JP3311156B2 - シート材給送装置及び記録装置 - Google Patents

シート材給送装置及び記録装置

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JP3311156B2
JP3311156B2 JP17849894A JP17849894A JP3311156B2 JP 3311156 B2 JP3311156 B2 JP 3311156B2 JP 17849894 A JP17849894 A JP 17849894A JP 17849894 A JP17849894 A JP 17849894A JP 3311156 B2 JP3311156 B2 JP 3311156B2
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  • Handling Of Cut Paper (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ワードプロセ
ッサ、パーソナルコンピュータ等における情報出力装置
としての記録装置(プリンタ)や、複写機、ファクシミ
リなどの画像形成装置、その他各種のシート材使用機器
等において、シート材積載部に積載されたシート材(印
字用紙、転写紙、感光紙、静電記録紙、印刷紙、OHP
シート、封筒、葉書、シート原稿等)を記録部、読み取
り部、加工部等のシート材処理部へ給送するためのシー
ト材給送装置及びこのシート材給送装置を備えた記録装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】シート材給送装置は積載されているシー
ト材から確実に一枚ずつ分離して給送する機能が要求さ
れている。
【0003】従来、積載されているシート材の前端角部
に爪部材を設け、給送ローラでシート材を送り出したと
きに最上位のシート材のみが撓んで爪部材を乗り越える
ことにより一枚ずつ分離する方式のものがあるが、撓み
にくいシート材、例えば封筒や葉書など腰の強いシート
材の分離には適していなかった。
【0004】一方、封筒や葉書などの撓みにくいシート
材を分離するためのものとして、特開平3−28454
7号公報で開示されているものがある。これを図25に
基づいて説明する。
【0005】201はシート材を積載するシート材積載
台であり、バネ部材203により上方に付勢されてい
る。シート材の最上位の位置を規制するための自由ロー
ラ204はシート材積載台201に積載されているシー
ト材の最上面に当接し、該最上面をガイド面205より
下方に位置するように規制している。また、シート材積
載台201の下流側にはシート材を分離するための傾斜
面207が設けられている。
【0006】給送ローラ206は長半径部と短半径部と
を有する切り欠きローラであり、回転してシート材積載
台201上に積載されているシート材の最上位に長半径
部が当接することによりシートを送り出す。給送ローラ
206により送り出されたシート材は傾斜面207につ
き当たり、この傾斜面207を湾曲して乗り越えること
により一枚ずつに分離される。2枚目以下のシート材の
先端は、送り出されるシート材の湾曲による弾性力によ
り押さえられているので傾斜面207を乗り越えること
ができず確実に分離される。
【0007】しかしながら、このような分離機構では、
シート材が自由ローラ204と接触するP点を基点とし
て湾曲する際に生じる弾性力が2枚目以降のシートの先
端を押さえて分離に大きく影響するため、シート材の曲
げ弾性率に応じて傾斜面207の傾斜角を適宜設定する
必要がある。すなわち、曲げ弾性率の大きいシート材を
分離する場合には傾斜角を小さく設定して送り出すシー
ト材が変形して折れ曲がらないようにし、曲げ弾性率の
小さいシート材を分離する場合には傾斜角を大きく設定
して送り出すシート材の変形時の弾性力により2枚目以
降のシート材を押さえる必要がある。
【0008】したがって、封筒や葉書などの弾性率の大
きなシートを分離するように傾斜面207の傾斜角が設
定されている場合には、例えば、秤量60gr/m2
100gr/m2 の複写機用のシート材を分離しようと
すると、湾曲による弾性力で2枚目以下のシート材を十
分に押さえることができず、重送を発生させる虞があ
り、普通紙などの曲げ弾性率の小さいシート材には使用
することができないという問題が生じる。
【0009】そこで、曲げ弾性率の異なるシート材でも
1つの分離部材に分離できるようにした技術として、特
開昭58−202228号公報に記載されたものがあ
る。この技術を図26に基づき概略説明する。
【0010】シート材が積載されているシート材積載台
301はバネ302により上方に付勢されており、シー
ト材の先端左右近傍に配置された押さえ爪302により
最上位のシート材の位置が規制されている。そして、給
送ローラ303が最上位のシート材に当接しており、回
転することにより送り出す。
【0011】積載されているシート材の前端の位置を規
制する基準面304にはつき当て部材305が設けられ
ており、このつき当て部材305は所定の曲げ弾性力を
有するプラスチックフィルムまたは金属バネ板等からな
り、給送ローラ303により送り出されたシート材がつ
き当たることにより角度変化が生じるようになってい
る。
【0012】このシート材給送装置では、例えば上記複
写機用のシート材などの曲げ弾性率の小さいシート材は
爪部材による分離方式と同じように、シート材の角部が
撓んで押さえ爪302を乗り越えることにより一枚ずつ
分離され、封筒や葉書などの曲げ弾性率が大きな厚紙な
どでは、先端でつき当て部材を大きく撓ませて、撓んだ
つき当て部材に摺接しながら抜けることにより一枚ずつ
分離される。このようにして種々の曲げ弾性率を有する
シート材を分離することができる。
【0013】また、図27に示すように基準面側に厚紙
用の分離板306を設けてもよい。この場合には、厚紙
は分離板306を乗り越えてつき当て部材を撓ませるこ
とにより分離される。
【0014】さらに、前述したつき当て部材と同様な部
材を用いてシートを分離するための技術として特開平2
−193834号公報で開示されたものがある。これ
は、シート材を積載したシート材積載台をバネにより給
送ローラに押し付け、給送ローラが回転することにより
シート材を送り出すものであり、シート材の送り出し方
向に直角につき当て部材を配置し、給送ローラにより送
り出したシート材がこのつき当て部材を撓ませることに
より一枚ずつ分離されるものである。この構成によれ
ば、種々の曲げ弾性率の異なるシート材を分離すること
ができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シート材給送装置では次のような問題点があった。
【0016】前記つき当て部材は撓むことによりシート
材を分離するものであるが、給送ローラでシート材が送
り出されるときには最上位のシート材だけでなく2枚目
以降のシート材も押し出され、最上位のシート材が分離
された後に2枚目以降のシート材の先端がつき当て部材
を撓んだ状態のままに押さえてしてしまうことがある。
これは、つき当て部材の撓みが戻ろうとするときの弾性
力により2枚目以降のシート材先端を押し戻そうとして
も、シート材積載台を上方に付勢するバネの付勢力と押
さえ爪や給送ローラとにより2枚目以降のシート材を押
さえてしまっているため2枚目以降のシート材が戻るこ
とができないからである。そして、このようにつき当て
部材が撓んだ状態で給送ローラが次のシート材を送り出
して分離しようとすると、撓むことによる分離作用が十
分に機能せずシート材の重送を発生する虞があった。さ
らに、使用していないときにつき当て材が撓んだ状態と
なっていると、つき当て部材にくせがついたり、劣化し
たりして分離性能を低下させる虞もあった。
【0017】そこで、つき当て部材の弾性力を高めてこ
の弾性力によって2枚目以降のシート材を押さえる力に
抗して戻そうとすると、つき当て部材の弾性力が高くな
っているため薄いシート材の分離が行えなくなるという
問題が生じる。
【0018】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされた
もので、つき当て部材の分離機能を十分に発揮できるよ
うにして、種々の異なる曲げ弾性率のシート材でも確実
に分離できるシート材給送装置を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のシート
材を積載するシート材積載台と、前記シート材積載台に
積載されているシート材に当接してシート材を給送する
給送ローラと、前記シート材積載台を前記給送ローラ方
向へ付勢するバネと、前記給送ローラの回転軸に配され
前記バネの付勢力に抗して前記シート材積載台を前記給
送ローラから離間させるカム部材と、前記給送ローラに
より給送されたシート材が突き当たることにより取り付
け部に対する角度が変化してシート材を分離する分離部
材と、前記分離部材の下流側でシート材を案内するガイ
ド部材と、前記ガイド部材の下流側でシート材を搬送す
る搬送ローラと、を有し、前記分離部材は前記シート材
積載台に積載されているシート材の給送方向に対する垂
線に対して前記給送ローラ側に傾いた状態で前記ガイド
部材に固着されているシート材給送装置であって、前記
分離部材により分離されたシート材の先端が前記搬送ロ
ーラを通過した後に、前記給送ローラの回転に応じて前
記カム部材が回転することにより、前記シート材積載台
が前記給送ローラから離間することを特徴とする。
【0020】本発明は、前記ガイド部材は、前記分離部
材により分離されたシート材を該分離部材から離間せし
める相対位置に設けられたことを特徴とする。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【作用】上記構成によれば、分離部材がシート材を分離
した後に角度変化を戻そうとするときに該分離部材に加
わっている負荷を解除するようにしたため、容易に分離
部材が初期の状態に復帰することができ、常に同じ角度
変化を行えるため、次のシート材の分離を確実に行うこ
とができる。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【実施例】図1及び図2は本発明を記録手段としてイン
クジェット方式を用いたインクジェットプリンタに応用
した第1の実施例を示し、図1は本装置の機構を示す模
式図で、図2は本装置の断面図である。
【0032】図2において、装置本体の外側はカバー1
と軸2aを中心に回動可能な蓋2からなっている。前記
蓋2はシート材トレイも兼ねている。シート材は前記カ
バー1に設けられた挿入口1aから挿入され排出口1b
から排出される。前記カバー1内に設けられた複数の側
板3の内側には、軸4aを中心に一端がピン6により固
定されたばね5により給送ローラ9方向(上方)へ付勢
されているシート材積載台(シート材積載手段)4と、
シート材と接触しうる長半径部とシート材と接触しない
短半径部とを有し軸8に固着されている給送ローラ(シ
ート材給送手段)9と、軸8に固着され軸8の回動によ
り前記シート材積載台4の左右端に設けられたフォロア
部4bと係合して前記シート材積載台4を下方に押し下
げる駆動カム7と、給送ローラ9により給送されたシー
ト材がつき当たることにより角度変化が起きてシート材
を分離する分離部材であるつき当て部材(分離手段)1
0と、つき当て部材10により分離されたシート材の先
端が上昇する方向に誘導される面11aを有し、この面
11aによる誘導によりシート材と前記つき当て部材1
0の先端を離間させるためのガイド部材11とを備えて
いる。
【0033】また、ガイド部材11の下流側には、発光
部と受光部を備え反射光の有り無しでシート材の前端及
び後端を検出するフォトセンサー(シート材検知手段)
PHと、軸12に固着され前記給送ローラ9により上ガ
イド28aとガイド部材11によってガイドされて給送
されたシート材を一定速度で搬送する搬送ローラ(搬送
手段)13と、軸14に回転自在に設けられ軸14を介
してばね15の力によりシート材を前記搬送ローラ13
に押圧する第1ピンチローラ16と、インク吸収材17
を内蔵したプラテン18と、軸19に固着され印字され
たシート材を排出する排紙ローラ20と、軸21に回転
自在に設けられ、軸21を介してばね22の力により用
紙を前記排出ローラ20に押圧する第2ピンチローラ2
3と、ガイド軸24、25にガイドされて用紙の幅方向
に移動自在のキャリッジ26と、このキャリッジ26に
搭載されていて、画像情報に対応して吐出部27aから
インクを吐出して印字を行う記録ヘッド27とを備えて
いる。
【0034】前記キャリッジ26は上ガイド28aを有
する中央側板28に設けられたモータ29と、その出力
軸に設けられたプーリ30と、一端がキャリッジ26に
固定され前記プーリ30に取り付けられているベルト3
1によって駆動される。
【0035】更にケース1の内側にはケース1の穴から
突出して設けられた複数のスイッチボタン32を備えた
操作用電気基板33と、シート材積載台4の下側に設け
られた、マイクロコンピュータやメモリーを搭載して本
装置の動作をコントロールするコントロール用電気基板
(制御手段)34が適宜配置されている。
【0036】図1に基づいて本装置の機構を更に説明す
る。まず、シート材積載台4上のシート材と給送ローラ
9とを当接・離間させる切換手段について説明する。
【0037】給送ローラ9の軸8に固着された駆動カム
(カム部材)7とシート材積載台4に設けられたフォロ
ア部4bとはばね5の力により所定の位置で当接してお
り、給送ローラ9の給送回動に同期して前記駆動カム7
も回動し、この駆動カム7の回動により、前記シート材
積載台4は上昇及び下降動作を行いシート材と給送ロー
ラ9とを当接・離間させる。
【0038】搬送ローラ軸12の一端に設けられたプー
リ37と排紙ローラ軸19の一端に設けられたプーリ3
8はベルト39で連結されているので、前記軸12を介
して駆動源であるモータMの回転が排紙ローラ20に伝
えられる。
【0039】シート材の搬送路をはさんでモータと反対
側には、記録ヘッド27のインク吐出部27aをカバー
するキャップ40を備えたキャップ台41が設けられて
いる。このキャップ台41は回転軸41aと押し下げカ
ム部41bを有しており、ばね42の力により軸41a
を中心に反時計方向へ回動が付勢されている。そして、
前記キャリッジ26の移動によりキャリッジ26の突出
部26aが前記押し下げカム41bに当接するとキャッ
プ台41はばね42の力に抗して押し下げられてキャッ
プ40も下がり、前記突出部26aが押し下げカム41
bを通過するとキャップ40は上昇して前記吐出部27
aに密着して吐出口をカバーする。
【0040】ポンプ43はラック43aを形成したピス
トン軸43bと、吸引口43cと、排出口43dを有し
ており、前記吸引口43cと前記キャップ40はチュー
ブ40aにより、排出口43bはプラテン台18とチュ
ーブ44により夫々が連結されていて、キャップ40か
ら吸引したインクがプラテン18内の吸収部材17へ排
出される。
【0041】ポンプ43のラック43aが噛み合うポン
プ駆動歯車45は、軸12の軸心に沿った方向は移動可
能に、軸12の回動には連動するように軸12上に設け
られており、ばね46により前記ラック43aと噛み合
わない所に位置付勢されている。
【0042】記録ヘッド27の吐出口周辺はインクの固
形成分が付着し易く吐出不良を起こすことがある。その
際には吐出不良回復動作を行うためコントローラ34の
命令でモータ29は、キャリッジ26を移動させ吐出部
27aをキャップ40と結合させる。前記キャリッジ2
6の移動によりキャリッジ26の突出部26bはポンプ
駆動歯車45を2点鎖線で示した位置迄移動させるの
で、ポンプ駆動歯車45はラック43aと噛み合い状態
になる。この状態でモータMの駆動により歯車45はあ
らかじめ定めた回転角以内の正逆回転を所定回数くり返
すと、ラック43aは直進方向の往復動を所定回数行
う。このラック43aの往復動がピストン軸43bに連
動してピストンも往復動するので、ポンプ43は前記イ
ンク吐出部27aからインク及びその固形分を吸収し、
更に吸引したものをプラテン18内の吸収部材17へ排
出する。
【0043】次に、モータMの回転を給送ローラ9、搬
送ローラ13へ伝達する駆動伝達手段の構成を説明す
る。
【0044】モータMはコントローラ34の信号により
モータ軸に設けられた出力歯車47と、2段歯車48
と、軸12に固着されている搬送ローラ歯車49を介し
て搬送ローラ対13、16を回動させシート材を搬送す
る。
【0045】一方、モータMは出力歯車47と、2段歯
車48と、軸50に固着されている歯車51を回動させ
る。同じく軸50に固着された第1太陽歯車52と噛み
合う第1遊星歯車53は大遊星歯車53a、小遊星歯車
53bで構成されており、第1遊星歯車53の軸54は
軸50を軸として回動する第1キャリア55に軸支され
ている。
【0046】軸54上に設けられたばね56によって前
記第1遊星歯車53を第1キャリアの一方の腕部材55
aに所定の圧力で押し付けられているので、第1遊星歯
車53の自転には一定の負荷が与えられている。
【0047】図1及び図3において、モータMの軸に設
けられた出力歯車47の矢印47a方向の回転により第
1太陽歯車52は矢印50a方向に回転する。第1太陽
歯車52と噛み合う大遊星歯車53aの自転には一定の
負荷が与えられているので、第1遊星歯車53は自転は
しないで第1太陽歯車52のまわりを矢印50a方向に
公転する。この公転により第1キャリア55も同じく矢
印50a方向に回転するので、小遊星歯車53bと給送
ローラ軸8に固着された歯車57は噛み合い状態によ
り、モータMの矢印47a方向の回転が軸8に伝達され
てその結果給紙ローラ9は給送方向8aに回転する。
【0048】歯車57には欠歯部57aが設けられてお
り、歯車57の回転が進んで欠歯部57aが小遊星歯車
53bとの噛み合い位置に来ると小遊星歯車53bは空
転して歯車57への伝達は行わず、従って歯車57と給
紙ローラ9の給送方向への回転は停止する。
【0049】図1及び図4において、モータMの矢印4
7b方向の回転により太陽歯車52は矢印50b方向に
回転する。この回転に従動して第1キャリア55、55
aは第1遊星歯車53と共に矢印50b方向に回転す
る。第1キャリア55の矢印50b方向の回転により小
遊星歯車53bは歯車57との噛み合い位置から離脱
し、第1キャリア55の一方の腕部材55aがピン58
当接することにより第1キャリア55の回転は止ま
る。第1キャリア55の回転が停止した位置で、第1太
陽歯車52の矢印50b方向の回転中は小遊星歯車53
bは空転を続ける。
【0050】第1太陽歯車52と噛み合う歯車60及び
第2太陽歯車61は軸59に固着されている。第2太陽
歯車61と噛み合う第2遊星歯車62は軸59のまわり
を自由に回転する第2キャリア63に軸支されている。
第2遊星歯車62はばね64によって第2キャリアの一
方の腕部材63aに所定の圧力で押し付けられているの
で、第2遊星歯車62の自転には一定の負荷が与えられ
ている。
【0051】図1、図3において、モータMの矢印47
a方向の回転により歯車60、軸59、第2太陽歯車6
1は矢印59aの方向に回転し、この回転に応動して第
2キャリア63は第2遊星歯車62と共に同じく矢印5
9a方向に回転し、最後にキャリア腕部材63aとピン
65が当接したところで第2キャリア63の回転は停止
する。第2キャリア63の静止した状態で太陽歯車61
の続いての回転により第2遊星歯車62は空転を続け
る。
【0052】図1及び図4において、モータMの矢印4
7b方向の回転により、太陽歯車61は矢印59b方向
に回転し、この回転に応動して第2キャリア63は第2
遊星歯車62と共に同じく矢印59b方向に回転し、最
後に第2遊星歯車62は欠歯歯車57と噛み合う状態に
なり、そのため第2太陽歯車61の矢印59b方向の回
転は軸8を通して給紙ローラ9へ給送方向8aの回転と
して伝達される。
【0053】歯車57の第2遊星歯車62の駆動による
回転が進み歯車57の欠歯部57aが第2遊星歯車62
との噛み合い位置に来ると第2遊星歯車62は空転をし
て歯車57への伝達を断つ。
【0054】第2遊星歯車62が第2太陽歯車61の周
りを公転する全公転角度領域内で第2遊星歯車62が欠
歯歯車57と噛み合わないいわゆる不連動工程領域内の
所定の角度αにおいて第2遊星歯車は内歯車66と噛み
合うようになっている。この噛み合いによって第2遊星
歯車62は自転しながら第2太陽歯車61の周りを公転
する。
【0055】図1において、モータMの所定量の正逆回
転によりポンプ43が動作する際、歯車57と第2遊星
歯車62が噛み合いを起こさないためにこの不連動工程
領域が設けられている。
【0056】本実施例ではモータMが上記動作を行うた
めに必要な所定量の回転をした場合不連動工程領域とし
ての角度が360°必要であり、内歯車66を設けずに
第2遊星歯車62が自転せずに公転だけした場合には3
60°の不連動工程領域を設定することは不可能であ
る。
【0057】そこで、内歯車66を設けることにより第
2遊星歯車61を自転させ公転速度を減速させて不連動
工程領域を設定できるようにする。これを説明する。第
2太陽歯車61の歯数をZ1、第2遊星歯車62の歯数
をZ2、内歯車66の歯数をZ3とすると Z3=Z1+2Z2 なる関係になる。
【0058】従ってZ1とZ3の減速比は Z1/Z3=1/1+2(Z2/Z1) となる。すなわち第2太陽歯車61が内歯車66の歯が
設けられた角度領域をα度回転すると第2遊星歯車62
はα/1+2(Z1/Z2)度の公転を行うこととなり、
公転速度は大きく減速される。
【0059】例えばα=120°、Z1=10、Z2=1
0とすると第2遊星歯車62の公転角度βはβ=120
°/3=40°となる。
【0060】一方、第2遊星歯車62が120°の公転
を行うためには第2太陽歯車61は120°×3=36
0°の回転を行うことになり、必要な不連動工程領域を
120°で設定することができる。
【0061】次に、図1〜図4及び図5〜図10を用い
て第1の実施例における給送動作及び印字記録動作につ
いて説明する。図5〜図8は図1におけるシート材を給
送する主要構成部材を示す断面図である。
【0062】まず、イニシャライズ動作として、装置の
電源がONになると図2に示すコントローラ34のイニ
シャライズ動作命令により図1に示すモータMが矢印4
7a方向、すなわち搬送ローラ13がシート材Sを図2
における排出口16に向けて副走査搬送する方向に所定
量回転すると駆動伝達部は図3、図5に示すモータMの
回転が給送ローラ9に伝わらない状態になり、一方シー
ト材給送部は図5で示す状態になる。
【0063】図5において、駆動カム7の停止位置リフ
ト面7bとシート材積載台4に設けられたフォロア部4
bがばね5の力により係合した状態で前記シート材積載
台4は下方に移動した位置で静止している。この状態に
おいてシート材積載台4の上に複数のシート材Sをその
先端部をつき当て部材10の下方につき当てて載置す
る。
【0064】図4、図6において、コントローラ34の
給送命令によりモータMが矢印47bの方向に所定の量
回転すると、第2遊星歯車62は第2キャリア63とピ
ン65が当接していた位置から歯車57との噛み合い位
置迄公転する。この噛み合い位置に来た第2遊星歯車6
2はモータMの矢印47b方向の回転を歯車57に伝達
するので軸8を通して給送ローラ9は矢印8a方向、す
なわち給送方向に回転を始める。
【0065】一方、第1遊星歯車53はモータMの矢印
47b方向の回転により第1太陽歯車52の周りを矢印
50b方向に回動して歯車57との噛み合い位置から離
れる。
【0066】歯車57の回転により軸8に固着された駆
動カム7が矢印8a方向に回動するので駆動カム7の停
止位置リフト面7bとシート材積載台4に設けられたフ
ォロア部4bとの係合がはずれ、続いてシート材載置台
4がばね5の引張力により上昇する。
【0067】シート材載置台4の上昇により複数のシー
ト材Sの最上位のシート材S1は回転中の給送ローラ9
に当接するので最上位のシート材S1はつき当て部材1
0方向に給送される。移動中のシート材Sにつき当てら
れたつき当て部材10は前記シート材Sの移動する力に
よりシート材の進行方向に角度変化が生じる。
【0068】図7は図6において給送ローラ9が更に回
転を行い、最上位のシート材S1が更に移動し、前記つ
き当て部材10の先端部とシート材S1の先端部が一致
して釣り合いの状態にあることを示している。左右2個
の給送ローラ9は摩擦係数の高いクロロプレンゴム又は
ニトリルゴム又はシリコンゴム等からなりシート材積載
台4に複数枚積載されたシート材Sはばね5の力により
押圧力F0で2個の給送ローラ9に押しつけられてい
る。
【0069】前記給送ローラ9とシート材S1との間で
μ1の摩擦係数をもち、次に前記シート材S1と2枚目の
シート材S2の間でμ2の摩擦係数をもち、更にシート材
2と3枚目のシート材S3の間でμ3の摩擦係数をも
ち、4枚目以降のシート材においても同様に所定の摩擦
係数を有している。
【0070】摩擦係数μ1とμ2はμ1≫μ2なる関係を有
する。従って、シート材積載台4に複数枚で積載されて
いるシート材Sはばね5の力により給送ローラ9の面に
0の押圧力で押しつけられると、最上位のシート材S1
は F1=F0(μ1−μ2) なる移動力F1でもってつき当て部材10につき当た
る。一方2枚目以降のシート材の移動力F2はF2=F
(μ2−μ3)においてμ2≒μ3なのでF1に比べて小さ
な値になる。
【0071】ここで、図8にもとづいてつき当て部材1
0の第1の分離作用について説明する。
【0072】つき当て部材10は最上位のシート材S1
のS1−aの状態で給送方向67に対する垂線68から
α度だけ給送ローラ9側に傾いた10aの状態でつき当
て部材10の下端はガイド部材11に固着されている。
【0073】シート材Sが10aに示す状態のつき当
て部材に点10cの位置でつき当たり、更に図7で説明
した移動力Fによりつき当て部材10が角度変化αが
生じて10aから10bの状態になる過程において、シ
ート材SはS−aの状態からS−bの状態にな
る。つき当て部材10の位置10cと同じくつき当て部
材10の屈曲部10eとの距離をLとし、つき当て部
材10が10bの状態になったときに10aの状態のと
きの10cの位置が10dの位置となり、この10d
おける前記10cとの垂直方向68における変化量をT
とすると、T=L(1−cosα)となる。一方2枚
目以降のシート材S、S、・・・に作用する移動力F
の分力F、F10は前記シート材S以下の先端を
シート材積載台4の面に押し付ける働きをする。
【0074】シート材S1とシート材S2以下の夫々の先
端において、シート材S2以下はシート材積載台4の面
に押し付けられた状態でシート材S1とシート材S2の間
にTなる量の離間が生じることを第1の分離作用と言
う。
【0075】前記第1の分離作用は以下の優れた効果を
有する。その効果の1つめは、シート材S1がS1−aの
状態から移動する方向67に対し、垂直方向68の位置
10bにつき当て部材10が固定されているとして、つ
き当て部材10が10bの位置から角度変化βで前記シ
ート材S1がS1−aの状態から先端がつき当て部材10
の面を滑り始めたとするとする。一方、つき当て部材1
0が10aの位置から前記同様にシート材S1がS1−b
の状態で先端がつき当て部材10の面を滑り始める角度
変化はβ−γとなり前記10bの位置よりつき当て部材
が角度変化するβより小さな値になる。β−γなる値で
最上位のシート材S1がつき当て部材10の面を滑り始
める際、2枚目以降のシート材S2、S3、…が当接する
つき当て部材10の面は更にβ−γより小さいので前記
シート材S2、S3、…が前記つき当て部材10の面を滑
り出すことはより防止される。
【0076】更に、2枚目以降のシート材S2、S3、…
はシート材S1の移動力F1より小さい移動力F2でつき
当て部材10につき当たる。シート材S1の移動力F1
よってつき当て部材10が角度変化αを行っている過程
においては2枚目以降のシート材S2、S3にはF2の分
力F9、F10が働き2枚目以降のシート材S2、S3、…
が上位のシート材S1と共に第1の分離作用を行うこと
を防止するので最上位のシート材S1の移動によって2
枚目以降のシート材S2、S3、…が連れ出されるいわゆ
る重送が確実に防止される。
【0077】第1の分離作用は薄いシート材、例えば紙
厚0.065mm近傍のいわゆる腰の弱いシート材の分
離に対して特に効果がある。
【0078】第1の分離作用を行う角度αの大きさはつ
き当て部材10の長さL1、つき当て部材10を構成す
る曲げ弾性率等で変わって来るが、夫々の条件において
実験によると5°以上35°以下の範囲で設定するのが
好ましい。
【0079】第1の分離作用の効果の2つめは、シート
材S1の給送が完了し続いて積載台4が下降してシート
材Sの上面の押圧力が除去された際、2枚目以降のシー
ト材S2、S3、…の先端に作用してシート材Sを図5に
示すセット位置に引きもどすつき当て部材10の力は1
0bの位置より給送ローラ9により近い位置10aの方
が強いためつき当て部材10がシート材S2、S3、…を
引きもどす動作は確実に行われるものである。
【0080】図7において、最上位のシート材S1はF3
=F1cosA1なる力でもって前記つき当て部材10に
10aの位置からA2+A3なる角度の変化を与え、その
時点でシート材S1とつき当て部材10の先端は点69
においてお互いの弾性力で釣り合った状態になってシー
ト材S1の移動は停止していると考える。
【0081】シート材S1がつき当て部材10を押す力
をF3、シート材S1の先端とつき当て部材10の摩擦係
数をμ4、シート材S1の点69における接線70と前記
つき当て部材10の点69における接線71がなす角を
θ°とすると F4=F3cosθ° F5=F3sinθ°…(1) F6=μ43sinθ°従って、 F4−F6>0 F3(1−μ4tanθ°)>0 θ°>tan-1 1/μ4…(2) なるθ°でシート材S1はつき当て部材10の面を滑り
出す。
【0082】点69を通り給送方向72からの垂線73
と接線70の点69からの垂線74とがなす角をA1
adとするとシート材S1は A1≒F8L2 21…(3) K1=1/2×E1×I1…(3)′ ただし K1=シート材S1の弾性度 A1=シート材S1のたわみ角(rad) L2 =シート材S1のたわみ長 E1=シート材S1のヤング率 I1=シート材S1の断面二次モーメント なる角度でたわんでいることになり、前記釣り合いによ
り F5′=F5=F8cosA1°(但しA1°=A1×180°/π)…(4) となる。
【0083】又垂線73と接線71とがなす角をA2
adとするとつき当て部材10は A2≒F73 22…(5) K2=1/2×E2×I2×n…(5a) ただし K2=つき当て部材10の弾性度 A2=つき当て部材10のたわみ角(rad) L3 =つき当て部材10のたわみ長 E2=つき当て部材10のヤング率 I2=つき当て部材10の断面二次モーメント n=つき当て部材10の個数(本実施例においてはn=
2) なる角度でたわんでいることにより、前記釣り合いによ
り F5=F7cosA2°(但しA2°=A2×180°/π)…(6) となる。
【0084】一方、垂線73と点69において直交する
線分75と接線70とがなす角はA1°となり、又線分
75と接線71と直交する線分76とがなす角はA2°
となり以上の関係から θ°+A1°+A2°≒90°(=π/2rad)…(7) がなりたつ。
【0085】式(1)、(4)、(6)から釣り合いの
状態のときのF3はF3sinθ°=F8cosA1°=F
7cosA2°なる関係から F3=F8cosA1°/sinθ°=F7cosA2°/sinθ°…(8) 従って、前記(6)式より求まるF3より大きい移動力
が給送ローラ9によりシート材S1に与えられるとシー
ト材S1の先端はつき当て部材10の先端から抜け出て
前記2枚目以降のシート材S2、S3、…から完全に分離
される。この分離作用を第2の分離作用という。
【0086】式(2)からθ°は摩擦係数μ4のみから
定まる値とすると式(5)から A1°+A2°≒90°−θ°=一定…(9) となる。
【0087】式(3)を構成するシート材S1の弾性度
1の値はシート材Sの種類によって大きく変わる。例
えば厚み0.065mmの薄紙の弾性度をK1−aと
し、はがきや封筒の弾性度をK1−bとすると K1−b/K1−a≒13…(10) となった。
【0088】(9)式の第2の分離を行うθ°は薄い紙
の場合A1°≫A2°となる。すなわち薄い紙の分離はシ
ート材自体のたわみ角が分離に大きく寄与する。
【0089】一方、はがき等の厚い紙はA1°≧A2°と
なる。すなわち、つき当て部材10のたわみ角が分離に
大きく寄与する。分離作用を行う際、2枚目以降の重送
を防止するためには(9)式におけるA2°の値を出来
るだけ小さくする必要がある。(3)式におけるA1°
は前記(10)式にあたるようにK1の値により大きく
変わるものだが一方シート材Sのたわみ長L2 の値は2
乗で変わるのでその適性設定によりたわみ角A1に対す
る(10)式の影響を少なくすることが出来る。
【0090】L2 を大きくしていくと厚い紙はたわみ角
1が大きくなって有利だが薄い紙は2枚目以降の紙も
たわみ易くなり重送が起きる。L2 を小さくしていくと
薄い紙はたわみ角A1が小さくなって有利だが厚い紙は
たわみにくくなるためつき当て部材10のたわみ角A2
が大きくなり2枚目以降の紙に重送が起きる。以上の結
果からシート材Sの弾性度K1が(10)式に示す範囲
に於いて、L2 =15〜25mmの間に設定することで
良好な第2の分離が可能であった。
【0091】図6において、前記つき当て部材10の先
端を抜け出たシート材S1の先端はガイド部材11の傾
斜面11aにより上方に導かれることによりシート材S
1の先端は上昇し、この上昇によりシート材S1の先端は
頂点11bを越え続いて搬送ローラ13と第1ピンチロ
ーラ16の接触位置の方向に移動する。
【0092】次に分離されて送り出されたシート材の斜
行の補正を説明する。
【0093】図9において、分離されたシート材の先端
がフォトセンサPHを横切ると、フォトセンサPHは信
号を発生し、この信号に基づき図2におけるコントロー
ラ34によりモータMは距離L5+α(α=余裕値=2
〜5mm)相当分のパルス数P4の回転を行ってから一
旦停止する。モータのP4のパルス数の回転に応動する
給送ローラ9によりシート材S1の先端は、矢印49b
方向に逆転中の搬送ローラ13と第1ピンチローラ16
の接触位置77につき当てられ、そのシート材S1の先
端の移動は阻止される。
【0094】シート材S1の移動が阻止された状態にお
いて給送ローラ9がまだ回転の途中である場合には給送
ローラ9はシート材S1の上面をスリップしながら回転
する。
【0095】シート材S1が斜行していると、一方の先
端部が先に接触位置77につき当たって一方の先端部の
移動は停止するが、他方の先端部は移動するのでシート
材は一方の先端部を中心に回転する。この回転によって
シート材S1の先端はその幅全域にわたって前記接触位
置に平行に整列することにより斜行が補正される。
【0096】P4のパルス数のモータの回転後、モータ
Mは搬送ローラ13によって搬送される距離L6相当分
のP5のパルス数で矢印47a方向である正方向回転を
行う(図4から図3に示す状態)。モータMのP5のパ
ルス数の回転によって給送ローラ9は更なる回転を行っ
てシート材S1の先端を接触位置77に押し込み、押し
込められたシート材S1の先端は搬送ローラ13の矢印
49bとは逆の方向の回動により距離L6迄搬送され
る。
【0097】図9及び図24に基づいて給送不良及び記
録位置出し不良の補正手段について説明する。図24は
給送装置部の動作内容を示すフローチャートで図中枠内
の記号+(プラス)はモータMの矢印47a方向である
正回転を、−(マイナス)はモータMの矢印47b方向
である逆回転を表している。又枠外に( )で表す数字
は制御回路34内のコンピュータの制御手順のステップ
数を表している。なお、給送ローラ9及び搬送ローラ1
3の駆動源である図1におけるモータMにはパルス駆動
モータが使われている。
【0098】図9及び図24において、各ステップ毎に
おけるモータMの回転パルス数は P1=第2遊星歯車61がA5°なる公転を行うに要する
パルス数 P2=歯車57の欠歯位置が第1遊星歯車53の噛み合
い位置から第2遊星歯車61の噛み合い位置迄回転する
角度A4°に相当するパルス数 P3=給送ローラ9が距離L4+α(α=2〜5mm)相
当の回転を行うことに相当するパルス数 P4=給送ローラ9が距離L5+α(α=2〜5mm)相
当の回転を行うことに相当するパルス数 P5=搬送ローラ13が距離L6に相当の回転を行うこと
に相当するパルス数 P6=搬送ローラ13が使用範囲内最大サイズのシート
材の縦方向長さの2倍の量を搬送するに相当するパルス
数 となる。
【0099】図24に基づいてモータMの動作手順を説
明する。スタートで回転を開始したモータMによりステ
ップ(1)では第2遊星歯車61が歯車57と噛み合う
と同時にモータMの回転は停止する。次に、モータMは
ステップ(2)とステップ(5)の間のループによりス
テップ(3)のカウンターのカウント値TがPになる
まで逆転する。前記モータMの逆転途中においてステッ
プ(4)において、フォトセンサPHがONするとステ
ップ(6)においてカウント値Tの値がチェックされ
る。
【0100】ステップ(6)においてT<P3だとステ
ップ(7)に行きシート材S1の先端は逆転中の搬送ロ
ーラ13と第1ピンチローラ16の接触位置につき当た
りシート材S1の斜行の補正が行われる。
【0101】次にステップ(8)でモータMは正転し、
シート材S1の先端は所定の記録位置L6迄搬送される。
これから以後は後述する記録動作によってシート材S1
の上に画像が記録される。
【0102】ステップ(6)においてT>P3と判別す
ると、仮にステップ(7)の動作を行ってもシート材S
1の先端は接触位置77につき当たらないことがおき
る。すなわちP2=P3+P4なる関係にあってT>P3
なるときはモータMのP4のパルス数の回転途中におい
て歯車57の欠歯部57aが図4に示すように第2遊星
歯車61との噛み合い位置に来るため、給送ローラ9の
回転は停止し、給送ローラ9はP4のパルス数分より少
ない量しかシート材を給送しない。このような現象は例
えば摩擦係数μの低いシート材の場合に、給送ローラ9
の給送力が低下して給送ローラ9がスリップしながらシ
ート材を給送する際に発生する。
【0103】ステップ(6)においてT>P3と判別す
ると、ステップ(9)、ステップ(10)を行いシート
材先端を一度搬送ローラ13にくわえ込んだ後、ステッ
プ(11)で搬送ローラをP5と同じパルス数逆転させ
るとシート材S1は給送ローラ側にもどされて、シート
材S1の先端は接触部77近接して滞留する。ステップ
(11)を行った後ただちにステップ(1)に移る。シ
ート材S1はすでにフォトセンサPHをONにしている
のでステップ(4)からステップ(6)に行き、ステッ
プ(6)においてはかならずT<P3なのでステップ
(7)に行き、続いてステップ(8)に行って通常の記
録動作を行うものである。
【0104】ステップ(5)においてT=P2になって
もステップ(4)におけるフォトセンサPHがONしな
い場合はステップ(12)に行ってモータMがP3+P4
相当量の正転を行いその後ステップ(13)でフォトセ
ンサPHがONしていない場合はシート材がフォトセン
サPHより上流で給送不能の状態にあると判断して制御
モードを給送エラーモードにする。
【0105】コントローラ34は図2における操作用電
気基板33上に設けられたLED発光表示手段や液晶表
示手段を用いて前記給送不具合を表示する一方、ブザー
により警告音を発生して前記エラーを使用者に知らせ
る。使用者は前記エラー表示に従ってシート材積載台4
上のシート材を引出し、シート材の先端折れ等の問題の
ないことを確認して再びシート材をシート材積載台4に
乗せて給送動作を行う。
【0106】ステップ(13)においてフォトセンサP
HがONの場合には、シート材S1の先端がフォトセン
サPHより下流にあると判断しステップ(14)でP6
パルス数相当のシート材の記録装置外への完全な排出搬
送を行った後ステップ(15)でシート材の有り無し検
出を行い、フォトセンサPHがONしていない場合はシ
ート材の排出が完了したと判断して再び給送が可能な状
態になる。
【0107】一方フォトセンサPHがONしている場合
には、シート材がフォトセンサPHより下流のどこかの
位置で引掛かって(ジャム)搬送ローラの回転によって
は排出することは出来ないと判断し制御モードを給送エ
ラーにする。給送エラー表示に従って使用者はシート材
を装置内部より引き出し、前記同様シート先端の折れ等
の問題のないことを確認して再びシート材をシート材積
載台4に乗せて給送動作を再開する。
【0108】次に、シート材S1の斜行を補正した後の
シート材の搬送について説明する。
【0109】モータMの駆動総パルス数PT及びフォト
センサPHが発生するシート材Sの通過信号によりコン
トローラ34は図1におけるモータMの出力歯車47を
矢印47aの方向に回転させる。
【0110】図10において、歯車47の回転により搬
送ローラ13は矢印49a方向に回転する。一方、同時
第1キャリア55は軸50を中心として矢印50a方
向に回動するので第1遊星歯車53の小遊星歯車53b
と歯車57は瞬時に噛み合う。この噛み合いにより給送
ローラ9は給送方向に回転してシート材Sの先端を搬
送ローラ13と第1ピンチローラ16の接触位置77に
押し込む。押し込められたシート材Sの先端は搬送ロ
ーラ13の回転により接触位置77を通過する。
【0111】シート材S1が接触位置77を通過する迄
の間給送ローラ9はシート材Sの上面を押さえながら回
転しているため、図7で説明した通り、2枚目以下のシ
ート材S2、S3、…にもF1より充分小さな移動力F2
働き、移動力F2により行われるつき当て部材10の角
度変化はシート材S2がつき当て部材10に当接する点
において(2)式を構成するθ°が θ°≧tan-1 1/μ4…(11) となるので2枚目以下のシート材S2、S3、…の先端は
つき当て部材10の面を滑らず、従ってシート材先端は
つき当て部材の先端を越えない。
【0112】軸8上では歯車57、駆動カム7、給送ロ
ーラ9は夫々の向きに関して相対的位相関係が一定に維
持された状態で一体化が計られている。また、駆動カム
7は駆動リフト面7a、最大リフト面7b、と最大リフ
ト面7bよりリフト量の小さい停止位置リフト面7dと
前記最大リフト面7bと前記停止位置リフト面7dを連
絡した傾斜面7cを有している。
【0113】第1遊星歯車53の小遊星歯車53bの回
動により歯車57、軸8を通して駆動カム7は矢印8a
方向に回動する。この回動の途中において駆動リフト面
7aとシート材積載台4の左右両端に設けられたフォロ
ア部46が当接し、駆動カム7の回転によりシート材積
載台4は軸4aを中心としてばね5の力に抗して下方に
回転する。
【0114】シート材積載台4の下方向の回転によりシ
ート材Sの上部はばね5の力により給送ローラ9に押圧
されていた状態から押圧から開放され一切の押圧力が無
の状態になるので、2枚目以降のシート材S2、S3、…
の給送方向とは逆方向の移動が容易となり、つき当て部
材10の復元力により2枚目以降のシート材S2、S
…は逆給送方向に移動しながらシート材積載台4の下方
向の回転に従動して下方に移動する。
【0115】2枚目以降のシート材S、S3…の前記
移動によりつき当て部材10のシート材がつき当たる面
よりシート材が無くなるのでつき当て部材10の角度変
化は最初の角度変化の無い状態に戻る。このようにして
つき当て部材10にかかわっている負荷が解除される。
【0116】シート材Sの上面を押圧する力が開放され
た図11に示す状態において、ガイド部材11の頂点1
1bによりシート材S1が所定の位置から下方にたるむ
ことを規制している。すなわち、規制されたシート材S
1の下面とつき当て部材10の先端の間に所定の隙間7
8が出来るように頂点11bとつき当て部材10の先端
の位置は適宜設定されている。
【0117】この隙間78を設けることにより、つき当
て部材10が最初の角度変化の無い状態にもどる過程で
つき当て部材10の先端はシート材S1からの干渉を受
けず、従って戻り動作が確実に行える。又隙間78を設
けることにより、最上位のシート材S1の移動中につき
当て部材10と干渉して異音を発生することが防止され
る。
【0118】なお、シート材給送手段として、長半径部
と短半径部とからなる給送ローラ9では、長半径部の表
面のゴム等の高摩擦面によりシート材に当接して回転す
ることによりシート材を送り出し、シート材を送り出し
た後は短半径部をシート材上面に対面させる。短半径部
は低摩擦材料からなるフランジ部9aが突出していて高
摩擦面が埋没しているため、シート材を送り出して搬送
ローラ13が搬送を開始して短半径部がシート材上面に
対面すると、長、短半径部の長さの差の分だけシート材
の撓み量が小さくなり、同時にフランジ部9aの一部が
搬送されているシート材の上面に接触してシート材の浮
き上がりを防止しながら搬送をガイドする。このとき、
フランジ部9aは低摩擦材料から形成されているため、
シート材の搬送時の抵抗は減少し、搬送ローラ13の駆
動源であるモータMに加わる負荷の変動も減少するの
で、搬送ローラ13によるシート材の搬送精度は向上す
る。
【0119】図11及び図12において、駆動カム7の
最大リフト面7bがフォロア部4bの当接部46aを通
過すると同時に歯車57の欠歯部57aが第1遊星歯車
53の小遊星歯車53bとの噛み合い位置に来るので、
小遊星歯車53bによる歯車57への回転伝達は断たれ
て歯車57及び給送ローラ9の回転は停止する。
【0120】歯車57の第1遊星歯車53bによる回転
が停止直後フォロア部4bの当接部46aはばね5の力
1により駆動カム7の傾斜面7cを押圧するので前
記傾斜面7cに分力F2が働き駆動カム7及び歯車5
7は矢印8a方向に少量回転し、当接部46aが傾斜面
7c上をすべって駆動カム7の停止位置リフト面7dの
位置に来ると駆動カム7の回転は停止する。
【0121】なお、駆動カム7のリフト面7dとフォロ
ア部4bの当接部46aはほぼ同じ半径の円弧形状に形
成されており、はまり込むことにより停止する。このと
き、駆動カム7にフォロア部4bから加わる力(ばね5
の弾性力)は軸8の軸心に向かう方向(図12の矢印)
に生じるように設定されており、さらにリフト面7dと
当接部46a摩擦により、確実に停止する。
【0122】図12において、当接部46aが停止位置
リフト面7dにあるとき、歯車57の欠歯部57dの位
相は第1遊星歯車53の小遊星歯車53bと欠歯部57
aの噛み合いが断たれた位置より少し進んでいる。この
ように、欠歯歯車の位相を所定量進めることにより前記
歯車57の欠歯部近傍の歯は小遊星歯車53bの歯と噛
み合う位置から完全に退避するので小遊星歯53bの空
転時に両者の歯の干渉は完全に無くなり従って両者の歯
の干渉によって振動や異音が発生するという問題を無く
することが出来る。なお、駆動カム7とフォロア部4b
とのはまり込む関係は逆であってもよい。すなわち、駆
動カム7側が凸形状であり、フォロア部4bが凹形状と
してもよい。
【0123】図12において、モータMが距離L6に相
当するパルス数P4の回転をするとシート材S1の先端は
接触位置77からL6だけ進んだ位置まで搬送ローラ1
3によって搬送される。記録ヘッド27のインク吐出部
27aの先頭ノズルの印字する位置がシート材S1の先
端から所定長さL7になるよう長さL6はコントローラ3
4により設定される。
【0124】使用者は例えば1.5mm、3mmとかの
7の値を本記録装置と接続されているコンピュータを
通してプリンターのコントローラ34に指示することが
出来る。
【0125】ここで給送ローラ9及び搬送ローラ13が
シート材S1の先端をL6の位置迄搬送する間に前記フォ
ロア部46の当接部46aは必ず前記駆動カム7の停止
位置リフト面7a位置において当接していなければなら
ない。図12においてもし長さL7を小さくすることで
リフト面7aと前記当接部46aの当接に不確実性が出
る場合には、まず最初はL7を充分大きな値に設定した
長さL6の搬送を行い次に搬送ローラ13の逆転により
所定の長さL13(L6>L13)の逆送を行い、次に搬送
ローラ13の矢印49a方向の正転により印字位置長さ
14の正送を行う。
【0126】以上述べたように前記動作は長さL6を一
定にいておいて印字位置長さL14を任意に変える事が可
能となり前記リフト面7aと前記フォロア部46の当接
部46aの当接が確実に行われるものである。
【0127】又長さL13の逆送を行った後に長さL14
正送を行うことにより、モータMの回転を搬送ローラ1
3に伝達する歯車手段のバックラッシュは0となり、搬
送ローラ13が長さL14の搬送後に行う記録のための搬
送の搬送精度変動をきわめて小さくすることが出来るも
のである。
【0128】図1及び図12において、記録ヘッド27
の印字位置迄給送されたシート材S1の上をキャリッジ
27が主走査方向に往復移動しながらコントローラ34
の指示により記録ヘッド27の吐出部27aからインク
を吐出して所定の画像をシート材S1の上に記録する。
1行の記録が終了するとコントローラ34はモータMを
制御してシート材Sを副走査方向に1行送り出す。
【0129】以上の動作をくり返すことにより記録ヘッ
ド27はシート材S1の全面にわたって文字や画像の記
録を行う。
【0130】シート材S1が搬送ローラ13により副走
査方向に移動を行う際シート材S1は給送ローラ9のフ
ランジ部9aとガイド部材11の頂点11bで規制され
て大きな円弧状となって移動するがガイド部材11とシ
ート材S1との間には低い接触抵抗しか働かないので搬
送ローラ13の回動の際の後方負荷はきわめて小さい。
この後方負荷がきわめて小さいとモータMにかかる負荷
の変動も小さくなり、従って搬送ローラ9の搬送精度が
良くなりその結果記録ヘッド27による記録精度も向上
して画質の向上が図られる。
【0131】図1、図2、図12において、シート材S
1の後端がフォトセンサPHによって検出されるとコン
トローラ34はフォトセンサPHの検出位置からインク
吐出部27aの後端ノズル位置迄の長さL8を予測し
て、長さL8以内に記録ヘッド27によって記録を行わ
せた後搬送ローラ13及び排出ローラ20に所定量の連
続回転を行わせて図2における排出口1bからシート材
1を排出する。
【0132】排出ローラ20の所定量の連続回転後コン
トローラ34は記録装置と接続しているコンピュータか
らの指示があれば次のシート材Sの給送動作を行う。
【0133】図1において、幅の広いシート材Saの断
面二次モーメントIa Ia=b13/12…(12) ただしb1=シート材Saの幅長 h=シート材Saの厚み長 となる。
【0134】シート材Saと同質で厚さも同じだが幅方
向の長さがSaに対して例えば1/2のシート材Sbの
断面二次モーメントIbは Ib=b23/12=b13/2×12=Ia/2…(13) ただしb2=b1/2=シート材Sbの幅長 h=シート材Sbの厚み長 となる。
【0135】前記式(3)及び(3)′にI1=Ia、
1=Ib及び(13)式を代入してシート材Saのた
わみ角Aa及びシート材Abの関係を求めると Ab=2Aa=F82 21…(14) 故にAa=(F8/2)L2 21となる。
【0136】すなわちAa=Abとするためには
(4)、(6)式の関係からつき当て部材10がシート
材bをたわませる力F7をF7×(1/2)となるように
すればよい。
【0137】一方式(5)、(5)′から F7=A2×2×E2×I2×n/L3 2…(15) となり前記(15)式のつき当て部材10の個数nの値
を2から1にすることでシート材Sbをたわませる力F
7を1/2にすることが出来る。
【0138】以上の説明においてつき当て部材10の個
数を2個の例について説明したが、多種のシート材サイ
ズに対応する場合は、シート材サイズの種類の数に比例
してつき当て部材10の個数を増やしてやるとシート材
のサイズが変わる毎にシート材がつき当たるつき当て部
材の数が変わりに式(13)、(14)、(15)の関
係がなりたち、サイズの違いによって第2分離作用を行
うシート材のたわみ角Aaが大きく変わることがなく確
実な分離が可能となる。
【0139】図13〜図16に基づきつき当て部材10
の形状を説明する。図13はシート材Sが長方形形状の
つき当て部材10につき当たった状態を示す斜視図であ
る。
【0140】図13及び図14において、移動するシー
ト材Sがガイド部材11に屈曲線10eを支点として屈
曲可能に設けられたつき当て部材10につき当たりつき
当て部材10に屈曲線10eを支点として角度変化を与
える際、つき当て部材10の中央部10fと当たるシー
ト材の先端部Scが下方にたわむという現象が発生す
る。シート材の先端部Scがたわむと先端部がつき当て
部材10の先端を乗り越えるときに大きな音が出るおそ
れがある。又特に湿度の高い環境下においてはたわんだ
部分Scが下に折れ曲がりシート材Sの先端Scがつき
当て部材10の先端を乗り越えることが出来なくなり分
離不能になるおそれもある。
【0141】シート材Sの端部Scが下にたわむのはシ
ート材Sがつき当たりつき当て部材10がたわむときの
反力は中央部10fの反力F13のほうが端部10gの反
力F14より大きいためである。
【0142】そこで、図15に示すものは端部Scが下
にたわむのを防止した形状を示すもので、つき当て部材
10の端部Scが当たる部分をV字形の切欠き部が形成
されている。このV字抜き形状において、つき当て部材
10にシート材Sがつき当たるとシート材Sの端部Sc
は図13における反力F13を受けないので端部Scが下
にたわむことがない。
【0143】一方、V字の稜線10hとシート材Sの先
端が交わる点10iには図7で示すところのシート材S
の先端がつき当て部材10の面を滑る力F4とこの力F4
の分力F15が働く。
【0144】V字形の開き角度を2A6°とすると分力
15は F15=F4/cosA6°…(16) なる値になる。シート材Sの先端はF15の作用によりつ
き当て部材10の稜線10h上を摺接しながらF15方向
に上昇する。シート材Sの先端がF15方向に上昇するこ
とによりシート材の先端Scの下にたわむことが防止さ
れ、又シート材Sの先端がV字形の稜線上を摺接しなが
ら上昇する間に第3の分離作用が行われ、分離の能力が
更に向上するものである。
【0145】第3の分離作用は、薄いシート材において
顕著に働くものである。V字形の角度A6°を小さくし
ていくと式(16)から分力F15が小さくなって前記第
3の分離作用が強く働くようになり分離能力を高めるた
めには有利だが一方、端部Scが下にたわむことが発生
しやすくなる。
【0146】又、角度A6°を大きくすると式(16)
から分力F15が大きくなり、シート材先端が上昇しやす
くなるため第3の分離作用が弱くなり2枚目以降のシー
ト材も上昇して重送を起こしやすくなる。実験によれば
前記角度A6°は55°〜75°の範囲が好ましいこと
がわかった。なお、V字形の切欠きの代わりにU字形の
切欠きとしてもよい。
【0147】図15において矢印80の断面位置におけ
るつき当て部材10の断面積は断面位置が上に行く程小
さくなり従って断面二次モーメントの値も上に行く程急
激に小さくなる。断面積が上に行く程小さくなるため式
(5)、A2≒F73 22における弾性度K2と比してV
字形状のK′2は上に行く程大きくなり従ってつき当て
部材10の先端におけるたわみ角A′2はA2に比して大
きくなる。たわみ角A′2が大きいと2枚目以降のシー
ト材が滑りやすくなり第2の分離作用が確実でなくな
る。
【0148】図16に基づき、図15におけるV字形状
の問題を解決した形状について説明する。
【0149】つき当て部材10の上端における幅方向の
長さをL9とし、屈曲位置10eの幅方向の長さをL10
とし、L9>L10なる形状にすることで矢視80の断面
位置における断面積を断面位置が上方に行くに従って小
さく変化する率を小さくすることでつき当て部材10の
先端におけるたわみ角A′2をA2に近づけることができ
る。
【0150】又、幅方向の長さL9が屈曲点10e方向
に行くに従って小さくなっているため2枚目以降のシー
ト材Sの先端が下方に移動する際、点10jにおいてシ
ート材Sの下方移動を阻止する抵抗力F16が減少して移
動が容易になった。
【0151】つき当て部材10の屈曲位置10eの断面
二次モーメントを小さくするため位置10eのライン上
に幅長L11を有する複数の孔81を設け前記位置10e
のライン上の断面積の減少を図っている。なお、孔81
の代わりに切欠きでもよく、また孔と切欠きの組合せで
もよい。つき当て部材10が屈曲位置10eでたわみや
すくなるとつき当て部材10の先端のたわみ角が先端に
行くほど急に大きくなることが減少し第2の分離作用が
更に向上する。
【0152】又、つき当て部材10の幅方向の長さ
9、L10及び厚さtを一定にして孔81の幅長L11
値を増減したり、孔81の個数を増減することで使用す
るシート材のたわみ特性に合わせて図13における反力
14を任意に調整することが出来る。なお孔の形状は幅
長L11が同じであれば丸や三角でも効果がある。孔の効
果は図14に示す一般的な短形形状においても同様の効
果が得られる。
【0153】図16において、つき当て部材10の上端
から下方にL12なる短い長さの位置においてV字状に開
いている角度A6°より小さい角度A7°なる稜部10k
を設けることによりシート材Sは稜部10kにおいて稜
部10hより強い分離作用を更に受けるので第3の分離
作用は図15に示すV字形状より更に向上するものであ
る。
【0154】実験によれば、長さL11は1.5mm〜3
mm、角度A6°は50°〜75°、角度A7°は0°〜
40°の範囲に設定するのが好適である。
【0155】つき当て部材10として用いられる樹脂フ
ィルムは熱変形温度が高く、吸水率が低く、耐折強度の
高いもの、例えばポリカーボネイトとかポリイミドが適
当である。又厚みは0.07mmから0.3mmの範囲
で設定するのがよい。
【0156】(第2の実施例)図17及び図18は第2
の実施例を示し、図17は本装置の機構を示す模式図
で、図18は本装置の断面図である。図17及び図18
において、第1の実施例を示す図1及び図2で説明した
部材と同じ部材及び同じ機能を有する部材は図1及び図
2と同じ番号を付して詳細な説明は省略する。
【0157】第2の実施例において第1の実施例と主に
異なるところは、シート材積載台82は側板3に不動的
に固定されていることと、軸83を中心に回動するアー
ム部材84の先端部に軸85により支持された給紙ロー
ラ86は前記軸83を中心に揺動することであり、これ
を詳細に説明する。
【0158】図17、図18において、軸8には欠歯部
57aを有する歯車57、カム部材87、ギヤ88が固
着されている。側板3に回転可能に設けられた軸83に
は歯車89、歯車90が固着されており、歯車89は歯
車88と噛み合っている。複数のアーム要素を横ステー
部材84aで一体化したアーム部材84は軸83に回転
自在に設けられている。
【0159】アーム部材84の先端部には軸85が回転
可能に設けられており、軸85にはゴム等からなる給送
ローラ86及び歯車91が固着されている。歯車90と
歯車91は常に噛み合っている。給送ローラ86の直径
は第1の実施例の給送ローラ9に比して径が小さい。従
って歯車57の1回によりシート材が給送される量が少
なくなるので歯車90の歯数を歯車91の歯数より多く
して給送ローラ86の回転量を確保している。
【0160】アーム部材84は、軸83にはめ込まれた
状態で一端がばね掛け部28bに、他端が横ステー部材
84aに引掛けられたばね部材92により時計回り方向
の回転が付勢されている。そのためアーム部材に設けら
れたフォロア部84bとカム部材87との係止がはずれ
ると図18における給送ローラ86は2点鎖線で示すよ
うにシート材積載台82の面上に当接する迄の揺動を行
う。
【0161】次に図17、図18、図19〜図23に基
づいて第2の実施例における給送動作及び印字動作につ
いて説明する。図19〜図23は図17におけるシート
材を給送する主要構成部材を示す断面図で、前記図にお
いて図17で示す部材と同じ部材には同一番号を付して
ある。
【0162】図18及び図19において装置の電源がO
Nになるとコントローラ34のイニシャライズ動作命令
により図17に示すモータMが矢印47a方向、すなわ
ち搬送ローラ13がシート材Sを排出口16に向けて副
走査搬送する方向に所定量回転すると、第1遊星歯車5
3bは歯車57の欠歯部57aで空転し、第2遊星歯車
62はキャリア63の腕部63aがストッパーピン65
に当接した位置で空転し、カム部材87の停止位置リフ
ト面87bとアーム部材84に設けられたフォロア部8
4bが当接してアーム部材84が反時計方向に回動して
給送ローラ86がシート材積載台82から離間した状
態、すなわち図19に示す状態になる。
【0163】この状態でシート材積載台82と給送ロー
ラ86の間に複数のシート材Sを挿入してシート材積載
台82上に積載する。
【0164】図4及び図20においてコントローラ34
の給送命令によりモータMが矢印47bの方向に所定の
量回転すると第2遊星歯車62は第2キャリア63とピ
ン65が当接していた位置から歯車57との噛み合い位
置迄公転する。
【0165】噛み合い位置に来た第2遊星歯車62はモ
ータMの矢印47b方向の回転を歯車57に伝達するの
で軸8、歯車88、歯車89、軸83、歯車90、歯車
91、軸85を通して給送ローラ86は給送方向に回転
を始める。
【0166】一方、軸8の回転によりカム部材87は回
動し、前記カム部材の係止リフト位置87bとフォロア
部84bとの係止がはずれ給送ローラ86は最上位のシ
ート材S1に当接し、シート材S1を給送する。給送され
たシート材S1はつき当て部材10につき当たりつき当
て部材10に角度変化を与える。第2の分離角度迄に角
度変化したつき当て部材10によりシート材S1は1枚
に分離されて続いてつき当て部材10の上端を乗り越
え、更にガイド部材11の斜面11aによって上方に案
内される。
【0167】図20において分離されたシート材の先端
がフォトセンサPHを横切ると、フォトセンサPHは信
号を発生し、この信号に基づき図18におけるコントロ
ーラ34によりモータMは距離L13+α(α=余裕値=
2〜5mm)相当分のパルス数P4の逆方向回動を行っ
てから一旦停止する。
【0168】モータのP4のパルス数の回転に応動する
ローラ86によりシート材S1の先端は矢印49b方向
に逆転中の搬送ローラ13と第1ピンチローラ16の接
触位置77につき当てられ、その先端の移動は阻止され
る。シート材S1の移動が阻止された状態において給送
ローラ86がまだ回転の途中である場合には給送ローラ
86はシート材S1の上面をスリップしながら回転す
る。
【0169】シート材S1の先端が斜行していると、一
方の先端部が先に接触位置77につき当たって一方の先
端部の移動は停止するが、他方の先端部は移動するので
シート材は一方の先端部を中心に回転する。
【0170】この回転によってシート材S1の先端はそ
の幅全域にわたって接触位置に平行に整列されて斜行が
補正される。
【0171】P4のパルス数の回動後、モータMは搬送
ローラ13によって搬送される距離L6相当分のP5のパ
ルス数の矢印47a方向である正方向回転を行う。モー
タMのP5のパルス数の回転によって給送ローラ86は
更なる回転を行ってシート材S1の先端を接触位置77
に押し込む。押し込められたシート材S1の先端は搬送
ローラ13の矢印49bとは逆の方向の回転により距離
6迄搬送される。
【0172】図20、図24において、各ステップ毎に
おけるモータMの回転パルス数は P1=第2遊星歯車61がA5°なる公転を行うに要する
パルス数 P2=歯車57の欠歯位置が第1遊星歯車53の噛み合
い位置から第2遊星歯車の噛み合い位置迄回転する角度
4°に相当するパルス数 P3=給送ローラ86が距離L13+α(α=2〜5m
m)相当の回転を行うことに相当するパルス数 P4=給送ローラ86が距離L14+α(α=2〜5m
m)相当の回転を行うことに相当するパルス数 P5=搬送ローラ13が距離L6に相当の回転を行うこと
に相当するパルス数 P6=搬送ローラ13が使用範囲内最大サイズのシート
材の縦方向長さの2倍の量を搬送するに相当するパルス
数 となる。
【0173】図24に基づいてのモータMの動作手順は
第1の実施例で図9、図24を用いて説明したのと全く
同一の手順なのでここでの説明を省略する。
【0174】コントローラ34はモータMをP4のパル
ス数回転させ前記距離L13の給送を行い一旦停止後、図
17におけるモータMを矢印47a方向に回動させると
図21において搬送ローラ13は矢印49a方向に回転
し、一方第1キャリア55は矢印50a方向に回動する
ので第1遊星歯車53bは歯車57と噛み合い、そのた
めモータMの回動が給送ローラ86に伝わり給送ローラ
86は回転する。給送ローラ86の回転によりシート材
1の先端は矢印49a方向に回転する搬送ローラ13
と第1ピンチローラ16の接点77に押し付けられるの
でシート材S1の先端は接点77を通過する。
【0175】歯車57の回転によりカム部材87も回転
し、カム部材87駆動リフト面87aとアーム部材8
4のフォロア部84bが当接する。カム部材87が更に
回転するとアーム部材84は軸83を中心として反時計
方向に回動して給送ローラ86をシート材S1の面から
離間せしめる。
【0176】モータMの矢印47a方向の回転により第
2キャリア63は矢印59a方向に回動するので第2遊
星歯車62は歯車57との噛み合い位置から離れて同じ
く矢印59a方向に公転する。
【0177】図22において、駆動カム87の最大リフ
ト面87bがフォロア部84bの当接部を通過すると同
時に歯車57の欠歯部57aが第1遊星歯車53の小遊
星歯車53bとの噛み合い位置に来るので、小遊星歯車
53bによる歯車57への回転伝達は断たれ歯車57及
び給送ローラ86の回転は停止する。
【0178】歯車57の第1遊星歯車57bによる回転
が停止直後フォロア部84bは図17で示すばね部材9
2の力により駆動カム87の傾斜面87cを押圧するの
で駆動カム87は時計方向に回動し、この回動に連動し
て歯車57も少量回転する。図23においてフォロア部
84bが傾斜面87cをすべって駆動カム87の停止位
置リフト面87dの位置に来ると駆動カム87の回転は
停止し、従って歯車57の回転も停止する。
【0179】歯車57の少量回転により欠歯部57aの
停止位置の位相も少量進み欠歯部57aは第1遊星歯車
53の小遊星歯車53bとの噛み合い位置から完全に退
避するので第1遊星歯車53bの空転時に両者の歯の干
渉によって振動や異音が発生するという問題がなくな
る。
【0180】図22及び図23において、シート材S1
の上面を押圧していた給送ローラ86が時計方向に回動
すると2枚目以降のシート材S2は押圧力から開放され
て逆給送方向の移動が容易となり、つき当て部材10の
復元力により2枚目以降のシート材S2はもとのセット
位置に戻る。このようにして、つき当て部材10に加わ
っている負荷が解除される。2枚目以降のシート材S2
の給送は必ずセット位置から始まりそのためつき当て部
材の角度変化もセット位置から始まるので常に同じ分離
動作を行うものである。
【0181】図23において、モータMが長さL6に相
当するパルス数P4の回動をすると搬送ローラ13は矢
印49aの方向に回転してシート材S1の先端を接触位
置77から長さL6の位置迄送り出す。記録ヘッド27
のインク吐出部27aの先頭ノズルの印字する位置が所
定の長さL7になるように長さL6は設定される。
【0182】図17及び図23において、記録ヘッド2
7の印字位置迄給送されたシート材S1の上面をキャリ
ッジ27が主走査方向に往復移動を行いながらコントロ
ーラ34の指示により記録ヘッド27の吐出部27aか
らインクを吐出しながら所定の文字及び画像をシート材
1の上に記録する。
【0183】1行の記録が終了すると、コントローラ3
4はモータMを矢印47方向に所定量回転させシート材
1を1行分送り出す。前記動作をくり返すことにより
前記記録ヘッド27はシート材S1の全面にわたって文
字や画像の記録を行う。
【0184】図17、図18、図23において、シート
材S1の後端がフォトセンサPHに検出されるとコント
ローラ34はフォトセンサPHの検出位置からインク吐
出部27aの後端ノズル位置迄の長さL8を予測して、
前記長さL8以内に記録ヘッド27によって記録を行わ
せた後搬送ローラ13及び排出ローラ20に所定量の連
続回転を行わせ図18に示す排出口1bからシート材S
1を排出する。
【0185】排出ローラ20の所定量の連続回転後、コ
ントローラ34は記録装置と接続しているコンピュータ
からの指示があれば次のシート材の給送動作を行う。
【0186】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、分離部材が
シート材を分離した後に角度変化を戻そうとするときに
該分離部材に加わっている負荷を解除するようにしたた
め、容易に分離部材が初期の状態に復帰することがで
き、次のシート材の分離を確実に行うことができる。し
たがって、シート材の分離不良による重送等の発生を確
実に防止することができて、シート材給送装置の信頼性
を高めることができる。
【0187】
【0188】
【0189】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート材給送装置を備えた記録装置の
構成を示す斜視図
【図2】図1に示す記録装置の縦断面図
【図3】本発明のシート材給送装置の駆動伝達機構にお
ける正転状態を示す図
【図4】本発明のシート材給送装置の駆動伝達機構にお
ける逆転状態を示す図
【図5】本発明のシート材給送装置の分離前の状態を示
す側面図
【図6】本発明のシート材給送装置の分離途中の状態を
示す側面図
【図7】本発明のシート材給送装置の分離途中での力関
係を示す側面図
【図8】本発明のシート材給送装置の分離開始時の力関
係を示す側面図
【図9】本発明のシート材給送装置のシート材の送り量
を示す側面図
【図10】本発明のシート材給送装置の駆動伝達機構に
おいて逆転状態から正転状態に切り換えたときの状態を
示す側面図
【図11】本発明のシート材給送装置において給送ロー
ラとシート材とが離間するときの状態を示す側面図
【図12】本発明のシート材給送装置において給送ロー
ラとシート材とが離間した後歯車の欠歯部の位置決めを
行ったときの状態を示す側面図
【図13】本発明のシート材給送装置に設けられている
分離部材にシート材がつき当たったときの力の状態を示
す斜視図
【図14】図13に示す図における正面図
【図15】本発明のシート材給送装置に設けられている
分離部材の形状を示す正面図
【図16】本発明のシート材給送装置に設けられている
分離部材の形状を示す正面図
【図17】本発明のシート材給送装置の他の実施例を備
えた記録装置の斜視図
【図18】図17に示した記録装置の縦断面図
【図19】本発明の第2の実施例のシート材給送装置の
分離前の状態を示す側面図
【図20】本発明の第2の実施例のシート材給送装置の
シート材の送り量を示す側面図
【図21】本発明の第2の実施例のシート材給送装置の
駆動伝達機構において逆転状態から正転状態に切り換え
たときの状態を示す側面図
【図22】本発明の第2の実施例のシート材給送装置に
おいて給送ローラとシート材とが離間するときの状態を
示す側面図
【図23】本発明の第2の実施例のシート材給送装置に
おけるシート材の頭出しを説明する側面図
【図24】本発明のシート給送装置におけるリトライ制
御を説明するフローチャート図
【図25】本発明の従来技術の一例を示す図
【図26】本発明の従来技術の一例を示す図
【図27】本発明の従来技術の一例を示す図
【符号の説明】
4 シート材積載台(シート材積載手段) 4b フォロア部 5 ばね(切換手段) 7 駆動カム(切換手段) 9 給送ローラ(シート材給送手段) 10 つき当て部材(分離部材) 11 ガイド部材 13 搬送ローラ(搬送手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 英明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 武史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山口 秀樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 博行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 仁志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木田 朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−193834(JP,A) 特開 平6−48588(JP,A) 特開 平4−85217(JP,A) 特開 平4−144843(JP,A) 実開 昭64−39335(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/00 - 3/68

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシート材を積載するシート材積載
    台と、前記シート材積載台に積載されているシート材に
    当接してシート材を給送する給送ローラと、前記シート
    材積載台を前記給送ローラ方向へ付勢するバネと、前記
    給送ローラの回転軸に配され前記バネの付勢力に抗して
    前記シート材積載台を前記給送ローラから離間させるカ
    ム部材と、前記給送ローラにより給送されたシート材が
    突き当たることにより取り付け部に対する角度が変化し
    てシート材を分離する分離部材と、前記分離部材の下流
    側でシート材を案内するガイド部材と、前記ガイド部材
    の下流側でシート材を搬送する搬送ローラと、を有し、
    前記分離部材は前記シート材積載台に積載されているシ
    ート材の給送方向に対する垂線に対して前記給送ローラ
    側に傾いた状態で前記ガイド部材に固着されているシー
    ト材給送装置であって、 前記分離部材により分離されたシート材の先端が前記搬
    送ローラを通過した後に、前記給送ローラの回転に応じ
    て前記カム部材が回転することにより、前記シート材積
    載台が前記給送ローラから離間することを特徴とするシ
    ート材給送装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部材は、前記分離部材により
    分離されたシート材を該分離部材から離間せしめる相対
    位置に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のシ
    ート材給送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のシート材給送
    装置を備え、前記シート材給送装置より給送されたシー
    ト材に記録手段により記録を行うことを特徴とする記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段は、インクを吐出可能なイ
    ンクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項
    3に記載の記録装置。
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