JP3312625B2 - 水洗便器と洗浄水給水装置 - Google Patents

水洗便器と洗浄水給水装置

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JP3312625B2
JP3312625B2 JP2001527049A JP2001527049A JP3312625B2 JP 3312625 B2 JP3312625 B2 JP 3312625B2 JP 2001527049 A JP2001527049 A JP 2001527049A JP 2001527049 A JP2001527049 A JP 2001527049A JP 3312625 B2 JP3312625 B2 JP 3312625B2
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flush
toilet
tank
cleaning
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JP2001527049A
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邦彦 手島
建博 小杉
泰司 杉田
孝幸 大谷
賢一 長門
淳孝 末廣
Original Assignee
東陶機器株式会社
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D5/00Special constructions of flushing devices, e.g. closed flushing system
    • E03D5/01Special constructions of flushing devices, e.g. closed flushing system using flushing pumps
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E03WATER SUPPLY; SEWERAGE
    • E03DWATER-CLOSETS OR URINALS WITH FLUSHING DEVICES; FLUSHING VALVES THEREFOR
    • E03D1/00Water flushing devices with cisterns ; Setting up a range of flushing devices or water-closets; Combinations of several flushing devices
    • E03D1/30Valves for high or low level cisterns; Their arrangement ; Flushing mechanisms in the cistern, optionally with provisions for a pre-or a post- flushing and for cutting off the flushing mechanism in case of leakage
    • E03D1/36Associated working of inlet and outlet valves

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は水洗便器と、この水洗便器を始めとする種々
の給水先に洗浄水を給水する給水装置に関するものであ
る。
背景技術 一般的な水洗便器では、便器の上方位置に配設した洗
浄水タンクに洗浄水を貯留し、便器への洗浄水吐出には
落差を利用する手法が採られていた。ところが、近年で
は、このように洗浄水落差を単純に利用するだけでな
く、種々の洗浄手法が提案されている。
例えば、特公平6−99952号公報は、洗浄水タン
クから加圧洗浄水を便器へ吐出させ、便器から汚物を排
出する洗浄手法の水洗便器を提案している。こうした加
圧方式を採る洗浄手法では、落差を利用せずに大流量の
洗浄水を便器へ吐出させるので、洗浄水タンクやこれに
付随する機器を便器内部に配設することができる。この
結果、トイレ空間が広がり、トイレ空間の快適性が向上
するといった利点があった。
この他、特開平10−102568号では、上記のよ
うに洗浄水落差を利用して洗浄水吐出を行う際に、その
流量増大を図る洗浄方式を提案している。この洗浄方式
では、洗浄水タンク内に、排水弁座の開口へ差し向けた
噴射ノズルを配設し、便器洗浄時には、排水弁開弁と噴
射ノズルからの洗浄水噴出を行い、排水弁開口に向けた
洗浄水噴流を起こす。この洗浄水噴流は、排水弁座の開
口へ流入する際にジェットポンプに類似したエジェクタ
作用を誘起する。これにより、便器洗浄タンク装置内の
洗浄水を排水弁座の開口へ強制的に吸引できるようにな
り、単に落差を利用しただけの洗浄手法に比べて、洗浄
水の吐出流量を増大させる。従って、この洗浄水噴出方
式を採る洗浄手法では、洗浄水落差を小さくしても、大
流量の洗浄水を便器へ吐出させることができる。洗浄水
落差の狭小化は洗浄水タンクの配設高さの低減、延いて
はタンク全般の小型化を可能とするので、トイレ空間が
広がり、トイレ空間の快適性が向上する。
上記した加圧方式或いは洗浄水噴出方式を採る洗浄手
法では、いずれもトイレ空間の広がりと快適性をもたら
すものの、それぞれ、次のような問題があった。
加圧方式を採る洗浄手法では、便器洗浄タンク装置に
洗浄水加圧のための圧力容器が不可欠である。よって、
シール性確保のための組み付け工数増加やコスト増加が
避けられず、便器洗浄タンク装置、延いては水洗便器の
コスト高を来していた。また、圧力容器である都合上、
その取り扱いや保守作業にも、シール性損傷防止のため
の慎重さが必要となり、煩雑であった。
また、特開平10−102568号で示された洗浄水
噴出方式の洗浄手法では、鎖により開閉される排水弁に
干渉しないように噴射ノズルを設置し、この噴射ノズル
を排水弁座の開口へ差し向ける必要がある。このような
機器配置の都合上、排水弁を引き上げる鎖が邪魔になっ
て噴射ノズルの吐出口を排水弁座の開口に正対させるこ
とができず、噴射ノズルの吐出口を排水弁座の開口に斜
めに対峙させていた。この結果、噴射ノズルから吐出し
た噴流が排水弁座の開口囲壁や開口周辺部に衝突して減
速したり、噴出洗浄水が弁開口からそれて流れることが
あった。このため、エジェクタ作用の誘起が十分とはな
らず、洗浄水吐出流量の大幅な増加は実現できなかっ
た。従って、タンク装置内の洗浄水を便器に対してある
程度の落差を持って貯留せざるを得ないので、洗浄水タ
ンク位置が高くなり、便器上方のトイレ空間がやはり狭
くなったりする。これらのことから、便器上方のトイレ
空間の拡張やトイレ空間の快適性確保といったトイレ環
境改善の余地が残されていた。
なお、洗浄水給水に伴う上記不具合を水洗便器を例に
採り説明した。しかし、これらの不具合、具体的には、
圧力容器採用に伴う不具合や洗浄水噴流による流量増大
不足・洗浄水落差確保等については、水洗便器以外の給
水先に洗浄水を給水する装置にあっても生じるものであ
り、洗浄水給装置に共通のものであった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、洗浄
水貯留状況の自由度を高めたり、洗浄水給水先への洗浄
水吐出流量の確実な増大をもたらすことをその目的とす
る。また、給水先が便器である水洗便器にあっては、ト
イレ環境の改善を図ることをその目的とする。もしく
は、洗浄水貯留状況の自由度を高めることにより洗浄水
貯留の形態に制約されないデザイン性の高い水洗便器を
提供することをその目的とする。
発明の開示 かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明
の水洗便器は、 洗浄水にて便器を洗浄する水洗便器であって、 洗浄水を貯留する洗浄水タンクを有する便器洗浄タン
ク装置と、 該便器洗浄タンク装置から前記便器に洗浄水を導くよ
う配設され、流路の両端にのみ開口を有する供給路とを
備え、 前記便器洗浄タンク装置は、 噴射ノズルと当該ノズルに対向配置するスロートとを
有するジェットポンプと、 前記噴射ノズルに作動用水を供給し、前記噴射ノズル
から作動用水を噴出させる噴射ノズル用給水ユニットと
を備え、 前記スロートの噴出洗浄水が前記供給路に流入するよ
う、前記スロートを前記供給路の流路一端側に連結接続
し、 前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄
水噴出に伴って前記スロートに流入するよう、前記ジェ
ットポンプを前記洗浄水タンク内に水没設置した ことを特徴とする。
また、上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発
明の洗浄水給水装置は、 洗浄水を給水する給水装置であって、 洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、 該洗浄水タンク内の洗浄水を給水先に導くよう配設さ
れ、流路の両端にのみ開口を有する供給路とを備え、 噴射ノズルと当該ノズルに対向配置するスロートとを
有するジェットポンプと、 前記噴射ノズルに作動用水を供給し、前記噴射ノズル
から作動用水を噴出させる噴射ノズル用給水ユニットと
を備え、 前記スロートの噴出洗浄水が前記供給路に流入するよ
う、前記スロートを前記供給路の流路一端側に連結接続
し、 前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄
水噴出に伴って前記スロートに流入するよう、前記ジェ
ットポンプを前記洗浄水タンク内に水没設置した ことを特徴とする。
上記構成を有する本発明の水洗便器と洗浄水給水装置
では、洗浄水給水先が便器として特定されている点で構
成が異なるに過ぎず、洗浄水の給水機能としては変わる
ことがない。よって、以下の説明に際しては、給水先が
特定された水洗便器でもって、給水の様子等について説
明することとする。
本発明の水洗便器では、上記構成を有することから、
噴射ノズル用給水ユニットの供給した作動用水を噴射ノ
ズルから噴出させる。この噴出洗浄水(作動用水)は、ジ
ェットポンプにおいて噴射ノズルとスロートとが対向配
置していることから、減速することなくスロートに流入
する。しかも、噴出洗浄水がスロートからそれて流れる
ような事態を起こさない。これにより、エジェクタ作用
が高い効率で誘起され、洗浄水タンク内に水没設置され
たジェットポンプ周辺のタンク洗浄水は、噴射ノズルの
洗浄水噴出に伴って吸引されてスロートに流入する。そ
して、このスロート以降では、噴出洗浄水とスロート流
入のタンク洗浄水とが、供給路に流れ込み便器に導かれ
る。このスロートは、流路両端のみ開口した供給路の流
路一端側に直接接続されていることから、スロートから
供給路への上記両洗浄水の流入の際にあっても、洗浄水
を総て供給路に流し込むことができる。これらの結果、
洗浄水給水先としての便器への洗浄水吐出流量を確実に
増大させることができる。
上記した本発明の水洗便器と洗浄水給水装置は、以下
の態様を採ることもできる。即ち、前記噴射ノズル用給
水ユニットを、前記スロートからの洗浄水を前記洗浄水
タンクの満水水位を越える位置に、水洗便器にあっては
便器洗浄期間に亘って継続噴出するよう、前記作動用水
を供給する。こうすれば、便器を流量増大状態の洗浄水
で継続洗浄できる。なお、洗浄水給水装置にあって、給
水に要する期間だけ継続すればよい。
そして、この流量増大状態での洗浄水による継続洗浄
に伴い次の利点がある。上記した流量増大は、洗浄水タ
ンク内の洗浄水と便器との落差によらないで起きる。よ
って、便器に対するタンク洗浄水の落差ゼロを実現でき
るので、洗浄水貯留状況の自由度を高めることができ
る。しかも、水洗便器にあっては、上記の落差ゼロによ
り、洗浄水タンク位置を便器上面より低い位置とするこ
ともでき、洗浄水タンク並びにこれを有するタンク装置
を便器上面から大きくでないようにできる。このため、
便器上方のトイレ空間を拡張してトイレ空間の快適性を
確保できることになり、トイレ環境を改善できる。ま
た、洗浄水貯留の形態に制約されないデザイン性の高い
水洗便器を提供することも可能となる。
加えて、本発明の水洗便器並びに洗浄水給水装置で
は、上記した流量増大を図るに際し、圧力容器を必要と
しない。このため、構成を簡略化でき、組み付け工数並
びにコストの低減を通した給水装置並びに水洗便器の低
コスト化を図ることもできる。しかも、高コストの圧力
容器を要しないので、安価にトイレ環境を改善できる。
上記した本発明の水洗便器と洗浄水給水装置は、以下
のようなまた別の態様を採ることもできる。即ち、 前記供給路を、前記洗浄水タンクの満水水位より高い
位置を通る管路経路を有すると共に、管路末端を前記満
水水位より高い位置に有するものとできる。
こうすれば、給水終了に伴い供給路から便器等の給水
先への洗浄水供給が絶たれてタンク満水となった状況、
具体的には便器洗浄が終了し次回の洗浄に備えた状況に
あっては、満水水位より高い位置の管路経路に管路末端
からエアを導いて、このエアを上記管路経路に残存させ
ることができる。よって、供給路はサイホン作用を起こ
さないので、このような状況において不用意に洗浄水を
タンク側から供給路に流さないようにできる。しかも、
経路残存エアにより洗浄水供給が絶たれているので、ジ
ェットポンプからの洗浄水噴出に当たり、供給路の開閉
を行う弁機構を必要としない。このため、従来技術で述
べたように、弁開閉用の鎖等との衝突による噴出洗浄水
の流れの減速を招くことがない。
また、噴射ノズル用給水ユニットにあっては、噴射ノ
ズルの側からの洗浄水逆流を防止する逆流回避弁を有す
るものとしたり、供給路を、便器の側からの洗浄水逆流
を防止する逆流回避弁を有するものとすることができ
る。こうすれば、次の利点がある。
本発明における水洗便器では、便器の洗浄水が供給路
を経て洗浄水タンク側に逆流する場合と、洗浄水タンク
の洗浄水がジェットポンプを経て噴射ノズル用給水ユニ
ット並びにその上流の一次側給水管の側に逆流する場合
とが想定される。前者の逆流は、供給路に設けた逆流回
避弁で回避でき、後者の逆流は、噴射ノズル用給水ユニ
ットに設けた逆流回避弁により回避できる。
この場合、逆流回避弁としては、弁内部を大気解放す
るいわゆるバキュームブレーカとすることが簡便であ
る。なお、供給路にこのバキュームブレーカを設ける場
合は、上記した満水水位より高い位置の管路経路に設置
することが、確実な大気解放を図る上で好ましい。
また、供給路を経て便器に導かれる洗浄水水量を、複
数用意された設定洗浄水水量のうちの一に確定するよう
にもできる。こうすれば、水洗便器の設置地域の法規制
や水道事情等にに合わせた水量で便器洗浄を行うことが
できる。
また、本発明の水洗便器にあっては、 便器洗浄の開始を噴射ノズル用給水ユニットに指示す
るために操作される操作部と、 前記供給路を経て前記便器に導かれる洗浄水水量を、
前記操作部の操作状況に応じて設定する水量設定部とを
備え、 前記水量設定部は、 前記操作部が第1のパターンでの洗浄開始指示のため
に操作された第1洗浄時には前記洗浄水水量を第1水量
とし、前記操作部が第2のパターンでの洗浄開始指示の
ために操作された第2洗浄時には前記洗浄水水量を前記
第1水量より多い第2水量とするものとできる。
こうすれば、操作部の操作状況に応じて、第1洗浄
時、例えば小用後の洗浄時では少量の第1水量の洗浄水
で便器洗浄を行い、第2洗浄時、例えば大便後の洗浄時
ではこれより多めの水量の第2水量の洗浄水で便器洗浄
を行うことができる。つまり、用便種類に応じた水量で
便器洗浄を実行できる。
このように水量設定を行うに当たり、前記洗浄水タン
ク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄水噴出に伴って前
記スロートに流入する流入量を制限するようにしたり、
この流入量を前記第1洗浄時に制限するようにすること
ができる。
こうすれば、スロートへの流入量制限を通して、水量
設定を行うことができる。
このようにスロートへの流入量を制限する手法として
は、噴射ノズルの噴出口とスロートの流入口との間の間
隙を広狭調整する手法や、洗浄水がスロートを通過する
際の有効通路面積を広狭調整する手法等を採ることがで
きる。
こうした制限を行う制限部は、 前記洗浄水タンク内に水没設置された前記ジェットポ
ンプを取り囲むタンク内区画体と、 該タンク内区画体の内外をタンク内洗浄水が通水可能
とする通水部と、 前記第1洗浄時に、前記通水部を洗浄水通水不可と
し、前記第2洗浄時に、前記通水部を洗浄水通水可とす
る通水切換部とを有するものとできる。
こうすれば、第1洗浄時(例えば、小用後)の洗浄水を
タンク区画体内の洗浄水としてその流量を少量の第1水
量とし、第2洗浄時(例えば、大便後)にあっては、その
際の洗浄水をタンク区画体内外の洗浄水としてその流量
を第1水量より多めの第2水量とすることができる。そ
して、こうした流量制限を通水切換部により容易に実行
できる。
また、水量設定を行うに当たり、前記噴射ノズル用給
水ユニットから前記噴射ノズルに供給する作動用水水量
を、前記第1洗浄時には前記第1水量に対応した第1供
給量とし、前記第2洗浄時には前記第2水量に対応した
第2供給量に変更するようにすることができる。
こうすれば、噴射ノズルからの噴出洗浄水水量自体を
水量少の第1供給量と水量大の第2供給量とし、これら
大小の供給量の洗浄水噴出により、この洗浄水噴出に伴
うスロートへの吸引洗浄水を大小変更でき、結果的に、
便器への洗浄水量を大小変更できる。
また、スロートを、管路径が狭小とされた絞り部を有
するベンチュリ管とすることもでき、こうすれば、スロ
ート内部においても絞り部で負圧を発生させ、これによ
りエジェクタ作用を起こすことができる。よって、タン
ク洗浄水の吸引効率の向上を通して、ジェットポンプと
しての流量増大効率をより高めることができる。
また、ジェットポンプを、噴射ノズル噴出口とスロー
ト流入口との間に間隙が形成され、該間隙が前記洗浄水
タンクの内部空間に開放されるように構成するものとで
きる。
こうすれば、スロート流入口へは、噴射ノズル噴出口
とスロート流入口との間の間隙の全方位から、洗浄水を
自由に流入させることができる。このため、噴射ノズル
から洗浄水を噴出することで、スロート流入口へはジェ
ットポンプ周囲の洗浄水を間隙全方位から効率よく流入
させることができ、洗浄水の流量増大効率を高めること
ができる。この結果、供給管を経て便器に導かれる洗浄
水流量が増し、より効果的に便器洗浄を行うことができ
る。
この場合、洗浄水タンクをその底部に凹所を有するも
のとし、当該凹所にジェットポンプを配設することもで
きる。こうすれば、凹所以外のタンク内洗浄水を流出で
きるので、ジェットポンプにより吸引されずにタンク内
に残ってしまう洗浄水量を低減できる。なお、タンク底
面を上記の凹所に向けて傾斜したものとすれば、タンク
内洗浄水を容易に凹所に集めることができ、上記のタン
ク内残存水の低減に有益である。
また、噴射ノズルを、その噴出口が上方へ、より好ま
しくは斜め上方へ差し向けられるよう指向して配設され
ているものとできる。
こうすれば、噴射ノズルより下流のスロートもこのよ
うな指向を持つようにできるので、貯留洗浄水水面より
上方の位置や水面と略同一高さ位置に、スロート、供給
路を経て洗浄水を給水できる。よって、洗浄水タンクを
便器の側方位置(具体的には後部側方位置)或いは便器に
対して下方の位置に位置するよう配置することができ、
洗浄水タンクによる洗浄水貯留状況の自由度を高めるこ
とができる。このため、上記位置を採る洗浄水タンクを
含んだタンク装置全体を便器上面からあまり突出しない
ようにでき、タンク装置高さを抑制できる。これによ
り、便器上方のトイレ空間の拡張やトイレ空間の快適性
確保を図ることができ、トイレ環境を改善できる。ま
た、洗浄水貯留の形態に制約されないデザイン性の高い
水洗便器を提供することも可能となる。
このようなノズル指向を採った場合、次のように構成
することもできる。即ち、 水洗便器を、便器のボール部を上縁で取り囲むよう形
成されたリムを備え、該リムから、前記ボール部表面に
沿って洗浄水を吐出可能とされたリム吐水機構を有する
ものとし、 前記噴射ノズルに対向配置する前記スロートを、前記
供給路を介して前記リム吐水機構と連結させることもで
きる。
こうすれば、便器の後部側方位置や便器に対して下方
の位置の洗浄水タンクからリム吐水機構に支障なくタン
ク洗浄水を通水して、リム吐水により便器洗浄を図るこ
とができる。また、リム吐水機構と洗浄水タンク並びに
その装置とを近接配置できるので、供給路を短くでき、
その分管路内壁との摩擦を低減して圧力損失を抑制でき
る。よって、洗浄水のエネルギ損失が低減し、洗浄水に
よる便器洗浄能力が高まる。
この他、ジェットポンプを、前記洗浄水タンク内で高
さ位置が調節可能に配設することもできる。
こうすれば、次の利点がある。
洗浄水タンク内の洗浄水の水位がスロート流入口のレ
ベルまで低下すると、スロートには空気が吸込されるの
で、ジェットポンプの流量増大作用は停止し、供給路以
降への洗浄水の大流量吐出は終了する。従って、洗浄水
タンク内でのジェットポンプの高さ位置を調節すること
で、スロート流入口高さも上下し、これにより、洗浄水
の大流量吐出の継続時間を調節することができる。そし
て、この継続時間調整で、洗浄水の吐出総流量を調整で
きる。このため、便器の種類(例えば、ボール部容積や
ボール内溜水量が相違する便器種類)、汚物の量等によ
って必要洗浄水総流量が異なっても、洗浄水タンク内で
のジェットポンプの高さ位置調節を通して、便器種類等
に応じて最適の総流量で洗浄水を便器に吐出できる。な
お、高さ位置調整は、ピストン等の適宜なアクチュエー
タにて実現できる。
この場合、大小用便に応じてジェットポンプ高さを調
整すれば、用便に応じた洗浄水量で便器洗浄を図ること
ができる。
また、洗浄水タンク内の洗浄水水量が給水要求量まで
低減すると、前記洗浄水水量がタンク満水水量となるま
で前記洗浄水タンクに洗浄水を給水するタンク給水ユニ
ットを有するものとすることができる。
こうすれば、ジェットポンプからの洗浄水噴出給水後
にタンクを満水として、次回以降の便器洗浄に備えるこ
とができる。
更に、次のようにすることもできる。即ち、便器洗浄
タンク装置を便器に内蔵としたり、洗浄水タンクと便器
を一体形成したりできる。加えて、便器洗浄タンク装置
を便器に直接載置することもできる。
こうすれば、便器上方のトイレ空間を拡張してトイレ
空間の快適性確保を図り、これを通してトイレ環境を改
善できる。しかも、便器との一体化を通して型成形でき
ることから、部品点数低減や、水洗便器製造時の部品管
理の簡略化を図ることができ、その製造コストを低減で
きる。更に、タンク装置を便器上部載置のものとして
も、上記した洗浄水の落差ゼロを通して、タンク装置の
偏平形成を可能とするので、従来の便器洗浄タンク装置
のようにこれを便器の上方に配する場合に比べて、トイ
レ空間が広がり、トイレ空間の快適性が向上する。
また、噴射ノズルを、前記作動用水の噴出口を環状に
形成して有するものとすることができる。
こうすれば、噴射ノズルからの噴出洗浄水の流れを、
環状噴出口の径に倣って大きな径の噴流とでき、この噴
流状態で噴出洗浄水をスロートに流入させることができ
る。よって、洗浄水噴出に伴いスロートに吸引されるタ
ンク洗浄水の吸引効率が高まって、スロートへ流入する
洗浄水の流量増大を図ることができる。このため、ジェ
ットポンプの洗浄水吐出流量を効率よく増大でき、この
洗浄水による便器洗浄能力を高めることができる。
この環状噴出口を環状の連続開口とすることもでき、
こうすれば、製造上の利点がある。つまり、単純な噴出
開口を有するノズルの当該開口内に、柱状の部材を組み
込むだけで、環状の連続開口の噴出口を有するノズルと
でき、簡便に噴射ノズル、延いてはジェットポンプを製
造できる。
また、環状噴出口とするに当たり、複数の作動用水噴
出部位を環状に配設して形成することもできる。つま
り、環状噴出口を分割形成することもできる。
環状に配設された複数の作動用水噴出部位から噴出さ
れた洗浄水は、噴出後に合体して、筒状の噴流を形成す
る。こうして噴流が筒状になると既述したように噴流外
径が拡大するので、洗浄水噴出に伴うスロートへのタン
ク洗浄水の吸引効率が高まる。このため、ジェットポン
プの洗浄水吐出流量の増大をもたらして、便器洗浄能力
を向上させることができる。
この場合、環状のノズル噴出口は種々の環状形状を採
り得るが、これを円環形状とすれば、円環という形状上
の特性により、その製造に旋盤、中ぐり盤等の汎用機を
使用でき、製造コストを低減できる。なお、噴出部位を
円環形状に配置するに際しても、等ピッチ配置を採れば
よく、容易である。こお噴出部位は単純な円形孔で良い
ことはもちろんである。
また、噴射ノズルを、これ貫通する貫通流路を前記環
状の噴出口で取り囲んで備え、前記貫通流路を前記スロ
ートへの洗浄水通水が可能な洗浄水通水路とするものと
することができる。
こうすれば、環状噴出口からの筒状の洗浄水噴流の外
側のタンク洗浄水をスロートに吸引するばかりでなく、
噴流内側の上記貫通流路を通してもスロートにタンク洗
浄水を吸引できる。よって、スロートへの流入洗浄水の
流量増大を来たし、ジェットポンプの洗浄水吐出流量の
増大、延いては洗浄能力の向上を図ることができる。
また、ジェットポンプを、複数の噴射ノズルと複数の
スロートとが一体に組み付けられたジェットポンプ集合
体として構成することもできる。
こうすれば、対となった噴射ノズルとスロートで起こ
す洗浄水噴出とそれに伴うタンク洗浄水吸引がそれぞれ
の対の噴射ノズル・スロートで起きて、その総和がジェ
ットポンプ集合体としての噴流の連行作用とエジェクタ
作用となる。このため、単一のジェットポンプに比べて
洗浄水吐出流量が増加する。しかも、複数の噴射ノズル
と複数のスロートとを一体に組み付けることにより、ジ
ェットポンプ集合体としての構造を堅牢とできる。
更に、次のように構成することもできる。即ち、 作動用水を供給する前記噴射ノズル用給水ユニット
は、 作動用水供給のための給水本管と、 該給水本管から分岐し、前記ジェットポンプ集合体の
前記各噴射ノズルにそれぞれ給水する複数の分岐給水管
とを有し、 前記複数のスロートは、それぞれが末端側で合流して
前記供給路に連結接続されているものとすることができ
る。
こうすれば、それぞれの噴射ノズルに個々の分岐給水
管から直接給水することで、給水を確実なものとすると
共に、それぞれのスロートからの洗浄水を合流させて供
給路に送り込むことができる。よって、洗浄水給水・吐
出の際の洗浄水の呈するエネルギ損失を抑制して、ジェ
ットポンプ集合体から洗浄水を供給路、延いては便器に
送ることができる。
そして、各分岐給水管に開閉弁等の流量調整機構を配
設すれば、各噴射ノズルからの洗浄水噴出の様子を変更
できる。よって、ジェとポンプ集合体としても洗浄水吐
出の様子、延いては洗浄パターンを種々制御できる。
上記のようにして各噴射ノズルに洗浄水を給水して各
ノズルから洗浄水を噴出するに当たり、複数の噴射ノズ
ルからの洗浄水の噴出状態を制御するようにすることも
できる。例えば、複数の噴射ノズルの洗浄水噴出圧を略
均一とすることが好ましい。このためには、複数の分岐
給水管を、洗浄水通水時の圧力損失が略同じとされたも
のとしたり、その管路長さが略同一とされたものとすれ
ばよい。或いは、複数の分岐給水管を、管路長さと管路
径との比の値が略同一とされたものとすればよい。
このようにすれば、噴射ノズルのそれぞれから噴出さ
れた洗浄水は、それぞれの洗浄水噴流に偏流を起こすこ
となく、該当のスロートへそれぞれ流入する。この結
果、総てのスロートにおいてほぼ均等にエジェクタ作用
を誘起して、各スロートでの洗浄水吸引に偏りを起こさ
ないようにできるので、ジェットポンプ集合体としての
洗浄水吐出流量の増大性能を高めることができる。
また、上記のようにして各噴射ノズルから噴出した洗
浄水をスロートを経て吐出するに当たり、複数のスロー
トの洗浄水吐出圧を略均一とすることが好ましい。この
ためには、複数のスロートを、洗浄水通水時の圧力損失
が略同じとされたものとしたり、その管路長さが略同一
とされたものとすればよい。或いは、複数のスロート
を、管路長さと管路径との比の値が略同一とされたもの
とすればよい。
このようにすれば、各スロート末端の合流箇所におい
て洗浄水流の乱れの発生が抑制される。よって、合流箇
所以降の管路の内壁からの洗浄水流の剥離が抑制される
ので、この剥離による圧力損失の発生を抑制でき、ジェ
ットポンプ集合体としての吐出性能を高めることができ
る。
上記のようなジェットポンプ集合体とするに当たっ
て、次のようにすることもできる。即ち、 前記ジェットポンプ集合体に作動用水を供給する前記
噴射ノズル用給水ユニットは、 作動用水供給のための給水本管と、 該給水本管と前記複数の噴射ノズルとを接続する給水
側マニホールドとを有し、 前記複数のスロートは、それぞれのスロートが接続さ
れる吐出側マニホールドを介して前記供給路に連結接続
されているものとすることができる。
こうすれば、ジェットポンプの上下流での洗浄水給水
・吐出をそれぞれの側のマニホールドを介して行うこと
ができる。このため、管路の取り回しやその取り扱いが
簡略化できると共に、ジェットポンプ集合体の構造の簡
略化を図ることができ、ジェットポンプ集合体の製造コ
ストを低減できる。
また、便器洗浄タンク装置を、前記ジェットポンプ或
いは前記ジェットポンプ集合体を複数有するものとし、
供給路を、これら複数のジェットポンプ或いはジェット
ポンプ集合体ごとに用意することができる。
このようにすれば、便器洗浄タンク装置からの洗浄水
の吐出パターンを種々に変えることが可能になり、水洗
便器の設計の自由度が高まる。
そして、各ジェットポンプ或いはジェットポンプ集合
体ごとに作動用水の供給を制御したり各供給路ごと洗浄
水の供給を制御するために、開閉弁や流調弁等の流量調
整機構を配設することもできる。こうすれば、各噴射ノ
ズルからの洗浄水噴出の様子を変更できる。
上記のように複数のジェットポンプ或いは集合体を配
設し、供給路を便器の異なる箇所、例えば、リム吐水機
構とボール部底部に洗浄水を吐出するボール部吐出機構
とに洗浄水を導くよう配設すれば、リム吐水とボール部
吐水を同時に実行でき、便器洗浄能力を高めることがで
きる。
そして、各ジェットポンプ或いはジェットポンプ集合
体ごとに作動用水の供給を制御したり各供給路ごと洗浄
水の供給を制御するために、開閉弁や流調弁等の流量調
整機構を配設することもできる。こうすれば、各噴射ノ
ズルからの洗浄水噴出の様子を変更できる。
以上は洗浄水給水先を便器とした場合の水洗便器につ
いてのものであるが、給水先が便器或いはそれ以外のも
のとされた洗浄水給水装置にあっても同様である。例え
ば、便器本体とは別に構成され便器とは別に取り扱われ
る便器洗浄タンク装置にあっても、洗浄水給水装置とし
て適用できる。こうすれば、この便器別体の便器洗浄タ
ンク装置の設置の自由度が高いことから、当該タンク装
置を便器後部側方等の低位置に配設でき、これにより、
便器上方のトイレ空間の拡張を通してトイレ空間の快適
性を確保でき、イレ環境の改善に寄与できる。また、別
体の便器への洗浄水供給に当たり、洗浄水吐出流量を確
実に増大させて、洗浄水を供給できる。
この他、上水道環境が未整備の山間部や島部、工事現
場等において、シャワーカランに洗浄水を給水する洗浄
水給水装置等にあっても、上記した種々の態様で適用で
きる。こうすれば、給水先への洗浄水供給を、洗浄水吐
出流量の確実な増大を図った上で実行できる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明の第1実施例に係る水洗便器の一部を
透視した斜視図である。
図2は、第1実施例の水洗便器をその一部を切り欠い
て示す上面図である。
図3は、第1実施例の水洗便器の概略側断面図であ
る。
図4は、第1実施例の水洗便器が備える便器洗浄タン
ク装置の上面を拡大して示す拡大上面図である。
図5は、第1実施例の水洗便器1が備えるジェットポ
ンプ13の外観を表す説明図である。
図6は、このジェットポンプ13の側断面図である。
図7は、ジェットポンプ13の変形例を説明するため
の説明図である。
図8は、この第2実施例に係る水洗便器が備えるジェ
ットポンプ集合体の側断面図である。
図9は、図8におけるa−a方向からの矢視図である。
図10は、図8におけるb−b方向からの矢視図であ
る。
図11は、図8におけるc−c方向からの矢視図であ
る。
図12は、図8におけるd−d方向からの矢視図であ
る。
図13は、第3実施例に係る水洗便器の一部を切り欠
いた上面図である。
図14は、第3実施例に係る水洗便器の概略側断面図
である。
図15は、この水洗便器が備える便器洗浄タンク装置
の上面図である。
図16は、変形例の便器洗浄タンク装置の概略構成を
表すブロック図である。
図17は、第1実施例のジェットポンプ13における
噴射ノズルの変形例を説明するための概略斜視図であ
る。
図18は、同じく第1実施例のジェットポンプ13へ
の給水装置の変形例の側断面図である。
図19は、第2実施例のジェットポンプ集合体の変形
例の部分側断面図である。
図20は、同じく第2実施例のジェットポンプ集合体
における噴射ノズル群の変形例の正面図である。
図21は、同じく第2実施例のジェットポンプ集合体
のまた別の変形例の側断面図である。
図22は、第1実施例のジェットポンプ13における
噴射ノズルのまた別の変形例を断面視して説明する説明
図である。
図23は、ジェットポンプ13の水没配置の変形例を
説明するための説明図である。
図24は、第4実施例の水洗便器1を縦断面視し洗浄
水貯留の様子やジェットポンプ13の配設の様子等を説
明するための説明図である。
図25は、便器要部を水平断面視しタンク装置の機器
配置を説明するための説明図である。
図26は、便器要部を縦断面視しタンク装置の機器配
置を説明するための説明図である。
図27は、第5実施例で用いるフラッシュバルブであ
って二次側への洗浄水通水量を大小変更可能なフラッシ
ュバルブ310の概略断面を表す説明図である。
図28は、その要部の開閉弁機構376を説明するた
めの周辺拡大断面図である。
図29は、図28に示す線分L−Lで開閉弁機構37
6を断面視して示す説明図である。
図30は、開閉弁機構376のディスク室370b内
を図29に示す線分S−Sで切断視して示す説明図であ
る。
図31は、図30に示す状態からハンドル333aが
回転操作されてディスク板377がニュートラルポジシ
ョンから回転されたときのコマパッキン378の先端部
378bの様子を示す説明図である。
図32は、ディスク板377とハンドル333aとの
位置関係を説明するための説明図である。
図33は、水室322から第二水路318bへの流出
期間と弁体320の開弁期間との関係を示すグラフであ
る 図34は、ジェットポンプ13の高さ位置(水没位置)
を調節する変形例を説明するためのブロック図である。
図35は、第4実施例の変形例を説明するため便器を
断面視した説明図である。
図36は、第6実施例で用いるフラッシュバルブであ
って二次側への洗浄水通水量を複数用意された設定洗浄
水水量(洗浄水総量)のうちの一の洗浄水水量に確定可能
なフラッシュバルブ410の概略断面を表す説明図であ
る。
図37は、フラッシュバルブ410が有する弁体42
0を説明するためその上面および底面を表す説明図であ
る。
図38は、弁体420に選択部材462を嵌め込んだ
ときの弁体420の底面の様子を説明する説明図であ
る。
図39は、各貫通孔420g2〜n2の入口部の内径D
2と便器洗浄に用いる洗浄水の総流量Qとの関係を示す
説明図である。
発明を実施するための最良の形態 次に、本発明の実施の形態を水洗便器の実施例に基づ
き説明する。図1は本発明の第1実施例に係る水洗便器
の一部を透視した斜視図、図2は第1実施例の水洗便器
をその一部を切り欠いて示す上面図、図3は第1実施例
の水洗便器の側断面図、図4は第1実施例の水洗便器が
備える便器洗浄タンク装置の上面を拡大して示す拡大上
面図である。
第1実施例の水洗便器1は、陶器製のサイホン式便器
であり、図1ないし図3に示すように、ボール部2と、
一端がボール部2の底部に連通するリバースタイプのサ
イホントラップ3とを有する。また、便器洗浄に際して
ボール部2に洗浄水を吐出するための構成として、ボー
ル部2の上端周縁を取り囲む内部に環状のリム通水路4
bを有するリム4と、ボール部2の後方に配設されたタ
ンク収納区画5と、タンク収納区画5の蓋6とを備えて
おり、このタンク収納区画5に後述の便器洗浄タンク装
置7を有する。リム通水路4bの底壁には、周方向に間
隔を隔てて、多数の吐水孔4aが形成されており、この
吐水孔4aからボール部壁面に洗浄水を吐水する。サイ
ホントラップ3は、その他端を図示しない排水管に接続
させており、トラップ内が満水状態となるとサイホン作
用を発揮して、ボール部2の排泄汚物をボール内の溜水
並びに供給洗浄水と共に排水管に排出する。なお、ボー
ル部2、サイホントラップ3、リム4並びにタンク収納
区画5は、便器製造時の型成形において左右の合わせ金
型と上下の金型により、一体に形成されて焼成・製造さ
れる。
便器洗浄タンク装置7は、図4に詳しく示すように、
洗浄水を貯留する洗浄水タンク8を有している。また、
この便器洗浄タンク装置7は、止水弁9を介して水道配
管と接続された配管10を備え、当該配管が二股状に分
岐した分岐管10a、10bをタンク側壁を貫通して洗浄
水タンク8内へ導き入れている。なお、洗浄水タンク8
は、その上端が開放されており、タンク内の後述のボー
ルタップ15やジェットポンプ13等の組み込み・保守
の簡便化をもたらしている。
分岐管10aは、タンク内管路にフラッシュバルブ1
1を備え、ジェットポンプ13、詳しくは後述の噴射ノ
ズル131への洗浄水(作動用水)通水管路とされてい
る。フラッシュバルブ11は、便器洗浄時に操作される
ハンドル11aを、蓋6を貫通して上方へ延出して備
え、当該ハンドルの操作により管路を開いて、洗浄水を
その下流に通水する。
フラッシュバルブ11の下流には、それ以降の洗浄水
管路として、配管12と配管14とがジェットポンプ1
3を挟んで配管されている。配管12は、洗浄水タンク
8の底部近傍まで下降し、下降端でタンク底部に沿って
側方に屈曲した経路を採って配管されており、経路末端
でジェットポンプ13と接続されている。ジェットポン
プ13より下流の配管14は、ジェットポンプ噴出洗浄
水をリム通水路4bまで導く。
この配管14は、図1に示すような経路を採って配管
されており、ジェットポンプ13からタンク上端近傍に
まで上方に延びた上昇管路部14aと、側方に屈曲して
タンク側壁から洗浄水タンク8外へ延びた水平管路部1
4bと、タンク外壁に沿って屈曲下降した下降管路部1
4cと、その下流端でリム通水路4bに連通する連通管路
部14dとを有する。この場合、水平管路部14bは、洗
浄水タンク8が便器洗浄前のために洗浄水W2で満水と
されている場合の満水水位WSより高い位置を採るよう
配管されており、管路途中にバキュームブレーカ14e
を有する。従って、何らかの原因で水洗便器1の側から
洗浄水が逆流しようとしても、バキュームブレーカ14
eによる管路の大気解放により、洗浄水タンク8への洗
浄水逆流を容易且つ確実に防止できる。また、配管14
の管路末端の連通管路部14dは、満水水位WSより高
い位置でリム通水路4bに接続されている。
分岐管10bは、タンク内においてボールタップ15
に接続されており、ボールタップ15の開閉に応じて洗
浄水タンク8に洗浄水を給水補給する。ボールタップ1
5は、浮玉支持棒16の一端と接続され、支持棒他端は
浮玉17に接続されている。浮玉17は、洗浄水タンク
8の上部に取り付けられた小タンク18内に配設されて
いる。小タンク18の上端は開放されている。小タンク
18の底壁に小径の貫通穴18aが形成されている。よ
って、小タンク18における洗浄水量(水位)により浮玉
17が上下し、浮玉上下に連動してボールタップ15が
開閉されるので、この開閉により洗浄水タンク8は所定
の満水水位WSに維持される。
次に、ジェットポンプ13について説明する。図5は
第1実施例の水洗便器1が備えるジェットポンプ13の
外観を表す説明図であり、図5(a)はその側面図、図5
(b)は図5(a)におけるa−a方向からの矢視図である。図
6はこのジェットポンプ13の側断面図である。
これら図面に示すように、ジェットポンプ13は、噴
射ノズル131とこのノズルに正対配置するスロート1
32とを有する。噴射ノズル131は、ノズル部先端の
外観をなす外側円筒131aと、外側円筒131aと同軸
に配設された中空の内側円筒131bとを備えている。
外側円筒131aは、ノズル先端側が小径のテーパ形状
とされており、大径側にフランジ131gを一体に備え
る。内側円筒131bは、フランジ131gから下方に延
びたカップ状の底部壁131eにより、外側円筒131a
に対して位置決め支持されている。噴射ノズル131
は、このような構造を採ることで、外側円筒131aと
内側円筒131b並びに底部壁131eで囲まれた領域
を、内側円筒131bを取り囲む円筒状の流路131cと
する。また、噴射ノズル131は、外側円筒131aの
小径側端部と内側円筒131bの一方の端部との間の間
隙を、連続した円環状の噴出口131dとすると共に、
この噴出口を下流の流路131cより狭小化された幅の
開口としている。更に、内側円筒131bの中空部を、
噴射ノズル131を貫通する貫通流路131hとし、こ
の貫通流路を上記の円環状の噴出口131dで取り囲ん
で備える。そして、噴射ノズル131は、既述した配管
12の端部をカップ状の底部壁131eの開口131fに
接続して配管12に固定され、噴出口131dが上方へ
差し向けられた姿勢を採る。
この噴射ノズル131に対向するスロート132は、
噴射ノズル131側の流入口132aを、ノズルの噴出
口131dに対して隙間Sを隔ててほぼ正対させてい
る。よって、スロート132は、噴射ノズル131から
の噴出洗浄水の流れ(噴流)に沿った姿勢を採り、この噴
流の中心(噴出口131dの中心)とスロート管路中心を
略一致させている。このスロート132は、流入口13
2aの側に、管路径が狭小化された絞り管路部132bを
有し、その下流を直管状の拡張管路部132cとしたベ
ンチュリ管とされており、管路末端の流出口132dで
配管14と接続されている。なお、流入口132aの側
端部は、固定用のフランジ132eとされている。
図5に示すように、噴射ノズル131とスロート13
2とは、この両者のフランジ131g、132eを貫通し
て延在する3本のボルト133と、3本のボルト133
に螺合する3個のナット134とにより、一体に組み付
けられている。噴射ノズル131とスロート132とが
一体に組み付けられることにより、ジェットポンプ13
は堅牢化している。この場合、スロート132は、上記
したように131に対しての対向姿勢を維持するよう、
固定支持されている。
上記構成のジェットポンプ13は、洗浄水タンク8の
底部付近に水没設置されている。そして、噴射ノズル1
31の噴出口131dとスロート132の流入口132a
との間の隙間Sを、その外周全周域に亘って洗浄水タン
ク8の内部空間に開放させており、ポンプ周囲のタンク
洗浄水をこの隙間Sから流入口132aに流入可能とし
ている。また、ポンプ周囲のタンク洗浄水を、貫通流路
131hを経て流入口132aに流入可能としている。
ここで、本実施例に係る水洗便器1の作動状況につい
て説明する。
図3に示すように、便器洗浄前(用便前)にあっては、
次回の用便・洗浄に備えて、ボール部2並びに洗浄水タ
ンク8に所定の洗浄水が貯留されている。つまり、ボー
ル部2では、サイホントラップ3の管路頂上の湾曲堰部
で定まる水位で、溜水W1が溜められている。洗浄水タ
ンク8では、既述した浮玉17並びにボールタップ15
で維持される水位(満水水位WS)洗浄水W2が溜められ
ている。なお、洗浄水タンク8内の小タンク18では、
浮玉17が小タンク18における洗浄水W2の水面に浮
いている。
フラッシュバルブのハンドル11aが操作されると、
フラッシュバルブ11が開く。これにより、図示しない
水道配管から便器洗浄タンク装置7への水道水通水が開
始される。この水道水は、約0.098〜0.2MPa
(1〜2kgf/cm2 )程度の水道管圧力で通水され、配管
10、分岐管10a、フラッシュバルブ11、配管12
を通って、ジェットポンプ13の噴射ノズル131へ供
給される。つまり、水道配管からの水道水がジェットポ
ンプ13の作動用水として供給される。
噴射ノズル131へ供給された水道水は、図6に矢印
Xで示すように、噴射ノズル131の円筒状流路131
cを通り、噴出口131dから円筒状の噴流となって噴出
する。この噴出口131dは、その下流の円筒状流路1
31cより通路幅が狭小化されているので、円筒状の噴
流は、その流速が増速された高速噴流となる。
このようにして噴出口131dから洗浄水が噴出され
ると、その噴出状況が円筒状の高速噴流であることか
ら、図6に矢印Yで示すように、円筒状噴流の内側にお
いて洗浄水の引き込みが起きる。そして、この噴流の内
側では、噴射ノズル131を貫通する洗浄水の貫通流路
131hが存在することから、ジェットポンプ周囲の洗
浄水W2が貫通流路131h下端開口から流路内部に引
き込まれて連行される。これにより、噴射ノズル131
からスロート132に向けては、噴出口131dからの
円筒状の高速噴流の噴出洗浄水と、この噴出洗浄水に連
行された洗浄水W2とが噴出されることになる。この噴
流洗浄水と連行洗浄水は、噴射ノズル131とスロート
132の正対配置関係から、減速を起こすことなくスロ
ート132に流入する。
また、噴出口131dからの円筒状噴流の洗浄水の流
入口132aへの流入により、図6に矢印Zで示すよう
に、上記の円筒状噴流の外側において洗浄水の引き込み
が起きる。この引き込みは、図示する隙間Sが流入口1
32a回りの全方位に解放されていることから、流入口
全方位で起きる。この際、流入口132aへは、噴流洗
浄水に加えて上記の連行洗浄水も流入する。よって、ス
ロート132への洗浄水流入は、その水量増大が図られ
た状態のものとなると共に上記したように減速を起こさ
ないので、円筒状噴流の外側における洗浄水の引き込み
は増大され、これによる連行洗浄水量も多くなる。そし
て、円筒状の高速噴流の洗浄水(水道水)とその内外で上
記のように連行された洗浄水W2とが一体となって、ス
ロート132の内部流路を通過し、絞り管路部132b
の通過の際に増速する。この結果、スロート132の絞
り管路部132bにおいて負圧が発生し、エジェクタ作
用により、スロート132近傍の洗浄水W2が、図6で
白抜き矢印Aで示すように、スロート132の流入口1
32aへ吸引される。絞り管路部132bを通過した高速
噴流の洗浄水(水道水)と洗浄水W2との混合流体は、拡
張管路部132cを通り、圧力を回復した後、図6で白
抜き矢印Bで示すように、スロート132から吐出し、
延いてはジェットポンプ13から吐出する。
ジェットポンプ13から吐出した水道水と洗浄水W2
との混合流体は、配管14へ流入し、配管14を通って
水洗便器1のリム通水路4bへ流入する。そして、この
混合流体は、リム通水路4bの吐水孔4aを通ってボール
部2へ吐出される。ボール部2に吐出された混合流体
は、溜水W1をサイホントラップ3の側に押し流し、サ
イホントラップ3を満水にする。サイホントラップ3が
満水になると、サイホン作用が発生するので、ボール部
2へ吐出された水道水と洗浄水W2との混合流体と、溜
水W1と、溜水W1中の汚物とは、サイホントラップ3
を通って一気に水洗便器1から便器外部に排出される。
ボール部2が空になってサイホン作用が停止した頃
に、洗浄水タンク8内の洗浄水W2の水位が、ジェット
ポンプ13のスロート132の流入口132aのレベル
以下となり、空気の吸込によりジェットポンプ13の流
量増大作用が停止する。以降は、噴射ノズル131から
吐出した水道水がスロート132を通ってジェットポン
プ13から吐出し、水洗便器1へ供給される。この結
果、空になったボール部2に水道水が流入し、溜水W1
が上記した水位まで溜まる。
フラッシュバルブ11は、所定量の水道水を流すと自
動的に閉じる。ジェットポンプ13への水道水の供給が
停止し、ジェットポンプ13の作動が停止する。このフ
ラッシュバルブ11の停止タイミング、即ち水道水給水
停止のタイミングは、上記したようにボール部2におけ
る溜水W1が上記の水位となる頃を見計らって調整され
ている。このタイミング調整には、溜水水量やジェット
ポンプ13による流量増大程度、便器洗浄に用いる総洗
浄水量等が考慮され、これらに基づいたタイミングで停
止するようフラッシュバルブ11が設計・製造される。
ジェットポンプ13の作動により、洗浄水W2が洗浄
水タンク8から排出されるので、洗浄水タンク8内の洗
浄水W2の水位は低下する。洗浄水タンク8内の洗浄水
W2の水位の低下に伴って、小タンク18内の洗浄水W
2の水位も低下する。この場合、小タンク18内の洗浄
水W2は、底壁に形成された小径の貫通穴18aを通っ
て徐々に洗浄水タンク8へ流入するので、小タンク18
内の洗浄水W2の水位の低下速度は、洗浄水タンク8内
の洗浄水W2の水位の低下速度に比べて小さい。従っ
て、浮玉17は小さな下降速度で下降するので、ボール
タップ15は、ジェットポンプ13への洗浄水供給に遅
れて開弁する。浮玉17の下降速度は、貫通穴18aの
洗浄水通過速度、即ち貫通穴径に依存することから、貫
通穴径を調整することで、ボールタップ15の開弁タイ
ミングを調整することができる。本実施例では、次のよ
うにした。即ち、フラッシュバルブ11の閉弁を経てジ
ェットポンプ13の作動が停止し水洗便器1の洗浄が終
了した頃に、浮玉17が所定レベルまで下降するよう貫
通穴18aの穴径を調整した。よって、便器洗浄の終了
とほぼ同じ時期に、ボールタップ15が開弁して洗浄水
タンク8への洗浄水の給水・補給を開始して、その後
に、洗浄水タンク8を満水水位WSの洗浄水W2の貯留
状態となる。
上記した構成を有する本実施例に係る水洗便器1によ
れば、次の利点がある。
ジェットポンプ13において、噴射ノズル131の噴
出口131dとスロート132の流入口132aとを隙間
Sを隔てて正対させた。よって、第1に、噴射ノズル1
31から噴出した洗浄水(水道水)の高速噴流を減速させ
ることなくスロート132へ流入させることができる。
第2に、この高速噴流の洗浄水がスロート132からそ
れて流れるような事態を起こさない。これにより、スロ
ート132への噴流洗浄水の流入に伴うエジェクタ作用
を、高い効率で誘起する。従って、洗浄水タンク8の底
部付近に水没したジェットポンプ周辺のタンク洗浄水
を、噴射ノズル131からの洗浄水噴出に伴って高い効
率でスロート132に吸引流入させ、これら洗浄水をス
ロート132下流の配管14、延いては水洗便器1に供
給する。しかも、このスロート132を配管14に直に
接続しているので、噴射ノズル131の噴出洗浄水とス
ロート流入のタンク洗浄水の総てを配管14に流し込む
ことができる。これらの結果、洗浄水給水先としての水
洗便器1には、洗浄水吐出流量が確実に増大された状態
で、便器洗浄のための洗浄水を供給することができる。
具体的数字を持って説明する。
排水弁座の開口と吐出口が前記開口に斜めに対峙する
噴射ノズルを用いた特開平10−102568号の疑似
ジェットポンプでは、噴射ノズルに約0.098MPa
(1kgf/cm2 )の水圧で水道水を25リットル/分の流
量で供給すると、50リットル/分程度の流量で便器に
洗浄水を供給でき、2倍程度の流量増大効果があった。
これに対し、本実施例では、ジェットポンプ13に上記
水圧・流量の水道水を供給すると、スロート132下流
の配管14からは、供給水道水(噴流洗浄水)と連行洗浄
水(タンク内の洗浄水W2)との混合流体を略100リッ
トル/分の流量で吐出することができ、4倍の流量増大
効果を得ることができた。この略100リットル/分の
流量は、洗浄水落差落差を利用した従来の便器洗浄タン
ク装置から吐出される洗浄水の流量と略同等である。従
って、ジェットポンプ13を使用することにより、落差
零を実現できることが分かる。
本実施例に係る水洗便器においては、図3に示すよう
に、洗浄水タンク8には、洗浄水W2をその満水水位W
Sが配管14の下流端、延いてはリム通水路4bと略同
一レベル或いはそれ以下となる状況で、洗浄水を貯留で
きる。このため、本実施例によれば、水洗便器1に対す
る便器洗浄タンク装置7の配置の自由度を高めることが
できる。そして、特開平10−102568号の水洗便
器では実現が困難であった落差零を容易に実現すること
ができ、便器洗浄タンク装置7を水洗便器1のリム上に
載置するのを止めることができる。便器洗浄タンク装置
7を水洗便器1のリム上に載置するのを止めることによ
り、トイレ空間を十分に広げることができ、トイレ空間
の快適性を十分に向上させてトイレ環境を改善できる。
また、便器洗浄タンク装置7を圧力容器とする必要は無
いので、安価にトイレ空間を広げることができる。従っ
て、本実施例により、便器洗浄タンク装置と、便器洗浄
タンク装置から洗浄水が供給される便器とを備える水洗
便器であって、従来技術に比べて安価に且つ十分にトイ
レ空間を広げることができる水洗便器が提供される。
本実施例に係る水洗便器においては、上記した配置自
由度の向上に伴い、便器洗浄タンク装置7を水洗便器1
のボール部2後部に内蔵することとした。よって、図1
や図3に示すように、便器洗浄タンク装置7の上部外観
部分(便器上面からのタンク収納区画5の隆起部分やそ
の蓋6)を低くできる。これにより、トイレ空間を広げ
ることができ、トイレ空間の快適性向上並びにトイレ環
境の改善に寄与できる。なお、配置自由度の向上に伴い
落差零が可能なので、例えば、便器洗浄タンク装置7を
水洗便器1の側方・後方のデッドスペース等に便器本体
と並列設置することも可能である。こうしても、トイレ
空間の拡張等の利点がある。
本実施例に係る水洗便器においては、ジェットポンプ
13の噴射ノズル131の噴出口131dを連続した円
環状に形成した。よって、噴射ノズル131から吐出す
る水道水の高速噴流の外径を拡大させて、この高速噴流
と洗浄水W2との接触面積を増大させる。これにより、
水道水の高速噴流に連行されてスロート132へ流入す
る洗浄水W2の流量を増加させ、ジェットポンプ13の
洗浄水吐出流量の増大効率を高めている。
また、高速噴流と洗浄水W2との接触面積が増大する
ことにより、噴射ノズル131の噴出口131dとスロ
ート132の流入口132aとの隙間Sが小さくとも充
分な量の洗浄水W2を連行することができる。このた
め、便器洗浄タンク装置7の高さをさらに低く押さえる
ことも可能となる。
本実施例に係る水洗便器においては、噴射ノズル13
1の貫通流路131hを介して、噴射ノズル131から
吐出する筒状の水道水の高速噴流内へ洗浄水W2を連行
させている。このことによっても、水道水の高速噴流に
連行されてスロート132へ流入する洗浄水W2の流量
をより増大でき、ジェットポンプ13の洗浄水吐出流量
の増大効率をより高めることができる。
本実施例に係る水洗便器においては、ジェットポンプ
13の噴射ノズル131の噴出口131dとスロート1
32の流入口132aとの間の隙間Sの外周を、洗浄水
タンク8の内部空間に開放して、スロート132へはそ
の全方位から洗浄水W2が自由に流入できるようにし
た。よって、水道水の高速噴流に連行させてスロート1
32へ流入する洗浄水W2の流量と、エジェクタ作用に
よりスロート132へ吸引される洗浄水W2の流量とを
増加させるので、ジェットポンプ13の洗浄水吐出流量
の増大効率をより一層高めることができる。
便器洗浄タンク装置7は水洗便器1に内蔵されてお
り、設置高さが低いので、図3から分かるように、ジェ
ットポンプ13の配設位置は、リム通水路4bよりも下
方になっている。従って、図3に示すように、ジェット
ポンプ13から延びる配管14を、ジェットポンプ13
の上方へ一旦立ち上げてから、リム通水路4bに接続さ
せている。そして、便器洗浄タンク装置7とリム4とは
近接配置していることと相まって、管路長が短い配管1
4でジェットポンプ13からの洗浄水をリム通水路4b
に供給できる。これにより、配管14内での管壁の摩擦
による圧力損失を低減でき、水洗便器1へ供給される水
道水と洗浄水W2の混合流体のエネルギ損失も低減でき
る。よって、この混合流体としての洗浄水による便器洗
浄能力を高めることができる。
上記したように、ジェットポンプ13からリム通水路
4bまでの配管14を、本実施例では、洗浄水タンク8
の満水水位WSより高い位置を通る水平管路部14bを
有し、その末端の連通管路部14dにあっても満水水位
WSより高い位置のものとした。よって、次の利点があ
る。
次回の便器洗浄に備えて洗浄水タンク8が満水水位に
ある状況にある場合、管路末端の連通管路部14bは解
放されているので、この管路部からはエアが水平管路部
14bに入り込む。よって、配管14は、その水平管路
部14bにおけるエアにより管路の満水状態が絶たれ、
サイホン作用を起こさない。このため、洗浄水タンク8
のタンク内洗浄水を不用意に配管14を経てリム通水路
4b、延いてはボール部2に流さないようにでき、洗浄
待機時の無駄水をなくすことができる。しかも、経路残
存エアにより洗浄水供給が絶たれているので、ジェット
ポンプ13からの洗浄水噴出に当たり、配管14の管路
の開閉を行う弁機構を必要としない。このため、従来技
術で述べたように、弁開閉用の鎖等との衝突による噴出
洗浄水の流れの減速を招くことが一切ない。
また、便器洗浄タンク装置7を、例えば水洗便器1の
側方の床面に設置することもでき、この場合には、配管
14をジェットポンプ13の上方へ立ち上がる必要があ
る。かかる場合、ジェットポンプ13の噴射ノズル13
1の噴出口131dを上方へ差し向けておけば、噴射ノ
ズル131の噴出口131dを下方へ差し向けてジェッ
トポンプ以降の管路を上昇配管する場合に比べて、配管
14の長さを短縮できる。よって、上記したように配管
壁の摩擦による圧力損失の低減を通して、洗浄水による
便器洗浄能力を高めることができる。
ここで、ジェットポンプ13の変形例について説明す
る。図7はジェットポンプ13の変形例を説明するため
の説明図である。
図示するように、この変形例では、フラッシュバルブ
11からの配管12を噴射ノズル131に対して偏心し
て接続した。こうすれば、配管12からの洗浄水(水道
水)は、内側円筒131bの外壁に直接衝突することなく
噴射ノズル131の円筒状流路131cに流入する。よ
って、この流入洗浄水は、その流速を維持したまま円筒
状流路131cにおいて図中矢印に示すように旋回して
流れ、円筒状流路131c上端の噴出口131d(図6参
照)から円環状の噴流として噴出される。このため、噴
流速度を高めることができるので、ポンプ周囲の洗浄水
の引き込み効率をより高め、流量増大効果を向上でき
る。
次に、本発明の第2実施例を説明する。図8はこの第
2実施例に係る水洗便器が備えるジェットポンプ集合体
の側断面図、図9は図8におけるa−a方向からの矢視
図、同じく図10は図8におけるb−b方向からの矢視
図、図11は図8におけるc−c方向からの矢視図、図1
2は図8におけるd−d方向からの矢視図である。
この第2実施例においては、第1実施例のジェットポ
ンプ13に替えてジェットポンプ集合体23が配設され
ている。
図8に示すように、ジェットポンプ集合体23は、上
下に給水管ケーシング231と吐出管ケーシング234
を備える。この両ケーシングは、対向姿勢を保った状態
で、支持支柱237と固定金具238により一体化され
ている。
給水管ケーシング231は、円筒体231dと上端板
233とを図示しないネジにより固定して備え、円筒体
下端中央に、配管12に接続される給水本管231aを
有する。また、ケーシング内部には、樹脂成型品の分岐
管ブロック231cを嵌合固定して備える。この分岐管
ブロック231cは、その内部に複数の分岐管231bを
有し、各分岐管231bは、給水本管231aの下流端か
ら分岐して上端板233の側に至るよう形成されてい
る。なお、これら分岐管をフレキシブルチューブや樹脂
或いは金属のパイプで構成し、このフレキシブルチュー
ブやパイプを樹脂にてモールドして分岐管ブロック23
1cとすることもできる。
これら複数の分岐管231bは、図9に示すように、
その上流端側、即ち給水本管231aの側で密に集合し
ている。そして、給水本管231aの断面積AMS
と、各分岐管231bの断面積ASSの総和ΣASSと
は略等しくされている。総ての分岐管231bにおい
て、分岐管231bの長さLSS と分岐管231bの断
面積ASS との比LSS/ASS は一定とされてい
る。複数の分岐管231bは、その下流端、即ち上端板
233の側では分散配置を採るよう、形成されている。
給水管ケーシング231は、上端板233側の分岐管
231bの分散配置に倣って、この上端板233に複数
の噴射ノズル232を有する。噴射ノズル232は、円
形の噴出口232aを有しており、ほぼ同一高さとなる
ようにして、上端板233の図示しないネジ穴に螺合さ
れている。そして、複数の噴射ノズル232は、噴出口
232aを上方に差し向けた姿勢で、該当する分岐管2
31bに接続されている。これら複数の噴射ノズル23
2は、図10に示すように、正面視で略円形の噴射ノズ
ル群Σ232を形成するように配設されている。
図8に示すように、上記の給水管ケーシング231と
対向する吐出管ケーシング234は、給水管ケーシング
231とほぼ同様に、円筒体234dと下端板236と
を固定して備える。そして、円筒体上端中央には、配管
14に接続される吐出本管234aを、ケーシング内部
には、樹脂成型品の分岐管ブロック234cを備える。
この分岐管ブロック234cは、その内部に複数の分岐
管234bを有し、各分岐管234bは、その末端側で合
流して下端板236から吐出本管234aに至るよう形
成されている。なお、これら分岐管にあっても、フレキ
シブルチューブやパイプを樹脂モールドして形成するこ
ともできる。
吐出管ケーシング234の分岐管234bにあって
も、図11に示すように、その下流端側、即ち吐出本管
234aの側で密に集合している。そして、吐出本管2
34aの断面積AMDと、分岐管234bの断面積ASD
の総和ΣASDとは略等しくされている。また、総ての
分岐管234bにおいて、分岐管234bの長さLSD
と分岐管234bの断面積ASD との比LSD/AS
D は一定とされている。この複数の分岐管234b
は、その上流端、即ち下端板236の側では分散配置を
採るよう、形成されている。
吐出管234の各分岐管234bは、下端板236に
形成されたベンチュリ管235とそれぞれ接続されてい
る。ベンチュリ管235は、円形の流入口235aと絞
り管路部235bと拡張管路部235cとを有しており、
流入口235aからと絞り管路部235bにかけては、テ
ーパ形状とされている。複数のベンチュリ管235は、
下端板236を切削加工することにより、或いは下端板
236を樹脂成型品として型成形することで、形成され
ている。これにより、各ベンチュリ管235は、下端板
236において同一位置を採る。これら複数のベンチュ
リ管235は、図12に示すように、正面視で略円形の
ベンチュリ管群Σ235を形成するように配設されてい
る。そして、下端板236におけるベンチュリ管235
と、上端板233における噴射ノズル232は、ミラー
配置を採るようにされている。
ジェットポンプ集合体23は、上記構成を採ることか
ら、図8に示すように、複数のベンチュリ管235の流
入口235aを、複数の噴射ノズル232の噴出口23
2aに、隙間Sを隔てて正対配置させる。よって、こう
して対峙する一対の噴射ノズル232とベンチュリ管2
35とにより1個のジェットポンプが形成され、複数の
ジェットポンプを有するジェットポンプ集合体23とな
る。このジェットポンプ集合体23にあっても、上記各
図に示すように、噴射ノズル群Σ232とベンチュリ管
群Σ235との間の隙間Sの外周は、洗浄水タンク8の
内部空間にその全方位に亘って開放されている。
上記を除き、第2実施例に係る水洗便器は第1実施例
に係る水洗便器と同一の構成を有する。
この第2実施例に係る水洗便器においては、フラッシ
ュバルブのハンドル11aが操作されると、フラッシュ
バルブ11が開いて水道配管からの水道水通水が開始さ
れる。これにより、水道水は、約0.098〜0.2M
Pa(1〜2kgf/cm2 )程度の水道管圧力で、配管10、
分岐管10a、フラッシュバルブ11、配管12を通っ
て、ジェットポンプ集合体23へ供給される。この水道
水は、給水管ケーシング231の給水本管231aへ流
入し、給水本管231aから分岐したそれぞれの分岐管
231bを経て、図8に矢印Xで示すように、複数の噴
射ノズル232の噴出口232aから高速噴流となって
噴出される。
このようにして噴出口232aから洗浄水が噴出され
ると、それぞれの噴射ノズル232において、図8に矢
印Yで示すように、水道水の高速噴流は、噴射ノズル2
32近傍の洗浄水W2を連行しつつ、対峙するベンチュ
リ管235へ流入する。この噴流流入も、噴射ノズル2
32とベンチュリ管235の正対配置関係から、減速を
起こすことなく起きる。しかも、ベンチュリ管235の
流入口235aではテーパ形状とされているので、ベン
チュリ管235への噴流流入をより確実なものとでき
る。そして、水道水の高速噴流と連行された洗浄水W2
とが一体となって、ベンチュリ管235の絞り管路部2
35bを通過し、増速する。この結果、ベンチュリ管2
35の絞り管路部235bにおいて負圧が発生し、エジ
ェクタ作用により、ベンチュリ管235近傍の洗浄水W
2が、ベンチュリ管235の流入口235aへ吸引され
る。絞り管路部235bを通過した高速の水道水と洗浄
水W2との混合流体は、拡張管路部235cを通り、圧
力を回復した後、吐出管234の分岐管234bへ流入
する。そして、この混合流体は、分岐管234bの末端
で合流して吐出本管234aへ流入してジェットポンプ
集合体23から吐出され、配管14を通って水洗便器1
へ供給される。配管14以降における洗浄水の様子は第
1実施例と同じであり、この洗浄水により便器洗浄が行
われる。
この第2実施例に係る水洗便器では、ジェットポンプ
集合体23を形成する複数のジェットポンプにおいて噴
射ノズル232とベンチュリ管235とを正対配置させ
た。よって、この各ジェットポンプにより、第1実施例
で説明したように、ベンチュリ管235への噴流洗浄水
の流入に伴うエジェクタ作用を高い効率で誘起する。こ
のため、このジェットポンプが集合したジェットポンプ
集合体23としても、洗浄水給水先である水洗便器に
は、洗浄水吐出流量が確実に増大された状態で、便器洗
浄のための洗浄水を供給することができる。この第2実
施例に係るジェットポンプ集合体23を有する水洗便器
にあっても、第1実施例とほぼ同様の流量増大効果が得
られた。つまり、約0.098MPa(1kgf/cm2 )の水
圧で水道水を25リットル/分の流量で供給したとこ
ろ、ジェットポンプ集合体23下流、具体的には配管1
4末端、ひいてはリム通水路4bでは、80〜100リ
ットル/分の流量の洗浄水吐出が得られた。よって、3
〜4倍程度の流量増大効果を得られた。この他、洗浄水
の落差零も第1実施例と同様に実現できると共に、既述
した種々の効果も奏することができる。
第2実施例に係る水洗便器では、ジェットポンプ集合
体23を構成する噴射ノズル232に洗浄水を供給する
に当たり、給水本管231aの下流端から分岐した複数
の分岐管231bを用いた。また、噴射ノズル232か
らの噴出洗浄水とこれに連行される連行洗浄水とを、噴
射ノズル232ごとに正対配置して対応するベンチュリ
管235に流入させ、この両洗浄水をベンチュリ管23
5ごとの分岐管234bに流し込んだ後に、分岐管末端
で合流させた。これにより、洗浄水が給水本管231a
からジェットポンプ集合体23を経て吐出本管234a
に至る間において、ほぼ同一の流路面積で洗浄水を通水
させることができる。よって、急激な流路面積の拡大に
伴って洗浄水が流路壁面から剥離して流れるような事態
を起こさないようにできるので、この剥離による圧力損
失を回避でき、その分、流量増大の効率低下を起こさな
いようにできる。
また、噴射ノズル群Σ232とベンチュリ管群Σ23
5との間の隙間Sの外周を洗浄水タンク8の内部空間に
開放するので、全方位からのベンチュリ管群Σ235へ
の洗浄水W2の自由な流入が可能となる。よって、第1
実施例と同様に、エジェクタ作用によるベンチュリ管群
Σ235への洗浄水吸引効率の向上を図ることができ、
洗浄水吐出流量の増大効果を高めることができる。
また、この第2実施例では、各噴射ノズルへの洗浄水
分岐通水に当たり、給水本管231aの断面積AMSと
各分岐管231bの断面積ASSの総和ΣASSとを略
等しくした。よって、給水本管231aから各分岐管へ
の洗浄水通水時において、流路面積の急激な拡大・縮小
を起こさない。これにより、流路面積拡大に伴って洗浄
水が流路壁面から剥離して流れるような事態を回避で
き、剥離による圧力損失を抑制できる。また、流路面積
縮小に伴う流路壁面の摩擦に基づく圧力損失の増大をも
抑制できる。この結果、噴射ノズル個々についてはもと
より、噴射ノズル群Σ232としての洗浄水噴出圧の低
下を抑制し、ジェットポンプ集合体23の洗浄水吐出流
量の増加を図っている。各ベンチュリ管下流への洗浄水
通水も同様であり、吐出本管234aの断面積AMD
と吐出管234の分岐管234bの断面積ASD の総
和ΣASD とを略等しくした。よって、各ベンチュリ
管下流の各分岐管における洗浄水通水時においても、流
路面積の急変に基づく圧力損失を抑制でき、ジェットポ
ンプ集合体23の洗浄水吐出流量の増加を図っている。
更に、この第2実施例では、各噴射ノズル並びに各ベ
ンチュリ管を対向配置するに当たり、複数の噴射ノズル
232を上端板233において同一高さで配設し、複数
のベンチュリ管235についても下端板236において
同一位置に配設した。よって、ノズル高さやベンチュリ
管位置を個別に調整する必要がないので、ジェットポン
プ集合体23の製造の簡略化をもたらすことができる。
この第2実施例では、分岐管231bについて、分岐
管長さLSS と分岐管断面積ASS との比LSS/
ASS を一定としたので、総ての分岐管231bの管
路壁面の摩擦による圧力損失を等しくすることができ
る。よって、総ての噴射ノズル232の吐出圧が等しく
なるので、噴射ノズル群Σ232から吐出した噴流群は
偏流することなくベンチュリ管群Σ235へ流入し、総
てのベンチュリ管235においてエジェクタ作用が誘起
される。しかも、上記したように、ノズル高さやベンチ
ュリ管位置を同じとすることで、正対配置を採る噴射ノ
ズルとベンチュリ管からなる個々のジェットポンプにお
いて、洗浄水吸引のためのノズル・ベンチュリ管の隔た
りを総て同じとした。この結果、ベンチュリ管への噴流
流入とこれに伴うベンチュリ管への洗浄水吸引の条件が
個々のジェットポンプと同じとなるので、上記のように
ベンチュリ管235において誘起されるエジェクタ作用
は均等となる。が誘起される。この結果、ベンチュリ管
群Σ235において洗浄水吸引に偏りを起こさないよう
にできるので、ジェットポンプ集合体23としての洗浄
水吐出流量の増大性能を高めることができる。
吐出管ケーシング234の側の分岐管234bについ
ては、分岐管長さLSD と分岐管断面積ASDとの比
LSD/ASDを一定としたので、総ての分岐管234
bの囲壁の摩擦による圧力損失を等しくすることができ
る。この結果、分岐管234bが合流する吐出本管23
4aの入口において、洗浄水流の乱れの発生が抑制され
る。このため、吐出本管234a以降の管路壁面からの
洗浄水流の剥離が抑制されるで、この剥離による圧力損
失を抑制できる。これらにより、ジェットポンプ集合体
23の吐出圧の低下を抑制でき、ジェットポンプ集合体
23としての吐出性能向上、即ち洗浄水吐出流量の増大
性能を高めることができる。
本実施例に係る水洗便器においては、図10から分か
るように、複数の噴射ノズル232を、正面視で円形の
噴射ノズル群Σ232を形成するように配設し、噴射ノ
ズル群Σ232の正面視での面積を最小にしている。こ
の結果、ジェットポンプ集合体23が小型化される。
本実施例に係る水洗便器においては、給水管ケーシン
グ231と、噴射ノズル232と、ベンチュリ管235
と、吐出管234とを一体に組付けて、ジェットポンプ
集合体23の堅牢化を図っている。
本実施例に係る水洗便器においては、複数の分岐管2
31b、234bを、樹脂製の分岐管ブロック231c、
234c内に形成した。よって、分岐管径が細くても、
洗浄水通水時において分岐管が不用意に動くといったこ
とがないので、安定した洗浄水噴出をもたらすことがで
きる。また、複数の分岐管231b、234bが一体化し
た状態で取り扱うことができるので、取り扱いの簡略化
を図ることができる。更に、ブロックとすることで、ジ
ェットポンプ集合体23の堅牢化を図っている。
次に、本発明の第3実施例を説明する。図13はこの
第3実施例に係る水洗便器の一部を切り欠いた上面図、
図14は第3実施例に係る水洗便器の概略側断面図、図
15はこの水洗便器が備える便器洗浄タンク装置の上面
図である。
これら図面に示すように、第3実施例の水洗便器10
1は、ボール部に直接洗浄水を噴出してサイホン効率を
高めるいわゆるサイホンジェット式の便器であり、次の
ように構成されている。この水洗便器101は、リム1
04のリム通水路104bに設けた吐水孔104aに加
え、ボール部102の底部にサイホントラップ103へ
差し向けられたジェット噴流吐出口102aを有してい
る。
この第3実施例の水洗便器101にあっても、第1実
施例と同様、タンク収納区画5に便器洗浄タンク装置1
07を内蔵して備える。便器洗浄タンク装置107は、
洗浄水タンク108内に、ジェットポンプ113a、1
13bをタンク内の洗浄水に水没して備える。この両ジ
ェットポンプ113a、113bは、第1実施例のジェッ
トポンプ13と同様の構造を有している。ジェットポン
プ113aは、ジェットポンプ113bより上方の位置に
水没配設されている。フラッシュバルブ111から延び
た配管112は、二本の枝管112a、112bに分岐し
ている。一方の枝管112aはジェットポンプ113a
に、他方の枝管112bはジェットポンプ113bにそれ
ぞれ接続されており、各枝管はフラッシュバルブ111
の開弁によりそれぞれのジェットポンプに洗浄水を供給
する。ジェットポンプ113aでは、図示を省略した噴
射ノズルに正対して配管114aが配設され、この配管
114aはジェット噴流吐出口102a底部のジェット噴
流吐出口102aまで配管されている。ジェットポンプ
113bでは、図示を省略した噴射ノズルに正対した配
管114bがリム通水路104bに接続している。この管
路構成により、リム通水路104bの吐水孔104aから
のボール部表面に向けた洗浄水吐出と、ジェット噴流吐
出口102aからのサイホントラップ103に向けた洗
浄水吐出が可能となる。上記を除き、本実施例に係る水
洗便器の構成は、第1実施例に係る水洗便器の構成と同
様である。
第3実施例に係る水洗便器においては、フラッシュバ
ルブ111の開弁により、両ジェットポンプ113a、
113bを経てそれぞれのジェットポンプ113a、11
3bに洗浄水(水道水)が供給される。これにより、両ジ
ェットポンプから水道水と洗浄水W2との混合流体が吐
出される。ジェットポンプ113aから吐出された水道
水と洗浄水W2との混合流体は、配管114aを通って
ジェット噴流吐出口102aからサイホントラップ10
3へ向けて直接吐出され、これによりいわゆるジェット
吐水がなされる。ジェットポンプ113bから吐出され
た水道水と洗浄水W2との混合流体は、配管114bと
リム通水路104bとを通って吐水孔104aからボール
部102へ向けて吐出され、これによりいわゆるリム吐
水がなされる。
このようなリム吐水とジェット吐水とが起きることか
ら、ボール部102の溜水W1は、次のような挙動を採
る。この溜水W1は、溜水面上方からのリム吐水によ
り、サイホントラップ103の側に押し流される。しか
も、この溜水W1は、ジェット吐水による水道水と洗浄
水W2との混合流体の噴流を受けるので、サイホントラ
ップ103へ向けて流れ込む。よって、サイホントラッ
プ103は瞬時に満水になり、サイホン作用が瞬時に発
生する。この結果、溜水W1並びにその中の汚物を、リ
ム吐水・ジェット吐水による吐出洗浄水によって、サイ
ホントラップ103を経て一気に水洗便器101から外
部に排出することができるので、便器洗浄能力を高める
ことができる。
ボール部2が空になってサイホン作用が停止した頃
に、洗浄水タンク108内の洗浄水W2の水位が、ジェ
ットポンプ113aのスロート(図示略)の流入口のレベ
ル以下となると、空気の吸込によりジェットポンプ11
3aの流量増大作用が停止する。この時点でもジェット
ポンプ113bは水没しているので、ジェットポンプ1
13a停止以降でも、ジェットポンプ113bの流量増大
吐出は継続される。つまり、フラッシュバルブ111の
開弁により同時に始まったリム吐水とジェット吐水は、
ジェット吐水が先に終了し、その後、リム吐水が終了す
る。そして、ジェット吐水終了後のリム吐水によりボー
ル部102に流入した洗浄水は、次回に備えた溜水W1
として貯留される。
この第3実施例では、上記したように複数のジェット
ポンプを有するものとし、ジェットポンプ113aとジ
ェットポンプ113bでタンク内における設置高さを変
えるようにした。このポンプ設置高さは、上記したよう
にジェットポンプによる流量増大吐水の終了時期を定め
る。よって、各ジェットポンプの流量増大作用を伴った
洗浄水吐水(本実施例では、リム吐水とジェット吐水)の
終了タイミングを、ポンプ設置高さ調整により種々調整
できる。つまり、各ジェットポンプの作動状況を個別に
制御できるので、便器洗浄時の洗浄水吐出パターンを種
々に変えることが可能になり、水洗便器の設計の自由度
が高まる。なお、ジェットポンプ集合体を複数用いたも
のであっても同様である。
上記の第3実施例ではポンプ設置高さの調整で各ジェ
ットポンプの作動状況を個別制御するようにしたが、次
のように変形することもできる。図16は、変形例の便
器洗浄タンク装置の概略構成を表すブロック図である。
図示するように、変形例では、ジェットポンプ113
a、113bを同一高さで洗浄水タンク108内に水没配
置し、各ジェットポンプへは、流路切換弁115を介し
て洗浄水(水道水)を供給する。この場合、流路切換弁1
15は、ソレノイド等のアクチュエータを組み込んだ電
磁式の弁構成であっても、流入洗浄水の水圧を利用して
弁体を摺動させる弁構成のものであってもよい。水圧利
用の弁構成とすれば、電気配線やアクチュエータの駆動
制御装置が不要となり、構成上、コスト面から有利であ
る。なお、この水圧利用の弁構成の場合、弁体左右の圧
力均衡により弁管路の開閉を流路切換と並行して行うい
わゆる自閉タイプの弁構成を採ることがより好ましい。
このように流路切換弁115を組み込むと、次の利点
がある。流路切換弁115で流路を順次切り換えれば、
ジェットポンプ113a、113bを異なるタイミングで
シーケンシャルに作動制御できる。例えば、水道管から
の水道水供給開始当初は、ジェットポンプ113bの側
の流路を開いて当該ポンプによりリム吐水を行い、その
後のジェットポンプ113aの側への流路切換により、
ジェット吐水を行うようにできる。つまり、リム吐水・
ジェット吐水の順に便器洗浄のための吐水を実行でき
る。また、ジェット吐水の完了後に、再度、ジェットポ
ンプ113bの側に流路を切り換えれば、リム吐水・ジ
ェット吐水・リム吐水をこの順に実行できる。従って、
流路切換弁115を組み込むことにより、吐水パターン
の自由度をより高めることができる。
この場合、流路切換弁115下流の二つのジェットポ
ンプ113a、113bを、異なる吐出能力(瞬間流量能
力)を有するものとすることもできる。こうすれば、上
記の両ジェットポンプからは、それぞれの吐水時に異な
る吐出量で洗浄水を吐水でき、より一層の吐水パターン
化の自由度向上が可能となる。しかも、流路切換弁11
5により上記したようにシーケンシャルな吐水を行え
ば、各吐水時の吐出量を異なるようにできる。例えば、
リム吐水時には小さな瞬間流量で洗浄水を吐水し、ジェ
ット吐水時には大きな瞬間流量で洗浄水を吐水するよう
なこともできる。リム吐水とジェット吐水でこの逆とす
ることもできる。そして、リム吐水・ジェット吐水での
吐水時間を変更すれば、具体的には、流路切換弁115
による切換時間を変更すれば、リム吐水・ジェット吐水
の各吐水時における吐出量自体も調整できる。
ここで、上記の各実施例の変形例について説明する。
図17は第1実施例のジェットポンプ13における噴射
ノズルの変形例を説明するための概略斜視図、図18は
同じく第1実施例のジェットポンプ13への給水装置の
変形例の側断面図、図19は第2実施例のジェットポン
プ集合体の変形例の部分側断面図、図20は同じく第2
実施例のジェットポンプ集合体における噴射ノズル群の
変形例の正面図、図21は同じく第2実施例のジェット
ポンプ集合体のまた別の変形例の側断面図、図22は第
1実施例のジェットポンプ13における噴射ノズルのま
た別の変形例を断面視して説明する説明図である。
第1実施例においては、図6に示すように、噴射ノズ
ル131の噴出口131dをその上流管路(円筒状流路1
31c)よりその幅が狭小化された円環状の連続開口とし
た。しかし、噴出口131dの開口形状は、連続した円
環状であること、その開口幅が噴出口上流の管路(円筒
状流路131c)より狭小化されたものであることに限定
されない。楕円環状、長円環状、多角環状、その他の任
意形状の環状開口であっても良い。この場合、噴出口1
31dを円環状とすれば、その製造が容易であるという
利点を有する。また噴出口131dを、その開口幅が噴
出口上流の管路(円筒状流路131c)と略同一のものと
することもできる。
第1実施例においては、噴射ノズル131の噴出口1
31dを狭幅の連続した円環状とした。しかし、これに
限らず、図17に示すように、複数の噴出口131dsを
環状に配設して噴出口集合体とし、この噴出口集合体を
噴出口131dとすることもできる。このように複数の
噴出口131dsを環状に配設した噴射ノズル131であ
っても、各噴出口131dsから噴出された水道水の高速
噴流は、噴出口下流で合体して筒状の高速噴流を形成す
る。このように筒状になることにより、水道水の高速噴
流の外径の拡大をもたらすので、第1実施例で説明した
ように、ジェットポンプ13の洗浄水吐出流量の増大効
率を高めることができる。
なお、複数の噴出口131dsの配設形状は、円環状の
他、楕円環状、長円環状、多角環状、その他任意形状の
環状であっても良い。また、環状配列する噴出口131
dsの開口形状も、円形、多角形等種々のものとすること
ができる。この場合、円形形状の噴出口131dsとすれ
ば、ドリル等の汎用機器で噴出口を形成できることか
ら、製造コスト状有利である。
第1実施例では、水道配管と接続された配管10が二
股状に分岐した分岐管10a、10bより、フラッシュバ
ルブ111経由のジェットポンプ13への給水とボール
タップ15への給水とを行い、ボールタップ15の開弁
時期(洗浄水補給時期)を、小タンク18および浮玉17
により遅延調整した。しかし、図18に示す流路切換弁
24を用いて、ジェットポンプ13への給水と、ボール
タップ15への給水とを切り換えても良い。
この流路切換弁24は、レバー24aに押下力が印加
されていない時(非洗浄時)にあって、バネ24bの付勢
力によりレバー24aを一点鎖線で示す上方位置に置
く。この時、揺動棹24cは、弁体24dの自重を受け
て、一点鎖線で示す第1回動位置に在る。弁体24dは
自重により下降して弁座24eに当接し、連通穴24fを
閉じている。この結果、連通穴24gが開き、配管10
と分岐管10bとが連通し、水道水がボールタップ15
へ供給される。なお、こうしてボールタップ15からタ
ンク内に洗浄水が補給され満水水位となると、ボールタ
ップ15が閉弁して洗浄水補給は停止する。この状態で
は、弁体24dは弁座24eに当接した状態であるが、ボ
ールタップ15の閉弁により管路が遮断されるので、洗
浄水の漏れ等は起きない。
便器洗浄に際してレバー24aに押下力が印加される
と、バネ24bの付勢力に逆らってレバー24aは実線で
示す下方位置へ移動する。揺動棹24cは、レバー24a
に押されて、実線で示す第2回動位置へ移動する。弁体
24dは揺動棹24cにより押し上げられて弁座24hに
当接し、連通穴24gを閉じる。この結果、連通穴24f
が開き、配管10と配管12とが連通し、水道水がジェ
ットポンプ13へ供給される。
図18に示す流路切換弁24、或いは流路切換弁24
と同様に作動する適当な流路切換弁を用いることによ
り、第1実施例の配管10の分岐と比較的高価なフラッ
シュバルブ11とを削除できる。よって、便器洗浄タン
ク装置7の製造コストが低減する。
第2実施例のジェットポンプ集合体23における給水
管ケーシング231を、図19に示すように、その上端
板233が球状に湾曲し、球形部表面に噴射ノズル23
2を分散配設したものとできる。こうすれば、それぞれ
の噴射ノズル232に至る分岐管231bをほぼ放射状
に形成すればよく、総ての分岐管231bの長さLSS
を容易に等しくすることができる。よって、分岐管2
31bをその断面積ASS が同じものとするだけで、
分岐管通水時における管路壁面の摩擦による圧力損失を
容易に均等化できる。このため、総ての噴射ノズル23
2の吐出圧を容易に等しくすることができるので、ジェ
ットポンプ集合体23としては、偏流を起こすことがな
い状態で各噴射ノズルからの噴流噴出を起こす。従っ
て、既述したように、総てのベンチュリ管におけるエジ
ェクタ作用を均等とでき、洗浄水吸引に偏りを起こさな
いので、ジェットポンプ集合体としての洗浄水吐出流量
の増大性能を高めることができる。
第2実施例において、図20に示すように、複数の噴
射ノズル232を、正面視で長方形の噴射ノズル群Σ2
32を形成するように配設しても良い。このようなノズ
ル配置を採れば、ベンチュリ管群Σ235も正面視で長
方形となる。正面視が長方形のベンチュリ管群Σ235
においては、正面視が円形のベンチュリ管群Σ235
(図12参照)に比べて、群中心部のベンチュリ管235
からジェットポンプ集合体23の周縁部までの距離を短
くできる。これにより、この周縁部から群中心部のベン
チュリ管235までの洗浄水移動距離を短くできるの
で、周縁部の洗浄水は、短距離を移動するだけで群中心
部のベンチュリ管235に吸引される。このため、群中
心部のベンチュリ管235への洗浄水W2の流量が増加
する。この結果、正面視が円形の噴射ノズル群Σ232
を使用する場合に比べて、ジェットポンプ集合体として
の洗浄水吐出流量の増大性能を高めることができる。
第2実施例において、図21に示すように、ジェット
ポンプ集合体23を、ノズル側・ベンチュリ管側で共に
円錐台形状のマニホールドを有するものとできる。そし
て、給水本管231aと複数の噴射ノズル232とを給
水側マニホールド231eを介して接続し、複数のベン
チュリ管235と吐出本管234aとを吐出側マニホー
ルド234eを介して接続する。こうすれば、分岐管形
成が不要となってジェットポンプ集合体23の構造が簡
略化され、ジェットポンプ集合体23の製造コストが低
減する。
また、第1実施例のジェットポンプ13における噴射
ノズルを次のように変形することもできる。図22に示
すように、この変形例のジェットポンプ13は、スロー
ト132をその内部流路がストレートなものとし、スロ
ート下端開口と噴射ノズル131の噴出口131dを近
接配置した。また、フランジ131gの上面に固定脚1
31kを等ピッチ(例えば、120゜ピッチ)で立設し、
この固定脚131kにネジ131mによりスロート132
を固定した。つまり、この変形例では、スロートと噴射
ノズルを対向支持するに当たり、この両部材と分離され
た部材、例えば図5で示したボルト133を用いず、上
記両部材を直接固定した。よって、ジェットポンプ13
としてより堅牢なアッシー品として取り扱うことができ
る。
更に、この変形例のジェットポンプ13では、貫通流
路131hと噴出口131dを形成するための内側円筒1
31bを、外側円筒131a上端より突出させた。このた
め、噴出口131dから噴出された噴流洗浄水は、噴出
口131d以降において貫通流路131hの突出部に案内
されてスロート132に流入する。よって、この変形例
のジェットポンプ13によれば、噴流洗浄水をその流れ
に乱れを起こすことなくスロート132に流入されるこ
とができるので、図中白抜き矢印Aで示すようなタンク
内洗浄水の吸引効率を高めることができ、これにより、
ジェットポンプ13の洗浄水吐出流量の増大性能を高め
ることができる。
次に、ジェットポンプ13或いはジェットポンプ集合
体23をタンク内に水没配置する際の変形例について説
明する。図23は、ジェットポンプ13の水没配置の変
形例を説明するための説明図である。
図示するように、この変形例では、洗浄水タンク8の
底面8aに陥没した凹所8bを設け、この凹所8bに至る
までの底面8aを傾斜面とする。そして、ジェットポン
プ13は、凹所8bの内部に位置するよう配設され、そ
の高さは、凹所8bの上端位置がスロート132の下端
開口位置とほぼ一致するようにされている。
このようにすれば、洗浄水供給を受けたジェットポン
プ13の作動によりタンク内水位が凹所8bの上端位置
以下となると、ポンプ作動が停止する。従って、ポンプ
作動停止に伴いタンク内に残存する洗浄水を、凹所8b
の内部に貯まった洗浄水だけにすることができ、ジェッ
トポンプ未吸引のままタンク内に残ってしまう洗浄水量
を低減できる。また、この変形例では、凹所8bに向け
たタンク底面8aを傾斜させたので、タンク内洗浄水を
容易に凹所8bに集めることができ、タンク内残存水を
確実に凹所内に貯まった洗浄水だけにすることができ
る。
第1実施例において、配管12と、配管14の洗浄水
タンク8内で延在する部分とをフレキシブルチューブで
構成し或いは伸縮可能な構成として、洗浄水タンク8内
でのジェットポンプ13の高さ位置を調節可能としても
良い。
洗浄水タンク8内の洗浄水W2の水位が流入口132
aのレベルまで低下すると、既述したように空気吸込に
よりジェットポンプ13の流量増大吐出は終了する。よ
って、洗浄水タンク8内でのジェットポンプ13の高さ
位置を調節することで、水道水と洗浄水W2との混合流
体の大流量吐出の継続時間を調節することができる。
一般に、サイホン式便器、サイホンジェット式便器等
の種類、ボール部容積、汚物の量等によって、便器洗浄
に必要とされる洗浄水総量は異なり、上記混合流体の流
量増大吐出の必要継続時間も異なる。従って、ジェット
ポンプ13の高さ位置調節を通して、混合流体の流量増
大吐出の継続時間、延いては洗浄水流量を調節できる。
第2実施例において、配管12と、配管14の洗浄水
タンク8内で延在する部分とをフレキシブルチューブで
構成し或いは伸縮可能な構成として、洗浄水タンク8内
でのジェットポンプ集合体23の高さ位置を調節可能と
しても良い。
図34はジェットポンプ13の高さ位置(水没位置)を
調節する変形例を説明するためのブロック図である。図
示するように、この変形例では、ジェットポンプ13が
固定されたスライダテーブル30と、このテーブルの上
下動させるためにボールネジ31と、その回転駆動源の
モータ32を有する。ボールネジ31とモータ32は、
図示しない固定具によりタンク内に設けられており、モ
ータ32は、図示しない制御装置により回転制御され
る。制御装置は、大流量の洗浄水吐水が求められる大洗
浄と少量の洗浄水吐水でよい小洗浄とを、図示しない大
小操作ボタン等の操作状況から判断する。そして、制御
装置は、大洗浄時には、ジェットポンプ13がタンク底
部側に位置するよう、モータ32を回転制御してジェッ
トポンプ13を低い位置とする。小洗浄時には、これよ
り高い位置となるようモータ32を回転制御する。この
ようにジェットポンプ位置が調整できるので、上記した
ように、混合流体の流量増大吐出の継続時間、延いては
洗浄水流量を調節できる。配管12と配管14は、ジェ
ットポンプの上下動に追従できるよう、フレキシブルチ
ューブとされている。なお、ボールネジとモータに限る
ものではなく、ピストンや往復動するアクチュエータ等
を用いて、ジェットポンプ13の高さ位置を調節するよ
うにすることもできる。
第1実施例においては噴射ノズル131の噴出口13
1dを上方へ差し向け、第2実施例においては噴射ノズ
ル232の噴出口232aを上方へ差し向けたが、噴出
口131d、232aを差し向ける方向は、上方に限定さ
れない。下方、横方、斜め上方、斜め下方でも良い。
上記の各実施例においては、便器洗浄タンク装置7、
107を水洗便器1、101に内蔵したが、便器洗浄タ
ンク装置7、107を水洗便器1、101のリム上に載
置しても良い。便器洗浄タンク装置7、107は落差零
を実現することができるので、極めて偏平に形成するこ
とが可能である。この結果、便器洗浄タンク装置7、1
07を水洗便器1、101のリム上に載置しても、従来
の便器洗浄タンク装置を便器のリム上に載置する場合に
比べてトイレ空間が広がり、トイレ空間の快適性が向上
する。
また、便器洗浄タンク装置7、107は、落差を利用
しないので、高さを低くすることができる。従って、水
洗便器のリム上に載置された既設の便器洗浄タンク装置
を、本実施例に係る便器洗浄タンク装置7、107に取
り替えることにより、水洗便器の高さを低減させること
ができる。従って、便器洗浄タンク装置7、107を水
洗便器内に収納することにより高さの低い水洗便器に容
易に改造でき、既存のトイレ環境を改善できる。
次に、第4実施例について説明する。この第4実施例
は、図22で説明したジェットポンプ13を用い、洗浄
水タンクを便器と一体化した点、便器洗浄のための洗浄
水給水量を大小洗浄で異なるものとした点等に特徴があ
る。図24は第4実施例の水洗便器1を縦断面視し洗浄
水貯留の様子やジェットポンプ13の配設の様子等を説
明するための説明図、図25は便器要部を水平断面視し
タンク装置の機器配置を説明するための説明図、図26
は便器要部を縦断面視しタンク装置の機器配置を説明す
るための説明図である。
この第4実施例の水洗便器1は、これら図面に示すよ
うに、タンク収納区画5の内部領域自体を洗浄水貯留に
用いている。よって、洗浄水タンク8を別途用意する必
要がないので、部品点数や組み付け工数を低減できる。
このため、便器製造時の部品管理や工程管理が容易にな
り、水洗便器の製造コストを低減することができる。
そして、この水洗便器1は、洗浄水貯留用に用いたタ
ンク収納区画5に、次のようにして便器洗浄タンク装置
207を収納・配置している。この便器洗浄タンク装置
207は、図示しない給水源(水道管)に接続された一次
側配管20をタンク収納区画5に直接引き入れている。
1次側配管20は止水弁9に接続される。便器洗浄タン
ク装置207は、この止水弁以降の管路に、定流量弁2
1、フラッシュバルブ211並びに配管12を備え、配
管12をジェットポンプ13の噴射ノズル131に接続
させている。
定流量弁21は、給水源(水道管)の元水圧の高低に拘
わらず、一定流量(瞬間流量)で洗浄水を弁下流に導く。
この定流量弁21をジェットポンプ上流に設けたので、
次の利点がある。
元水圧が高いと、洗浄水(水道水)は、大きな瞬間流量
で供給される。よって、定流量弁がない管路構成である
と、元水圧が高い場合には、大きな瞬間流量による洗浄
水供給により、所定水量だけの洗浄水供給は短時間で終
了する。このような事態となると、ジェットポンプ13
からの洗浄水吐出も短時間で終了し、便器洗浄が不十分
となることがある。しかし、本実施例では、管路に設け
た定流量弁21により、元水圧の高低に拘わらず一定流
量で洗浄水の供給を継続できるので、便器洗浄能力を確
保できる。
なお、このような一定流量での洗浄水供給を図るに当
たり、定流量弁に代わって減圧弁を管路に組み込むこと
もできる。こうすれば、一定水圧での洗浄水供給とする
ことで、一定流量で洗浄水を供給できる。また、流量セ
ンサや圧力センサと、アクチュエータにより管路面積を
調整する流量調整弁とを管路に設け、センサ信号に基づ
き流量調整を行い、一定流量での洗浄水供給を図るよう
にすることもできる。
またその逆に、元水圧が低い場合は、少流量での洗浄
水供給となるので、ジェットポンプ13からの噴出洗浄
水の勢いが低下し、やはり、便器洗浄が不十分となる。
この場合一次側配管20の経路中に増圧ポンプなどの補
助増圧機構を設けることで一定流量で洗浄水の供給を確
保でき、便器洗浄能力を確保できる。
このジェットポンプ13は、図24に示すように、斜
め上方を指向して、タンク収納区画5における洗浄水に
水没設置されている。そして、スロート132には、そ
の指向向きに合わせて下流配管214が接続されてい
る。下流配管214は、その末端側にフランジ215を
備え、端部に、固定用の突出爪部216を有する。そし
て、下流配管214は、リム通水路4bとほぼ同じ高さ
になるまで傾斜して上昇し、リム通水路4bとはほぼ水
平に接続されている。リム通水路4bとの接続に際して
は、突出爪部216をリム後端の固定孔4dに嵌め込
み、爪先端の顎部を固定孔周壁に引っかける。
フラッシュバルブ211は、二次側通路に、バキュー
ムブレーカ212を有する。よって、何らかの原因でフ
ラッシュバルブ211の側に向けた洗浄水の逆流が起き
ても、バキュームブレーカ212によりその逆流は解消
される。なお、フラッシュバルブ211を始めとする上
記弁は、図示するように、洗浄水満水水位WSより上方
位置に固定されている。
このフラッシュバルブ211の開弁用ノブ213は、
正逆回転動作を直進動作に変換する変換機構部220と
接続されている。この変換機構部220は、洗浄時に操
作されるハンドル221の正逆回転を回転軸222を介
して受けると、開弁用ノブ213を押し込むように構成
されている。フラッシュバルブ211は、この開弁用ノ
ブの押し込みにより、二次側、即ちジェットポンプ13
の側に洗浄水(水道水)を供給する。この場合、ハンドル
221は、大便時の洗浄と小用時の洗浄でその操作方向
が異なるようにされている。そして、回転軸222に
は、後述の開閉蓋223を小用時のハンドル回転操作の
場合に限って駆動させるためのリンク機構部224が組
み込まれている。
上記のように開弁されるフラッシュバルブ211は、
その内部の弁構成において既存のものと変わるところは
なく、一次側と二次側の圧力均衡により自閉する構成を
有する。そして、この第4実施例では、後述する大便後
の洗浄(大洗浄)・小用後の洗浄(小洗浄)のいずれであっ
ても、フラッシュバルブ211は、定められた時間だけ
開弁状態を維持した後に開弁(自閉)し、所定量の洗浄水
(水道水)をジェットポンプ13に供給する。
また、便器洗浄タンク装置207は、止水弁9の直下
から分岐した、即ち止水弁筐体から分岐した補給管路を
有し、この管路をボールタップ15に接続させている。
ボールタップ15は、浮玉17の浮沈によりタンク収納
区画5に洗浄水の補給を図る。補給の様子については後
述する。
この他、便器洗浄タンク装置207は、タンク収納区
画5の内部に、ジェットポンプ13を取り囲むポンプ区
画容器225を有する。このポンプ区画容器225は、
上端が解放された有底のものとされ、タンク底部に固定
されている。ポンプ区画容器225は、ハンドル221
側の側面に通水開口226と、開口下方に軸支された開
閉蓋223と、蓋に固定された錘227とを有する。通
水開口226は、この開閉蓋223により、開閉され
る。
ポンプ区画容器225は、タンク収納区画5に貯留さ
れた洗浄水に水没されており、その上端は、洗浄水の満
水水位WSより低くされている。また、通水開口226
は、第1実施例で説明したように洗浄終了時における洗
浄水の最低水位WLが開口部内に位置するよう、形成さ
れている。従って、開閉蓋223は、通水開口226の
図示する解放姿勢を採る間にあっては、タンク収納区画
5内の洗浄水、ポンプ区画容器225の内部に通水可能
とする。これにより、ジェットポンプ13では、図示す
る満水水位WSと最低水位WLの間におけるタンク収納
区画5内の洗浄水がスロート132に流入可能となる。
その一方、開閉蓋223は、開口閉鎖姿勢を採る間にあ
っては、通水開口226を経た洗浄水通水を不可とす
る。これにより、ジェットポンプ13では、満水水位W
Sからポンプ区画容器225上端までの間のタンク収納
区画5内の洗浄水と、ポンプ区画容器225上端から最
低水位WLの間におけるポンプ区画容器225内の洗浄
水とが流入可能となり、通水開口解放時より少量とな
る。
開閉蓋223は、鎖228により、リンク機構部22
4の開閉操作桿229と連結されている。リンク機構部
224は、ハンドル221が小洗浄の回転方向に操作さ
れるときに限って開閉操作桿229を回転軸222の軸
回りにスイングさせて、開閉蓋223を持ち上げる。こ
れにより、通水開口226は、開閉蓋223で閉鎖され
る。また、リンク機構部224は、オイルダンパー、ギ
ヤ等を含む遅延駆動機構を内蔵し、この駆動機構によ
り、所定時間、詳しくは小洗浄開始から小洗浄終了まで
の時間に亘って開閉操作桿229の姿勢を維持し、その
後、開閉操作桿229を図示する元の位置に戻すよう構
成されている。よって、ハンドル221が小洗浄のため
に操作されると、上記した通水開口226の閉鎖によ
り、スロート132に流入可能な洗浄水量は、少量に制
限される。なお、開閉操作桿229が元の位置に戻され
る際は、開閉蓋223は、錘227の重みが作用するこ
とから、速やかに通水開口226の閉鎖位置から離れ、
当該開口を解放する。
上記した第4実施例でも、ボール部2やサイホントラ
ップ3等の便器構造については、第1実施例と同様であ
る。
次に、第4実施例の水洗便器1における作動状況につ
いて説明する。
この第4実施例の水洗便器では、ハンドル221が大
洗浄用の方向に回転操作されると、通水開口226が閉
鎖されないまま、フラッシュバルブ211が開弁する。
よって、ジェットポンプ13からは、第1実施例と同様
にして混合流体吐出がなされ、この混合流体(ジェット
ポンプ吐出洗浄水)は、下流配管214に直接流れ込
み、リム通水路4bを経由して吐水孔4aからボール部2
に吐出される。つまり、満水水位WSの最低水位WLで
規定される量の洗浄水がボール部に吐出される。
一方、ハンドル221が小洗浄用の方向に逆向きに回
転操作されると、上記したようにフラッシュバルブ21
1が開弁してジェットポンプ13への洗浄水供給が開始
されると共に、通水開口226が閉鎖されてスロート1
32への流入洗浄水量が制限される。よって、フラッシ
ュバルブ211の開弁によりジェットポンプ13からの
上記混合流体吐出がなされるものの、その吐出洗浄水量
は、スロート流入量制限により少量に制限される。この
小洗浄時にあっても、ジェットポンプ吐出洗浄水は、下
流配管214並びにリム通水路4bを経て、吐水孔4aか
らボール部2に吐出される。
このため、第4実施例の水洗便器1によれば、ハンド
ル221の操作状況に応じて、小用後では少量の洗浄水
で便器洗浄を行い、大便後ではこれより多めの水量の洗
浄水で便器洗浄を行うことができる。よって、第4実施
例の水洗便器1では、用便の大小種類に応じた水量で便
器洗浄を実行できる。
次に、タンク収納区画5への洗浄水補給の様子につい
て説明する。用便種類に限らずジェットポンプ13から
の洗浄水吐出に伴いタンク収納区画5の洗浄水水位が低
下すると、浮玉17はその位置を下げる。この浮玉降下
とほぼ同時に、即ち、洗浄開始とほぼ同時に、ボールタ
ップ15は作動して、洗浄水補給を開始する。これによ
り、上記のようなジェットポンプからの洗浄水吐出によ
る便器洗浄とタンク収納区画5への洗浄水補給は、並行
して実施される。
この補給洗浄水量は、止水弁9から分岐した管構成で
定まり分岐管径調整等により調節でき、スロート132
への流入洗浄水量より少量とされている。よって、便器
洗浄と洗浄水補給が並行実施されても、タンク収納区画
5の水位はジェットポンプ13からのジェットポンプ吐
出に伴って低下し、やがて最低水位WLになる。こうな
ると、第1実施例と同様に便器洗浄は終了し、その後
は、ボール部2の溜水貯留のための洗浄水吐出となる。
そして、溜水貯留が完了すると、フラッシュバルブ21
1は自閉し、その後は、ボールタップ15からの洗浄水
補給のみが継続される。これにより、タンク収納区画5
は、便器洗浄終了後において、満水水位WSとされる。
ここで、溜水貯留のための洗浄水吐出について説明す
る。この洗浄水吐出は、フラッシュバルブ211からの
供給洗浄水と、最低水位到達後における15から補給さ
れた洗浄水でなされる。この補給洗浄水は、大洗浄時に
あっては、通水開口226を経てポンプ区画容器225
に流れ込み、132に流入してボール部2に通水され
る。小洗浄時にあっては、ポンプ区画容器225上端か
ら容器内部に流れ落ち、大洗浄時と同様、ボール部2に
通水される。
本実施例では、使用する洗浄水総量を大洗浄で約6リ
トル、小洗浄で約4リットルとなるよう、次のようにし
た。
この洗浄水総量は、スロート132に流入してボール
部2に吐出される洗浄水(流入洗浄水)の水量とフラッシ
ュバルブ211からの供給洗浄水(作動用洗浄水)の水量
の和となる。既述したように、大小洗浄に拘わらずフラ
ッシュバルブ211を経た洗浄水供給量は同じであるの
で、大小洗浄では、流入洗浄水量が相違する。
大洗浄における流入洗浄水は、洗浄開始前にタンク収
納区画5に貯留されていた洗浄水のうち、満水水位WS
と最低水位WLの間の洗浄水(貯留済み洗浄水)と、便器
洗浄と並行して行われるボールタップ15から補給洗浄
水となる。上記の貯留済み洗浄水量は、タンク収納区画
5の内容積等で定まり、補給洗浄水量も止水弁9からの
分岐管径等で定まる。
小洗浄では、流入洗浄水は、洗浄開始前のタンク収納
区画5における満水水位WSとポンプ区画容器225上
端の間の洗浄水(容器上部洗浄水)と、洗浄開始前のポン
プ区画容器225上端と最低水位WLの間の洗浄水(容
器内洗浄水)と、上記の補給洗浄水となる。上記の容器
上部洗浄水量は、タンク収納区画5の内容積やポンプ区
画容器225のサイズ等で、容器内洗浄水量も容器サイ
ズ定まり、補給洗浄水量も止水弁9からの分岐管径等で
定まる。
ジェットポンプ13の噴射ノズル131への作動用洗
浄水供給に伴うスロート132への時間当たりの流入洗
浄水量は、ポンプ仕様で定まる。また、上記した便器洗
浄終了後の溜水貯留における洗浄水吐出量も、ボール部
2のサイズ等で定まる。従って、ポンプ仕様はもとよ
り、止水弁9からの分岐管径、ポンプ区画容器サイズ、
ボール部サイズ等の設計パラメータを便器設計の段階で
考慮して、使用する洗浄水総量が大洗浄で約6リトル、
小洗浄で約4リットルとなるよう上記のポンプ仕様等を
定めた。
ここで、上記構成の水洗便器1におけるオーバーフロ
ーと洗浄水逆流について説明する。
既述したようにボールタップ15による洗浄水補給の
際、このボールタップに止水不良が起きると、タンク収
納区画5では、満水水位WSを越えて洗浄水が余剰に貯
まることになる。しかし、この場合は、ジェットポンプ
13から下流配管214までの管路がオーバーフロー管
として機能し、上記の余剰の洗浄水をリム通水路4bに
流すことができる。よって、補給異常が起きても、タン
ク収納区画5では、洗浄水をリム通水路4bの上端高さ
までしか貯め置くことが無く、便器外部への漏れを起こ
さない。なお、リム通水路4bやサイホントラップ3に
何らかの原因で閉塞が起きたような場合には、洗浄水は
リム通水路4bの上端高さを越えて貯まることになる。
よって、こうした事態を回避するために、リム通水路4
bの上端高さ位置と下端高さ位置の間の位置から便器外
部の排水管(図示省略)に至る図示しない便器外部オーバ
ーフロー管を設置することが好ましい。
また、フラッシュバルブ211より上流の一次側管路
で負圧が発生したりすると、タンク収納区画5内の洗浄
水の逆流が起きる。しかしながら、図26に示すよう
に、フラッシュバルブ211下流のバキュームブレーカ
212により、この逆流は回避できる。更に、ボール部
2の側からリム通水路4bを経て逆流が起きた場合も、
バキュームブレーカ212をリム通水路4bの上端高さ
より上に設置しておけば、逆流を回避できる。なお、こ
の場合に上記した便器外部オーバーフロー管を設置して
おけば、フラッシュバルブ211の側への洗浄水逆流を
より確実に回避できる。
更に、図26に示す下流配管214の上部湾曲部付近
に逆流回避弁を設ければ、リム通水路4bからタンク収
納区画5の側への逆流も回避できる。
なお、上記の実施例において、大小洗浄時における洗
浄水総量設定を行わないようにすることもできる。この
場合は、リンク機構部224やポンプ区画容器225と
これらに付随した開閉蓋223等の流量設定に関与する
部材を省略し、ジェットポンプ13をタンク収納区画5
に直接水没設置すればよい。
ここで、上記の第4実施例の変形例について説明す
る。図35は第4実施例の変形例を説明するため便器を
断面視した説明図である。
図示するように、この変形例の水洗便器1は、サイホ
ントラップ3を、ボール部2の汚物落し込み凹部2aに
その下方で連結して有する。このサイホントラップ3の
上昇管3aは、汚物落し込み凹部2aより低い位置から立
ち上げて当該凹部に連結されている。
そして、この変形例の水洗便器1では、上昇管3a下
部に、洗浄水を貯留する洗浄水貯留部150を有する。
この洗浄水貯留部150は、上昇管3aの下方から汚物
落し込み凹部2aの下方にかけて、ボール部の台座に区
画形成されている。洗浄水貯留部150は、その最下端
端面の中央部分に、上昇管3aと連通する連通孔151
を備える。連通孔151には、筒状体152が上昇管3
aの管路方向と略平行に固定されている。この筒状体1
52は、下端が洗浄水貯留部150の内部にまで達する
ように固定されている。そして、筒状体152の下方に
は、当該筒状体とは間隙を保った状態で、その貫通孔1
53を指向して吐出ノズル154が配設されている。こ
の吐出ノズル154は、筒状体152を通して上昇管3
aの管路を指向している。吐出ノズル154から洗浄水
を噴出すると、筒状体152には、図示するように洗浄
水貯留部150内の洗浄水が吸引される。これにより、
筒状体152からは、洗浄水が流量増大されて噴出され
る。よって、この吐出ノズル154と筒状体152とで
も、ジェットポンプが構成され、このジェットポンプ
は、上昇管3aの立上がり箇所から当該上昇管の管路を
指向して洗浄水を噴出する。吐出ノズル154は、連結
管155が連結されている。連結管155は、フラッシ
ュバルブ211下流の配管12から分岐して配置されて
おり、吐出ノズル154に作動用水を供給する。
こうした構成を有することから、フラッシュバルブ2
11が大小洗浄時に開弁操作されると、ジェットポンプ
13と吐出ノズル154にほぼ同時に作動用水(水道水)
が供給される。そして、ジェットポンプ13での上記し
た洗浄水噴出と、吐出ノズル154を含むジェットポン
プからの洗浄水噴出が行われる。
この場合、フラッシュバルブ211下流に流路切換弁
を設けることもできる。こうすれば、この切換弁で、ジ
ェットポンプ13への作動用水供給と吐出ノズル154
を含むジェットポンプへの作動用水供給をシーケンシャ
ルに実行することもできる。よって、ボール部2へは、
大小洗浄のそれぞれの洗浄時において、既述した通り、
リム/ジェット/リムの順で洗浄水を吐出することもで
きる。
図示するように、洗浄水貯留部150は、筒状体15
2の貫通孔153を介して上昇管3aおよび汚物落し込
み凹部2aと連通している。よって、ボール部2に洗浄
水が溜水されていれば、洗浄水貯留部150にもこの貫
通孔153を経て洗浄水が流れ込み、洗浄水貯留部15
0には洗浄水が貯留される。なお、貯留部内容積は、約
0.5リットルとされており、この水量の洗浄水が筒状
体152に吸引されて便器洗浄に用いられる。洗浄水貯
留部150への溜水の流れ込み並びに貯留部洗浄水の筒
状体152への吸引が起きるよう、この洗浄水貯留部1
50には、図示しないエア抜き管路が設けられている。
例えば、洗浄水貯留部上端部からタンク収納区画5に至
るまでのエア抜き管路が、サイホントラップ3との干渉
を避けて設けられている。
このように構成された変形例では、ジェットポンプ1
3による既述した効果に加え、次の利点がある。吐出ノ
ズル154を含むジェットポンプにより、上昇管3aの
立上がり箇所からその管路に沿って洗浄水を流量増大の
状態で吐出する。そして、筒状体152からの吐出水に
は、図中に点線の矢印で示すように、上昇管3aと汚物
落し込み凹部2aの連通箇所からこの凹部内の溜水(洗浄
水)が巻き込まれる。つまり、吐出ノズル154と筒状
体152で構成されるジェットポンプによる流量増大と
溜水の巻き込みによる流量増大並びに瞬間流量の増大が
起きた状態で、洗浄水は上昇管3aにその管路に沿って
流れ込む。
よって、サイホントラップ3の上昇管3aには、この
ような流量増大並びに瞬間流量の増大を経て一度に大量
の洗浄水が送り込まれることになる。汚物落し込み凹部
2aにおける汚物は、この大量の洗浄水と共に上昇管3a
の管路に沿って強力に押し挙げられる。しかも、この流
量増大洗浄水の吐出により、上昇管3a並びにその下流
のトラップ管路(下降管等)はこの洗浄水で速やかに洗浄
水で満たされ、サイホントラップ3には、確実に且つ早
期のうちにサイホン作用が起きる。また、筒状体152
から上昇管3aに吐出された洗浄水の流れは、上記のよ
うに溜水を巻き込み、図中に白抜きの矢印で示すよう幅
広の流れとなる。このため、上昇管3aの立上がり箇所
に汚物が存在しても、この幅広の流れで汚物をその周囲
の水と共に上昇管3aに沿って移動させることができ
る。このため、ボール部の汚物の量に拘わらず、より確
実に汚物をサイホントラップ3に搬送して便器洗浄をよ
り確実に実施することができる。しかも、汚物搬送並び
に便器洗浄に際しては、吐出ノズル154からの洗浄水
吐出を図るに過ぎないので、節水化を図ることができる
ことは勿論である。
次に、第5実施例について説明する。この第5実施例
は、大小洗浄時における洗浄水総量を大小設定するに当
たり、大洗浄と小洗浄でジェットポンプ13への洗浄水
供給を異なるものとした。そして、第5実施例の水洗便
器は、ポンプ区画容器225とこれに付随する開閉蓋2
23等を有しない他は、第4実施例の水洗便器と同様の
構成を有する。つまり、タンク収納区画5自体で洗浄水
を貯留し、斜めに配置したジェットポンプ13を有す
る。
図27は第5実施例で用いるフラッシュバルブであっ
て二次側への洗浄水通水量を大小変更可能なフラッシュ
バルブ310の概略断面を表す説明図、図28はその要
部の開閉弁機構376を説明するための周辺拡大断面
図、図29は図28に示す線分L−Lで開閉弁機構37
6を断面視して示す説明図、図30は開閉弁機構376
のディスク室370b内を図29に示す線分S−Sで切
断視して示す説明図である。
図27に示すように、フラッシュバルブ310は、弁
体320を収納したバルブ本体312と、操作部333
とを有する。このフラッシュバルブ310は、第4実施
例におけるフラッシュバルブ211に代わってタンク収
納区画5に配設される。つまり、バルブ本体312の給
水口314は、一次側流路における定流量弁21と、そ
の吐水口316はバキュームブレーカ212を介在させ
て二次側流路である配管12と接続されている。操作部
333は、第4実施例におけるバルブ開閉のためのハン
ドル221、変換機構部220、開弁用ノブ213等に
代わってタンク収納区画5に組み付けられる。
まず、弁体開閉に関与する機構について説明する。操
作部333は、この弁体開閉機構に関与するものであ
り、入水路372Aおよび出水路372B、開閉弁機構
376、ハンドル333a、支持棒333bおよび戻り機
構333cを有する。
バルブ本体312の内部では、弁体320の上方を一
次側洗浄水が流出入する水室322とされている。この
水室322の上壁からその頂面312bまでを貫通する
ことにより、入水路372Aが形成されている。頂面3
12b上に位置する入水路372Aの出口には、内部に
出水路372Bを有する連結管317の一端がナット3
19aを用いて接続されており、この連結管317の他
端は、第二水路318bと、ナット319bを用いて接続
されている。これらの入水路372Aおよび出水路37
2Bにより、水室322と第二水路318bとが連通さ
れる。
連結管317の途中には、開閉弁機構376が設けら
れている。この開閉弁機構376は、ハンドル333a
の操作に伴って水室322内の水の第二水路318bへ
の流出を開始する。これにより、水室322の内圧が低
下するので弁体を挟んだ圧力均衡が崩れ、弁体320は
上昇する。これにより、フラッシュバルブ310は開弁
し、第一水路318aの側から第二水路318bの側に洗
浄水が直接流れ出し、ジェットポンプ13に作動用の洗
浄水が供給される。この洗浄水供給に伴い既述したよう
にジェット洗浄水吐出が行われる。開閉弁機構376
は、この開弁動作を行うと共に、ハンドル333aの操
作から所定期間経過した後に、水室322から第二水路
318bへの水の流出を停止する。この際、開閉弁機構
376は、水室322から第二水路318bへの水の流
出を停止する時期を2通りに調節可能とされている。こ
の弁体開閉・停止時期調整については、後述する。
なお、連結管317は、水室322と第二水路318
bとを連通すべくバルブ本体外部に配管形成されている
が、バルブ本体312のケーシングと一体に形成するこ
ともできる。
次に、上記のように上昇した弁体320を降下させて
フラッシュバルブ310を閉弁するため、以下のように
構成されている。図27に示すように、弁体320に
は、その頂部320cから袖部320dまでを貫通する貫
通孔320gが設けられている。この貫通孔320によ
り、第一水路318aと水室322とを連通する水の流
路が形成される。即ち、弁体320の開弁後に第一水路
318aから主水路318cに流れ込んだ水は、この貫通
孔320gを通って、水室322に流入する。これによ
り、水室322の内圧が上昇するので、弁体320は、
この圧力を受けて降下し、閉弁する。こうなることで、
第一水路318aの側から第二水路318bの側への洗浄
水通水が絶たれ、噴射ノズル131からの洗浄水噴出を
始めとするジェットポンプ13の一切の作動は停止す
る。
また、このフラッシュバルブ310では、第二水路3
18bの側への洗浄水通水の停止、延いてはジェットポ
ンプ13の作動停止の様子をも、上記の開閉弁機構37
6で調整する。このため、次のようにして開閉弁機構3
76を構成している。
図28に示すように、水室322からの連結管317
の途中には、連結管317と一体として弁室370が形
成されている。この弁室370は、連結管317内の出
水路372Bと連続するコマ室370aと、コマ室37
0aと連続するディスク室370bとからなる。コマ室3
70aには、コマパッキン378が収納されており、デ
ィスク室370bには、ディスク板377,戻り機構3
33cおよび支持棒333bの一部が収納されている。
コマ室370aには、水室322から流れてきた水を
第二水路318bに連絡するための連結孔371が形成
されている。出水路372Bは、この連結孔371を境
として、連通孔371よりも上流側の第一出水路372
Baと弁室370よりも下流側の第二出水路372Bbに
区分される。
コマパッキン378の一部であるパッキン部378a
は、連絡孔371越しに第一出水路372Ba内に収納
されている。図28に示す開閉弁機構376の閉弁状態
では、第一出水路372Baの内壁と密接したパッキン
部378aが連絡孔371を塞いだ状態となっている。
コマパッキン378がこのような状態とされることによ
り、第一出水路372Baから第二出水路372Bbへの
水の流出が禁止される。
この図28に示す閉弁状態から、パッキン部378a
が第一出水路372Baの内壁から離れて、連絡孔37
1が開放された状態となると、連絡孔371とコマパッ
キン378との間に隙間が形成される。これにより、開
閉弁機構376は開弁状態となり、コマパッキン378
によって堰き止められていた第一出水路372Ba内の
水は、上記隙間を通ってコマ室370aに進入し、この
後、第二出水路372Bbを通じて第二水路318bに流
出する。
コマ室370a内には、その内周壁の一部を内側に突
出させることにより凸部370atが形成されている。こ
の凸部370atの最も内側に突出された面である頂面3
70at1には、所定の厚みのOリング344が埋め込ま
れており、このOリング344はコマパッキン378の
外周に密接されている。このような構造とすることによ
り、開閉弁機構376の開弁によってコマ室370aに
進入した水がディスク室370b内に進入することを防
止している。
凸部370atのディスク室370b側の側面370at
2には、バネ379の一端が装着されている。このバネ
379は、側面370at2上の四箇所に装着されてお
り、図28では、このうちの二箇所の装着位置を示して
いる。この四本のバネ379は、ディスク室370b方
向に付勢されており、各バネ379の他端は、コマパッ
キン378の先端部378bの近傍に形成された幅広の
アーム部378cを押圧している。
コマ室370aとディスク室370bは、間仕切壁37
0cで区切られている。この間仕切壁370cには、図2
8に点線で示すように、コマパッキン378の先端部3
78bよりも大径の孔370cpが設けられている。この
孔370cpが設けられる位置については後述する。図2
8に示す開閉弁機構376の閉弁状態では、各バネ37
9によってアーム部378cが押圧されることにより、
コマパッキン378は、アーム部378cが間仕切壁3
70cに押しつけられるとともに、先端部378bが孔3
70cp越しにディスク室370b内に突出した状態とな
っている。
間仕切壁370cのディスク室370b側の側面370
dには、ディスク板377が回転可能に装着されてい
る。このディスク板377の回転中心に、ハンドル33
3aと連結された支持棒333bが装着される。これによ
り、ハンドル333aの回転に伴って、支持棒333bお
よびディスク板377が回転する。また、支持棒333
bには板ばね333dを内蔵する戻り機構333cが装着
される。従って、回転された支持棒333bおよびディ
スク板377は、戻り機構333cに内蔵された板ばね
333dの弾性力によって回転前の状態に戻される。
ディスク板377は、図29に示すように、右半分に
大径の半円部377aを、左半分に小径の半円部377b
を備える。このディスク板377は、図26に示す中心
点Oを中心として左右に回転する。戻り機構333cお
よび支持棒333bの中心は、この中心点Oと同心とさ
れている。
図29の破線部URに示すように、半円部377aの
裏面側には、中心点Oから離れた位置に所定の深さの凹
所377ahが陥没形成されている。間仕切壁370cの
孔370cp越しにディスク室370b内に突出されたコ
マパッキン378の先端部378bは、図30に示すよ
うに、この凹所377ahに入り込んでいる。
この図30に示すように、コマパッキン378の先端
部378bは、アーム部378cがバネ379でディスク
室370b方向に付勢されることにより、孔370cpか
らディスク室370b内に突出している。この先端部3
78bは、凹所377ahに入り込んだ状態を維持する。
先端部378bと凹所377ahがこうした位置関係を採
る間にあっては、開閉弁機構376は閉弁状態となる。
このような位置関係にあるときのディスク板377の位
置を、以下、ニュートラルポジションという。
ニュートラルポジションからディスク板377が回転
されたときのコマパッキン378の先端部378bの様
子は、図31に示されている。今、図30に示す状態か
らハンドル333aが回転操作されたとする。ディスク
板377は、支持棒333bを介してこのハンドル33
3aと連結されているので(図28参照)、ハンドルの回
転に伴って回転する。これにより、凹所377ahは、バ
ンドル回転方向に移動して孔370cpから外れ、図31
に示すように、ディスク板377は、その平らな裏面を
孔370cpに重ねる。このため、ハンドル操作前に孔3
70cpからディスク室370b内に突出されていた先端
部378bは、ディスク板377の平らな裏面で押さ
れ、バネ379の付勢力に抗してコマ室370a方向に
押し下げられる。これにより、パッキン部378aが第
一出水路372Baの内壁から離れ、図31に示すよう
に、連絡孔371とコマパッキン378の間の隙間が形
成される。これにより、開閉弁機構376が開弁状態と
なり、図中に矢印で示すように、第一出水路378Ba
内の水が、第二出水路372Bbに流通可能な状態とな
る。
図29に戻って説明する。中心点Oよりも半円部37
7b側の側面370d上には、側面370dから所定の高
さに立設された二個の突出部381a,381bが設けら
れている。各突出部381a,381bは、ともに半円部
377aの回転軌跡上に、上下の端面377au,377a
dから所定の距離だけ離間して設けられている。この端
面377au,377adと離間する距離は、突出部381
aと突出部381bとの間では異なっている。即ち、図2
9に示すように、中心点Oと下側の端面377adとを結
ぶ線分P−Pと、中心点Oと突出部381aとを結ぶ線
分Q−Qとがなす角θ1と、約45゜であり、中心点O
と上側の端面377auとを結ぶ線分P−Pと、中心点O
と突出部381bとを結ぶ線分Q−Qとがなす角θ2
は、約30゜となっている。従って、ディスク板377
は、ニュートラルポジションから時計回り方向に約45
゜回転し、ニュートラルポジションから時計回り方向に
約30゜回転する。これ以上の回転は、端面377ad,
377auと突出部381a,381bとの衝突により、阻
止される。
ディスク板377の半円部377aの外周には、多数
の歯が形成されている。この多数の歯のうちの一部は、
オイルダンパー380の油圧回転部380cの側面に形
成された歯と噛み合っている。ディスク板377は、上
記の双方の歯が噛み合いながら、油圧回転部380cの
油圧に制御されてゆっくりと回転する。従って、ハンド
ル333aの操作を行なう際には、油圧回転部380cの
油圧により、ディスク板377の回転に一定の抵抗が付
与される。これにより、使用者に適当な操作感を与える
ことができる。また、ハンドル333aの操作後にハン
ドル333aから手を離した後においても、戻り機構3
33cの作用によるディスク板377の回転に一定の抵
抗が付与される。この結果、ディスク板377はゆっく
りと元の位置に戻る。
図32は、ディスク板377とハンドル333aとの
位置関係を説明するための説明図である。図32に示す
ように、ディスク板377が上記のニュートラルポジシ
ョンにあると、ハンドル333aは、図示するニュート
ラル位置にある。このニュートラル位置のハンドル33
3aを時計回り方向である大洗浄の方向に操作すると、
ハンドル333a並びにディスク板377は、突出部3
81aの規制により、約45゜だけ回転する。反時計回
り方向である小洗浄の方向に操作すると、ハンドル33
3a並びにディスク板377は、突出部381bの規制に
より、約30゜だけ回転する。この後、ハンドル333
aから手を離すと戻り機構333cが働くが、この場合、
ハンドル333a並びにディスク板377は、オイルダ
ンパー380の作用により、大洗浄、小洗浄ともに同じ
速さでニュートラル位置まで戻る。
なお、上記の弁室370を、連結管317とは別の部
材として設け、連結管317にナット等で装着する構成
としても差し支えない。こうすれば、コマパッキン37
8のパッキン部378aやOリング344,ディスク板
378が磨耗した場合に、コマ室370aやディスク室
370bごと交換することが可能となり、交換に伴う作
業が容易となる。
次に、以上のように構成されたフラッシュバルブ31
0による洗浄水の通水の様子、即ち、ジェットポンプ1
3の噴射ノズル131への洗浄水の供給(以下、作動用
洗浄水供給という)の様子について説明する。このフラ
ッシュバルブ310では、弁体320の開弁期間、即ち
ハンドル操作の後に水室322内の水が第二水路318
bに流出される期間(以下、水室洗浄水流出期間という)
を、大洗浄,小洗浄のそれぞれについて異ならせること
で、作動用洗浄水供給量を大小洗浄で異なるものとす
る。図33は水室322から第二水路318bへの流出
期間と弁体320の開弁期間との関係を示すグラフであ
る。
図33の上段のグラフは、水室322から第二水路3
18bへの流出期間と流出される水の瞬間流量との関係
を示す。水室322から第二水路318bへの瞬間流量
は、大洗浄の場合(折れ線HD)と小洗浄の場合(折れ線
HS)とでは、ほぼ等しい。開閉弁機構376の開弁時
に、連絡孔371とコマパッキン378との間に形成さ
れる隙間の大きさは、大洗浄の場合と小洗浄の場合とで
同じであるからである。
一方、水室322から第二水路318bへの流出期間
は、小洗浄の場合(時間Tの経過後まで)の方が大洗浄
の場合(時間Tの経過後まで)よりも短くなっている。
即ち、図29および図32に示したように、小洗浄の場
合には、ハンドル操作に伴うディスク板377の回転
が、大洗浄の場合よりも約15゜分少ない。一方、ハン
ドル333a並びにディスク板377は、オイルダンパ
ー380の作用により、大洗浄,小洗浄ともに同じ速さ
でニュートラル側に戻ろうとする。このため、ディスク
板377の回転角度の小さい小洗浄の場合の方が、早く
ニュートラルポジションに戻ることになる。従って、小
洗浄の場合には、コマパッキン378の先端部378b
は凹所377ahに短時間で入り込み、コマパッキン37
8のパッキン部378aにより連絡孔371は短時間で
塞がれる。この結果、小洗浄の場合の方が、第一出水路
372Baから第二出水路378Bbへの水の流出が許容
される期間が短くなる。よって、小洗浄時にあっては、
水室洗浄水流出期間が短くなって開閉弁機構376は短
時間で閉弁状態となる。
このように水室322から第二水路318bに水が流
出し得ない状態となると、水室322内に水が溜まり始
める。従って、ハンドル操作に伴う弁体320の開弁後
に第一水路318aから貫通孔320gを通じて水室32
2に補給された水は、図33の中段のグラフに示すよう
に、小洗浄の場合には時間Tの経過後に(折れ線WS
を参照)、大洗浄の場合には、時間Tの経過後に(折れ
線WDを参照)、水室322内に溜まり始める。第一水
路318aからの水は、貫通孔320gを通過して水室に
流入するので、水室322への水の瞬間流量は、大洗浄
の場合と小洗浄の場合とで同じとなる。このため、大洗
浄,小洗浄のいずれの場合も、水室322内に水が溜ま
り始めてから同じ時間が経過したときに、水室322が
満水状態となる。従って、図33の中段のグラフに示す
ように、水室322は、小洗浄の場合には、洗浄開始後
の早期(時間Tの経過時)に水室322が満水となり、
大洗浄の場合には、小洗浄の場合よりも遅い時期(時間
Tの経過時)に満水となる。
つまり、図33の下段のグラフに示すように、小洗浄
の場合の弁体320の開弁期間(O〜Tの間)は、大洗
浄の場合の開弁期間(O〜Tの間)より短くなる。この
結果、第一水路318aから第二水路318bに供給され
る水の総量、即ち上記の作動用水洗浄水供給量は、小洗
浄で少なく、大洗浄で多くなる。この大小洗浄時の作動
用洗浄水供給量a1、a2は、便器洗浄に使用する洗浄水
総量が大洗浄で約6リットル、小洗浄で約4リットルと
なるように、ポンプ仕様を始めとする止水弁分岐管径、
ボールサイズ等の設計パラメータを便器設計の段階で考
慮して定めた。
以上説明したフラッシュバルブ310をジェットポン
プ13の作動用洗浄水供給に用いる第5実施例によれ
ば、作動用洗浄水供給量を大小洗浄で変更設定すること
で、大小洗浄時における洗浄水総量を用便種類に応じて
大小変更することができる。
そして、このフラッシュバルブ310では、作動用洗
浄水供給量の大小設定を、上記の弁体320の開弁期間
の調節で行うこととし、この開弁期間調整を上記したよ
うな機械駆動式の開閉弁機構376によって行なう。具
体的には、ハンドル操作に伴うディスク板377の回転
角度を大洗浄と小洗浄との間で異なる角度とすることに
より、該ディスク板377が操作前のニュートラルポジ
ションに戻るまでに要する時間を異ならせる。従って、
電源のない場所にも、大小用便に応じた洗浄水総量の洗
浄水で便器洗浄が可能な水洗便器を設置することが可能
となり、汎用性を高めることができる。
次に、第6実施例について説明する。この第6実施例
は、便器洗浄時における洗浄水総量を便器製造の際に設
定するに当たり、複数用意された設定洗浄水水量(洗浄
水総量)のうちの一の洗浄水水量に確定するようにした
点に特徴がある。なお、この第6実施例の水洗便器は、
第1実施例のように、ジェットポンプ13を水没配置し
た機器構成とすることができる。この場合には、確定洗
浄水水量の洗浄水で便器洗浄が行われる。また、第6実
施例は、大小洗浄時における洗浄水水量を大小設定する
上記の第4実施例と同様の機器構成を採ることもでき
る。こうすれば、大洗浄時には、確定洗浄水水量の洗浄
水で便器洗浄が行われ、小洗浄時には、この確定洗浄水
水量より少ない水量の洗浄水で便器洗浄が行われことに
なる。
図36は、第6実施例で用いるフラッシュバルブであっ
て二次側への洗浄水通水量を複数用意された設定洗浄水
水量(洗浄水総量)のうちの一の洗浄水水量に確定可能な
フラッシュバルブ410の概略断面を表す説明図、図3
7はフラッシュバルブ410が有する弁体420を説明
するためその上面および底面を表す説明図、図38は弁
体420に選択部材462を嵌め込んだときの弁体42
0の底面の様子を説明する説明図である。
図36に示すように、フラッシュバルブ410は、バ
ルブ本体412に弁体420を収納し、開弁動作を起こ
すための操作部433をバルブ本体412から突出させ
ている。このフラッシュバルブ410は、第1実施例に
おけるフラッシュバルブ11或いは第4実施例における
フラッシュバルブ211に代わってタンク収納区画5に
配設される。つまり、バルブ本体412の給水口414
は、その上流の一次側流路と、吐水口416は下流の二
次側流路である配管12と接続されている。なお、操作
部433は、第4実施例におけるバルブ開閉のためのハ
ンドル221、変換機構部220、開弁用ノブ213等
に代わってタンク収納区画5に組み付けられる。
操作部433は、ハンドル433aを蓋6の外に位置
させた状態で、支持棒433bで支えている。蓋6は保
守作業等のために取り外されるが、この蓋6の取り外し
に支障がないよう、ハンドル433aはその支持棒43
3bから着脱可能とされている。なお、ハンドル433a
がタンク収納区画5の側面の側に配置するようにもでき
る。
ハンドル433aが回転操作されると、支持棒433b
はこのハンドルと一体に回転し、支持棒下端に嵌合固定
された上ディスク板476bを回転させる。なお、ハン
ドル操作に伴って回転した支持棒433bは、戻り機構
433cが内蔵する板ばね433dの弾性力を受けて、回
転前の状態に戻されるようになっている。
バルブ本体412の内部では、弁体420の上方を一
次側洗浄水が流出入する水室422とされている。弁体
420は、その外縁部に、頂部420cから袖部420d
までを貫通する8個の貫通孔420g2〜n2を備える。
第6実施例のフラッシュバルブ410では、この貫通孔
420g2〜n2が、弁体420の開弁後に第一水路41
8aから水室422に補給される水の流路、即ち、連通
流路432として機能する。
弁体420を貫通する8個の貫通孔420g2〜n2
は、図37(A),(B)に示すように、略円形の孔とし
て、弁体420の外周のやや内側に等ピッチで設けられ
ている。図37(A)に示すように、頂部420c上に位
置する貫通孔420g2〜n2の出口部の内径は、各貫通
孔420g2〜n2ともに同じであり、約1.5mmとい
う値を採る。一方、図37(B)に示すように、貫通孔4
20g2〜n2の出口部は、袖部420d上に形成された
凹部420g1〜n1の底部内に位置しており、この貫通
孔420g2〜n2の出口部の内径は、各貫通孔420g
2〜n2ごとにそれぞれに異なっている。具体的には、
貫通孔420g2の内径は約1.2mm,貫通孔420h
2の内径は約1.1mm,貫通孔420i2の内径は約
1.0mm,貫通孔420j2の内径は約0.9mm,
貫通孔420k2の内径は約0.8mm,貫通孔420l
2の内径は約0.7mm,貫通孔420m2の内径は約
0.6mm,貫通孔420n2の内径は約0.5mmと
されている。
図37(B)および図36に示すように、弁体420の
袖部420dには、所定の深さの凹部420g1〜n1が
設けられている。各貫通孔420g2〜n2の入口部は、
該入口部よりも大きな断面積で形成される各凹部420
g1〜n1の底面に形成される。
凹部420g1〜n1およびこの凹部420g1〜n1と
連続する貫通孔420g2〜n2の断面形状について、図
36に戻って説明する。図36に示すように、袖部42
0dには凹部420g1,k1が設けられている。この凹
部420g1,k1の上方には、凹部420g1,k1の凹
底面から頂部420cまでを貫通する貫通孔420g2,
k2が形成されている。この貫通孔420g2,k2の断
面積は、凹部420g1,k1の凹底面に位置する入口部
において最小とされている。この後、貫通孔420g
2,k2の断面積は、入口部から頂部20cに向かうにつ
れて漸増し、貫通孔420g2,k2の途中から頂部42
0c上の出口部に至るまでは、ほぼ同一の断面積とな
る。なお、図36に表わされていない他の貫通孔420
h2〜j2,l2〜n2も、貫通孔420g2,k2と同様
に、その断面積は入口部において最小であり、入口部か
ら漸増して、貫通孔420h2〜j2,l2〜n2の途中か
ら頂部420c上の出口部に至るまでは、ほぼ同一の断
面積となる。
図37に戻って説明する。図37(A)に示すように、
8個の貫通孔420g2〜n2は、隣り合う孔の中心間の
距離r2がほぼ等間隔となるように配置されている。ま
た、図37(B)に示すように、貫通孔420g2〜n2
は、弁体420の外周に沿って、底面から見て時計方向
に向かって、貫通孔420n2,貫通孔420m2,貫通
孔420l2,貫通孔420k2,貫通孔420j2,貫
通孔420i2,貫通孔420h2,貫通孔420g2と
いう順に配置されている。つまり、時計方向に連続した
8個の孔は、入口部の開孔面積の大きさの順に配列され
ている。
図37(B)に示すように、各凹部420g1〜n1は、
それぞれ同じ形状で形成されている。この凹部420g
1〜n1内には、図38に示すように、8個の被覆体4
62g〜nによって構成される選択部材462が嵌め込ま
れる。なお、弁体420は、8個の被覆体462g〜nの
うちのいずれか1個を凹部420g1〜n1に非装着とし
た状態で用いられる。図36において用いられている弁
体420は、凹部420g1に被覆体462gを非装着と
した弁体420を、図38に示す線分M−Mで切断した
ときの様子を示している。
8個の各被覆体462g〜nは、凹部420g1〜n1の
形状よりも若干大きめの弾性材を用いて、同じ形状に形
成されている。この弾性材としては、弾性を有する樹脂
やゴム等を考えることができる。このため、被覆体46
2g〜nを凹部420g1〜n1に嵌め込むと、被覆体46
2g〜nは、その弾性力により、凹部420g1〜n1の内
壁に圧接する。これにより、貫通孔420g2〜n2は、
水の通過が禁止された状態となる。
また、凹部420g1〜n1に嵌め込まれた被覆体46
2g〜nを、後から取り外すことも可能である。具体的に
は、凹部420g1〜n1と被覆体462g〜nとの圧接部
分にドライバーの先端を差し込み、ドライバーの先端
を、被覆体462g〜nが縮む方向に押圧しながら引き上
げてやればよい。
図38および図37(B)に示すように、袖部420d
上の、各凹部420g1〜k1の近傍には、各凹部420
g1〜n1の位置ごとに異なる数値が転写されている。こ
の数値は、凹部420g1〜n1のいずれかに被覆体46
2g〜nを装着しなかった場合における、第一水路418
aから第二水路418bに供給される水の総量(総流量Q)
の値を表わす。この総流量Qの値については後述する。
このように構成された第6実施例のフラッシュバルブ
410における、開弁の様子や、水室補給に伴う閉弁の
様子について説明する。フラッシュバルブ410におい
ては、操作部433と、上ディスク板476bおよび下
ディスク板476aからなる第二開閉弁機構476、水
室422からディスク室までの貫通路472Aaおよび
貫通路472Abからなる入水路472Aと、ディスク
室から吐水口416までの貫通路472Baおよび内部
流路472Bbからなる出水路472Bが、弁体420
の開弁に関与する。
即ち、図36に示す弁体420の閉弁状態では、給水
口414から流れ込んだ水(作動用水)は、閉弁状態の弁
体420で堰き止められる。この状態では、第一水路4
18a内および水室422内には水で充満されている。
今、ハンドル433aが便器洗浄のために回転操作され
ると、この操作方向に、支持棒433b並びにその下端
の上ディスク板476bが回転する。この上ディスク板
476bの回転により、入水路472Aと出水路472
Bが連通状態とされる。つまり、上ディスク板476b
は、回転軸を中心に2個の貫通孔を対称配置して備え、
そのうちの1個を、ディスク回転により入水路472A
の貫通路472Abと下ディスク板476aの溝475の
双方に連通させる。また、上ディスク板476bは、他
の貫通孔を、出水路472Bの貫通路472Baと下デ
ィスク板476aの溝475の双方に連通させる。これ
により、入水路472Aと出水路472Bは溝475を
介して連通状態となるので、水室422内の水および入
水路472Aの管路内の水は、上ディスク板476bお
よび下ディスク板476aを通って、大気解放の出水路
472Bに流入し、この後、連結管417の内部を通っ
て第二水路418bに流出する。この結果、弁体420
が水室422方向に上昇し、弁体420が開弁状態とな
る。
水室422および入水路472Aに溜まっていた水
は、水室422と出水路472Bとの差圧により、瞬時
に出水路472Bに流入する。一方、回転操作されたハ
ンドル433aおよび支持棒433bは、戻り機構433
cの作用により、図36に示す操作前の元の位置に戻
る。これに伴って、支持棒433bと一体の上ディスク
板476bも、元の位置に戻る。これにより、上ディス
ク板476bの貫通孔と下ディスク板476aの溝475
を介した入水路472Aの出水路472Bの連通は、絶
たれる。従って、これ以降では、被覆体462gが非装
着の貫通孔420g2を通して水室422内に水が補給
される。この場合、水室422に補給された水は、入水
路472Aにも入り込むが、上ディスク板476bの上
面によって封止される。これにより、洗浄開始動作の終
了後における下ディスク板476aや出水路472Bへ
の水の進入が禁止される。
開弁状態とされた弁体420は、水室422への水補
給により、次のようにして閉弁する。弁体420の開弁
に伴って第一水路418aから第二水路418bに水が供
給される際、上昇した弁体420の下方には多量の水が
流れ込む。このため、第一水路418aおよび主水路4
18cはほぼ満水状態となり、弁体420の袖部420d
に水が圧接する。これにより、第一水路418aから第
二水路418bに供給される水の一部が、被覆体非装着
の貫通孔420g2の入口部に流れ込む。入口部に流れ
込んだ水は、水圧(給水圧;一次圧)により貫通孔420
g2を通過して水室422に流れ込むので、水室422
には水が補給される。このように水室422に水が補給
される結果、弁体420が徐々に下降し、水室422が
ほぼ満水となったときに、弁体420が閉弁する。
以上のように構成された第6実施例のフラッシュバル
ブ410は、弁体420の開弁期間を、予め規定された
複数通りの期間のうちの一の期間に調節する。第6実施
例では、この開弁期間の調節を、ハンドル433a操作
の後に水室422に単位時間当たりに補給される水量
(以下、水室422への瞬間流量という)を異ならせるこ
とによって実現する。
このような開弁期間の調節は、入口部が異径とされた
8個の貫通孔420g2〜n2と該貫通孔420g2〜n2
を覆う被覆体462g〜nという、非電気的な構造によっ
て実現される。具体的には、被覆体462g〜nの着脱状
態を変えることにより、第一水路418aから水室42
2に補給される途中の水が通過する貫通孔420g2〜n
2の開孔面積を異ならせることによって実現する。
図39は各貫通孔420g2〜n2の入口部の内径D2
と便器洗浄に用いる洗浄水の総流量Qとの関係を示す説
明図である。この場合、本実施例では、フラッシュバル
ブからジェットポンプ13に作動用水を供給し、既述し
たように。このジェットポンプ13からの吐出洗浄水で
便器洗浄を行う。よって、フラッシュバルブ410が第
一水路418aから第二水路418bに供給する水(作動
用水)の供給量は、便器洗浄のための総流量Qが得られ
るようこの総流量Qと関連付けて定められている。第6
実施例では、弁体420の貫通孔420g2〜n2の入口
部の内径D2が大きくなるほど(換言すれば開孔面積が
大きくなるほど)、水室422への瞬間流量が増加して
弁体420の開弁期間が短くなり、第一水路418aか
ら第二水路418bに流れる洗浄水水量(即ち、ジェット
ポンプ13への供給作動用水量)が少なくなる。このこ
とに着目し、図39に示すように、貫通孔420g2〜n
2の入口部の開孔面積の大きさに応じて上記の総流量Q
を予め規定している。
具体的には、第一水路418aからの水が、貫通孔4
20g2(内径約1.2mm)を通過して水室422に流
入する場合には、貫通孔内径が大きいことから弁体42
0の開弁時間が短くなる。このため、開弁期間中におけ
るジェットポンプ13への作動用水供給・ジェットポン
プ吐水に伴う洗浄水(便器洗浄用洗浄水)の総流量Qは、
約5リットルと少量となる。他の貫通孔の場合は、それ
ぞれ図中に記した総流量Qとなるようにされている。こ
れらの数値は、図37(B)および図38において袖部4
20d上に転写されていた数値と同じである。
以上説明したフラッシュバルブ410をジェットポン
プ13の作動用洗浄水供給に用いる第6実施例では、便
器製造の際に、弁体420の異なる断面積の貫通孔42
0g2〜n2を、水室への水補給用に適宜選択すること
で、弁体420の開弁時間を種々のものから一に確定で
きる。そして、この開弁時間の確定を通して、フラッシ
ュバルブからの洗浄水供給量(総流量Q)を調整できる。
この結果、便器設置先の水道事情や設置地域の法規制等
に適合した洗浄水水量で便器洗浄を行う水洗便器を、貫
通孔420g2〜n2の使い分けという簡便な手法で提供
できる。
また、この第6実施例のフラッシュバルブ410は、
各貫通孔420g2〜n2を塞ぐための被覆体462g〜n
を備え、この被覆体462g〜nを着脱可能に構成する。
従って、使用者は、各被覆体462g〜nを着脱する態
様を変更することにより、所望の吐水量を選択すること
ができる。
また、フラッシュバルブ410では、各貫通孔420
g2〜n2の近傍に、各貫通孔420g2〜n2から被覆体
462g〜nを外したときに吐水される吐水量(便器洗浄
用洗浄水の総流量Q)を表示する。従って、所望の吐水
量を簡単かつ確実に選択することができる。なお、上記
以外の方法で、吐水量(上記の総流量Q)を識別すること
としてもよい。例えば、各貫通孔420g2〜n2から被
覆体462g〜nを外したときに吐水される吐水量を、被
覆体462g〜n上に表示すること等を考えることができ
る。また、フラッシュバルブ410が用いられる地域に
応じて被覆体462g〜nの色を変更することも好適であ
る。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上
記の実施例や実施形態になんら限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態
様で実施し得ることは勿論である。
例えば、第1ないし第3実施例における種々の変形例
を、第4実施例や第5実施例或いは第6実施例にも適用
することもできる。
また、噴射ノズル131を、中央の貫通流路131h
が閉鎖されものとすることもできる。或いは、噴射ノズ
ル131を、洗浄水を柱状に噴出するだけの単純なノズ
ル形状のものとすることもできる、 産業上の利用可能性 給水先への給水洗浄水を貯留するタンクを有する洗浄
水給水装置や給水先が便器とされた水洗便器において、
洗浄水貯留状況の自由度向上、洗浄水吐出流量の確実な
増大を図る上で有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 孝幸 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 長門 賢一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 末廣 淳孝 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−277568(JP,A) 特開2001−279767(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 1/00 - 5/12 E03D 11/02 - 11/08

Claims (47)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄水にて便器を洗浄する水洗便器であ
    って、 洗浄水を貯留する洗浄水タンクを有する便器洗浄タンク
    装置と、 該便器洗浄タンク装置から前記便器に洗浄水を導くよう
    配設され、流路の両端にのみ開口を有する供給路とを備
    え、 前記便器洗浄タンク装置は、 噴射ノズルと当該ノズルに対向配置するスロートとを有
    するジェットポンプと、 前記噴射ノズルに作動用水を供給し、前記噴射ノズルか
    ら作動用水を噴出させる噴射ノズル用給水ユニットとを
    備え、 前記スロートの噴出洗浄水が前記供給路に流入するよ
    う、前記スロートを前記供給路の流路一端側に連結接続
    し、 前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄水
    噴出に伴って前記スロートに流入するよう、前記ジェッ
    トポンプを前記洗浄水タンク内に水没設置した ことを特徴とする水洗便器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水洗便器であって、 前記噴射ノズル用給水ユニットは、前記スロートからの
    洗浄水を前記洗浄水タンクの満水水位を越える位置に便
    器洗浄期間に亘って継続噴出するよう、前記作動用水を
    供給する、水洗便器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の水洗便器
    であって、 前記供給路は、前記満水水位より高い位置を通る管路経
    路を有すると共に、管路末端を前記満水水位より高い位
    置に有する、水洗便器。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記噴射ノズル用給水ユニットは、前記噴射ノズルの側
    からの洗浄水逆流を防止する逆流回避弁を有する、水洗
    便器。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記供給路は、前記便器の側からの洗浄水逆流を防止す
    る逆流回避弁を有する、水洗便器。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    水洗便器であって、 前記供給路を経て前記便器に導かれる洗浄水水量を、複
    数用意された設定洗浄水水量のうちの一に確定する水量
    確定部を備える、水洗便器。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の水洗便器であって、 前記水量確定部は、前記噴射ノズル用給水ユニットから
    の作動用水供給量を供給時間の調整を経て確定する手段
    とされている、水洗便器。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7いずれか記載の
    水洗便器であって、 便器洗浄の開始を噴射ノズル用給水ユニットに指示する
    ために操作される操作部と、 前記供給路を経て前記便器に導かれる洗浄水水量を、前
    記操作部の操作状況に応じて設定する水量設定部とを備
    え、 前記水量設定部は、 前記操作部が第1のパターンでの洗浄開始指示のために
    操作された第1洗浄時には前記洗浄水水量を第1水量と
    し、前記操作部が第2のパターンでの洗浄開示指示のた
    めに操作された第2洗浄時には前記洗浄水水量を前記第
    1水量より多い第2水量とする、水洗便器。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の水洗便器であって、 前記水量設定部は、 前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄水
    噴出に伴って前記スロートに流入する流入量を制限する
    制限部を有する、水洗便器。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の水洗便器であって、 前記制限部は、 前記第1洗浄時に前記スロートへの流入量を制限する、
    水洗便器。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の水洗便器であって、 前記制限部は、 前記洗浄水タンク内に水没設置された前記ジェットポン
    プを取り囲むタンク内区画体と、 該タンク内区画体の内外をタンク内洗浄水が通水可能と
    する通水部と、 前記第1洗浄時に、前記通水部を洗浄水通水不可とし、
    前記第2洗浄時に、前記通水部を洗浄水通水可とする通
    水切換部とを有する、水洗便器。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の水洗便器であって、 前記水量設定部は、 前記噴射ノズル用給水ユニットから前記噴射ノズルに供
    給する作動用水水量を、前記第1洗浄時には前記第1水
    量に対応した第1供給量とし、前記第2洗浄時には前記
    第2水量に対応した第2供給量とする供給水量変更部を
    有する、水洗便器。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記スロートは、管路径が狭小とされた絞り部を有する
    ベンチュリ管とされている、水洗便器。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記ジェットポンプは、噴射ノズル噴出口とスロート流
    入口との間に間隙が形成され、該間隙が前記洗浄水タン
    クの内部空間に開放されるように構成された、水洗便
    器。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の水洗便器であって、 前記噴射ノズルは、その噴出口が上方へ差し向けられる
    よう指向して配設されている、水洗便器。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の水洗便器であって、 前記噴射ノズルは、その噴出口は斜め上方へ差し向けら
    れるよう指向して配設されている、水洗便器。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし請求項16いずれか記
    載の水洗便器であって、 便器のボール部を上縁で取り囲むよう形成されたリムを
    備え、該リムから、前記ボール部表面に沿って洗浄水を
    吐出可能とされたリム吐水機構を有し、 前記噴射ノズルに対向配置する前記スロートを、前記供
    給部を介して前記リム吐水機構と連結させた、水洗便
    器。
  18. 【請求項18】 請請求項1ないし請求項17いずれか
    記載の水洗便器であって、 前記ジェットポンプは、前記洗浄水タンク内で高さ位置
    が調節可能に配設されている、水洗便器。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし請求項18いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記洗浄水タンク内の洗浄水水量が給水要求量まで低減
    すると、前記洗浄水水量がタンク満水水量となるまで前
    記洗浄水タンクに洗浄水を給水するタンク給水ユニット
    を有する、水洗便器。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし請求項19いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記便器洗浄タンク装置は、前記便器に内蔵されてい
    る、水洗便器。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の水洗便器であって、 前記便器洗浄タンク装置の洗浄水タンクを前記便器と一
    体形成して有する、水洗便器。
  22. 【請求項22】 請求項19記載の水洗便器であって、 前記便器洗浄タンク装置は、前記便器に直接載置されて
    いる、水洗便器。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし請求項22いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記噴射ノズルは、前記作動用水の噴出口を環状に形成
    して有する、水洗便器。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の水洗便器であって、 前記環状の噴出口は、環状の連続開口とされている、水
    洗便器。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の水洗便器であって、 前記環状の噴出口は、複数の作動用水噴出部位を環状に
    配設して形成されている、水洗便器。
  26. 【請求項26】 請求項23ないし請求項25いずれか
    記載の水洗便器であって、 前記噴出口の環状形状は、円環形状とされている、水洗
    便器。
  27. 【請求項27】 請求項23ないし請求項26いずれか
    記載の水洗便器であって、 前記噴射ノズルは、前記噴射ノズルを貫通する貫通流路
    を前記環状の噴出口で取り囲んで備え、前記貫通流路を
    前記スロートへの洗浄水通水が可能な洗浄水通水路とす
    る、水洗便器。
  28. 【請求項28】 請求項1ないし請求項27いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記ジェットポンプは、複数の噴射ノズルと複数のスロ
    ートとが一体に組み付けられたジェットポンプ集合体と
    して構成されている、水洗便器。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の水洗便器であって、 作動用水を供給する前記噴射ノズル用給水ユニットは、 作動用水供給のための給水本管と、 該給水本管から分岐し、前記ジェットポンプ集合体の前
    記各噴射ノズルにそれぞれ給水する複数の分岐給水管と
    を有し、 前記複数のスロートは、それぞれが末端側で合流して前
    記供給路に連結接続されている、水洗便器。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の水洗便器であって、 前記ジェットポンプ集合体に作動用水を供給する前記噴
    射ノズル用給水ユニットは、 作動用水供給のための給水本管と、 該給水本管と前記複数の噴射ノズルとを接続する給水側
    マニホールドとを有し、 前記複数のスロートは、それぞれのスロートが接続され
    る吐出側マニホールドを介して前記供給路に連結接続さ
    れている、水洗便器。
  31. 【請求項31】 請求項28ないし請求項30いずれか
    記載の水洗便器であって、 前記複数の噴射ノズルからの洗浄水の噴出状態を制御す
    る噴出制御部を有する、水洗便器。
  32. 【請求項32】 請求項1ないし請求項27いずれか記
    載の水洗便器であって、 前記便器洗浄タンク装置は、前記ジェットポンプを複数
    有し、 前記供給路は、前記複数のジェットポンプごとに用意さ
    れている、水洗便器。
  33. 【請求項33】 請求項28ないし請求項31いずれか
    記載の水洗便器であって、 便器洗浄タンク装置は、前記ジェットポンプ集合体を複
    数有し、 前記供給路は、前記複数のジェットポンプ集合体ごとに
    用意されている、水洗便器。
  34. 【請求項34】 請求項32又は請求項33記載の水洗
    便器であって、 前記供給路は、前記便器の異なる箇所に洗浄水を導くた
    めに配設されている、水洗便器。
  35. 【請求項35】 洗浄水を給水する給水装置であって、 洗浄水を貯留する洗浄水タンクと、 該洗浄水タンク内の洗浄水を給水先に導くよう配設さ
    れ、流路の両端にのみ開口を有する供給路とを備え、 噴射ノズルと当該ノズルに対向配置するスロートとを有
    するジェットポンプと、 前記噴射ノズルに作動用水を供給し、前記噴射ノズルか
    ら作動用水を噴出させる噴射ノズル用給水ユニットとを
    備え、 前記スロートの噴出洗浄水が前記供給路に流入するよ
    う、前記スロートを前記供給路の流路一端側に連結接続
    し、 前記洗浄水タンク内の洗浄水が前記噴射ノズルの洗浄水
    噴出に伴って前記スロートに流入するよう、前記ジェッ
    トポンプを前記洗浄水タンク内に水没設置した ことを特徴とする洗浄水給水装置。
  36. 【請求項36】 請求項35記載の洗浄水給水装置であ
    って、 前記噴射ノズル用給水ユニットは、前記スロートからの
    洗浄水を前記洗浄水タンクの満水水位を越える位置に噴
    出するよう、前記作動用水を供給する、 ことを特徴とする洗浄水給水装置。
  37. 【請求項37】 請求項35または請求項36記載の洗
    浄水給水装置であって、 前記スロートは、管路径が狭小とされた絞り部を有する
    ベンチュリ管とされている、洗浄水給水装置。
  38. 【請求項38】 請求項35ないし請求項37いずれか
    記載の洗浄水給水装置であって、 前記ジェットポンプは、噴射ノズル噴出口とスロート流
    入口との間に間隙が形成され、該間隙が前記洗浄水タン
    クの内部空間に開放されるように構成された、洗浄水給
    水装置。
  39. 【請求項39】 請求項35ないし請求項38いずれか
    記載の洗浄水給水装置であって、 前記ジェットポンプは、前記洗浄水タンク内で高さ位置
    が調節可能に配設されている、洗浄水給水装置。
  40. 【請求項40】 請求項35ないし請求項39いずれか
    記載の洗浄水給水装置であって、 前記噴射ノズルは、前記作動用水の噴出口を環状に形成
    して有する、洗浄水給水装置。
  41. 【請求項41】 請求項40記載の洗浄水給水装置であ
    って、 前記噴出口は、円環状に形成されている、洗浄水給水装
    置。
  42. 【請求項42】 請求項40又は請求項41記載の洗浄
    水給水装置であって、 前記環状の噴出口は、環状の連続開口とされている、洗
    浄水給水装置。
  43. 【請求項43】 請求項40又は請求項41記載の洗浄
    水給水装置であって、 前記環状の噴出口は、複数の前記作動用水の噴出口を環
    状に配設して形成されている、洗浄水給水装置。
  44. 【請求項44】 請求項40ないし請求項43いずれか
    記載の洗浄水給水装置であって、 前記噴射ノズルは、前記噴射ノズルを貫通する貫通流路
    を前記環状の噴出口で取り囲んで備え、前記貫通流路を
    前記スロートへの洗浄水通水が可能な洗浄水通水路とす
    る、洗浄水給水装置。
  45. 【請求項45】 請求項35ないし請求項44いずれか
    記載の洗浄水給水装置であって、 前記ジェットポンプは、複数の噴射ノズルと複数のスロ
    ートとが一体に組み付けられたジェットポンプ集合体と
    して構成されている、洗浄水給水装置。
  46. 【請求項46】 請求項45記載の洗浄水給水装置であ
    って、 作動用水を供給する前記噴射ノズル用給水ユニットは、 作動用水供給のための給水本管と、 該給水本管から分岐し、前記ジェットポンプ集合体の前
    記各噴射ノズルにそれぞれ給水する複数の分岐給水管と
    を有し、 前記複数のスロートは、それぞれが末端側で合流して前
    記供給路に連結接続されている、洗浄水給水装置。
  47. 【請求項47】 請求項45又は請求項46記載の洗浄
    水給水装置であって、 前記複数の噴射ノズルからの洗浄水の噴出状態を制御す
    る噴出制御部を有する、洗浄水給水装置。
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