JP3322909B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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浩司 内田
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の樹脂組成物は、電子機
器、塗料、接着剤、成形材料、複合材料、積層板、封止
材等の材料として用いられるエポキシ樹脂に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子機器材料の分野において、電子機器
の高機能化や小型化が進むに伴って、LSIの高密度実
装化が進み、その結果、この用途に用いられる積層板用
の樹脂素材には、耐熱性、難燃性、金属箔回路との密着
性、および積層板製造工程における樹脂ワニスやプリプ
レグの貯蔵安定性が強く望まれている。
【0003】ここで、樹脂素材としては、金属箔回路と
の密着性の観点から、主としてエポキシ樹脂が使用され
ている。積層板は、エポキシ樹脂と硬化剤を配合したワ
ニスを作成した後、基材に含浸して、乾燥することによ
って調製したプリプレグを複数枚積層し、これを加熱加
圧成形することによって作成されている。
【0004】この場合、エポキシ樹脂と硬化剤を含むワ
ニスは、プリプレグの製造期間中、ワニス品質が安定し
ていなければ、プリプレグの品質に重大な影響を及ぼす
ことになる。さらに、次にプリプレグは、積層して成形
するまでの期間そのまま貯蔵されるが、この間品質が安
定していることが必要である。特に、プリプレグの貯蔵
安定性の改善が画期的であれば、プリプレグを室温で長
期間貯蔵できることが期待される。従って、積層板に用
いるエポキシ樹脂ワニスやプリプレグにおいては、その
貯蔵安定性に優れていることは重要な特性である。
【0005】また、同じく電子機器分野において、電子
機器の高機能化や小型化が進むに伴って、封止材用の樹
脂素材には、耐熱性、難燃性、接着性が強く望まれてい
る。また、接着剤分野において、航空機、自動車、車
両、エレクトロニクス、建築、土木、スペースシャトル
等の小型化、軽量化に伴い、樹脂素材には、強靱性、耐
熱性、難燃性が本来の機能たる接着性とともに強く望ま
れている。
【0006】また、粉体塗料、絶縁粉体塗料、PCM用
塗料、金属用塗料など塗料分野においては、機材への接
着性、強靱性が強く望まれている。また、複合材料の分
野においては、個性化、高機能化などの高商品化が必須
条件となるに伴い、強靱性、耐熱性が強く望まれてい
る。また、電力機器用絶縁材料を初めとする注型材の分
野においては、大型化、高性能化の要請に伴い、樹脂素
材には、耐熱性、強靱性が強く望まれている。
【0007】また近年、安全性の観点から、広い産業分
野において樹脂素材として、難燃性のあるエポキシ樹脂
が使用されている。一般に、難燃効果を発揮するために
は、臭素が樹脂当たり20重量%必要とされており、従
って、通常は、臭素含有量20〜25重量%の低臭素型
エポキシ樹脂が使用されてきたが、これら低臭素型エポ
キシ樹脂は、難燃性や密着性に優れているものの、耐熱
性が低いという欠点がある。
【0008】そのため、耐熱性を改善する目的で、低臭
素型エポキシ樹脂にノボラック型エポキシ樹脂を一部添
加することが行われている。しかし、これらの添加は樹
脂素材の強度を低下させる傾向にあるばかりか、組成物
の可使時間をも短縮させるので、難燃性を保つための臭
素含有量を維持する必要上、その添加量は制限され、結
果として耐熱性も十分ではない。
【0009】また、難燃性を高める手段として、テトラ
ブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂や臭素化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂等の高臭素型エポキシ樹
脂が添加される場合があるが、耐熱性の改善には殆ど無
力である。
【0010】例えば、積層板用途においては、LSI等
の電子部品搭載の際にハンダ浴に浸漬され、積層板上の
金属回路と電子部品が接続されるが、この際、エポキシ
樹脂の臭素含有量を多くすると臭素が遊離する等の問題
を生じ、金属箔にフクレ等が生じるなどのいわゆるハン
ダ耐熱性が低下する。
【0011】ハンダ耐熱性の改善のために、臭素含有量
を低減すれば良いが、難燃性を発揮するために臭素含有
量20重量%程度を必要とし、この組成で使用されてい
た。積層板の耐熱性を改良するための例として、特公昭
52−31000号公報には、多官能エポキシ化合物と
多官能イソシアネート化合物から得られる樹脂組成物を
記載した例がある。
【0012】これは、エポキシ基に対して大過剰のイソ
シアネート基を用いているため、生成した樹脂は吸湿性
が高く、また、その組成物は空気中の水分と反応しやす
いので、貯蔵安定性を維持するためには、完全に密閉し
た容器に保存しなければならないという問題があった。
【0013】また、特公昭53−15757号公報に
は、電気回転機器用の樹脂組成物の例として、ジエポキ
シ化合物とジイソシアネート化合物を用い、1段目の反
応でジイソシアネート変成エポキシ樹脂を得て、つづい
てそれに再びジイソシアネート化合物を硬化剤として用
いて、硬化反応を実施した記載がある。しかし、これに
より得られた樹脂組成物は、硬化剤としてジイソシアネ
ート化合物を配合しているため、硬化物の吸水性は高い
ものとなり、エポキシ樹脂に微量含まれる不純物塩素の
遊離を促進し、電気回路に悪影響を及ぼすため、この樹
脂は電子機器用樹脂素材には使用できないという欠点が
あった。
【0014】また、特に耐熱性と強靱性のバランスのと
れた、すなわち耐熱性と強靱性がともに改善された樹脂
組成物は、前記した広い分野において要望されているも
のの、未だその実現に至っていないのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、耐熱性、強靱性、貯蔵安定性及び、必要
あれば難燃性のいずれにも優れた、信頼性の高いエポキ
シ樹脂組成物を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の優れた性能を有す
るエポキシ樹脂を開発すべく、鋭意研究を重ねた結果、
(A)特定のオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂
〔以下(A)成分樹脂と呼ぶ〕、(B)特定のハロゲン
含有エポキシ樹脂〔以下(B)成分樹脂と呼ぶ〕および
(C)硬化剤を成分とし、且つ特定の性状を有するエポ
キシ樹脂組成物が、耐熱性、強靱性、及び貯蔵安定性を
いずれも必要とする用途への樹脂素材として、優れたこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明組成物は、オキサゾリド
ン環の導入により優れた強靱性と貯蔵安定性を有し、適
量のオキサゾリドン環及びエポキシ基を含むことによ
り、耐熱性や金属回路との密着性に優れ、かつ適量のオ
キソザリドン環とハロゲン基を含むことにより、驚くべ
き難燃性の相乗効果を発揮し、かつ、その結果、ハロゲ
ン含有量の低減が可能となり、耐熱性を有するととも
に、特定の性状により絶縁性、耐水性に優れた組成物を
提供するものである。
【0018】以下、本発明を詳細に説明する。本発明樹
脂組成物において、(A)成分樹脂のエポキシ当量は、
好ましくは200〜10,000g/eq、より好まし
くは、250〜2,000g/eqである。これは、所
定の値より小さいと耐熱性や貯蔵安定性が十分でなく、
所定の値より大きいと密着性が低下する。
【0019】(B)成分樹脂のエポキシ当量は、好まし
くは200〜2,000g/eq、より好ましくは、2
50〜700g/eqである。エポキシ当量が、所定の
値より小さいと密着性が十分でなく、所定の値より大き
いと貯蔵安定性や耐熱性が低下する。
【0020】本発明樹脂組成物において、(A)成分樹
脂は1分子当たり平均1官能以上のエポキシ基を有する
が、1分子当たり、好ましくは平均1.2〜5官能のエ
ポキシ基、より好ましくは平均1.2〜3官能のエポキ
シ基を有する。該(A)成分樹脂のエポキシ基の官能基
数が所定の量より多すぎると耐熱性は向上するが、貯蔵
安定性が低下し、所定量より少ないと耐熱性が低下す
る。
【0021】該(A)成分樹脂は、式〔I〕に示される
樹脂が好ましい。
【化1】 (式中、l、m、Nは平均繰り返し単位数を表し、lは
0〜100、mは0〜100、Nは0.1〜100であ
り、Aは下記式〔5〕又は式〔6〕である。)
【0022】
【化2】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜
4のアルキル基である。)
【0023】
【化3】 (式中、R1 ’〜R8 ’はそれぞれ独立に水素原子又は
炭素数1〜4のアルキル基である。Bは単結合、-CH 2
- 、-C(CH 3 ) 2 - 、-SO 2 - 、-SO-、-CO-、-S- また
は-O- である。)
【0024】このオキサゾリドン環の導入は、例えばグ
リシジル化合物とイソシアネート化合物をオキサゾリド
ン環形成触媒の存在下で反応させることにより、ほぼ理
論量で達成することができる。例えば、イソシアネート
化合物とグリシジル化合物を当量比1:1.1〜1:1
0の範囲で反応させて、オキサゾリドン環を含むエポキ
シ樹脂を得ることが出来る。
【0025】用いるイソシアネート化合物が所定量より
少ないと、オキサゾリドン環の量が少なくなり、耐熱性
の改善効果が低下したり、貯蔵安定性の向上ができなく
なるほか、後述するハロゲン含有エポキシ樹脂との難燃
性の相乗効果が発揮できなくなり、組成物のハロゲン含
有量の低減ができなくなる。また、所定量より多いと耐
水性が低下する。
【0026】グリシジル化合物は、耐熱性や密着性を必
要とするため所定量が必要である。該(A)成分樹脂の
製造に用いられる原料グリシジル化合物とは、例えばグ
リシジルエーテル類、グリシジルエステル類、グリシジ
ルアミン類、線状脂肪族エポキシド類、脂環式エポキシ
ド類などからなる樹脂が挙げられる。
【0027】グリシジルエーテル類としては、例えばビ
スフェノールのジグリシジルエーテル類、ノボラックの
ポリグリシジルエーテル類、アルキルグリシジルエーテ
ル類等が挙げられる。
【0028】グリシジルエーテル類としては、例えばビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールA
D、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノール
A、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビス
フェノールAD、テトラメチルビスフエノールS、ジヒ
ドロキシナフタレン等の2価フェノール類をグリシジル
化した化合物等があり、
【0029】その他、例えば1,1,1−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−〔4−〔1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フ
ェニル〕エチリデン〕ビスフェノール等のトリス(グリ
シジルオキシフェニル)アルカン類やアミノフェノール
等をグリシジル化した化合物がある。
【0030】また、例えばフェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック等のノボラックをグリシジル化した化
合物がある。
【0031】また、グリシジルエステル類としては、例
えばヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステルやダ
イマー酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。さら
に、線状脂肪族エポキシド類としては、例えばエポキシ
化ポリブダジエン、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
【0032】脂環式エポキシド類としては、例えば、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキ
シレート、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシ
レート等が挙げられる。
【0033】上記の他、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」
(昭晃堂発行、1985年)49頁〜104頁記載のグ
リシジル化合物や、垣内弘編著「エポキシ樹脂−最近の
進歩−」(昭晃堂発行、1990年)21頁〜46頁記
載のグリシジル化合物等が挙げられる。
【0034】(A)成分樹脂の原料グリシジル化合物は
これらの化合物に限定されるものではないが、これらの
中で好ましい化合物は、ビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテルである。これら原料グリシジル化合物は1種
または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0035】(A)成分樹脂を得るための原料イソシア
ネート化合物としては、例えばメタンジイソシアネー
ト、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,
2−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネ
ート、トランスビニレンジイソシアネート、プロパン−
1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシ
アネート、2−ブテン−1,4−ジイソシアネート、2
−メチルブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチ
ルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,
5−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−
1,5−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソ
シアネート、ヘプタン−1,7−ジイソシアネート、オ
クタン−1,8−ジイソシアネート、ノナン−1,9−
ジイソシアネート、デカン−1,10−ジイソシアネー
ト、ジメチルシランジイソシアネート、ジフェニルシラ
ンジイソシアネート、
【0036】ω,ω’−1,3−ジメチルベンゼンジイ
ソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルベンゼンジ
イソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルシクロヘ
キサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチル
シクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−
ジメチルナフタレンジイソシアネート、ω,ω’−1,
5−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキ
サン−1,3−ジイソシアネート、
【0037】シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネー
ト、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−
フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−
2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,
5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,6−
ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイ
ソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソ
シアネート、ジフェニルエーテル−2,4’−ジイソシ
アネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナ
フタレン−1,5−ジイソシアネート、
【0038】ビフェニル−4,4’−ジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソ
シアネート、2,3’−ジメトキシビスフェニル−4,
4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’
−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル
メタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメ
トキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネー
ト、ジフェニルサルフアイト−4,4’−ジイソシアネ
ート、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイソシアネ
ート等の2官能イソシアネート化合物;
【0039】ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(4−フェニルイソシアネートチオフォスフェート)−
3,3’、4,4’−ジフェニルメタンテトライソシア
ネート等の多官能イソシアネート化合物;上記イソシア
ネート化合物の2量体や3量体等の多量体、アルコール
やフェノールによりマスクされたブロックイソシアネー
トおよびビスウレタン化合物などが挙げられるが、これ
らに限定されない。これらイソシアネート化合物は2種
以上組み合わせて用いても良い。
【0040】(A)成分樹脂の上記の原料イソシアネー
ト化合物のうち、好ましくは2または3官能イソシアネ
ート化合物であるが、さらに好ましくは2官能イソシア
ネート化合物である。これは、イソシアネート化合物の
官能基数が多すぎると、貯蔵安定性が低下し、少ないと
耐熱性が発揮されない。
【0041】このうち、入手しやすい下記式〔2〕また
は式〔3〕に示すイソシアネート化合物がよい。
【化4】 (式中、R1 〜R4 はそれぞれ独立に、水素原子または
炭素数1〜4のアルキル基である。)
【0042】
【化5】
【0043】(式中、R1 ' 〜R8 ' はそれぞれ独立
に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。
Bは単結合、-CH 2 - 、-C(CH 3 ) 2 - 、-SO 2 - 、-S
O-、-CO-、-S- または-O- である。)
【0044】(A)成分樹脂の製造は、例えばオキサゾ
リドン環形成触媒の存在下で行うことができる。オキサ
ゾリドン形成触媒としてイソシアネート化合物の反応
において、オキサゾリドン環を選択的に生成する触媒が
好ましい。
【0045】該反応においてオキサゾリドン環を生成す
る触媒としては、例えば、塩化リチウム、ブトキシリチ
ウム等のリチウム化合物、3フッ化ホウ素の錯塩、テト
ラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモ
ニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイ
ド、テトラブチルアンモニウムクロライド、、テトラブ
チルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩が
あり、
【0046】ジメチルアミノエタール、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N−
メチルモルホリン等の3級アミン、トリフェニルホスフ
ィンのごときホスフィン類、アミルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイド、ジアリルジフェニルホスホニウムブ
ロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムクロライ
ド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、テト
ラブチルホスホニウムアセテート・酢酸錯体、
【0047】テトラブチルホスホニウムアセテート、テ
トラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホス
ホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムヨーダ
イド等のホスホニウム化合物、トリフェニルアンチモン
およびヨウ素の組み合わせ、2−フェニルイミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等があ
り、それら1種または2種以上組み合わせて使用される
が、これらに限定されない。
【0048】オキサゾリドン形成触媒の量は、用いる
原料に対して5ppm〜2wt%の範囲で使用される
が、好ましくは、10ppm〜1wt%、より好ましく
は20〜5,000ppm、さらに好ましくは20〜
1,000ppmである。
【0049】これは、該触媒が所定量より多いと生成樹
脂中に不純物として残留し、前記の用途、特に積層板や
封止材の材料として用いた場合に、絶縁性の低下や耐湿
性の低下を招くからである。また、所定量より少ないと
所定の樹脂を得るための効率の低下を招くからである。
触媒を除去するために、本発明のエポキシ樹脂を、触媒
を実質的に溶かさない適当な溶剤を用いて濾過すること
ができる。
【0050】(A)成分樹脂の製造は、(A)成分樹脂
を溶かすことのできる適当な溶剤の存在下でも実施でき
る。溶剤を使用する場合、例えば、N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル
−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホス
ホルアミド、メチルエチルケトン、キシレン、トルエ
ン、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等の不活性
溶剤が好ましい。
【0051】本発明樹脂組成物における(B)成分樹脂
とは1分子当たり平均1個以上のエポキシ基を有するハ
ロゲン含有エポキシ樹脂であるが、例えば、テトラ
モビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、
テトラフロロビスフェノールA、臭素化フェノールノボ
ラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等をグリシ
ジル化したエポキシ樹脂や、垣内弘編著「新エポキシ樹
脂−最近の進歩」(昭晃堂発行、1985年)34頁〜
37頁に記載のハロゲン含有エポキシ樹脂等が挙げられ
るが、その他、芳香環にハロゲン基を有するエポキシ樹
脂が挙げられる。
【0052】これら(A) 、(B) 成分樹脂は、夫々1種単
独または2種以上を組み合わせて使用される。本発明樹
脂組成物は、(B)成分樹脂にハロゲンを有するため難
燃性の効果が高く、さらに(A)成分樹脂に含まれるオ
キサゾリドン環により難燃性に相乗効果が発揮される。
上記ハロゲンは、難燃性効果を発揮する点から臭素が好
ましい。
【0053】(B)成分樹脂に含まれるハロゲン含有量
は、15〜60重量%であり、より好ましくは18〜5
5重量%、特に好ましくは30〜52重量%である。こ
れは、所定の量より少ないと難燃性が損なわれ、多いと
ハンダ耐熱性が低下する。
【0054】本発明樹脂組成物の(A)成分樹脂および
(B)成分樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲
で本発明樹脂組成物に2官能以上のエポキシ樹脂をとも
に使用することができる。
【0055】また、本発明樹脂組成物と任意量の2官能
以上のエポキシ樹脂を用いる場合、(C)成分を除い
て、それら使用するエポキシ樹脂全量に対し、オキサゾ
リドン環を含むエポキシ樹脂に存在すると思われるイソ
シアヌレート環由来の赤外吸光光度がオキサゾリドン環
由来の赤外吸光光度に対して、0.1以下で規定される
のが好ましい。なぜならば、ワニス状態やプリプレグ状
態とした場合、本発明樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに
良くなるからである。
【0056】(C)成分を除いて、使用するエポキシ樹
脂全量に対して、赤外分光光度測定によるイソシアヌレ
ート環由来の波数1710cm-1の吸光度が1750c
-1の吸光度に対して0.1以下の値で規定されること
が望ましい。
【0057】(A)成分樹脂の製造は、原料エポキシ樹
脂を、反応器に所定量投入した後、加熱し所定の温度に
調節する。その後、触媒の投入は、そのままあるいは、
水または適当な溶剤にまぜて投入される。投入温度は2
0〜200℃の範囲で実施するが、好ましくは80℃〜
200℃で、より好ましくは110〜180℃である。
とくに好ましくは、120〜160℃である。
【0058】所定温度以下での触媒の投入は、所定の反
応温度に到達するまでに、エポキシ基と分子内2級アル
コール性基との反応が促進され、エポキシ基濃度が低下
するからである。所定温度以上での触媒投入は、反応が
暴走する恐れがあるからである。
【0059】次に、前記イソシアネート化合物を1回ま
たは数回に分け、段階的又は連続的に滴下される。滴下
時間は通常、30分間以上かけて実施するのが好まし
い。さらに、好ましくは1〜10時間、より好ましくは
2〜5時間かけて滴下するのがよい。
【0060】これは、滴下時間が所定の時間より短い
と、IR強度比が高い樹脂を生成することとなるからで
ある。また所定時間より長いとエポキシ基濃度が低下
し、得られる樹脂の性能や貯蔵安定性が低下するので好
ましくない。
【0061】反応温度は、通常20〜300℃の範囲で
実施されるが、好ましくは60〜250℃、より好まし
くは120〜230℃、さらに好ましくは140〜22
0℃、特に好ましくは140〜200℃の範囲で実施す
るのが良い。
【0062】これは、所定の温度より高いと樹脂の劣化
をきたす恐れがあるし、所定の温度より低いと、反応が
十分に完結しないばかりか、好ましくないイソシアヌレ
ート環を多く含んだ樹脂を生成することとなり、得られ
る樹脂は吸湿性が悪いものとなる。
【0063】また、IR強度比が0.1を越えると、貯
蔵安定性は低下するうえ、さらに、密着性、耐水性等も
低下するからである。また、反応は完結するまで実施す
るのがよく、IR強度比が0.1以下で規定する値とな
るまで実施するのが好ましい。
【0064】つぎに、(B)成分が添加される。(A)
成分樹脂と(B)成分樹脂の重量比は、難燃性の観点か
らは、5〜95:95〜5でありましくは10〜9
0:90〜10、より好ましくは20〜80:80〜2
0、更に好ましくは30〜70:70〜30、中でも4
0〜60:60〜40が好ましい。なぜならば、(A)
成分樹脂が所定の量より多いと難燃性が低下し、所定の
量より少ないと耐熱性が低下するからである。
【0065】本発明樹脂組成物の(A)成分樹脂と
(B)成分樹脂を混合した時のエポキシ樹脂の合計の加
水分解性塩素量は、500ppm以下が好ましく、より
好ましくは200ppm以下であり、さらに好ましくは
100ppmであり、特に好ましくは50ppm以下で
あり、なかでも30ppm以下が好ましい。
【0066】なぜならば、該エポキシ樹脂組成物中に加
水分解性塩素量が所定の量より多いと、耐熱性の低下
や、回路等の導電剤に使用される金、銀、銅、アルミ等
を腐食し、絶縁性の低下をきたすからであり、電気・電
子材料には使用できないものとなる恐れが生じるからで
ある。
【0067】さらに、本発明樹脂組成物の(A)成分樹
脂と(B)成分樹脂を混合した時のエポキシ樹脂の合計
のα−グリコール基の含有量は100meq/kg以下
が好ましく、より好ましくは50meq/kg以下であ
り、さらに好ましくは30meq/kg以下、特に好ま
しくは20meq/kg以下である。
【0068】なぜならば、該エポキシ樹脂組成物中に含
まれる式〔4〕で示されるα−グリコール基の含有量が
所定の量より多いと、硬化物中に網目欠陥を生ずる結
果、耐水性の低下を招くからであり、積層板や封止材等
の電子材料、コンポジット材料、FRTS等には使用で
きなくなるおそれが生じるからである。
【0069】
【化6】
【0070】本発明樹脂組成物に使用される硬化剤とし
ては、耐熱性が良いものから選ばれ、例えば芳香族アミ
ン、ジシアンジアミド、第3級アミン類、イミダゾール
類、フェノール樹脂等が挙げられるが、これらに限定は
されない。
【0071】例えば、積層板用途への樹脂組成物とし
て、耐熱性に効果のある硬化剤として、ジシアンジアミ
ドおよび芳香族アミンが好ましい。芳香族アミンとして
は、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル等の芳香族アミンが挙げられる。
【0072】硬化剤の使用量としては、本発明エポキシ
樹脂組成物を含む全量に対して、任意の量を用いるが、
通常0.1〜90重量%、好ましくは0.1〜50重量
%であるが、特に使用量は使用する硬化剤により適正な
量を用いることができる。
【0073】例えば、アミン系硬化剤は、本発明エポキ
シ樹脂組成物を含む全量に対して、1〜90重量%が好
ましく、さらに好ましくは1〜50重量%である。ま
た、ジシアンジアミドでは、本発明エポキシ樹脂組成物
全量に対して、0.1〜90重量%が好ましく、さらに
好ましくは0.1〜50重量%であり、特に好ましくは
0.1〜10重量%である。
【0074】これは、硬化剤が所定量より多いとエポキ
シ樹脂の耐熱性が発揮できず、所定量より少ないと硬化
が不十分となるためである。
【0075】そして、本発明の樹脂組成物は、溶媒に溶
解することによってエポキシ樹脂ワニスを調製すること
ができる。溶媒としてはアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、ジメ
チルホルムアミド等を用いることができる。
【0076】また、この際に硬化促進剤をさらに配合し
てエポキシ樹脂ワニスの調製を行うことも可能である。
硬化促進剤としては、イミダゾール類、第3級アミン
類、ホスフィン類、アミノトリアゾール類などを用いる
ことができる。エポキシ樹脂ワニスの樹脂濃度は用途に
応じて任意に設定されるものである。例えば、積層板用
途においては、このように調製されたエポキシ樹脂ワニ
スを常法に従ってガラス布等の基材に含浸させて、これ
を加熱して乾燥する。その間、ワニス粘度は一定に保つ
必要がある。
【0077】次に、エポキシ樹脂を半硬化させ、エポキ
シ樹脂プリプレグを作成する。プリプレグから積層板を
得るに至るまでの貯蔵する間、プリプレグの品質は一定
に保つ必要がある。
【0078】その後、このエポキシ樹脂プリプレグを複
数枚重ねると共に、必要に応じてその最外層に銅箔など
の金属箔を重ね、これを常法に従って加熱加圧成形する
ことによって、エポキシ樹脂を硬化させ、積層板を得る
ことができるものである。
【0079】また、塗料用途においては、本発明の樹脂
組成物の他に、酸化チタン、カーボンブラック、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、有機顔料等
の着色剤、充填剤やレベリング剤、ハジキ防止剤、消泡
剤等が添加される。これも常法に従って塗布し、乾燥硬
化することにより、優れた塗膜を得ることができる。
【0080】本発明の樹脂組成物は、溶媒を全く又は殆
ど使用せずに、粉体塗料、封止剤用途、成形材料用途
に、定法に従って着色剤、充填剤、レベリング剤等を必
要に応じて添加し、押出機、タンブラー、ブレンダー、
ヘンシェルミキサー、ロールミル等で混合均一化され
る。これを定法に従い、塗布又はトランスファー成形
法、注型法、デッピング法等により硬化成形することが
できる。
【0081】本発明の樹脂組成物は、本発明の樹脂組成
物中の成分と反応性を有する液状の物質を更に添加し、
または必要に応じて溶媒、着色剤、充填剤を添加するこ
とによって、流動性を有する接着材料、土建用材料等に
使用することもできる。
【0082】また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じ
て強化支持体を含有させる。適する強化材は、例えばガ
ラス繊維、炭素繊維、ケプラー、ホウ素、炭酸カルシウ
ム、タルク、アルミナ、アスベスト等である。強化材
は、一般に全組成物の重量に対し、約40〜95重量
%、通常約60〜80重量%である。
【0083】また、本発明の樹脂組成物は、当業界で公
知の方法で溶融物又は溶液から繊維強化材に施すことが
できる。これらは繊維強化材に施した、いわゆるプリプ
レグはその後加熱加圧工程を経て、構造複合体物品を形
成する。
【0084】このようにして得られたオキサゾリドン環
を含むエポキシ樹脂(A)、ハロゲン含有エポキシ樹脂
(B)、および硬化剤(C)からなる組成物は、耐熱
性、および強靱性のいずれをも必要とし、さらに難燃
性、貯蔵安定性をも有するエポキシ樹脂組成物として好
適に使用される。
【0085】次に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、例中の各特性は次の測定法に従
って求めた。 (1)エポキシ当量 1g当量のエポキシ基を含む樹脂の質量であり、JIS
K−7236に準拠して求めた。
【0086】(2)α−グリコール基の含有量 試料3gを25mlのクロロホルムに溶解し、ベンジル
トリメチル過沃素酸アンモニウム溶液25mlを加え、
2時間半反応させ、2規定硫酸水溶液5m1,20%沃
化カリウム水溶液15mlを加え、0.1規定チオ硫酸
ナトリウム溶液で滴定した。
【0087】(3)加水分解性塩素量 試料3gを50mlのトルエンに溶解し、これに0.1
規定KOH−メタノール溶液20mlを加えて15分間
煮沸した後、酢酸を2ml加え、硝酸銀滴定し、同じく
試料をトルエンに溶解し、そのまま硝酸銀で滴定した無
機塩素量を差し引いて加水分解性塩素量を求めた。
【0088】(4)臭素含有量 試料0.1gをジメチルホルムアミド15mlに溶解
し、パラジウムカーボン触媒0.4g、水素化ホウ素ナ
トリウム溶液(NaBH4 6g/2規定NaOH水溶液
100ml)10mlを加え、150℃で2時間反応さ
せた後、純水20ml、酢酸120ml、メチルエチル
ケトン300mlを加え、硝酸銀で滴定した。
【0089】(5)ガラス転移温度(Tg) 実施例1〜6; ワニスをオーブン中170℃/60分間で硬化し、DS
C(SEIKO社製DSC220)にて測定した。また
ワニスを30℃/30日間保存後、同じ操作を行った。 実施例7; オーブン中180℃/2時間硬化し、硬化板から試料を
採取し、DSC(SEIKO社製DSC220)にて測
定した。
【0090】(6)ワニス貯蔵安定性 ワニスを作成した直後の粘度を測定し、初期ワニス粘度
とし、40℃で14日間保存した後の粘度を保存後のワ
ニス粘度とし、下式により求めた。
【0091】
【数1】 尚、粘度測定にはB型粘度計を使用した。
【0092】(7)ゲルタイム保存率 プリプレグを作成した直後に、プリプレグよりもみだし
た樹脂の初期のゲルタイムと、プリプレグの状態で25
℃で90日間保存後にプリプレグよりもみだした樹脂の
保存後のゲルタイムの比率を百分率で示した値をゲルタ
イム保存率とした。
【0093】
【数2】 尚、ゲルタイムは試料を160℃のホットプレート上に
置き、竹ベラの端を試料に接し垂直に5cm上げても試
料が糸状になって切れなくなるまでの時間とした。
【0094】(8)ハンダ耐熱性 積層板を規定温度のハンダ浴に30秒間浸し、積層板表
面のフクレを見た。評価は○:フクレなし、△:フクレ
面積10%未満、×:フクレ面積10%以上とした。ま
た積層板を沸騰水中で1時間処理した後、同じテストを
行った。
【0095】(9)銅箔剥離強度 引張試験機(島津製作所製、オートグラフAG−500
0D)で銅箔を積層板から垂直に引き剥す時の強度を測
定した。 (10)難燃性 UL規格(UL−94)に準拠した。
【0096】(11)IR強度比 試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、試料
濃度が10重量%のTHF溶液を作成する。このTHF
溶液を30μl採取し、赤外分光光度計用セル(材質;
KRS−5)上に滴下し、ドライヤーでTHFを蒸発乾
燥する。その試料の上から、もう一方の赤外分光光度計
用セル(材質;KRS−5)をのせ、試料をはさみ込
み、フーリエ変換型赤外分光光度計(PERKIN E
LMER社製 FT−IR 1640型)により、測定
積算回数64回で赤外吸収スペクトルを得る。
【0097】この赤外吸収スペクトルにおいて波数16
95cm-1の吸光度と1790cm-1の吸光度を結ぶ直
線をベースラインとし、イソシアヌレート環に由来する
波数1700cm-1〜1715cm-1の最大吸光度か
ら、その最大吸光度と同じ波数のベースライン上の吸光
度を差し引いた吸光度(1710cm-1の吸光度と呼
ぶ)をIR−1とし、波数1730cm-1〜1770c
-1の最大吸光度から、その最大吸光度と同じ波数のベ
ースライン上の吸光度を差し引いた吸光度(1750c
-1の吸光度と呼ぶ)をIR−0とする。IR強度比は
次式で示される。
【0098】
【数3】
【0099】(12)引張剪断強度 ASTM D−1002に準拠した。 (13)T型剥離強度 ASTM K−903に準拠した。 (14)引張強度 JIS K−7113に準拠した。 (15)弾性率 JIS K−7113に準拠した。
【0100】(参考例1) 製造例1〜5で用いるジグリシジルエーテルは公知の方
法でビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応させ
て得た。この生成物をグリシジル化合物Aとした。その
性状を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】(参考例2) 製造例1〜5で用いる高臭素型エポキシ樹脂は、公知の
方法でテトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒド
リンを反応させて得た。得られた生成物を高臭素型樹脂
Aとし、その性状を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】(参考例3) 低臭素型エポキシ樹脂は公知の方法により、参考例1の
グリシジル化合物とテトラブロモビスフェノールAとを
反応させ、表3に示す樹脂性状を持つ低臭素型エポキシ
樹脂を得た。
【0105】
【表3】
【0106】次に、本発明樹脂組成物の成分である、オ
キサゾリドン環を含むエポキシ樹脂およびハロゲン含有
エポキシ樹脂の製造例を示す。
【0107】(製造例1) 攪拌機、温度計、加温装置を備えた300mlの丸底フ
ラスコにグリシジル化合物Aを100部仕込み、攪拌し
ながらテトラメチルアンモニウムアイオダイト0.5部
を投入した。さらに、攪拌加熱し内温を175℃にし、
ミリオネートMT(日本ポリウレタン社製MDI;4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)15部を1
20分かけて投入した。投入終了後、反応温度を175
℃に保ち、3時間攪拌した。さらに高臭素型エポキシ樹
脂A69部を投入して120℃で1時間攪拌した。得ら
れた生成物を樹脂組成物Eとした。
【0108】(製造例2) ミリオネートMTを25部、高臭素型樹脂Aを75部に
変更した以外は、製造例1と同じ方法で製造した。得ら
れた生成物を樹脂組成物Fとした。
【0109】(製造例3) ミリオネートMTを30部、高臭素型樹脂Aを78部に
変更した以外は、製造例1と同じ方法で製造した。得ら
れた生成物を樹脂組成物Gとした。
【0110】(製造例4) 攪拌機、温度計、加温装置を備えた300mlの丸底フ
ラスコにグリシジル化合物Aを100部、ミリオネート
MTL(日本ポリウレタン社製MDI;4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネートの一部がカルボジイミド
化された常温で液状のMDI)29部、テトラメチルア
ンモニウムアイオダイト0.5部を仕込み、攪拌しなが
ら加温し、反応温度を175℃に保ち、3時間攪拌し
た。さらに高臭素型エポキシ樹脂A77部を投入して1
20℃で1時間攪拌した。得られた生成物を樹脂組成物
Hとした。
【0111】(製造例5) ミリオネートMTLの代わりにコロネートT−100
(日本ポリウレタン社製TDI;2,4−トリレンジイ
ソシアネート95%以上、2,6−トリレンジイソシア
ネート5%以下)を17部用い、高臭素型樹脂Aを90
部に変更した以外は、製造例4と同じ方法で製造した。
得られた生成物を樹脂組成物Iとした。
【0112】(製造例6) 攪拌機、温度計、加温装置を備えた300mlの丸底フ
ラスコにグリシジル化合物Aを100部仕込み、攪拌し
ながらテトラメチルアンモニウムアイオダイド0.1部
を投入した。さらに、攪拌加熱して内温を175℃に
し、コロネートT−80(日本ポリウレタン社製TD
I;2,4−トリレンジイソシアネート約80%、2,
6−トリレンジイソシアネート約20%)16部を12
0分かけて投入した。投入終了後、反応温度を175℃
に保ち、3時間攪拌した。得られた生成物を樹脂組成物
Jとした。製造例1〜6で得られたオキサゾリドン環を
含むエポキシ樹脂と臭素含有エポキシ樹脂からなる組成
物E〜Jの性状を表4に示す。
【0113】
【表4】
【0114】(実施例1〜5) 製造例1〜5で得た樹脂組成物E〜Iを用いて表5に示
す配合でエポキシ樹脂ワニスを調製した。また、このワ
ニスをガラスクロス(旭シュエーベル社製216L A
S450、処理厚さ0.1mm)に含浸塗布し、160
℃で乾燥させて樹脂分約40%のプリプレグを得た。こ
のプリプレグ8枚を重ねた両面に35μの銅箔を重ねて
170℃×30kg/cm2 の加熱加圧下で60分間成
形し、銅張り積層板を得た。
【0115】(比較例1〜3) 表5に示す樹脂を用いて、表5に示す配合でエポキシ樹
脂ワニスを調製し、以下実施例1〜5と同一方法にて銅
張り積層板を得た。
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】*1;チバガイギー社製(ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、エポキシ当量185、加水分解製塩
素500ppm、αグリコール70meq/kg) *2;旭化成社製(エポキシクレゾールノボラック エ
ポキシ当量220g/eq) 表7、8に各実施例および比較例の硬化物、ワニス、プ
リプレグおよび積層板の特性を示した。
【0119】
【表7】
【0120】
【表8】
【0121】(実施例6) 表9に示す組成を有するエポキシ樹脂組成物を硬化さ
せ、その物性を評価した。その結果を表9に示す。
【0122】
【表9】 *1;チバガイギー社製(ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、エポキシ当量185、加水分解性塩素 500p
pm、α−グリコール量 70meq/kg)
【0123】(実施例7) 樹脂組成物Jを硬化剤DDS(4,4’−ジアミノジフ
ェニルスルホン)と当量混合し、180℃で2時間硬化
させた。得られた硬化板から試験片を切り出し、その物
性を評価した。比較として、「ARALDITE GY
260(チバガイギー社製;ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂)」を用いて同様の試験を行なった。併せて表1
0に示す。
【0124】
【表10】
【0125】
【発明の効果】実施例1〜5から分かるように、本発明
樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は比較例のいずれ
よりも10℃以上改善されていることが分かる。また、
実施例のワニス貯蔵安定性は、比較例とそれと比較しい
ずれも良くなっており、ノボラック型エポキシ樹脂を添
加した比較例3と比較して約3倍の改善効果が確認され
る。
【0126】特に、実施例1〜3のワニス貯蔵安定性
は、いずれも1.1倍以下という驚くべき低い値を示し
ている。また、実施例のいずれもワニス貯蔵安定性試験
前後でTgの変化は1℃以下であった。
【0127】プリプレグの貯蔵安定性もよく、比較例の
ゲルタイム保存率は85%未満であるのに対して、実施
例のそれはいずれも85%以上であり、なかでも実施例
1〜3は、いずれも90%以上という脅威的な値を示し
ている。
【0128】実施例のいずれの樹脂も臭素含有量が18
%でV−0を達成している。ハンダ耐熱性についても、
いずれも比較例よりも良好な結果を得ている。実施例の
いずれの銅箔剥離強度も、いずれも2kg/cm以上の
良好な結果を得ており、密着性が良好であることを示し
ている。
【0129】このように、本発明樹脂組成物は、積層板
用樹脂組成物、封止剤用樹脂組成物として耐熱性、難燃
性、貯蔵安定性のすべてに優れた性能を有していること
が判る。
【0130】また、実施例6〜7は、本発明樹脂組成物
の耐熱性、強靱性を示している。本発明樹脂組成物は、
積層板用のみならず、従来からエポキシ樹脂組成物が使
用されているすべての分野の接着剤、IC封止剤、繊維
強化プラスチック用マトリックス樹脂、構造材として有
用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オキサゾリドン環を含むエポキシ
    樹脂と(B)ハロゲン含有エポキシ樹脂、及び(C)硬
    化剤を成分とし、(A)成分樹脂及び(B)成分樹脂
    重量比が5〜95:95〜であり、(A)成分樹脂
    (B)成分樹脂を混合した時のエポキシ樹脂の合計の加
    水分解性塩素量が500ppm以下、該合計のα−グリ
    コール基の含有量が100meq/kg以下であること
    を特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分がジシアンジアミドまたは芳
    香族アミンである、請求項1記載のエポキシ樹脂組成
    物。
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