JP3318372B2 - 蓄熱システム - Google Patents

蓄熱システム

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JP3318372B2 JP33297492A JP33297492A JP3318372B2 JP 3318372 B2 JP3318372 B2 JP 3318372B2 JP 33297492 A JP33297492 A JP 33297492A JP 33297492 A JP33297492 A JP 33297492A JP 3318372 B2 JP3318372 B2 JP 3318372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱効率及び氷の充填
効率を向上させることができる蓄熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、夜間電力を利用して冷熱源を蓄積
する蓄熱システムの一形態として、製氷機を利用したも
のがあり、同蓄熱装置は、氷を製造する製氷機と、熱源
としての氷水を蓄積する蓄熱槽と、製氷用冷媒を供給す
る冷凍機とからなり、蓄熱槽中に氷として蓄え、そし
て、昼間において、蓄熱槽からの冷水をエアーコンデシ
ョナ等に送って、その冷水によってビル等における空調
を行うようにしていた。
【0003】かかる蓄熱装置は、水を製氷機の製氷板に
供給しながら同製氷板に、冷凍機からの製氷用冷媒を送
り、その冷媒によって同製氷板を冷却して、その表面で
水を凍らせるようにしていた。そして、製氷板で形成さ
れた氷は、蓄熱槽内において、冷熱として蓄熱されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の蓄熱シ
ステムは、以下のような課題を有していた。即ち、冷凍
機からの冷媒を製氷板に供給して、同製氷板をその冷媒
で冷却し、同製氷板の表面において、散布する常温水を
凍らせていたが、常温水を直接的に製氷すると、蒸発温
度を低くして冷却することから、C.O.P(冷凍機の成績係
数) が低下して、製氷効率の向上を図ることができなか
った。
【0005】また、製氷板からの氷を蓄熱槽で溜める場
合、一定の大きさの塊としていたので、蓄熱槽内に多量
の氷が蓄熱できない為に、従って、畜熱システムとして
の全体の畜熱効率を向上することができなかった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決することがで
きる蓄熱システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明では、製氷板を
具備する製氷機と、氷を溜める蓄熱槽とを接続して、同
蓄熱槽に溜めた常温水を循環させながら製氷板に冷媒を
供給して、まず、その水を2〜5℃の水温に冷却し、次
いで、水温2〜5℃とした水を製氷機に供給して氷を形
成し、その氷を蓄熱槽に蓄積することを特徴とする蓄熱
システムを提供するものである。
【0008】また、本発明は、上記の蓄熱システムにお
いて、製氷機の製氷板への冷媒の供給を停止しながら、
同冷媒を製氷板から吸引して製氷板を急速冷却を行っ
て、製氷板に形成された氷を細かく砕くことを特徴とし
ている。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を参照しながら説明す
る。図1において、1は本発明に係る蓄熱装置を示し、
同蓄熱装置1は、氷を製造する製氷機2と、水wを溜め
て同水wを氷aとして蓄積する蓄熱槽3とから構成され
ており、機枠の下部に蓄熱槽3を配設し、同蓄熱槽3の
上方に、製氷機2が載置されている。
【0010】まず、製氷機2の構成について詳説する。
即ち、製氷機2は、複数の製氷板4と、製氷板4に冷媒
を供給する冷凍機5とからなり、同製氷板4と冷凍機5
とを冷媒用循環パイプ6で接続して、同冷凍機5に具備
した凝縮器によって液化された冷媒を膨脹弁を通り、低
温で冷媒を蒸発させて、同パイプ6の供給パイプ6aを介
してそのガスを製氷板4に送り、同製氷板4を冷却し、
その後に、同パイプ6の戻りパイプ6bを介して製氷板4
から冷凍機5に吸入するようにしている。そして、冷凍
機5から送る液冷媒によって同製氷板4の表面で水wの
熱を吸収して、氷aを形成する。
【0011】さらに、冷凍機5には、温水タンク7が具
備されており、熱媒体を冷却して冷媒とする際に、圧縮
機で冷媒を圧縮すると、約90℃の吐出ガスとなるので、
同ガスを温水タンク7に供給して、約40℃の温水を溜め
ている。また、かかる冷凍機5には、高温ガス吐出管8
を介して温水タンク7と接続し、同タンク7において、
高温ガスを供給して、同タンク7内の水を約40℃の温水
としている。
【0012】かかる温水タンク7には、ポンプ7bを具備
する温水供給パイプ7aを介して製氷板4内と接続して、
同製氷板4の内部に温水を供給して、同温水で製氷板4
を加温して、それに付着した氷aを解凍して、同製氷板
4の表面から氷aを剥離するようにしている。なお、7c
は製氷板7の一側部に配設した温水パンを示し、製氷板
4から流出される温水を同パン7cで受けて温水タンク7
に戻すものである。
【0013】本実施例では、蓄熱槽3に、給水パイプ9
を介して各製氷板4の表面に、水wを供給しており、同
パイプ9の基端部に、畜熱槽3内に配設したポンプ10を
接続し、同ポンプ10によって、同蓄熱槽3内に溜めた水
wを吸込み、同パイプ9の先端部に設けたノズルから同
製氷板4の表面に吹付けるようにしている。しかも、製
氷板4の表面に吹付けられた水は、その表面を伝わっ
て、その下方に配設した蓄熱槽3に戻して徐々に冷却さ
れ、同製氷板4の表面で氷aとなり、その氷aを蓄熱槽
3に落下させて同蓄熱槽3内に溜めるようにしている。
【0014】また、蓄熱槽3の内部には、氷aと水wと
を分ける為の仕切板11が設けられ、氷水畜熱部12と、冷
水部13とに区画して、冷水部13側の側壁に、冷水を空調
機器に供給する流出口14を設けるとともに、氷水畜熱部
12側の側壁に、空調機器から戻る流入口15を設けてい
る。なお、16は畜熱槽3に設けた給水口、17は給水口16
に設けた自動給水バルブ、18は冷媒用循環パイプ6中に
設けた膨脹弁、19は同パイプ6中に設けた電磁弁を示
す。
【0015】次いで、本発明に係る蓄熱装置1による蓄
熱方法について詳説する。即ち、まず、蓄熱槽3に水道
の水w (約18℃) を溜めて、給水ポンプ9を作動させ
て、同水wを製氷板4に吹付ける。その吹付の際に、冷
凍機5を駆動して、製氷用冷媒を製氷板4に送り、同製
氷板4の表面で水wを冷却して、畜熱槽3内に戻し、そ
の水wを循環させる。
【0016】しかも、冷凍機3からの冷媒が冷媒循環パ
イプ6中に設けた膨脹弁18を通過することにより、低温
状態において、冷媒が気化蒸発し、その低温冷媒を製氷
板4に導くことによって、同製氷板4で水wの熱を奪
い、畜熱槽3内の常温の水wを2〜5℃まで冷却する。
そして、水wを2〜5℃に冷却すると、同製氷板4の表
面において製氷が開始される。
【0017】次いで、製氷板4の表面に、5〜15mm程度
の氷aを生成した後に、同製氷板4に温水タンク7の温
水を供給して、製氷板4を加熱して、製氷板4の表面か
ら氷aを剥離して、畜熱槽3内に落下させる。そして、
この氷aを畜熱槽3内に溜める。
【0018】さらに、本発明における製氷板4から氷a
を剥離する方法について詳説すると、即ち、製氷板4の
表面に氷aが形成された際に、水wの供給と、製氷用冷
媒の供給とを停止させた状態で冷凍機5をプルダウンさ
せて、製氷板4内を更に冷却して、製氷板4を-25 〜-3
5 ℃とし、その冷却によって同製氷板4を収縮され、そ
の収縮によって、プレート状の氷aにひびを入れて細か
く砕いた状態とし、それと同時に温水の供給によって製
氷板4を加熱して、製氷板4の表面から氷aを容易に剥
離するようにている。
【0019】本実施例では、製氷板4の表面に氷aを形
成し、脱氷する直前に、製氷板4を冷却しており、冷媒
用循環パイプ6中の電磁弁19を閉止し、圧縮器の方へ冷
媒を吸入させると、製氷板4内部の冷媒を急速に蒸発
し、急冷される。この時に、結氷した氷が製氷板4の収
縮によって氷a自体に歪みが起こり、瞬時にその表面に
付着したプレート状の氷aが小さく割れる。
【0020】また、図1に示すように、冷媒用循環パイ
プ6と高温ガス吐出管8との間に、バイパス管20を接続
して、同製氷板4中に高温ガス吐出管8からの吐出ガス
を送るようにしている。そして、プレート状の氷aを割
る為に、製氷板4内のガス抜き (プルダウン) を行う際
に、同製氷板4中に高温ガス吐出管8からの吐出ガスを
供給することによって、10〜20秒の間、プルダウンさせ
ることにより、冷媒用循環パイプ6の霜取りを行うとと
もに、氷aの充分なひび入れを行うようにしている。な
お、21はバイパス管20の電磁弁を示す。
【0021】本発明によれば、特に、製氷板4に形成さ
れるプレート状の氷aを細かく砕くことによって、蓄熱
槽3への氷aの収納容量を増大させることができる。
【0022】
【発明の効果】本発明では、畜熱槽に溜めた常温水を氷
として蓄熱する際に、まず、製氷板に供給する常温の水
を、製氷板に送り、2〜5℃の水温として、蓄熱槽に溜
し、次いで、水温2〜5℃の水を製氷板に給水して、同
製氷板の表面において製氷を開始する。そして、製氷板
で氷が形成された後に、製氷板から氷を畜熱槽に溜め
て、氷として蓄熱するものである。
【0023】さらに、製氷機に氷を形成した後に、製氷
機中のプルダウンを行うことによって同製氷機を更に冷
却して、同製氷機を収縮させ、その表面に形成された氷
にひびを入れることにより、氷を細か砕き、蓄熱槽への
収納容量を増大させることができる。
【0024】以上のように、本発明によれば、蓄熱槽に
溜めた常温の水を、まず、水温2〜5℃前後として、そ
れから、その水温の水を氷とすることによって、C.O.P
(冷凍機の成績係数) を向上させて、高い蒸発温度での
製氷が行えるので、製氷効率が向上でき、更に、製氷板
で形成されるプレート状の氷を細かく砕いて、蓄熱槽へ
の収納容量を増大させることによって、全体の畜熱効率
を向上させることができる。また、本発明の蓄熱システ
ムでは、C.O.P を向上させることによって、その装置の
小型化ができ、システムの建設費用の軽減、及び省スペ
ース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蓄熱システムの模式図である。
【符号の説明】
1 蓄熱装置 2 製氷機 3 畜熱槽 4 製氷板 5 冷凍機
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製氷板(4)を具備する製氷機(2)と、氷を
    溜める蓄熱槽(3)とを接続して、同蓄熱槽(3)に溜めた常
    温水を循環させながら製氷板(4)に冷媒を供給して、ま
    ず、その水を2〜5℃の水温に冷却し、次いで、水温2
    〜5℃とした水を製氷機(2)に供給して氷を形成し、そ
    の氷を蓄熱槽(3)に蓄積する蓄熱システムであって、 製氷機(2)の製氷板(4)への冷媒の供給を停止しながら、
    同冷媒を製氷板(4)から吸引して製氷板(4)を急速冷却を
    行って、製氷板(4)に形成された氷を細かく砕く ことを
    特徴とする蓄熱システム。
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