JP3321732B2 - 真空浸炭方法およびこれを実施する浸炭炉 - Google Patents

真空浸炭方法およびこれを実施する浸炭炉

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JP3321732B2
JP3321732B2 JP2000056594A JP2000056594A JP3321732B2 JP 3321732 B2 JP3321732 B2 JP 3321732B2 JP 2000056594 A JP2000056594 A JP 2000056594A JP 2000056594 A JP2000056594 A JP 2000056594A JP 3321732 B2 JP3321732 B2 JP 3321732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空浸炭方法およ
びこの真空浸炭方法を実施する浸炭炉に関する。
【0002】なお、本明細書において「ガス浸炭」と
は、大気圧下で行われるガス浸炭を意味し、「真空浸
炭」とは減圧下で行われるガス浸炭を意味するものとす
る。
【0003】
【従来の技術】従来の浸炭炉として図6に記載のものが
ある。
【0004】この浸炭炉は、真空浸炭を行うためのもの
であり、浸炭炉は真空容器(51)と、真空容器(51)内にお
いて高純度セラミックファイバにより形成された壁によ
り囲われた浸炭室(52)と、浸炭室(52)と隣り合って設け
られた油槽室(53)と、ダイアフラムの変位量を機械的に
検知する方式の真空計(54)とを備えたものであり、図示
は省略したが真空容器(51)の壁および浸炭室(52)の壁を
貫通して先端が浸炭室(52)内に位置したガス導入管によ
り真空浸炭用ガスが浸炭室(52)内部に導入されるように
なっている。
【0005】そして浸炭室(52)内の圧力が真空計(54)に
より検出され、この検出値に基づき浸炭室(52)内の圧力
が所定の値に調整されるようになっている。この例では
浸炭用ガスとしてアセチレンガスが用いられる。他にエ
チレンガスを用いる真空浸炭方法も公知である。本発明
は浸炭用ガスとしてエチレンガスを用いる方法および装
置に関するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の浸炭炉およ
び真空浸炭方法においては、浸炭が行われることによ
り、炉内で分解、生成したガスと真空浸炭用ガスとの混
合ガスの全圧力を絶対圧で計測していることになる。
【0007】ところで、浸炭プロセスにおいては煤の発
生を抑える等の目的でより高い精度でプロセスの経過と
ともに必要度に応じた量のエチレンを浸炭室に供給する
ことが望ましい。このような観点から、発明者らはエチ
レンを用いた浸炭プロセス中の系内のガス分子の挙動を
四重極質量分析計によりモニタしていたところ、次のこ
とが分かった。すなわち、浸炭プロセスにおいては、終
期に比べて初期に多くのエチレン分子を必要とするが、
従来の装置では浸炭室内の全圧力の絶対圧を計測してい
るために、浸炭室内におけるエチレンの量を制御するこ
とができなかった。実際に、圧力60〜70Torrで実験
を行ったところ、従来の装置においては浸炭初期に対し
終期にはエチレンの検出値が2倍程度まで増加し、プロ
セスが要求するのと反対の経過をたどっていることが分
かった。
【0008】本発明の目的は、上記課題を解決した、エ
チレンと水素を真空浸炭用ガスとして用いたときに、浸
炭室内におけるエチレン分子の数が浸炭の初期から終期
にかけて実質的に増加しない、煤の発生が少なく、大容
量のパッチ内の浸炭ばらつきを極めて小さく抑えること
のできる優れた真空浸炭方法およびこの方法を実施する
浸炭炉を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するために本発明の真空浸炭方法は、エチレン
ガスと水素ガスとを含む真空浸炭用ガスを浸炭室に給気
するととともに給気された真空浸炭用ガスを排気する真
空浸炭方法において、エチレンガスの分子数の増減を検
知する増減検知手段により検知されたエチレンガスの分
子数に基づいて、浸炭の初期から終期にかけて浸炭室内
のエチレン分子数を実質的に一定にすることを特徴とす
るものである。
【0010】この方法によれば、多くの炭素供給源を必
要とする浸炭の初期には十分なエチレンが存在して浸炭
ばらつきを少なくできると同時に、より少ない炭素供給
源でよい終期には、エチレンの分子数が増加しないの
で、煤の発生を抑えることができる。
【0011】また、本発明の浸炭炉は、内部にてワーク
を浸炭処理する浸炭室と、エチレンガスと水素ガスとを
含む真空浸炭用ガスを浸炭室内のワークに上方から供給
する真空浸炭用ガス給気手段と、浸炭室内のガスをワー
クの下方から吸い出す真空排気手段とを備えた浸炭炉に
おいて、エチレンガスの分子数の増減を検知する増減検
知手段と増減検知手段により検知されたエチレンガスの
分子数の増減に基づいて浸炭室から排気される真空浸炭
用ガスの排気量を調整する排気量調整手段とを有し、真
空浸炭用ガス給気手段が、真空浸炭用ガスをワークに均
一に分散させて給気するためのガス分散手段を有し、真
空排気手段が、浸炭用ガスを均一に排気するための複数
の真空排気口に分岐接続されていることを特徴とするも
のである。
【0012】この浸炭炉においては上記の方法を容易に
実施できる。また、浸炭用ガスがワークの周面全域にわ
たって均一に分散されて給気され、複数の排気兼真空引
管をほぼ等しい量のガスが流れるようにして排気される
ので複数の処理品を炉内における異なる位置に配しても
均一に浸炭処理された高い品質の処理品が得られる。
【0013】なお、増減検知手段には水晶式真空計を用
いることが好ましい。水晶式真空計とは、水晶振動子の
共振インピーダンスが圧力に応じて変化するという現象
を利用して圧力を測定するものであるが、エチレンガス
と水素を含む真空浸炭用ガスを炉内に導入し、同時に排
気しながらこの真空計を用いて圧力制御して真空浸炭処
理したところ、エチレンの分子数が浸炭プロセス中にお
いて実質的に一定に保たれ、所要の好結果が再現性よく
得られ、量産に適していることが分かった。その原理に
ついては現在解明中である。
【0014】上記の炉において、ガス分散手段が、ガス
分散手段が、浸炭室を貫通してワークの上方までのびる
水平状ガス導入管と、導入管から分岐状に設けられてい
るとともに周壁下部に軸方向に間隔をおいて複数のガス
吹出孔があけられている1または2以上の先端閉鎖水平
状ガス分岐管とを備えていることがある。
【0015】上記の炉によれば真空浸炭用ガス給気手段
の構成が簡易となり装置が安価になる。
【0016】また、浸炭室の壁が、断熱性材料とこれの
外側を覆う気密性材料により形成され、ガス浸炭用ガス
を浸炭室内に供給するガス浸炭用ガス給気手段と、ガス
浸炭用ガスを排気するガス浸炭用ガス排気手段と、浸炭
室内上部に設けられた攪拌ファンとを備えていることこ
とがある。
【0017】この炉においては真空浸炭だけでなくガス
浸炭をも行うことができる。
【0018】さらに、ガス分散手段を、浸炭室の壁を上
方から貫通した回転自在な垂直状ガス導入管と、ガス導
入管の下端から放射状に伸びかつ周壁下部に軸方向に間
隔をおいて複数のガス吹出孔があけられている複数の先
端閉鎖水平状ガス分岐管とにより構成してもよい。
【0019】このようにしても真空浸炭用ガス給気手段
の構成を簡易化することができ装置が安価になる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0021】図1および図2は本発明における第1の実
施形態の真空浸炭炉を示したものである。
【0022】炉(1)は、壁(w)が断熱性材料とこれの外側
を覆う金属板により形成された浸炭室(2)と、浸炭室(2)
に隣り合って設けられた油槽室(3)と、浸炭室(2)に真空
浸炭用ガスを供給する真空浸炭用ガス給気経路(4)と、
真空浸炭時において浸炭室(2)内の真空浸炭用ガスを排
気する際および浸炭室(2)内を真空引きする際に用いら
れる真空排気経路(6)と、水晶式真空計(33)と、圧力調
節計(34)およびモータバルブ(32)とからなる排気量調整
手段(7)とを備えている。なお、図示は省略したが、浸
炭炉(1)には、外部から油槽室(3)にワークを搬入および
油槽室(3)から外部にワークを搬出する公知の搬入出装
置と油槽室(3)から浸炭室(2)にワークを搬入および浸炭
室(2)から油槽室(3)にワークを搬出する公知の搬入出装
置とが設けられている。
【0023】浸炭室(2)は、扉(2a)によって開閉される
ワーク搬入出口によって油槽室(3)と連通し、油槽室(3)
には扉(3a)によって開閉されるワーク搬入出口が形成さ
れている。また、浸炭室(2)内には複数のラジアントチ
ューブヒータ(12)が配置され、浸炭室(2)内が所定の温
度まで昇温されるようになっている。
【0024】さらに、浸炭室(2)には復圧用窒素ガス供
給管(24)が接続され、一方油槽室(3)には真空ポンプ(1
5)および復圧用窒素ガス供給管(16)が接続されている。
なお、浸炭室(2)と油槽室(3)とは内部の圧力を同一にす
ることができるように配管(25)により接続されている。
なお、壁(w)の断熱性材料は、セラミックファイバを真
空圧縮成形したものであり、ガスの浸透が防止されるよ
うになっている。
【0025】真空浸炭用ガス給気経路(4)は、浸炭室(2)
に浸炭ガスとしてエチレンと水素との混合ガスを供給す
るものであり、浸炭室(2)の上壁を貫通した垂直状ガス
導入管(10)と、ガス導入管(10)の下端から放射状に伸び
た複数の水平状ガス分岐管(11)とを備えている。図示は
省略したが、ガス分岐管(11)の周壁下部には軸方向に間
隔を置いて複数のガス吹出孔があけられている。
【0026】導入管(10)は、上流側が分岐した接続管(1
8)にロータリジョイント(17)を介して接続されている。
そして、導入管(10)はこれの上端に接続された駆動機(1
3)、例えば電動モータにより垂直軸周りに回転するよう
になっている。接続管(18)の分岐側端部にはエチレンボ
ンベ(8)および水素ボンベ(9)が接続されている。接続管
(18)の分岐部分におけるボンベ(8)(9)の下流側にはレギ
ュレータ(20)(21)が設けられている。なお、図示は省略
したが分岐部分には流量計等も配されている。分岐して
いない部分にはガス導入弁(23)が配されている。
【0027】真空排気経路(6)は、浸炭室(2)の底面に開
口した複数の真空排気口を備えたマニフォルド(26)を備
えている。マニフォルド(26)の真空排気口は、真空浸炭
を行うさいなど、ガスを排気するときに各真空排気口を
流れるガスの量が等しくなるように、前後左右に所定の
間隔を置いて2列に配されている。
【0028】マニフォルド(26)は、水平状ガス導出管(2
7)に接続されている。ガス導出管(27)は、途中で2経路
に分岐した配管を介して真空ポンプ(28)に接続されてい
る。配管における分岐部分の一方には大真空弁(30)が、
他方には小真空弁(31)とモータバルブ(32)が配されてい
る。
【0029】水晶式真空計(33)は、圧力調節計(34)に接
続され、圧力調節計(34)には前述のモータバルブ(32)が
接続されている。なお、圧力調節計(34)およびモータバ
ルブ(32)は公知のものであり詳細な説明は省略する。
【0030】なお、上記の炉(1)において、浸炭室(2)内
の有効空間の上端と分岐管(11)との間隔は100〜15
0mm程度が好ましい。また分岐管(11)のガス吹出口の
口径は3mm程度、ピッチは32〜53mmがよい。ま
た、マニフォルド(26)の真空排気口は有効空間の下方
に、10個程度形成するのが好ましい。
【0031】さらに好ましくは2列5個ずつに並べる。
またマニフォルド(26)の管径は20mm程度が好まし
い。
【0032】上記のように構成された炉(1)においては
以下のようにして真空浸炭処理が行われる。なお以下の
圧力値は、特に記載がある場合を除き、いずれも炉(1)
内の実際の絶対圧である。
【0033】浸炭室(2)内を処理温度(通常930〜1
050°)まで昇温する。同時に浸炭室(2)内を真空ポ
ンプ(28)によって真空引(通常1Torr(133.32Pa)以
下)しておく。なお、この際大真空弁(30)があけられ小
真空弁(31)は閉じられている。一方、油槽室(3)内には
復圧用窒素ガス供給管(16)から窒素ガスが供給されて油
槽室(3)内の圧力は大気圧となされている。
【0034】そして、扉(3a)をあけて油槽室(3)内にワ
ークを搬入したのち、扉(3a)を閉じる。つぎに油槽室
(3)内を真空ポンプ(15)によって真空引(通常1Torr(13
3.32Pa)以下)し、油槽室(3)と浸炭室(2)とを配管(25)
により同圧にする。
【0035】油槽室(3)と浸炭室(2)とを同圧にした後、
扉(2a)をあけて浸炭室(2)内にワークを搬入し、扉(2a)
を閉じて浸炭室(2)内が処理温度に復温するのを待つ。
復温後は所定時間(通常40分以上)浸炭室(2)内にて
ワークを保持して予熱する。なお、この際油槽室(3)を
600Torr(79992Pa)程度まで復圧しておく。
【0036】予熱完了後、真空浸炭用ガス導入弁(23)を
あけて浸炭室(2)内に真空浸炭用ガスを供給する。この
際レギュレータ(20)(21)により供給される真空浸炭用ガ
スの圧力が750Torr(0.1MPa)程度になるように調整
されている。
【0037】真空浸炭用ガス供給時にはガス導入管(10)
は、駆動機(13)により垂直軸周りに回転させられてお
り、ワークの上方で分岐管(11)が回転しながら真空浸炭
用ガスを供給しかつ供給した真空浸炭用ガスをワークに
均一に分散して真空浸炭用ガスが給気されるようになっ
ている。
【0038】また、壁(w)の内張はガスバリア性材料で
あるので浸炭用ガスが壁に浸透する量はごくわずかであ
るため浸透室(2)内に供給された浸炭用ガスは有効に浸
炭に用いられて煤化することがない。
【0039】一方真空浸炭用ガスが供給されているさい
は、大真空弁(30)を閉じ、小真空弁(31)を開け、浸炭室
(2)内のガスを排気する。この際真空計(33)により浸炭
室(2)内の圧力が測定され、圧力調節計(34)によってモ
ータバルブ(32)の開度が調整され、浸炭室(2)から排気
されるガスの量が調整される。
【0040】例えば、真空計(33)により測定された圧力
が50Torrである場合に浸炭室(2)に給気された真空浸炭
用ガスと同量のガスが浸炭室(2)から排気されるように
排気量を定める。そして、真空計(33)により測定された
測定値の変化に応じてガスの排気量が変化して浸炭室
(2)内のエチレンの分子数が実質的に一定に保たれる。
この際浸炭室(2)内の実際の圧力は排気量の変化に伴い
変化するが、通常、25〜65Torr(3333〜8665.8Pa)
に保たれる。なお、エチレンの分子数がわずかに減少す
るようにしてもよい。
【0041】所定時間の浸炭が行われた後は、小真空弁
(31)を閉じ大真空弁(30)を開き真空ポンプ(28)によって
浸炭室(2)内を真空引し、拡散処理を行う。拡散処理終
了後は、ワークを焼入温度まで降温、均熱する。この後
大真空弁(30)を閉じて浸炭室(2)に復圧用窒素ガス供給
管(24)から窒素を供給し600Torr(79992Pa)に復圧し
た後、浸炭室(2)と油槽室(3)とを同圧にし、浸炭室(2)
から油槽室(3)にワークを搬出して油槽室(3)にて焼入を
行う。
【0042】以下に、グロス240kgの被処理物を搭
載したバスケット内の炉(1)内において高さ方向および
炉(1)の長さ方向に異なる位置に配置された5つの試料
(SCM420H2製)を1Torr(133.32Pa)、950℃にて予
熱100分、50Torr(6666Pa)、950℃にて浸炭7
0分、1Torr(133.32Pa)、950℃にて拡散50分、1
Torr(133.32Pa)、850℃にて均熱30分の処理をそ
れぞれ行い、600Torr(79992Pa)にて焼入した後16
0℃にて焼戻90分を行った結果の各試料の表面硬度、
硬化層深さおよび表面炭素濃度を示す表を図3に示す。
なお、給気の際のエチレンガスの流量は10L/min
であり、水素の流量は5L/minである。
【0043】この図から各試料の表面硬度、硬化層深さ
および表面炭素濃度はほぼ均一であることが分かり、こ
の炉(1)により高い品質で真空浸炭が行えることが分か
る。また、壁(w)の内側を形成する断熱材料がセラミッ
クファイバを真空圧縮成型して形成されているので浸炭
用ガスがほとんど染みいることがなく、浸炭室に給気さ
れた浸炭用ガスが有効に浸炭に用いられるとともに浸炭
用ガス圧力の制御が容易になる。
【0044】つぎに図4および図5を参照して本発明に
おける第2の実施形態の炉(40)について説明する。第1
の実施形態の炉(1)と同一部分および対応する部分につ
いては同一の符号を付けて説明は省略する。
【0045】炉(40)は、真空浸炭用ガス給気手段(41)が
第1の実施形態の炉(1)と異なるとともにガス浸炭をも
実施しうるようにしたものである。
【0046】真空浸炭用ガス給気手段(41)は、浸炭室の
垂直壁を側方から貫通してワークの上方までのびるとと
もに互いに対向するように設けられた第1および第2水
平状ガス導入管(43)(44)と、第1導入管(43)から第2導
入管(44)側に向かって伸びるとともに周壁下部に軸方向
に間隔をおいて複数のガス吹出孔(図示略)があけられ
ている複数の先端閉鎖水平状第1導入管側ガス分岐管(4
5)と、第2導入管(44)から第1導入管(43)側に向かって
かつ第1導入管側ガス分岐管(45)と交互に位置するよう
に伸びるとともに周壁下部に軸方向に間隔をおいて複数
のガス吹出孔(図示略)があけられている複数の先端閉
鎖水平状第2導入管側ガス分岐管(46)とを備えている。
また、炉(40)は、浸炭室内上部に設けられた攪拌ファン
(42)と、浸炭室(2)にガス浸炭用ガスを供給するガス浸
炭用ガス給気経路(5)と、ガス浸炭時においてガス浸炭
用ガスを排気するガス浸炭用ガス排気管(35)とを備えて
いるものである。
【0047】この真空浸炭用ガス給気手段(41)において
も真空浸炭用ガスはワークの周面全域にわたって均一に
供給される。また、真空浸炭を行う手順は第1の実施形
態の炉(1)と変わるところはない。なお、この実施例の
浸炭炉(40)においてはガス浸炭も可能とするためガス浸
炭用ガス給気経路(5)およびガス浸炭用ガス排気管(35)
の他に炉内雰囲気を攪拌するためのファン(42)が設置さ
れ、ガス浸炭を実施することができる。
【0048】ガス浸炭を行う際は、浸炭室(2)内に窒素
ガス供給管(24)によって窒素ガスを供給して浸炭室(2)
内を復圧する。この後、ガス浸炭用ガス給気経路(5)か
ら窒素ガスを供給する。浸炭室(2)内の圧力が大気圧以
上にまで上昇するとガス浸炭用ガス排気管(35)から窒素
ガスが排出される。所定時間浸炭室(2)内のパージが行
われると、ガス浸炭用ガス給気経路(5)から導入される
ガスが吸熱形炉気に切り替えて導入される。
【0049】浸炭室(2)の容積の3〜7倍以上の浸炭用
ガスを流した後、浸炭室(2)内に処理品が搬入されて浸
炭処理が行われる。ガス浸炭中の処理手順は従来のガス
浸炭専用の浸炭炉における手順と変わるところはなく詳
細な説明は省略する。
【0050】なお、上記の炉(40)においても、第1の実
施形態の炉(1)と同様、有効空間の上端と分岐管(45)(4
6)との間隔は100〜150mm程度が好ましい。また
分岐管(45)(46)のガス吹出口の口径も3mm程度、ピッ
チも32〜53mmがよい。
【0051】上記の実施形態の炉(1)(40)においては加
熱装置としてラジアントチューブヒータが用いられてい
るが、加熱装置はこれに限られるものではなく、処理条
件等に応じ、適当な加熱装置を用いればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における浸炭炉の概略
図である。
【図2】同浸炭炉の要部の平面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)は、同浸炭炉において真空浸炭
した複数の試料の表面硬度、硬化層深さ、表面炭素濃度
を比較した結果を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における浸炭炉の要部
の概略図である。
【図5】同浸炭炉における図2相当の図である。
【図6】従来の浸炭炉の概略図である。
【符号の説明】
(1)(40) 浸炭炉 (2) 浸炭室 (4)(41) 真空浸炭用ガス給気手段 (5) ガス浸炭用ガス給気手段 (6) 真空排気手段 (7) 排気量調整手段 (10) 垂直状ガス導入管 (11) 水平状ガス分岐管 (26) 複数の真空排気口を備えたマニフォルド (32) 排気量調整手段(モータバルブ) (33) 増減検知手段(水晶式真空計) (34) 排気量調整手段(圧力調節計) (35) ガス浸炭用ガス排気管 (42) 攪拌ファン (43)(44) 第1、第2ガス導入管 (45)(46) 第1ガス導入管側、第2ガス導入管側ガス分
岐管 (w) 浸炭室の壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−336469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 8/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンガスと水素ガスとを含む真空浸
    炭用ガスを浸炭室に給気するととともに給気された真空
    浸炭用ガスを排気する真空浸炭方法において、エチレンガスの分子数の増減を検知する増減検知手段に
    より検知されたエチレンガスの分子数に基づいて、 浸炭
    の初期から終期にかけて浸炭室内のエチレン分子数を実
    質的に一定にすることを特徴とする真空浸炭方法。
  2. 【請求項2】 内部にてワークを浸炭処理する浸炭室
    と、エチレンガスと水素ガスとを含む真空浸炭用ガスを
    浸炭室内のワークに上方から供給する真空浸炭用ガス給
    気手段と、浸炭室内のガスをワークの下方から吸い出す
    真空排気手段とを備えた浸炭炉において、 エチレンガスの分子数の増減を検知する増減検知手段と
    増減検知手段により検知されたエチレンガスの分子数の
    増減に基づいて浸炭室から排気される真空浸炭用ガスの
    排気量を調整する排気量調整手段とを有し、 真空浸炭用ガス給気手段が、真空浸炭用ガスをワークに
    均一に分散させて給気するためのガス分散手段を有し、 真空排気手段が、浸炭用ガスを均一に排気するための複
    数の真空排気口に分岐接続されていることを特徴とする
    浸炭炉。
  3. 【請求項3】 ガス分散手段が、浸炭室を貫通してワー
    クの上方までのびる水平状ガス導入管と、導入管から分
    岐状に設けられているとともに周壁下部に軸方向に間隔
    をおいて複数のガス吹出孔があけられている1または2
    以上の先端閉鎖水平状ガス分岐管とを備えていることを
    特徴とする請求項2記載の浸炭炉。
  4. 【請求項4】浸炭室の壁が、断熱性材料とこれの外側を
    覆う気密性材料により形成され、 ガス浸炭用ガスを浸炭室内に供給するガス浸炭用ガス給
    気手段と、ガス浸炭用ガスを排気するガス浸炭用ガス排
    気手段と、浸炭室内上部に設けられた攪拌ファンとを備
    えていることを特徴とする請求項2または3に記載の浸
    炭炉。
  5. 【請求項5】 ガス分散手段が、浸炭室の壁を上方から
    貫通した回転自在な垂直状ガス導入管と、ガス導入管の
    下端から放射状に伸びかつ周壁下部に軸方向に間隔をお
    いて複数のガス吹出孔があけられている複数の先端閉鎖
    水平状ガス分岐管とを備えていることを特徴とする請求
    項2記載の浸炭炉。
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