JP3318081B2 - 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents
連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法Info
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Description
ポリウレタンフォーム及びその製造方法に関し、冷蔵
庫、冷凍庫、断熱パネル、船舶または車両等の断熱材あ
るいは断熱構造材として好適に利用が期待されるもので
ある。
立気泡構造を有し、気泡内にクロロフルオロカーボン類
のガス、炭酸ガス等を含んでいる。その優れた断熱性
能、低温寸法安定性、施工性等の故に、冷蔵庫、冷凍
庫、建築材料等の断熱材、あるいは軽量構造材として広
範囲に利用されている。しかし、例えば70℃以上の高
温条件下や温度変化の激しい条件下では、気泡内ガス圧
とポリウレタンフォームの構造の強度とのバランスが崩
れ、寸法変化が生じるため利用範囲は制約を受ける。
ォームにおける問題を解決するために、硬質ポリウレタ
ンフォームの製造時に気泡連通化剤を使用して得られ
る、主として連通気泡構造を有する硬質ポリウレタンフ
ォームが提案されている。連通気泡を有する硬質ポリウ
レタンフォームは上記のような厳しい条件下でも充分利
用可能である。かかる気泡連通化剤としては、流動パラ
フィン、ポリブテン等が従来知られている(日本特許第
527024号、第531657号等)。
保護のため、クロロフルオロカーボン類の規制が実施さ
れている。この規制対象には、今まで硬質ポリウレタン
フォームの発泡剤として用いられてきたR−11も含ま
れる。R−11の代替発泡剤のひとつとして、水のみを
発泡剤とすることが提案されている。水は反応性発泡剤
であり、有機ポリイソシアナートと反応して二酸化炭素
を放出すると共に尿素結合を生成する。従来のクロロフ
ルオロカーボン類を発泡剤として使用した場合と比較し
て、水を発泡剤として使用した硬質ポリウレタンフォー
ムは、脆化、強度不足、接着性の劣化、成形性の悪化等
の問題点が発生する。
ムにおいても、クロロフルオロカーボン類に置き替わる
発泡剤として水を使用するには、上記の問題点を解決す
る必要がある。また、従来の気泡連通化剤は、ポリオー
ルとの相溶性が悪いために、ポリオール、触媒、発泡剤
等と混合して使用する際、混合液が保存中に層分離を起
こし易く、品質管理が難しいこと、および製造される硬
質ポリウレタンフォームが不均一になりセル荒れを起こ
し易いこと等の問題があり、充分な気泡連通化の手段と
は言えなかった。
剤として用いて、硬質ポリウレタンフォームの気泡を充
分に連通化するため鋭意検討した結果、本発明に達し
た。すなわち本発明は、(1)有機ポリイソシアナー
ト、ポリオール、触媒、発泡剤、整泡剤、及びその他の
助剤から製造される硬質ポリウレタンフォームにおい
て、ポリオールとして、ジエタノールアミン1〜20重
量部と、平均水酸基価200〜350mgKOH/gの
ポリエーテルポリオール80〜99重量部との混合物を
用い、かつ、発泡剤として、ポリオール100重量部あ
たり0.5〜10重量部の水を使用することを特徴とす
る連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム、
(2)有機ポリイソシアナート、ポリオール、触媒、発
泡剤、整泡剤、及びその他の助剤から硬質ポリウレタン
フォームを製造する方法において、ポリオールとして、
ジエタノールアミン1〜20重量部と、平均水酸基価2
00〜350mgKOH/gのポリエーテルポリオール
80〜99重量部との混合物を用い、かつ、発泡剤とし
て、ポリオール100重量部あたり0.5〜10重量部
の水を使用することを特徴とする連通気泡を有する水発
泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法、である。
は、ポリオール100重量部あたり1重量部未満では効
果がなく、20重量部を超えると独立気泡率の増加と共
に寸法安定性が悪化し、実用的ではない。平均水酸基価
200〜350mgKOH/gのポリエーテルポリオー
ルとしては、通常硬質ポリウレタンフォームの製造に用
いられる多官能ポリエーテルポリオールが好適に使用で
きる。平均水酸基価が200mgKOH/g未満では圧
縮強度が低下し、350mgKOH/gを超えると独立
気泡率が充分低下せず、いずれも実用的ではない。
ものが使用できる。最も一般的なものは、トルエンジイ
ソシアナート(TDI)およびジフェニルメタンジイソ
シアナート(MDI)である。TDIは、異性体の混合
物すなわち2,4−体100%品、2,4−体/2,6
−体=80/20,65/35(重量比)等のものはも
ちろん、商品名三井コスモネートTRC等として知られ
る多官能性のタールを含有するいわゆる粗TDIも使用
できる。また、MDIとしては、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナートを主成分とする純品のほかに、
3核体以上の多角体を含有する商品名三井コスモネート
M−200等のいわゆるポリメリックMDIが使用でき
る。中でも、MDI、とりわけ3核体以上の多角体を含
有する三井コスモネートM−200のいわゆるポリメリ
ックMDIが特に好適に使用できる。イソシアナート基
と活性水素との当量比は、NCO/H(活性水素)=
0.60〜5.00が好ましい。
チルピペラジン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリ
ン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン等のアミン系ウレタン化触媒が特に好まし
い。勿論有機金属系、有機酸系等のウレタン化触媒も使
用可能である。これらの触媒は、単独で、または混合し
て用いることができ、その使用量は活性水素を有する化
合物100重量部あたり、0.0001〜10.0重量
部が適当である。
活性剤が用いられる。例えば、日本ユニカー社製のL−
5420、L−5340、SZ−1645、SZ−16
27、SZ−1923等、信越化学工業社製のF−34
3、F−345、F−347、F−348、F−350
S等が適当である。これらの整泡剤の使用量は、活性水
素を有する化合物と有機ポリイソシアナートの総量10
0重量部あたり0.1〜10重量部が適当である。その
他、難燃剤、可塑剤、安定剤、着色剤等を必要に応じて
添加することができる。
例および比較例に使用した原料は次の通りである。 コスモネートM−200:三井東圧化学社製ポリメリッ
クMDI 全NCO31.3% ポリオールA:ショ糖/水(重量比98/2)にプロピ
レンオキシドを付加した水酸基価410mgKOH/g
のポリエーテルポリオール。 ポリオールB:グリセリンにプロピレンオキシドを付加
した水酸基価230mgKOH/gのポリエーテルポリ
オール。 ポリオールC:グリセリンにプロピレンオキシドを付加
した水酸基価168mgKOH/gのポリエーテルポリ
オール。 ポリオールD:グリセリンにプロピレンオキシドを付加
した水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオ
ール。 ポリオールE:グリセリンにプロピレンオキシドを付加
した水酸基価33mgKOH/gのポリエーテルポリオ
ール。 整泡剤:日本ユニカー社製品 SZ−1923 触媒:活材ケミカル社製品 ミニコL−1020
剤、触媒を所定量秤量し、25℃に保った。これに25
℃に保温した所定量の有機ポリイソシアナート(コスモ
ネートM−200)を加え、5秒間高速混合し、予め4
0℃に調整したアルミ製型(厚み 20mm×幅 30
0mm×長さ 450mm)に注入し、5分後に脱型し
た。有機ポリイソシアナートと全活性水素との当量比
は、NCO/H=0.85とした。得られた硬質ポリウ
レタンフォームの諸特性値を表1及び2に示す。なお、
表中の数字は、特に断るもの以外、重量部を表わす。
定条件は以下の通りである。 独立気泡率:ASTM D−2856による。 密度:硬質ポリウレタンフォームのコア部の密度。 寸法安定性:−30℃の低温槽および70℃、相対湿度
95%の恒温槽に24時間静置した硬質ポリウレタンフ
ォームコア部の体積変化率。 圧縮強度:厚み方向の圧縮強度。
ら、ジエタノールアミンの量が、ポリオール100重量
部あたり1〜20重量部のときに、寸法安定性および圧
縮強度を悪化させることなく、独立気泡率の低下に大き
な効果が認められる。表2の実施例6,7および比較例
3,4から、ジエタノールアミン以外のポリオールの平
均水酸基価が200〜350mgKOH/gでないと圧
縮強度の低下または寸法安定性の悪化が生ずることがわ
かる。
安定性および強度の充分な性能を有する連通気泡の硬質
ポリウレタンフォームを与えるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機ポリイソシアナート、ポリオール、
触媒、発泡剤、整泡剤、及びその他の助剤から製造され
る硬質ポリウレタンフォームにおいて、ポリオールとし
て、ジエタノールアミン1〜20重量部と、平均水酸基
価200〜350mgKOH/gのポリエーテルポリオ
ール80〜99重量部との混合物を用い、かつ、発泡剤
として、ポリオール100重量部あたり0.5〜10重
量部の水を使用することを特徴とする連通気泡を有する
水発泡硬質ポリウレタンフォーム。 - 【請求項2】 有機ポリイソシアナート、ポリオール、
触媒、発泡剤、整泡剤、及びその他の助剤から硬質ポリ
ウレタンフォームを製造する方法において、ポリオール
として、ジエタノールアミン1〜20重量部と、平均水
酸基価200〜350mgKOH/gのポリエーテルポ
リオール80〜99重量部との混合物を用い、かつ、発
泡剤として、ポリオール100重量部あたり0.5〜1
0重量部の水を使用することを特徴とする連通気泡を有
する水発泡硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30371093A JP3318081B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30371093A JP3318081B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157529A JPH07157529A (ja) | 1995-06-20 |
JP3318081B2 true JP3318081B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=17924323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30371093A Expired - Lifetime JP3318081B2 (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 連通気泡を有する水発泡硬質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3318081B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008053780A1 (fr) * | 2006-10-31 | 2008-05-08 | Mitsui Chemicals, Inc. | Polyéther polyol, mousse de polyuréthane dure et leurs procédés de production |
JP5084786B2 (ja) * | 2009-06-05 | 2012-11-28 | 第一工業製薬株式会社 | 硬質ポリウレタン発泡体組成物、硬質ポリウレタン発泡体およびこれを用いた合成木材 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP30371093A patent/JP3318081B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07157529A (ja) | 1995-06-20 |
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