JP3312516B2 - 溶接割れ感受性、大入熱溶接性及び音響異方性に優れた高張力鋼の製造方法 - Google Patents
溶接割れ感受性、大入熱溶接性及び音響異方性に優れた高張力鋼の製造方法Info
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Description
庫、建築物などの鉄鋼構造物に用いられる溶接割れ感受
性と大入溶接性および音響異方性に優れた600N/m
m2 級高張力鋼の製造方法に関する。
性能向上に関する要望は多く、これまでに数多くの検討
がなされている。これらのうち、溶接割れ感受性の改良
を目的に低C化とTi−B添加を特徴とした技術として
特開昭49−37814号公報、特公平4−13406
号公報などが公知となっている。これらに代表される技
術により、溶接割れ感受性が改良された600N/mm
2 級高張力鋼が得られるが、600N/mm2 級高張力
鋼に要求される引張強さはBの活用により達成されてい
るため、化学成分や製造条件の変動による母材特性の不
安定さが懸念され、さらに溶接熱影響部の硬さ上昇が著
しい。この溶接熱影響部の硬さ上昇は特に大入熱溶接継
手において最も懸念されるボンド部の靭性劣化をもたら
すため好ましくない。
出硬化元素の活用と直接焼入れ法を組み合わせ、耐SS
C性と溶接割れ感受性の改良を目的とした技術である。
この技術による鋼板は、耐SSC性を確保するため徹底
した低C化が図られているので、一般的な大入溶接によ
り継手を作製すると溶接金属の性能が確保されず十分な
継手強度が得られ難い。また、600N/mm2 級高張
力鋼に要求される強度を低C化により達成しているた
め、多量の析出硬化元素の添加に加えて、焼入れ性向上
元素も多量に添加する必要があり、このため大入熱溶接
時の熱影響部粗粒域の硬度上昇を招くため継手靭性も懸
念される。
とV添加および直接焼入れを組み合わせることで、溶接
割れ感受性に優れた600N/mm2 級高張力鋼を提供
しようとするものである。この公報の記載によれば、少
なくとも鋼板の板厚が30mmまでは溶接割れ感受性に
優れた600N/mm2 級高張力鋼が得られることが示
されているが、溶接継手性能に関わる記述はなく、大入
熱溶接性については未解決と言える。
接性に優れた600N/mm2 級高張力鋼に関わる提案
である。この技術の特徴は、低Si化と高Al添加にあ
り溶接割れ感受性は必ずしも解決されていない。
入熱溶接用鋼NK−HIWELの開発」日本鋼管技報N
o.97(1983)や特開昭60−174820号公
報などを挙げることができるが、これらは主に500N
/mm2 級鋼を対象とした技術であり、600N/mm
2 級高張力鋼はその対象から外れる。なお,特開昭60
−174820号公報の実施例の中に一例のみ600N
/mm2 級高張力鋼を示唆する例が示されているが,こ
れは化学成分から明らかなようにBの活用により成し得
たものである。
便さからしばしば斜角探傷法にて超音波探傷検査がおこ
なわれる。しかし音響異方性が大きい鋼板では、主圧延
方向(L方向)とそれに垂直な方向(T方向)の音速が
異なるため,実際には欠陥のない部分に欠陥が検出され
たり,溶接欠陥の正確な位置が把握できないといった問
題が生じている。この問題を解決するために、特開昭6
3−235431号公報、特開平2−305918号公
報では音響異方性の小さな鋼板の製造方法が開示されて
いる。しかし,特開昭63−235431号公報の記載
によれば,600N/mm2 級鋼の実施例は見当たらず,
この発明は500N/mm2 級鋼を対象としたものである
といえる。特開平2−305918号公報には,母材強
度に関する記述がないばかりか,また化学成分について
は,C含有量が高いため,Pcmが0.20を超える,
Si,Mn含有量が過剰なために溶接性が懸念される,
0.0010%以上のBを含むために継手靱性の劣化が
懸念される等,仮に600N/mm2 級鋼を対象とした発
明であったとしても,本発明の目的とする溶接割れ感受
性と大入熱溶接性および音響異方性に優れた高張力鋼を
対象とした発明ではない。
割れ感受性と大入熱溶接性および音響異方性に優れた6
00N/mm2 級高張力鋼の製造方法を提供することであ
る。
るためには、 Pcm=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+N
i/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B で定義されるPcm値を低減することが有効である。係
数の比較からCの低減が最も有効であることが容易に知
れるが、極端な低C化は継手強度の確保を困難とする。
さらに母材強度を確保するため多量の合金元素の添加が
必要となりコスト高を招くばかりか溶接熱影響部粗粒域
の硬化に伴う継手靭性が懸念される。
を確保する手段としてB添加が考えられるが、溶接熱影
響部の著しい硬度上昇に伴う継手靭性の劣化が懸念され
る。従ってBを有効に活用する観点からのTi添加は必
須ではなく、むしろ安定に良好な母材靭性を得る上でT
iは添加しないことが好ましい。そこで、600N/m
m2 級高張力鋼の溶接割れ感受性改善と大入熱溶接性確
保を目的にC量と添加合金元素量の最適化を検討し以下
の知見を骨子として本発明を得た。
手強度を得、かつ合金元素の多量添加を避けるためには
母材に0.06%以上のCを含有させる必要がある。 (2)しかし、0.1%を越えるC添加は、溶接割れ感
受性を高め、継手靭性を劣化させる。
の確保にNbの析出硬化を活用できる。 (4)Nb添加により大入熱溶接継手強度が安定に確保
できる。
量の範囲が存在する。 一方音響異方性は,圧延集合組織の発達により劣化す
る。圧延加工を高温域で施せばこれを防止できるが,不
必要な高温圧延は圧延加工の自由度を制限し,加熱温度
の高温化につながる。これはコスト高や母材靱性劣化を
招く。そこで音響異方性に関する一般的な指針であるJ
IS Z3060による規定,即ち主圧延方向と垂直な
方向の音速比≦1.02を満たす必要十分条件について
検討し,良好な音響異方性を兼ね備えた鋼材を得るため
の製造方法の具体的な指針として以下の知見を得た。
結晶によりほとんど復旧する場合,音速比≦1.02は
満たされ,音響異方性は良好である。 (7)(6)を満たす場合には圧延終了後概ね直接焼き
入れ工程に入るまでに圧延加工により導入された歪みを
再結晶により少なくとも50%以上復旧されなければな
らない。
として,圧延を終了する下限温度を与える関数を見出し
た。 すなわち本発明は,重量%で、C:0.06〜0.1
%、Si:0.01〜0.4%、Mn:0.5〜1.6
%、Mo:0.3%以下、Nb:0.005〜0.05
%、V:0.1%以下、Al:0.005〜0.1%、
N:0.0005〜0.008%、Ti<0.005
%、B<0.0003%を含み、さらに必要によりC
u:0.5%以下、Ni:1.5%以下、Cr:0.5
%以下の1種又は2種以上を含み、Pcm=C+Si/
30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/2
0+Mo/15+V/10+5Bで定義されるPcm値
が0.2以下で、かつ、Ceq=C+Mn/6+Si/
24+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14で定
義されるCeq値および、Nb、V含有量、鋼板厚t
(mm)を用いて、 625Nb+250V+210Ceq≧40+t の関係を満たし、残部が鉄および不可避不純物よりなる
鋼材を、1000℃以上1250℃以下の温度に加熱
後、 T=770−530C+100Mn+15Mo+225
0Nb+100V(℃) で与えられる温度以上で熱間圧延を終了した後、少なく
ともAr3 変態点以上より直接焼き入れし、その後Ac
1 変態点以下の温度にて焼戻しをおこなうことを特徴と
する溶接割れ感受性、大入熱溶接性及び音響異方性に優
れた高張力鋼の製造方法である。ここで,熱間圧延は、
1050℃以下で20%以上の累積圧下率で熱間圧延を
施すのがよい。
て説明する。 <C>先述の様に継手強度の確保と合金元素の多量添加
を避けるため0.06%以上添加する。C量0.06%
未満では0.2%以上のMo添加などが必要となりコス
ト高、大入熱継手靭性の劣化を招く上、大入熱溶接継手
強を確保できない。C量が0.1%を越えると溶接割れ
感受性が劣化し、また大入熱継手靭性の劣化が懸念され
る。
を確保する上で有効に働くので0.01%以上添加す
る。しかし、0.4%を越える添加は溶接割れ感受性と
大入溶接継手靭性を劣化させる。
を確保する上で有効に働くので0.5%以上添加する。
しかし、1.6%を越える添加は溶接割れ感受性を劣化
させる。
継手靭性を劣化させる傾向が認められるため、上限は
0.3%とする。ただし、Moは母材強度と大入熱溶接
強度を確保する上で有効に働くので必要に応じて0.0
1%以上0.2%以下添加するのが好ましい。
を確保する上で有効に働くので0.005%以上添加す
る。しかし、0.05%を越える添加は、後述する関数
から求められる圧延仕上げ温度の下限値が極端に高い値
となり,圧延加工が困難になる。この他にも大入熱溶接
継手靱性を劣化させる傾向も認められることからNb添
加量の上限を0.05%とする。
保する上で有効に働くので必要に応じて0.01%以上
添加する。しかし0.1%を越える添加は溶接割れ感受
性を劣化させ、かつ母材靭性を損なうので0.1%以下
とする。
通常0.005%以上は含有する。また、ミクロ組織の
微細化による母材靭性の確保のために0.01%以上添
加する。しかし、0.1%を越えるAl添加は母材靭性
を損なう。
通じて母材および溶接継手の靭性を改善する効果を有す
る。また、B添加鋼では、焼入れ性に有効に働くBを確
保するためしばしば積極的に添加される。しかし、本発
明では、溶接熱影響部の硬化が懸念されるBを添加せず
に母材強度を確保し、特に熱影響部粗粒域の硬度低減に
より溶接継手靭性を達成するため、Tiを添加する必然
性はない。むしろTi添加による母材性能の不安定さを
懸念し、不純物元素として0.005%未満に規制す
る。特に後述するN含有量の3.4倍を下回ることが望
ましい。
物元素として0.0003%未満に規制しなければなら
ない。 <N>Nは、Al,Nbなどと反応し析出物を形成する
ことでミクロ組織を微細化し、母材靭性を向上させるた
め、および焼戻し時にNb,Vなどと反応し析出硬化に
よる強度確保のために添加する。
の微細化および強度確保に必要な析出物が形成されず、
0.008%を越える添加はむしろ母材および溶接継手
の靭性を損なう。
であり、健全な母材および溶接継手を得るために0.0
15%以下、好ましくは0.01%以下に規制されるこ
とが望ましい。
よび溶接継手強度を向上させる効果を有する。Niはさ
らに靭性を改善する働きを示す。これらの合金元素は本
発明において必須ではないが、化学成分の限定式の範囲
内で添加しても差し支えない。特にMnの一部をこれら
の元素に置き換えることで靭性の向上や偏析の軽減など
を期待できる。
指数であり、通常の環境において溶接施工時の予熱を不
要にするために0.2以下に規制する。
Ceq> 計算式:625Nb+250V+210Ceqは母材の
板厚1/2tにおける強度を表す指数であり、当該業者
間で一般に知られる炭素等量式(Ceq)に本発明の要
であるNb,Vの寄与を加味しさらに概ね15〜60m
mの板厚範囲における板厚効果を考慮して整理した数式
である。
れにより、鋼板Ar3 変態点以上から強制冷却する際、
板厚に応じてその冷却速度が必然的に変化し、そのため
母材強度が変化することを指す。
JIS G3106 SM570Qに適合する鋼板を得
るためには計算式:625Nb+250V+210Ce
qが板厚(mm)に40を加えた値を上回る必要があ
る。なお本発明が対象とする板厚範囲は概ね15〜60
mmの範囲である。
化とNbの固溶を図るため、加熱温度は1000℃以上
に設定する必要がある。しかし、加熱温度が1250℃
を越えるとミクロ組織の粗大化により母材の靭性が確保
されなくなるので上限を1250℃、好ましくは120
0℃とする。
所定の板厚まで熱間圧延する工程は、通常の条件に依っ
て差し支えない。ただし,良好な音響異方性を確保する
ために, T=770−530C+100Mn+15Mo+225
0Nb+100V(℃) の関数で与えられるT(℃)以上で圧延を終了する必要
がある。T(℃)未満で圧延を終了すると音速比1.0
2以下を確保できない。従って,圧延終了温度がT
(℃)を下回らない範囲で圧延加工の自由度が得られ
る。
観点から、1050℃以下の温度域で20%以上の累積
圧下を付与することが望ましい。累積圧下率を20%以
上とすることで、γ粒の再結晶に伴う細粒化を達成し、
母材の靭性をより安定に確保、向上させることができ
る。同じ理由から、圧延1パス毎の圧下率を5%以上、
更に好ましくは10%以上確保することが望ましい。
態点を上回る温度の鋼板を強制冷却により焼入れ処理を
施すことが必要である。強制冷却は水等の冷却媒体を鋼
板に均一に付与し、板厚1/2tの変態温度付近にて概
ね3℃/sec以上の冷却速度を達成させるようにする
ことが必要である。
越える温度で焼戻しを行うと強度の低下が著しく、60
0N/mm2 級高張力鋼としての強度が確保されないた
め、Acl変態点以下でおこなう。ただし、溶接継手強
度確保のため、およびNbの析出硬化による母材強度確
保のため570℃、好ましくは600℃以上で実施する
のがよい。
を示す。表1に示した化学成分の鋼を溶製し、鋼塊とな
し、表2に示した製造条件にて所定の板厚に熱間圧延
後、直接焼入れし、更に焼戻し処理を施し供試鋼を得
た。尚、焼戻し温度は580〜680℃の範囲とした。
また,一部の供試鋼を再加熱焼入れ焼戻し処理し、比較
例に用いた。
およびシャルピー衝撃試験を圧延方向と垂直な方向にて
採取し600N/mm2 級鋼としての母材の機械的性質
を評価した。
音速を主圧延方向(L)と圧延方向と垂直な方向(T)
について測定し,音速比(T/L)を求め,音響異方性
を評価した。さらに、JIS Z3158に準拠して斜
めY型溶接割れ試験を、JIS Z3101に準拠して
最高硬さ試験をそれぞれ実施し、溶接割れ感受性を評価
した。これらの試験はいずれも60キロ級鋼用超低水素
タイプの溶接材料を用いて,雰囲気は20℃−60%、
試験片初期温度25℃の条件で行った。
ーク溶接により継手を作製し、その強度を測定すると共
に、靭性が最も懸念されるボンド部についてシャルピー
衝撃試験を実施し評価した。
厚25mmの供試鋼についてのみ片面1層溶接により作
製し、それ以上の板厚の供試鋼については、板厚中央に
て両面1層に振り分けて溶接し作製した。表2にファイ
ナル側の溶接入熱を明記したが、バッキング側の入熱は
いずれも7〜8kJ/mmである。
鋼は比較鋼である。鋼番Aの鋼の計算値(625Nb+
250V+210Ceq=82)は供試鋼板厚(38)
に40を加えた値(78)を上回り、そのため母材の引
張り強さは570N/mm2を越えた。圧延終了温度は
関数:T(=770−530C+100Mn+15Mo
+2250Nb+100V)に鋼番Aの鋼の化学成分を
代入して得た温度(861℃)より高温であり音響異方
性は良好であった。また、Pcm値は0.17と低く、
Y割れ試験において溶接割れは発生しなかった。しか
し、Nbが添加されていないため大入熱溶接継手強度が
570N/mm2 を下回った。
いた本発明の実施例,No.B3は比較例である。板厚
25mmの供試鋼母材の機械的性質および溶接割れ感受
性は良好であり、かつ、健全な大入熱溶接継手が実現で
きた。しかし,圧延終了温度が鋼番Bの鋼の化学成分か
ら得られるT(℃)を下回るNo.B3は音速比が1.
02を越えた。
1,H1,I1は、Mn,Mo,Nbの含有量を変化さ
せた鋼番C〜Iの鋼による本発明の実施例,No.C
2,D2,D3は比較例である。いずれも健全な母材お
よび大入熱溶接継手の機械的性質が確認され、溶接割れ
感受性も良好であった。また、これらの実施例のように
Mn,Mo,Nb含有量を変化させても計算値と母材強
度の相関は良く、この計算式が工業上有用であることが
示される。しかし,音響異方性については,No.C
2,D2,D3は,鋼番C,Dの鋼の化学成分から得ら
れるT(℃)を下回る温度で圧延を終了しているため音
速比が1.02を越えた。
の鋼による本発明の実施例,No.J2,J3は比較例
である。実施例No.J1は音響異方性が良好であるこ
とがわかる。No.J2は健全な母材および大入熱溶接
継手の機械的性質が確認され,溶接割れ感受性も良好で
あったが,上述のT(℃)を下回る温度で圧延を終了し
たために音速比は1.02を越えた。実施例No.J3
は鋼番Jの鋼に、再加熱焼入れ焼戻しプロセスを適用し
た比較例であり、600N/mm2 級高張力鋼としての
母材強度が確保されない。
外れる鋼番Kの鋼による比較例である。計算式により適
正な合金元素の添加量を見いだしても、大入熱溶接継手
において、健全な溶接金属が得られず、この場合は継手
引張試験において溶接金属部より破断し継手強度が確保
されなかった。
Lの鋼による比較例であり、斜めY型溶接割れ試験にお
いて溶接割れが発生した。実施例No.M1は、C含有
量が高く、Nbを含まない鋼番Mの鋼による比較例であ
る。斜めY型溶接割れ試験において溶接割れは発生なか
ったが、最高硬さは290Hvを越え良好とは言えな
い。また、大入熱溶接継手の靭性は、本発明例のいずれ
よりも劣る。
1は、Cu,Ni,Crを含有する場合の鋼番N,O,
P,Q,Sの鋼による本発明例である。No.R1は鋼
番Rの鋼による比較鋼である。Crを本発明の規定範囲
を越えて含有し、かつPcm値が0.2を越えたため、
斜めY型溶接割れ試験において、溶接割れが発生した。
T,Uの鋼による比較例である。いずれも良好な母材強
度が得られているが、母材靭性はTiが複合添加された
鋼番Uの鋼によるNo.U1の方が良好である。いずれ
も溶接割れ感受性は良好であるが、大入熱溶接継手の靭
性は悪い。
感受性が低く、かつ大入熱溶接性および音響異方性に優
れた600N/mm2 級高張力鋼およびその製造方法を
提供できる。
溶接継手部の硬度分布を示した図。図中矢印がボンド部
を表し、その極近傍の母材側熱影響部の硬度は低い値を
示している。
溶接継手部の硬度分布を示した図。図中矢印がボンド部
を表し、その極近傍の母材側熱影響部の硬度は低い値を
示している。
溶接継手部の硬度分布を示した図。図中矢印がボンド部
を表し、その極近傍の母材側熱影響部の硬度は低い値を
示している。
溶接継手部の硬度分布を示した図。図中矢印がボンド部
を表し、その極近傍の母材側熱影響部の硬度は低い値を
示している。
接継手部の硬度分布を示した図。熱影響部のボンド部近
傍で本発明例と比べて著しい硬度上昇が認められる。
C+100Mn+15Mo+2250Nb+100V)
により計算される温度を差し引いた温度と音響異方性の
関係を示す図。 本発明で規定するように圧延終了温度が関数:T(=7
70−530C+100Mn+15Mo+2250Nb
+100V)により計算される値を上回ることで優れた
音響異方性が確保されることが明白である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、C:0.06〜0.1%、S
i:0.01〜0.4%、Mn:0.5〜1.6%、M
o:0.3%以下(ただし、0%は含まない)、Nb:
0.005〜0.05%、V:0.1%以下(ただし、
0%は含まない)、Al:0.005〜0.1%、N:
0.0005〜0.008%、Ti<0.005%、B
<0.0003%を含み、Pcm=C+Si/30+M
n/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo
/15+V/10+5Bで定義されるPcm値が0.2
以下で、かつ、Ceq=C+Mn/6+Si/24+N
i/40+Cr/5+Mo/4+V/14で定義される
Ceq値および、Nb、V含有量、鋼板厚t(mm)を
用いて、625Nb+250V+210Ceq≧40+
tの関係を満たし、残部が鉄および不可避不純物よりな
る鋼材を、1000℃以上1250℃以下の温度に加熱
後、T=770−530C+100Mn+15Mo+2
250Nb+100V(℃)で与えられる温度以上で熱
間圧延を終了した後、少なくともAr3 変態点以上より
直接焼き入れし、その後Ac1 変態点以下の温度にて焼
戻しをおこなうことを特徴とする溶接割れ感受性、大入
熱溶接性及び音響異方性に優れた高張力鋼の製造方法。 - 【請求項2】熱間圧延は、1050℃以下で20%以上
の累積圧下率で熱間圧延を施すことを特徴とする請求項
1に記載の溶接割れ感受性、大入熱溶接性及び音響異方
性に優れた高張力鋼の製造方法。
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