JP3322108B2 - 防音装置およびそれを用いた変圧器 - Google Patents

防音装置およびそれを用いた変圧器

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JP3322108B2
JP3322108B2 JP01864296A JP1864296A JP3322108B2 JP 3322108 B2 JP3322108 B2 JP 3322108B2 JP 01864296 A JP01864296 A JP 01864296A JP 1864296 A JP1864296 A JP 1864296A JP 3322108 B2 JP3322108 B2 JP 3322108B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遮音性に優れた防音
装置およびそれを用いた変圧器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の防音壁または防音室の一般的構造
について説明する。例えば、図27は特公昭53−41
446号公報に開示された従来のパネル型防音壁であ
る。図において、11はパネル枠、12はストロー、1
3は格子、14は遮音板、15は鉄骨串差し穴である。
この防音壁は、多数のストロー12を縦方向に充填使用
しているため、水抜けがよく、また吸音効果としては、
多層薄膜および多細隙間構造を形成することにより、吸
音効果を得るものである。また、本従来例以外では多数
のストロー12の代わりにロックウールやグラスウール
などの繊維状の多孔体を用いて吸音防音壁を構成するこ
とが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の防
音壁は、音の波長よりも防音壁と発音源との間の空間が
かなり大きいという仮定のもとに、防音壁と発音源との
間の残響音場による騒音上昇を低減し、その結果、防音
壁の遮音板14を通過して外に漏れる騒音を低減するも
のである。しかしながら、発音源との距離が接近した場
合、多孔体で構成される吸音材を配置しても、従来の音
響学で論じられるような騒音低減効果は得られない。こ
の現象は発音源と防音壁との距離が近ければ一層顕著に
なるものであり、例えば問題となる騒音の周波数での波
長以下の距離に接近した場合に特に顕著であるが、それ
より遠くても上記現象は生ずる。これを図28(a)を
用いて定性的に説明すると、発音源1と防音壁2との距
離が接近すると両者間の空気層は空気バネ16として作
用する。このバネ作用により防音壁2は直接加振される
ため従来の多孔体による吸音材は全く役にたたない。す
なわち、これを音響等価回路で表すと図28(b)に示
すようになり、空気バネ16はコンデンサ、防音壁2は
コイルとみなされ、各部の電圧が音圧とみなされる。ま
た、ストロー12などの吸音多孔体の剛性は一般に小さ
いため、防音壁の内側に施工する際に針金などを防音壁
に固定し、ストローなどの吸音多孔体に突き刺して固定
することや別枠13によって吸音多孔体を保持する方法
がとられており、飛散したり別枠を必要とするなど施工
上の手間がかかる欠点を持つ。さらに、ストロー12な
どの吸音多孔体は軽いもので出来ており、さらに多孔体
中の微細隙間構造により、音波は多孔体表面で反射され
ることなく内部まで到達する。その結果、それ自身では
遮音特性が悪い欠点を持つ。
【0004】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、遮音性に優れしかも施工も簡単
な防音装置およびそれを用いた変圧器を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に関
わる防音装置は、発音源の周囲に防音壁を備え、かつ少
なくとも一端が上記発音源と防音壁間の空間に開口した
筒状の共鳴体を上記開口方向が上記発音源からの音波の
進行方向と交わるように配置して構成され上記発音源か
らの騒音の周波数に共鳴する共鳴構造体を、上記発音源
と防音壁間に備えたものである。
【0006】
【0007】
【0008】請求項記載の発明に関わる防音装置は、
請求項記載のものにおいて、共鳴体は開口端が下方に
位置するように配置されているものである。
【0009】請求項記載の発明に関わる防音装置は、
発音源の周囲に配置された防音壁、および上記発音源と
防音壁間に配置され発音源からの騒音の周波数に共鳴す
る共鳴構造体を備え、共鳴構造体は共鳴周波数が異なる
複数の共鳴体を有するものである
【0010】請求項記載の発明に関わる防音装置は、
請求項ないしの何れかに記載のものにおいて、共鳴
体は共鳴周波数調整用の穴を有するものである。
【0011】請求項記載の発明に関わる変圧器は、請
求項1ないしの何れかに記載の防音装置を用いたもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1による防音
装置を示す縦断面図である。図において、1は発音源、
2は発音源1の周囲に配置された防音壁、3は発音源1
と防音壁2間に配置された共鳴構造体、4aは後に図2
で示す共鳴体の開口端である。この実施の形態では、発
音源1表面から防音壁2までの距離は発音源1が発生す
る騒音の波長の3倍以下となるように取り付けられてい
る。図2は共鳴構造体の一例を示す。4は筒状の共鳴体
すなわちパイプであり、例えばプラスチックや金属で形
成されている。5はパイプ4を固定する固定板であり、
例えばパイプ4と同様にプラスチックや金属で形成され
ている。共鳴パイプ4はこの例では一端4aが開口し、
他端4bが閉塞している。パイプ固定板5にパイプ4が
固定されて共鳴構造体を構成し、図1に示すように発音
源1と防音壁2との間に共鳴体4の開口方向が発音源1
からの音波の進行方向と交わるように固定されている。
【0013】共鳴構造体の他の例を図3〜7示す。図3
では共鳴パイプ4は両端4aが開いており、パイプ固定
板5に固定されている。図4ではパイプの半円を用いて
半円筒状の共鳴体4が構成され、パイプ固定板5に固定
されている。図5では一端50bが閉じた箱体50の中
にジクザグの仕切板6を入れて共鳴構造体を構成してお
り、仕切板6と箱体50でそれぞれ6個の三角筒状の共
鳴体4が構成されている。図6では一端50bが閉じた
箱体50の中に3枚の仕切板6を入れて共鳴構造体を構
成しており、仕切板6と箱体50でそれぞれ4個の四角
筒状の共鳴体4が構成されている。図7では一端4bが
閉塞され開口端4aが縮径された筒状のヘルムホルツ共
鳴器によって共鳴体4が構成され、固定板5に固定され
ている。
【0014】上記のように構成されたものにおいては、
発音源1から発生し防音壁2へ伝播する音波の圧力は、
その伝播経路の途中にある低インピーダンスの共鳴体4
によって吸収され、防音壁2を加振する音波の圧力が低
減される。これは図28(a)において空気バネ16の
力を共鳴によって吸収することであり、図28(b)に
おける破線を接続することに相当し、正極と負極が短絡
するためコイル(防音壁2)には電圧がかからなくなる
のと同じである。そのため、防音壁2の音波による振動
振幅が低下し、防音壁2の外部へ放射される騒音を減じ
ることができる。また、共鳴構造体3は剛性が大きいの
で、そのまま防音壁2または防音壁2と発音源1との間
の空間に取り付けることが可能であるため、施工上簡便
な方法で効果の高い防音構造を構成できる。さらに、共
鳴構造体3はそれ自身で2重構造をもつ遮音体として機
能するため、遮音特性の高い防音構造を構築できる。
【0015】次に、図8を用いて共鳴体の効果をさらに
詳細に説明する。図8は上記のような共鳴構造体3を発
音源1と防音壁2の間に設けたモデルを1次元的に表し
たものである。図において、1aは発音源の側面を表
す。Pは音波による圧力を表し、Uは音波による体積速
度を表す。発音源1aからパイプ4までの距離をL1
パイプ4から防音壁2までの距離をL2とし、発音源1
aから防音壁2までの距離をLとする。発音源1a表面
での音の圧力、および体積速度の添字を1とし、パイプ
4位置での添字を2、防音壁2の発音源側での添字を
3、防音壁の反発音源側での添字を4とする。また、パ
イプ4の底面での添字をpとする。発音源が、特定の周
波数f (Hz)で騒音を発生していたとする。パイプ4の入
り口での体積速度をU2とすると、パイプ4での音響4
端子回路は以下のようになる。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、aは発音源と防音壁2間の空間の
音速、kは音波の波数で2πf/a、ρは防音壁2内の空気
の密度、Sは壁の面積、jは虚数単位である。ここで、
パイプ4の下面は塞いでいるものとすると、 Up=0 (2) となる。よって
【0018】
【数2】
【0019】ここで、lは開口端の補正をしないパイプ
長である。式(3)のインピーダンスをここでAとお
く。また、発音源からパイプ位置までの4端子回路は次
式のようになる。
【0020】
【数3】
【0021】式(3)から式(4)は次式のようにな
る。
【0022】
【数4】
【0023】また、パイプ位置から防音壁までの4端子
回路は次式のようになる。
【0024】
【数5】
【0025】ゆえに、発音源から防音壁までの4端子回
路をまとめると、次式となる。
【0026】
【数6】
【0027】ここで、防音壁のインピーダンスをZとす
ると、次式のようになる。 P3=(Z/S)U3 (8) また、防音壁の速度U3は反発音源側の防音壁の速度と
同じであり、防音壁から発生する音波の圧力は次式のよ
うになる。 P4=(ρ00/S)U3 (9) ここで、ρ0は防音壁の外の空気の密度であり、a0は防
音壁の外の空気の音速である。式(7)を式(8)と式
(9)を用いて計算すると次式のようになる。
【0028】
【数7】
【0029】ここで、発音源がU1に依存する定速度音
源であれば式(10)によって外部へ漏れる音の圧力を
求めることができ、発音源がP1に依存する定音圧音源
であれば、式(11)によって外部へ漏れる音の圧力を
求めることができる。ここで、例えば発音源の表面のイ
ンピーダンスが大きく定速度音源と考えて、式(10)
を用いて説明する。パイプ4が無い場合はAが無限大と
して音の圧力を求めることができ、式(10)から次式
となることが分かる。
【0030】
【数8】
【0031】また、パイプが音の半波長で共鳴するよう
に設計するには、 l’=a/4f−0.8D (13) とする必要がある。ここで、l’はパイプの内寸長、D
はパイプの内直径である。0.8Dを差し引いているのは
開口端の補正を行ったものである。開口端の補正をしな
いlは、これから kl=π/2 (14) となり、式(3)からA=0になる。さらにL1とL2
【0032】
【数9】
【0033】とならないように設定すれば、式(10)
から P4=0 (16) となる。外部へ放射される音の圧力は式(12)と比較
して小さく、ほとんど放射されないことが分かる。当然
の事ながら、定音圧音源についても sin(kL1){Zcos(kL2)+ρasin(kL2)}=0 (17) とならないようにパイプ位置を設定すれば、式(14)
を満たすパイプを防音壁の内部に挿入することで騒音が
低減する。パイプ長を式(14)に従って求めること
と、パイプを問題の騒音に関して共鳴させるように構成
することとは全く同じ意味を持ち、パイプがヘルムホル
ツ型共鳴器であっても、その位置におけるインピーダン
スAは0となり、同じ機構で騒音は低減する。また、両
端が開いたパイプ状の形状でも、その長さを適切に設計
すれば、インピーダンスAは0となり、同じ機構で騒音
は低減する。さらに、共鳴体3は円筒形状に限らず図4
〜図7に示したような他の形状でも同様のことが言え
る。さらに、共鳴体の開口部以外では、遮音壁がパイプ
中の空気層を持つ2重構造となり遮音性は向上する。こ
れらの結果、発音源と防音壁の間の音圧は共鳴体の開口
部で低減され、さらに共鳴体自体の遮音効果により防音
壁を通過する騒音はより一層低減する。なお、上記説明
では発音源1と防音壁2の間に媒体として空気がある場
合について述べたが、他の媒体(例えば水や油など)で
も全く同様な機構で騒音は低減する。
【0034】次に、例えば、発音源1を変圧器とし、そ
の騒音の低減効果について述べる。変圧器の騒音は商用
電源の2倍の倍音となる。例えば、運転周波数が60Hzで
あれば120Hz, 240Hz, 360Hz ・・・の2nf (Hz)(n=
1、2、3、・・・)の騒音が発生する。特に変圧器で
は2f(例えば先の例で120Hz)の騒音が最も大きい。
そこで、図9に示すように、実器を用いて実際の騒音低
減効果について実験した。f=60Hzとして防音壁内の温度
は40度であると考え、この温度での空気の音速をa=354m
/s、パイプ直径Dを100mmとして、式(1)から120Hzの
共鳴体のパイプ長を758mmとした。なお、パイプ4は塩
化ビニルよりなる円筒パイプであり、上端が開口し、下
端が閉塞されている。変圧器1として300MVA 275KVの外
鉄型変圧器を用い、変圧器1から1.3mの周囲を防音壁2
で囲み、変圧器1と防音壁2間に上述のパイプ200本を
開口方向が騒音の音波の進行方向と交わるように配置し
て共鳴構造体3とした。騒音の測定は防音壁2から1m離
れたところで行った。図9中、曲線Aは共鳴体4として
のパイプを防音壁2と変圧器1との間に入れた場合の騒
音値であり、曲線Bは入れなかった場合の騒音値であ
る。本実験例によるとパイプを用いたことによる騒音低
減効果は位置によっては10dBA以上であり、平均すれば1
0dBAの低減量となっている。
【0035】図10は発音源1から防音壁2までの距離
を騒音の波長の0.5〜5倍の範囲で変え、共鳴構造体3を
最適に配置した場合の騒音低減効果を示す。騒音低減効
果は防音壁2が発音源1に近ければ大きく、また、3波
長以上離れると騒音は共鳴構造体3を発音源1と防音壁
2の間に挿入しても大きく変化しなくなることが分か
る。これは、式(10)や(11)は、発音源1と防音
壁2との間の距離が問題となる騒音の波長の3倍以下で
なければ成立しにくく、3倍以上になると音響エネルギ
ーが空間に一様に分布する残響音場となり、従来の多孔
体による吸音材の効果が大きくなるためである。よっ
て、騒音の波長の3倍以内の距離に発音源1と防音壁2
が配置される場合に本発明の構成が有効である。そこで
変圧器の防音装置として本発明を適用した場合、変圧器
の特徴として、商用電源の倍音の騒音が顕著であり、さ
らに防音壁は変圧器本体表面から3波長以内に取り付け
られることが多く、本発明による騒音低減効果が高い。
【0036】実施の形態2.次に実施の形態2について
説明する。問題となる騒音がいくつかの周波数を持つ場
合、それぞれの周波数に合わせた、共鳴周波数が異なる
複数の共鳴体を有する共鳴構造体3を発音源1と防音壁
2の間に挿入すれば、それぞれの周波数の騒音に対して
効果を上げることが可能である。また、温度などの変化
によって音速が時間的に変化し共鳴周波数が変化する場
合もその音速の変化に応じた、共鳴周波数が異なる複数
の共鳴体を有する共鳴構造体3を発音源1と防音壁2の
間に挿入すれば、その騒音低減効果は時間がたっても大
きく変化せず、良好な対策となる。例えば、図11〜図
14に示すように共鳴体4の長さをいくつか変化させる
ことで、それぞれの周波数やそれぞれの温度に対応する
共鳴体を作成できる。特に、図13では仕切り板6の長
さを斜めにカットすることで、容易に共鳴周波数を変化
させることができる。また、ヘルムホルツ共鳴器では、
それぞれの周波数や温度に対して、開口部の大きさやの
ど部の長さ、下部の筒部の体積を変えることで対応でき
る。図15に単一長のパイプを有する共鳴構造体と長さ
の異なるパイプを有する共鳴構造体を用いて騒音低減効
果の経時変化を調べた結果を示す。実施の形態1の図9
と同様に300MVA 275KVの外鉄型変圧器を用い、変圧器1
から1.3mの周囲を防音壁2で囲み、変圧器1と防音壁2
間にパイプを開口方向が騒音の音波の進行方向と交わる
ように配置して防音壁2から1m離れたところで騒音を測
定した。防音壁2内の温度を10℃〜50℃で変化させ、単
一長のパイプの場合は長さ640mmを200本、長さの異なる
パイプの場合は長さ620mm,640mm,660mm,680mmを各50本
づつ配置した。防音壁2内の温度の変化により音速が変
わり設計共鳴周波数が時間と共に変化する。そのため、
図中曲線Tで示す単一長のパイプを有する共鳴構造体は
短時間では騒音低減効果が大きいものの、時間がたつに
つれその騒音低減効果が悪くなる。これに対して図中曲
線Hで示す長さの異なるパイプを有する共鳴構造体は短
時間では単一長のものより騒音低減効果が劣るものの経
時変化がなく安定した騒音低減効果が得られることが分
かった。なお、幾種類かの騒音が同時に発生している場
合にはそれぞれの騒音に共鳴する複数の共鳴体を有する
共鳴構造体3を用いれば良いことは上記の実測結果から
も容易に類推できる。
【0037】実施の形態3.次に実施の形態3について
説明する。例えば変圧器に本発明による防音装置を取り
付ける場合、パイプなどの共鳴体の長さを商用電源に応
じて50Hzと60Hzで変更する必要がある。このように騒音
の周波数がその使用状況に応じて変化する場合、図16
〜図18に示すように例えばパイプ4の側壁に共鳴周波
数調整用の穴7を設け、穴7の開閉によって共鳴周波数
を変化させることが可能である。例えば、穴7が開いて
いれば変圧器での商用電源60Hz用の共鳴体として、ま
た、穴7をテープなどで閉じれば商用電源50Hz用として
使用できる。よって単一長の共鳴体に共鳴周波数調整用
の穴7を設け、この穴7の開閉により共鳴周波数を変化
させることができ、生産性が向上する。なお、上記実施
の形態では共鳴周波数調整用の穴7は1個の共鳴体に1
個設けた場合について説明したが複数個設けてもよく、
例えば実施の形態2で温度変化に対応してパイプ長を62
0mm,640mm,660mm,680mmと変えた代わりに開閉する穴7
の数を変化させることで対応することも可能である。
【0038】実施の形態4.次に実施の形態4について
説明する。図19や図20に示すように共鳴体4の開口
端4aを下方に配置することにより、共鳴体4内部にご
みが詰まることを防止し、また水などを用いた洗浄時に
は水抜きが良好となるため、長時間の使用に耐えること
ができる。また、このような開口端4aを下方に配置し
た共鳴構造体を変圧器に使用すれば、屋外に配置された
場合にもごみが詰まり難く雨などによる水抜きも良好な
ので長時間にわたって安定した騒音低減効果が得られ
る。
【0039】実施の形態5.また、図21や図22に示
すように、筒状共鳴体4の長さをそれぞれ変化させ、同
時に共鳴体4に共鳴周波数調整用の穴7を設けることで
周波数の変化に幅広く対応できる。また、図23や図2
4に示すように、筒状共鳴体の開口端4aを下方に配置
し、さらに長さをそれぞれ変化させてもよい。また、図
25や図26に示すように、筒状共鳴体の開口端4aを
下方に配置し、さらに長さを変化させた上で、同時に共
鳴周波数調整用の穴7を設けてもよい。
【0040】なお、当然の事ながら、低い周波数の騒音
に対してその波長の3倍以下の距離に防音壁2がある場
合、本発明による装置を取り付けて低い周波数の騒音を
下げ、さらにそれよりも高い周波数の騒音に対しては、
防音壁2との距離が3倍以上となり、発音源1の振動に
対してその空間は空気バネとして作用しなくなるので、
従来の公知例にみられる多孔吸音体を取り付けて騒音低
減効果をより一層高めることは可能である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発音源
の周囲に防音壁を備え、かつ少なくとも一端が上記発音
源と防音壁間の空間に開口した筒状の共鳴体を上記開口
方向が上記発音源からの音波の進行方向と交わるように
配置して構成され上記発音源からの騒音の周波数に共鳴
する共鳴構造体を、上記発音源と防音壁間に備えた
で、発音源から発生し防音壁へ伝播する音波の圧力は、
その伝播経路の途中にある低インピーダンスの共鳴構造
体によって吸収され、防音壁を加振する音波の圧力が低
減される。そのため、防音壁の音波による振動振幅が低
下し、防音壁の振動に起因して防音壁の外部へ放射され
る騒音を減じることができる。また、共鳴構造体は剛性
が大きいので、そのまま防音壁または防音壁と発音源と
の間の空間に取り付けることが可能であるため、施工上
簡便な方法で効果の高い防音構造を構成できる。
【0042】
【0043】
【0044】また、共鳴体を開口端が下方に位置するよ
うに配置すると、ごみや水等が入りにくい。
【0045】また、共鳴構造体が共鳴周波数が異なる複
数の共鳴体を有すると、同時に複数の騒音が発生する場
合や温度変化等により騒音の周波数が変化する場合に有
効である。
【0046】また、共鳴体に共鳴周波数調整用の穴を設
けておくと、穴の開閉により共鳴周波数を簡単に変化さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による防音装置の構成を示す
縦断面図である。
【図2】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の一例を示
す斜視図である。
【図3】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の他の例を
示す斜視図である。
【図4】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の他の例を
示す斜視図である。
【図5】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の他の例を
示す斜視図である。
【図6】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の他の例を
示す斜視図である。
【図7】 実施の形態1に係わる共鳴構造体の他の例を
示す斜視図である。
【図8】 実施の形態1の作用を説明する説明図であ
る。
【図9】 実施の形態1の効果を説明する説明図であ
る。
【図10】 実施の形態1に係わり防音壁と発音源の距
離による騒音低減効果の違いを示すグラフである。
【図11】 実施の形態2に係わる共鳴構造体の一例を
示す斜視図である。
【図12】 実施の形態2に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図13】 実施の形態2に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図14】 実施の形態2に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図15】 実施の形態2の効果を説明する特性図であ
る。
【図16】 実施の形態3に係わる共鳴構造体の一例を
示す斜視図である。
【図17】 実施の形態3に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図18】 実施の形態3に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図19】 実施の形態4に係わる共鳴構造体の一例を
示す斜視図である。
【図20】 実施の形態4に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図21】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の一例を
示す斜視図である。
【図22】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図23】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図24】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図25】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図26】 実施の形態5に係わる共鳴構造体の他の例
を示す斜視図である。
【図27】 従来の防音装置の要部を一部破断して示す
斜視図である。
【図28】 従来および発明の作用を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1 発音源、 2 防音壁、 3 共鳴構造体、 4
共鳴体、 4a 開口端、 4b 閉塞端、 5 固定
板、 50 箱体、 50b 閉塞端、 6仕切板、
7 共鳴周波数調整用の穴、 11 パネル枠、 12
ストロー、13 格子、 14 遮音板、 15 鉄
骨串差し穴、 16 空気バネ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 貴司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 油井 正志 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−96207(JP,A) 実開 昭56−58837(JP,U) 実開 昭62−55328(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/33

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発音源の周囲に防音壁を備え、かつ少な
    くとも一端が上記発音源と防音壁間の空間に開口した筒
    状の共鳴体を上記開口方向が上記発音源からの音波の進
    行方向と交わるように配置して構成され上記発音源から
    の騒音の周波数に共鳴する共鳴構造体を、上記発音源と
    防音壁間に備えた防音装置。
  2. 【請求項2】 上記共鳴体は開口端が下方に位置するよ
    うに配置されている請求項記載の防音装置。
  3. 【請求項3】 発音源の周囲に配置された防音壁、およ
    び上記発音源と防音壁間に配置され発音源からの騒音の
    周波数に共鳴する共鳴構造体を備え、上記共鳴構造体は
    共鳴周波数が異なる複数の共鳴体を有するものである防
    音装置。
  4. 【請求項4】 上記共鳴体は共鳴周波数調整用の穴を有
    する請求項1ないしの何れかに記載の防音装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1ないしの何れかに記載の
    防音装置を用いた変圧器。
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