JP3321385B2 - 撹拌造粒装置及びその羽根車 - Google Patents

撹拌造粒装置及びその羽根車

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JP3321385B2
JP3321385B2 JP12908897A JP12908897A JP3321385B2 JP 3321385 B2 JP3321385 B2 JP 3321385B2 JP 12908897 A JP12908897 A JP 12908897A JP 12908897 A JP12908897 A JP 12908897A JP 3321385 B2 JP3321385 B2 JP 3321385B2
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章 岩田
昌男 中野
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深江パウテック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撹拌槽内にて粉体
や液体の原料を撹拌し、造粒ないし混練・乳化・表面コ
ーティング・乾燥などを行う撹拌造粒装置及びその装置
に装着する羽根車に関する。
【0002】
【従来技術】図11は上記撹拌造粒装置の一例を示す一
部破断正面図であり、この撹拌造粒装置80は、図11
に示すように撹拌槽81の底壁82からシールハウジン
グ83を一段盛り上げて形成してあり、そのシールハウ
ジング83から駆動軸84の上端部を突出してある。そ
の突出した駆動軸84の上端部に羽根車85が取り付け
られ、羽根車85には複数の羽根86が一体成形あるい
はボルトなどにより固着してある。羽根86は進行によ
って材料を跳ね上げるように傾けた跳ね上げ面を有して
いる。撹拌槽81の内側壁には、造粒の仕上がりをそろ
えるためのチョッパー羽根87が設けてある。
【0003】羽根車85はVベルトプーリ79、あるい
はその他の手段により回転駆動され、撹拌槽81の底壁
82と所定の小さな隙間Sを有した状態で回転する。撹
拌槽81内に投入された粉体などの被加工材料は、羽根
車85の回転により、回転しながら遠心力により撹拌槽
81の径方向に移動するとともに、各羽根86の跳ね上
げ面によって跳ね上げられる。このように旋回運動と跳
ね上げ運動する被加工材料は撹拌槽81に供給されるバ
インダー液によって適当な大きさに凝集しつつ、チョッ
パー羽根87によって剪断され、時間の経過とともに所
定の大きさの粒径に造粒される。
【0004】このような撹拌造粒装置は上記造粒作業の
みならず、材料の混練・乳化・表面コーティング・乾燥
などの処理作業にも使用することができる。これら処理
作業を行う場合において、最良の製品出来栄えを得るた
めの調整手段として、従来から羽根の周速度すなわち羽
根車85の回転数を変化させることが行われている。し
かし、回転数の変化だけでは調整が十分でないことも多
い。したがって、更なる調整手段として羽根86の跳ね
上げ面を羽根車85に対し固定的ではなく、外部から任
意の跳ね上げ角度に変化させることが可能な、いわゆる
可変ピッチ型とすることが強く望まれていた。
【0005】羽根86の角度、すなわちピッチを変化さ
せれば、同じ周速度(回転数)でも材料を跳ね上げる強さ
が変わり、材料の重さの変化等により良く対応でき、最
終製品の品質を向上できるわけである。一方、可変ピッ
チ型羽根車自体は、他の産業分野では従来から公知であ
る。例えば、図12に示す公知の船用可変ピッチプロペ
ラ(実開昭60−121998号公報)においては、クロ
スヘッド88の前後の油室P又は油室Qに圧油を供給し
てプロペラハブ89内のクロスヘッド88を前後に移動
させることにより、クランクリング90を回転させ、プ
ロペラ羽根91のピッチを変更できる構成となってい
る。つまり、前後方向にクロスヘッド88を移動させる
と、矢印94のようにプロペラ羽根91は回動動作を行
い、想像線92で示すように変化して、そのピッチを変
更することができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示す可変ピッチ型羽根車93を図11に示す撹拌造粒
装置80にそのまま適用するには解決が極めて困難な課
題があり、現在のところ、撹拌造粒装置80の羽根86
を可変ピッチ型にすることは実現されていない。その主
な理由は以下の通りである。 (1)まず、図11に示すような撹拌造粒装置80では羽
根86と底壁82との間に小さな隙間Sが必要であり、
この隙間Sはたとえ羽根86のピッチの方が変化しても
変化せずに保たれることが製品の品質を維持するために
必要である。これに対し、図12の公知例ではピッチの
変更によりプロペラ羽根91が羽根軸の回りにまわる
と、想像線92で示すようにプロペラハブ89を側面か
ら見た時のプロペラ羽根91のシルエットが太くなった
り痩せたりしてその幅が変化するため、プロペラ羽根9
1の近くに壁95を置いたときに上記隙間Sに相当する
壁95とプロペラ羽根91の隙間Spが大きく変化して
しまう問題がある。したがって、図12に示す可変ピッ
チ型羽根車93を図11に示した撹拌造粒装置80に適
用しても、所望の性能を得ることができないのである。
【0007】(2)また、図11に示す撹拌造粒装置80
では撹拌槽81を常時、水洗清掃するための水密上の理
由から駆動軸84のシールハウジング83が底壁82よ
り羽根85と同じ位の高さ位置まで盛り上がっている。
これに対し、図12の公知例ではこのシールハウジング
に相当する箇所には大きなピッチ変更機構が必要であ
る。つまり、図12の公知例の構成を撹拌造粒装置80
に適用しようとしても、干渉し合って羽根を取り付ける
ことができないのである。
【0008】
【発明の目的】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は上記課題を解決できる、撹拌造
粒装置及びその装置に使用する羽根車を提供することに
ある。具体的な目的の一例を示すと、以下の通りであ
る。 (a)撹拌槽の底壁と羽根の隙間を大きく変化させずに羽
根の跳ね上げ角度を変えることのできる撹拌造粒装置、
羽根車を提供する。 (b)運転中に羽根の跳ね上げ角度を変えることができる
撹拌造粒装置、羽根車を提供する。 (c)上記シールハウジング構造を備えた撹拌造粒装置に
おいても取付可能な、羽根の跳ね上げ角度を変えること
のできる羽根車を提供する。なお、上記に記載した以外
の発明の課題及びその解決手段は後述する発明の実施の
形態において詳しく説明する。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明を、例えば、
図1〜図9を参照して説明すれば、回転駆動される駆動
軸34を撹拌槽3の底壁4の中央部を貫通させて撹拌槽
3内に突出させ、その駆動軸34の先端部に羽根固定基
部8を設け、その羽根固定基部8に取り付けられる羽根
12は、羽根12の進行によって材料を跳ね上げるよう
に傾けた跳ね上げ面14を有しており、撹拌槽3内で羽
根12を回転させることにより材料の造粒を行う撹拌造
粒装置において、羽根12は、跳ね上げ面14を支持す
る羽根軸16を備え、羽根固定基部8は羽根軸16を支
持する軸受手段20を備え、その軸受手段20は羽根軸
16を撹拌槽3の底壁4と平行に支持するとともに、羽
根軸16をその軸の回りに回動させることにより跳ね上
げ面14の跳ね上げ角度を変えられるように構成し、跳
ね上げ面14の前縁14aは直線であり、跳ね上げ面1
4の前縁14aは羽根軸16の軸線16aに対して平行
かつ偏位して形成してあり、羽根軸16の所定回動範囲
の回動動作によって跳ね上げ面14が底壁4と干渉しな
いように構成してあることを特徴とする。
【0010】なお、上記構成においては、羽根軸16の
回動動作によって跳ね上げ面14の前縁14aの描く軌
跡が、撹拌槽3の底壁4と平行に近い軌跡となるように
羽根軸16の前記所定回動範囲を設定することが好まし
い。第2の発明を、例えば、図1〜図9を参照して説明
すれば、 撹拌層3の外部から羽根軸16を自在に回動
させる伝達機構45を設けたことを特徴とする。第3の
発明を、例えば、図1〜図9を参照して説明すれば、駆
動軸34の回転により羽根12を撹拌槽3内で回転さ
せ、材料の造粒を行う撹拌造粒装置に使用される羽根車
において、羽根車11は、駆動軸34の先端部に設けた
羽根固定基部8と羽根12とから構成され、羽根12
は、羽根12の進行によって材料を跳ね上げるように傾
けた跳ね上げ面14と、その跳ね上げ面14を支持する
羽根軸16とを備え、羽根固定基部8は羽根軸16を支
持する軸受手段20を備え、その軸受手段20は羽根軸
16を撹拌槽3の底壁4と平行に支持するとともに、羽
根軸16をその軸の回りに回動させることにより跳ね上
げ面14の跳ね上げ角度を変えられるように構成してあ
り、跳ね上げ面14の前縁14aは直線であり、跳ね上
げ面14の前縁14aは羽根軸16の軸線16aに対し
て平行かつ偏位して形成してあることを特徴とする。
【0011】第4の発明を、例えば、図1〜図9を参照
して説明すれば、第1の発明である撹拌造粒装置又は第
3の発明である羽根車において、跳ね上げ面14の跳ね
上げ角度が羽根12の根本部から先端部へ行くに従って
小さくなるように跳ね上げ面14をその前縁14aを軸
としてねじるように変化させたことを特徴とする。な
お、羽根12は被加工材料に対して上記旋回運動と跳ね
上げ運動を行なわせるものであれば、その形状、材質は
問わない。跳ね上げ面14を支持する羽根軸16は、跳
ね上げ面14を直接支持してもよく、また、羽根アーム
15を介して支持してもよい。羽根固定基部8は、回動
軸34の先端部自体を羽根固定基部8として構成しても
よい。
【0012】跳ね上げ面14は、簡単には材料を跳ね上
げる板などで構成されるが、その形状、材質は問わな
い。軸受手段20は、撹拌造粒装置の運転時に羽根軸1
6が回動できるように羽根軸16を支持するものである
ことが好ましい。また、上記の記述において、跳ね上げ
面14の前縁14aが羽根軸16の軸線16aに対して
平行かつ偏位して形成してあるとは、両方の直線が平行
で所定距離で離隔して存在することを意味する。なお、
このように離隔する場合には、羽根軸16の回転中心O
から跳ね上げ面14の前縁14aが離れるほど隙間Sの
変動は少なくなるが、撹拌に伴う材料の抵抗が羽根軸1
6にもたらす回転力が大きくなる問題があるので適宜、
好ましい範囲を設定する。伝達機構45は羽根12を羽
根軸16の回りに沿って回動させるのに十分な強さのリ
ンク機構などで構成されることが好ましく、その動力手
段は、手動の他、必要に応じて電気的手段、油圧手段な
どで構成されることが好ましい。
【0013】
【発明の作用】第1の発明によれば、羽根軸16を撹拌
槽3の底壁4と平行に設定し、跳ね上げ面14の前縁1
4aは羽根軸16の軸線16aに対して平行かつ偏位し
て形成してあるので、羽根12の羽根軸16を回動させ
ても、跳ね上げ面14の前縁14aと撹拌槽3の底壁4
との隙間Sが図12に示す従来例のように大きく変化す
ることがなく、羽根12の跳ね上げ面14の跳ね上げ角
度を変えることができる。また、このように構成するこ
とにより、羽根12の取付部を撹拌槽3の底壁4から上
方に位置させることができ、シールハウジング構造を備
えた撹拌造粒装置においても取付可能となる。また、上
記構成において、羽根軸16の回動動作によって跳ね上
げ面14の前縁14aの描く軌跡が、撹拌槽3の底壁4
と平行に近い軌跡となるように羽根軸16の前記所定回
動範囲を設定することにより、羽根軸16の回動によっ
ても跳ね上げ面14と底壁4との隙間Sをほとんど変化
しないようにすることができる。
【0014】第2の発明によれば、撹拌槽3の外部から
羽根軸16を自在に回動させる伝達機構45を設けたこ
とにより、撹拌槽3の中で羽根12が回転している運転
中にも羽根軸16を回動させることができ、例えば造粒
制御において、回転数の変化とともに跳ね上げ角度も調
節することが可能となり、造粒などの処理作業において
精緻な制御を行うことができる。第3の発明によれば、
従来の羽根車を本発明の羽根車11に交換することによ
り、跳ね上げ面14の跳ね上げ角度を変えることが可能
になる。第4の発明によれば、羽根根本の勾配を大き
く、先端の勾配を小さく保ったまま、全体の跳ね上げ角
度を変えることが可能になる。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように、第1の発明であ
れば羽根の羽根軸を回動させても、跳ね上げ面の前縁と
撹拌槽の底壁との隙間大きく変化することがなく、羽根
の跳ね上げ面の跳ね上げ角度を変えて造形の制御を行な
うことができるという特有の効果を有する。第2の発明
であれば、運転中にも羽根軸を回動させることができる
ので、回転数の変化とともに跳ね上げ角度を調節するこ
とが可能となり、最終製品の造形の精度を高めることが
できるという特有の効果を有する。第3の発明であれ
ば、跳ね上げ面の跳ね上げ角度を変えて精緻な制御を行
なうことができる簡単な構成の羽根車を提供できるとい
う特有の効果を有する。第4の発明であれば、周速度の
小さい羽根根元部の跳ね上げ角度を大きく、周速度の大
きい羽根先端部の跳ね上げ角度を小さく保ったまま、全
体として跳ね上げ角度を調整できる効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の撹拌造粒装置及び
その羽根車について図面を参照しつつ説明する。図1は
撹拌造粒装置の一部縦断正面図、図2はその縦断側面
図、図3(A)は羽根車の一部横断平面図、図3(B)は羽
根車の変形図、図4は羽根の平面図である。この実施形
態に係る撹拌造粒装置1は、図1及び図2に示すように
所定の動力手段により回転駆動される中空駆動軸2を撹
拌槽3の底壁4の中央部を貫通させて撹拌槽3内に突出
させてある。底壁3の中央部には中空駆動軸2を支持す
る円筒状の軸受ハウジング5が設けてある。なお、この
実施形態では中空駆動軸2が前述の駆動軸34を構成す
る。
【0017】軸受ハウジング5の上端壁6は底壁4から
所定高さだけ円盤状に突出してある。その上端壁6の筒
穴7から中空駆動軸2の先端部が突出しており、その先
端部に羽根固定基部8が固着してある。中空駆動軸2は
軸受ハウジング5の軸受9により回転自在に支持してあ
る。軸受ハウジング5の筒穴7と中空駆動軸2との隙間
には材料が入り込まないようにシール部材10が設けて
あり、シールハウジング構造としてある。 図3に示す
ように羽根車11は、中空駆動軸2(図示せず)に取り
付けられる羽根固定基部8と、羽根固定基部8に固定さ
れる複数の羽根12とを有している。図3では120度
間隔で3個の羽根12が取り付けられた構成を示してい
る。図4及び図8(A)に示すように羽根12は、羽根
12の進行方向46につれて材料を跳ね上げるように傾
けた跳ね上げ面14と、跳ね上げ面14を基端側におい
て支持する羽根アーム15と、羽根アーム15から跳ね
上げ面14とは反対側に突設された羽根軸16と、羽根
軸16に固定された伝動アーム17とを備えている。
【0018】図3に示すように羽根固定基部8には、羽
根12の羽根軸16が回動して支承できるように、前記
軸受手段20としての複数の軸孔21が設けられ、その
軸孔21に外側から羽根軸16を差し込み、伝動アーム
17を固定することより羽根12を羽根固定基部8に取
り付けるようにしてある。また、羽根固定基部8に設け
られる軸孔21は、図5に示すように底壁4と平行に形
成してあるので、羽根軸16の軸線16aは底壁4と平
行になる。また、跳ね上げ面14の前縁14aと羽根軸
16の軸線16aとは平行に形成してあり、図5及び図
6(A)に示すように羽根軸16の軸線16aに対して
跳ね上げ面14の前縁14aは偏位して設けられてい
る。また、図6(A)及び図8(A)に示すように羽根
軸16の回転中心Oと跳ね上げ面14の前縁14aとの
距離Lは、羽根軸16の回転中心Oと底壁4との距離を
Xとした場合に、底壁4と所定最小隙間Sを得るための
距離に設定してある。
【0019】また、図1,図2に示すように、中空駆動
軸2の下端部にはプーリ22が外嵌固着され、プーリ2
2をベルト(図示せず)で回転させることにより中空駆
動軸2と羽根固定基部8を回転させるように構成してあ
る。さらに、中空駆動軸2には、筒の軸方向に昇降軸2
4が挿通され、その昇降軸24の先端部にはクロスヘッ
ド25が固定してある。クロスヘッド25の円周には前
述の連結リンク18が等間隔で3個、揺動自在に支持し
てある。連結リンク18の下端部には伝動アーム17の
端部と回動自在に係合する係合部19が形成してある。
係合部19には、例えば、図4において示すように連結
リンク18の下端部に開口26を設け、連結リンク18
を枢支部材27により伝動アーム17に回動自在に支持
する構造が取られる。このように構成すれば、連結リン
ク18を上下させると、伝動アーム17を介して羽根軸
11が回動して、羽根12の跳ね上げ面14が回動す
る。
【0020】また、図2に示すように昇降軸24の下端
部はスラスト軸受28によって支持され、中空駆動軸2
の回転によって、昇降軸24、クロスヘッド25も一緒
に回転できるように構成してある。スラスト軸受28は
図示しないピストンに固定してあり、そのピストンをシ
リンダに内嵌することにより、昇降軸24の昇降動作を
例えば油圧により外部から制御できるようにしてある。
なお、昇降軸24を上下動作させる動力手段は上記ピス
トン、シリンダの組み合わせ以外にも各種の公知の構成
が採用できる。
【0021】また、図2に示すように撹拌槽3の内側面
には、造粒の仕上がりをそろえるためのチョッパー羽根
47が設けられている。この実施形態では、昇降軸2
4、クロスヘッド25、連結リンク18で上記伝達機構
45を構成している。図5は羽根軸と跳ね上げ面との配
置の仕方を説明するための斜視図、図6(A)は図5にお
けるA−A矢視図、図6(B)は跳ね上げ面の前縁の軌跡
を説明するための図である。なお、図5において羽根軸
16、羽根アーム15及び跳ね上げ面14は簡便のため
模式的に描いている。図5に示すように羽根軸16の軸
線16aと撹拌槽3の底壁4とは平行に形成してあり、
羽根12の跳ね上げ面14は羽根軸16回りに回動して
所定位置で固定できるようにしてある。
【0022】図5に示す設定例では、羽根軸16から底
壁4に垂線31を下した投影線32上に跳ね上げ面14
の前縁14aが位置するように設定してある。そのと
き、跳ね上げ面14の前縁14aと底壁4とは最小隙間
Sとなるように設定してあり、図5及び図6(A)に示す
ように跳ね上げ面14と底壁4とは傾斜角度θ(=跳ね
上げ角度)をなすように設定してある。つまり、羽根軸
16の回転中心Oと底壁4との距離をXとし、羽根軸1
6の回転中心Oから跳ね上げ面14の前縁14aとの距
離をLとしたときに、 X=L+S となるようにXまたはLの値を設定してある。なお、羽
根軸16の直径をdとした場合(図8(A)参照)、L≧d
とする。
【0023】跳ね上げ面14の前縁14aが投影線32
と一致する状態から羽根軸16を時計回り方向に角度α
(図5参照)だけ回動させると跳ね上げ面14は後方位
置へ後退し、跳ね上げ面14と底壁4とは傾斜角度θ1
となる。また、羽根軸16を角度−α(図5参照)だけ
回動させると跳ね上げ面14は前方位置へ前進し、跳ね
上げ面14と底壁4とは傾斜角度θ2となる。ここで、
θ2<θ0<θ1である。このような角度αから角度−
αへの回動操作によって、前縁14aは底壁4から上下
するが、その変化はL(1−cosα)にすぎず、隙間S
はほとんど変化させずに、跳ね上げ面14の傾斜角度θ
を大きく変化させることができる。
【0024】なお、図5では跳ね上げ面14の前縁14
aが投影線32と一致する状態で説明したが、跳ね上げ
面14の前縁14aを投影線32と一致させず、図6
(B)に示すように羽根軸16の回動により跳ね上げ面1
4の前縁14aの描く軌跡線33が底壁4と略平行にな
るような領域を使用してもよい。なお、図6(B)の横軸
は底壁4の位置、縦軸は隙間Sの長さを示している。例
えば、前の設定例では、傾斜角度θ0の後側に傾斜角度
θ1に相当する前縁14aの位置48、傾斜角度θ2に
相当する前縁14aの位置49がくるように設定した
が、図6(B)において傾斜角度θ1の前後において、略
平行になる領域50を設定してもよい。つまり、設定す
る傾斜角度θ1における最小隙間をS1で設定した場
合、羽根軸34の回動に伴う隙間S1の変化が許容でき
る範囲内において、跳ね上げ面14の傾斜角度θを所望
の範囲において変えることができるならば、その設定の
仕方は特に限定されないのである。
【0025】但し、垂線31の位置に跳ね上げ面14の
前縁14aがくるように基準位置を設定すれば、隙間S
の変動が小さくなり、また、前後方向においてその誤差
が同じように出るので好ましいのである。また、図7は
羽根固定基部8の回転中心42と羽根軸16の軸孔21
の配置例を示した図であり、図7(A)に示すように回転
中心42から半径方向に放射状に軸孔21が形成されて
いる場合(図3に示す構成も同じ)に限らず、図7(B)
に示すような回転中心42を通らずに軸孔21が形成さ
れている場合も構成できる。なお、図3(B)は回転中心
42を通らずに軸孔21が設けられている変形例を示し
た図であり、羽根固定基部8の回転中心42から半径r
の円に接するように3個の軸孔21を等間隔で設けた構
成を示している。このような構成を採用する場合には羽
根の進行方向46において、羽根の根元が前側にあり、
羽根の先端が後側になるように軸孔21を設けることが
好ましい。
【0026】上記構成の撹拌造粒装置の動作について図
1〜図8に基づいて簡単に説明する。図8(A)(B)(C)
はそれぞれこの撹拌造粒装置の動作を説明するための羽
根の回動動作図である。図8(A)に示すように羽根12
の跳ね上げ面14の前縁14aの距離がSである状態か
ら、ピストン29を上方に駆動させると、昇降軸24が
上方に移動し、クロスヘッド25が上方に移動して連結
リンク18が上方に移動する。この動作により、図8
(B)に示すように伝動アーム17が上方に角度αだけ回
動し、跳ね上げ面14が回動後退して、跳ね上げ面14
が底壁4となす角度が大きくなり、跳ね上げの程度が大
きくなる。また、逆にピストン29を下方に駆動させる
と、クロスヘッド25が下方に移動して連結リンク18
が下方に移動する。この動作により、図8(C)に示すよ
うに伝動アーム17が下方に角度−αだけ回動し、跳ね
上げ面14が回動前進して、跳ね上げ面14が底壁4と
なす角度が小さくなり、跳ね上げの程度が小さくなる。
【0027】このようにこの実施形態であると、ピスト
ン29を油圧、モータなどにより上下動させることによ
り、羽根12の跳ね上げ面14の角度を外部から自動的
に調整することができ、羽根12が回転している動作中
に跳ね上げ角度を変えることができ、回転数の変化だけ
でなく、微妙な調整動作が可能になる利点がある。さら
に、この実施形態では伝達機構45を、撹拌槽3の底壁
4を貫通する昇降軸24を用いて構成しているので、撹
拌槽3への材料の出し入れに支障をきたすことがない。
【0028】
【第2実施形態】図9はこの発明の第2実施形態を説明
するための概略一部縦断正面図であり、この実施形態が
前記第1実施形態と異なる点は、Vベルトプーリ22か
ら直接ではなく、ホローシャフト出力軸型減速機52を
設け、その減速機52を通して中空駆動軸2を強力に駆
動するように構成した点である。この実施形態であれ
ば、中型、大型用の撹拌造粒装置に好適である。
【0029】
【第3実施形態】図10はこの発明の第3実施形態を説
明するための図であり、図10(A)は羽根固定基部の平
面図、図10(B)は羽根の正面図、図10(C)は羽根の
取付説明図である。この第3実施形態に係る発明は、図
11に示す従来の撹拌造粒装置80の構成を羽根固定基
部及び羽根の構成を除いてそのまま使用しており、駆動
軸に固定される羽根固定基部8と羽根12の構成に特徴
を有している。図10(B)に示すように羽根12の羽根
軸16の全周面あるいは一部周面には突条38が形成し
てあり、その突条38に対応して羽根固定基部8の受座
39及び固定部材40にスプライン状の凹条43が形成
してある。したがってスプラインの一つの突条38に対
応する角度を最小変化角度φとして、必要な数だけ、規
定の位置から羽根12を回して羽根固定基部8の受座3
9に羽根12を取り付けることにより、羽根12の跳ね
上げ面の角度を変えることができる。
【0030】この構成であると、1個ずつ羽根軸16を
所定の跳ね上げ角度(傾斜角度)に設定する手間はかかる
が、図10に示す羽根固定基部8及び羽根12を購入す
るだけで、従来の撹拌造粒装置にも適用が可能になる利
点がある。また、ユーザが使用する材料の用途、造粒の
種類に応じて、ユーザ自身が簡単に羽根12の跳ね上げ
角度を変えて試行錯誤を行うことが可能になる。このよ
うに試行錯誤できることにより、最も良い跳ね上げ角度
を予め設定した上で、運転中に羽根の回転数を変えるこ
とが可能になり、造粒の精度を高めることができる。
【0031】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、各発明の要旨を変更しない範囲内において種々
の設計変更を施すことが可能である。以下、そのような
実施形態を説明する。 (1)羽根軸16を回転させることにより、外部から跳ね
上げ面14の跳ね上げ角度を変えるための機構は、前記
実施形態に示した構成に限られるものではなく、歯車列
などを使用した構成など各種の構成が考えられることは
明らかである。 (2)前記実施形態において、羽根軸16の羽根固定基部
8への固定方法は各種考えられるが、回転運動に伴う剪
断力、遠心力に耐えて固定する方法であれば、特に限定
されない。 (3)羽根12の構成については、図3に示した3個の羽
根12を設ける構成のみならず、1個あるいは複数枚設
ける構成も可能である。また、羽根12の跳ね上げ面1
4の前縁14a以外の部分を曲面としたり、羽根12の
先端部を跳ね上げるように湾曲させることもできる。さ
らに、羽根12の羽根アーム15と羽根軸16とを一体
削り出しではなく組み合わせ式とすることもできる。ま
た、羽根軸16に伝動アーム17を固着させるのにキ
ー、スプライン、あるいはセレーションなどを用いても
よい。 (4)羽根固定基部8の軸孔に減摩ブッシュ、ころがり軸
受、軸シールを挿入してもよい。また、必要に応じて連
結リンク14を傾斜させてもよい。 (5)撹拌造粒装置の全体構成については、撹拌槽3の底
壁4からシールハウジング部が突出していない構成を採
用してもよく、チョッパー羽根47を省略してもよい。
さらに、本発明は、駆動軸34を傾斜ないし水平に配設
した撹拌造粒装置でも同様に適用できる。この場合は前
記実施形態で説明した底壁4が水平線に対して傾いた状
態になったり、垂直線と平行状態になったりする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る撹拌造粒装置の一部縦断正面図
である。
【図2】この発明に係る撹拌造粒装置の縦断側面図であ
る。
【図3】図3(A)は羽根車の一部横断平面図、図3(B)
は羽根車の変形図である。
【図4】羽根の平面図である。
【図5】羽根軸と跳ね上げ面との配置の仕方を説明する
ための斜視図である。
【図6】図6(A)は図5におけるA−A矢視図、図6
(B)は跳ね上げ面の前縁の軌跡線を説明するための図で
ある。
【図7】図7(A)(B)はそれぞれ羽根固定基部の回転中
心と羽根軸の軸孔の配置例を示した図である。
【図8】図8(A)(B)(C)はそれぞれこの撹拌造粒装置
の動作を説明するための羽根の回動動作図である。
【図9】この発明の第2実施形態を説明するための概略
一部縦断正面図である。
【図10】この発明の第3実施形態を説明するための図
であり、図10(A)は羽根固定基部の平面図、図10
(B)は羽根の正面図、図10(C)は羽根の取付説明図で
ある。
【図11】従来の撹拌造粒装置の縦断側面図である。
【図12】従来の船用可変ピッチプロペラを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
3…撹拌槽、4…底壁、8…羽根固定基部、12…羽
根、14…跳ね上げ面、14a…前縁、16…羽根軸、
16a…羽根軸の軸線、20…軸受手段、34…駆動
軸、45…伝達機構、O…羽根軸の回転中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−75703(JP,A) 特開 平2−160032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 2/10 B01F 7/16 - 7/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される駆動軸(34)を撹拌槽
    (3)の底壁(4)の中央部を貫通させて撹拌槽(3)内に突
    出させ、その駆動軸(34)の先端部に羽根固定基部(8)
    を設け、その羽根固定基部(8)に取り付けられる羽根
    (12)は、羽根(12)の進行によって材料を跳ね上げる
    ように傾けた跳ね上げ面(14)を有しており、撹拌槽
    (3)内で羽根(12)を回転させることにより材料の造粒
    を行う撹拌造粒装置において、 羽根(12)は、跳ね上げ面(14)を支持する羽根軸(1
    6)を備え、 羽根固定基部(8)は羽根軸(16)を支持する軸受手段
    (20)を備え、その軸受手段(20)は羽根軸(16)を撹
    拌槽(3)の底壁(4)と平行に支持するとともに、羽根軸
    (16)をその軸の回りに回動させることにより跳ね上げ
    面(14)の跳ね上げ角度を変えられるように構成し、 跳ね上げ面(14)の前縁(14a)は直線であり、跳ね上
    げ面(14)の前縁(14a)は羽根軸(16)の軸線(16
    a)に対して平行かつ偏位して形成してあり、羽根軸(1
    6)の所定回動範囲の回動動作によって跳ね上げ面(1
    4)が底壁(4)と干渉しないように構成してあることを
    特徴とする、撹拌造粒装置。
  2. 【請求項2】 撹拌層(3)の外部から羽根軸(16)を自
    在に回動させる伝達機構(45)を設けた、請求項1に記
    載の撹拌造粒装置。
  3. 【請求項3】 駆動軸(34)の回転により羽根(12)を
    撹拌槽(3)内で回転させ、材料の造粒を行う撹拌造粒装
    置に使用される羽根車において、 羽根車(11)は、駆動軸(34)の先端部に設けた羽根固
    定基部(8)と羽根(12)とから構成され、 羽根(12)は、羽根(12)の進行によって材料を跳ね上
    げるように傾けた跳ね上げ面(14)と、 その跳ね上げ面(14)を支持する羽根軸(16)とを備
    え、 羽根固定基部(8)は羽根軸(16)を支持する軸受手段
    (20)を備え、その軸受手段(20)は羽根軸(16)を撹
    拌槽(3)の底壁(4)と平行に支持するとともに、羽根軸
    (16)をその軸の回りに回動させることにより跳ね上げ
    面(14)の跳ね上げ角度を変えられるように構成してあ
    り、 跳ね上げ面(14)の前縁(14a)は直線であり、跳ね上
    げ面(14)の前縁(14a)は羽根軸(16)の軸線(16
    a)に対して平行かつ偏位して形成してあることを特徴
    とする、撹拌造粒装置の羽根車。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の撹拌造粒装置又は請求
    項3に記載の撹拌造粒装置の羽根車において、跳ね上げ
    面(14)の跳ね上げ角度が羽根(12)の根本部から先端
    部へ行くに従って小さくなるように跳ね上げ面(14)を
    その前縁(14a)を軸としてねじるように変化させたも
    の。
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