JP3321734B2 - フイルムパトローネおよびこのフイルムパトローネを装填可能な装置 - Google Patents

フイルムパトローネおよびこのフイルムパトローネを装填可能な装置

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JP3321734B2
JP3321734B2 JP18541590A JP18541590A JP3321734B2 JP 3321734 B2 JP3321734 B2 JP 3321734B2 JP 18541590 A JP18541590 A JP 18541590A JP 18541590 A JP18541590 A JP 18541590A JP 3321734 B2 JP3321734 B2 JP 3321734B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真撮影用フィルムをスプールにロール状に
巻付けた状態で収納してなるフィルムパトローネおよび
このフィルムパトローネを装填可能な装置に関し、特に
フィルムの使用状態がある状態であるか、またはこれと
は異なる別の状態であるか、たとえばフィルムが未使
用、途中までの使用した途中取出し、あるいは使用済み
(撮影済み)であるかを識別表示する機能を備えている
フィルムパトローネおよびこのフィルムパトローネを装
填可能な装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、写真撮影用フィルムは、遮光機能付き簡易容
器であるパトローネ内に収容された状態で取扱われ、カ
メラ内への装填や取外し、さらに保管、持ち運びの際な
どにフィルムが露光しないように保護されている。
このようなフィルムパトローネにおいて、パトローネ
内に収納されるフィルムが未使用であるか、使用済み
(撮影済み)であるかの確認が必要とされる場合があ
る。そして、従来から一般的な35mmロールフィルム用の
パトローネにあっては、内部に収容されているフィルム
が未使用であるか、あるいは撮影済であるかの判別を、
フィルム先端がパトローネの繰出し口から出ているかど
うかを確認することで行なっていた。すなわち、撮影終
了に伴なうフィルム巻戻し時において、フィルムは、殆
どの場合、その先端部分をも含めてパトローネ内に巻き
取られるものであり、これを利用することによりフィル
ムの未使用、撮影済の識別が可能となるものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述したようなパトローネからフィル
ム先端が出ているか否かによるフィルムの使用状態の識
別方法では、撮影終了後のフィルム巻戻し時に、フィル
ム先端をパトローネ内に必ず巻き込むという確実性に欠
ける操作が必要であり、確実な識別を行なえるとは言え
ないものであった。特に、何らかの原因によってフィル
ム先端がパトローネから出ている状態で撮影済みのフィ
ルムパトローネをカメラから取出し、一旦保管しておく
と、これを未使用フィルムと誤認する虞れがあった。し
かも、このようなパトローネをカメラ内に装填したりす
ると、そのまま撮影が可能であるために、二重露光とい
う問題を生じることを避けられないものであった。
さらに、撮影者によっては、カメラに装填したフィル
ムを最終駒まで撮影せずに、一旦フィルム給送途中で巻
戻しを行ない、カメラから取出しておき、後で再度カメ
ラに装填して残りの分を撮影するといった方法を取る場
合もあり、この場合の巻戻し時には、フィルム先端をパ
トローネ内に巻き込まないように充分に注意して巻戻し
を行なっている。そして、このような場合には、フィル
ム先端が必ずパトローネから出た状態で保管されるた
め、未使用のフィルムを収納している新しいパトローネ
との区別がつかないものであった。
このため、パトローネあるいはその収納ケースの外側
に、パトローネ内でのフィルムの使用状態の区別を手書
きで表記する等の方法も採られているが、煩雑さは避け
られないものであった。
特に、フィルムを収納するフィルムパトローネとし
て、たとえば米国特許第4,832,275号明細書や実開昭58
−67329号公報等には、パトローネ単体時は常にフィル
ム先端がパトローネ内に引き込まれた状態となっている
タイプのものが提案されている。このようなフィルムパ
トローネでは、前述した35mmフィルム用パトローネでの
フィルム先端を利用した識別方法は全く採用できず、し
かも撮影済みのフィルムをカメラ内に装填しても、その
まま撮影が可能であり、上述したような二重露光という
問題を避けられない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
り、フィルムパトローネにおいて、そのフィルムの未使
用、途中取出し、さらに使用済み(撮影済み)等のよう
なフィルムの状態の区別を簡単に確認できる何らかの対
策を講じているフィルムパトローネおよびこのフィルム
パトローネを装填可能な装置を得ることを目的としてい
る。
〔課題を解決するための手段〕
このような要請に応えるために第1の発明に係るフィ
ルムパトローネは、フィルムをスプールに巻付けて収納
するとともに、装置に装填されて使用する際に、スプー
ルの回転によってフイルムの送出、巻戻しが可能なフイ
ルムパトローネにおいて、前記フィルムパトローネが前
記装置に装填されて使用された際の、前記フイルムを未
撮影の状態、前記フィルムを途中まで露光して巻戻した
途中取り出し状態、前記フィルムを撮影済みの状態のい
ずれかを表す前記フィルムの使用状態を識別表示するた
めの複数の識別表示手段を外表面に備えるとともに、前
記複数の識別表示手段の一つを指示することによって前
記使用状態を表示する指示手段を前記スプールに一体に
設けてなり、前記フィルムパトローネが装填された装置
が備える駆動機構によって前記巻き戻しの際に回転する
前記スプールを、前記巻き戻し完了時に前記指示手段が
前記装置によって検出した使用状態に応じた識別表示手
段を指示する位置に停止可能に構成し、前記指示手段を
位置決めした状態を保持する保持手段を備えたものであ
る。
また、第2の発明に係るフィルムパトローネは、上記
第1の発明において、前記保持手段が、前記フィルムパ
トローネを前記装置に未装填の状態で前記スリーブの回
転軸周りの前記指示手段の位置を保持し、前記装置に装
填した状態で前記保持を解除可能とするものである。
また、第3の発明に係るフィルムパトローネは、上記
第1または第2の発明において、前記指示手段が位置決
めされる前記回転軸周りの位置の一部に対応する前記フ
ィルムパトローネ外表部に切欠きを設けるとともに、前
記スプールは、前記指示手段が前記未撮影状態を示す回
転軸周りの位置に位置決めされた場合に前記切欠きに位
置することにより該切欠きを塞ぎ、前記装置が備える前
記フィルムパトローネの装填を阻止する装填阻止手段を
前記切欠きに位置したスプールの一部によって無効な状
態に退避操作し、前記指示手段が前記撮影済み状態を示
す回転軸周りの位置に位置決めされた場合に前記切欠き
を前記スプールの一部を塞がないようにして前記装填阻
止手段が前記切欠きに係合可能とする形状を有するもの
である。
また、第4の発明に係るフィルムパトローネを装填可
能な装置は、フィルムが巻付けられるとともに、回転す
ることによって該フィルムの送出、巻戻しを行うスプー
ルと、前記フイルムを未撮影の状態、前記フィルムを途
中まで露光して巻戻した途中取り出し状態、前記フィル
ムを撮影済みの状態のいずれかを表す前記フィルムの使
用状態を識別表示するための複数の識別表示手段を外表
面に備えるとともに、前記スプールに一体に設けられ、
前記複数の識別表示手段の一つを指示することによって
前記使用状態を表示する指示手段とを有するフィルムパ
トローネを装填可能な装置であって、前記フィルムパト
ローネを収容するパトローネ室と、収容したフイルムパ
トローネの前記スプールを回転させて前記指示手段を一
体的に回動させる駆動機構と、前記駆動機構を制御する
制御手段と、前記フィルムの使用状態を判断する判断手
段とを備え、前記駆動機構は、前記判断手段によって前
記フィルムが未撮影状態であると判断された場合と撮影
済み状態であると判断された場合とに応じて、その状態
に応じた識別表示手段を指示する位置に前記指示手段を
前記スプールの巻き戻し完了時に停止させるように駆動
制御されるものである。
また、第5の発明に係るフィルムパトローネを装填可
能な装置は、上記第4の発明において、前記フィルムパ
トローネは、前記指示手段が位置決めされる回転軸周り
の位置の一部に対応する前記フィルムパトローネの外表
部に切欠きが設けられており、前記フィルムが未撮影状
態であるときは、前記切欠きの部分に位置する指示手段
の一部によって退避させられることによって前記フィル
ムの装填を許容し、前記フィルムが撮影済み状態である
ときは、前記フィルムパトローネの装填過程において該
フィルムパトローネの切欠き部と係合することにより、
前記フィルムパトローネの装填を阻止する装填阻止手段
を備えたものである。
〔作用〕本発明に係るフィルムパトローネおよび同パト
ローネの装填可能な装置は、フィルムパトローネ外表面
に備えた複数の識別表示手段と、このうちの一つを指示
する、スプールと一体に設けられた指示手段とによって
フィルムの使用状態を表示可能に構成したことを基本構
成としている。そして、フィルムパトローネが装填され
た装置内でフィルムパトローネを使用した後(すなわ
ち、フィルムに対する撮影を行った後)にスプールを回
転してフィルムを巻き戻す際には、装置が検出したフィ
ルムの使用状態に応じて、フィルムの巻き戻し完了時に
指示手段がフィルムの使用状態に応じた識別表示手段を
指示する位置にスプールを停止させる。これにより、ス
プールと一体的に設けられた表示手段は、フィルムの使
用状態に応じたパトローネ外表面の識別表示手段に位置
決めしてこれを指示することができ、この位置決めした
状態を保持手段によって保持することで、フィルムパト
ローネ内のフィルムの使用状態である未撮影、途中取り
出しまたは撮影済み状態を、フィルムパトローネの外表
面に表示する。
また、本発明によれば、フィルムが未撮影の場合に
は、フィルムパトローネの外表部の一部に設けた切欠き
の位置にスプールの一部を位置させることでこの切欠き
を塞ぎ、この切欠きに係合することにより装置への装填
を阻止する装填阻止手段を退避させることでフィルムパ
トローネの装置への装填を可能にする。一方、フィルム
が撮影済みの場合には、切欠きの位置にスプールの一部
が位置しないようにして切欠きを塞ぐことなく、装填阻
止手段を切欠きに係合可能としてフィルムパトローネの
装置への装填を阻止する。
〔実施例〕
第1図(a),(b),(c)ないし第11図(a),
(b)は本発明に係るフィルムパトローネおよびこのフ
ィルムパトローネを装填可能な装置として用いたカメラ
(スチルカメラ)の第1実施例を示す。この実施例で
は、フィルムパトローネ10として、たとえば米国特許第
4,832,275号明細書に示されるように、フィルム先端が
始めからパトローネ10内に取込まれており、しかもスプ
ール11が回転駆動されることでフィルムが先端から送出
されたり巻戻される構造によるものを用いている。ここ
で、このパトローネ10は、円筒状本体部10aとその一部
から突出されたリップ状のフィルム送出し部10bとを有
する形状をもって、第3図に示すように二分割された一
対のケース12,13により構成されており、さらにその内
部にはスプール11に巻付けられる図示を省略したフィル
ムの収納空間が形成されるとともに、フィルム給送機構
(図示せず)等が内設されるが、その詳細な省略する。
この実施例では、上記したフィルムパトローネ10にお
いて、第1図ないし第3図などから明らかなように、そ
の上端面周縁の約半周部分を三分割し、これらの部分に
パトローネ10内のフィルムの使用状態を表示する複数
(本実施例では三つ)の表示部として「1」,「2」,
「3」の識別表示記号14a,14b,14cを印刷等で表示する
とともに、フィルムが巻き付けられるスプール11の動き
に応じて回動し該スプール11の回転停止位置によって前
記表示機構14a,14b,14cのうちのいずれかを指示するこ
とでフィルム使用状態を表示を行う指示手段としてスプ
ール軸上端側のキー15を用い、この指示手段となるキー
15と前記表示記号14a,14b,14cとの組み合わせによって
フィルムの使用状態、つまり未撮影、途中取出し、撮影
済みを指示し得るように構成したところに特徴を有して
いる。
なお、上記した「1」,「2」,「3」の各識別表示
記号14a,14b,14cは、それぞれ全て新しい未撮影のも
の、一枚以上で終了こままで至らない途中まで撮影して
カメラから取り出した途中取出しのもの、最終こままで
撮影が終了した撮影済みのものを表し、それぞれを指示
した状態を第1図(a),(b),(c)に示してい
る。
また、このような表示記号のうち、「2」による途中
取出し状態の場合、このパトローネ10を、再度カメラに
装填して、まだ未露光のフィルム部分に撮影を続けて行
なうためには、既に何枚目まで撮影露光が完了している
かの情報記録およびその記憶保持、さらにこれを再装填
されるカメラへの情報伝達を行なえる手段を、カメラ40
Aとパトローネ10とに設けることで実施できる。すなわ
ち、カメラ40A側の情報の記録、読取り用の記録手段
を、パトローネ10側にこれを記録できる各種の情報記録
媒体、たとえばEEPROM,RAMあるいは磁気記録媒体などを
設けることで対処することができる。
しかし、必ずしもこのような構成は必要とされるもの
ではなく、カメラ40Bを簡易形とする場合には、上記し
た情報記録を行なわず、途中取出しの場合も、撮影済み
と同様に、二重露光の原因となる再度の装填は行わず、
現像処理に回すようにしてもよい。この場合には、上述
した表示記号としては「2」の途中取出しは不要で、二
つの表示のみとしてもよい。
すなわち、本発明によれば、情報記録が可能であるか
否かによって区別される二種類のカメラ40A,40Bの両方
に使用できるもので、その種類に応じて識別表示を行な
うとよい。要は、情報記録が行なえるカメラ40Aの場合
には、上述した「1」または「2」のときにカメラ40A
のパトローネ室41への装填を許容し、「3」のときに装
填を行なえないようにするとよく、情報記録が行なえな
いカメラ40Bの場合には、「1」の場合のみパトローネ
室41への装填を行なうように構成するとよい。
一方、本発明によれば、上述したスプール11の回転位
置を表わす指示手段としてのキー15による指示位置のず
れを、第3図ないし第5図に示すように、カメラ40A,40
Bへの装填時以外のときに拘束する手段を選択的に付設
するとよい。ここで、これらの図において符号16はパト
ローネ10の下方室部分でスプール11の下部に嵌合して設
けられた可動部材としてのリング、16aはスプール11下
部に形成される溝11aに係合しこれら両者を一体的に回
動させる突起、17は前記リング16の外周側に配置されそ
の係止突起16bに選択的に係合する爪部17aを内周縁に有
するばね材からなる制限手段または拘束手段としての係
止輪で、この係止輪17の外周縁から突設された引っ掛け
部17b,17cが、第5図に示すようにパトローネ10を構成
するケース12,13の下部接合部分に形成される引っ掛け
溝12a,12b;13a,13bに引っ掛け保持される。そして、第
4図から明らかなように、パトローネ10がカメラに装填
されていない単体であるときには、爪部17aがリング16
側の係止突起16bに係合可能な位置にあり、スプール11
の回転を制限するようになっている。なお、この状態で
は、第7図から明らかなように、リング16側の複数の係
止突起16b間の間隙内で回動可能となっているだけであ
り、巻戻し終了時はこの間隙内でスプール11の動きが止
められるように制限されている。これは、スプール11に
設けられているキー15による表示記号14a,14b,14bを付
した領域の範囲を外れないように設定するものである。
すなわち、この回動制限は、パトローネ10が単体である
ときに、第1図においてスプール11の回転によりキー15
により指示位置が、「1」から他の「2」や「3」を指
示する位置にずれたりしないようにするためである。
また、このような構成において、パトローネ10をパト
ローネ室41に装填したときには、その底部に突設した規
制解除ピン42が、パトローネ10側の穴12cに係入し、係
止輪17を、第4図中想像線で示すように、そのばね性に
抗して押し上げて爪部17aを係止突起16bに係合しない位
置に維持し、スプール11の自由な回転を許容するように
構成されている。この場合、係止輪17はケース12,13に
て確実に係止支持されており、スプール11の回転に対し
て無用な摩擦や負荷を与えるといった問題はない。
ここで、上述したようなフィルムパトローネ10を装填
する本発明のカメラ40A,40Bは、第2図および第8図等
に示すように、パトローネ10のスプール11を回転駆動す
るスプール駆動装置50と、この駆動装置50によるスプー
ル11の回転停止位置をフィルムの使用状態に応じて制御
する制御装置51とを備えてなる構成とされている。これ
を詳述すると、第2図において52は前記指示手段である
上側キー15に対応してスプール11の下側に設けられ一体
に回転するキー15aに係合するフォークで、フィルム巻
戻しモータ53からクラッチ54を有する減速歯車機構55を
介して回転伝達を受けてスプール11を巻戻し回転させる
ように構成されている。なお、56はパトローネ装填時に
おいてキー15aとフォーク52の位相ずれを修正するため
の周知のフォーク退避機構であり、さらにこのフォーク
52とキー15aとの連結は、巻上げ時には切離されるよう
になっている。
また、このフォーク52の回転位置は、減速歯車機構55
の最終歯車(フォークギヤ)55aと一体に回転するブラ
シ57a、基板上に形成されるコモンパターン57b、セグメ
ントパターン57c等によるフォークエンコーダ57によっ
て検出される。さらに、第8図においてSW1はレリーズ
スイッチ、SW2は最終こまの撮影終了前に巻戻す場合に
操作される途中巻戻しスイッチで、また最終こままで撮
影が終了すると、周知の通りフィルム終端での突っ張り
力を検出し、自動的に巻戻しを開始するような構成とな
っている。ここで、58は撮影が終了したこま数をカウン
トするこま数カウンタ、59はフィルムのこま送りのため
のフィルム移動量を検出するフィルムエンコーダで、こ
れらの各部の情報は、演算制御回路CPUに送られ、ここ
で得られた結果に基づきモータ53によるフォーク52の回
転方向での停止位置が制御されるようになっている。
そして、このような構成において、巻上げ終了時に、
カメラ40A,40B側の制御装置51でフィルムの使用状態を
判断し、対応する位置にスプール11を制御するが、その
判断の手順は第9図に示す通りである。すなわち、ステ
ップ101にてパトローネ装填後におけるレリーズスイッ
チSW1が操作されたか否かを判断し、操作されていない
ときには、ステップ104に進み、停止位置は「1」に制
御され、また操作されたときには、ステップ102に進
み、途中巻戻しスイッチSW2が操作されたか否かを判断
する。そして、判断されたときには、ステップ105に進
み、指示手段であるキー15の停止位置を「2」に制御
し、またSW2が操作されていないときには、フィルム終
端の突っ張り力が検出されたか否かをステップ103で判
断し、判断されたときにはステップ106で停止位置を
「3」に制御し、検出されていないときにはステップ10
1に戻る。また、前述したように情報記録手段を有しな
いパトローネ10とカメラ40Bであるときには、ステップ1
02でSW2の操作が判断されたときにステップ106に進むよ
うに構成してもよい。なお、ステップ103の代りにフィ
ルムの撮影可能枚数をDx等の手段で読み込み、その枚数
とこま数カウンタ58との値が一致するか否かを判断する
ようにしてもよい。
また、上述したスプール11のキー15の停止位置は、第
7図から明らかなように、スプール11が停止すべき角度
には表示部分との関係において余裕があるので、このな
かで停止するように制御するとよい。そして、スプール
11の余裕をもった停止角度範囲と、第2図でのフォーク
エンコーダ57におけるパターン57c上に対応する角度が
一致するように構成されており、スプール11を停止制御
してから、ブラシ57aで所定のパターン57c上にあるか否
かを検出し、もし外れているときには、再度回動させて
制御するようにしてもよい。
以上の構成によれば、簡単な構造にもかかわらず、パ
トローネ10内でのフィルムの使用状態、つまり未撮影、
途中取出し、撮影済みといった「1」,「2」,「3」
の識別表示を、第1図(a),(b),(c)から明ら
かなように、パトローネ10の上端部を視認するだけで、
きわめて簡単かつ確実に行えるものであり、フィルム管
理を適切に行えるばかりでなく、従来のように撮影済み
のパトローネ10をカメラ40側に装填して二重露光してし
まう等といった問題を一掃することができる。
また、この実施例では、フィルムパトローネ10の外側
部の一部(本実施例では下端側の側部)に、フィルムの
使用状態によって係合、非係合という二つの状態のいず
れかに変化しパトローネ10のカメラ40のパトローネ室41
への装填を許容または阻止するための係合手段(斜面23
a、非斜面24bと窓部24a,24bとによる)を設けている。
そして、このパトローネ10を装填するカメラ40に、該パ
トローネ10における係合手段を、フィルムの使用状態に
よって係合、非係合状態に変化させる手段(本実施例で
はスプール11の回転による)と、前記係合手段が非係合
状態であるときにパトローネ10のパトローネ室41内への
装填を許容するとともに、係合状態であるときにはパト
ローネ10のパトローネ室41内への装填を阻止する手段
(装填阻止ピン44,45)を備えてなる構成としたところ
に特徴を有している。
これを第6図、第7図、第10図および第11図(a),
(b)を用いて詳述すると、スプール11の下端部には、
第3図や第7図に示されるように、斜面23aと非斜面23b
とからなる係合面部23が、第7図に示す角度位置関係を
もって形成されており、これらの斜面23aまたは非斜面2
3bが、パトローネ10を形成するケース13の下端側側部に
所定間隔をおいて穿設された第1および第2の窓部24a,
24bから選択的に露呈するように構成されている。ここ
で、パトローネ10は、カメラ40A,40Bのパトローネ室41
に対し第10図において矢印方向に装填して収納される
が、このときカメラ40A側ではパトローネ室41内で第1
の窓部24aが通過する部分に、ばね44aで付勢された第1
の装填阻止ピン44が、装填方向に直交する方向に進退可
能な状態で突出し、またカメラ40B側ではパトローネ10
の第1および第2の窓部24a,24bが通過する部分にそれ
ぞればね44a,45aで付勢された第1および第2の装填阻
止ピン44,45が突出している。
そして、このような構成では、第11図(a),(b)
に示すように、窓部24a,24bから係合面部23の非斜面23b
が露呈しているときに、装填が阻止され、斜面23aが臨
んでいるときには、装填を許容するようになっている。
ここで、「1」に示す状態では、第1および第2の窓部
24a,24bに共に斜面23a,23aが臨み、「2」に示す状態で
は、第1の窓部24aには斜面23aが、第2の窓部24bには
非斜面23bが臨み、「3」で示す状態では、第1の窓部2
4aには非斜面23bが、第2の窓部24bには斜面23aが臨
み、前述したようにパトローネ10の装填を許容したり、
阻止したりする。
したがって、このような構成では、簡単な構造にもか
かわらず、パトローネのカメラへの装填時に、該パトロ
ーネ10の係合手段を、フィルムの使用状態が未撮影また
は途中取出しであるか撮影済みであるかによって、係
合、非係合状態に選択して切換え制御することで、撮影
済みのフィルムパトローネ10の再装填動作を確実に阻止
することが可能となり、二重露光という問題を確実に防
止することができる。
ここで、上述した実施例では、フォーク52とスプール
11側のキー15aとの係合は、従来と同様に「−」形状に
よる係合であるため、180度づつ回動した位置で係合が
可能であり、そのいずれかで係合するかは確定できな
い。そして、この実施例では、フォーク52の回動停止位
置を制御するエンコーダ57がカメラ側にあるので、パト
ローネ10を回転方向の三個所で選択的に停止するには、
360度の範囲ではなく、180度の範囲を三分割して表示部
と設定している。
第12図は上述した実施例におけるフォークエンコーダ
57を簡略化したものであり、カメラ40Bにおいて、もし
一度カメラに装填したパトローネ10は無条件に「3」の
状態に制御してもよいもので、この場合には、巻戻し終
了時には、スプール11を常に「3」の位置に制御すると
よいから、エンコーダ57としては、フォーク軸52aの一
部に突設した突起52bを設けるとともに、この突起52bに
てオン・オフされるスイッチ片60で構成することも可能
で、大幅な簡略化が可能である。
第13図および第14図(a),(b)はフォーク52とス
プール11との係合部を360度の範囲内で三領域の表示部
に区分した場合の変形例を示し、フォーク52の係合部形
状を、回転伝達部61aと誤係合阻止部61b,61cによって形
成するとともに、スプール11側の係合部62をこれに適合
する係合形状とし、360度の範囲内で常に一通りの係合
のみとなるように構成した場合を示している。そして、
このような構成とすると、360度を三分割して使用でき
るので、前述した三つの表示部に指示範囲を大きく取れ
るので、前述した実施例に比べてスプール11の停止精度
をラフとすることができ、その実用上での利点は大き
い。なお、この実施例では、スプール11を両方向に回転
駆動するタイプのパトローネ10を前提として、回転伝達
部61aを両方向に回転可能な状態で設けた場合を示した
が、これに限定されないことは言うまでもない。
第15図(a),(b)はパトローネ室41の底部等で前
記装填阻止手段を構成する窓部24aまたは24bに対応する
位置にフォトセンサ63を設け、これにより斜面23aと非
斜面23bの動きを検出、識別し、フォーク52を停止制御
する場合を示している。勿論、これと略同様な構成によ
って、スプール11の動きをフォトセンサ63で検出し得る
構成であればよい。このようにすると、スプール11の動
きを直接検出して停止位置を制御するために、フォーク
52とスプール11との係合状態に影響されないという利点
がある。
なお、これら二つの実施例では、リング16の係止突起
16bを周方向の三個所に設けるとよい。
第16図ないし第20図は本発明の第2実施例を示すもの
であり、これらの図において前述した第1実施例と同一
または相当する部分には同一番号を付してその説明は省
略する。
この実施例では、スプール11を所定の回転停止位置で
拘束するための手段として、円弧状に形成した係止用ば
ね手段80を用い、その両端80a,80bをケース12,13に設け
た係止溝81a,81bに係入させて支持するとともに、その
中央部内側に係止突起16b(本実施例ではスプール11に
一体的に設けている)に係合する爪部80cを設けてい
る。さらに、このばね手段80をパトローネ10のパトロー
ネ室41への装填時に解除するための手段として、パトロ
ーネ10が撮影済み状態であるときにパトローネ室41への
装填を阻止する阻止手段としても機能する第1の装填阻
止レバー82を用いている。なお、このレバー82は、支軸
82aによりパトローネ室41に底部側に揺動可能に支持さ
れ、ばね82bにより常時は先端部82cを求心方向に付勢さ
れ、室41の底部に穿設されている溝82dに係止して支持
されている。また、第16図において、カメラ40Bの場合
には、第2の装填阻止レバー83を、パトローネ室41の底
部に一体的に立設して設けるとよい。
さらに、この実施例では、斜面と非斜面とによる係合
面部に代えて、非突出部84aと突出部84bとをスプール11
側に設けている。そして、このような構成によれば、フ
ィルム使用状態表示が「1」,「2」,「3」のいずれ
かの状態であるときに、各状態での窓部24a,24bからの
非突出部84aと突出部84bの露出状態は、以下に示した表
1に示すようになる。
一方、これらの非突出部84aまたは突出部84bに係合す
るように窓部24a内にパトローネ装填時に臨む第1の装
填阻止レバー82の先端部82cには、パトローネ10の取出
し時に突出部84bに係合してレバー82側が揺動して逃げ
るための傾斜面を形成している。
そして、このような構成によれば、第17図ないし第19
図から明らかなように、前述した実施例と略同様の作用
効果を奏することは容易に理解されよう。
第21図ないし第27図は本発明の第3実施例を示すもの
であって、前述した各実施例と同一または相当する部分
には同一番号を付してその説明は省略する。
この実施例では、前述した実施例構造において、フィ
ルム使用開始後におけるパトローネ10のカメラへの装填
を阻止するための係合手段および該装填を阻止するため
の手段を改良するようにしている。
すなわち、前述した第1実施例(第1図〜第11図)と
第2実施例(第16図〜第20図)において、カメラ40Aで
は「3」の状態でのパトローネ10の装填を阻止するため
に装填阻止ピン44または装填阻止レバー82、つまり一つ
の装填阻止手段を設ければよいのに対し、カメラ40Bで
は「2」,「3」の状態でのパトローネ10の装填を阻止
するためには、装填阻止ピン44,45または装填阻止レバ
ー82,83、つまり二つの装填阻止手段を設けなければな
らず、部品点数が多くなり、カメラの構成上不利であっ
た。このため、この実施例では、前述した第1実施例の
構造を改良し、カメラ40Bにおいて1つの装填阻止手段
だけで、「2」,「3」の状態でのパトローネ10の装填
阻止をできるようにしたものである。
この実施例におけるパトローネ10の第1実施例と異な
る点について第21図および第22図(第1実施例での第6
図および第7図に相当する)に基づいて説明する。すな
わち、第21図示されるように、ケース13には一つの窓部
24aのみが設けられいる。一方、係合面部23は第22図の
ように円周を六等分した毎に半径方向に連続した斜面23
c、非斜面23eとその半径方向外側の斜面23d、半径方向
に連続した非斜面23fとから構成されている。これは、
第22図においてR1,R2,R3部分で断面した第23図、第24
図、第25図から明らかであろう。なお、上述した第21図
は、パトローネ10が「1」の状態にある場合を示してい
る。
そして、このような構成によるパトローネ10の各状態
において、窓部24aから露出する係合面部23は、以下に
示した表2に示すようになる。
次に、この実施例のカメラ40A,40Bのパトローネ室41
に設けられた装填阻止手段について、第26図および第27
図を用いて説明する。すなわち、パトローネ室41内への
パトローネ10の装填時に窓部24aが通過する部分の壁面
内には、カメラ40Aでは阻止レバー91が、カメラ40Bでは
阻止レバー92が設けられ、これらは共に、固定ピン93に
より回動可能に軸支され、別のピン97に引掛けられたば
ね99により図中反時計方向への回動習性が与えられ、か
つ制限ピン95により回動制限を受けている。そして、こ
れら両レバー91,92の下端側には、それぞれパトローネ
室41内に突出している短い係止突部91aと長い係止突部9
2aが形成されている。これら各係止突部91a,92aの突出
量についてさらに説明すると、第26図、第27図に示され
るように、状態「2」つまり窓部24aから非斜面23eと斜
面23dが露出した状態でのパトローネ10が装填されると
き、カメラ40Aの阻止レバー91の係止突部91aは斜面23d
のみと接触するように、またカメラ40Bの阻止レバー92
の係止突部92aは非斜面23eまで延びて係合するように、
それぞれの突出量が決められている。
この実施例におけるパトローネ10とカメラ40A,40B
は、以上のように構成されているので、各状態でのパト
ローネ10を装填しようとすると以下のように動作する。
すなわち、状態「1」つまり窓部24aから斜面23cが露
出した状態でのパトローネ10では、カメラ40A,40Bの阻
止レバー91,92の係止突部91a,92aは斜面23cと接触する
ので、パトローネ10の装填と共に阻止レバー91,92は斜
面23cの作用でばね99の付勢に抗して右旋させられ、カ
メラ40A,40Bのどちらでも、パトローネ10の装填が許容
される。
また、状態「2」つまり窓部24aから非斜面23eと斜面
23dが露出した状態でのパトローネ10では、カメラ40Aの
場合は、阻止レバー91の係止突部91aは斜面23dと接触す
るので阻止レバー91は斜面23dの作用でばね99の付勢に
抗して右旋させられ、パトローネ10の装填が許容され
る。一方、カメラ40Bの場合は、阻止レバー92の係止突
部92aは非斜面23eと係合し、パトローネ10の装填は阻止
される。
さらに、状態「3」つまり窓部24aから非斜面23fが露
出した状態でのパトローネ10では、カメラ40A,40Bの阻
止レバー91,92の係止突部91a,92aは非斜面23fと係合す
るので、カメラ40A,40Bのどちらでも、パトローネ10の
装填が阻止される。
以上のように、この実施例構造では、カメラ40A,40B
のいずれであっても一つの装填阻止手段を設けるだけ
で、前述した第1,2実施例と全く同様のパトローネ装填
阻止の効果を得ることができ、カメラの構成上有利であ
る。
なお、ここでは、カメラ40A,40B側の装填阻止の手段
として阻止レバーを用いたが、これに限らず、第1実施
例のようにばねで付勢され退避可能な状態で突出する装
填阻止ピンを設け、その突出量を阻止レバー91,92の係
止突部91a,92aの突出量に対応して、カメラ40Aでは短
く、カメラ40Bでは長く構成してもよいことは言うまで
もない。
第28図ないし第30図は本発明の第4実施例を示すもの
であり、この実施例では、上述した第3実施例とは別の
方法により第1実施例の構造を改良することで、カメラ
40A,40Bにそれぞれ一つの装填阻止手段を設けて第1,2実
施例と同様の装填阻止効果を得られるようにした場合を
示している。
この実施例におけるパトローネ10の第1実施例と異な
る点について第28図ないし第30図を用いて説明する。す
なわち、前述した第1実施例では、第1図に示したよう
に、パトローネ10の上端面周縁の約半分を三分割して各
々を「1」,「2」,「3」の領域としていたが、この
実施例では、パトローネ10の上端面周縁の約半分を四分
割し、そのうちの三つの領域を「1」,「2」,「3」
の領域とし、残り一つの領域は使用しない。なお、フィ
ルム状態表示用の指示手段としてのキー15の機能は第1
実施例と同様である。
一方、ケース13下方には、第29図に示されるように、
窓部24a,24bが角度で略45度離れて設けられ、また係合
面部23には第30図のように角度で略90度毎に斜面23gと
非斜面23hが設けられ、両者の形状はそれぞれ第1実施
例の斜面23aと非斜面23bと同様である。さらに、パトロ
ーネ10単体時の指示位置ずれを防止するリング16の係止
突起16c,16dは、第30図に示されるように、第28図の三
領域の相互間でスプール11がパトローネ単体時回ってし
まわないように拘束する位置に設けられている。
そして、このような構成では、パトローネ10の各状態
において窓部24a,24bから露出する係合面部23は、以下
に示す表3のような状態となる。
ここで、上述した第29図は、「1」に示す状態を示し
ている。
また、カメラ40A,40B側において、巻戻終了時のフォ
ーク52の回動停止位置を制御するフォークエンコーダ57
は、前記スプール11の停止すべき三領域にスプール11を
停止制御させるように構成されるが、これはセグメント
パターン57c(前述した第2図参照)の角度位置が、第
1実施例の場合と異なるだけであり、その図示は省略す
る。そして、パトローネ10の装填を阻止する装填阻止ピ
ンについては、カメラ40Aの場合は、パトローネ室41内
のパトローネ10装填時に窓部24aが通過する部分に装填
阻止ピン44がばね44aで付勢されて設けられている。一
方、カメラ40Bの場合は、窓部24bが通過する部分に装填
阻止ピン45のみがばね45aで付勢されて設けられている
(前述した第10図参照)。
この実施例でのパトローネ10とカメラ40A,40Bは、以
上のように構成されているので、各状態のパトローネ10
を装填しようとすると、以下のように動作する。
すなわち、状態「1」の状態でのパトローネ10では、
カメラ40A,40Bのどちらでも、パトローネ10の装填が許
容される。
また、状態「2」の状態でのパトローネでは、カメラ
40Aの場合は装填が許容され、カメラ40Bの場合は装填は
阻止される。
さらに、状態「3」の状態でのパトローネ10では、カ
メラ40A,40Bのどちらでも装填が阻止される。
そして、このような実施例構造では、カメラ40A,40B
のどちらも一つの装填阻止手段を設けるだけで、前述し
た第1,2実施例と全く同様のパトローネ装填阻止の効果
を得ることが可能で、カメラの構成上有利であるという
利点を奏する。
第31図ないし第33図は本発明の第5実施例を示すもの
であり、この実施例は、上述した第4実施例構造に、先
に第13図および第14図で示したスプール11とフォーク52
とを360度の範囲内で常に一通りの係合のみとする構成
を適用して、「1」,「2」,「3」の各領域に割り当
てられる角度を増やしたものである。
この実施例でのパトローネ10の第4実施例と異なる点
について説明すると、第31図に示されるようにパトロー
ネ10の上端面周縁の全周を四分割して、そのうちの三つ
の領域を、「1」,「2」,「3」の領域とし、残り一
つの領域は使用していない。
また、指示手段としては、上側の係合部62に矢印62a
を設けている。一方、ケース13には、第32図のように、
窓部24a,24bが角度で略90度離れて設けられ、さらに係
合面部23には、第33図に示されるように、斜面23jと非
斜面23kが半分ずつ設けられ、これら両者の形状はそれ
ぞれ第1実施例の斜面23aと非斜面23bと同様である。一
方、パトローネ10単体時の指示位置ずれを防止するリン
グ16の係止突起16e,16fは、第33図に示されるように、
第31図における三領域の相互間でパトローネ単体時にス
プール11が回ってしまわないように拘束する位置に設け
られている。
したがって、パトローネ10の各状態において、窓部24
a,24bから露出する係合面部23は、以下に示す表4のよ
うになる。
なお、第32図は「1」の状態を示している。
また、カメラ40A,40Bにおいて、巻戻終了時のフォー
ク52の回転停止位置を制御するフォークエンコーダ57は
前記スプール11の停止すべき三領域にスプール11を停止
制御させるように構成され、これはセグメントパターン
57c(前述した第2図参照)の角度位置が第1実施例の
場合と異なるだけなので、図示は省略する。そして、パ
トローネ10の装填を阻止する装填阻止ピンについては、
第4実施例と同様に、カメラ40Aの場合は、パトローネ
室41内のパトローネ10装填時に窓部24aが通過する部分
に装填阻止ピン44がばね44aで付勢されて設けられてい
る。一方、カメラ40Bの場合は窓部24bが通過する部分に
装填阻止ピン45のみがばね45aが付勢されて設けられて
いる。
そして、この実施例でのパトローネ10とカメラ40A,40
Bは、以上のように構成されているので、上述した第4
実施例と全く同様に作用するうえに、「1」,「2」,
「3」の各領域の角度を第4実施例より大きく取れるの
で、巻戻終了時のスプール11の停止位置制御がラフでよ
く有利である。
ここで、上述した第4,5実施例では、カメラ40A,40B側
の装填阻止手段としてピンを用いているが、前述した第
3実施例のようなレバーとしてもよいことは勿論であ
る。
なお、本発明は上述した実施例構造に限定されず、パ
トローネ10の形式等を始めとする各部の形状、構造等
を、適宜変形、変更することは自由で、種々の変形例が
考えられる。
たとえば上述した実施例では、フィルムの繰出し、巻
戻しをスプールの回転によって行なえる特殊形式のフィ
ルムパトローネ10およびこれを装填可能な装置として例
示したカメラ40A,40Bに、本発明を適用した場合を説明
したが、これに限定されず、一般的な35mmロールフィル
ム用パトローネであっても適用して効果を発揮すること
ができる。
また、上記した実施例では、フィルムの使用状態の識
別表示(14a,14b,14c)を三通りとした場合について説
明したが、本発明はこれに限定されず、少なくとも二通
りの識別表示(未撮影であるか、撮影済みであるかの表
示)を行えるように構成すればよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように第1の発明に係るフィルムパトロ
ーネによれば、駆動機構によってスプールを巻き戻した
とき、指示手段がフィルムの使用状態に応じた識別表示
手段を指示するようにスプールを停止させるので、フィ
ルムパトローネ内のフィルムが未撮影、途中取出しまた
は撮影済みであるかをフィルムパトローネの外表面に確
実に表示することができる。また、前記指示手段を位置
決めした状態を保持する保持手段を備えているので、表
示手段による表示位置がずれて誤った状態の表示を行う
おそれがなく、フィルム管理を適切に行なうことができ
る。
第2の発明によれば、保持手段はフィルムパトローネ
を装置に未装填の状態で、保持手段による指示手段を保
持し、装填した状態で保持を解除する。
第3の発明によれば、フィルムパトローネを装填可能
な装置のパトローネ室に収容するにあたって、フィルム
が撮影済みの状態においては、装填阻止手段が切欠きに
係合することで、撮影済みのフィルムパトローネの再装
填を阻止する。したがって、従来のように撮影済みのフ
ィルムパトローネを装填した場合の二重露光を確実に防
止することができる。一方、フィルムが未撮影の場合に
は、スプールの一部が切欠きを塞ぎ、装填阻止手段を切
欠きから退避させているのでフィルムパトローネの装置
への装填を可能にする。
第4の発明に係るフィルムパトローネを装填可能な装
置によれば、スプールを巻き戻するとき、判断手段によ
ってフィルムが未撮影状態であると判断された場合と撮
影済み状態であると判断された場合とに応じて、その状
態に応じた識別表示手段を指示手段が指示する位置に前
記スプールを停止させるため、簡単な構成であるにもか
かわらず、上述した第1の発明が有する作用効果を発揮
させることができる。
特に、本発明によれば、表示手段としてパトローネの
スプールを利用するとともに、その駆動手段としてフィ
ルムパトローネを装填可能な装置の巻戻し駆動系を用い
るという既存の構成で所要の効果を達成でき、特別な構
成を必要としないという利点がある。
また、フィルムの撮影状態の指示表示をパトローネと
これを装填可能な装置側の駆動機構、判断手段によって
自動的に達成しているため、操作者は何ら特別な操作を
行なう必要もない。
第5の発明に係るフィルムパトローネを装填可能な装
置によれば、フィルムが撮影済み状態であるときは、フ
ィルムパトローネの装填過程において該フィルムパトロ
ーネの切欠き部と係合することにより、前記フィルムパ
トローネの装填を阻止する装填阻止手段を備えているの
で、撮影済みのフィルムパトローネの再装填動作を確実
に阻止することができ、二重露光を確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b),(c)は本発明に係るフィルム
パトローネの第1実施例を示すフィルム使用状態表示機
能を説明するための概略平面図、第2図はフィルムパト
ローネとカメラ(フィルムパトローネを装填可能な装
置)側のフィルム巻戻し機構部との関係を示す概略斜視
図、第3図はパトローネとカメラ(フィルムパトローネ
を装填可能な装置)側のパトローネ室の一部を示す概略
分解斜視図、第4図および第5図はパトローネの縦断面
図および別の方向からの要部断面図(第6図のIV−IV
線、V−V線断面図)、第6図および第7図は第4図に
おけるVI−VI線、VII−VII線断面図、第8図はカメラ
(フィルムパトローネを装填可能な装置)側のスプール
駆動装置およびその制御装置を示すブロック図、第9図
はフィルムの使用状態を判断する手順を示すフローチャ
ート、第10図は各種状態のパトローネと二種類のカメラ
(フィルムパトローネを装填可能な装置)における装填
阻止手段を示す概略分解斜視図、第11図(a),(b)
は装填阻止手段の働きを説明するための概略図、第12図
はフォークエンコーダの簡略化した変形例を示す概略斜
視図、第13図および第14図(a),(b)はフォークの
スプールへの係合構造の変形例を示す概略分解斜視図お
よびその係合状態を説明するための図、第15図(a),
(b)はスプール位置を検出して停止制御するための変
形例を示す図、第16図は本発明の第2実施例を示す概略
分解斜視図、第17図はその概略縦断面図(第20図のQ−
Q線断面図)、第18図および第19図はその動作状態を説
明するための概略縦断面図、第20図は第17図のP−P線
断面図、第21図および第22図は本発明の第3実施例を示
す前記第6図および第7図に相当する概略図、第23図な
いし第25図は第22図におけるR1−R1線、R2−R2線、R3−
R3線で断面して示す係合面部の概略断面図、第26図およ
び第27図はパトローネの装填阻止手段およびその動作状
態を示す要部断面図、第28図(a),(b),(c)は
本発明の第4実施例を示すフィルム使用状態表示機能を
説明するためのフィルムパトローネの概略平面図、第29
図および第30図はこの第4実施例での前述した第6図お
よび第7図に相当する概略図、第31図(a),(b),
(c)ないし第33図は本発明の第5実施例を示すフィル
ム使用状態表示機能を説明するパトローネの概略平面図
および前述した第6図および第7図に相当する概略図で
ある。 10……フィルムパトローネ、11……スプール、14a,14b,
14c……識別表示記号、15……キー(指示手段)、16…
…リング、16b……係止突起、16c,16d,16e,16f……係止
突起、17……係止輪、17a……爪部、23a……斜面、23b
……非斜面、23c,23d,23g,23j……斜面、23e,23f,23h,2
3k……非斜面、24a,24b……窓部、40A,40B……カメラ
(フィルムパトローネを装填可能な装置)、41……パト
ローネ室、42……規制解除ピン、44,45……装填阻止ピ
ン、50……スプール駆動装置、51……制御装置、52……
フォーク、62……係合部、62a……指示手段、80……円
弧状ばね手段、82……規制解除機能を有する装填阻止レ
バー、83……第2の装填阻止レバー、91,92……阻止レ
バー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−121027(JP,A) 特開 平3−177835(JP,A) 特開 平3−168731(JP,A) 特開 平3−155545(JP,A) 特開 平3−6546(JP,A) 実開 平1−135441(JP,U) 実開 昭55−8929(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムをスプールに巻付けて収納すると
    ともに、装置に装填されて使用する際に、スプールの回
    転によってフイルムの送出、巻戻しが可能なフイルムパ
    トローネにおいて、 前記フィルムパトローネが前記装置に装填されて使用さ
    れた際の、前記フイルムを未撮影の状態、前記フィルム
    を途中まで露光して巻戻した途中取り出し状態、前記フ
    ィルムを撮影済みの状態のいずれかを表す前記フィルム
    の使用状態を識別表示するための複数の識別表示手段を
    外表面に備えるとともに、 前記複数の識別表示手段の一つを指示することによって
    前記使用状態を表示する指示手段を前記スプールに一体
    に設けてなり、 前記フィルムパトローネが装填された装置が備える駆動
    機構によって前記巻き戻しの際に回転する前記スプール
    を、前記巻き戻し完了時に前記指示手段が前記装置によ
    って検出した使用状態に応じた識別表示手段を指示する
    位置に停止可能に構成し、前記指示手段を位置決めした
    状態を保持する保持手段を備えることを特徴とするフィ
    ルムパトローネ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフィルムパトローネにおい
    て、 前記保持手段は、前記フィルムパトローネを前記装置に
    未装填の状態で前記スリーブの回転軸周りの前記指示手
    段の位置を保持し、前記装置に装填した状態で前記保持
    を解除可能とすることを特徴とするフィルムパトロー
    ネ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のフィルムパトロー
    ネにおいて、 前記指示手段が位置決めされる前記回転軸周りの位置の
    一部に対応する前記フィルムパトローネ外表部に切欠き
    を設けるとともに、前記スプールは、前記指示手段が前
    記未撮影状態を示す回転軸周りの位置に位置決めされた
    場合に前記切欠きに位置することにより該切欠きを塞
    ぎ、前記装置が備える前記フィルムパトローネの装填を
    阻止する装填阻止手段を前記切欠きに位置したスプール
    の一部によって無効な状態に退避操作し、前記指示手段
    が前記撮影済み状態を示す回転軸周りの位置に位置決め
    された場合に前記切欠きを前記スプールの一部を塞がな
    いようにして前記装填阻止手段が前記切欠きに係合可能
    とする形状を有することを特徴とするフィルムパトロー
    ネ。
  4. 【請求項4】フィルムが巻付けられるとともに、回転す
    ることによって該フィルムの送出、巻戻しを行うスプー
    ルと、前記フイルムを未撮影の状態、前記フィルムを途
    中まで露光して巻戻した途中取り出し状態、前記フィル
    ムを撮影済みの状態のいずれかを表す前記フィルムの使
    用状態を識別表示するための複数の識別表示手段を外表
    面に備えるとともに、前記スプールに一体に設けられ、
    前記複数の識別表示手段の一つを指示することによって
    前記使用状態を表示する指示手段とを有するフィルムパ
    トローネを装填可能な装置であって、 前記フィルムパトローネを収容するパトローネ室と、 収容したフイルムパトローネの前記スプールを回転させ
    て前記指示手段を一体的に回動させる駆動機構と、 前記駆動機構を制御する制御手段と、 前記フィルムの使用状態を判断する判断手段と、 を備え、 前記駆動機構は、前記判断手段によって前記フィルムが
    未撮影状態であると判断された場合と撮影済み状態であ
    ると判断された場合とに応じて、その状態に応じた識別
    表示手段を指示する位置に前記指示手段を前記スプール
    の巻き戻し完了時に停止させるように駆動制御されるこ
    とを特徴とするフィルムパトローネを装填可能な装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のフィルムパトローネを装填
    可能な装置において、 前記フィルムパトローネは、前記指示手段が位置決めさ
    れる回転軸周りの位置の一部に対応する前記フィルムパ
    トローネの外表部に切欠きが設けられており、 前記フィルムが未撮影状態であるときは、前記切欠きの
    部分に位置する指示手段の一部によって退避させられる
    ことによって前記フィルムの装填を許容し、前記フィル
    ムが撮影済み状態であるときは、前記フィルムパトロー
    ネの装填過程において該フィルムパトローネの切欠き部
    と係合することにより、前記フィルムパトローネの装填
    を阻止する装填阻止手段を備えたことを特徴とするフィ
    ルムパトローネを装填可能な装置。
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