JPH06238142A - 加圧型整粒器および懸濁脂質粒子の製造方法 - Google Patents

加圧型整粒器および懸濁脂質粒子の製造方法

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JPH06238142A
JPH06238142A JP4225645A JP22564592A JPH06238142A JP H06238142 A JPH06238142 A JP H06238142A JP 4225645 A JP4225645 A JP 4225645A JP 22564592 A JP22564592 A JP 22564592A JP H06238142 A JPH06238142 A JP H06238142A
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pressure
resistant housing
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resistant
filter unit
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Application number
JP4225645A
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English (en)
Inventor
Akinori Hoshio
明則 星尾
Takazou Hirose
多郁三 広瀬
Hiroshi Kikuchi
寛 菊池
Hitoshi Yamauchi
仁史 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nomura Micro Science Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Nomura Micro Science Co Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/4105Methods of emulsifying

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 たとえばエマルジョンやリポソームに代表さ
れる懸濁脂質粒子などを、所定の粒径範囲内に揃えて微
細化処理するのに適した加圧型整粒器、およびこれを用
いた懸濁脂質粒子の製造方法を提供する。 【構成】 互いに対応する開口面が対接して封止体を構
成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐圧性
ハウジング部材と、前記第1の耐圧性ハウジング部材お
よび第2の耐圧性ハウジング部材が構成する封止体の封
止部近傍に内装され、第1の耐圧性ハウジング領域およ
び第2の耐圧性ハウジング領域に分離・区画するフィル
ターユニットと、前記フィルターユニットで分離・区画
された第1の耐圧性ハウジング領域に連通する被処理体
の供給口と、前記フィルターユニットで分離・区画され
た第2の耐圧性ハウジング領域に連通する被処理体の排
出口と、前記第1の耐圧性ハウジング部材の外周面に一
体的に配置され、供給される被処理体の温度を制御する
温度制御手段とよりなる加圧型整粒器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加圧型整粒器および懸濁
脂質粒子の製造方法に係り、たとえばエマルジョンやリ
ポソームに代表される懸濁脂質粒子などを、所定の粒径
範囲内に揃えて微細化処理するのに適した加圧型整粒
器、およびこれを用いた懸濁脂質粒子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば水と油とを両親媒性脂質により
乳化したエマルジョンや、内部に水相を有し脂質の二分
子膜により閉鎖小胞化されたリポソームなどの脂質粒子
懸濁液は、たとえば制ガン剤,抗エイズ薬などへの薬理
学的適用、あるいは化粧品工業的適用などにおいて、実
用に多くの関心が払われている。そして、この種の懸濁
脂質粒子(脂質懸濁粒子)は、ある限定された平均粒径
および限定された粒径分布を有することが望まれてい
る。
【0003】このような脂質粒子などの整粒化という要
望に対応して、前記懸濁脂質粒子などを、(a) 高圧ホモ
ジナイザーなどの機械的剪断力を利用し微細化・整粒す
る方法、あるいは(b) 濾過器・フィルターを用いてたと
えば 1〜7kgf/cm2 の圧力を加え無理やりにフィルター
を通過させ、脂質粒子などを微細化・整粒する方法が知
られている。 なお、本明細書において、懸濁脂質粒子
の製造方法とは、前記のように予め製造された脂質粒子
懸濁液中の脂質粒子を、微細化・整粒することを意味す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の脂質粒子などの製造方法(微細化・整粒手段)は、
実用上次のような不都合な問題がある。すなわち、(a)
の場合は、その強い剪断力のためにペプタイドやタンパ
ク質のような高分子薬物の一部が切断あるいは変性した
り、また部分的に加わる高熱のために、熱に弱い薬物が
分解を起こしたりするばかりでなく、機械的な乳化力に
頼る(脂質の微細化)ため、粒径の精密な制御が実質的
に至難であるという問題がある。一方、(b) の場合に
は、フィルターたとえばメンブレンフィルターの種類な
いし構成の選択,および選択されたメンブレンフィルタ
ーを機械的に補強支持するフィルター支持体との組み合
わせに起因して、懸濁脂質粒子の微細化・整粒を効率的
に、もしくは量産的に成し得ないのが実情である。
【0005】この点さらに言及すると、樹脂フイルムに
選択エッチングによって所要の微細孔を設けたメンブレ
ンフィルターの場合は、整粒に関与するいわゆる有効面
積が低減し、整粒効率が劣るという問題がある。一方、
高分子素材の溶剤処理による膨潤,乾燥によって微細孔
をスポンジ状に設けたメンブレンフィルターの場合は、
目詰まりを生じたりして、実際的に懸濁脂質粒子の整粒
を行い得ないのが実情である。したがって、懸濁脂質粒
子について所要の微細化・整粒を効率的・量産的に成し
得ない。加えて、フィルター支持体がいわゆる多孔質で
あってもその開口率に限度があるため、メンブレンフィ
ルターの微細孔を加圧・通過して微細化した懸濁脂質粒
子(脂質懸濁粒子)の流れが阻害され、結果的には所要
の微細化・整粒を効率的,量産的に成し得ないことにな
る。このフィルター支持体に起因する問題は、たとえば
フィルター支持体の貫通孔の径を大きく、かつ多数個を
設定することによる対応も考えられるが、一方ではメン
ブレンフィルターを機械的に補強支持する機能を達成し
得ないという問題がある。
【0006】また、前記(b) の場合においては、フィル
ターの問題ばかりでなく、濾過器自体にも問題がある。
すなわち、エマルジョンやリポソームに代表される懸濁
脂質粒子を量産的に整粒するには、(1) 整粒器が、たと
えば貯蔵タンクに直結可能で、一度に大量の脂質粒子懸
濁液を処理できること、(2) 被処理脂質懸濁を、その脂
質の相転移温度以上に保つための温度制御を要するこ
と、(3) 加圧下という圧力制御を要すること、(4) 対象
が医薬品用の場合(弱酸性,弱塩基性が多い)耐蝕性を
要求されることが前提になる。しかしながら、従来の濾
過器は、前記(1)〜(4) の要件を備えていない。
【0007】上記のように、今までは懸濁脂質粒子など
のさらなる微細化、および粒径分布範囲の挟小化(整粒
化)に適する有効な製造方法や装置がなく、効率的に、
懸濁脂質粒子などの微細化および粒径分布範囲の挟小化
(整粒化)が可能な手段の開発が待たれているのが実情
である。
【0008】本発明はこのような事情に対処してなされ
たもので、たとえば懸濁脂質粒子の量産的な微細化・整
粒に好適する加圧整粒器(加圧整粒装置)および懸濁脂
質粒子の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る加圧整粒器
(加圧整粒装置)は、互いに対応する開口面が対接して
封止体を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第
2の耐圧性ハウジング部材と、前記第1の耐圧性ハウジ
ング部材および第2の耐圧性ハウジング部材が構成する
封止体の封止部近傍に内装され、第1の耐圧性ハウジン
グ領域および第2の耐圧性ハウジング領域に分離・区画
するフィルターユニットと、前記フィルターユニットで
分離・区画された第1の耐圧性ハウジング領域に連通す
る被処理体の供給口と、前記フィルターユニットで分離
・区画された第2の耐圧性ハウジング領域に連通する被
処理体の排出口と、前記第1の耐圧性ハウジング部材の
外周面に一体的に配置され、供給される被処理体の温度
を制御する温度制御手段とを具備して成り、かつ前記フ
ィルターユニットは、一主面側が径大に開口し他主面側
が径小に開口する段付き貫通孔を有する多孔支持体(た
だし径大開口/径小開口比は 1:0.01〜 0.5)を支持し
た構成の複数個の貫通孔を有する耐圧性の支持板または
半径方向ならびに同心円的に流通溝が交差的に形設され
た耐圧性の支持板、および前記多孔支持体の径大開口面
または流通溝形成面に配置された厚さ方向に貫通した微
細孔の設けられたメンブレンフィルター本体を備え、か
つメンブレンフィルター本体を第1の耐圧性ハウジング
領域側として装着・配置されていることを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る懸濁脂質粒子の製造方
法は、前記構成の加圧整粒器(加圧整粒装置)を使用
し、脂質粒子懸濁液を処理して微細化・整粒することを
骨子とする。
【0011】なお、ここで、第1の耐圧性ハウジング部
材および第2の耐圧性ハウジング部材は、たとえば SUS
316, SUS316Lなどのステンレス鋼、もしくは鉄などを芯
材とし表面にテフロンなどのプラスチック類やガラスな
どでライニングしたもので形成される。そして、これら
のハウジング部材はいずれも耐圧性を要求され、その厚
さはハウジング部材の大きさや形状などを考慮して選択
・設定される。すなわち加圧供給する被処理体に加える
圧力にもよるが、第1の耐圧性ハウジング部材の厚さ
は、たとえば内蔵・配置するフィルターユニットが、直
径90mm程度のとき3〜10mm程度、直径 290mm程度のとき
3〜60mm程度に設定される。そして、第2の耐圧性ハウ
ジング部材の外周面に一体的に配置され、供給される被
処理体の温度を制御する温度制御手段としては、たとえ
ば熱・冷の液媒体を流通させる構成、あるいは電熱式の
構成などいずれでもよい。
【0012】また、前記フィルターユニットの一部を成
すメンブレンフィルター本体の貫通微細孔による開口率
は 0.1〜18%程度であり、さらに耐圧性支持板の一部を
成す段付き貫通孔を有する多孔支持体の径大の開口と径
小の開口との口径比は、径大の開口径を 1としたとき径
小の開口径を0.01〜 0.5の範囲内で選択・設定する。そ
の理由は径大開口/径小開口比が 1:0.01〜 0.5の範囲
を外れると、メンブレンフィルター本体の有効微細孔領
域を十分に確保し得ないからである。なお、段付き貫通
孔を有する多孔支持体の径大開口の開口率は30〜90%,
好ましくは60〜70%程度であり、かつその厚さは一般的
に 0.1〜 5mm程度でよい。さらにこの段付き貫通孔を有
する多孔支持体を支持する支持板は、前記被処理体へ加
える圧力に十分耐え得る機械的な強度が要求され、前記
ハウジング部材の場合と同様の材質製でよく、その厚さ
も大きさや形状などを考慮して選択・設定され、一般的
には 3〜10mm程度に選択される。
【0013】前記段付き貫通孔を有する多孔支持体およ
び支持板で構成する耐圧性の支持板と代替して用い得る
耐圧性の支持板、すなわち半径方向に傾斜付きで延設さ
れた液流通溝ならびに同心円的にかつ交差させて形設さ
れた液流通溝を主面に備えた耐圧性の支持板の場合も、
構成する加圧型整粒器の容量(大きさ)、被処理体へ加
える圧力あるいは材質などにより適宜選択・設定され
る。プラスチックス、たとえばポリカーボネート樹脂製
で、直径 290mm程度の場合は厚さ 5〜20mm程度、ステン
レス綱で直径 290mm程度の場合は、厚さ 5〜20mm程度に
選択・設定すれば十分である。また、半径方向に傾斜付
きで延設される液流通溝も、たとえば外周側の深さを
0.8mm程度、内周側の深さ 4.8mm程度に傾斜付けされて
おり、外周側のピッチに比べて内周側のピッチを狭めて
いるが、このような構成に限定されるものでなく、たと
えば外周側の液流通溝数を多くし、液流通溝数の少ない
内周側の液流通溝に合流させてもよい。さらに、同心円
的に、かつ前記半径方向に傾斜付きで延設された液流通
溝に交差させて形設される液流通溝は、隣接する半径方
向に延設された液流通溝間を接続するとともに、メンブ
レンフィルター本体の有効面積を稼ぐ役割を成し、これ
らのピッチや深さも用途,容量などに応じて適宜選択・
設定される。
【0014】さらにまた上記において、脂質粒子の懸濁
液などに加える圧力は、特に限定されないが下限につい
ては2kgf/cm2 、好ましくは5kgf/cm2 とする。
【0015】本発明においてフィルターユニットの一部
を成すメンブレンフィルター本体としては、たとえばポ
リカーボネートフイルム,ポリエステルフイルム,ポリ
スルフォンフイルム,ポリエチレンフイルム,ポリプロ
ピレンフイルムなどを素材にし、前記のように荷電粒子
の照射およびアルカリエッチングにより厚さ方向に貫通
する微細孔を設けたもの、あるいは他の手段で厚さ方向
に貫通する微細孔を設けたものが挙げられる。そして、
前記貫通微細孔の径は 0.010〜14μm 、好ましくは 0.0
15〜 3μm 、さらに好ましくは 0.1〜 1μm であり、ま
た、これらの微細孔はできるだけ一様な分布状態を採っ
て設けられていることが望ましい。
【0016】上記構成の加圧整粒器は、貯蔵タンクに直
結可能な供給口などを備えているため、一度に大量の脂
質粒子懸濁液を処理でき、また、いわゆるジャケット付
きで温度制御も可能なため、処理対象の脂質を相転移温
度以上に制御し得る。さらに、耐圧性を備えているた
め、加圧下での処理可能であるとともに、ハウジング部
材については耐蝕性を考慮してステンレス鋼などで形成
しているため、医薬品用の場合(弱酸性,弱塩基性が多
い)などにも十分適用できる。つまり、エマルジョンや
リポソームに代表される懸濁脂質粒子を量産的に整粒す
る上での要件、前述した従来の濾過器で欠けていた前記
(1) 〜(4) の要件を備えたものといえる。
【0017】
【作用】上記本発明の加圧整粒器によれば、メンブレン
フィルター本体の機械的な支持に寄与する多孔支持体
は、一主面側が径大に開口し,他主面側が径小に開口す
る段付き貫通孔、または半径方向および同心円的互いに
交差した液流通溝を有している。そして、メンブレンフ
ィルター本体は、径大に開口する多孔支持体の一主面側
または耐圧性支持板の液流通溝形成面側に配置されるの
で、非接触領域面も比較的大きく採られることになり、
前記メンブレンフィルター本体における脂質粒子の通過
可能な貫通微細孔が十分に確保される(有効開口率の向
上)。なお、前記段付き貫通孔を有する多孔支持体の径
小に開口する他主面側は、この面側に配置された貫通孔
が分散形設された支持板によって、耐圧的および機械的
に安定した形で支持されている。また、加圧整粒器の他
の一部を成す第1のハウジング部材および第2のハウジ
ング部材も耐圧性に構成されるとともに、被処理液を適
正な処理温度に維持・制御する手段を備えている。した
がって、前記構成のフィルターユニットのメンブレンフ
ィルター本体側から、たとえば脂質粒子含有の懸濁液を
加圧下で供給することが可能となり、メンブレンフィル
ター本体の微細孔を加圧・通過させて、前記懸濁液中の
脂質粒子などの効率的な微細化・整粒が達成される。つ
まり、前記加圧・通過による微細化・整粒過程におい
て、被処理体ないし処理条件温度が適正に調整保持され
るので、効率的な微細化・整粒の達成が助長され、かつ
非常に高い回収率を呈する。
【0018】特に、メンブレンフィルター本体として、
たとえば荷電粒子の照射およびアルカリエッチングによ
り微細孔径が一定の貫通微細孔の設けたメンブレンフィ
ルター本体を用いた場合は、懸濁液中の脂質粒子などの
微細化・整粒をさらに容易に達成し得る。
【0019】
【実施例】以下図1〜図4を参照して、フイルターユニ
ットの直径を90mmに設定したときの実施例を説明する。
【0020】実施例1 図1は一部切欠き断面的に、図2は上面的に本発明に係
る加圧整粒器(加圧整粒装置)の構成例の要部をそれぞ
れ示したもので、1,2は互いに対応する開口面が対接
して封止体を構成する第1の耐圧性ハウジング部材およ
び第2の耐圧性ハウジング部材である。3は前記第1の
耐圧性ハウジング部材1および第2の耐圧性ハウジング
部材2が構成する封止体の封止部近傍に内装され、第1
の耐圧性ハウジング領域1aおよび第2の耐圧性ハウジン
グ領域2aに分離・区画するフィルターユニット、4は前
記フィルターユニット3で分離・区画された第1の耐圧
性ハウジング領域1aに連通する被処理体の供給口、5は
前記フィルターユニット3で分離・区画された第2の耐
圧性ハウジング領域2aに連通する被処理体の排出口であ
る。ここで、前記被処理体の供給口4は、たとえば懸濁
脂質粒子液などの被処理体の貯蔵タンク側に接続され、
排出口5は微細化・整粒済み貯蔵タンク側に接続され
る。
【0021】また、6は前記第1の耐圧性ハウジング部
材1の外周面に一体的に配置され、供給される被処理体
の温度を制御する温度制御手段であり、たとえば熱媒
体,冷媒体を切り替えて流し得る媒体流路が一体的に配
置、形設されている。ここで、媒体流路(温度制御手
段)6は、媒体供給口6aから供給され、第2の耐圧性ハ
ウジング部材1の外周面側から第1の耐圧性ハウジング
領域1a内の温度調節に関与する一方、媒体出口6bから排
出する構成を成している。
【0022】なお、図1において、7は被処理体を供給
する供給口4に連接する接続管、8は供給口4壁部およ
び接続管7壁部に沿って形設された空気抜き路、9は第
1の耐圧性ハウジング部材1の開口面および第2の耐圧
性ハウジング部材2の開口面が対接して構成する封止面
に配置されているパッキン、10は接続管7などの接続部
に配置されたパッキン、11は第1の耐圧性ハウジング部
材1および第2の耐圧性ハウジング部材2を一体化する
締め付けボルトである。
【0023】次に、前記フィルターユニット3の構成に
ついて図3および図4を参照して説明する。図3は前記
フィルターユニット3の構成例の要部展開図であり、ま
た図4は同構成例の要部断面図である。そして、前記フ
ィルターユニット3は、分散的に貫通孔を有する耐圧性
の支持板3a、この耐圧性の支持板3aに支持される一主面
側が径大に開口し他主面側が径小に開口する段付き貫通
孔を有するたとえばステンレス綱製の多孔支持体(ただ
し径大開口/径小開口比は 1:0.01〜 0.5)3b、および
前記多孔支持体3bの径大開口面にメッシュスクリーン3c
を介して配置された厚さ方向に貫通した微細孔の設けら
れたメンブレンフィルター本体3d、およびメンブレンフ
ィルター本体3d面上に配置されたメッシュスクリーン3e
で構成され、かつメンブレンフィルター本体3d側を第1
の耐圧性ハウジング領域1a側として装着・配置されてい
る。
【0024】前記フィルターユニット3の構成におい
て、段付き貫通孔を有する多孔支持体3bは、一主面側が
たとえば0.85mm程度の径大に開口し,他主面側がたとえ
ば 0.5mm程度の径小に開口する段付き貫通孔を有する径
大に開口する側の開口率が65%程度の、たとえば厚さ
0.5〜 0.7mm程度のステンレス製多孔支持体(板)であ
り、また、メンブレンフィルター本体3dは、たとえば厚
さ 6〜20μm 程度のポリカーボネートフイルムに、荷電
粒子を照射した後、たとえばNaOHなどのアルカリ溶液を
用いて選択エッチングして、直径 0.2μm の貫通した微
細孔を設けたものである。そして、このメンブレンフィ
ルター本体3dにおける開口率は、前記貫通微細孔の直径
が 0.2μm の場合10%である。さらに、多孔性の支持板
3aは、たとえば厚さ 4mmのステンレス板に、21mm間隔の
同心円上に径 4mmの貫通孔(面取り済み)をほぼ等間隔
に形設したものであるが、他の構成を採ったものでもよ
い。なお、この構成において、メンブレンフィルター本
体3dを両面側でメッシュスクリーン3c,3eにて挟持した
のは、メンブレンフィルター本体3dの保護を図ったもの
で、使用条件によって省略することも可能である。
【0025】実施例2 次に上記構成の加圧整粒器を用いて、懸濁脂質粒子を微
細化する懸濁脂質粒子製造(整粒)方法例を説明する。
なお、この実施例におけるリポソーム懸濁液の脂質粒子
の粒径および粒径分布の測定は、パーテクル・サイジン
グ・システム(PARTICLE SIZING SYSTEM)社のナイコン
プ 370シリーズ(商品名)で行った。周知のプロセスに
よって調製された脂質粒子径のピークが 800nmにあっ
て、その粒径分布が約 100nm〜5000nmにあるリポソーム
(膜組成:卵黄レシチン/コレステロール/卵黄フォス
ファチジルグリセロール=10mM/ 8mM/ 2mM)の懸濁
液)を用意し、この被処理懸濁液 2リットルを加圧・供
給口4から、 20kgf/cm2の圧力で、前記加圧整粒器内
に注入して、内装・支持されているフィルターユニット
3、すなわち多孔支持板3bの段付き貫通孔が径大に開口
する面に配置されたメンブレンフィルター本体3d(孔径
0.2μm )の貫通した微細孔を加圧・通過させて微細化
・整粒した後、前記多孔支持板3bの段付き貫通孔および
支持板3aの貫通孔を介して、微細化・整粒したリポソー
ム懸濁液を取り排出口5から回収した。なお、前記微細
化・整粒過程において、加圧整粒器の温度制御手段(媒
体流路)6には、媒体供給口6aから60℃の温水を供給す
る一方、媒体出口6bから排出させて、前記脂質粒子の微
細化・整粒温度をほぼ60℃とし、懸濁脂質の相転移温度
に維持して微細化・整粒を行った。
【0026】この微細化・整粒の操作を、さらに1回繰
り返した後、そのリポソーム懸濁液の脂質粒子の粒径お
よび粒径分布を測定したところ、脂質粒子径のピークが
150nmにあってその粒径分布が約70nm〜 300nmと、たと
えば制ガン剤用,抗エイズ薬用などに適するある一定の
平均粒径、およびこの粒径について限定された粒径分布
を呈する脂質粒子の整粒を達成し得た。また、排出口5
から回収された脂質量は、加圧・供給口4に注入した量
の99.2%であり、ほぼ全量を回収することができた。
【0027】上記の実施例において、懸濁脂質粒子(脂
質懸濁粒子)の微細化・整粒に当たり、被処理体として
の懸濁脂質粒子を加圧供給するときの圧力を、5kgf/cm
2 ,10kgf/cm2 , 15kgf/cm2 , 20kgf/cm2 , 25kg
f/cm2 , 30kgf/cm2 , 35kgf/cm2 ,あるいは 40kg
f/cm2 と変更しても、前記の場合と同様の結果が得ら
れた。また、上記では懸濁脂質粒子を被処理体としての
適用について例示したが、他の微細粒子の整粒において
も同様の傾向が認められた。
【0028】さらにまた、上記例示のフィルターユニッ
ト3の構成において、分散的に貫通孔を有する耐圧性の
支持板3a、およびこの耐圧性の支持板3aに支持される一
主面側が径大に開口し他主面側が径小に開口する段付き
貫通孔を有するステンレス綱製の多孔支持体3bの代わり
に、図5 (a)に平面的に、図5 (b)に断面的に、また図
5 (c)に拡大断面的にそれぞれ示す構成の耐圧性支持板
12を用いても同様の作用・効果が得られた。すなわち、
直径90mm,厚さ 5〜20mmのポリカーボネート樹脂板 12a
の一主面に、外周側の深さを 0.1〜 5mm程度、内周側の
深さ 1〜15mm程度に傾斜付きで半径方向に第1の液流通
溝 12bを延設し、さらに同心円的に、かつ第1の液流通
溝 12bに交差させて第2の液流通溝 12cを形設して成る
耐圧性支持板12を用い、この耐圧性支持板12の液流通溝
12b, 12c形成面に、メッシュスクリーン3c,3eでメン
ブレンフィルター本体3dを両面側から挟持した形(積層
体)で支持した構成のフィルターユニットを使用して
も、前記実施例の場合と同様の結果が得られた。
【0029】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明に係る加圧整粒器およびこれを使用する懸濁脂質粒子
の製造方法によれば、容易にかつ量産的に所要のある一
定の平均粒径、およびこの直径について限定された粒径
分布を呈する整粒が可能であり、たとえば制ガン剤,抗
エイズ薬などへの薬理学的適用、食品工業的適用、ある
いは化粧品工業的適用において、実用上多くの利点をも
たらすものといえる。
【0030】すなわち、本発明に係る加圧整粒器は、貯
蔵タンクに直結可能な供給口などを備えているため、一
度に大量の脂質粒子懸濁液を処理できるし、また、いわ
ゆるジャケット付きで温度制御も可能なため、処理対象
の脂質を相転移温度以上に制御し得る。さらに、耐圧性
を備えているため、加圧下での処理可能であるととも
に、ハウジング部材については耐蝕性を考慮した構成を
採っている。したがって、エマルジョンやリポソームに
代表される懸濁脂質粒子を量産的に整粒可能な加圧整粒
器として、あるいは懸濁脂質粒子の製造手段として極め
て有効なものといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加圧整粒器の要部構成例を示す一
部切り欠き断面図。
【図2】本発明に係る加圧整粒器の要部構成例を示す上
面図。
【図3】本発明に係る加圧整粒器が具備するフィルター
ユニットの構成例を示す展開図。
【図4】本発明に係る加圧整粒器が具備するフィルター
ユニットの要部構成例を示す断面図。
【図5】本発明に係る加圧整粒器が具備するフィルター
ユニットの構成に用いる耐圧性支持板の他の構造例を示
すもので、 (a)は平面図、 (b)は断面図、 (c)は一部拡
大断面図。
【符号の説明】
1…第1の耐圧性ハウジング部材 1a…第1の耐圧性
ハウジング部材領域 2…第2の耐圧性ハウジング部材 2a…第2の耐圧性
ハウジング部材領域 3…フィルターユニット 3a…耐圧性支持板 3b…
段付き貫通孔を有する多孔支持体 3c,3e…メッシュ
スクリーン 3d…メンブレンフイルター本体 4…被処理体の供給口 5…被処理体の排出口 6
…温度制御手段 6a…媒体供給口 6b…媒体出口 7…接続管 8
…空気抜き 9,10…パッキン 11…締め付けボル
ト 12…耐圧性支持板 12a…プラスチックス板
12b…半径方向の第1の液流通溝 12c…同心円的
な第2の液流通溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C10G 47/16 2115−4H (72)発明者 広瀬 多郁三 神奈川県厚木市岡田948番1号 野村マイ クロ・サイエンス株式会社開発事業本部内 (72)発明者 菊池 寛 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社開発研究所製剤研究センタ ー内 (72)発明者 山内 仁史 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社開発研究所製剤研究センタ ー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対応する開口面が対接して封止体
    を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐
    圧性ハウジング部材と、 前記第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐圧性ハ
    ウジング部材が構成する封止体の封止部近傍に内装さ
    れ、第1の耐圧性ハウジング領域および第2の耐圧性ハ
    ウジング領域に分離・区画するフィルターユニットと、 前記フィルターユニットで分離・区画された第1の耐圧
    性ハウジング領域に連通する被処理体の供給口と、 前記フィルターユニットで分離・区画された第2の耐圧
    性ハウジング領域に連通する被処理体の排出口と、 前記第1の耐圧性ハウジング部材の外周面に一体的に配
    置され、供給される被処理体の温度を制御する温度制御
    手段とを具備して成り、 前記フィルターユニットは、一主面側が径大に開口し他
    主面側が径小に開口する段付き貫通孔を有する多孔支持
    体(ただし径大開口/径小開口比は 1:0.01〜0.5)を
    支持した構成の複数個の貫通孔を有する耐圧性の支持板
    または半径方向ならびに同心円的に流通溝が交差的に形
    設された耐圧性の支持板、および前記多孔支持体の径大
    開口面または流通溝形成面に配置された厚さ方向に貫通
    した微細孔の設けられたメンブレンフィルター本体を備
    え、かつメンブレンフィルター本体を第1の耐圧性ハウ
    ジング領域側として装着・配置されていることを特徴と
    する加圧型整粒器。
  2. 【請求項2】 互いに対応する開口面が対接して封止体
    を構成する第1の耐圧性ハウジング部材および第2の耐
    圧性ハウジング部材と、前記第1の耐圧性ハウジング部
    材および第2の耐圧性ハウジング部材が構成する封止体
    の封止部近傍に内装され、第1の耐圧性ハウジング領域
    および第2の耐圧性ハウジング領域に分離・区画するフ
    ィルターユニットと、前記フィルターユニットで分離・
    区画された第1の耐圧性ハウジング領域に連通する被処
    理体の供給口と、前記フィルターユニットで分離・区画
    された第2の耐圧性ハウジング領域に連通する被処理体
    の排出口と、前記第1の耐圧性ハウジング部材の外周面
    に一体的に配置され、供給される被処理体の温度を制御
    する温度制御手段とを具備して成り、かつ前記フィルタ
    ーユニットは、一主面側が径大に開口し他主面側が径小
    に開口する段付き貫通孔を有する多孔支持体(ただし径
    大開口/径小開口比は 1:0.01〜 0.5)を支持した構成
    の複数個の貫通孔を有する耐圧性の支持板または半径方
    向ならびに同心円的に流通溝が交差的に形設された耐圧
    性の支持板、および前記多孔支持体の径大開口面に配置
    された厚さ方向に貫通した微細孔の設けられたメンブレ
    ンフィルター本体を備え、かつメンブレンフィルター本
    体を第1の耐圧性ハウジング領域側として装着・配置さ
    れて成る加圧型整粒器を用い、 前記第1の耐圧性ハウジング領域に連通する供給口から
    脂質粒子懸濁液を加圧供給するとともに、脂質粒子懸濁
    液を温度制御手段で温度制御しながら、前記フィルター
    ユニットを強制通過させて、前記第2の耐圧性ハウジン
    グ領域に連通する排出口から排出させることを特徴とす
    る懸濁脂質粒子の製造方法。
JP4225645A 1992-07-15 1992-08-25 加圧型整粒器および懸濁脂質粒子の製造方法 Pending JPH06238142A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100496738B1 (ko) * 2002-07-10 2005-06-22 최용태 식용기름용 스테이필터
KR100519228B1 (ko) * 2002-07-10 2005-10-06 최용태 식용기름 침전물의 정제장치
CN105457359A (zh) * 2015-12-08 2016-04-06 无锡万能胶粘剂有限公司 一种高强度制胶用加压过滤设备
CN110812914A (zh) * 2019-11-23 2020-02-21 湖南朝露生物科技有限公司 一种植物提取物纯化及低温浓缩设备

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