JPH08141467A - 基板への液塗布方法および装置 - Google Patents

基板への液塗布方法および装置

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JPH08141467A
JPH08141467A JP29172394A JP29172394A JPH08141467A JP H08141467 A JPH08141467 A JP H08141467A JP 29172394 A JP29172394 A JP 29172394A JP 29172394 A JP29172394 A JP 29172394A JP H08141467 A JPH08141467 A JP H08141467A
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Japan
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substrate
coating
coating liquid
main surface
bead
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Application number
JP29172394A
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English (en)
Inventor
Takayasu Komatsu
松 隆 泰 小
Shunji Miyagawa
川 俊 二 宮
Shinichiro Murakami
上 慎一郎 村
Hiroshi Yoshiba
羽 洋 吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 LGDカラーフィルターのような大型ガラス
基板に面へ、感光性樹脂のような塗布液の塗布を所定の
均一な厚さで行うこと。 【構成】 透明なガラス基板Sの主面に、塗布液ビード
Bを形成しつつ塗布ヘッドHを相対的に移動させて塗布
液膜Raが施される。塗布液膜Raの形成に先立って、
ガラス基板Sの主面と反対側に設けたCCDカメラ20
のような測定手段によって、塗布液ビードの基板主面と
の接触面の幅Wが透明な基板Sを通して測定される。接
触面の幅Wによって、形成される塗布液膜の厚さ等が定
まるので、測定された幅Wの値に基づいて、塗布速度、
塗布液供給量、コーティングギヤップなどが変えられ
る。CCDカメラ20は透視性のある基板ホルダー8の
内部に固定してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LCD用カラーフィル
ターに代表される大型ガラス基板などの枚葉基板への塗
布液の塗布方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LCD用カラーフィルターに代表
される大型ガラス基板などの枚葉基板への塗布液のコー
ティング方式としては、スピンコーティング方式が知ら
れている。
【0003】この方式は、塗布効率が10%程度と低
く、しかも基板のコーナー部分で塗布膜厚が厚くなり過
ぎるという欠点がある。この欠点を解決でき、かつ枚葉
基板に塗布液を効率よく塗布する方法としては、ナイフ
コート方式、ロールコート方式、ダイコート方式がある
が、これらの方式を用いて均一な膜厚を得るには、基板
表面の平滑度が塗布精度以下でなければならないという
問題がある。この問題をも解決できる液塗布方式とし
て、塗布液ビードを基板面と塗布ヘッドの間に形成し、
基板と塗布ヘッドを相対移動させて、基板面に塗布液を
塗布する方式を、出願人はさきに国際出願PCT/JP
94/00845号(国際出願日:平成6年5月27
日)において提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた基板への
液塗布方式においては、塗布液ビードの安定が塗布の品
質を決定する最大の因子である。したがって、塗布液ビ
ードの状態を常に計測し、モニターすることが必要であ
る。ところが、計測値と、塗布の品質、塗布膜厚、その
均一性などとの関係は明確になってはいない。よって、
計測値を基に塗布膜の状態を制御し、最終品質の安定化
を図る技術が待たれている。
【0005】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたもので、その目的は、塗布液ビードの計測を行う
ことによって塗布膜厚を正確に制御することができる、
基板への液塗布方法および装置を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により上記目的を
解決する手段は、基本的に、塗布ヘッドの塗布液供給手
段と基板主面との間に線状または帯状に形成される塗布
液ビードの、基板主面との接触面の幅が、塗布装置によ
り基板主面に形成される塗布液膜の厚さ等に大きな影響
を及ぼすとの知見に基づいている。
【0007】請求項1による発明は、水平方向に直状の
塗布液供給手段をもつ塗布ヘッドを設け、前記塗布液供
給手段から塗布液を供給し、塗布液供給手段に隣接して
配置した基板の主面に、供給された塗布液を接触させて
塗布液供給手段と基板主面との間に線状または帯状の塗
布液ビードを形成し、この塗布液ビードを横切る方向に
基板または塗布ヘッドを相対的に移動させ、前記塗布液
供給手段から塗布液を供給し続けることにより維持され
る塗布液ビードを、基板の前記主面に沿って移動させて
基板主面に塗布膜を形成する方法であって、塗布開始直
前に形成される塗布液ビードの基板主面との接触面の幅
を測定し、その測定値に基づいて、形成される塗布膜の
厚さに関連する塗布装置の作動条件を調整することを特
徴とする。
【0008】請求項2の基板主面への塗布膜形成方法に
よれば、上記方法において、基板を透明基板とし、塗布
液ビードの基板主面との接触面の前記幅を基板主面の反
対側から測定手段により測定する。
【0009】請求項3の基板主面への塗布膜形成方法に
よれば、基板を保持するホルダを透視性のあるものと
し、このホルダの内部の測定手段によりホルダを通して
前記幅を測定する。
【0010】請求項4の基板への液塗布装置では、塗布
ヘッドから送り出される塗布液を基板ホルダに保持され
る基板の主面に対し接触させて線状または帯状の塗布液
ビードを継続的に形成し、塗布ヘッドと基板を相対的に
送って液の塗布を行う前に、塗布液ビードの基板主面と
の接触面の幅が測定され、それに基づいて塗布の条件が
調整される。
【0011】請求項5の基板主面への塗布膜形成装置で
は、基板が透明であることにより、塗布液ビードの基板
主面との接触面の幅が基板を通して行われる。
【0012】請求項6の基板主面への塗布膜形成装置で
は、基板ホルダが透視性のある材質で形成されているの
で、測定手段が基板ホルダの内部に固定されていても、
塗布液ビードの基板主面との接触面の幅が基板ホルダを
通して測定される。
【0013】請求項7の基板主面への塗布膜形成装置で
は、塗布液ビードの基板主面との接触面の幅の測定が撮
像装置により行われる。
【0014】
【作用】請求項1の方法では、基板の主面と塗布ヘッド
の間に形成される塗布液ビードの基板主面との接触面の
幅が測定され、その測定値に基づいて塗布装置の作動条
件が調整される。
【0015】請求項2の方法では、基板が透明基板であ
るため、塗布液ビードが形成されている側と反対の側
で、測定装置により基板を通して塗布液ビードの接触面
の幅が測定される。
【0016】請求項3の方法では、基板ホルダに透視性
があるあるため、基板ホルダの内部の測定手段により基
板ホルダを通して塗布液ビードの接触面の幅が測定され
る。
【0017】請求項4の装置では、塗布ヘッドと基板の
相対的移動時に両者の間に連続的に形成される塗布液ビ
ードにより基板の面に塗布液膜が形成されるが、塗布液
ビードが基板主面に接する接触面の幅を測定しておくこ
とにより、その計測値に基づいて液塗布装置の作動条件
を調整することができる。
【0018】請求項5の装置では、塗布液ビードが形成
されている側と反対の側から、透明な基板を通して測定
手段により塗布液ビードの接触面の幅が測定される。
【0019】請求項6の装置では、基板ホルダ自体が透
視性のある材質でできているので、基板ホルダの内部に
測定手段を設置してあっても塗布液ビードの接触面の幅
を測定できる。
【0020】請求項7の装置では、塗布液ビードの接触
面の幅の測定を撮像装置により行うことにより、測定値
を正確に把握することができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
するが、その前に基板への塗布液の塗布方法の一例を図
1から図4を参照して説明する。
【0022】本発明で塗布処理される枚葉基板Sは、典
型的にはLCDカラーフィルター用大型ガラス基板であ
り、また、基板に塗布される液は、ガラス基板上に微細
パターンを形成するための感光性樹脂である。ガラス基
板は非可撓性であるが、本発明で処理される基板はこの
ようなガラス基板に限らずプラスチック、金属、紙等で
もよく、また基板自体が可撓性をもっていてもよい。ま
た、塗布される液は、水系、溶剤系等各種の液を用いる
ことができ、顔料、染料、フィラー、増感剤、樹脂、添
加剤等を単独または組合せて混合することができる。
【0023】図1において、Sは基板である。図1は基
板Sへの液塗布の開始時の状態を示している。
【0024】図1のように、基板ホルダ8の下面の吸着
面に、水平に対し角度θをなして基板Sが吸着保持され
ている。そして、基板Sの最も高い端縁S1の近傍下面
の直下に、塗布ヘッドHの直線状スリット13が一定の
クリアランスをおいて位置するように、ホルダ8の位置
を定めておく。
【0025】感光性樹脂のような塗布液Rは、塗布液タ
ンク15内に貯えられていて、ポンプ16等の送液手段
によって塗布ヘッドH内へ送られて、スリット13から
上方へ送り出され、塗布液ビードBが形成される。塗布
液ビードBは、基板Sの下面(主面)と塗布ヘッドHと
のクリアランスに塗布液Rの液溜まりとして形成され、
この液ビードBは基板Sの下面に付着する。基板下面と
塗布ヘッドHの間の最小クリアランスは、塗布液Rの粘
度、表面張力等の物性により、塗布液Rがクリアランス
からこぼれ出さずに塗布液ビードBが形成されるように
設定される。塗布液ビードBが図1のように形成された
時に、基板Sの低い側に面するメニスカスL1 と、基板
の高い側に面するメニスカスL2 が形成されるが、前記
傾斜角度θのために、メニスカスL1 、L2 の高さ寸法
1 、h2 は、h1 <h2 となる。
【0026】次に、図2の塗布開始状態から基板Sの下
面である主面に塗布を行うには次のようにする。
【0027】前記クリアランスを一定に維持したまま、
図示しないガイドレールに沿って図2の位置からホルダ
8を右斜め上方へ移動させると、図3の状態から、図4
に示すように基板Sが一定の傾斜角度θで塗布ヘッドH
に対し斜め右上方へ移動する。これと平行して、塗布液
ポンプ16で塗布液Rを塗布ヘッドHに送り続けてビー
ドBを形成し続けると、塗布液Rは基板Sの下面の主面
に順次付着して塗布層Raが形成される。この塗布工程
中、塗布液Rは、順次塗布された量だけ補うようにポン
プ16によって塗布液ビードBに供給され、ビードの形
状を一定に保つようにする。そして、図4に示すよう
に、塗布ヘッドHが基板Sの最も低い端縁S2に近い塗
布範囲最終端に到達した時点で、基板Sの移動を停止
し、次いで、クリアランス内に残留している塗布液ビー
ドBを真空吸引などにより除去したのち、必要により塗
布ヘッドHを基板Sに支障のない場所まで離脱させる。
【0028】その後、基板Sを水平に、上向きあるいは
下向きにして乾燥ユニット内でホットプレートあるいは
熱風、遠赤外線ヒーター等の乾燥手段を用いて塗布膜R
aを乾燥させて均一な塗布膜を形成する。
【0029】以上のようにして行う基板への液塗布の方
法は、基本的に、出願人の国際出願PCT/JP94/
00845号に記載されている。
【0030】前述のようにして基板Sの面に塗布液の膜
Raを形成した場合、図4に示すように、基板Sの低い
側の端縁S2の近傍に過剰塗布液Rbが残留する。この
ような過剰塗布液Rbの溜りは、適当な手段により除去
される。
【0031】本発明は以上に述べたような原理の液塗布
における塗布液膜の品質の制御に関するものである。本
発明は、基本的に、塗布ヘッドの塗布液供給手段と基板
主面との間に線状または帯状に形成される塗布液ビード
の、基板主面との接触面の幅が、塗布装置により基板主
面に形成される塗布液膜の厚さ等に大きな影響を及ぼす
との発見に基づいている。基板主面に対して塗布液ビー
ドが接触する接触面の幅の変化は、最終的に得られる液
膜厚に大きな影響を及ぼすものであり、したがって、上
記接触面幅の変化を知り、それに基づいて塗布速度、時
間当たりの塗布液供給量、コーティングギャップ等の作
動条件を調整することにより、所望の均一厚さの塗布液
膜の形成を維持することができる。
【0032】図5は本発明の原理を施した、基板への液
塗布装置の一実施例を示す。同図に示す液塗布装置1
は、図1から図4に示したと同じ作動原理に基づく装置
であり、図5では、図1に示した傾斜角θは零または零
に近い場合を示している。基板ホルダ8は軸2により枢
支されていて傾斜角θを調節可能に、かつ上下反転可能
に設けられている。ホルダ8の下面には基板Sが保持さ
れており、基板Sの下面には既に塗布液の膜Raが形成
されている。
【0033】ホルダ8の下方には塗布ヘッドHが設けら
れている。塗布ヘッドHは図1に示した場合とまったく
同じ原理で塗布液を上方へ送り出す直線状スリット13
をもっている。図1の場合には、塗布ヘッドHに対して
基板Sが移動するように構成されているが、図5の例で
は、ホルダ8に支持された基板Sは移動せず、塗布ヘッ
ドHが左右に移動するようになっている。
【0034】塗布ヘッドHはテーブル3上に支持されて
いる。テーブル3は、上下方向の移動機構4を介して左
右方向の移動台5上に支持されている。移動台5のナッ
ト部6は、基台7上に回転可能に支持された送りねじ9
に螺合している。送りねじ9はサーボモータMにより回
転駆動されるようになっている。よって、サーボモータ
Mの作動により移動台5は左右方向に移動する。送りね
じ9、ナット部6およびサーボモータMは、水平方向の
移動機構を構成する。
【0035】塗布ヘッドHは、基板Sの主面への塗布幅
に相当する長さをもったブロック状部材で、その図にお
ける上面には、図1に示す塗布液タンク15からポンプ
16により送られてくる塗布液Rの送出し用スリット1
3が塗布ヘッドHの長手方向に形成されている。このス
リット13の底部は適当な接続手段により前記ポンプ1
6に接続されている。
【0036】基板Sの面に対する液の塗布は、図5にお
いて塗布ヘッドHが基板Sの右端の下方にある位置で開
始される。塗布ヘッドHのスリット13から送り出され
る塗布液Rが基板Sの下面との間にビードB(図1に示
すような)を形成するように塗布ヘッドHを上昇させた
状態で、塗布ヘッドHは送りねじ9により図5において
左方へ移動させられ、これによって、図1から図4に示
したと同じようにして塗布液層Raが形成される。塗布
が進行して塗布ヘッドHが左端の位置に達すると、塗布
が終了する。
【0037】基板ホルダ8に保持されている基板Sの主
面と塗布ヘッドHとの間に形成される塗布液ビードB
(図1)が基板主面と接触する幅を測定するための測定
器20が、基板ホルダ8に保持される基板Sの塗布開始
端部の上方に設置されている。測定器20は、例えばC
CDカメラのような撮像装置によって構成することがで
きる。測定器20は、基台21上の支持柱22に調節可
能に取り付けることができる。
【0038】測定器20の一例としてのCCDカメラと
基板Sとの関係は、図6に示すとおりである。基板Sは
基板ホルダ8の下面にチヤッキングされており、その塗
布開始端部Saは基板ホルダ8の端部からはみ出してい
る。そして、この場合には基板Sはガラス基板であっ
て、透明になっている。このため、塗布ヘッドHのスリ
ット13から送り出されて基板Sの主面に付着する塗布
液ビードBは基板Sの上方から透視可能となる。したが
って、基板Sの上方に設置したCCDカメラ20によっ
て、塗布液ビードBが基板主面に接触する幅Wを基板S
を通して測定することができる。
【0039】図7に示す例では、CCDカメラ20は基
板ホルダ8の内部に固定されている。そして、この場合
には、基板ホルダ8は透視可能な材質、例えばガラスに
より構成される。このため、CCDカメラ20は透視可
能な基板ホルダ8と透明な基板Sを通して塗布液ビード
Bの接触幅Wを測定することができる。
【0040】図8に示す例でも、CCDカメラ20は透
視可能な材質の基板ホルダ8の内部に固定されている。
ただ、この例では塗布ヘッドHと基板ホルダ8の上下関
係は逆になっており、基板Sは基板ホルダ8の上面に保
持されている。この例では、塗布液膜は基板Sの上面に
形成される。
【0041】塗布液ビードBの接触幅Wは、図6,7、
8に示すようにして、液の塗布開始位置で測定される。
これによって、塗布膜形成の開始時点における塗布液ビ
ードBの接触幅Wを検出し、検出値に基づいて塗布装置
の作動条件を調整することができる。
【0042】CCDカメラと呼ばれるCCD(Charge C
oupled Device)撮像装置は、良く知られており、本発明
ではこのCCD撮像装置を用いて、透明基板Sの塗布液
ビード形成側に対し反対の側から塗布液ビードの撮像が
行われる。そして、CCDカメラ20により得られた塗
布液ビードの接触幅Wを含む映像信号が出力される。図
9に示すように、CCDカメラ20は、光源25からの
光を塗布液ビードBにハーフミラー26を経て照射する
構成になっており、塗布液ビードBの画像はハーフミラ
ー26を透過してCCDカメラに入射する。塗布液ビー
ドBの画像のアナログ信号は、制御装置30のA/D変
換器27でデジタル信号に変換される。そして、このデ
ジタル信号とメモリ28に記憶されているデータに基づ
いて、塗布液ビードの接触幅WがCPU29により演算
される。演算された接触幅WはCRT31に表示するこ
とができる。
【0043】CPU29により得られたデータは、制御
装置30内で、接触幅Wと、塗布速度(基板と塗布ヘッ
ドの相対移動速度)、塗布液供給量、コーティングギヤ
ップ(塗布液ビードの厚さ)などの量との関係のマップ
と対比され、その結果、図5に示すように制御装置30
から駆動ユニット33へ制御信号が出力される。そし
て、この制御信号に基づいて、塗布液供給ポンプ16、
塗布ヘッドの上下動機構4、サーボモータMが制御され
て、塗布速度、塗布液供給量、コーティングギヤップな
どが変えられ、これによって所定厚さの塗布液膜が形成
されるように塗布装置の作動が制御される。
【0044】図10は、ビード幅Wを変えた場合の塗布
膜厚の変化の一例を示すグラフである。このグラフから
分るように、ビード幅Wが大きい程、塗布膜厚が増大す
る。したがって、所定の塗布膜厚に見合ったビード幅を
得るように塗布液の供給等に関するファクターを制御す
る。例えば、本来形成しなければならないビードの幅W
が8.5mmの時に測定の結果、何らかの影響によって
ビード幅が5mmしか形成されなかった場合、若干量塗
布液を追加供給してビードを8.5mmにしてから塗布
を開始することによって膜厚の変動を抑え初期設定値と
同じ膜厚分布を得ることができる。同様に、ビード幅W
が本来形成すべきビード幅に対して大きかった場合には
若干量ビードから液を戻してビード幅を減少させること
によって膜厚分布を調整することができる。
【0045】本来形成しなければならないビード幅が
8.5mmであるのに、計測の結果5mmしか形成され
ていないときには、そのまま塗布を開始させ、速度と供
給量を調整して塗布膜厚を調節する。ビードがある一定
の容積を有し、かつ塗布中の液供給量が一定の場合、塗
布速度が大きいほど形成される膜厚は厚くなる。これは
本発明塗布方式の原理がディップコーティング方式に類
似していることにあり、ある一定の容積の液に被塗布物
を浸したとき引き上げる速度が大きいほど被塗布物に付
着した液が落下せずに被塗布物表面に残留する液が増え
ることにより膜厚は増大する。同様に、前述したあるビ
ード幅に、ある一定の割合で塗布液を供給しているとき
に速度を速めると最初は膜厚が厚くなるが、引き出され
る液量に対して液供給量が不足するため徐々にビードが
小さくなり膜厚は薄くなってしまう。
【0046】したがって、ビード幅が5mmのように所
定幅より小で、そのままでは薄い膜厚分布を形成してし
まう条件では、まず速度を上げると同時に途中から液の
供給量を若干増やすことによって、膜厚の均一性を保持
したまま膜厚値を増加させることができるものと考え
る。すなわち、塗布中のビードが8.5mm幅の条件を
満たすように調整すればよい。
【0047】測定手段としては、CCDカメラのほか
に、レーザー測長方式が考えられる。この方式は、ある
物体に対してスキャニング照射したレーザー光線が物体
によって遮られるか、もしくはレーザー光線の反射が物
体の有無によって異なることを利用して測長を行う方式
である。なお、その他の測定方式も使用することが可能
である。
【0048】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1の液塗布
方法では、基板の主面と塗布ヘッドの間に形成される塗
布液ビードの基板主面との接触面の幅を測定することに
よって、その測定値に基づき塗布装置の作動条件を最適
になるように調整して、高品質の塗布液膜を形成するこ
とができる。
【0049】請求項2の液塗布方法では、基板が透明基
板であるため、塗布液ビードが形成されている側と反対
の側で、測定装置により基板を通して塗布液ビードの形
成を妨げることなく塗布液ビードの接触面の幅を測定す
ることができる。
【0050】請求項3の液塗布方法では、基板ホルダに
透視性があるあるため、基板ホルダの内部に測定手段を
固定することができ、基板ホルダを通して塗布液ビード
の接触面の幅を測定することができる。
【0051】請求項4の液塗布装置では、塗布液ビード
が基板主面に接する接触面の幅を測定することにより、
その計測値に基づいて液塗布装置の作動条件を調整し
て、最適の運転条件で所定厚さをもつ品質の高い塗布液
膜を形成することができる。
【0052】請求項5の液塗布装置では、塗布液ビード
が形成されている側と反対の側から、透明な基板を通し
て測定手段により塗布液ビードの接触面の幅を測定でき
るので、塗布液ビードの形成を妨げることなく測定を行
うことができる。
【0053】請求項6の液塗布装置では、基板ホルダ自
体が透視性のある材質でできているので、基板ホルダの
内部に測定手段を固定することができ、設計が合理的に
なる。
【0054】請求項7の液塗布装置では、塗布液ビード
の接触面の幅の測定を撮像装置により行うことにより、
測定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板への塗布液の塗布の一例を示す原理図。
【図2】基板への液塗布開始時の状態を示す図。
【図3】同じく、塗布途中の状態を示す図。
【図4】同じく、塗布完了時の状態を示す図。
【図5】本発明による基板への液塗布装置の一実施例の
正面図。
【図6】図5の一部の拡大図。
【図7】図6の実施例とは異なる他の実施例を示す図。
【図8】図6の実施例とは異なるさらに他の実施例を示
す図。
【図9】測定装置および制御系の一部を示す図。
【図10】ビード幅と塗布液膜厚との関係を示すグラ
フ。
【符号の説明】
S 基板 R 塗布液 Ra 塗布液膜 M サーボモータ H 塗布ヘッド B 塗布液ビード W 塗布液ビードの基板主面との接触面の幅 4 上下動機構 8 基板ホルダ 13 塗布液供給スリット 20 接触面の幅測定手段(CCDカメラ) 27 A/D変換器 30 制御装置 33 駆動ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉 羽 洋 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平方向に直状の塗布液供給手段をもつ塗
    布ヘッドを設け、前記塗布液供給手段から塗布液を供給
    し、塗布液供給手段に隣接して配置した基板の主面に、
    供給された塗布液を接触させて塗布液供給手段と基板主
    面との間に線状または帯状の塗布液ビードを形成し、こ
    の塗布液ビードを横切る方向に基板または塗布ヘッドを
    相対的に移動させ、前記塗布液供給手段から塗布液を供
    給し続けることにより維持される塗布液ビードを、基板
    の前記主面に沿って移動させて基板主面に塗布膜を形成
    する方法において、塗布開始直前に形成される塗布液ビ
    ードの基板主面との接触面の幅を測定し、その測定値に
    基づいて、形成される塗布膜の厚さに関連する塗布装置
    の作動条件を調整することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】基板を透明基板とし、塗布液ビードの基板
    主面との接触面の前記幅を基板主面の反対側から測定手
    段により測定することを特徴とする請求項1記載の基板
    への液塗布方法。
  3. 【請求項3】基板を保持するホルダーを透視性のあるも
    のとし、このホルダーの内部の測定手段により前記幅を
    測定することを特徴とする請求項2記載の基板への液塗
    布方法。
  4. 【請求項4】水平方向に直状の塗布液供給手段をもつ塗
    布ヘッドと、前記塗布ヘッドへ塗布液を供給する手段
    と、基板を保持する基板ホルダと、基板ホルダに保持さ
    れる基板の主面と前記塗布ヘッドとの間に線状または帯
    状の塗布液ビードが継続的に形成されるように、塗布ヘ
    ッドと基板主面とを相対的に位置させかつ基板ホルダと
    塗布ヘッドを相対的に送る手段とを有する液塗布装置に
    おいて、形成される塗布液ビードの基板主面との接触面
    の幅を測定する手段を設けたことを特徴とする液塗布装
    置。
  5. 【請求項5】前記基板を透明基板とし、基板の主面に対
    し反対の側に、塗布液ビードの基板主面との接触面の幅
    を測定する前記手段を設けたことを特徴とする請求項4
    記載の液塗布装置。
  6. 【請求項6】前記基板ホルダを透視性のある材質で形成
    し、基板ホルダの内部に、塗布液ビードの基板主面との
    接触面の幅を測定する前記手段を設けたことを特徴とす
    る請求項5記載の液塗布装置。
  7. 【請求項7】塗布液ビードの基板主面との接触面の幅を
    測定する前記手段が撮像装置であることを特徴とする請
    求項5記載の液塗布装置。
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