JPH1033723A

JPH1033723A - ゴルフ用ウッドクラブヘッド

Info

Publication number: JPH1033723A
Application number: JP8200228A
Authority: JP
Inventors: Yasuyuki Nakajo; 康之中條; Toshiharu Hoshi; 星　　俊治; Tetsuya Matsuyama; 哲也松山; Tadanori Okada; 規範岡田
Original assignee: Yamaha Corp
Current assignee: Yamaha Corp
Priority date: 1996-07-30
Filing date: 1996-07-30
Publication date: 1998-02-10

Abstract

(57)【要約】【課題】打球時の音響効果を高め、打球音及び打球感
の向上を図る。【解決手段】ヘッド本体１の打球面１Ａから２０〜４
０ｍｍ程度の範囲Ｌにおけるヘッド前部Ａ側の打球面廻
りの剛性をヘッド後部Ｂ側よりも高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばステンレ
ス、アルミニウム合金、チタン（Ｔｉ）あるいはチタン
合金等の軽金属や繊維強化プラスチックス等からなる外
殻構造を有するゴルフ用ウッドクラブヘッドに関し、特
に、ヘッド前部側の打球面廻りの所定範囲における剛性
分布に工夫を施すことにより、打球時、ボールの初速を
増大させ、ボールの飛距離の向上を図るようにしたもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のゴルフ用ウッドクラブヘ
ッドにおいては、図１２に先行例１として示すように、
例えば軽金属外殻構造を有するヘッド本体ａの打球面殻
部ａ１、上面殻部ａ２、周側壁面殻部ａ３及びソール面
殻部ａ４のそれぞれの肉厚をほぼ均一な厚さ（１．５〜
３ｍｍ程度）に形成してなるものや、図１３に先行例２
として示すように、ヘッド本体ａの打球面殻部ａ１に凹
部ｂを形成し、この凹部ｂにゴム等の弾性体層ｃを設け
て、その表面を金属板ｄにて被覆してなるものや、ある
いは、図１４に先行例３として示すように、ヘッド本体
ａ内に補強リブｅを設けてなる構成を有するものがあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来構造のウッドクラブヘッドにあっては、図
１２に示す先行例１の場合、ヘッド本体ａの打球面廻り
のヘッド前部側における各々の殻部の肉厚が薄くて剛性
が低いことから、打球時に、打球面殻部ａ１だけでな
く、打球面廻りの上面殻部ａ２、周側壁面殻部ａ３及び
ソール面殻部ａ４も変形し、これによって、打球面殻部
ａ１の撓みが抑制されるために、ボールの変形が大きく
なり、ボールの初速が低下し、ボールの飛距離の増大化
が望めない。

【０００４】また、図１３に示す先行例２の場合にあっ
ては、打球時におけるヘッド本体ａの打球面殻部ａ１の
撓みが大きいが、打球面殻部ａ１の重量が重く、これに
よって、ヘッド重心位置の調整が困難であるばかりでな
く、弾性体層ｃが劣化し易いために、長期使用によって
ボールの初速が低下し、ボールの飛距離が低下する。

【０００５】さらに、図１４に示す先行例３の場合にあ
っては、ヘッド本体ａの打球面廻りの剛性を高めること
はできるが、補強リブｅが打球面殻部ａ１、上面殻部ａ
２、周側壁面殻部ａ３及びソール面殻部ａ４の全周に亘
って連続して接合されていることから、打球時に、打球
面殻部ａ１の撓みが抑制され、ボールの変形が大きくな
るために、ボールの初速が低下し、ボールの飛距離の増
大化が望めない。

【０００６】また従来、図１２に示す先行例１のよう
に、ヘッド本体ａの打球面殻部ａ１の肉厚を他の上面殻
部ａ２、周側壁面殻部ａ３及びソール面殻部ａ４の肉厚
よりも比較的厚くして、打球面殻部ａ１の一部が上面殻
部ａ２、周側壁面殻部ａ３及びソール面殻部ａ４の一部
を含むように接合してなる構成を有するものがある。

【０００７】しかしながら、このようにヘッド本体ａの
打球面殻部ａ１の肉厚だけを厚くする理由は、打球面の
強度上の問題の以外に、他の殻部との接合部における溶
接の便宜性を高めることにあり、その範囲も打球面から
１０ｍｍ程度の範囲に過ぎないことから、打球面廻りの
ヘッド前部側の剛性を高めるまでには到っていない。

【０００８】この発明の目的は、打球時、ボールの初速
を増大させ、ボールの飛距離の向上を図ることができる
ようにしたゴルフ用ウッドクラブヘッドを提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、打球面殻部、上面殻部、周側壁面
殻部及びソール面殻部からなる外殻構造を有するヘッド
本体が１８０ｃｃ以上（好ましくは２１０ｃｃ以上、更
に好ましくは２３０ｃｃ以上）の体積をもつゴルフ用ウ
ッドクラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の打球面か
ら２０〜４０ｍｍ程度の範囲におけるヘッド前部側の打
球面廻りの剛性をヘッド後部側よりも高めてなる構成と
したものである。

【００１０】この場合、前記ヘッド前部側の打球面廻り
の剛性を高めるには、前記ヘッド前部側の各々の殻部の
肉厚をヘッド後部側よりも厚くしたり、あるいは、前記
ヘッド前部側のヘッド本体内に補強リブを打球面殻部と
の間に隙間を持たせて設けることにより行なわれる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１から図１１に示す図面を参照しながら詳細に説明する
と、図１及び図３は、この発明に係るにゴルフ用ウッド
クラブヘッドの第１の実施の形態を示し、図中１は例え
ば軽金属からなる外殻構造を有するヘッド本体である。

【００１２】このヘッド本体１は、１８０ｃｃ以上（好
ましくは２１０ｃｃ以上、更に好ましくは２３０ｃｃ以
上）の体積をもつとともに、打球面１Ａを形成する打球
面殻部２と、上面１Ｂを形成する上面殻部３と、バック
面１Ｃ及びトウ・ヒール側壁面１Ｄ，１Ｅの周側壁面殻
部４と、ソール面１Ｆを形成するソール面殻部５とから
なる形態を有する。

【００１３】そして、前記ヘッド本体１の打球面殻部２
の肉厚ｔ１は、１〜３ｍｍの厚さに形成されているとと
もに、打球面１Ａから２０〜４０ｍｍ程度の範囲Ｌにお
けるヘッド前部Ａ側の上面殻部３、周側壁面殻部４及び
ソール面殻部５の各々の殻部の肉厚ｔ２，ｔ３，ｔ４を
ヘッド後部Ｂ側の肉厚ｔ₀ ２，ｔ₀ ３，ｔ₀ ４よりも厚
く（ｔ２＞ｔ₀ ２、ｔ３＞ｔ₀ ３、ｔ４＞ｔ₀ ４）する
ことにより、打球面廻りの剛性を高めてなるもので、こ
の場合、前記ヘッド前部Ａとヘッド後部Ｂとの境界部
は、図２に示すように、連続的に変化させるか、または
不連続的に変化させてなるものである。

【００１４】ところで、前記ヘッド本体１のヘッド前部
Ａ側の上面殻部３、周側壁面殻部４及びソール面殻部５
の肉厚ｔ２，ｔ３，ｔ４は、２〜６ｍｍ、好ましくは
２．５〜４ｍｍで、ヘッド後部Ｂ側の上面殻部３及び周
側壁面殻部４の肉厚ｔ₀ ２，ｔ₀ ３は、０．５〜２ｍ
ｍ、好ましくは０．８〜１．５ｍｍで、ソール面殻部５
の肉厚ｔ₀ ４は、０．５〜４ｍｍ、好ましくは１．０〜
２．５ｍｍであり、特に、ヘッド後部Ｂ側のソール面殻
部５は、ウエイトの付加状態により異なるもので、ウエ
イト付加が大きい場合は、その肉厚ｔ₀ ４をヘッド前部
Ａ側の肉厚ｔ４に近い厚さにし、ウエイト付加が小さい
場合には、それ以下にしてなるものである。

【００１５】図４から図６は、この発明に係る第２の実
施の形態を示すもので、ヘッド前部Ａ側のヘッド本体１
内に補強リブ６，６を十字型に配設することにより、打
球面廻りの剛性を高めてなる構成を有し、この場合、各
々の補強リブ６は、前記上面殻部３とソール面殻部５と
の間及びトウ・ヒール側の周側壁面殻部４間に連続して
接合され、前記各々の補強リブ６と打球面殻部２との間
には、隙間ｗが持たせられている。

【００１６】図７から図９は、この発明に係る第３の実
施の形態を示すもので、上記第２の実施の形態における
補強リブ６の配設構造に改良を施し、ヘッド前部Ａ側の
ヘッド本体１内に配設される複数条の補強リブ６を打球
方向Ｘに沿って設けることにより、打球面廻りの剛性を
高めてなる構成を有し、この場合、前記各々の補強リブ
６と打球面殻部２との間には、隙間ｗが持たせられてい
る。

【００１７】図１０及び図１１は、この発明に係る第４
の実施の形態を示すもので、ヘッド本体１のヘッド後部
Ｂ側構造を補強部材７だけにして、ヘッド前部Ａ側構造
のみの構成としたものである。

【００１８】すなわち、この発明は、上記の構成を採用
することにより、ヘッド本体１の打球面１Ａから２０〜
４０ｍｍ程度の範囲Ｌにおけるヘッド前部Ａ側の打球面
廻りの剛性をヘッド後部Ｂ側よりも高めてなるために、
打球時、ヘッド前部Ａ側の打球面廻りの殻部が変形する
ことがなく、これによって、打球面殻部２が大きく変形
し、従前のようなボールの変形が抑制され、ボールの初
速が増大し、ボールの飛距離の向上が図れる。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、ヘッド本体のヘッド前部側の打球面廻りの剛性を
ヘッド後部側よりも高めてなることから、打球時、ヘッ
ド前部側の打球面廻りの殻部が変形することがないため
に、打球面殻部が大きく変形し、従前のようなボールの
変形を抑制することができ、これによって、ボールの初
速を増大させることができ、ボールの飛距離の向上を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッド
の第１の実施の形態を示す説明図。

【図２】同じく縦断側面図。

【図３】同じく一部切欠き横断平面図。

【図４】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッド
の第２の実施の形態を示す説明図。

【図５】同じく縦断側面図。

【図６】同じく一部切欠き横断平面図。

【図７】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッド
の第３の実施の形態を示す説明図。

【図８】同じく縦断側面図。

【図９】同じく一部切欠き横断平面図。

【図１０】この発明に係るゴルフ用ウッドクラブヘッ
ドの第４の実施の形態を示す説明図。

【図１１】同じく縦断側面図。

【図１２】従来のゴルフ用ウッドクラブヘッドの実施
の形態を示す縦断側面図。

【図１３】同じく従来のゴルフ用ウッドクラブヘッド
の他の実施の形態を示す縦断側面図。

【図１４】同じく従来のゴルフ用ウッドクラブヘッド
の他の実施の形態を要部切欠いて示す説明図。

【符号の説明】

１・・・ヘッド本体、１Ａ・・・打球面、１Ｂ・・・上面、１Ｃ・・・バック面、１Ｄ・・・トウ側壁面、１Ｅ・・・ヒール側壁面、１Ｆ・・・ソール面、２・・・打球面殻部、３・・・上面殻部、４・・・周側壁面殻部、５・・・ソール面殻部、Ａ・・・ヘッド前部、Ｂ・・・ヘッド後部、ｔ１・・・打球面殻部の肉厚、ｔ２・・・ヘッド前部における上面殻部の肉厚、ｔ３・・・ヘッド前部における周側壁面殻部の肉厚、ｔ４・・・ヘッド前部におけるソール面殻部の肉厚、ｔ₀ ２・・・ヘッド後部における上面殻部の肉厚、ｔ₀ ３・・・ヘッド後部における周側壁面殻部の肉厚、ｔ₀ ４・・・ヘッド後部におけるソール面殻部の肉厚、Ｌ・・・打球面からのヘッド前部の範囲、ｗ・・・隙間、Ｘ・・・打球方向。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岡田規範静岡県浜松市中沢町10番１号ヤマハ株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】打球面殻部、上面殻部、周側壁面殻部及
びソール面殻部からなる外殻構造を有するヘッド本体が
１８０ｃｃ以上の体積をもつゴルフ用ウッドクラブヘッ
ドにおいて、前記ヘッド本体の打球面から２０〜４０ｍｍ程度の範囲
におけるヘッド前部側の打球面廻りの剛性をヘッド後部
側よりも高めてなることを特徴とするゴルフ用ウッドク
ラブヘッド。
【請求項２】ヘッド前部側の各々の殻部の肉厚をヘッ
ド後部側よりも厚くしたことを特徴とする請求項１に記
載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。
【請求項３】ヘッド前部側のヘッド本体内に補強リブ
を打球面殻部との間に隙間を持たせて設けたことを特徴
とする請求項１に記載のゴルフ用ウッドクラブヘッド。