JP3322499B2 - 船体抵抗低減フィン - Google Patents
船体抵抗低減フィンInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、船体抵抗低減フィンに
関する。
関する。
【０００２】
【従来の技術】船体抵抗低減フィンとしては、従来、図
８側面図に示すように、船尾部の船側外板に取り付け
て、整流効果によって流れの剥離を防止することを狙っ
たものが知られており、その平面形状は図９に示すよう
に、ほぼ矩形となっている。
８側面図に示すように、船尾部の船側外板に取り付け
て、整流効果によって流れの剥離を防止することを狙っ
たものが知られており、その平面形状は図９に示すよう
に、ほぼ矩形となっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の従来のフィンは船尾の流れが剥離するような肥大船尾
船においては有効であるが、剥離のないように設計され
た船型に対しては抵抗低減の効果がない。
の従来のフィンは船尾の流れが剥離するような肥大船尾
船においては有効であるが、剥離のないように設計され
た船型に対しては抵抗低減の効果がない。
【０００４】本発明はこのような事情に鑑みて提案され
たもので、船体周りの水流に剥離のない船型についても
有効な船体抵抗低減フィンを提供することを目的とす
る。
たもので、船体周りの水流に剥離のない船型についても
有効な船体抵抗低減フィンを提供することを目的とす
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、船
首部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬部に船首部フィ
ンを、また、船尾部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬
部に船尾部フィンをそれぞれ左右対称的に突設してなる
船舶において、前進推力を得るべく、上記船首部フィン
および船尾部フィンはそれぞれ翼型断面形状を有すると
ともに、ほぼ三角形の平面形状を有し、それぞれ側端部
が上方へ折れ曲がっており、上記船首部フィンはその前
縁が後縁よりも上方にあってフィンの正面は上を向き、
船尾部フィンはその前縁が後縁よりも下方にあってフィ
ンの正面は下を向いていることを特徴とする。
首部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬部に船首部フィ
ンを、また、船尾部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬
部に船尾部フィンをそれぞれ左右対称的に突設してなる
船舶において、前進推力を得るべく、上記船首部フィン
および船尾部フィンはそれぞれ翼型断面形状を有すると
ともに、ほぼ三角形の平面形状を有し、それぞれ側端部
が上方へ折れ曲がっており、上記船首部フィンはその前
縁が後縁よりも上方にあってフィンの正面は上を向き、
船尾部フィンはその前縁が後縁よりも下方にあってフィ
ンの正面は下を向いていることを特徴とする。
【０００６】
【作用】このような構成によれば、フィンの発生する揚
力成分のうち、前進方向成分が推力となり、船体抵抗の
低減作用をする。さらに、フィンの背面側に発生する３
次元剥離渦により、折れ曲がった部分の背面側がより一
層負の圧力となり、これが船体を前方に引っ張る力を発
生するので抵抗をさらに低減する作用を行う。
力成分のうち、前進方向成分が推力となり、船体抵抗の
低減作用をする。さらに、フィンの背面側に発生する３
次元剥離渦により、折れ曲がった部分の背面側がより一
層負の圧力となり、これが船体を前方に引っ張る力を発
生するので抵抗をさらに低減する作用を行う。
【０００７】
【実施例】本発明の一実施例を図面について説明する
と、図１は本発明フィンを備えた船舶を示す全体側面
図、図２は図１のII−II矢視水平断面図、図３は図１の
船首部のフィンに作用する力学的ベクトル図であり、本
発明の原理説明図である。図４は図３に示す船首部フィ
ンをその下方から見た平面図、図５は図４のＶ−Ｖ矢視
断面図、図６は図１の船尾部フィンを示す平面図、図７
は図６のVII −VII 矢視横断面図である。
と、図１は本発明フィンを備えた船舶を示す全体側面
図、図２は図１のII−II矢視水平断面図、図３は図１の
船首部のフィンに作用する力学的ベクトル図であり、本
発明の原理説明図である。図４は図３に示す船首部フィ
ンをその下方から見た平面図、図５は図４のＶ−Ｖ矢視
断面図、図６は図１の船尾部フィンを示す平面図、図７
は図６のVII −VII 矢視横断面図である。
【０００８】上図において、図８〜図９と同一の符号は
それぞれ図８〜図９と同一の部材を示し、まず図１〜図
２において、船体１の船首部の両船側外板の吃水部には
左右１対の船首部フィン２が突設され、また、船尾部の
両船側外板の吃水部にも左右１対の船尾部フィン３が突
設されている。同図には参考のためプロペラー４と舵５
を記入している。船首部フィン２及び船尾部フィン３は
それぞれ翼型断面形状を有しており、船首部フィン２は
正面を上向きに、船尾部フィン３は正面を下向きにし、
局部流れのベクトル８に対してそれぞれ迎角を持つよう
に船体外板に突設されている。
それぞれ図８〜図９と同一の部材を示し、まず図１〜図
２において、船体１の船首部の両船側外板の吃水部には
左右１対の船首部フィン２が突設され、また、船尾部の
両船側外板の吃水部にも左右１対の船尾部フィン３が突
設されている。同図には参考のためプロペラー４と舵５
を記入している。船首部フィン２及び船尾部フィン３は
それぞれ翼型断面形状を有しており、船首部フィン２は
正面を上向きに、船尾部フィン３は正面を下向きにし、
局部流れのベクトル８に対してそれぞれ迎角を持つよう
に船体外板に突設されている。
【０００９】ここで、船首部フィン２，船尾部フィン３
はそれぞれ略３角形の平面形状をなし、また、船首部フ
ィン２の側端部２ａは、図５に示すように、側端部が上
反角をもって上方に折れ曲がっている。同様に、船尾部
フィン３の先端部も図７に示すように、上反角をもって
上方に折れ曲がっている。
はそれぞれ略３角形の平面形状をなし、また、船首部フ
ィン２の側端部２ａは、図５に示すように、側端部が上
反角をもって上方に折れ曲がっている。同様に、船尾部
フィン３の先端部も図７に示すように、上反角をもって
上方に折れ曲がっている。
【００１０】このような船舶の船体周りの局所流れは、
図１に示すように、船首部では下向きの速度ベクトル８
ａとなり、船尾部では上向きの速度ベクトル８ｂとなっ
ている。したがって、船首部フィン２については、図３
に示すように、速度ベクトル８ａの流れに対して揚力Ｌ
と抗力Ｄが図示する方向に作用し、ＬとＤの合力Ｓの前
進方向成分Ｔが発生する。これにより、船体抵抗は低減
する。
図１に示すように、船首部では下向きの速度ベクトル８
ａとなり、船尾部では上向きの速度ベクトル８ｂとなっ
ている。したがって、船首部フィン２については、図３
に示すように、速度ベクトル８ａの流れに対して揚力Ｌ
と抗力Ｄが図示する方向に作用し、ＬとＤの合力Ｓの前
進方向成分Ｔが発生する。これにより、船体抵抗は低減
する。
【００１１】また、フィンの平面形状を略三角形にして
いるので、図４船底から見た船首部フィンにハッチング
で示すように、３次元剥離渦６が発生し、これによりフ
ィンの背面側がより一層負圧になるため揚力がさらに増
すことになる。これは船尾部フィン３についても全く同
様である。
いるので、図４船底から見た船首部フィンにハッチング
で示すように、３次元剥離渦６が発生し、これによりフ
ィンの背面側がより一層負圧になるため揚力がさらに増
すことになる。これは船尾部フィン３についても全く同
様である。
【００１２】また、船首フィン２の場合は、図５に示す
ように、側端部２ａの下面（背面）は斜前方を向いてお
り、前記３次元剥離渦による負圧がこの面を生ずるから
斜前方向の力が作用することになる。この力の前進方向
成分が推力となるので、抵抗が低減することになる。
ように、側端部２ａの下面（背面）は斜前方を向いてお
り、前記３次元剥離渦による負圧がこの面を生ずるから
斜前方向の力が作用することになる。この力の前進方向
成分が推力となるので、抵抗が低減することになる。
【００１３】船尾部フィン３の場合は、図６（上から見
た図）に示すように、３次元剥離渦６が、ハッチングで
示すように、フィン３の上方に形成されるから、フィン
の上面側が負圧となる。このため、図７に示すように、
フィンの側端部３ａを上方に折り曲げた上面（背面）側
は負圧になるから、この部分で斜前方の力が生じ、その
前進方向成分が推力となり、抵抗低減に寄与することに
なる。
た図）に示すように、３次元剥離渦６が、ハッチングで
示すように、フィン３の上方に形成されるから、フィン
の上面側が負圧となる。このため、図７に示すように、
フィンの側端部３ａを上方に折り曲げた上面（背面）側
は負圧になるから、この部分で斜前方の力が生じ、その
前進方向成分が推力となり、抵抗低減に寄与することに
なる。
【００１４】
【発明の効果】要するに本発明によれば、船首部，船尾
部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬部にそれぞれ船首
部フィン，船尾部フィンを左右対称的に突設してなる船
舶において、前進推力を得るべく、上記船首部フィン，
船尾部フィンはそれぞれ翼型断面形状を有するととも
に、ほぼ三角形の平面形状を有し、それぞれ側端部が上
方へ折れ曲がっており、上記船首部フィンはその前縁が
後縁よりも上方にあってフィンの正面は上を向き、船尾
部フィンはその前縁が後縁よりも下方にあってフィンの
正面は下を向いていることにより、船体周りの水流に剥
離のない船型についても有効な船体抵抗低減フィンを得
るから、本発明は産業上極めて有益なものである。
部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸漬部にそれぞれ船首
部フィン，船尾部フィンを左右対称的に突設してなる船
舶において、前進推力を得るべく、上記船首部フィン，
船尾部フィンはそれぞれ翼型断面形状を有するととも
に、ほぼ三角形の平面形状を有し、それぞれ側端部が上
方へ折れ曲がっており、上記船首部フィンはその前縁が
後縁よりも上方にあってフィンの正面は上を向き、船尾
部フィンはその前縁が後縁よりも下方にあってフィンの
正面は下を向いていることにより、船体周りの水流に剥
離のない船型についても有効な船体抵抗低減フィンを得
るから、本発明は産業上極めて有益なものである。
【図１】本発明の一実施例の船体抵抗低減フィンを備え
た船舶を示す全体側面図である。
た船舶を示す全体側面図である。
【図２】図１のII−II矢視水平断面図である。
【図３】図１の船首部フィンに作用する水流の力学的ベ
クトル図であり、本発明の原理を示すものである。
クトル図であり、本発明の原理を示すものである。
【図４】図３に示す船首部フィンをその下方から見た平
面図である。
面図である。
【図５】図４のＶ−Ｖ矢視断面図である。
【図６】図１の船尾部フィンを上方から見た平面図であ
る。
る。
【図７】図６のVII −VII 矢視横断面図である。
【図８】従来の船尾部船側外板に左右１対的に突設され
た整流フィンを示す側面図である。
た整流フィンを示す側面図である。
【図９】図８のIX−IX矢視横断面図である。
１ 船体 ２ 船首部フィン ２ａ 側端部 ３ 船尾部フィン ３ａ 側端部 ４ プロペラー ５ 舵 ６ ３次元剥離渦 ８ 局部流の速度ベクトル ８ａ 船首部フィン局所流水速度ベクトル（下向き） ８ｂ 船尾部フィン局所流水速度ベクトル（上向き）
Claims (1)
- 【請求項１】 船首部の両舷船側外板のそれぞれ海水浸
漬部に船首部フィンを、また、船尾部の両舷船側外板の
それぞれ海水浸漬部に船尾部フィンをそれぞれ左右対称
的に突設してなる船舶において、前進推力を得るべく、 上記船首部フィンおよび船尾部フ
ィンはそれぞれ翼型断面形状を有するとともに、ほぼ三
角形の平面形状を有し、それぞれ側端部が上方へ折れ曲
がっており、上記船首部フィンはその前縁が後縁よりも
上方にあってフィンの正面は上を向き、船尾部フィンは
その前縁が後縁よりも下方にあってフィンの正面は下を
向いていることを特徴とする船体抵抗低減フィン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33785694A JP3322499B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 船体抵抗低減フィン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33785694A JP3322499B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 船体抵抗低減フィン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08175478A JPH08175478A (ja) | 1996-07-09 |
| JP3322499B2 true JP3322499B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=18312631
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33785694A Expired - Fee Related JP3322499B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 船体抵抗低減フィン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3322499B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101280524B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2013-07-05 | 삼성중공업 주식회사 | 선박 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| MXPA05011719A (es) * | 2003-05-01 | 2006-06-27 | Navatek Ltd | Fuselaje sustentador de desplazamiento asimetrico sumergido de perfil aerodinamico. |
| JP6111491B2 (ja) * | 2012-06-25 | 2017-04-12 | 上野 康男 | 船舶用推進装置 |
| JP6342959B2 (ja) * | 2016-08-01 | 2018-06-13 | 竹本 護 | 揚力を推力に変換する翼型構造体 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP33785694A patent/JP3322499B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101280524B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2013-07-05 | 삼성중공업 주식회사 | 선박 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08175478A (ja) | 1996-07-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020522 |
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