JP3315618B2 - ゴルフクラブのヘッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゴルフクラブのヘッドの
構造に関し、より詳細には、ボールを打撃した際に生ず
るフェースの反発力を増加し得る構造を備えたゴルフク
ラブ、中空アイアン、その他のアイアンを含むゴルフク
ラブ、特にウッド系クラブに用いて好適なヘッドに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、ウッド系クラブのヘッドは、従来
の木製ヘッドに代えてその全体をステンレス合金、アル
ミニウム合金、チタニウム合金等の各種金属により形成
して成る中空のヘッドや、ボールの打撃面であるフェー
スを前記金属で形成し、他を強化プラスチック等の軽量
な素材で構成した中空ヘッド等が使用されている。

【０００３】この中空ヘッドのフェースは、同種、同特
性の金属材料では、その肉厚が薄いとボールの打撃時に
おける反発力が弱く、また、極度に肉薄のフェースにあ
っては、ボールを打撃した際の衝撃により変形、破損等
のおそれがある。

【０００４】一方、フェースを肉厚に構成した場合に
は、ボールを打撃した際の反発力が増大し、ボールの飛
距離が増大する。しかし、フェースを肉厚に構成した場
合には、ヘッドの重量が増大するためゴルフクラブを振
り切るためには従来以上の筋力を必要とし、一般のプレ
ーヤーがこのようなゴルフクラブを使用すれば、フェー
ス側に重心深度が移行し、又、ヘッドスピードが低下し
てかえって飛距離が低下すると共に、スイートスポット
が小さくなり、方向性も悪くなる。

【０００５】そのため、従来の一般的な金属製の中空ヘ
ッドのフェースの肉厚は、比較的軽量なチタニウム合金
により構成されたものにあっても、プロ向けのもので
３．５〜４．０mm、アマチュア向けのものにあっては
３．０mm程度に抑えられている。

【０００６】このように、フェースの軽量化、反発力の
増加及び強度の維持という相反する要求を満足させるた
めに、実公平２−２９９７３号公報に示すように断面コ
字状に形成されたフェース面板の内周角縁部に薄肉部を
形成し、該薄肉部により、ボールの反発力を高め、打球
の飛距離を向上し得る構成としたものや（図８参照）、
実開平６−２３５５３号公報に示すように、フェースの
強度の向上を目的としてフェースの裏面に縦又は横方向
に平行に配置された複数本のリブを形成したヘッドが存
在する（図９参照）。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術に示すヘ
ッドのうち、実公平２−２９９７３号公報に示すヘッド
のフェースにあっては、薄肉部の弾性によりフェースの
反発力が増大するものである。

【０００８】しかし、フェース裏面に形成された薄肉部
は、フェース全体の体積から見れば僅かな体積であり、
しかも薄肉部の形成されていない部分においてはこのフ
ェースは従来の通常のヘッドと同様又はそれ以上の肉厚
を有するものであるため、このような構成のフェースに
よっても軽減し得るヘッドの重量は僅かである。

【０００９】また、ボールを打撃した際に生ずる反発力
は、薄肉部の弾性により生ずるものであるために薄肉部
はボールを打撃する毎に歪んで疲労する。そのため、該
薄肉部に亀裂、変形等の破損が生じ易い。

【００１０】さらに、フェースに薄肉部の弾性を維持し
たまま破損の生じ難い強度を与えるためには、該薄肉部
の厚さが極めて限定され、加工精度に厳密さが要求され
る。

【００１１】一方、実開平６−２３５５３号公報に示す
ように、フェースの裏面に補強用のリブを形成したヘッ
ドにあっては、フエース部が該リブの存在により補強さ
れるために、フェースの肉厚をリブ間においてある程度
薄く形成した場合であっても使用に耐え得る強度を得る
ことができる。

【００１２】しかし、補強用のリブを一定の方向に平行
に配置した場合には、リブの長さ方向におけるフェース
の補強及び反発力の向上を得ることはできるが、このよ
うなリブの存在によりフェースに生ずる曲がり、歪み等
に一定の方向性が生じ、補強されていないリブ間に過度
に負担がかかる。したがって、この種のヘッドにあって
はリブの幅方向におけるリブ間のフェースの補強及び反
発力の増加を得ることはできない。

【００１３】そして、このような問題点を解消するため
にたとえ格子状にリブを配置したとしても、この場合に
はフェースの重量を軽減することができないばかりでな
く、形状が複雑となり加工が困難となる。

【００１４】そこで本発明の目的は、比較的簡単な構成
によりゴルフクラブのヘッド、特にそのフェースを充分
な強度を維持しながら軽量化することを可能とし、しか
もフェースの反発力を増大することでボールの飛距離を
向上し得るゴルフクラブのヘッドを提供することを目的
とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のゴルフクラブのヘッドは、典型的には、例
えばウッド系金属製中空ヘッド、中空アイアン等、少な
くともヘッド１０のフェース１２を金属により形成して
成るゴルフクラブのヘッド１０において、前記フェース
１２の裏面全体に、スウィートスポットに対応する位置
を交点とし、前記フェース１２の周縁方向に延びる例え
ば、Ｘ字状、Ｙ字状、Ｖ放字状、放射状等の厚肉部２０
ｂを形成し、且つ前記フェース１２の裏面の周端を厚肉
部２０ａとして形成すると共に、前記フェース１２の周
端方向に延びる厚肉部２０ｂと前記フェース１２の裏面
の周端に形成された厚肉部２０ａを連続する一連に形成
し、あるいは、典型的には、中空アイアンとして形成さ
れるクラブヘッドにあっては、前記フェース１２の裏面
自体に限らず、このフェース１２の裏面に対峙する、ク
ラブヘッドの前記フェースの反対側に上記厚肉部を形成
した謂わばバックフェースでクラブヘッドの前記フェー
ス反対側を被蓋するように前記厚肉部２０を配置したこ
とを特徴とする。一般のアイアン系クラブにも、そのフ
ェース裏面に対して前記と同様、適用可能であることは
言うまでもない。

【００１６】

【００１７】さらに、前記厚肉部２０により画定される
凹部のうち、少なくともクラウン側及びソール側すなわ
ち、フェースの高さ方向上下に位置する凹部は、該凹部
の内方に向かって相似形に順次、面積を減少し、且つ、
その肉厚を減少する形状に形成することができ、例えば
１．０〜１．５mm程度の範囲で段階的に薄く変化させた
構造とすることもできる。

【００１８】

【発明の実施の形態】次に、本発明のゴルフクラブのヘ
ッドの実施形態を添付図面を参照しながら説明する。

【００１９】図１中、１０は本発明のゴルフクラブのヘ
ッドを示す。このゴルフクラブのヘッド１０は、ボール
を打撃するフェース１２、ヘッドの上面を形成するクラ
ウン１４、ヘッドの底面を形成するソール１６、及び前
記ヘッド１０をゴルフクラブのシャフトと連結するため
のネック１８を備える。

【００２０】前記各部材のうち少なくともそのフェース
１２は、ステンレス合金、アルミニウム合金、チタニウ
ム合金等の金属により形成し、他のクラウン１４、ソー
ル１６を繊維強化プラスチック、又は前記フェース１２
と同様の金属により形成する。

【００２１】フェース１２以外の部材を繊維強化プラス
チック等の比較的軽量な材質で構成することは、ヘッド
全体の重量を軽減することができ好適であるが、本発明
の実施の形態にあっては、前記フェース１２、クラウン
１４、ソール１６及びネック１８をいずれも金属、具体
的にはチタニウム合金により形成して充分な強度と耐久
性を与えている。

【００２２】これらの各部材は、いずれか２以上を鋳造
等の方法により一体的に形成することもできるが、本実
施の形態にあっては前記各部材を鍛造あるいは鋳造し、
その後必要に応じて切削してそれぞれ別個に形成し、そ
れぞれ別個に形成された各部材を溶接等の方法により固
着し、さらに、仕上げ研摩の後、塗装してヘッド１０を
形成している（図２は、所謂、フォーピース製造）。な
お、前記フェース１２、及びネック１８を一体に鍛造し
た後クラウン１４およびソール１６を形成することもで
きる。また、クラウン１４をあえて設けていない上面の
開口したクラブヘッドにも適用できる。

【００２３】なお、前記各部材をそれぞれ別個に形成す
る場合には、前述の鋳造に代えて鍛造により成型するこ
ともでき、より強度の高いヘッドを得ることができる。

【００２４】なお、クラウン１４及びソール１６の厚み
は各部所において適宜に変更し、ヘッドの重心位置及び
いわゆる後述重心深度の調整等を行うことができる。こ
の場合前述バランサー３０がより一層効果的に使用でき
る。

【００２５】図３は、前記ヘッドのフェースの裏面を示
すものであり、図３に示すように本実施形態のフェース
１２はその裏面において肉厚を変化させて、フェース１
２の裏面の周端又はフェース１２の裏面の周端とスウィ
ートスポットが交点ないし中心としてフェース１２の周
端方向に延びる放射状の厚肉部２０を形成する。

【００２６】この厚肉部２０は、フェース１２の裏面を
切削し、又は所望の凹凸形状に例えば鋳造する等してフ
ェース１２の肉厚を変化させたものであり、本実施形態
にあってはこの厚肉部をフェース１２の裏面の周端２０
ａとスウィートスポットが交点となる略Ｘ字状の厚肉部
２０ｂに形成している。

【００２７】この厚肉部２０ｂの形状は、本実施形態で
は、上級者向けを意識してフェース１２中央よりクラウ
ン１４側に位置するスウィートスポットに対応する位置
を交点あるいは中心として例えば、三方又は五方向以上
に延びる放射状の形状とすることもできるが、厚肉部分
が少ないと反発力の増加が少なく、また、厚肉部をあま
りに多くとるとフェース１２の重量が増加することか
ら、本実施の形態にあっては前述のようにフェースの裏
面のスウィートスポットに対応する位置からフェース１
２の幅方向の周端で、略トウ側、ネック側のフェース１
２のクラウン１４、ソール１６との境界近傍となる上下
４箇所に端縁が延びるＸ字状とした。

【００２８】また、本発明の実施形態にあっては、フェ
ース１２の裏面の周端を約３．０〜４．０mm幅、ここで
は、４mmで厚肉部２０ａを形成し、このフェース１２裏
面の周端の厚肉部２０ａと前記Ｘ字状に形成された厚肉
部２０ｂを同一の厚みで連続する一連の厚肉部２０とし
て形成している。

【００２９】以上のように構成された本実施形態におけ
るフェース１２の裏面は、Ｘ字状に形成された厚肉部２
０ｂと、裏面の周端に形成された前記厚肉部２０ａによ
り相対的に画定されるネック側に矩形状となる他、三つ
の略三角形状の共に角部を切欠き円弧状とした計４つの
凹部２２，２４，２６，２８が形成される。

【００３０】この凹部のうち図３中、フェース１２の高
さ方向で、上方、クラウン１４側の凹部２２及び下方、
ソール１６側の凹部２４は、凹部２２，２４の内方に向
かって順次面積を減少する相似形に肉厚を減少するよう
に構成してあり、従って、該段階的に肉厚が減少するこ
とにより段部２２ａ，２２ｂ，２２ｃ及び２４ａ，２４
ｃが形成されている。

【００３１】すなわち、本実施形態にあっては、各凹部
２２，２４，２６，２８の厚みを最も厚みのある部分を
厚肉部２０ｂと同様４．０mm、以後、順にフエース部１
２の表面に向かって形成される段部２２ａを３．６mm、
段部２２ｂを３．３mm、フェース１２に最も近い薄肉と
なる段部２２ｃを、凹部２６、２８と同様、３．０mmと
し、凹部２４においては２段の段部で形成され、最も厚
みのある段部２４ａを３．４mmに形成し、フェース１２
に最も近い薄肉となるその他の部分２４ｃの肉厚を３．
０mmとした。ちなみにクラウン１４は、１〜１．５mm、
ソール１６は１．５〜２mmが一般的である。

【００３２】なお、前記各凹部２２，２４の形状は、前
述のような段差により厚みを変化させたものではなく、
傾斜状に又は曲線的に厚みを変化させてもよく、また厚
みの変化しない形状に形成しても良い。

【００３３】また、本発明の中空アイアンのクラブヘッ
ドへの適用にあっては、図示は省略するが、前記フェー
ス１２の裏面自体に上記厚肉部を形成してもよく、また
これに限らず、このフェース１２の裏面に対峙するクラ
ブヘッドの前記フェースの反対側に上記厚肉部を形成し
た謂わばバックフェースでクラブヘッドの前記フェース
反対側を被蓋するように前記厚肉部２０を配置すること
ができる。この場合、前記バックフェースは、ネックと
共に鍛造により構成し、同種又は異種の金属材料で成る
フェースを溶接、圧着によりヘッドを構成すれば、好適
である。

【００３４】また、一般の無垢の鍛造などのアイアイン
系クラブにも、図示は省略するが、そのフェース裏面に
対して前記と同様、適用可能であることは言うまでもな
い。この場合前述厚肉部のみをフェース裏面に対して架
設若しくは、被蓋するように設けても良い。

【００３５】また、前記凹部２２，２４の厚みの変化
は、図３中フェースの幅方向に画定形成された凹部２
６，２８においても形成することができるが、本発明の
実施の形態にあっては可及的にフェース１２の重量を軽
減することと相俟ち、打球の左右の方向性を安定すべく
これら凹部２６，２８には段差を設けていない。

【００３６】以上のように構成されたフェース１２は、
前記Ｘ字状の厚肉部２０ｂの交点が配置されるスウィー
トスポットに対応する位置のフェース１２の裏面の厚肉
部２０ｂによりフェース１２の厚みが部分的に増して該
部分の反発力が他のフエース部よりも増大することにな
る。したがって、スウイートスポットが広がる効果をも
たらす。また、特に、スウィートスポットとなる位置に
厚肉部２０ｂの交点を配置したことは、該交点において
反発力が最大でしかもこの反発力を打球に均一に伝える
ことができる。従って、この厚肉部２０の存在により発
生した強力な反発力により打球の飛距離が驚異的に向上
するのみならず、この打球は方向安定性に富む。

【００３７】また、最も肉厚に形成された部分において
は、フェース１２の肉厚は４．０mmに達し、その反発力
は従来のプロ用クラブに匹敵するものである。しかも、
該厚肉に形成された部分以外のフェース１２の厚みは、
従来の一般的なゴルフクラブのヘッドと同様に３mm程度
に抑えることができ、ヘッド１０全体の重量を小さく抑
えることのできる構造としている。

【００３８】したがって、初級者向けのクラブヘッドと
しても充分に対応することができる。

【００３９】また、上述のように、スウイートスポット
が大きいため、打球がフェース１２のスウィートスポッ
トとなる厚肉部２２ｂの交点にジャストミートしなかっ
た場合においても従来のゴルフクラブのヘッドに比較し
て打球の飛距離及び方向性を増大、且つ安定させること
ができるものである。

【００４０】例えば、ボールの打撃面が前記スウィート
スポットよりもダフリ又はトップ方向にずれた場合であ
っても、ボールの打撃面が凹部２２又は凹部２４の中心
方向にずれるにつれて徐々にフェース１２の厚さが薄く
なっているものの該フェース１２の裏面は周端の厚肉部
２０ａと関連して前記薄肉の部分を包囲するように構成
されているので、通常のゴルフクラブのヘッドに比較し
てフェース１２の前記交点での反発力が高く、前記交点
による大きな反発力が作用するものとなる。

【００４１】また、最も肉薄に形成された部分において
ホールを打撃した場合であっても、該ボールを打撃した
部分のフェース１２に対して弾性変形の力が加わる際に
該部の周囲に形成された厚肉部２０ｂにより該部の反発
力も向上され、打球の飛距離が増大するのである。

【００４２】したがって、本発明のゴルフクラブのヘッ
ド１０によれば、スウィートエリアがヘッド１０のクラ
ウンおよびソール方向のみならずトウ及びヒール方向に
も広がって、ボールが捉え易く、しかも飛距離が飛躍的
に向上する。

【００４３】また、前述のフェース１２の形状により、
フェース１２の軽量化と反発力の増大、およびフェース
１２の強度の確保を同時に達成することができ、また、
ゴルフクラブのヘッド１０の体積を２５０cc以上の大型
のものとした場合であっても、ヘッド１０全体の重量増
を抑えることができる。

【００４４】なお、前述の構成によるフェース１２の軽
量化は、下記の点においてもゴルフクラブの性能向上に
寄与する。

【００４５】慣性モーメントの増大ここでいう慣性モー
メントとは、図５に示すようにヘッド１０の重心を軸と
したトウ及びヒール方向への慣性モーメントであり、慣
性モーメントが大きいほどボールを打撃した最にヘッド
が重心を中心に旋回し難く、従って重心からトウ側やヒ
ール側にはずしてボールを打撃しても打球の方向安定性
に優れしたがってスウィートエリアが増大する。

【００４６】この慣性モーメントはヘッドの大型化に伴
い増大し、従ってフェース１２の軽量化により大型化が
可能である本発明のゴルフクラブのヘッドにあってはこ
の慣性モーメントを容易に増大させることができる。

【００４７】重心距離ここでいう重心距離とは、図６矢
印で示すようにシャフトの中心線から重心までの距離を
いい、ヘッドを大型化することによりこの重心距離が長
くなる。

【００４８】この重心距離が長くなることにより、シャ
フトの中心線を軸にした慣性モーメントが増大するため
打球の飛距離が増大する。

【００４９】本発明のゴルフクラブのヘッド１０にあっ
ては、前述のようにフェース１２の軽量化により、ヘッ
ドの大型化が可能であることから、容易に重心距離を長
くすることができ、厚肉部２０による反発力の増加と相
まって、飛距離を増大させることができる。

【００５０】重心深度ここにいう重心深度とは、図５に
示すようにフェースのリーディングエッジから重心まで
の距離をいい、重心深度が長いほどスイング時にヘッド
が返ろうとする力が強くなりボールを捉え易くなる。

【００５１】本発明のゴルフクラブのヘッドにあって
は、フェース１２の重量を減らすことができたので、必
然的に重心が後方に移動して重心深度を深くすることが
でき、前述のようなボールを捉え易いという性能を得る
ことができる。これは、又、前記バランサー３０の効果
的な使用および配置が可能となる。

【００５２】重心アングル重心アングルとは、図７に示
すようにヘッドを回転可能にしてシャフトの中心線を水
平に支えた際に、垂直線に対してフェースのリーディン
グエッジの傾斜する角度をいい、この角度が大きいほど
ヘッドが返り易くボールを捉え易い。

【００５３】本発明のゴルフクラブのヘッドにあって
は、フェースの重量を軽量化することができたことによ
り重心が後方に移動し、その結果重心アングルが大きく
なってボールの捉えやすいクラブとなる。

【００５４】なお、以上の特性は、フェースの軽量化に
よりそれぞれ達成されるものであるが、フェースの軽量
化によりヘッド全体を軽量化することができることによ
り、ヘッド内の所望の位置に例えば図２に示すようにバ
ランサー３０等を取り付けて所望の位置にヘッドの重心
を移動させた場合であっても、ヘッドが過度に重くなる
ことがない。従って、極めて容易に各プレーヤーの癖、
力量に応じた特性を有するゴルフクラブを提供すること
ができる。

【００５５】

【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、フェ
ースの重量を軽減することができ、従ってヘッド全体の
重量が軽量化されたゴルフクラブのヘッドを提供するこ
とができるとともに、フェースの裏面に形成された厚肉
部によりボール打撃時の反発力が強力なフェースを備え
たゴルフクラブのヘッドを提供することができた。

【００５６】また、前記厚肉部をスウィートスポットを
中心として周端にのびる形状に構成したことにより、フ
ェースの広い範囲で略均一に反発力を増加することがで
き、ボール打撃時に発生するフェースの反発力が強力で
打球の飛距離を飛躍的に増大させることができる。

【００５７】また、厚肉部により画定される凹部の厚み
を段階的に変化させた本発明のゴルフクラブのヘッドに
あっては、ボールの打撃位置がスウィートスポットより
外れた場合であってもフェース全体による反発力を増大
させることができ、従ってヘッドのスウィートエリアを
広くすることがきる。

【００５８】また、軽量化によりヘッドを大型化するこ
とができるので、プレーヤーが誰でも経験するところの
結果に大きく影響する精神的な意味においてもスウィン
グ時にボールを捉え易く、飛距離の長大化が可能である
ゴルフクラブのヘッドを提供することができる。

【００５９】さらに、ヘッド全体を軽量化するとこが可
能なことから、従来のゴルフクラブのヘッドに比較して
重量を増すことなく、バランサー等の取り付けにより重
心を移動させることが容易であり、プレーヤーの特性、
力量に応じたゴルフクラブを容易に提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態を示すゴルフクラブのヘ
ッドの正面概略図。

【図２】 本発明の位置実施例を示すゴルフクラブのヘ
ッドの分解図。

【図３】 図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図。

【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線断面図。

【図５】 慣性モーメント及び重心深度の説明図。

【図６】 重心距離の説明図。

【図７】 重心アングルの説明図。

【図８】 従来のゴルフクラブのヘッドを示す断面概略
図。

【図９】 従来のゴルフクラブのヘッドを示す要部断面
斜視図。

【符号の説明】

１０ ヘッド １２ フェース １４ クラウン １６ ソール １８ ネック ２０ 厚肉部 ２２ 凹部（クラウン側） ２４ 凹部（ソール側） ２２ａ，２２ｂ，２４ａ 段部 ２６ 凹部（ネック側） ２８ 凹部（トウ側） ３０ バランサー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63B 53/04

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくともフェースを金属により形成し
   て成るゴルフクラブのヘッドにおいて、 前記フェースの裏面に、スウィートスポットに対応する
   位置を交点として、前記フェースの周端方向に延びる厚
   肉部を配置し、且つ、前記フェースの裏面の周端を厚肉
   部として形成すると共に、前記フェースの裏面に形成さ
   れ前記フェースの周端方向に延びる厚肉部と前記フェー
   スの裏面の周端に形成された厚肉部を連続する一連に形
   成したことを特徴とするゴルフクラブのヘッド。
2. 【請求項２】 前記連続する一連の厚肉部により画定さ
   れる凹部のうち、少なくともクラウン側及びソール側の
   凹部は、該凹部の内方に向かって相似形に順次、面積を
   減少し、且つ、その肉厚を減少する形状に形成した請求
   項１記載のゴルフクラブのヘッド。
3. 【請求項３】 前記連続する一連の厚肉部のうち、前記
   フェースの周端方向に延びる厚肉部がＸ字状を成す請求
   項１又は２記載のゴルフクラブのヘッド。
4. 【請求項４】 前記凹部における前記肉厚の減少が段階
   的に行われて成る請求項２記載のゴルフクラブのヘッ
   ド。