JP3316646B2 - 液圧転写装置の活性剤塗布装置 - Google Patents

液圧転写装置の活性剤塗布装置

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JP3316646B2
JP3316646B2 JP20849593A JP20849593A JP3316646B2 JP 3316646 B2 JP3316646 B2 JP 3316646B2 JP 20849593 A JP20849593 A JP 20849593A JP 20849593 A JP20849593 A JP 20849593A JP 3316646 B2 JP3316646 B2 JP 3316646B2
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宏治 山田
克美 井柳
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株式会社キュービック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、転写インクをあらか
じめ水溶性フィルム等に塗着した転写フィルムを用いる
液圧転写装置に関するものであって、特に転写フィルム
の転写槽への導入に先立って転写インクに粘着性を持た
せ、転写可能状態とする活性剤の塗布装置に係るもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、水等の液体を貯溜した転写槽
内の液面上に、転写インクを塗着した転写フィルムをイ
ンク面を上向きにして供給し、その上方から被転写体を
転写フィルムのインク面上に押し付けて液圧により転写
を行う液圧転写装置がある。このような液圧転写装置に
おいて、前記転写フィルムを転写槽に導入するに先立っ
て転写フィルムに塗着された転写インクに粘着性を持た
せ、転写可能状態とする(なお本明細書において使用す
る「活性化する」とは、このような状態とすることを意
味するものである)ことが必要であり、従来、一般にグ
ラビアロールによるローラコータを用いて活性剤を転写
フィルムのインク面に塗布するという試みがなされてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記グ
ラビアロールは非常に高価であり、またゴミ、埃等の異
物により目詰まりすることもあって、グラビアロール表
面に刻設されるグラビア目を傷付けた場合には、その傷
が製品の柄として出てしまうため交換を余儀なくされ、
メンテナンスも困難である。このほか転写フィルムへの
活性剤の塗布をグラビアロールによるローラコータで行
った場合、図8(a)に示すような状態に活性剤が塗布
されるため、活性剤の塗膜が完全に平坦化するには多少
時間がかかるのか、場合によっては製品にグラビア目が
出てしまい、転写の仕上がりが良好でない場合もあっ
た。また、ローラコータはその構造から大がかりな装置
とならざるを得ず、装置価格も高価になる。この発明
は、このような事情に基づいてなされたもので、転写の
仕上がりが良好で、装置価格も安価でメンテナンスも容
易に行える液圧転写装置の活性剤塗布装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、あらかじめ転写インクを塗
着した転写フィルムを液体を貯溜した転写槽に向けて移
送する移送経路の途中に設けられ、前記転写フィルムに
塗着した転写インクに活性剤を塗布し、この転写インク
を活性化させる装置において、前記装置は転写フィルム
を移送する移送経路後段の前記転写槽への送り込み側に
設けられる引出ロールに対し圧接状態に設けられるミヤ
バーと、このミヤバーに対し一定量の活性剤を供給する
活性剤供給装置とから成ることを特徴とする。
【0005】また、請求項2記載の発明は、前記の液圧
転写装置の活性剤塗布装置において、前記活性剤供給装
置は、活性剤を貯溜する貯溜部と、この貯溜部内の底部
より上方の位置から活性剤を流出させる活性剤供給ノズ
ルとを有する装置本体を具え、その装置本体内には前記
貯溜部内の活性剤中への浸漬体積を可変とする液面調節
部材を設けたことを特徴とする。
【0006】更にまた請求項3記載の発明は、前記の液
圧転写装置の活性剤塗布装置において、前記引出ロール
に対する転写フィルムの巻回開始点は、引出ロールの回
転中心より引いた鉛直線を境として、少なくとも転写フ
ィルムの搬入側に位置するとともに、前記引出ロールに
対するミヤバーの圧接位置は前記鉛直線を境として、少
なくとも転写フィルムの搬出側に位置するように設定し
たことを特徴とする。
【0007】更にまた請求項4記載の発明は、前記の液
圧転写装置の活性剤塗布装置において、前記引出ロール
は、その両端において、サイドフレームによって軸支さ
れており、更にこのサイドフレームには扛伏自在に保持
アームが設けられるものであって、この保持アーム基端
側の回動支点寄りの部位には、前記ミヤバーが固着状態
に横架されるとともに、保持アーム先端の自由端側に
は、前記ミヤバーを所定圧で引出ロールに圧接するウエ
イトが設けられていることを特徴とする。
【0008】更にまた請求項5記載の発明は、前記の液
圧転写装置の活性剤塗布装置において、前記ミヤバーの
前記引出ロールに対する圧接作用面と反対側の位置には
撓み矯正機構が臨んでおり、少なくとも作業時において
この撓み矯正機構の押圧部がミヤバー全長にわたって、
またはその一部に当接し押圧するようにしたことを特徴
とする。
【0009】更にまた請求項6記載の発明は、前記の液
圧転写装置の活性剤塗布装置において、前記活性剤供給
装置における液面調節部材の液面に対する浸漬は、カム
駆動による上下機構により行われ、このカム駆動は前記
引出ロールの回転軸から出力を取り、引出ロールの回転
数とカムの動きとを連動させるようにしたことを特徴と
する。
【0010】更にまた請求項7記載の発明は、前記の液
圧転写装置の活性剤塗布装置において、前記活性剤供給
装置における装置本体内には、前記活性剤供給ノズルの
流出口より低い高さの液面固定堰が設けられるととも
に、この液面固定堰から流出した活性剤は、装置本体外
部に設けられる活性剤タンクを経て再び貯留部に戻るよ
う前記装置本体と活性剤タンクとの間には循環経路が形
成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の作用】請求項1記載の発明によれば、転写フィ
ルムを移送する移送経路後段の前記転写槽への送り込み
側に設けられる引出ロールに対し圧接状態に設けられる
ミヤバーと、このミヤバーに対し一定量の活性剤を供給
する活性剤供給装置とから成るものであるので、従来の
グラビアロールを用いたローラコータのようにその構造
が大がかりとならず、装置価格が安価になる。その上、
引出ロールとミヤバーとの摩擦力により転写フィルムを
引き出す作用をも生ずる。そして、活性剤供給装置から
の活性剤がミヤバーにより塗着されるので、従来のグラ
ビアロールを用いたローラコータに比べて活性剤の塗膜
の平坦化が円滑に行われ、製品にグラビア目ができ難
く、良好な転写を行うことができる。
【0012】また請求項2記載の発明によれば、活性剤
供給装置が、貯溜部と活性剤供給ノズルとを有する装置
本体を有し、その装置本体内に貯溜部内の活性剤中への
浸漬体積を可変とする液面調節部材を設けてあるので、
比較的簡単な構造でありながら少量の活性剤を安定的に
均一な状態で転写フィルム上に供給することができる
上、ある程度活性剤が攪拌されることも期待できるた
め、活性剤中に含まれる体質顔料等の沈降性物質の沈降
を防止し、転写を良好に行うことができる。
【0013】更にまた請求項3記載の発明によれば、引
出ロールに対する転写フィルムの巻回開始点は転写フィ
ルムの搬入側に位置し、ミヤバーの圧接位置は転写フィ
ルムの搬出側に位置する構成をとる。従って転写フィル
ムと引出ロールとの間に転写フィルムを引き出すのに必
要なある程度の摩擦力が確保される。
【0014】更にまた請求項4の記載の発明によれば、
ミヤバーはサイドフレームに対し扛伏自在に設けられる
保持アームの回動支点寄りの部位に固着されるととも
に、保持アーム先端にはウエイトが設けられる構成をと
る。従ってこのウエイトの重量や取付位置を可変するこ
とにより、ミヤバーと引出ロールとの間の微妙な圧接調
整を容易に行うことができる。
【0015】更にまた請求項5記載の発明によれば、ミ
ヤバーの圧接作用面と反対側の面に撓み矯正機構を臨ま
せ、この撓み矯正機構における押圧部をミヤバーに当接
させる構成をとる。従って引出ロールにミヤバーを圧接
する際に生ずる中央部での撓みが矯正され、活性剤の塗
布量の均一化が図られ、塗布ムラの発生が防止される。
【0016】更にまた請求項6記載の発明によれば、液
面調節部材の液面に対する浸漬をカム駆動による上下機
構により行い、このカム駆動を引出ロールの回転軸から
出力をとることで引出ロールの回転数とカムの動きとを
連動させるという構成をとっている。従って転写フィル
ムの繰り出し量に応じた活性剤の供給が可能となる。
【0017】更にまた請求項7記載の発明によれば、装
置本体内に活性剤供給ノズルの流出口の高さより低い高
さに液面固定堰を設けるとともに、装置本体外部に活性
剤タンクを設け、これらの間に循環経路を形成するとい
う構成をとっている。従って液面固定堰を越える余剰の
活性剤は活性剤タンクに流出され、貯留部内の活性剤の
液面は常に一定の高さに保たれる。またこのように活性
剤を循環させることによりある程度の攪拌作用も期待で
きる。
【0018】
【実施例】以下、図面に示す実施例について説明する。
なお本実施例では一例として転写槽内に一定流速の水流
を形成し、この中に転写フィルムを連続的に供給すると
ともに、被転写体を所定の入射角及び取出角をもって連
続的に液中に浸漬させる三角コンベヤタイプの被転写体
の搬送手段を有する液圧転写装置を示すが、本発明を適
用できる液圧転写装置としては、これに限らず水流を有
しないもの、転写フィルムを間欠的に供給するもの、被
転写体を垂直に浸漬させるもの等、他の種々の液圧転写
装置に適用できる。図1において、1は液圧転写装置を
示し、2は転写槽、3は転写フィルム供給装置、4は被
転写体搬送装置である。転写槽2は、内部に水Wが貯溜
されており、その水Wは循環管路5を経てポンプ6によ
り矢印のようにゆっくり循環されている。従ってこの転
写槽2内の液面においても波立ちのない平滑な状態でゆ
っくりとした流れが図1において右側向きに形成されて
いる。
【0019】転写フィルム供給装置3は、図1、2に示
すように、ロール巻きされた転写フィルムFから成るフ
ィルムロール11と、フィルムロール11から引き出さ
れた転写フィルムFを加熱するヒートロール12と、ミ
ヤバーとの摩擦により転写フィルムFに引出力を与える
引出ロール13とが設置されている。転写フィルムF
は、例えばゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニ
ルアルコール樹脂等のフィルムから成るもので、そのフ
ィルムの一方の表面はあらかじめグラビア印刷用インク
等によって所要の模様が塗着されたインク面Pとなって
いる。
【0020】そして、この実施例において引出ロール1
3はゴムロールから成り、この引出ロール13の外周上
側には転写フィルムFがそのインク面Pを上向きとした
状態で巻装されている。この引出ロール13の上方に
は、活性剤供給装置15の装置本体16とミヤバー17
とが引出ロール13の回転軸と平行に配置されて活性剤
塗布装置14を構成している。
【0021】活性剤供給装置15は、装置本体16と、
装置本体16へ活性剤Kを補充する補給装置18とから
成るものである。このうち補給装置18は、必ずしも装
置本体16と共に引出ロール13の上方に設置せずとも
よく、液圧転写装置1の側方等の適宜の個所に配置する
ことができる。なお本明細書において使用する活性剤K
とは、溶剤成分、樹脂成分、体質顔料等の混合物を意味
するほか、シンナー等の溶剤成分のみのものをも包含す
る意である。
【0022】装置本体16は、後述するように活性剤タ
ンク25から補給される液状の活性剤Kを一時的に貯溜
するいわゆるサブタンクとして機能するものであって、
図4に示す断面図から明らかなようにその内部には活性
剤Kを貯溜する貯溜部21が形成されている。そしてこ
の装置本体16には複数の活性剤供給ノズル22が下向
きに形成されている。これらの活性剤供給ノズル22に
おいて、その吐出口22aは装置本体16の底面に開口
しているが、流出口22bは前記貯溜部21の底部21
aより上方となる位置に設定されている。更に装置本体
16には前記活性剤供給ノズル22における流出口22
bより低い高さの液面固定堰Lが設けられる。なお図4
では一例として活性剤供給ノズル22の対向側にこの液
面固定堰Lを設けているが、装置本体16を図3側から
見た場合のその左右端部に設けるようにしてももちろん
構わない。また活性剤供給ノズル22において使用した
ノズルとは、図4に示すようないわゆる管口のほか、吐
出口22aと流出口22bとが言わば一緒になった単な
る開口程度のものをも包含する意である。
【0023】このような装置本体16内には、前記貯溜
部21に向けて進退可能に液面調節部材23が設置され
ている。この実施例において、液面調節部材23はいわ
ゆるフロートとして形成されたものであって、液面調節
部材23の上部には上方に延在する2本の支持ロッド2
3aが設けられ、これらの支持ロッド23aは装置本体
16の上部を貫通した外側でそれぞれ連結ロッド23b
に接続されている。
【0024】そして、この連結ロッド23bの一端側に
は、一例としてカム装置で構成された上下機構24が配
置されている。従ってこの上下機構24により前記液面
調節部材23の位置は図4(a)(b)に示すようにそ
れぞれ下限位置と上限位置に定めることがき、これによ
り液面調節部材23に一定ストロークの変動を与えるこ
とが可能となり、延いては一定の滴下量をミヤバー17
の近傍の転写フィルムF上に供給できるようにしている
のである。なお活性剤Kの滴下量の調整は、活性剤供給
ノズル22における流出口22bの高さを変えるほか、
カム24cの作動高さを変更したり、装置本体16自体
の取付位置を上下にずらしたり、活性剤供給ノズル22
のノズル口径を変えることのよっても調整できる。また
活性剤供給ノズル22から活性剤Kを滴下するに際して
はそのまま転写フィルムF上に滴下するほか、図7に示
すように紐またはワイヤ等から成る誘導体Rを吐出口2
2aより垂らし、これにより滴下誘導するようにするこ
とも可能である。
【0025】また活性剤Kの滴下部周辺には、適宜防塵
カバーを設け、活性剤Kへの異物の混入を防止する対策
を講ずることももちろん可能である。更に図3に示す実
施例では引出ロール13の回転軸から出力を取り、この
回転軸を延長してその先端に駆動ギヤ24aを設け、こ
れに従動ギヤ24bを噛み合わせ、この従動ギヤ24b
の回転軸に対してカム24cを設けるという構成をとっ
ている。因みにこのような構成をとることによって、カ
ム24cは引出ロール13の回転と連動して、同期して
動くようになり、転写フィルムFの繰り出し量に応じた
活性剤Kの滴下を実現させているのである。また図示の
実施例ではカム24cを一個のみ設け片側で駆動してい
るが、連結ロッド23bの両端においてカム24cを二
個設け両側駆動とすることも可能である。このような装
置本体16には、次のように構成された補給装置18か
ら活性剤Kの補給が行われる(図2参照)。すなわち補
給装置18は、活性剤タンク25と、給送ポンプ26と
制御弁27とを具えた供給管路28と、戻し管路29と
を有するものであって、これら諸部材によって装置本体
16と活性剤タンク25との間に活性剤Kの循環経路を
形成している。
【0026】また補給装置18は、前記制御弁27を開
き、給送ポンプ26を駆動することにより活性剤Kを前
記装置本体16に供給するものであって、前記貯溜部2
1内において前記液面固定堰Lによって設定される活性
剤Kの液面高さは、前記流出口22bより下方とされて
おり、前記供給管路28を経て供給された活性剤Kの供
給量が多く、この液面固定堰Lを越えてオーバーフロー
する場合にも戻し管路29を経て余剰の活性剤Kを活性
剤タンク25に還流することにより、貯留部21内の液
面高さは常に一定に保たれている。
【0027】このような補給装置18によって活性剤K
が供給される前記装置本体16においては、前記したよ
うに上下機構24を適宜駆動させることにより、液面調
節部材23を上下させることができ、これによって前記
貯溜部21内の活性剤Kへの液面調節部材23の浸漬体
積を調節できる。すなわち前記液面調節部材23の活性
剤K中への浸漬体積を適宜に調節して浸漬させ、前記流
出口22bの上方に一定の体積の活性剤Kを押し上げる
ことによって、活性剤ノズル22から高精度に所要量の
活性剤Kを転写フィルムF上に供給することができる。
そのため、前記液面調節部材23を所要の時間間隔で適
量駆動させ、少量の活性剤Kの供給を高精度で継続的に
行わせることができる。
【0028】またこのように前記補給装置18を用いて
装置本体16に供給される活性剤Kを循環させることに
よって活性剤Kが攪拌され、また前記装置本体16内に
おいて、前記液面調節部材23の浸漬によっても活性剤
Kが攪拌されるので、活性剤K中に含まれる体質顔料等
の沈降性物質の沈降が防止され、転写フィルムFの活性
化が良好になる利点がある。このようにして引出ロール
13上に巻装された転写フィルムFのインク面P上に供
給された活性剤Kは、以下述べるミヤバー17により一
定厚さにコートされるのである。なおここで引出ロール
13に対する転写フィルムFの巻回状態並びに引出ロー
ル13とミヤバー17との位置関係について若干の説明
を加えておく。すなわち引出ロール13に対する転写フ
ィルムFの巻回開始点Oは、引出ロール13の回転中心
より引いた鉛直線V−Vを境として少なくとも転写フィ
ルムFの搬入側に位置し、他方、引出ロール13に対す
るミヤバー17の圧接位置は、前記鉛直線V−Vを境と
して少なくとも転写フィルムFの搬出側に位置するよう
に設定されるのである。因みにこのような位置関係とす
ることにより、従来のグラビアロールを使用してのロー
ラコータタイプの活性剤塗布装置において使用した転写
フィルムFの送り用の押圧ローラは不要となる。すなわ
ちミヤバー17の搬入側に押圧ローラを設けた場合に
は、この押圧ローラとミヤバー17との二点で転写フィ
ルムFは引出ロール13に圧接されるため、両者の摩擦
力の違いにより転写フィルムFの滑らかな送りが妨げら
れ、押圧ローラとミヤバー17との間で転写フィルムF
に皺がよってしまうことが予想され、逆にミヤバー17
の搬出側に押圧ローラを設けようとしてもすでに転写フ
ィルムFは活性化されており、インク面Pは粘着状態と
なっており、これを押圧ローラによって引出ロール13
側に押圧するのは好ましくないからである。因みに本実
施例では、巻回開始点Oは図7において鉛直線V−Vか
ら左に45°付近の位置とし、ミヤバー17の圧接位置
は転写フィルムFが引出ロール13を離れるその接点上
あるいはその接点を通る法線を境として、その左側近傍
の位置(具体的には鉛直線V−Vから右に25°付近の
位置)とした。
【0029】この実施例において、ミヤバー17は図5
及び図6に示すように、引出ロール13を軸支するサイ
ドフレーム31に固着された支持ブラケット32に枢支
された保持アーム33に対し、その基端側の回動支点寄
りの部位にミヤバー17の両端部をそれぞれ固着状態に
枢支して前記引出ロール13に摺接させるようにしたも
のである。なお図6においてC−Cは中心線を示し、こ
の中心線に関して両側は対称構造になっている。ここ
で、ミヤバー17はワイヤバーとも称されるものであっ
て、直径の一定した円柱棒の周面に一定の太さのステン
レスワイヤをコイル状に巻いたものであり、この実施例
においては、ミヤバー17の直径は約12mm、ステンレ
スワイヤの線径は0.25mmで、♯10と称されるもの
を一例として使用した。
【0030】なおミヤバー17のステンレスワイヤの線
径等の条件は、活性剤Kの粘度やコート量等の条件に応
じて適宜のものとすればよい。そして、この実施例にお
いては、前記ミヤバー17の引出ロール13に対する圧
接作用面と反対側の位置には、撓み矯正機構34が臨ん
でいる。この撓み矯正機構34は少なくとも作業時にお
いて前記ミヤバー17に当接し、これを押圧する押圧部
34aを有するものであって、その押圧部34aがミヤ
バー17の全長にわたって押圧するものであるか、その
一部を押圧するものであるかによって図6に示すように
二種類に大別される。このうち図6(a)に示すもの
は、前記押圧部34aを一例としてアルミニウム製の角
材により構成し、ミヤバー17の全長にわたって押圧
し、剛性を与えることでミヤバー17の撓みを矯正しよ
うとしたものである。従って同様の効果が期待できるも
のであれば、他の金属あるいは合成樹材料等も使用で
き、その形状も角材に限らず板材、角パイプ等種々採用
できる。また図6(b)に示すものは、押圧部34aを
押圧ピンにより構成し、この押圧ピンをミヤバー17の
長手方向に沿って複数本配したものである。なおこの押
圧ピンの数は一本でもよく、一本のみ押圧ピンを設ける
場合には撓み量の最大となるミヤバー17の中央部に配
すればよい。また押圧ピンは図6(b)に示す実施例の
ように固定状態に設けられるもののほか、押圧ピンをボ
ルト等により構成し、出没自在の構成とすることも可能
である。
【0031】また、前記保持アーム33の自由端側に
は、その延長方向に向けてネジ軸35が設けられ、この
ネジ軸35にウエイト36が装着され、前記ネジ軸35
に沿ってそのウエイト36の装着位置が可変できる構成
となっている。このウエイト36は、前記ミヤバー17
の引出ロール13側への押圧力を加えて圧接状態とする
もので、その位置を調整して押圧力を変化させることに
よって、転写フィルムFへの活性剤Kのコート量を調整
し、適正化するものである。このようにして前記ミヤバ
ー17で所要の状態に活性剤Kがコートされた転写フィ
ルムFは、シュート41上を経て転写槽2内の水面上に
到達する。
【0032】この転写槽2の水面において、前記転写フ
ィルムFは水により多少とも膨潤されて拡大し、この転
写槽2の水面における水流と転写槽2内の両側に設置さ
れたガイドチェーン42とにより順次連続的に下流側に
移送される。そして前記転写フィルムFが充分に膨潤さ
れた後、被転写体搬送装置4により搬送される被転写体
43が前記転写フィルムFの移送速度と同速で移動しつ
つ転写フィルムFに押し付けられ、転写が行われる。そ
の後、被転写体43は被転写体搬送装置4により転写槽
2から引き上げられ、被転写体搬送装置4から取り外す
ことにより被転写体43の転写が完了する。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、転写フィルムFを移送する移送経路後段の前
記転写槽2への送り込み側に設けられる引出ロール13
に対し圧接状態に設けられるミヤバー17と、このミヤ
バー17に対し常に一定量の活性剤Kを供給する活性剤
供給装置15とから成るものであるので、従来のグラビ
アロールを使用したローラコータのようにその構造が大
がかりとならず、装置価格が安価になる。その上、引出
ロール13とミヤバー17との摩擦力により転写フィル
ムFを引き出すという効果も生ずる。そして活性剤供給
装置15からの活性剤Kがミヤバー17により塗着され
るので、従来のグラビアロールを用いたローラコータに
比べて活性剤の塗膜の平坦化が円滑に行われ、製品にグ
ラビア目ができ難く、良好な転写を行うことができる。
【0034】また請求項2記載の発明によれば、活性剤
供給装置15が、貯溜部21と活性剤供給ノズル22と
を有する装置本体16を有し、その装置本体16内に貯
溜部21内の活性剤K中への浸漬体積を可変とする液面
調節部材23を設けてあるので、比較的簡単な構造であ
りながら少量の活性剤Kを安定的に均一な状態で転写フ
ィルムF上に供給することができる上、ある程度活性剤
Kが攪拌されることも期待できるため、活性剤中に含ま
れる体質顔料等の沈降性物質の沈降を防止し、転写を良
好に行うことが可能となる。
【0035】更にまた請求項3記載の発明によれば、引
出ロール13に対する転写フィルムFの巻回開始点O
は、転写フィルムFの搬入側に位置し、ミヤバー17の
圧接位置は転写フィルムFの搬出側に位置する構成をと
る。従って転写フィルムFと引出ロール13との間に転
写フィルムFを引き出すのに必要なある程度の摩擦力が
確保される。
【0036】更にまた請求項4記載の発明によれば、ミ
ヤバー17はサイドフレーム31に対し扛伏自在に設け
れる保持アーム33の回動支点寄りの部位に固着される
とともに、保持アーム33先端にはウエイト36が設け
られる構成をとる。従ってこのウエイト36の重量や取
付位置を可変することにより、ミヤバー17と引出ロー
ル13との間の微妙な圧接調整を容易に行うことができ
る。
【0037】更にまた請求項5記載の発明によれば、ミ
ヤバー17の圧接作用面と反対側の面に撓み矯正機構3
4を臨ませ、この撓み矯正機構34における押圧部34
aをミヤバー17に当接させる構成をとる。従って引出
ロール13にミヤバー17を圧接する際に生ずる中央部
での撓みが矯正され、活性剤Kの塗布量の均一化が図ら
れ、塗布ムラの発生が防止される。
【0038】更にまた請求項6記載の発明によれば、液
面調節部材23の液面に対する浸漬をカム駆動による上
下機構24により行い、このカム駆動を引出ロール13
の回転軸から出力をとることで引出ロール13の回転数
とカムの動きとを連動させるという構成をとっている。
従って転写フィルムFの繰り出し量に応じた活性剤Kの
供給が可能となる。
【0039】更にまた請求項7記載の発明によれば、装
置本体16内に活性剤供給ノズル22の流出口の高さよ
り低い高さに液面固定堰Lを設けるとともに、装置本体
16外部に活性剤タンク25を設け、これらの間に循環
経路を形成するという構成をとっている。従って液面固
定堰Lを越える余剰の活性剤Kは活性剤タンク25に流
出され、貯留部21内の活性剤Kの液面は常に一定の高
さに保たれる。またこのように活性剤Kを循環させるこ
とによりある程度の攪拌作用も期待できる。そしてこれ
らの効果が相乗的に作用することにより、極めて安価
で、しかもメンテナンスが容易で、転写後の製品の美観
を損なわせる色ムラ、グラビア目等を排除できるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性剤塗布装置を適用した液圧転写装
置全体の概略を示す側面図である。
【図2】本発明の液圧転写装置の活性剤塗布装置の概略
を示す模式図である。
【図3】同上活性剤塗布装置における装置本体の内部構
造を示す縦断正面図である。
【図4】同上活性剤の供給前後の状態を併せ示す縦断側
面図である。
【図5】同上ミヤバーを用いての活性剤塗布の様子を示
す側面図である。
【図6】撓み矯正機構の二種の実施例を示す平面図並び
に正面図である。
【図7】活性剤の滴下手法を異ならせた他の実施例を示
す側面図である。
【図8】グラビアロールを使用した場合の活性剤の塗布
状態とミヤバーを使用した場合の活性剤の塗布状態を対
比して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 液圧転写装置 2 転写槽 3 転写フィルム供給装置 4 被転写体搬送装置 5 循環管路 6 ポンプ 11 フィルムロール 12 ヒートロール 13 引出ロール 14 活性剤塗布装置 15 活性剤供給装置 16 装置本体 17 ミヤバー 18 補給装置 21 貯溜部 21a 底部 22 活性剤供給ノズル 22a 吐出口 22b 流出口 23 液面調節部材 23a 支持ロッド 23b 連結ロッド 24 上下機構 24a 駆動ギヤ 24b 従動ギヤ 24c カム 25 活性剤タンク 26 給送ポンプ 27 制御弁 28 供給管路 29 戻し管路 31 サイドフレーム 32 支持ブラケット 33 保持アーム 34 撓み矯正機構 34a 押圧部 35 ネジ軸 36 ウエイト 41 シュート 42 ガイドチェーン 43 被転写体 F 転写フィルム K 活性剤 L 液面固定堰 O 巻回開始点 P インク面 R 誘導体 W 水(液体)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ転写インクを塗着した転写フ
    ィルムを液体を貯溜した転写槽に向けて移送する移送経
    路の途中に設けられ、前記転写フィルムに塗着した転写
    インクに活性剤を塗布し、この転写インクを活性化させ
    る装置において、前記装置は転写フィルムを移送する移
    送経路後段の前記転写槽への送り込み側に設けられる引
    出ロールに対し圧接状態に設けられるミヤバーと、この
    ミヤバーに対し一定量の活性剤を供給する活性剤供給装
    置とから成ることを特徴とする液圧転写装置の活性剤塗
    布装置。
  2. 【請求項2】 前記活性剤供給装置は、活性剤を貯溜す
    る貯溜部と、この貯溜部内の底部より上方の位置から活
    性剤を流出させる活性剤供給ノズルとを有する装置本体
    を具え、その装置本体内には前記貯溜部内の活性剤中へ
    の浸漬体積を可変とする液面調節部材を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の液圧転写装置の活性剤塗布装
    置。
  3. 【請求項3】 前記引出ロールに対する転写フィルムの
    巻回開始点は、引出ロールの回転中心より引いた鉛直線
    を境として、少なくとも転写フィルムの搬入側に位置す
    るとともに、前記引出ロールに対するミヤバーの圧接位
    置は前記鉛直線を境として、少なくとも転写フィルムの
    搬出側に位置するように設定したことを特徴とする請求
    項1または2記載の液圧転写装置の活性剤塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記引出ロールは、その両端において、
    サイドフレームによって軸支されており、更にこのサイ
    ドフレームには扛伏自在に保持アームが設けられるもの
    であって、この保持アーム基端側の回動支点寄りの部位
    には、前記ミヤバーが固着状態に横架されるとともに、
    保持アーム先端の自由端側には、前記ミヤバーを所定圧
    で引出ロールに圧接するウエイトが設けられていること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の液圧転写装置
    の活性剤塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記ミヤバーの前記引出ロールに対する
    圧接作用面と反対側の位置には撓み矯正機構が臨んでお
    り、少なくとも作業時においてこの撓み矯正機構の押圧
    部がミヤバー全長にわたって、またはその一部に当接し
    押圧するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3
    または4記載の液圧転写装置の活性剤塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記活性剤供給装置における液面調節部
    材の液面に対する浸漬は、カム駆動による上下機構によ
    り行われ、このカム駆動は前記引出ロールの回転軸から
    出力を取り、引出ロールの回転数とカムの動きとを連動
    させるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載の液圧転写装置の活性剤塗布装置。
  7. 【請求項7】 前記活性剤供給装置における装置本体内
    には、前記活性剤供給ノズルの流出口より低い高さの液
    面固定堰が設けられるとともに、この液面固定堰から流
    出した活性剤は、装置本体外部に設けられる活性剤タン
    クを経て再び貯留部に戻るよう前記装置本体と活性剤タ
    ンクとの間には循環経路が形成されていることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5または6記載の液圧転写
    装置の活性剤塗布装置。
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