JP3313053B2 - ダイアタッチペーストの製造方法 - Google Patents
ダイアタッチペーストの製造方法Info
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Description
及び速硬化性に優れた半導体接着用ペーストの製造方法
に関するものである。
一歩をたどっており、これに伴い製造コスト削減は重要
な課題となっている。半導体パッケージ組立の中で、ダ
イアタッチペーストで半導体とリードフレームを接着す
る工程が有るが、この工程に関しては時間短縮、及び低
温硬化がポイントになっている。硬化の過程はバッチ式
オーブン法、インライン(熱盤等)で硬化させる方法に
大別されるが、コスト削減という観点からいずれの方法
でも硬化時間の短縮が重要となっている。インラインで
用いられるいわゆる速硬化性ペーストを用いた場合、通
常のダイマウントは、150℃から200℃で30秒か
ら60秒の間で行われる。しかし今後は更に低温、短時
間硬化可能なペーストの開発が望まれている。
性の向上が要求されているので、硬化時間の短縮が不可
欠となる。オーブン硬化の場合、通常のダイマウントは
150℃から200℃で60分から120分の間で行わ
れるが、今後は20分以内で硬化させることが要求され
るようになる。また現在はオーブン硬化からインライン
硬化へと移る過渡期にあるため、完全にインライン硬化
のみに絞り込むことはできない。従って、オーブン/イ
ンライン硬化併用ペーストの開発も併せて要求されてい
る。一方、パッケージとしての信頼性は、特に耐半田ク
ラック性が重要であるが、ダイアタッチペーストとして
は特に低応力性、高接着性が必要である。
ポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、等
が知られているが、例えばインライン硬化で30秒以内
に硬化が可能及び/又はオーブン硬化で15分以内で硬
化が可能であり且つ耐半田クラック性に適した特性を維
持する材料は全く見いだされていなかった。又、特性を
満足したとしても常温での粘度上昇が激しすぎ使用に適
さない材料しかなかった。
あるが、硬化収縮の問題、接着性が乏しい等実用性のあ
るものは見いだされていなかった。その中でもヒドロキ
シアルキルアクリル、ジアルキレングリコール、ジイソ
シアネートを反応させて得られるウレタンアクリレート
は主鎖骨格の柔軟性から低応力化が期待される樹脂系で
ある。しかし、この樹脂単独では応力性に優れているも
のの、依然接着力に乏しく問題があった。そこで、この
問題を解決する方法として、成分A,C,E,F(但し
一般の導電紛)を用いる方法が特開平7ー292048
号公報等で提案されている。しかしながら本発明者らの
検討により、半導体分野において、半導体チップを金属
のリードフレーム又はガラスーエポキシ樹脂を代表とす
る有機基板との接着に対してはそれらの成分のみでは全
く接着強度が得られない事が判明した。これは、半導体
チップとリードフレームに金線等を取り付ける工程(以
下ワイヤーボンディングという)には200℃以上まで
温度を上げる必要があるためであり、前記構成要素のみ
では熱時接着力が全く得られず、本発明用途のような高
温時(200℃〜350℃)における無機表面と有機物
の密着性には更なる改良が必要であった。
レート樹脂の欠点を改良し、低応力性、接着性及び速硬
化性に優れたダイアタッチペーストの製造方法を提供す
るものである。
リレート樹脂の欠点を改良すべく検討を行った結果、特
定のアクリレート樹脂、重合開始剤、カップリング剤と
しての特定のリン酸系化合物及び脂環式エポキシ基を含
むアルコキシシラン、及び銀粉を組み合わせたところ、
前記半導体チップと金属フレーム又は有機基板との接着
性が優れていることを見いだした。しかし、ペースト製
造工程において接着剤全成分を混練し得られたペースト
の可使時間(粘度が10%上昇する時間)が著しく悪く
なり、長時間、正確な塗布量を要求されるダイアタッチ
用途には問題があることがわかった。そこで原因を追究
した結果、銀粉又は銀粉+重合開始剤以外を予め混練
し、それぞれ常温又は加温状態で所定の時間静置し、脂
環式エポキシ基アルコキシシランとリン酸基を有する
(メタ)アクリレートを希釈条件下において十分に反応
させた後、残りの成分を配合し混練することによりペー
スト可使時間が充分に延長されることを見いだした。更
に得られたペーストは、優れた接着性、低応力性、耐半
田クラック性を維持し、且つ非常に短時間でも硬化が可
能なダイアタッチペーストであることを見いだし、本発
明を完成させるに至ったものである。
キルアクリル酸、ポリアルキレングリコール及びジイソ
シアネートを反応させて得られるウレタンジアクリレー
ト、(B)一般式(1a)で示されるモノアクリレート
又は一般式(1b)で示されるモノメタクリレート、
(C)一般式(2)で示されるリン酸基含有アクリレー
ト又は一般式(3)で示されるリン酸基含有メタクリレ
ート、(D)脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラ
ン、(E)重合開始剤、及び(F)銀粉を必須成分とす
るダイアタッチペーストにおいて、成分A〜成分Eを配
合後、0℃〜50℃で1時間〜30日間静置した後に成
分Fを添加、又は成分A〜成分Dを配合後に0℃〜50
℃で1時間〜30日間静置した後に成分E及び成分Fを
添加するすることを特徴とするダイアタッチペーストの
製造方法である。
素数10以上の置換基)
3)
3)
クリレートは常法によりヒドロキシアルキルアクリル
酸、ポリアルキレングリコール、ジイソシアネートの反
応により合成される。
は2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレートがある。ポリアルキレングリコー
ルの例としてはポリエチレングリコールやポリプロピレ
ングリコール、ポリブチレングリコール等がある。又、
ジイソシアネートの例としてはヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソフォロンジイソシアネート、トルエンジ
イソシアネート及びその水素添加物等がある。
度が高いためこのままではペースト化しても塗布作業性
が悪く実用に適さない。そこで希釈剤として(メタ)ア
クリル基を一つ含むモノ(メタ)アクリレートを添加す
る。更に本発明に使用されるモノ(メタ)アクリレート
は式(1a)又は(1b)で示され、さらには置換基R
1が脂環族、及び/又は芳香族基を含み置換基R1中の全
炭素数が10個以上であることが必須である。この条件
を満たす事により希釈剤としての効果だけでなく嵩高い
置換基を有するため硬化中の収縮を押さえることがで
き、界面の接着信頼性を高めることができる。脂環族、
芳香族基を含まず炭素数が10個以上の置換基の場合は
硬化収縮に関しては低減できるが脂肪族炭化水素の特性
により接着性が低下してしまうので好ましくない。モノ
(メタ)アクリレートの例としては、一般式(1a)又
は(1b)のR1が、
とモノアクリレートの比は重量比で80/20〜20/
80である事が好ましい。ウレタンジアクリレート量が
80/20を超えるとペースト粘度が高すぎて塗布作業
性が悪くなる。一方、20/80よりも少ないと、接着
強度が得られなくなる。
化物やアゾ化合物等がある。有機過酸化物は、急速加熱
試験(試料1gを電熱板の上にのせ4℃/分で昇温したと
きの分解開始温度)における分解温度が40℃から14
0℃であることが好ましい。分解温度が40℃に満たな
い場合は、常温における保存性が悪くなり、140℃を
超えると硬化時間が極端に長くなるためである。
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオ
キシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブ
チルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テト
ラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、
ビス(4−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボ
ネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−
トリメチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオ
キシ−2−エチルヘキサネート等があり、アゾ化合物の
例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエ
タン)等がある。
は単独あるいは硬化性を制御するため2種類以上を混合
して用いることもできる。更に、樹脂の保存性を向上す
るために各種重合禁止剤を予め添加しておくことも可能
である。
の添加量としては、ウレタンジアクリレート+モノアク
リレート総重量に対して0.1重量%から5重量%であ
ることがることが好ましく、0.1%以下だと硬化速度
が遅くなり、5重量%以上だと接着強度が低下するので
好ましくない。
状の銀粉がある。平均粒径としては、0.5μm〜15
μmが好ましい。平均粒径が0.5μmより小さいと製
品粘度が高くなり、ロール等の混練が不可能となり、ま
た平均粒径が15μmより大きいとディスペンサー等を
用いたペースト塗布時のノズル詰まり、または接着剤層
の厚みが制御しにくく好ましくない。添加量としては、
全ペーストに対し60重量%から85重量%の範囲であ
ることが好ましい。60%に満たない場合、体積抵抗率
が高くなり、85%を超えるとペースト粘度が高くな
り、塗布作業性において好ましくない。
シランとは例えば、信越化学工業(株)・製、KBM−3
03等が知られている。
ート又はメタクリレート(成分C)と脂環式エポキシ基
を含むアルコキシシラン(成分D)の総添加量はウレタ
ンジアクリレート+モノアクリレート総重量に対して
0.1重量%から5重量%であることが好ましい。0.
1%以下だと接着性に効果を示さず、5%より多いと粘
度が著しく上昇する。
必須成分であり一方がかけても本発明を具現化する事は
できない。その構成比は特に限定されないが好ましくは
C/D=0.1から10である。この場合、成分Cと成
分Dを、成分A〜成分D又は成分A〜成分Eを配合後、
即ち希釈条件下にて静置することにより反応させ、そこ
に成分F又はF+Eを添加することが必須であり、静置
なしで成分F又はF+Eを添加すると、全成分配合後に
粘度が経時的に上昇したり接着強度が低下したりする。
この場合の静置とは、0℃〜50℃、好ましくは常温
(25℃)において1時間〜30日間保存することであ
る。希釈条件下における成分Cと成分Dの反応には最低
限1時間程度必要であり、1時間より静置時間が短いと
粘度が安定しにくく、30日以上静置すると特に重合開
始剤を前もって添加した場合重合開始剤の分解によるラ
ジカル反応が起こり始め粘度が上昇する。また、常温以
上(30℃以上)で処理する場合は成分F+Eを後から
配合する場合に限られる。Fのみを後で配合する場合、
静置条件を30℃以上にすると重合開始剤が徐々に分解
し、系全体の粘度上昇を引き起こす。50℃以上で静置
した場合、成分Eの有無にかかわらず粘度上昇を引き起
こし、0℃以下で静置した場合、静置後の吸湿が接着力
を低下させる要因となる。
前述の重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤、溶剤等の添加
剤を用いることができる。
一粘稠溶液とした後に25℃恒温器中にて一週間静置す
る。得られた溶液(ワニスという)25重量部に対し
て、銀粉(デグサ社製、SF−65)65重量部及び銀
粉((株)徳力化学研究所・製、TCGー1)10重量部
を混合し、再度3本ロールにて分散混練する。続いて真
空下脱泡処理をして銀ペーストを得た。
度計を用いて調製直後及び1週間経過後(25℃下)に
測定、2.5rpmでの値から粘度上昇率を算出した。
その結果、粘度上昇率は約9%に留まり、冷凍保存しな
くても長期保存可能であることが明らかになった。更に
42アロイ製フレームに得られた銀ペーストを塗布後6
mm角のチップをマウントし、オーブン中(150℃1
5分)又は熱盤上(175℃60秒)にて硬化させた。
接着強度は常温(25℃)及び熱時(250℃)にて自
動せん断強度測定装置を用いて測定した。その結果、ワ
イヤーボンディング温度(約250℃)においても十分
な接着強度が得られることが確認され、超音波探傷機を
用いてもチップの剥離は全く観測されなかった(表1に
示す)。
m×15mmのチップをマウント後硬化し、250℃に
てワイヤーボンディングを行いチップの剥離の有無を観
察した。
厚み200μmの銅フレームに6mm×15mm×0.
3mmのシリコンチップをペーストを用いて175℃6
0秒でペースト厚が20μmになるように接着し、接触
式表面粗さ計を用いて長手方向のチップの変位を測定し
その高低差により反り値を測定した。
20(住友ベークライト(株)・製)の封止材料を用い、
下記の条件で成形したパッケージを85℃、相対湿度8
5%、168時間吸水処理した後、IRリフロー(24
0℃、10秒)にかけ、断面観察により内部クラックの
数を測定し耐半田クラック性の指標とした。
を○、使用不可能なものを×として評価した。
2と同一の方法にて銀ペーストを得、その特性を評価し
た。結果は表1及び表2に示してあるとおりである。
ルパーオキシネオデカネート(急速加熱試験における分
解温度:65℃) 重合開始剤2:日本油脂(株)・製、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネート(急速加熱試験におけ
る分解温度:108℃) 重合開始剤3:和光純薬工業(株)・製、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル重合開始剤4:日本油脂(株)・
製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサネート(急速加熱試験における分解温
度:81℃) 成分C:一般式(3)においてa=1,b=1,c=2 成分D:脂環式エポキシ基含有アルコキシシラン(信越
化学工業(株)・製、KBM−303) カップリング剤1:エポキシ基含有アルコキシシラン
(信越化学工業(株)・製、KBM−403E) カップリング剤2:メタクリル基含有アルコキシシラン
(信越化学工業(株)・製、KBM−503) 銀粉1:デグサ社製、SF−65(平均粒径11μm)
他に、従来の課題であった保存性及び接着性を併せ持っ
た工業的に有用な半導体接着用ペーストが製造可能とな
った。
Claims (8)
- 【請求項1】 (A)ヒドロキシアルキルアクリル
酸、ポリアルキレングリコール及びジイソシアネートを
反応させて得られるウレタンジアクリレート、(B)一
般式(1a)で示されるモノアクリレート又は一般式
(1b)で示されるモノメタクリレート、(C)一般式
(2)で示されるリン酸基含有アクリレート又は一般式
(3)で示されるリン酸基含有メタクリレート、(D)
脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラン、(E)重
合開始剤、及び(F)銀粉を必須成分とするダイアタッ
チペーストにおいて、成分A〜成分Eを配合後、0℃〜
50℃で1時間〜30日間静置した後に成分Fを添加す
ることを特徴とするダイアタッチペーストの製造方法。 【化1】 (式中、R1:脂環族基、及び/又は芳香族基を含み、炭
素数10以上の置換基) 【化2】 (式(2)中、a:0又は1、b:1又は2、c:1又は2、b+c=
3) 【化3】 (式(3)中、a:0又は1、b:1又は2、c:1又は2、b+c=
3) - 【請求項2】 (A)ヒドロキシアルキルアクリル酸、
ポリアルキレングリコール及びジイソシアネートを反応
させて得られるウレタンジアクリレート、(B)一般式
(1a)で示されるモノアクリレート又は一般式(1
b)で示されるモノメタクリレート、(C)一般式
(2)で示されるリン酸基含有アクリレート又は一般式
(3)で示されるリン酸基含有メタクリレート、(D)
脂環式エポキシ基を有するアルコキシシラン、(E)重
合開始剤、及び(F)銀粉を必須成分ととするダイアタ
ッチペーストにおいて、成分A〜成分Dを配合後、0℃
〜50℃で1時間〜30日間静置した後に成分E及び成
分Fを添加することを特徴とするダイアタッチペースト
の製造方法。 - 【請求項3】 成分Aと成分Bの比が、重量比で80/
20〜20/80である請求項1又は2記載のダイアタ
ッチペーストの製造方法。 - 【請求項4】 成分Eが、急速加熱試験における分解温
度が40℃〜140℃である有機過酸化物、及び/又は
アゾ化合物である請求項1、2又は3記載のダイアタッ
チペーストの製造方法。 - 【請求項5】 成分Eの添加量が、成分A+成分B総重
量に対して0.1重量%〜5重量%である請求項1、
2、3又は4記載のダイアタッチペーストの製造方法。 - 【請求項6】 成分Fの平均粒径が0.5〜15μmで
ある請求項1〜5のいずれか1項に記載のダイアタッチ
ペーストの製造方法。 - 【請求項7】 成分Fの添加量が成分A〜成分F総重量
の60重量%〜85重量%である請求項1〜6のいずれ
か1項に記載のダイアタッチペーストの製造方法。 - 【請求項8】 成分C+成分D総重量が、成分A+成分
B総重量に対して、0.1〜5重量%である請求項1〜
7のいずれか1項に記載のダイアタッチペーストの製造
方法。
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