JPWO2019111591A1 - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

熱処理装置(1)は、被処理物(W)を加熱する加熱室(K)と、冷却油(Y)が貯留される油槽(32)が設けられ、加熱室で加熱された被処理物を冷却油に浸漬させて冷却する冷却室(R)と、冷却室を所定の減圧圧力とする減圧部(5)と、を備え、減圧圧力において被処理物を冷却油に浸漬させる。

Description

本開示は、熱処理装置に関する。
本願は、2017年12月6日に日本に出願された特願2017−234578号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
焼入れ等の熱処理を行う熱処理装置では、被処理物を冷却するために、冷却油が貯留された油槽に被処理物を浸漬させる。例えば、特許文献1には、シャフト部品(被処理物)の熱処理装置が開示されている。特許文献1における熱処理装置においては、被処理物を効率的かつ均一に冷却するため、油槽中にアジテータを設け、油槽内の冷却油を循環させている。
日本国特開2014−162933号公報
しかしながら、例えばモリブデンを含有しない炭素鋼のように冷却性(焼入れ性)の悪い素材製の被処理物においては、従来の手法による冷却では、被処理物を急速に冷却することができず、被処理物の硬度を高めることができない場合がある。
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、被処理物の硬度を従来よりも高めることを目的とする。
本開示の一態様の熱処理装置は、被処理物を加熱する加熱室と、冷却油が貯留される油槽が設けられ、上記加熱室で加熱された上記被処理物を上記冷却油に浸漬させて冷却する冷却室と、上記冷却室を所定の減圧圧力とする減圧部と、を備え、上記減圧圧力において上記被処理物を上記冷却油に浸漬させる。
上記一態様の熱処理装置において、上記減圧部は、上記被処理物の材料組成に応じて上記減圧圧力を設定してもよい。
上記一態様の熱処理装置において、上記加熱室と上記冷却室とを区画する密閉扉をさらに備え、上記加熱室及び上記冷却室を上記減圧圧力に設定した状態において上記密閉扉を開放することにより、上記被処理物を上記加熱室から上記冷却室に移動させて上記冷却油に浸漬させてもよい。
上記一態様の熱処理装置において、上記減圧部は、冷却の前後における上記被処理物の温度差が大きくなるように上記減圧圧力を設定してもよい。
上記一態様の熱処理装置において、上記減圧部は、上記減圧圧力を30kPa以下に設定してもよい。
上記一態様の熱処理装置において、上記冷却油中に流れを形成する流れ形成部をさらに備えていてもよい。
上記一態様の熱処理装置において、上記流れ形成部は、上記油槽の底部に配置され、気体を上方に向けて噴射する噴射ノズルを備えていてもよい。
本開示によれば、減圧下で被処理物を冷却油に浸漬させる、つまり冷却油の沸点を常圧よりも下げた状態で被処理物を冷却油に浸漬させるので、冷却の前後における被処理物の温度差を大きくすることが可能である。この結果として、被処理物の冷却速度を常圧の場合よりも速くすることが可能となり、以って被処理物の組織構造を微細化させて被処理物の硬度を高めることができる。
本開示の一実施形態に係る熱処理装置の全体を示す側断面図である。 本開示の一実施形態における油面圧と冷却油の冷却曲線との相関を示している。 本開示の一実施形態における油面圧と被処理物の冷却曲線との相関を示している。 本開示の一実施形態における油槽の中央側(油槽の各側壁から離れた位置)に配置された被処理物の各油面圧下における硬度を示すグラフである。 本開示の一実施形態における油槽の外側(油槽の各側壁近傍の位置)に配置された被処理物の各油面圧下における硬度を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本開示の一実施形態に係る熱処理装置1について説明する。
本実施形態に係る熱処理装置1は、被処理物Wに焼入れ処理を施す装置であり、加熱部2、油冷部3(冷却部)、搬送装置4、真空ポンプ5及び、2つの開閉弁6A,6B(制御弁)を備えている。熱処理装置1は、加熱部2で加熱した被処理物Wを油冷部3で冷却することにより、被処理物Wをマルテンサイト変態させる。
被処理物Wは、鋼材等の金属で形成された各種の部品(金属部品)である。被処理物Wは、所定形状の搬送トレーTに収容された状態で熱処理装置1内に取り込まれて焼入れ処理される。
加熱部2は、加熱チャンバ20、クラッチ式密閉扉21、断熱部材22、発熱体23及び載置台24等を備えている。加熱チャンバ20は、略円筒形に形状設定されると共に中心軸線が水平方向となるように横置きされた容器である。加熱チャンバ20の一端にクラッチ式密閉扉21が設けられている。クラッチ式密閉扉21が閉じられることによって加熱チャンバ20の内部空間が密閉状態となり、クラッチ式密閉扉21が開放されることによって加熱チャンバ20の内部空間が開放される。
クラッチ式密閉扉21は、加熱部2と油冷部3との境界に存在する中間開閉扉であり、加熱部2の内部空間と油冷部3の内部空間(油冷室R)とを隔離あるいは連通させる。クラッチ式密閉扉21は、図示しない制御装置によって開閉動作が制御される。
断熱部材22は、加熱部2の内部に収容された略直方体状の中空部材である。すなわち、断熱部材22は、所定サイズの平板状断熱材を直方体状に組み上げることにより中空状かつ直方体状に形成されている。なお、断熱部材22において、クラッチ式密閉扉21に対峙する平板状断熱材は、クラッチ式密閉扉21に支持されており、クラッチ式密閉扉21の開閉に応じて断熱部材22の内部空間を開放/閉鎖する。
発熱体23は、断熱部材22内に設けられた棒状部材である。複数の発熱体23が、断熱部材22の上部及び下部に所定間隔を空けて設けられている。発熱体23は、セラミックスヒータあるいはグラファイト製のグラファイトヒータ等の電気ヒータであり、図示しない電源から電力が給電されることにより発熱する。なお、発熱体23への給電は、上述した制御装置によって制御される。
載置台24は、断熱部材22内の下部において、下部の発熱体23の上方に設けられている。載置台24は、アルミナ等のセラミックス材(断熱材)から形成されており、被処理物Wが載置される支持台である。なお、発熱体23及び載置台24が備えられた断熱部材22の内部空間は、被処理物Wを加熱するための加熱室Kである。
油冷部3は、冷却チャンバ30、搬出入扉31、油槽32、昇降装置33、複数の噴射ノズル34及び不活性ガス供給装置35等を備えている。冷却チャンバ30は、上述した加熱チャンバ20に隣接して設けられた容器であり、冷却チャンバ30の内部空間が油冷室R(冷却室)である。油冷室Rは、上述したクラッチ式密閉扉21によって加熱チャンバ20の内部空間と隔離あるいは連通している。
搬出入扉31は、被処理物Wを油冷室Rに搬入及び油冷室Rから搬出するための開閉扉である。すなわち、搬出入扉31は、図示するように、冷却チャンバ30においてクラッチ式密閉扉21と対向する位置に設けられており、搬送装置4との協働によって被処理物Wを油冷室Rに搬入あるいは油冷室Rから搬出させる。搬出入扉31は、上述した制御装置によって制御される。
油槽32は、油冷室Rの下部に設けられた容器であり、所定量の冷却油Yを貯留する。油槽32は、昇降装置33の昇降が自在となるように上部が解放されている。油槽32では、昇降装置33の降下によって被処理物Wが冷却油Yに浸漬されて冷却され、また昇降装置33の上昇によって冷却済みの被処理物Wが冷却油Yから引き上げられて冷却が停止される。
昇降装置33は、油冷室Rにおいて被処理物Wが載置される昇降台36を上下に昇降させる。昇降装置33は、昇降台36を降下させることによって被処理物Wを油槽32内の冷却油Yに対して浸漬状態とし、昇降台36を上昇させることによって被処理物Wを冷却油Yに対して非浸漬状態とする。昇降装置33は、上述した制御装置によって制御される。
複数の噴射ノズル34は、油槽32の底部近傍において、水平方向に所定距離を空けて離散配置されている。各噴射ノズル34は、不活性ガス供給装置35から供給された不活性ガス(圧縮ガス)を油槽32の底部近傍から上方に向けて噴射する。すなわち、冷却油Yに浸漬された被処理物Wに不活性ガスが下方から噴き付けられると共に、不活性ガスの噴射によって冷却油Yに上下方向の対流が発生する。
不活性ガス供給装置35は、噴射ノズル34に不活性ガス(圧縮ガス)を供給する。不活性ガス供給装置35は、例えば不活性ガスの一種である窒素ガスを噴射ノズル34に供給する。不活性ガスは、加熱室Kで高温に加熱された被処理物Wに接触しても、被処理物Wを構成する材料と化学反応を起こさないガスである。なお、不活性ガス供給装置35は、上述した制御装置によって制御される。
ここで、複数の噴射ノズル34及び不活性ガス供給装置35は、冷却油Y中に流れを形成するものであり、本開示の流れ形成部を構成している。すなわち、流れ形成部は、油槽32の底部近傍に配置され、不活性ガス(気体)を上方に向けて噴射する複数の噴射ノズル34を備える。
搬送装置4は、被処理物Wを油冷室Rと加熱室Kとの間で搬送する。すなわち、搬送装置4は、油冷室Rに設けられ、搬出入扉31を介して油冷室Rに搬入された被処理物Wを昇降装置33の載置台を経由して加熱室Kに移動させると共に、加熱室Kの被処理物Wを昇降装置33の載置台上に移動させる。搬送装置4は、上述した制御装置によって制御される。
真空ポンプ5は、油冷室R及び加熱室Kを減圧して第1の減圧圧力あるいは第2の減圧圧力とする減圧部である。真空ポンプ5は、開閉弁6Aを介して加熱室Kに接続され、また開閉弁6Bを介して油冷室Rに接続されている。第1の減圧圧力は、加熱室Kにおける被処理物Wの加熱に適した真空圧であり、また第2の減圧圧力は、油冷室Rにおける被処理物Wの冷却に適した真空圧である。
特に、第2の減圧圧力は、油槽32における冷却油Yの沸点を常圧よりも下げるためのものであり、本開示における減圧圧力に相当する。第2の減圧圧力は、例えば10kPaである。
2つの開閉弁6A,6Bのうち、一方の開閉弁6Aは、真空ポンプ5と加熱チャンバ20とを接続する配管に設けられ、他方の開閉弁6Bは、真空ポンプ5と冷却チャンバ30とを接続する配管に設けられている。一方の開閉弁6Aは、真空ポンプ5と加熱室Kとを接続あるいは遮断する制御弁であり、他方の開閉弁6Bは、真空ポンプ5と油冷室Rとを接続あるいは遮断する制御弁である。開閉弁6A,6Bは、上述した制御装置によって制御される。
次に、本実施形態に係る熱処理装置1の動作及び作用効果について詳しく説明する。
まず、搬送トレーTに収容された被処理物Wは、搬出入扉31を介して油冷室R内に取り込まれて上昇状態にある昇降台36上に載置される。被処理物Wが昇降台36上に載置されると、搬出入扉31が閉鎖され、油冷室Rが密閉状態になる。
この密閉状態において真空ポンプ5及びクラッチ式密閉扉21が作動することにより、油冷室R及び加熱室Kが連通状態に設定されると共に第1の減圧圧力に設定される。搬送装置4が作動することにより昇降台36上の被処理物Wが昇降台36上から加熱室Kの載置台24上に搬送される。
続いて、クラッチ式密閉扉21が閉鎖状態となり、加熱室Kが密閉状態となる。この密閉状態において発熱体23に電力が供給されることによって、被処理物Wは、所定の加熱プロファイルに従って1000℃程度の高温まで加熱される。被処理物Wの加熱処理が完了すると、真空ポンプ5が作動することにより油冷室R及び加熱室Kが第2の減圧圧力に設定される。この結果、油冷室Rにおける冷却油Yの沸点は、常圧よりも下がることになる。
このような状態において、クラッチ式密閉扉21が開放状態となり、また搬送装置4が作動することにより、被処理物Wは油冷室Rの昇降台36上に搬送される。すなわち、本実施形態では、油冷室R及び加熱室Kが何れも第2の減圧圧力に設定された状態で、クラッチ式密閉扉21が開放されて、被処理物Wが加熱室Kから油冷室Rに移動する。
続いて、油冷室Rでは、不活性ガス供給装置35が作動することによって複数の噴射ノズル34から不活性ガスが油槽32の冷却油Y内に噴出し、この噴出状態において、昇降台36が降下することによって油槽32内の冷却油Yに被処理物Wが浸漬される。被処理物Wは、所定時間に亘って冷却油Yに浸漬されることによって、例えば表面温度が200℃程度に低下するまで冷却される。
ここで、このような冷却処理における冷却油Yは、油冷室Rが減圧圧力(第2の減圧圧力)、例えば10kPaに設定されているので、沸点が常温よりも低下した状態、つまり常温よりも気化し易い状態にある。
図2は、冷却油Yの油面圧つまり油冷室Rの減圧圧力を101kPa、40kPa、13kPa、6.7kPaに設定した場合における冷却油Yの冷却曲線を示している。図2に示すように、冷却油Yは、油面圧(減圧圧力)が低いほど、初期(0秒〜10秒)の冷却速度が遅く、かつ中期以降(10秒以降)の温度低下が大きい特性を有している。
図3は、冷却油Yの油面圧を70kPa、10kPaに設定した場合における被処理物Wの冷却曲線を示している。なお、図2及び図3の冷却曲線を取得する際に用いた被処理物Wは、炭素鋼(S45C)である。炭素鋼(S45C)は、モリブデンを含有せず、クロムの含有量が他の炭素鋼SCM440等と比較して少ないため、一般的に焼入れ性の低い炭素鋼である。
冷却油Yの油面圧が低い状態に設定されて被処理物Wの冷却処理が行われると、図3に破線で示すように、冷却開始から20秒程度までの冷却曲線が緩やかとなると共に、後半の冷却曲線が急峻となる。これは、冷却油Yの油面圧が減圧状態であり、冷却油Yの沸点が低下するため、冷却油Yと被処理物Wとの温度差が大きくなるためである。
図4Aは、油槽32の中央側(油槽32の各側壁から離れた位置)に配置された被処理物Wの各油面圧下における硬度を示すグラフであり、図4Bは、油槽32の外側(油槽32の各側壁近傍の位置)に配置された被処理物Wの各油面圧下における硬度を示すグラフである。
図4A、4Bに示すように、油槽32内における位置によりバラツキがあるものの、油面圧を減少させるほど、被処理物Wの硬度が高くなることがわかる。
表1は、各油面圧下における被処理物Wの表面硬度を示している。表1に示すように、被処理物Wの表面硬度は、油面圧が低いほどより高くなることがわかる。さらに、油冷室Rの外側に配置された被処理物Wについては、油面圧が300hPa(30kPa)以下の場合に表面硬度が顕著に高くなっている。したがって、油面圧を30kPa以下とすることにより、被処理物Wの硬度を高めることができる。
Figure 2019111591
本実施形態によれば、油冷室Rを所定の減圧圧力とする真空ポンプ5(減圧部)を備え、所定の減圧圧力において被処理物Wを冷却油Yに浸漬させる、つまり冷却の前後における被処理物Wの温度差が大きくなるように減圧圧力を設定して被処理物Wを冷却油Yに浸漬させる。したがって、被処理物Wの組織の結晶を微細化させることができ、この結果として被処理物Wの硬度を高めることができる。
また、本実施形態によれば、油槽32がクラッチ式密閉扉21によって加熱室Kと区画された油冷室Rに備えられ、加熱室K及び油冷室Rを所定の減圧圧力に設定した状態においてクラッチ式密閉扉21を開放することにより、被処理物Wを加熱室Kから油冷室Rに移動させて冷却油Yに浸漬させる。つまり被処理物Wを冷却油Yに浸漬させる際の被処理物Wの移動時に被処理物Wの雰囲気圧力が変化しないので、例えば上記移動時における被処理物Wの表面の変質を抑制あるいは防止することができる。
さらに、本実施形態によれば、減圧圧力を10kPaに設定するので、被処理物Wの組織の結晶をより効果的に微細化することが可能であり、この結果として表1に示すように、被処理物Wの硬度をより効果的に高めることができる。
また、冷却油Yは、噴射ノズル34によって不活性ガスが下部から上部に向けて噴射された状態にあると共に上下方向に対流している状態にある。不活性ガスは、冷却油Y内において無数の気泡となり、一部が被処理物Wの表面に付着する。被処理物Wの冷却初期においては、被処理物Wの熱により被処理物Wの表面に気化した冷却油Yの気体膜が形成される。この気体膜に対して不活性ガス供給装置35から噴射された気泡が付着し、気泡が気体膜を伴って浮上することで、気体膜が破壊される。したがって、本実施形態によれば、不活性ガスの気泡が被処理物Wの表面に形成された気体膜を素早く除去するので、冷却初期段階における被処理物Wの冷却を早めることができる。
以上、図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の趣旨から逸脱しない範囲において種々変更可能である。
(1)上記実施形態においては、被処理物W(S45C)を焼入れ処理する場合に真空ポンプ5を用いて油冷室Rを所定の減圧圧力、例えば10kPaに設定したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、油冷室Rを所定の減圧圧力とすることと焼入れ性との関係は、被処理物Wの材料組成あるいは/及び冷却油Yの組成に応じて異なることが容易に想定されるので、減圧圧力は、被処理物Wの材料組成あるいは/及び冷却油Yの組成に応じて適宜設定されるべきである。これによれば、材料組成が異なる被処理物W毎により効果的な熱処理を施すことが可能である。
(2)上記実施形態においては、油面圧を10kPaまで減圧したが、本開示はこれに限定されず、油面圧を30kPaまで減圧してもよい。
(3)上記実施形態においては、不活性ガス供給装置35により油槽32内の冷却油Yの流れを形成したが、本開示はこれに限定されない。例えば、油槽32内にアジテータを設け、アジテータにより冷却油Yを撹拌してもよい。
(4)上記実施形態においては、焼入れ性の悪い素材の一例として、S45Cを挙げているが、本開示は上記素材に限定されるものではなく、他の焼入れ性の悪い素材についても適用可能である。
本開示によれば、被処理物の硬度を高めることができる。
1 熱処理装置
K 加熱室
R 油冷室(冷却室)
Y 冷却油
2 加熱部
20 加熱チャンバ
21 クラッチ式密閉扉
22 断熱部材
23 発熱体
24 載置台
3 油冷部(冷却部)
30 冷却チャンバ
31 搬出入扉
32 油槽
33 昇降装置
34 噴射ノズル
35 不活性ガス供給装置
36 昇降台
4 搬送装置
5 真空ポンプ(減圧部)
6A,6B 開閉弁

Claims (7)

  1. 被処理物を加熱する加熱室と、
    冷却油が貯留される油槽が設けられ、前記加熱室で加熱された前記被処理物を前記冷却油に浸漬させて冷却する冷却室と、
    前記冷却室を所定の減圧圧力とする減圧部と、
    を備え、
    前記減圧圧力において前記被処理物を前記冷却油に浸漬させる熱処理装置。
  2. 前記減圧部は、前記被処理物の材料組成に応じて前記減圧圧力を設定する請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記加熱室と前記冷却室とを区画する密閉扉をさらに備え、
    前記加熱室及び前記冷却室を前記減圧圧力に設定した状態において前記密閉扉を開放することにより、前記被処理物を前記加熱室から前記冷却室に移動させて前記冷却油に浸漬させる請求項1または2に記載の熱処理装置。
  4. 前記減圧部は、冷却の前後における前記被処理物の温度差が大きくなるように前記減圧圧力を設定する請求項1〜3の何れか一項に記載の熱処理装置。
  5. 前記減圧部は、前記減圧圧力を30kPa以下に設定する請求項1〜4の何れか一項に記載の熱処理装置。
  6. 前記冷却油中に流れを形成する流れ形成部をさらに備える請求項1〜5の何れか一項に記載の熱処理装置。
  7. 前記流れ形成部は、前記油槽の底部に配置され、気体を上方に向けて噴射する噴射ノズルを備える請求項6に記載の熱処理装置。
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