JP3316149B2 - ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法 - Google Patents
ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法Info
- Publication number
- JP3316149B2 JP3316149B2 JP31621296A JP31621296A JP3316149B2 JP 3316149 B2 JP3316149 B2 JP 3316149B2 JP 31621296 A JP31621296 A JP 31621296A JP 31621296 A JP31621296 A JP 31621296A JP 3316149 B2 JP3316149 B2 JP 3316149B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sauce
- sauces
- curdlan
- improving agent
- quality improving
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Seasonings (AREA)
- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
Description
するソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類
の製造方法に関するものである。
を添加することにより、ボディー感の付与、糊っぽくな
い糸曳性の少ないソース・たれ類や、たれないたれ類が
得られることが知られている(「別冊フードケミカル−
8」、食品化学新聞刊)。
濃厚感があり糸曳性のないソース類を製造する技術が開
示されている(特開平7−23751号)。
ランは通常粉末であり、水には溶解しないので、液体の
ソース・たれ類に添加しても、分散が不十分であり、分
散させるためには、高速カッターミキサー等の装置を使
用する必要があった。したがって、液体のソース・たれ
類に粉末状のカードランを添加しても、カードランの優
れた効果を十分に発揮できないのが現状であった。
・たれ類の品質改良に優れた効果を発揮するカードラン
を含有するソース・たれ類の品質改良剤およびソース・
たれ類の製造方法を提供することにある。
ンがアルカリ水溶液に溶解または膨潤する性質を有する
ことに着目し、鋭意研究を重ねた結果本発明を完成する
に至った。
ルカリ水溶液で溶解または膨潤させることを特徴とする
ソース・たれ類の品質改良剤、(2)カードランをアル
カリ水溶液で溶解または膨潤させた品質改良剤を添加し
て製造することを特徴とするソース・たれ類の製造方
法、(3)カードランをアルカリ水溶液で溶解または膨
潤させた品質改良剤を、35℃以上に加温したソース・
たれ類またはそれらの原料に添加することを特徴とする
前記(2)項に記載のソース・たれ類の製造方法、
(4)カードランの添加率が、ソース・たれ類当たり
0.01〜1重量%であることを特徴とする前記(2)
項または(3)項に記載のソース・たれ類の製造方法、
に関するものである。
良剤に用いるカードランとは、β−1,3−グルコシド
結合を主体とする加熱凝固性の多糖類であり、水に不溶
性である。カードランは、アルカリゲネス属またはアグ
ロバクテリウム属の微生物により生産される。より具体
的には、カードランはアルカリゲネス・フェカリス・バ
ールミクソゲネス(Alcaligenese faccalis var. myxog
enes)菌株10C3K[アグリカルチュラル・バイオロ
ジカル・ケミストリー vol.30,p196(19
66)]、アルカリゲネス・フェカリス・バールミクソ
ゲネス(Alcaligenese faccalis var. myxogenes)菌株
10C3Kの変異株NKT−u(IFO 1314
0)、アグロバクテリウム・ラジオバクター(IFO
13127)およびその変異株U−19(IFO 13
126)等により生産される多糖類である。
るアルカリは食品に使用されるものであれば特に限定さ
れないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、水酸化ナトリウ
ム、または複数のアルカリが調合されたかんすい等を挙
げることができる。
されないが、例えば0.04〜6重量%であればよい。
また、アルカリ水溶液に溶解または膨潤させるカードラ
ンの濃度も特に限定されないが、例えば1〜4重量%で
あればよい。
膨潤させる方法も特に限定されないが、例えばアルカリ
を溶解した水にカードランを加えるか、カードランを分
散させた水にアルカリを加えて攪拌すればよい。カード
ランがアルカリ水溶液に容易に溶解しないときは、カー
ドランが熱凝固しないような温度(40℃)まで加熱す
ればよい。
質改良剤は、あらかじめ粉末のカードランと粉末のアル
カリを適宜な割合、例えば50:50〜99.6:0.
4の割合で混合しておき、必要に応じて、水に溶解また
は膨潤させて使用してもよい。
ーソース、中華ソース、ソース・エスパニョール、ソー
ス・ドゥミ・グラス、ソース・ベシャメル、ソース・ヴ
ルーテ、ソース・トマート、ソース・オランデーズ、ソ
ース・ベアルネーズ、ソース・ヴィネクレット、ソース
・マヨネーズ、ソース・ショー・フロワ、ソース・アン
グレーズ、ソース・サバイヨン、ソース・カラメル、ソ
ース・オー・フリュイまたはそれらを基本にしたソース
またはそれらを使用した調理食品(カレーライス、グラ
タン等)が挙げられる。
に用いる調味液であり、例えば焼き肉のたれ、焼き鳥の
たれ、照り焼きのたれ、しゃぶしゃぶのたれ、肉、魚介
類の煮物用たれ等を挙げることができる。
用いてソース・たれ類を製造するには、ソース・たれ類
の製造工程の途中で品質改良剤を添加するか、調合した
ソース・たれ類に品質改良剤を添加してもよい。
製品当たりカードランとして0.01〜1重量%、好ま
しくは0.03〜0.5重量%の添加量となるように添
加するのが望ましい。カードランとしての添加量が0.
01重量%未満では品質改良効果が十分でなく、また1
重量%を超えて添加すると、でき上がり品がゼリー状と
なるのでソース・たれ類としては好ましくない。
て、ソース・たれ類の副原料は、通常使用されるもので
あれば特に限定されないが、例えば、醤油、味噌、塩、
砂糖、みりん、酒類、酢、卵、野菜・果実類、油脂類、
エキス類、調味料、香辛料、糖類、糖アルコール類、澱
粉、化工澱粉、蛋白、蛋白加水分解物、有機酸およびそ
の塩類、乳化剤、乳製品、小麦粉等が挙げられる。
類を製造するには、通常はカードランを溶解または膨潤
させたアルカリ水溶液(以下「カードランアルカリ水溶
液」と略称する)をそのまま用いればよいが、常温で酸
性またはCa,Fe,Mg等の2価の金属イオンが存在
するソース・たれ類の場合は、カードランアルカリ水溶
液をそのまま添加すると、カードランの中和ゲルまたは
架橋ゲルが生成し、カードランの分散性が悪くなり十分
な効果を発揮できない。このようなときは、ソース・た
れ類を35℃以上、好ましくは38℃以上に加温し、加
温下にカードランアルカリ水溶液を添加することによ
り、ゲル状態とならずにソース・たれ類中にカードラン
を分散、溶解することができるので、品質改良効果を十
分に発揮することができる。
使用することにより、粘りが少なく、糸曳性のない、濃
厚感のあるソース・たれ類を製造することができる。ま
た、本発明方法で製造したソース・たれ類をレトルト処
理しても、糸曳性のないさらりとした食感と濃厚感が維
持することができる。
説明する。なお、以下の実施例および比較例では、粉末
カードランは「カードランN」(武田薬品工業(株)
製)を、化工澱粉は「オルスターチW−3」(オルガノ
(株)製)を用いた。また、カードランアルカリ水溶液
は、水98gにカードラン1.5gを分散した後、リン
酸三カリウム(K3 PO4 )0.5gを溶解させ、この
カードラン分散液を攪拌しながら、40℃まで加熱した
もの(カードラン含有量:1.5重量%)を用いた。
工澱粉(実施例2のみ)を分散、溶解した後、この溶液
を40℃に加温し、カードランアルカリ水溶液を添加
し、よく攪拌した。続けて90℃まで加温し15分間保
持してたれを調製した。
グラニュー糖、粉末カードラン(比較例2)、化工澱粉
(比較例3)を添加し、よく攪拌した後、90℃まで加
温し15分間保持してたれを調製した。
を行った。粘度測定は、「B型粘度計DVL−BII
型」(TOKIMEC INC.製)を使用した。測定
は、ローターNo.2、回転数30rpmで行った。測
定結果を表2に示す。
施例1と比較例2のたれではカードランの含有量が同じ
であっても、カードランアルカリ水溶液を用いた本発明
のたれは、粉末カードランをそのまま用いた比較例2の
たれと比較して、カードランによる品質改良効果(増
粘、食感改良)がよりよく発揮されていた。
ディー感があるものの糸曳性があった。しかし、カード
ランアルカリ水溶液と併用した実施例2のたれは、糸曳
性がなくなり、さらりとした好ましい食感であった。
薄力小麦粉60重量%を加え全量が90重量%になるま
で炒め小麦粉ルーとした。
5共通) 小麦粉ルー、トマトピューレ、チャツネを混合したとこ
ろにカレー粉、グラニュー糖、グルタミン酸ナトリウ
ム、粉末カードラン(比較例5)を加えて混合した後、
牛乳、水を加えてよく攪拌してカレールーを調製した。
らカードランアルカリ水溶液(実施例3)を加えよく攪
拌した。その後、沸騰するまで強火で加熱し、沸騰後弱
火で全量が100重量%になるまで煮詰めた。
を行った。粘度測定は、ローターNo.4、回転数30
prmで行った。その測定結果を表4に示す。
施例3と比較例5のカレーではカードランの含有量が同
じであっても、カードランアルカリ水溶液を用いた本発
明のカレーは、粉末カードランをそのまま用いた比較例
2のカレーと比較して、カードランによる品質改良効果
(増粘、食感改良)がよりよく発揮されていた。
カレーは比較例5のカレーと同様に、粘度はあるもの
の、濃厚感がなく、美味しくなかった。
理をしてレトルト処理をした。レトルト処理後、開封し
て官能評価したところ、レトルト処理前と同じようにさ
らりとした糸曳性のない好ましい食感のカレーであっ
た。
または膨潤させた品質改良剤を用いてソース・たれ類を
製造することにより、カードランの品質改良効果(増
粘、食感改良など)が十分発揮され、さらりとした糸曳
性のない好ましい食感のソース・たれ類を製造すること
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 カードランをアルカリ水溶液で溶解また
は膨潤させることを特徴とするソース・たれ類の品質改
良剤。 - 【請求項2】 カードランをアルカリ水溶液で溶解また
は膨潤させた品質改良剤を添加して製造することを特徴
とするソース・たれ類の製造方法。 - 【請求項3】 カードランをアルカリ水溶液で溶解また
は膨潤させた品質改良剤を、35℃以上に加温したソー
ス・たれ類またはそれらの原料に添加することを特徴と
する請求項2に記載のソース・たれ類の製造方法。 - 【請求項4】 カードランの添加率が、ソース・たれ類
当たり0.01〜1重量%であることを特徴とする請求
項2または3に記載のソース・たれ類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31621296A JP3316149B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31621296A JP3316149B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10155452A JPH10155452A (ja) | 1998-06-16 |
JP3316149B2 true JP3316149B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=18074556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31621296A Expired - Fee Related JP3316149B2 (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3316149B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000300192A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-10-31 | Japan Organo Co Ltd | 液状食品に含まれる具材の品質改良剤及び食品の製造方法 |
JP4641963B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-03-02 | 宝酒造株式会社 | 食品の調味改良材 |
-
1996
- 1996-11-27 JP JP31621296A patent/JP3316149B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
ニューフードインダストリー,Vol.20,No.10,pp.49−57(1978) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10155452A (ja) | 1998-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2601846B1 (en) | Method for improving salty taste of food and beverage and agent for improving salty taste of food and beverage | |
WO2006126472A1 (ja) | 酸性水中油滴型エマルジョン及びその食品への応用 | |
CN112314937A (zh) | 一种替代脂肪用复合改性淀粉及其制备方法和应用 | |
JPWO2015166781A1 (ja) | 増粘剤、機能付与方法、増粘方法および食品 | |
EP0516107A1 (en) | Use of starch as a fat and oil substitute in foodstuffs | |
JP3316149B2 (ja) | ソース・たれ類の品質改良剤およびソース・たれ類の製造方法 | |
TW201501653A (zh) | 含大麥粉末之食品 | |
JP6503168B2 (ja) | 大麦粒を含むレトルト食品 | |
JPH09266778A (ja) | 高粘度食品乾燥物 | |
JP3265265B2 (ja) | ペースト状又は液状食品 | |
JP3176108B2 (ja) | 加熱凝固食品 | |
JP5131862B2 (ja) | おからペーストを使用した冷凍カルボナーラソース | |
JP3393623B2 (ja) | 食物繊維含有穀物麺およびその製造方法 | |
JP2021061825A (ja) | 香辛料の風味立ちを増強する方法及びその応用 | |
JP2002209547A (ja) | 調味組成物 | |
JPS633767A (ja) | ゲル状ブロツクを混入した食品 | |
JPH1057006A (ja) | 調味液組成物及びその製造方法 | |
JP3776533B2 (ja) | 野菜ポタージュスープの製造方法 | |
JP3468961B2 (ja) | 練り餡の製造方法 | |
CN111565577B (zh) | 食材添加调味料及其制造方法 | |
JPH04229154A (ja) | 低脂肪マヨネーズ製品およびその製造方法 | |
JP2009207388A (ja) | 吸水耐性に優れたパスタソースの製造方法 | |
JP2896078B2 (ja) | 濃縮レトルトルウおよびその製造方法 | |
JP2000093102A5 (ja) | ||
JPH02268657A (ja) | 油脂代用食品およびその製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130607 Year of fee payment: 11 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |