JP3319507B2 - ダイヤモンドウェハのチップ化方法 - Google Patents
ダイヤモンドウェハのチップ化方法Info
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Description
したウェハを素子ごとに切断してチップ化するチップ化
方法に関し、特に気相合成ダイヤモンド層を有する基板
上に形成された素子のチップ化方法に関する。
して、特開昭64−62911号公報、特開平3−19
8412号公報に開示されているダイヤモンドを利用し
た表面弾性波素子がある。
子は以下のようにして作成される。まず、シリコン(S
i)等の基板上に、気相合成によりダイヤモンド膜を形
成する。この気相合成ダイヤモンド膜の表面を研磨等に
より平滑にしたうえで、膜上に櫛形電極と圧電体薄膜を
形成することで複数の表面弾性波素子を一基板上に形成
する。以下、この複数の素子が形成された状態の基板を
単にウェハと呼ぶ。さらに、温度特性を向上させるため
SiO2膜を形成することもある。このようにして形成
されたウェハを表面弾性波素子1素子ごとに切断、分離
してチップ化し、パッケージに実装する。
ていない表面弾性波素子のチップ化工程では、ダイヤモ
ンドブレードを用いたダイシングにより切断・分離を行
っている。しかし、ダイヤモンド膜を有する表面弾性波
素子のチップ化をダイヤモンドブレードにより行おうと
すると、ダイヤモンドの共削りとなるため、安定した切
断を行うことができない。
方法が採用されていた。まず、図1(a)に示されるよ
うにダイヤモンド層2を有するSi基板1上に素子
31、32を形成してウェハ5を作成する。そして、同図
(b)に示されるように、素子31、32の間のダイヤモ
ンド層2に表面から例えばNd:YAGレーザを照射し
て、この部分のダイヤモンド層2を除去する。このダイ
ヤモンド層2の除去により生成された溝の底面4は、S
i基板1部分に達している。この後、この溝の底面4の
ほぼ中央部分にダイヤモンドブレードを当ててSi基板
1をダイシングにより切断することで素子31、32をチ
ップ化してチップ51、52を製作していた。
ヤモンド層2の除去時に、除去されたダイヤモンドが劣
化してグラファイト成分となり飛散して、素子31、32
上に付着し、素子31、32の特性が劣化してしまうこと
があった。また、この方法では、レーザ除去により形成
する溝の底面4の幅をダイシング時の切断幅の2倍程度
大きくする必要があり、安定したチップ化のためには、
素子31、32の間隔を広くとる必要があり、一枚のウェ
ハで多数の素子を製作することが困難だった。
モンド層を有する一枚のウェハに製作した多数の素子
を、性能を保持したまま良好に切断・分離することので
きるダイヤモンドウェハのチップ化方法を提供すること
を課題とする。
め、本発明のダイヤモンドウェハのチップ化方法は、基
板上に気相合成ダイヤモンド層と、この気相合成ダイヤ
モンド層上に形成された複数の素子とを有するダイヤモ
ンドウェハを、基板ごと一素子毎に切断してチップ化す
る方法であって、この基板のこれらの素子間に、素子形
成面と反対の面から、基板厚さより浅く、基板厚さの半
分より深い深さの溝を形成するハーフカット工程と、こ
の溝の底面にレーザを照射して、残りの基板と気相合成
ダイヤモンド層とをこの溝部分より細い幅で除去するこ
とにより一素子毎に切り離すフルカット工程と、を備え
ていることを特徴とする。
ト工程では、一般的な半導体基板等の切断方法を用い
て、基板の大部分を切断することにより、気相合成ダイ
ヤモンド層と基板との境界面近傍に達する深さの溝が形
成される。この溝部分の幅は次のフルカット工程で照射
するレーザのビーム幅より若干広ければ十分である。次
に、フルカット工程では、この溝の底面部分にレーザを
照射することにより、残りの基板と気相合成ダイヤモン
ド層とを除去して最終的に素子同士を切り離す。レーザ
照射は素子形成面の反対面から行われており、レーザ照
射により除去された成分は、素子形成面に達することは
ない。
レードを用いたダイシングにより行われることが好まし
い。ダイヤモンドブレードを用いてダイシングすること
によりウェハの基板が効果的に切断される。
Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、エキシマレ
ーザのうちのいずれかであることが好ましい。これらの
レーザは加工用レーザとして広く用いられており、高出
力かつビームの照射制御が容易である。
〜500μmであり、フルカット工程の切断幅は5μm
〜100μmであることが好ましい。これにより、切断
により失われる領域が少なくなる。
される基板の厚みは5μm〜200μmであることが好
ましい。これにより、レーザ切断時で除去すべき基板層
の厚みを減らすとともに、フルカット工程時に確実にダ
イヤモンド層へ溝が到達しないよう制御可能となる。
適な実施の形態について説明する。なお、図面中の寸
法、形状は説明のために誇張した部分があり、必ずしも
実際のものと一致しない。
工程図である。最初に、図1(a)に示されるように、
複数の素子31、32がSi基板1上のダイヤモンド層2
上に形成されたウェハ5を製作する。これは、以下の工
程により製作される。まず、厚さ約800μmの単結晶
Si基板1上に、気相合成により厚さ20μmのダイヤ
モンド層2を形成し、さらにその上に厚さ1μmのZn
O薄膜(圧電体薄膜)を形成する。そして、このZnO
薄膜上に、Al櫛形電極を形成して表面弾性波の波長が
6.4μmとなる表面弾性波素子である素子31、32を
形成するものである。
して形成されたウェハ5の素子31、32形成面の反対面
からダイヤモンドブレードを用いてSi基板1の素子3
1と32の中間をダイシングして、Si基板1の厚みの大
部分に達する深さの溝を形成する。これがハーフカット
工程である。Si基板1のダイシングによる切断は、確
立された技術であり、高精度で所望の幅、深さの溝を形
成することが可能である。
(c)に示されるように、ハーフカット工程で形成され
た溝の底面4に、Nd:YAGレーザビームを照射し
て、残りのSi基板1と、ダイヤモンド層2を除去し、
ウェハ5を素子ごとに切断して、素子のチップ51、52
を作成する。これがフルカット工程である。フルカット
工程時には、レーザを素子31、32形成面の裏側から照
射しているので、除去されたダイヤモンドが劣化してグ
ラファイト成分を生成し、このグラファイト成分が飛散
したとしても、素子31、32側に達することがなく、素
子31、32の性能劣化を防ぐことができる。また、フル
カット時、つまりダイヤモンド層2の切断幅は、従来例
のようにダイシング幅より広くする必要がないので、狭
くすることができ、その結果、素子31と32の間隔を狭
くして両者を接近させて配置することができる。このた
め、1枚のウェハ5上により多数の素子を配置すること
ができ、製作効率が向上する。
従来のチップ化方法により表面弾性波素子チップを作成
し、その特性を比較した。その結果を表1、表2を参照
して説明する。ここで、表1は、本発明のチップ化方法
により各種の条件で製作した表面弾性波素子の製作条件
と特性をまとめたものであり、表2は、従来のチップ化
方法により製作した表面弾性波素子の製作条件と特性を
まとめたものである。特性の比較は、1.8GHzにお
ける透過電力損失をウェハ状態とチップ化後のそれぞれ
において測定して比較した。
工程終了後に形成される溝の底面4と、基板1−ダイヤ
モンド層2境界面との距離を指す。そして、表1のハー
フカット幅が表2のダイシング切断幅に対応し、表1の
フルカット幅が表2のダイヤモンド除去幅に対応してい
る。
チップ化方法を用いた場合、いずれのケースでもチップ
化後の透過電力損失は、ウェハ状態での透過電力損失と
ほぼ等しく、チップ化による性能劣化はみられない。一
方、従来方法では、ウェハ状態に比べてチップ化後の透
過電力損失は3.1〜5.0dBも劣化している。特
に、本発明のチップ化方法では、従来よりダイヤモンド
層部分の切断幅を1/10以下にして、なおかつチップ
化された素子の特性を維持することができることが確認
された。
た切断を行い、かつ、切断時に除去されるダイヤモンド
層の量を減らすため5μm〜100μmとすることが好
ましい。また、ハーフカット工程時の切断幅は、少なく
ともフルカット工程時の切断幅より広い必要があるが、
さらに切断を精度良くかつ基板の除去量を減らすため3
0μm〜500μmとすることが好ましい。
シングにより行い、フルカット工程をNd:YAGレー
ザにより行う例を説明したが、本発明はこれに限られる
ものではない。ハーフカット工程には、その他の各種の
基板切断方法を用いることができる。また、フルカット
工程では、Nd:YLFレーザやエキシマレーザなどの
各種の加工用レーザを用いることが可能である。
素子を例に説明してきたが、素子はこれに限られるもの
ではなく、本発明は、ダイヤモンド層上に製作される各
種の素子のチップ化に適用可能である。
ば、ダイヤモンド層を有する基板のダイヤモンド層上に
形成された複数の素子を素子ごとに分離するチップ化方
法において、素子形成面の反対面から基板部分の大部分
を切断した後、この切断溝にレーザを照射してダイヤモ
ンド層を除去している。このため、切断部の幅を狭くす
ることができ、素子の集積度を上げることができる。ま
た、除去されたダイヤモンド成分が素子側に達すること
がないので、素子の性能劣化を防止できる。つまり、チ
ップ化に際して、良好な切断・分離が可能となる。
る。
…ウェハ、31、32…素子、51、52…チップ。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板上に気相合成ダイヤモンド層と、前
記気相合成ダイヤモンド層上に形成された複数の素子と
を有するダイヤモンドウェハを、基板ごと一素子毎に切
断してチップ化するダイヤモンドウェハのチップ化方法
において、 前記基板の前記素子間に、前記素子形成面と反対の面か
ら、前記基板厚さより浅く、前記基板厚さの半分より深
い深さの溝を形成するハーフカット工程と、 前記溝の底面にレーザを照射して、残りの前記基板と前
記気相合成ダイヤモンド層とを前記溝部分より細い幅で
除去することにより一素子毎に切り離すフルカット工程
と、 を備えているダイヤモンドウェハのチップ化方法。 - 【請求項2】 前記ハーフカット工程は、ダイヤモンド
ブレードを用いたダイシングにより行われることを特徴
とする請求項1記載のダイヤモンドウェハのチップ化方
法。 - 【請求項3】 前記フルカット工程で用いるレーザは、
Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、エキシマレ
ーザのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1
記載のダイヤモンドウェハのチップ化方法。 - 【請求項4】 前記ハーフカット工程の切断幅は30μ
m〜500μmであり、前記フルカット工程の切断幅は
5μm〜100μmであることを特徴とする請求項1記
載のダイヤモンドウェハのチップ化方法。 - 【請求項5】 前記ハーフカット工程終了時の前記溝部
分に残される前記基板の厚みは5μm〜200μmであ
ることを特徴とする請求項1記載のダイヤモンドウェハ
のチップ化方法。
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JP18271398A Expired - Fee Related JP3319507B2 (ja) | 1998-06-29 | 1998-06-29 | ダイヤモンドウェハのチップ化方法 |
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1998
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