JP3313206B2 - 天井埋込形空調機の点検用パネル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井埋込形空調機に組
み込まれた熱交換器や送風機などの点検用パネル装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、天井埋込形空調機の点検用パネル
装置は天井埋込形空調機の普及に伴い、天井面に露出す
る点検用パネルのインテリア性向上が求められている。

【０００３】従来、この種の天井埋込形空調機の点検用
パネル装置は、実開昭５８−１７２７２６号公報に示す
ような構成が一般的であった。以下、その構成について
図１１〜図１７を参照しながら説明する。

【０００４】図に示すように、内部に形成された通風路
１０１に熱交換器１０２と送風機１０３を設けた天井埋
込形空調機の本体１０４と、この本体１０４の下面側に
取り付けられ、前記通風路１０１に連通する吸込口１０
５および吹出口１０６を設けるとともに、天井開口１０
７の周囲を覆うパネル枠１０８とを設け、前記パネル枠
１０８の中央には開閉自在な点検用パネル１０９を設け
ていた。そして、前記点検用パネル１０９は、下面に平
面部１１０を設けるとともにパネル枠１０８の内壁から
点検用パネル１０９に向かって設けた支持棒１１１に対
応するフック部１１２を設けていた。

【０００５】また、下面に開口部１１３を設け、内部に
天井建材１１４を設けるとともに爪部１１５を有する建
材押さえ金具１１６を設けた天井建材取付形点検用パネ
ル１１７もあり、点検用パネル１０９と交換可能となっ
ていた。また、パネル枠１０８と点検用パネル１０９の
接触部１１８には、パネル枠１０８に樹脂製のブッシン
グ１１９を設けていた。

【０００６】上記構成において、本体１０４の内部に設
けた熱交換器１０２や送風機１０３の点検は、パネル枠
１０８に設けた支持棒１１１から点検用パネル１０９に
設けたフック部１１２をはずし、点検用パネル１０９を
回動させて本体１０４の下面を開放状態にして行ってい
た。また、点検用パネル１０９をインテリア性向上のた
め天井建材取付形点検用パネル１１７に交換する場合
は、下面に開口部１１３を有する天井建材取付形点検用
パネル１１７を別途準備し、内部に天井建材１１４を入
れ建材押さえ金具１１６を取り付けた後、爪部１１５を
ドライバー等で折り曲げて天井建材１１４を固定してい
た。また、パネル枠１０８の内壁に設けたブッシング１
１９により、パネル枠１０８と点検用パネル１０９との
接触による音の発生を防止していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の天井
埋込形空調機の点検用パネル装置ではインテリア性向上
のために点検用パネル１０９を天井建材取付形点検用パ
ネル１１７に変更する場合、施工者は天井建材取付形点
検用パネル１１７を別途購入する必要があり、手配作業
が繁雑となっていた。また、製造者側は点検用パネル１
０９と天井建材取付形点検用パネル１１７の２種類を製
造する必要があり、製造コストや管理費の増加の原因と
なっていた。また、天井建材取付形点検用パネル１１７
の内部に天井建材１１４を入れて固定する場合、建材押
さえ金具１１６の取り付けや爪部１１５の折り曲げなど
の作業が必要となり、施工作業に時間がかかるなどの問
題があった。また、パネル枠１０８にブッシング１１９
を設けているため、材料費や取り付け作業費が必要とな
り製造コストが増加するなどの問題があった。

【０００８】本発明は上記課題を解決するもので、点検
用パネルと天井建材取付形点検用パネルとを共用化する
ことにより現地施工に合わせて任意にいずれかに変更で
き、また、点検用パネルの種類を統一して製造コストや
管理費等が低減できる天井埋込形空調機の点検用パネル
装置を提供することを第１の目的とする。

【０００９】第２の目的はパネル板とパネル支持枠の固
定を確実にすることにある。第３の目的はパネル板とパ
ネル支持枠の着脱を容易に、かつ確実にすることにあ
る。

【００１０】第４の目的はパネル支持枠のフック部の強
度を増加させ、点検用パネルの開閉動作を確実にし、か
つ安全性を増すことにある。

【００１１】第５の目的は建材押さえ金具などの別部品
を不要とするとともに、パネル板にパネル支持枠を装着
するだけで、パネル板の内部に設けた天井建材を確実に
固定することにある。

【００１２】第６の目的はブッシングなどの別部品を設
けることなく点検用パネルの開閉を容易にするととも
に、パネル枠と点検用パネルとの接触による音の発生を
防止することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の天井埋込形空調
機の点検用パネル装置は上記第１の目的を達成するため
に、第１の手段は内部に形成された通風路に熱交換器、
送風機などを収納し、天井に取り付けられる空調機の本
体と、この本体の下面側に取り付けられ、前記通風路に
連通する吸込口および吹出口を有するパネル枠と、この
パネル枠の中央に開閉自在に設けた点検用パネルとを有
し、前記点検用パネルは、平面部とそれに対向する面を
開口部とするとともに内部に天井建材を入れるための空
間を設けた略Ｃ字状の断面形状を有するパネル板と、前
記パネル枠の内壁から点検用パネルに向かって設けた支
持棒に対応するフック部を設けるとともに、前記パネル
板の両端面に着脱自在、かつ反転自在に装着されるパネ
ル支持枠からなる構成とする。

【００１４】また、第２の目的を達成するために、第２
の手段はパネル支持枠に、パネル板に装着する挿入部を
設け、前記挿入部と前記パネル板を固定手段にて固定し
た構成とする。

【００１５】また、第３の目的を達成するために、第３
の手段はパネル支持枠に、パネル板に装着する挿入部を
設け、前記挿入部と前記パネル板を弾性結合手段を介し
て着脱自在に結合した構成とする。

【００１６】また、第４の目的を達成するために、第４
の手段はパネル支持枠のフック部にフック部と同形状の
補強金具を設けた構成とする。

【００１７】また、第５の目的を達成するために、第５
の手段はパネル支持枠のパネル板との装着部にパネル板
の内部空間に向かって弾性を有する建材押さえ板を設け
た構成とする。

【００１８】また、第６の目的を達成するために、第６
の手段はパネル支持枠のパネル枠の内壁との接触部に球
状突起を設けた構成とする。

【００１９】

【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、パ
ネル枠とパネル支持枠とを分離し、パネル板を反転して
パネル支持枠に取り付けることが可能となり、点検用パ
ネルの下面を平面部にする、あるいは下面を開口部とし
て内部に天井建材を取り付けることが可能となる。

【００２０】また、第２の手段の構成により、パネル支
持枠とパネル板の固定を確実にすることができる。

【００２１】また、第３の手段の構成により、パネル支
持枠とパネル板の着脱を容易に、かつ確実にすることが
できる。

【００２２】また、第４の手段の構成により、パネル支
持枠のフック部の強度が増加し、点検用パネルの開閉動
作が確実になるとともに開閉時の衝撃に対し安全性を向
上することができる。

【００２３】また、第５の手段の構成により、パネル板
の内部に設けた天井建材は、パネル板にパネル支持枠を
装着することにより建材押さえ板で確実に固定すること
ができる。

【００２４】また、第６の手段の構成により、パネル枠
と点検用パネルとが点接触となり、点検用パネルの開閉
が容易になるとともにパネル枠と点検用パネルとの接触
による音の発生を防止することができる。

【００２５】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第１の実施例について、図
１〜図２を参照しながら説明する。

【００２６】図に示すように、内部に形成された通風路
１に熱交換器２と送風機３を設けた天井埋込形空調機の
本体４と、この本体４の下面側に取り付けられ、前記通
風路１に連通する吸込口５および吹出口６を有するとと
もに、天井開口７の周囲を覆うパネル枠８とを設け、こ
のパネル枠８の中央には開閉自在な点検用パネル９を設
けている。

【００２７】そして、前記点検用パネル９は、平面部１
０とそれに対向する面を開口部１１とするとともに内部
に空間１２を設けた略Ｃ字状の断面形状を有するパネル
板１３と、前記パネル枠８の内壁から点検用パネル９に
向かって設けた支持棒１４に対応するフック部１５を有
するとともに、前記パネル板１３の両端面に着脱自在、
かつ反転自在に装着される樹脂製のパネル支持枠１６か
ら構成されている。

【００２８】なお、天井建材１７は前記パネル板１３の
内部に設けられ、開口部１１よりその表面に設けられた
化粧面が見えるようになっている。

【００２９】上記構成により、本体４の内部に設けた熱
交換器２や送風機３の点検は、パネル枠８に設けた支持
棒１４から点検用パネル９に設けたフック部１５をはず
し、点検用パネル９を回動させて本体４の下面を開放状
態にして行うことができ、また、点検用パネル９はパネ
ル板１３とパネル支持枠１６とに分離してパネル板１３
を反転した後、内部に天井建材１７を入れ再度装着する
ことができ、下面を平面部１０にする、あるいは下面を
開口部１１とすることができる。

【００３０】このように本発明の第１実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、１種類の点検用
パネル９で、天井面のインテリアに応じて点検用パネル
９の下面を平面部１０にするか、あるいは下面を開口部
１１として内部に設けた天井建材１７が見えるようにす
ることができる。

【００３１】（実施例２）以下、本発明の第２実施例に
ついて図３を参照しながら説明する。

【００３２】図に示すように、パネル支持枠１６ａは、
パネル板１３ａとの装着部にねじ孔１８を設けた挿入部
１９を設け、前記パネル板１３ａには前記ねじ孔１８に
対応する丸孔２０を設けている。そして、ねじ２１によ
り前記パネル支持枠１６ａの挿入部と前記パネル板１３
ａとを固定する固定手段を構成している。

【００３３】上記構成により、パネル支持枠１６ａとパ
ネル板１３ａは、ねじ２１を締めつけることにより固定
でき、ねじ２１を取り外すことにより分離することがで
きる。

【００３４】このように本発明の第２実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、パネル支持枠１
６ａとパネル板１３ａの固定を確実にすることができ
る。

【００３５】（実施例３）以下、本発明の第３実施例に
ついて図４を参照しながら説明する。

【００３６】図に示すように、パネル支持枠１６ｂは、
パネル板１３ｂとの装着部に外方に開き勝手の弾性を有
する突起部２２を形成した挿入部１９ａを設け、前記パ
ネル板１３ｂには前記突起部２２に嵌合する開口２３を
設けて弾性結合手段を構成する。

【００３７】上記構成により、パネル支持枠１６ｂとパ
ネル板１３ｂは、パネル支持枠１６ｂの挿入部１９ａを
パネル板１３ｂに挿入し、突起部２２を開口２３に弾性
結合することにより固定でき、また、突起部２２を開口
２３より弾性力に抗して結合を外すことにより分離する
ことができる。

【００３８】このように本発明の第３実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、パネル支持枠１
６ｂとパネル板１３ｂの着脱を容易に、かつ確実にする
ことができる。

【００３９】（実施例４）以下、本発明の第４実施例に
ついて図５および図６を参照しながら説明する。

【００４０】図に示すように、パネル支持枠１６ｃは、
フック部１５に凹部２４とスリット２５を設け，略Ｌ字
の断面形状の補強金具２６は前記フック部１５と一辺が
同形状で他の一辺に固定孔２７を有している。固定突起
２８は固定孔２７に嵌合するようスリット２５に向かっ
て設けている。

【００４１】上記構成により、補強金具２６をスリット
２５に挿入するとともに凹部２４にはめ込み、固定孔２
７と固定突起２８を嵌合することにより補強金具２６を
パネル支持枠１６ｃに固定することができる。

【００４２】このように本発明の第４実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、パネル支持枠１
６ｃのフック部１５の強度が増加し、点検用パネル９の
開閉動作が確実になるとともに開閉時の衝撃に対し安全
性を向上することができる。

【００４３】（実施例５）以下、本発明の第５実施例に
ついて図７および図８を参照しながら説明する。

【００４４】図に示すように、パネル支持枠１６ｄは、
パネル板１３の内部空間１２に向かって樹脂にて一体成
型し、曲線部３０により弾性を有する建材押さえ板２９
を設けている。

【００４５】上記構成により、パネル板１３の内部空間
１２に天井建材１７を入れ、パネル支持枠１６ｄをパネ
ル板１３に装着することにより、天井建材１７は弾性を
有する建材押さえ板２９によりパネル板１３の開口部１
１の方向に押さえられながら固定される。

【００４６】このように本発明の第５実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、パネル板１３に
パネル支持枠１６ｄを装着するだけで、パネル板１３の
内部に設けた天井建材１７を容易に、かつ確実に固定す
ることができる。

【００４７】（実施例６）以下、本発明の第６実施例に
ついて図９および図１０を参照しながら説明する。

【００４８】図に示すように、パネル支持枠１６ｅは、
パネル枠８との接触部３１に、樹脂にて一体成型した球
状突起３２を設ける。

【００４９】上記構成により、パネル枠８とパネル支持
枠１６ｅとが球状突起３２で接触し、面接触を防止でき
る。

【００５０】このように本発明の第６実施例の天井埋込
形空調機の点検用パネル装置によれば、パネル枠８とパ
ネル支持枠１６ｅとが点接触となり、点検用パネル９の
開閉が容易になるとともにパネル枠８と点検用パネル９
との接触による音の発生を防止することができる。

【００５１】なお、実施例では天井埋込形空調機に冷暖
房機器を用いたが、冷暖房機器に限らず天井に埋め込み
下面に点検用パネルが露出する空調機、例えば熱交換形
換気装置、空気清浄機などを用いてもよく、その作用効
果に差異を生じない。

【００５２】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば点検用パネルと天井建材取付形点検用パネル
とを共用化することにより現地施工に合わせて任意にい
ずれかに変更でき、また、点検用パネルの種類を統一し
て製造コストや管理費等が低減できる天井埋込形空調機
の点検用パネル装置を提供することができる。

【００５３】また、パネル板とパネル支持枠の固定を確
実にすることができる。また、パネル板とパネル支持枠
の着脱を容易に、かつ確実にすることができる。

【００５４】また、パネル支持枠のフック部の強度を増
加させ、点検用パネルの開閉動作を確実にし、かつ安全
性を増すことができる。

【００５５】また、建材押さえ金具などの別部品を不要
とするとともに、パネル板にパネル支持枠を装着するだ
けで、パネル板の内部に設けた天井建材を確実に固定す
ることができる。

【００５６】また、ブッシングなどの別部品を設けるこ
となく点検用パネルの開閉を容易にするとともに、パネ
ル枠と点検用パネルとの接触による音の発生を防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の第１実施例の天井埋込形空調機
の点検用パネル装置の断面図 （ｂ）同第１実施例の点検用パネル分解斜視図

【図２】同第１実施例の点検用パネルの天井建材取り付
け時の状態を示す分解斜視図

【図３】同第２実施例のパネル板とパネル支持枠との取
り付け状態を示す部分斜視図

【図４】同第３実施例のパネル板とパネル支持枠との取
り付け状態を示す部分斜視図

【図５】同第４実施例のパネル支持枠と補強金具との取
り付け状態を示す部分斜視図

【図６】同第４実施例のパネル支持枠と補強金具との固
定時の状態を示す断面図

【図７】同第５実施例のパネル板とパネル支持枠との取
り付け状態を示す部分斜視図

【図８】同第５実施例のパネル板とパネル支持枠との固
定時の状態を示す断面図

【図９】同第６実施例のパネル支持枠の部分斜視図

【図１０】同第６実施例のパネル枠に取り付けたパネル
支持枠の断面図

【図１１】従来の天井埋込形空調機の点検用パネル装置
の断面図

【図１２】同点検用パネルの斜視図

【図１３】同天井建材取付形点検用パネルの斜視図

【図１４】同天井建材取付形点検用パネルの建材固定時
の斜視図

【図１５】同天井建材取付形点検用パネルの建材固定時
の断面図

【図１６】同ブッシング取り付け状態を示す部分斜視図

【図１７】同パネル枠に取り付けた点検用パネルの断面
図

【符号の説明】

１ 通風路 ２ 熱交換器 ３ 送風機 ４ 本体 ５ 吸込口 ６ 吹出口 ８ パネル枠 ９ 点検用パネル １０ 平面部 １１ 開口部 １２ 空間 １３ パネル板 １３ａ パネル板 １３ｂ パネル板 １４ 支持棒 １５ フック部 １６ パネル支持枠 １６ａ パネル支持枠 １６ｂ パネル支持枠 １６ｃ パネル支持枠 １６ｄ パネル支持枠 １６ｅ パネル支持枠 １８ ねじ孔 １９ 挿入部 １９ａ 挿入部 ２０ 丸孔 ２１ ねじ ２２ 突起部 ２３ 開口 ２６ 補強金具 ２９ 建材押さえ板 ３１ 接触部 ３２ 球状突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−68231（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−298736（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−57130（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−168727（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−65316（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−167060（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−27520（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−40724（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 1/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に形成された通風路に熱交換器、送
   風機などを収納し、天井に取り付けられる空調機の本体
   と、この本体の下面側に取り付けられ、前記通風路に連
   通する吸込口および吹出口を有するパネル枠と、このパ
   ネル枠の中央に開閉自在に設けた点検用パネルとを有
   し、前記点検用パネルは、平面部とそれに対向する面を
   開口部とするとともに内部に天井建材を入れるための空
   間を設けた略Ｃ字状の断面形状を有するパネル板と、前
   記パネル枠の内壁から点検用パネルに向かって設けた支
   持棒に対応するフック部を設けるとともに、前記パネル
   板の両端面に着脱自在、かつ反転自在に装着されるパネ
   ル支持枠からなる天井埋込形空調機の点検用パネル装
   置。