JP3317758B2 - 懸濁脂質粒子の製造方法 - Google Patents

懸濁脂質粒子の製造方法

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JP3317758B2 JP24788093A JP24788093A JP3317758B2 JP 3317758 B2 JP3317758 B2 JP 3317758B2 JP 24788093 A JP24788093 A JP 24788093A JP 24788093 A JP24788093 A JP 24788093A JP 3317758 B2 JP3317758 B2 JP 3317758B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】脂質粒子懸濁液の製造方法に係
り、特に微細粒子で粒径(粒度)の揃ったリポソームや
エマルジョン製剤などに適する懸濁脂質粒子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、DDS(Drug Delivery Syste
m,薬物送達システム)などの手法は、制ガン剤抗エイ
ズ薬など薬理学的適用において、実用に多くの期待が寄
せられており、またこの手法としては、a)化学的手法、
b)物理化学的手法、およびc)生物学的手法が挙げられ
る。そして、b)物理化学的手法において、微粒子を用い
る形態としては、リポソームエマルジョン混合ミセ
マイクロカプセルマイクロスフェアなどが挙げら
れる。このうち、水と油とを両親媒性脂質により乳化し
たエマルジョン、もしくは内部に水の相を有し脂質の二
分子膜により閉鎖小胞化されたリポソームの場合は、一
般的に静注による全身投与が可能な製剤として位置付け
られているが、近年、経皮吸収用製剤としても注目され
ている。
【0003】また、この種の懸濁脂質粒子(脂質懸濁粒
子)は、前記薬理学的適用以外の分野、たとえば食品工
業的な分野、あるいは化粧品工業的な分野でも適用され
ており、一般的に、ある限定された平均粒径および限定
された粒径分布を有することが望まれている。特に、前
記薬理学的適用における製剤用では、前記平均粒径およ
び粒径分布の制御が重要視される。
【0004】このようなリポソームやエマルジョンにお
ける脂質粒子の整粒化という要望に対応して、前記懸濁
脂質粒子などを微細化し整粒するため、次のような方法
が採られている。
【0005】(a)高圧ホモジナイザーなどの機械的剪
断力を利用し、微細化して整粒する製造方法、(b)荷
電粒子の照射およびアルカリエッチング処理により均一
な微細孔を貫通させた膜厚の薄い特別のメンブレンフィ
ルターを用いて、加圧下に通過(押し出し濾過)させて
微細化・均一化する方法(バイオキミカ・エト・バイオ
フィジカ・アクタ、555巻、9頁、1979年)が知られてい
る。
【0006】なお、本発明において、懸濁脂質粒子の製
造方法とは、前記のように、予め製造された脂質粒子懸
濁液中の脂質粒子を微細化し、整粒することを意味す
る。そして、このような脂質粒子懸濁液として、前記エ
マルジョンやリポソームなどが代表的に挙げられ、また
これらの脂質粒子懸濁液は、たとえばレシチン、スフィ
ンゴミエリンなどのリン脂質、コレステロール、ジセチ
ルリン酸、ジグリセライド、トリグリセライド、トコフ
ェルなどの脂質、ガングリオシドなどの糖脂質、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリ
ン硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤を原料とし
て調製され、具体的には、水溶性薬物、脂溶性薬物、油
溶性薬物などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記微
細脂質の製造方法(懸濁脂質粒子の微細化・均一化方
法)は、実用上次のような不都合な問題がある。すなわ
ち、前記(a)の方法の場合には、その強い剪断力のた
めに、多糖類やタンパク質のような高分子薬物の一部
が、切断もしくは変性したりする。また、部分的に加わ
る高熱のために、熱に弱い薬物が分解を起こしたりす
る。さらに、前記脂質の微細化に機械的な乳化力を利用
するため、粒径の精密な制御が実質的に至難であるとい
う問題がある。
【0008】一方、(b)の方法の場合には、前記
(a)の方法に較べて、薬物などの分解の危険性が少な
いものの、メンブレンフィルターの種類に制限がある。
すなわち、前記文献(バイオキミカ・エト・バイオフィ
ジカ・アクタ、555巻、9頁、1979年)紹介されている均
一な微細孔を貫通させた膜厚の薄いポリカーボネートメ
ンブレンフィルターを用いた場合のみ、メンブレンフィ
ルターに対する化学的・物理的吸着がなく、懸濁脂質粒
子が微細化を通過する際に破砕されて、より小さい粒子
径化が可能で、脂質粒子の回収もほぼ100%とされてい
る(アニュアル・レビュー・オブ・バイオフィジックス
・アンド・バイオエンジニアリング、9巻、467頁、1980
年)。
【0009】ここで、前記ポリカーボネートメンブレン
フィルターとは、構造的に相違する網目構造の微細孔を
有するメンブレンフィルターを利用することも検討され
てきたが、懸濁脂質粒子の微細化・均一化は成功してい
ない。たとえばセルロースエステル系高分子素材の溶剤
処理による膨潤乾燥によって、微細孔を網目状に設け
たメンブレンフィルターの場合、メンブレンフィルター
自体の材質に由来する化学的吸着、微細孔の網目構造お
よび膜厚に由来して懸濁脂質粒子の物理的捕捉(extrus
ion押し出し濾過)にならず、いわゆる濾過(filtratio
n)となる。つまり、使用するメンブレンフィルターの
微細孔ないし細孔よりも小さい粒子径の懸濁脂質粒子
が、初期段階で濾過されるものの、その後は目詰まりを
起こして濾過機能がなくなる。さらに言及すると、微細
孔などを網目状に設けたメンブレンフィルターの場合、
脂質粒子懸濁液に1〜7kgf/cm2の圧力を加え、無理やり
(強制的)に通過させても、製造工程の途中で目詰まり
を起こし、懸濁脂質粒子の微細化による整粒をなし得な
い(脂質粒子の回収率が極端に悪い)。
【0010】さらに、前記(b)の変形的な手段とし
て、特殊形状の貫通微細孔を有するセラミックフィルタ
ーを用いる方法(特開昭63-502410号公報,USP No.4737
323号明細書)、不織布をフルターとして用いる方法
(USP No.4927637号明細書)、あるいは金属焼傑体をフ
ルターとして用いる方法(特開平2-502978号公報)な
ども試みられている。しかし、これらの方法は特殊な方
法であり、たとえばGMP対応無菌製造工程のバリデ
ーションなど点で、医薬品分野および化粧品分野など
での適用には、解決を要する問題が残されている。
【0011】前記(b)の場合は、フィルター(濾材)
としての機能においては、濾滓が主として皮膜の表面に
発生するので、皮膜表面の濾滓を容易に剥離し、反復使
用し得るという利点を有する。しかし、懸濁脂質粒子に
ついて、所要の微細化を効率的に、また量産的に達成す
るには、脂質粒子懸濁液が、メンブレンフィルターを強
制通過可能に補強的に支持されていることが前提とな
る。そして、前記メンブレンフィルターの補強的な支持
体においては、脂質粒子の通過が可能なことが要求され
る。ここで、フィルター支持体を多孔質体としても、開
口率に限度があるため、メンブレンフィルターの微細孔
を加圧により通過し、微細化した懸濁脂質粒子(脂質懸
濁粒子)の流れが阻害される。したがって、結果的には
所要の微細化を効率的・量産的になし得ないことになる
ので、前記メンブレンフィルターを支持するフィルター
支持体の構成・選択も重要な要素を成すといえる。な
お、前記メンブレンフィルターは薄いフイルムであるた
め、たとえば平らな金属スクリーン、もしくはモノフィ
ラメント平織りのメッシュスクリーンなどの支持スクリ
ーンで支持し、カセット化もしくはユニット化して使用
されている。
【0012】いずれにしても、前記エマルジョンやリポ
ソームに代表される懸濁脂質粒子を量産的に微細化し整
粒するには、(1)整粒器がたとえば貯蔵タンクに直結
可能で、一度に大量の脂質粒子懸濁液を処理できるこ
と、(2)被処理脂質懸濁を、その脂質の相転移温度以
上に保つための温度制御を要すること、(3)加圧とい
う圧力制御を要すること、(4)対象が医薬品用の場合
(弱酸性弱塩基性が多い)耐蝕性を要求されることが
前提になり、さらに加えて(5)たとえば薬理学的もし
くは食品工業的な利用ないし適用においては、滅菌ない
し減菌効果なども要望される。しかしながら、従来の濾
過装置(もしくは懸濁脂質粒子の製造手段)は、前記
(1)〜(4)の要件を備えていないし、さらに(5)の
滅菌・減菌作用も認められない。
【0013】上記説明したように、従来、懸濁脂質粒子
などの、より微細化および粒径分布範囲の挟小化(整粒
化)に適する有効な製造方法がない。したがって、懸濁
脂質粒子などの効率的な微細化、および粒径分布範囲の
効率的な挟小化もしくは整粒化が可能な、懸濁脂質粒子
の製造方法の開発が待たれていた。そして、本発明者ら
は、このような期待に対応して検討を重ねた結果、網目
構造の微細孔を有するメンブレンフィルターを、適切な
形で補強的に支持して、懸濁脂質粒子を約8kgf/cm2
上の圧力を加えて強制通過させると、100%近い回収率
で、微細化・均一化が達成されることを見出し、本発明
の達成に至ったものである。
【0014】したがって、本発明は量産的に、また効率
的で歩留まりよく、懸濁脂質粒子を微細化・均一化し得
る懸濁脂質粒子の製造方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る懸濁脂質粒
子の製造方法は、厚さ方向に平行もしくは一主面側が径
大に開口したすり鉢状の貫通孔を有する多孔支持板と、
前記多孔支持板の一主面面に配置された微細な網目構造
の流路を設けられたメンブレンフィルターとを具備して
成るフィルターユニットを配置し、前記メンブレンフィ
ルター側から脂質粒子含有の懸濁液を約8kgf/cm2以上
の加圧下で、メンブレンフィルターの微細な網目構造の
流路および多孔支持板の貫通孔を通過(前記フィルター
ユニットを強制通過)させることにより、前記懸濁液中
に含有されている脂質粒子を微細化・均一化することを
特徴とする。
【0016】なお、上記多孔支持板の代わりに、一主面
に半径方向に傾斜付きで延設された液流通溝、および前
記延設された液流通溝に交叉する形で同心円的に液流通
溝が形設された耐圧性の支持板を用い、かつ加圧下でメ
ンブレンフィルターの微細な網目構造の流路および耐圧
性支持板の流通溝を流通(前記フィルターユニットを強
制通過)させるような構成を採ってもよい。
【0017】本発明において使用するメンブレンフィル
ターは、たとえばセルロースエステルポリビニリデン
ジフロライドグラスファイバーアクリル酸共重合
ポリテトラフロロエチレンナイロンHT−タフ
リンなどを素材とし、平均孔径1.0μm以下、好ましくは
0.45μm以下、さらに好ましくは0.22μm以下の微細孔を
網目構造に設けられた、いわゆるスポンジ状の態様を有
する膜である。ここで、メンブレンフィルターの網目構
造を成す微細孔は、製造する懸濁脂質粒子の平均粒子径
および粒子径分布を決める重要な因子であり、平均孔径
1.0μmを超えると、たとえば医薬用の場合、体内動態や
製剤としての粒子径の安定性保証の点で不都合が認めら
れる。また、平均孔径0.45μm以下の場合、濾過減菌作
用が、さらに平均孔径0.22μm以下の場合は、濾過除菌
作用もあり、脂質粒子の微細化・均一化とともに、製剤
の減菌をも同時に行い得るという利点がある。
【0018】本発明において、前記メンブレンフィルタ
ーを支持し、フィルターユニットを構成する多孔支持板
が、厚さ方向に平行な口径の貫通孔、もしくはすり鉢状
の貫通孔(本発明では段付き貫通孔なども含む)を有す
る多孔支持板の場合、一主面側の開口径/他の主面側の
開口径比は、特に限定されるものでないが、一主面側の
開口径(径大の開口径)を1としたとき他の主面側の開
口径(径小の開口径)を0.01〜1の範囲内で選択・設定
することが好ましい。その理由は径大の開口径/径小の
開口径比が1:0.01〜1の範囲を外れると、メンブレンフ
ィルターの有効な微細孔の領域を十分に確保し得ない傾
向が認められるからである。さらに、前記段付き貫通孔
を有する多孔支持板の径大開口の開口率は30〜90%,好
ましくは60〜70%程度であり、かつその厚さは一般的に
0.1〜5mm程度でよい。
【0019】また、このすり鉢状の(段付きを含む)貫
通孔を有する多孔支持は、前記被処理体(懸濁脂質粒
子)へ加える圧力に対して、十分耐え得る機械的な強度
が要求されるので、たとえばSUS316SUS316Lなどのス
テンレス鋼、もしくは鉄などを芯材として表面にテトラ
フロロエチレン樹脂などのプラスチック類やガラスなど
をライニングした材質製の支持板で補強支持することが
望ましい。そして、その厚さは多孔支持の大きさや形
状などを考慮して選択設定され、一般的には3〜10mm
程度に選択される。ここで、多孔支持は、前記のよう
に、貫通孔が段付きであることが被処理体の通流通性な
どの点で好ましいけれど、たとえば開口径が連続的に変
化するテーパー付きの構成であってもよい。
【0020】また、前記半径方向に傾斜付きで延設され
た液流通溝、ならびにこの半径方向の液流通溝に交叉さ
せて同心円的に液流通溝を形設した主面を備えた耐圧性
支持板の場合も、構成するフルターユニットの大き
さ、被処理体(懸濁脂質粒子)へ加える圧力などによ
り、材質や大きさ,傾斜度など適宜選択,設定される。
プラスチックス、たとえばポリカーボネート樹脂製で、
直径290mm程度の場合は厚さ5〜20mm程度、ステンレス鋼
製で直径290mm程度の場合は、厚さ5〜20mm程度に選択
設定すれば十分である。そして、半径方向に傾斜付きで
延設される液流通溝も、たとえば外周側の深さを0.8mm
程度、内周側の深さ4.8mm程度に傾斜付けされている。
ここでは、外周側のピッチに比べて内周側のピッチを狭
めているが、このような構成に限定されるものでなく、
たとえば外周側の液流通溝数を多くし、液流通溝数の少
ない内周側の液流通溝に合流させてもよい。さらに、前
記半径方向に傾斜付きで延設された液流通溝に、同心円
的に交叉させて形設される液流通溝は、隣接する半径方
向に延設された液流通溝間を接続するとともに、メンブ
レンフィルターの有効面積を稼ぐ役割を成し、これらの
ピッチや深さも用途容量などに応じて適宜選択・設定
される。
【0021】本発明において、脂質粒子懸濁液に加える
圧力は、少なくとも約8kgf/cm2に選択・設定する必要
がある。つまり、加圧が約8kgf/cm2未満では、メンブ
レンフィルターの化学的吸着や、網目構造および膜厚に
由来する物理的捕捉などにより、懸濁脂質粒子の回収率
が極端に悪く、実用に適さないからである。一方、加え
る圧力を、たとえば10kgf/cm2 15kgf/cm2 20kgf/c
m2 25kgf/cm2 30kgf/cm2 35kgf/cm2 あるいは40
kgf/cm2と上げることにより、意外にも懸濁脂質粒子の
回収率は100%近くなるとともに、懸濁脂質粒子の微細
化・均一化が容易に達成されることを見出された。
【0022】本発明を実施するための装置としては、前
記加圧操作が可能な耐圧性を有し、かつメンブレンフィ
ルターユニットを設置し得る濾過器などなら、特に限定
されないが、温度制御機構を備えたものであることが望
ましい。すなわち、原料となる脂質粒子懸濁液の脂質組
成によって、脂質のゲル−液相転移温度以上の温度を要
する場合、たとえば水素添加レシチンジステアリルホ
スファチジルコリンなどを主体とした脂質粒子懸濁液を
原料とする場合は、加温を要するので温度制御が可能な
濾過器を用いる。
【0023】
【作用】本発明に係る懸濁脂質粒子の製造方法は、比較
的低コストな網目構造の微細孔を有するメンブレンフィ
ルターおよび補強的な支持体の適正な組合わせ、さらに
は強制通過させる効果的な加圧力の選択・設定によっ
て、容易にかつ歩留まりよく、一定の平均粒子径および
粒子分布を呈する懸濁脂質粒子の製造が可能となる。つ
まり、補強的な支持体の適正な組合わせによって、懸濁
脂質粒子に少なくとも8kgf/cm2の圧力を加えて、網目
構造の微細孔を有するメンブレンフィルターを強制通過
させることが可能となるとともに、前記高圧力の印加に
より懸濁脂質粒子が容易に、かつ一様な形態をとって平
均粒径の微細化および粒径の均一化がなされることにな
る。
【0024】
【実施例】実施例1 先ず、この発明の実施に用いるフィルターユニットにつ
いて説明する。
【0025】図1はフィルターユニットの要部構成例を
断面的に示したもので、1は段付き貫通孔1aを有するス
テンレス製の多孔支持板、2は前記多孔支持板1の径大
に開口する上主面に配置された網目構造の微細孔(流通
路を成す)を有するメンブレンフィルターである。この
ユニット3の構成においては、実用上多孔支持板1を機
械的に補強支持する構成とすることが望ましいが、使用
条件によっては省略することも可能である。なお、前記
フィルターユニット3の具体的な構成において、多孔支
持板1は、一主面側がたとえば直径0.85mm程度の径大に
開口し他主面側がたとえば直径0.5mm程度の径小に開
口する段付き貫通孔1aを有しており、前記径大に開口す
る側の開口率が65%程度の、たとえば厚さ0.5〜0.7mm程
度のステンレス製の多孔支持板である。
【0026】前記フィルターユニット3の構成につい
て、図2および図3を参照して、さらに詳細に説明す
る。図2は前記フィルターユニット3の構成例の要部展
開図であり、また図3は同構成例の要部断面図である。
そして、前記フィルターユニット3は、分散的に貫通孔
を有する耐圧性の支持板3a、この耐圧性の支持板3aに支
持される一主面側が径大に開口し他主面側が径小に開口
する段付き貫通孔を有するたとえばステンレス綱製の多
孔支持(径大開口の径/径小開口の径比は1:0.01〜
0.5)3b、および前記多孔支持3bの径大開口面にメッ
シュスクリーン3cを介して配置された微細孔が網目構造
に設けられたメンブレンフィルター3d、およびメンブレ
ンフィルター3d面上に配置されたメッシュスクリーン3e
で構成されている。ここで、メンブレンフィルター3d
は、平均粒径1μm以下、たとえば平均粒径0.22μmの微
細な網目構造の流路を有する厚さ100〜150μmのセルロ
ース混合エステル膜、ポリビニリデンジフロライド膜、
テフロン膜もしくはポリカーボネート膜などである。
【0027】さらに、前記多孔性の支持板3aは、たとえ
ば厚さ4mmのステンレス板に、21mm間隔の同心円上に径4
mmの貫通孔(面取り済み)をほぼ等間隔に形設したもの
であるが、他の構成を採ったものでもよい。なお、この
構成において、メンブレンフィルター3dを両面側でメッ
シュスクリーン3c3eにて挟持したのは、メンブレンフ
ィルター3dの保護を図ったもので、使用条件によって省
略することも可能である。
【0028】次に、一部切り欠き断面的に示す図4、上
面を示す図5を参照して、本発明方法の実施に用いる加
圧整粒器(加圧整粒装置)の構成例について説明する。
先ず、45は互いに対応する開口面が対接して封止体
を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐
圧性ハウジング部材である。3は前記第1の耐圧性ハウ
ジング部材4および第2の耐圧性ハウジング部材5が構
成する封止体の封止部近傍に内装され、内部空間を第1
の耐圧性ハウジング領域4aおよび第2の耐圧性ハウジン
グ領域5aに分離し区画するフィルターユニット、6は前
記フィルターユニット3で分離し区画された第1の耐圧
性ハウジング領域4aに連通する被処理体の加圧供給口、
7は前記フィルターユニット3で分離し区画された第2
の耐圧性ハウジング領域5aに連通する被処理体の排出口
である。ここで、フィルターユニット3は、メンブレン
フィルター3d側を第1の耐圧性ハウジング領域7a側とし
て装着配置され、また被処理体の加圧供給口6は、た
とえば懸濁脂質粒子液などの被処理体の貯蔵タンク側に
接続され、排出口7は微細化・整粒済み貯蔵タンク側に
接続される。
【0029】また、8は前記第1の耐圧性ハウジング部
材4の外周面に一体的に配置され、供給される被処理体
の温度を制御する温度制御手段であり、たとえば熱媒
体,冷媒体を切り替えて流し得る媒体流路が一体的に配
置、形設されている。ここで、媒体流路(温度制御手
段)8は、媒体供給口8aから供給され、第1の耐圧性ハ
ウジング部材4の外周面側から第1の耐圧性ハウジング
領域4a内の温度調節に関与する一方、媒体出口8bから排
出する構成を成している。なお、図4および図5におい
て、9は被処理体を加圧供給する加圧供給口6に連接す
る接続管、10は加圧供給口6の壁部および接続管9壁部
に沿って形設された空気抜き路、11は第1の耐圧性ハウ
ジング部材4の開口面および第2の耐圧性ハウジング部
材5の開口面が対接して構成する封止面に配置されてい
るパッキン、12は接続管9などの接続部に配置されたパ
ッキン、13は第1の耐圧性ハウジング部材4および第2
の耐圧性ハウジング部材5を一体化する締め付けボルト
である。
【0030】上記構成の加圧整粒器を用いて、リポソー
ム懸濁液の脂質粒子を微細化・整粒化を行った。なお、
このリポソーム懸濁液は、以下の条件で調製したもので
ある。先ず、L−α−ジミリストイルホスファチジルグ
リセロール(DMPG)/卵黄ホスファッチジルコリン/コ
レステロールをモル比、5.7:1.0:6.0の割合で、ガラ
ス製容器に秤取し、少量のクロロホルムにて溶液化した
後、窒素ガス気流下で有機溶媒を除去した。次いで、減
圧下、デシケータ内にて1時間乾燥させて溶媒を完全に
除去してから、9%ショ糖水溶液を加え、総脂質濃度が3
4mMの水性リポソーム粗分散液を得た。この、水性リポ
ソーム粗分散液における脂質の平均粒径は517nmであ
り、この水性リポソーム粗分散液を100mlづつに小分け
して原料素材とした。
【0031】これらの水性リポソーム粗分散液を加圧供
給口6から、約8kgf/cm2以上である10kgf/cm2 12kgf
/cm2 15kgf/cm2もしくは20kgf/cm2圧力で、前記加
圧整粒器内に注入して、内装支持されているフィルタ
ーユニット3のメンブレンフィルターの貫通微細孔を通
過させ、微細化し整粒した。その後、前記多孔支持板3b
の貫通孔および支持板3aの貫通孔を介して、微細化し整
粒したリポソーム懸濁液を取り排出口7から回収した。
その結果を表−1に示す。なお、この微細化し整粒にお
いて、いずれの場合もフィルター上に残渣はほとんど残
らなかった。また、表−1において、Aは平均孔径0.22
μmのポリビニリデンフロライドを材質とするメンブ
レンフィルターを、Bは平均孔径0.22μmのセルロース
混合エステル膜から成るメンブレンフィルターを示し
脂質の回収率は高速液体クロマトグラフィー法(カラ
ム:ODS[5μ]、4mm×25cm、カラム温度:40℃、移動
相:メタノール/水=99/1、試料溶液:コレステロール
として約6mg/mlのリポソーム、分散液1mlに移動相液を
加えて25mlとした液、試料注入料2.0μl、測定波長:20
7nm)でコレステロールの定量を行って求めた。
【0032】 表−1 メンブレン 濾過圧力 脂質の回収率 平均粒子径 フィルター (kgf/cm 2 ) (%) (nm) 実施例1a A 12 96.8 216 実施例1b A 10 97.3 190 実施例1c B 20 97.9 222 実施例1d B 15 97.6 236 比較例1a A 7 濾過ほとんど不可能 比較例1b B 7 濾過全く不可能 比較例1c E 7 96.9 183
【0033】比較例1 前記実施例1の場合において、水性リポソーム粗分散液
を加圧供給口6から、8kgf/cm2以下である7kgf/cm2
加圧で供給した場合、あるいは次のようにして調製した
リポソーム粗分散液および微細孔の網目構造を有するメ
ンブレンフィルターとして、平均孔径0.45μm のセルロ
ース混合エステル膜(C)、平均孔径0.22μmのポリビ
ニリデンジフロライド膜(A)、平均孔径0.20μmのテ
フロン膜(D)、平均孔径0.20μmのポリカーボネート
(E)を用いた他は同様に行った結果を表−1、表−2
にそれぞれ示した。ここで表−2における脂質の回収率
(%)は、ホスホリピッド B−テストワコー(和光純薬
工業製)による酵素反応法でコリンを定量して求めた。
【0034】リポソーム粗分散液の調製は、先ず、L−
α−ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)175m
gを250mlのガラス製容器に秤取し、少量のクロロホルム
にて溶液化した後、窒素ガス気流下で有機溶媒を除去し
た。次いで、減圧下、デシケータ内にて1時間乾燥させ
て溶媒を完全に除去してから、リン酸緩衝化生理食塩液
(PBS:pH 7.450℃)100mlを加え脂質を水和膨潤さ
せ、次いで温度を50℃に保ったままTKホモミキサー(特
殊機化工業製タイプM)による撹拌乳化を10分間行
って、リポソーム粗分散液を得た。このリポソーム粗分
散液の一部を採り、前記リン酸緩衝化生理食塩液にてさ
らに2.5倍10倍に希釈して濃度1.47mg/ml0.588mg/
ml0.147mg/mlの3種のリポソーム粗分散液を用意し
た。
【0035】 表−2 メンブレン リポソーム粗分散液の濃度と回収率(%) フィルター 1.47mg/ml 0.588mg/ml 0.147mg/ml 比較例1d C 0.9 66.8 58.7 比較例1e A 1.1 54.6 66.1 比較例1f D 53.8 65.9 38.7 比較例1g E 95.5 98.4 95.6 実施例2 実施例1で用いた加圧整粒器の構成において、フィルタ
ーユニット3を構成する一主面側が径大に開口し、他主
面側が径小に開口する貫通孔を有するステンレス綱製の
多孔支持3bの代わりに、第6図(a)に平面的に、第6
図(b)に断面的に、また第6図(c)に拡大断面的にそれぞ
れ示す構成の耐圧性支持板3′を用いても同様の作用・
効果が得られた。すなわち、直径90mm厚さ5〜20mmの
ポリカーボネート樹脂板3d1の一主面に、外周側の深さ
0.1〜5mm程度、内周側の深さ1〜15mm程度に傾斜付きで
半径方向に第1の液流通溝3d2を延設し、さらに同心円
的に、かつ第1の液流通溝3d2に交叉させて第2の液流
通溝3d3を形設して成る耐圧性の支持板3′を用い、この
耐圧性の支持板3′の液流通溝3d23d3形成面に、メッ
シュスクリーンでメンブレンフィルターACなど
を両面側から挟持した形(積層体)で支持した構成のフ
ィルターユニットを使用しても、前記実施例の場合と同
様の結果が得られた。
【0036】実施例3 精製大豆油200gおよび卵黄ホスファッチジルコリン12g
を、2lの温水循環用ジャケット付きガラス容器に秤取
し、80℃にて加熱分散させた後、予め80℃に加温した注
射用蒸留水100mlを加えて転相乳化を行った。次に、同
じく予め80℃に加温した注射用蒸留水600ml、および濃
グリセリン22.5gを加え、温度を80℃に保ったまま、TK
アジホモミキサー(特殊機化工業製、タイプHV-M、回転
数6500rpm)による撹拌,乳化を10分間行って粗乳化液を
得た。この粗乳化液を室温に冷却した後、水酸化ナトリ
ウム水溶液を加え、pHを7.4に調製してから注射用蒸留
水を加えて、全量で1000mlとした。
【0037】上記調製した粗乳化液を200mlづつに小分
して、前記実施例1の場合で使用した加圧整粒器を用
い、加圧・通過処理を10回繰り返して懸濁脂質粒子の製
造を行った。すなわち、前記小分した粗乳化液加圧供
給口6から、8kgf/cm2 7kgf/cm2(比較例)の圧力
で、前記加圧整粒器内に注入して、内装,支持されてい
るフィルターユニット3のメンブレンフィルターの微細
孔の網目構造を通過させ、微細化し整粒した。その後、
前記多孔支持板3bの貫通孔および支持板3aの貫通孔を介
して、微細化し整粒したリポソーム懸濁液を取り排出口
7から回収した。その結果を表−3に示す。なお、この
微細化し整粒において、いずれの場合もフィルター上に
残渣はほとんど残らなかった。
【0038】 表−3 メンブレン 濾過圧力 脂質の回収率 平均粒子径 フィルター (kgf/cm 2 ) (%) (nm) 実施例3a A 8 100.3 285 実施例3b B 8 98.9 243 比較例3a A 7 目詰りで濾過不可能 比較例3b B 7 目詰りで濾過不可能 また、上記実施例2で例示した加圧整粒器を用い、上記
に準じて懸濁脂質粒子の微細化・整粒処理を行った場合
も、同様の結果が得られた。
【0039】本発明は上記実施例に限定されるものでな
く、発明の趣旨の範囲でいろいろの変形を取り得る。た
とえば、脂質粒子懸濁液も、前記リポソーム液やエマル
ジョンの代わりに、他の脂質粒子懸濁液を原料とした場
合も、同様の作用・効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る懸濁脂質粒子の製造方法によれば、容易な手段
で、かつ量産的でありながら、所要或る一定の平均粒
子径および粒子分布を呈する懸濁脂質粒子の製造が可能
となる。つまり、制ガン剤抗エイズ薬などの薬理学的
適用、食品工業的な適用もしくは化粧品工業的な適用な
どにおいて期待されている一定の平均粒子径および粒子
分布をなす懸濁脂質粒子の製造が可能となる。さらに本
発明においては、濾過減菌も可能であり、加えて温度制
御装置付きの製造装置を用いた場合、製造工程などでの
温度を適宜設定し得るし、また、メンブレンフィルター
を支持する多孔支持板の洗浄も容易であるため、汚染の
防止や回避などを行い易いという実用上多くの利点をも
たらすので、医薬用の懸濁脂質粒子の製造に最適な方法
といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において使用するフィルターユニットの
概略構成例の要部を示す断面図。
【図2】本発明において使用するフィルターユニットの
構成例を示す展開図。
【図3】本発明において使用するフィルターユニットの
構成例を示す断面図
【図4】本発明において使用する加圧整粒器の要部構成
例を示す一部切り欠き断面図。
【図5】本発明において使用する加圧整粒器の要部構成
例を示す上面図。
【図6】本発明において使用する加圧整粒器が具備する
フィルターユニットの構成に用いる耐圧性支持板の他の
構造例を示すもので、 (a)は平面図、 (b)は断面図、
(c)は一部拡大断面図。
【符号の説明】
1…多孔支持板 1a…段付き貫通孔 2…網目構造
の微細孔を有するメンブレンフィルター 3…フィル
ターユニット 4…第1の耐圧性ハウジング4a…第1
の耐圧性ハウジング領域 5…第2の耐圧性ハウジン
グ 5a…第2の耐圧性ハウジング領域 6…加圧供
給口 7…排出口 8…温度制御手段 8a…媒体
供給口 8b…媒体出口 9…接続部 10…空気抜
11、12、14…パッキン 13…締め付けボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 仁史 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬株式会社 開発研究所 新剤形 研究センター内 (72)発明者 鈴木 則男 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬株式会社 開発研究所 新剤形 研究センター内 (72)発明者 広瀬 多郁三 神奈川県厚木市岡田二丁目9番8号 野 村マイクロ・サイエンス株式会社 営業 推進部内 (56)参考文献 特開 平6−71150(JP,A) 特開 平6−238142(JP,A) 特開 昭63−119848(JP,A) 特開 昭63−7805(JP,A) 特開 昭60−100054(JP,A) 実開 昭48−52174(JP,U) 特表 昭61−502452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 1/00 - 5/26 B01D 53/22 B01D 61/00 - 71/82 C02F 1/44

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行もしくは一主面側が径大に開口した
    すり鉢状に厚さ方向へ開口する貫通孔を有する多孔支持
    板と、前記多孔支持板の一主面側に配置された微細な網
    目構造の流路を設けられたメンブレンフィルターとを具
    備して成るフィルターユニットを配置し、前記メンブレ
    ンフィルター側から脂質粒子含有の懸濁液を約8kgf/cm
    2以上の加圧下で、メンブレンフィルターの微細な網目
    構造の流路および多孔支持板の貫通孔を通過させること
    により、前記懸濁液中に含有されている脂質粒子を微細
    化・均一化することを特徴とする懸濁脂質粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 互いに対応する開口面が対接して封止体
    を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐
    圧性ハウジング部材と、前記第1の耐圧性ハウジング部
    材および第2の耐圧性ハウジング部材が構成する封止体
    の封止部近傍に内装され、内部空間を第1の耐圧性ハウ
    ジング領域および第2の耐圧性ハウジング領域に分離し
    区画するフィルターユニットと、前記フィルターユニッ
    トで分離し区画された第1の耐圧性ハウジング領域に連
    通する被処理体の加圧供給口と、前記フィルターユニッ
    トで分離し区画された第2の耐圧性ハウジング領域に連
    通する被処理体の排出口と、前記第1の耐圧性ハウジン
    グ部材の外周面に一体的に配置され、供給される被処理
    体の温度を制御する温度制御手段とを具備した構成で、
    前記フィルターユニットは、平行もしくは一主面側が径
    大に開口したすり鉢状に厚さ方向へ開口する貫通孔を有
    する多孔支持板を支持した構成の複数個の貫通孔を有す
    る耐圧性の支持板、および前記多孔支持の一主面側に
    配置された厚さ方向に微細な網目構造の流路を設けられ
    たメンブレンフィルターを備え、かつメンブレンフィル
    ターを第1の耐圧性ハウジング領域側として装着配置さ
    れて成る加圧型整粒器を用い、前記第1の耐圧性ハウジ
    ング領域に連通する加圧供給口から脂質粒子懸濁液を約
    8kgf/cm2以上で加圧供給するとともに、脂質粒子懸濁
    液を温度制御手段で温度制御しながら、前記フィルター
    ユニットを強制通過させて、前記第2の耐圧性ハウジン
    グ領域に連通する排出口から排出させることを特徴とす
    る懸濁脂質粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 多孔支持板の貫通孔の一主面側開口径/
    他主面側開口径の比が、 1:0.01〜1であることを特徴
    とする請求項1または2記載の懸濁脂質粒子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 一主面に半径方向に傾斜付きで延設され
    た液流通溝、および前記延設された液流通溝に交叉する
    形で同心円的に液流通溝が形設された耐圧性の支持板
    と、前記耐圧性支持板の流通溝形成面に配置された微細
    な網目構造の流路を設けられたメンブレンフィルターと
    を具備して成るフィルターユニットを配置し、前記メン
    ブレンフィルター側から脂質粒子含有の懸濁液を約8kgf
    /cm2以上の加圧下で、メンブレンフィルター微細な
    網目構造の流路および耐圧性支持板の流通溝を流通させ
    ことにより、前記懸濁液中に含有されている脂質粒子
    を微細化・均一化することを特徴とする懸濁脂質粒子の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 互いに対応する開口面が対接して封止体
    を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐
    圧性ハウジング部材と、前記第1の耐圧性ハウジング部
    材および第2の耐圧性ハウジング部材が構成する封止体
    の封止部近傍に内装され、内部空間を第1の耐圧性ハウ
    ジング領域および第2の耐圧性ハウジング領域に分離し
    区画するフィルターユニットと、前記フィルターユニッ
    トで分離し区画された第1の耐圧性ハウジング領域に連
    通する被処理体の加圧供給口と、前記フィルターユニッ
    トで分離し区画された第2の耐圧性ハウジング領域に連
    通する被処理体の排出口と、前記第1の耐圧性ハウジン
    グ部材の外周面に一体的に配置され、供給される被処理
    体の温度を制御する温度制御手段とを具備した構成で、
    前記フィルターユニットは、一主面に半径方向に傾斜付
    きで延設された液流通溝、および前記延設された液流通
    溝に交叉する形で同心円的に液流通溝が形設された耐圧
    性の支持板と、前記耐圧性支持体の流通溝形成面に配置
    された厚さ方向に微細な網目構造の流路を設けられたメ
    ンブレンフィルターとを備え、かつメンブレンフィルタ
    ーを第1の耐圧性ハウジング領域側として装着・配置さ
    れて成る加圧型整粒器を用い、前記第1の耐圧性ハウジ
    ング領域に連通する加圧供給口から脂質粒子懸濁液を約
    8kgf/cm2以上で加圧供給するとともに、脂質粒子懸濁
    液を温度制御手段で温度制御しながら、前記フィルター
    ユニットを強制通過させて、前記第2の耐圧性ハウジン
    グ領域に連通する排出口から排出させることを特徴とす
    る懸濁脂質粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 メンブレンフィルターが、セルロースエ
    ステルポリビニリデンジフロライドグラスファイバ
    アクリル酸共重合体ポリテトラフロロエチレン
    ナイロンもしくはHT−タフリンから成ることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項記載の懸濁脂質粒子
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 メンブレンフィルターの平均孔径が1.0
    μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れか1項記載の懸濁脂質粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】 メンブレンフィルターがセルロースエス
    テルもしくはポリビニリデンジフロライドから成り、か
    つその平均孔径が1.0μm以下であることを特徴とする
    求項1乃至7のいずれか1項記載の懸濁脂質粒子の製造
    方法。
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