JP3312765B2 - バンパ構造 - Google Patents

バンパ構造

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JP3312765B2 JP07131893A JP7131893A JP3312765B2 JP 3312765 B2 JP3312765 B2 JP 3312765B2 JP 07131893 A JP07131893 A JP 07131893A JP 7131893 A JP7131893 A JP 7131893A JP 3312765 B2 JP3312765 B2 JP 3312765B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステーを介して車体に
固定される固定式のバンパ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の固定式のバンパ構造は、一般的
に鋼板や樹脂製の断面コ字状のバンパ本体を、ステーを
介して車体フレームや車体の他の強度部材に取り付けた
構造である。固定式のバンパ構造には、例えば実開昭63
-93254号公報に記載されているようなバンパ本体とバッ
クアープビームとを組み合わせたものと、バンパ本体を
単独で用いたものとがある。
【0003】バンパの主たる目的は、軽衝突時における
車体や車両の機能部分の保護にある。上述のバンパ本体
を単独で用いるタイプ(以下、「単独タイプ」というこ
とがある。)のバンパ構造は、基本的には軽衝突時の衝
突荷重をバンパがステーを介して車体フレーム等の強度
部材に伝達することにより、車体等の損傷を防止するも
のであるため、このよう機能を果たせるようにバンパ
自体には所定以上の剛性が要求される。バンパ自体の剛
性を高めるために、例えばバンパ本体の内側に水平リブ
や垂直リブなどを設けたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記単独タ
イプのバンパ構造において、意匠上の観点などからバン
パ本体の上端部がステー間において車体の下端部に連結
されることがある。この場合、バンパ自体の剛性が高い
ため軽衝突時の衝突荷重がバンパを介して車体のバンパ
本体との連結部分に入力され車体がこの連結部分におい
てへこみ等の損傷を受けるおそれがある。このような事
態は軽衝突時の衝突荷重がバンパのステー間に位置する
部分に集中的に加わったときに発生しやすくなる。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、バンパ本体のステー間に位置する部分の上端部が
車体の下部に連結される単独タイプのバンパ構造におい
て、バンパ自体に求められる所期の剛性は確保しつつ、
軽衝突時の衝突荷重によってステー間における車体のバ
ンパとの連結部分が損傷することを防止できるようにす
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明では、上記したようなバンパ構造を以下のように
構成した。
【0007】すなわち、本発明によるバンパ構造は、
体側に開口する断面コ字状のバンパ本体が、その車幅方
向両側にそれぞれ配設されたステーと、該バンパ本体の
開口側上端部の前記ステー間に位置する部分に設けられ
前記車体の下部に連結されるフランジ状の連結部とでの
み車体に固定されるバンパ構造であって、前記バンパ本
にはその内部を仕切るように車幅方向に延びる水平リ
ブが設けられるとともに、前記ステー間に位置する部分
の開口側には、前記連結部、該バンパ本体の下 端部及び
前記水平リブの車体側端部を縦に連結する複数の繋部が
設けられ、繋部の連結部近傍には、ステー間のバンパ
本体に軽衝突による所定の衝突荷重が入力した際に破断
する低強度部が形成されていることを特徴とする。
【0008】上記「低強度部」とは、繋部の他の部分と
比較して強度が低部分をいう。
【0009】
【作用および発明の効果】上記構成により本発明による
バンパ構造では、軽衝突時にバンパのステー間に位置す
る部分に衝突荷重が加わると、繋部の低強度部が破断す
ることにより衝突エネルギをするので、バンパ本体
の上端部と連結された車体のステー間に位置する部分が
衝突荷重によって変形等の損傷を受けることを防止でき
る。
【0010】このような繋部の低強度部の破断による衝
突エネルギの吸をスムーズに行えるようにするため、
低強度部の破断を阻止するような補強部材、例えば垂直
リブなどは、(例えば繋部の低強度部近くに配置される
垂直リブの一部を取り除くようにするなど)この低強度
部の機能を十分配慮して設けることが望ましい。そのよ
うな配慮をした場合においても、バンパ本体の開口側上
端部と下端部とを連結する繋部を設けたことにより、こ
の繋部を設けた部分においてバンパ本体は繋部とともに
閉断面を構成することになるので、バンパ自体の所期の
剛性を確保することは可能である。
【0011】上述のように本発明によるバンパ構造によ
れば、バンパ自体の所期の剛性は確保しつつ、軽衝突時
の衝突荷重によってステー間における車体のバンパとの
連結部分が損傷することを防止することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明によるバン
パ構造の実施例を説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例によるバンパ構造
の全体構成を示す斜視図である。図示した本実施例のバ
ンパ10は車体20の後部に2個のステー30を介して固定さ
れる樹脂製のリヤバンパである。
【0014】このバンパ10の構成を図2に示す。図2に
示すようにバンパ10は、上記車体側に開口する断面コ字
状のバンパ本体11と、このバンパ本体11の内部を車幅方
向(図面左右方向)に水平に延設された水平リブ12(こ
の実施例では3個ある。)とを備えてなる。バンパ本体
11の開口側上端部には車幅方向に延びるフランジ13が形
成されており、このフランジ13には所定間隔をおいて複
数個のボルト挿通孔14が穿設されている。上記フランジ
13は、連結部を構成するものであり、図1に示すように
バンパ10が車体20に固定される際に車体20の下部にボル
ト・ナット15(ナットは図示略)によって連結される。
【0015】再び図2においてバンパ本体11の開口側端
部には、バンパ本体11の開口側上端部と下端部とを縦に
連結する繋部16が設けられている。この実施例では繋部
16は、バンパ本体11の車幅方向に所定間隔をおいて複数
個設けられ、またバンパ本体11の開口側上端部と下端部
とを連結するとともに各水平リブ12の車体側端部同士も
連結するようにバンパ本体11および水平リブ12と一体成
形されている。この繋部16にはステー39の取付部分に設
けられたもの(図2中の右側の2つ)と、2つのステー
30のそれぞれの取付部分の間に設けられたもの(図2中
の左側の2つ)とがあり、2つのステー30のそれぞれの
取付部分の間に設けられた繋部16の上部には他の部分よ
りも薄肉に形成された低強度部17が設けられている。な
お、ステー30の取付部分に設けられた繋部16にはステー
30の取付用のボルト挿通孔18が穿設されている。
【0016】バンパ10のステー30取付部分の断面構成を
図3および図4に示す。図3はバンパ10のステー30取付
部分における縦断面図(図1におけるIII-III線断面図
に相当)、および図4は図3におけるIV-IV線断面図で
ある。
【0017】図3に示すように車体20の後部は、フロア
パネル21とリヤエンドパネル22とリヤフレーム23とを備
えてなる。リヤエンドパネル22は車幅方向(紙面と垂直
な方向)に延びる部材で、フロアパネル21とともに閉断
面を構成するようにフロアパネル21の後端部下面に取り
付けられている。リヤフレーム23は車体前後方向に延び
る部材で、フロアパネル21とともに閉断面を構成するよ
うにフロアパネル21の下面に取り付けられている。
【0018】ステー30はリヤエンドパネル22およびリヤ
フレーム23の下面に取り付けられており、バンパ10はス
テー30の後端部に形成されたフランジ31にボルト・ナッ
ト32によって取り付けられている(図4も参照)。
【0019】なお、バンパ10にはバンパ本体11の内部を
鉛直に延びる垂直リブ19が繋部16および水平リブ12と一
体に形成されている。この実施例では垂直リブ19は図3
に示すように、3個の水平リブ12によって4つに分割さ
れたバンパ本体10内部の空間のうち下の3つの空間部に
設けられていて、一番上の空間部には設けられていない
(図3中一点鎖線による斜線を付けた部分が垂直リブ1
9)。また、垂直リブ19の後端部19aは、樹脂成形時にバ
ンパ本体11の表面にひけが生じないようにバンパ本体11
とは離れて形成されている。
【0020】バンパ10の、2つのステー30間に位置する
部分の断面構成を図5および図6に示す。図5はバンパ
10の、2つのステー30間に位置する部分における縦断面
図(図1におけるX-X線断面図に相当)および図6は図
5におけるIX-IX線断面図である。
【0021】図5に示すようにバンパ10の、2つのステ
ー30間に位置する部分は、バンパ本体11の開口側上端部
に形成されたフランジ13がボルト15によってリヤエンド
パネル13の下部に締結されることによって、車体20に連
結されている。バンパ10のこの部分は、前述したステー
取付部分と比較して、繋部16の上部に他の部分よりも薄
肉に形成された低強度部17が設けられている点が異な
り、他の構成は基本的に同じである。
【0022】次に、上述のように構成された本実施例に
よるバンパ構造の作用を図7に基づいて説明する。
【0023】図7に示すように車両の軽衝突(後突)時
に車両後部からバンパ10のステー30間に位置する部分に
衝突荷重Fが加わると、繋部16の上部に形成された低強
度部17が破断して、バンパ10は図示のように変形する。
この低強度部17の破断およびバンパ10の変形により衝突
エネルギが吸収されるため、リヤエンドパネル22のバン
パ本体10との連結部分が凹み変形等の損傷を受けること
が防止される。また、このような低強度部17の破断およ
びバンパ10の変形は、水平リブ12によって4つに区画さ
れたバンパ本体11内の空間部のうちの一番上の空間部内
には垂直リブ19が設けられていないことにより、スムー
ズにおこることになる。このように本実施例では、低強
度部17の破断の妨げとなるような垂直リブ19を、低強度
部17の近くから積極的に取り除いているが(通常このよ
うな垂直リブはバンパ10の剛性を高めるためバンパ本体
11の上下を連結するように設けられる)、繋部16を設け
たことにより(バンパ10は繋部16が設けられている部分
で閉断面構成するので)、バンパ10に求められる所期の
剛性を確保することが可能である。
【0024】以上、本発明によるバンパ構造の一実施例
を説明したが、本発明によるバンパ構造は、かかる実施
例の具体的態様に限定されるものではなく、種々の変更
を行うことができることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるバンパ構造の全体構成
を示す斜視図
【図2】図1に示すバンパの構成を示す斜視図
【図3】図1に示すバンパのステー取付部分における縦
断面図
【図4】図3におけるIV-IV線断面図
【図5】図1に示すバンパのステー間に位置する部分に
おける縦断面図
【図6】図5におけるX-X線断面図
【図7】衝突時のバンパ構造の作用を示す図
【符号の説明】
10 バンパ 11 バンパ本体 12 水平リブ 13 フランジ(連結部) 16 繋部 17 低強度部 19 垂直リブ 20 車体 22 リヤエンドパネル 23 リヤフレーム 30 ステー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−267046(JP,A) 実開 昭52−61038(JP,U) 実開 平4−52952(JP,U) 実開 平1−171760(JP,U) 実開 昭63−93254(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 19/18 B60R 19/24 B60R 19/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に開口する断面コ字状のバンパ本
    体が、その車幅方向両側にそれぞれ配設されたステー
    と、該バンパ本体の開口側上端部の前記ステー間に位置
    する部分に設けられ前記車体の下部に連結されるフラン
    ジ状の連結部とでのみ車体に固定されるバンパ構造であ
    って、 前記バンパ本体にはその内部を仕切るように車幅方向に
    延びる水平リブが設けられるとともに、前記ステー間に
    位置する部分の開口側には、前記連結部、該バンパ本体
    の下端部及び前記水平リブの車体側端部を縦に連結する
    複数の繋部が設けられ、 前記繋部の連結部近傍には、ステー間のバンパ本体に軽
    衝突による所定の衝突荷重が入力した際に破断する低強
    度部が形成されていることを特徴とするバンパ構造。
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