列のすべての1ビット信号に値
    “1”を割り当てるように、前記デコーダを構成したこ
    とを特徴とする請求項8記載のディジタル・アナログ変
    換装置。
  10. 【請求項10】 入力される0から(p−1)までのp
    通りの値のうち最大値(p−1)を出力するとき、前記
    1ビット信号列に対する禁止ビットの指定を一時的に解
    除し前記1ビット信号列のすべての1ビット信号に値
    “1”を割り当てるとともに、前記1ビット信号列にお
    いて値“1”の割り当てを開始する1ビット信号の位
    置、および前記禁止ビットに該当する1ビット信号の位
    置の移動をともに停止するように、前記デコーダを構成
    したことを特徴とする請求項8記載のディジタル・アナ
    ログ変換装置。
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