JP3315304B2 - 長期保存に適した茶飲料の製造方法 - Google Patents
長期保存に適した茶飲料の製造方法Info
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Description
や沈殿(澱)を生じることなく、しかも旨みは保持し得
る茶飲料の製造方法に関する。
この種の茶飲料の製造方法としては、飲料に対してポリ
アミド、ポリエチレン、ポリビニルポリピロリドンなど
の高分子樹脂を接触させてポリフェノールを吸着除去す
ることにより、清澄な飲料を製造する方法(特開昭62
−61569)が開示されている。また、嫌気処理した
茶葉を温水にて抽出し、この抽出液に不溶性ポリビニル
ポリピロリドンを添加し、その後濾過してタンニンを除
き、さらにサイクロデキストリンを添加する方法(特開
平1−218550)も開示されている。
ルポリピロリドン(PVPP)」を使用するが、この
「ポリビニルポリピロリドン(PVPP)」は混濁や沈
殿(澱)の原因となるカテキン類などを吸着することが
できるから、上記の茶飲料の製造方法によれば、結果的
に混濁や沈殿(澱)の原因を除くことができる。また、
ポリビニルポリピロリドンは無味無臭であるため茶本来
の味を損なうこともない。
に伴い、長期間の保存によっても混濁や沈殿が発生しな
い茶飲料を確実に製造でき、しかも品質が劣化しないよ
うに短時間で安定的かつ経済的に清澄な茶飲料を製造す
ることができる方法の確立が望まれている。
も、抽出液に対してポリビニルポリピロリドンを添加し
た後カテキン類がポリビニルポリピロリドンに吸着する
まで所定時間置かなければならなかったため、時間的に
無駄であったばかりか、所定時間置く間に酸化等によっ
て品質の劣化が生じる可能性もあった。また、上記の高
分子樹脂を接触させてポリフェノールを吸着除去する方
法では、ポリビニルポリピロリドンを吸着除去する際に
大きな濾過機が必要となる等設備費用が高価となる上、
生産工程が複雑になるなどの問題もあった。
ドンを添加することにより混濁や沈殿(澱)の原因とな
るカテキン類を吸着除去する茶飲料の製造方法におい
て、長期間の保存によっても混濁や沈殿が発生せず、し
かも旨みを保持した茶飲料を短時間かつ経済的に製造す
ることができる茶飲料の製造方法を提供せんとするもの
である。
によっても混濁や沈殿が発生せず、しかも旨みは保持し
た茶飲料を短時間かつ経済的に製造するため、温水で茶
葉を抽出する途中でポリビニルポリピロリドンを添加し
てカテキン類濃度を減少させることを特徴とする茶飲料
の製造方法を提供する。この製造方法によれば、茶葉を
抽出する工程と、ポリビニルポリピロリドンにカテキン
類を吸着させる工程とが同時に進行するため、従来のよ
うにカテキン類がポリビニルポリピロリドンに吸着する
まで抽出後所定時間置く必要がなくなるから、茶飲料の
品質をより一層好適にすることができる。
は、60〜70℃の温水において、茶葉に対して10〜
40重量%、特に20〜40重量%添加するのが好まし
い。茶葉に対して10重量%よりも著しく少ないと混濁
や沈殿する可能性があり、茶葉に対して40重量%より
も著しく多いと茶の風味自体が極めて損なわれる可能性
がある。
5〜4.5まで下げてカテキン類を安定化させた後、添
加したポリビニルポリピロリドン及びこれに吸着された
カテキン類を選択的に除去し減少させるのが好ましい。
上記急冷は20℃以下に冷却するのが好ましい。また、
上記PHの低下は例えばL−アスコルビン酸の添加によ
り行うことができる。なお、L−アスコルビン酸の添加
による酸味の増強を抑えたい場合には、重炭酸水素ナト
リウム等を加えてPH6.0付近に調整するのが良い。
酵茶、発酵茶などが含まれる。また、茶葉の他、茶の
茎、芽等など、或いはこれらの組合せであってもよい。
せて温度調整をした各温水1000ml中に茶葉10g
を入れると共に、茶葉(以下、抽出茶葉という。)に対
して0、5、10、20、40及び50重量%の各ポリ
ビニルポリピロリドン(以下、PVPPという)を添加
して4分間抽出した。抽出後20℃以下に急冷し、この
抽出液にL−アスコルビン酸を加えてPHを4.0まで
下げた後、重炭酸水素ナトリウムを加えてPH6.0に
調整し、その後これらの各調整液を缶に詰めて121℃
で7分間殺菌した。
一週間経過した調整液をついて官能審査を行うと共に、
内容成分(没食子酸エステル型カテキン、グルタミン
酸、テアニン)について測定した。官能審査の結果を表
1に示し、内容成分の調査結果を図1及び図2に示し
た。
行い、色調、混濁・沈殿物(澱)の有無及び滋味のそれ
ぞれについて判定させると共に、色調、香味及び旨みの
総合評価を10点評価法(高い方が嗜好に優れている)
に基づいて判定させた。また、混濁・沈殿物(澱)の有
無については、さらに殺菌後一ヵ月経過した調整液につ
いても判定させた。色調の評価は、沈殿物等がなく極め
て透明な状態を「極めて明るい」とする一方、沈殿物等
が有り極めて濁っている状態を「極めて暗い」とし、そ
の間の状態を順次「明るい」「若干明るい」「若干暗
い」「暗い」の4段階に分けて6段階評価により行わせ
た。
P無添加では沈殿物の発生が見られた。これに対し、6
0〜70℃の温度条件下ではPVPPを10重量%添加
することにより沈殿物の発生が抑えられた。ただし、抽
出温度が80℃以上になるとPVPPを抽出茶葉量に対
して50重量%以上添加しても沈殿物の生成が抑えられ
ないことが分かった。また、色調、滋味及び総合評価を
見ると、PVPPを抽出茶葉量に対して50重量%以上
添加すると、色調は明るくなり、滋味もなくなるが、総
合評価はいずれの温度においても悪いものであった。
抽出温度を60〜70℃とし、PVPPの添加量を抽出
茶葉量に対して10〜40重量%とするのが好適である
ことが分かった。一方、PVPPを抽出茶葉量に対して
50重量%以上添加するのは商品の安全性等を考えると
総合的に好ましくないことも分かった。
と、茶葉の抽出温度が60〜70℃でPVPPの添加量
が抽出茶葉量に対して10〜40重量%の場合には、茶
飲料の渋味を決定する成分の一である没食子酸エステル
型カテキンの濃度が0.1mg/100ml〜10mg
/100mlの範囲に抑えられ、しかも茶飲料中の旨み
成分であるグルタミン酸、テアニンの濃度は主要アミノ
酸量の62重量%以上となることが分かった。
し、両者間における総カテキンの吸着量、沈殿物生成及
び渋味について比較検討した。
する途中で、抽出茶葉量に対して5、20、50重量%
の各PVPPを添加し、3.5分間抽出した。抽出後添
加は、茶葉を60℃の温水で3.5分間抽出した後濾過
し、濾液に抽出茶葉量に対して5、20、50重量%の
各PVPPを添加して30分間放置した。上記の両抽出
液を濾過し、総カテキンの吸着能、沈殿物生成の有無及
び渋味の程度について比較し、結果を図3及び表2に示
した。
が、抽出後に添加したものよりも総カテキン量、混濁及
び沈殿が抑えられ、嗜好的にも優れていることが分かっ
た。
PP添加量:20重量%)で茶飲料を製造し、一週間後
の液についてL値を測定すると共に官能審査を行った。
その結果を、図4に示す。なお、L値は明度を示し、値
が大きいほど色調が明るく、値が小さいほど色調が暗く
なっている。
PP添加量が抽出茶葉量に対して10〜40重量%、好
ましくは20〜40重量%、L値が90〜93の範囲で
滋味が最も良好であることが分かった。
PP添加量:20重量%)で製造した茶飲料に耐熱性胞
子菌又は腐敗菌を107 個添加し、37℃で一ヵ月間保
存し、保存後の菌の増殖の有無を検査した。耐熱性胞子
菌についての結果は図5に、腐敗菌についての結果は図
6に示した。
5〜40重量%添加した茶抽出液では、十分な殺菌効果
が見られ、商品として販売するのに適合していることが
分かった。
リビニルポリピロリドンを添加して茶中のカテキン類濃
度を減少させることにより、長期間の保存によっても混
濁や沈殿が発生せず、しかも旨みを保持した茶飲料を短
時間かつ経済的に製造することができるから、特にペッ
トボトル飲料として好適な茶飲料を消費者に提供するこ
とができる。また、ポリビニルポリピロリドンの添加量
を調整し、渋味成分の一つであるカテキン類の吸着除去
量を増減させることにより、時代の嗜好傾向に対応した
味の茶飲料を製造することができる。
エステル型カテキン濃度との関係を示したグラフであ
る。
(グルタミン酸+テアニン)濃度との関係を示したグラ
フである。
加量と総カテキン量との関係を示したグラフである。
嗜好性との関係を示したグラフである。
菌数と添加後の日数との関係を示したグラフである。
添加後の日数との関係を示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 60〜70℃の温水で茶を抽出する途中
で、茶に対して10〜40重量%のポリビニルポリピロ
リドンを添加してカテキン類濃度を減少させることを特
徴とする長期保存に適した茶飲料の製造方法。 - 【請求項2】 抽出後、急冷すると共にPHを3.5〜
4.5まで下げてカテキン類を安定化させた後、添加し
たポリビニルポリピロリドン及びこれに吸着されたカテ
キン類を選択的に除去し減少させることを特徴とする請
求項1に記載の長期保存に適した茶飲料の製造方法。
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---|---|---|---|
JP02823596A JP3315304B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 長期保存に適した茶飲料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09220053A JPH09220053A (ja) | 1997-08-26 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02823596A Expired - Lifetime JP3315304B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 長期保存に適した茶飲料の製造方法 |
Country Status (1)
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-
1996
- 1996-02-15 JP JP02823596A patent/JP3315304B2/ja not_active Expired - Lifetime
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