JP3310163B2 - スペクトル拡散受信機 - Google Patents

スペクトル拡散受信機

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JP3310163B2 JP12456496A JP12456496A JP3310163B2 JP 3310163 B2 JP3310163 B2 JP 3310163B2 JP 12456496 A JP12456496 A JP 12456496A JP 12456496 A JP12456496 A JP 12456496A JP 3310163 B2 JP3310163 B2 JP 3310163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル移動無
線通信に使用するスペクトル拡散受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】図18は従来のスペクトル拡散受信機の
構成を示している。図18において、1000は受信ア
ンテナ、1001は準同期検波回路である。1002、
1003はミキサ、1004はπ/2位相器、1005
は準同期検波用局部発振器である。ミキサ1002、1
003の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分と
Q成分であり、それぞれ個別のアナログ波形整形フィル
タ1006、1007とAD変換器(アナログ・ディジ
タル変換器)1008、1009に通される。AD変換
器1008、1009以降の回路は、全てディジタル回
路により実現される。1010は相関器であり、受信信
号RI、RQと拡散符号との相関値XI、XQを計算す
る。相関器1010の出力XI、XQは、位相補償回路
1011により位相補償されてYI、YQとなり、符号
判定器1012によりそれぞれ正負を判定され、符号判
定出力SI、SQを得る。1013はタイミング誤差検
出回路であり、受信信号RI、RQと拡散符号との時間
差Errを与える。タイミング誤差検出回路1013の
出力Errは、DA変換器(ディジタル・アナログ変換
器)1014によりアナログ信号に変換され、電圧制御
クロック発振器1015の出力周波数を制御する。電圧
クロック発振器1015の出力は、システムクロックφ
として、AD変換器1008、1009以降の全てのデ
ィジタル回路の動作を司る。
【0003】移動無線通信環境においては、建造物など
による反射によって遅延波が発生し、受信信号はタイミ
ングの異なった複数の信号(パス)の合計となる。図1
8に示すスペクトル拡散受信機は、これらのパスのうち
最も振幅の大きなもの(メインパス:主波)を1本だけ
を選んで復調するものである。しかし、ここで相関器を
複数設ければ、複数本存在するパスを個別に復調するこ
とができ、符号判定の前にこれらの復調信号を加算すれ
ば、メインパスのみを用いるよりも信頼度の高い符号判
定を行うことができる。以上のような複数のパス信号を
加算する手法を、RAKE合成と称している。
【0004】図19は従来のRAKE機能付きスペクト
ル拡散受信機の構成を示している。図19において、1
100は受信アンテナ、1101は準同期検波回路であ
る。1102、1103はミキサ、1104はπ/2位
相器、1105は準同期検波用局部発振器である。準同
期検波用局部発振器1105の発振周波数は、受信信号
の搬送波周波数にほぼ等しい。ミキサ1102、110
3の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分とQ成
分であり、それぞれ個別のアナログ波形整形フィルタ1
106、1107とAD変換器(アナログ・ディジタル
変換器)1108、1109に通される。AD変換器1
108、1109以降の回路は、全てディジタル回路に
より実現される。図19においては、3本のパスをRA
KE合成する場合の例を示しており、AD変換器110
8、1109以降の回路は3系統設けられている。AD
変換器1108、1109の出力ディジタル信号は、数
ビット幅のバスであり、シフトレジスタ1110、11
11、1112、1113、1114、1115に通さ
れる。これらのシフトレジスタの段数は、自由に代える
ことができ(0段の場合もある。)、これらのシフトレ
ジスタの出力において、全てのパス信号のタイミングが
ほぼ一致するように調整される。1116、1117、
1118は相関器であり、受信信号RI、RQと拡散符
号との相関値XI、XQを計算する。相関器1116、
1117、1118の出力XI、XQは、位相補償回路
1119、1120、1121により位相補償される。
位相補償された結果の信号は、加算器1122、112
3により加算され、符号判定器1124によりそれぞれ
正負を判定され、符号判定出力SI、SQを得る。11
25はタイミング誤差検出回路であり、受信信号RI、
RQと拡散符号との時間差Errを与える。タイミング
誤差検出回路1125の出力Errは、DA変換器(デ
ィジタル・アナログ変換器)1126によりアナログ信
号に変換され、電圧制御クロック発振器1127の出力
周波数を制御する。電圧制御クロック発振器1127の
出力は、システムクロックφとして、AD変換器110
8、1109以降の全てのディジタル回路の動作を司
る。
【0005】図20は従来のRAKE機能付きスペクト
ル拡散受信機の別の構成を示している。図20におい
て、1200は受信アンテナ、1201は準同期検波回
路である。1202、1203はミキサ、1204はπ
/2位相器、1205は準同期検波用局部発振器であ
る。準同期検波用局部発振器1205の発振周波数は、
受信信号の搬送波周波数にほぼ等しい。ミキサ120
2、1203の出力は、それぞれベースバンド信号のI
成分とQ成分であり、それぞれ個別のアナログ波形整形
フィルタ1206、1207に通される。図20におい
ては、3本のパスをRAKE合成する場合の例を示して
おり、以降の回路は3系統設けられる。したがって、A
D変換器(アナログ・ディジタル変換器)は、3パス分
(合計6個)設けられる。AD変換器1208、120
9、1210、1211、1212、1213の出力デ
ィジタル信号は、数ビット幅のバスであり、シフトレジ
スタ1214、1215、1216、1217、121
8、1219に通される。これらのシフトレジスタの段
数は、自由に代えることができ(0段の場合もあ
る。)、これらのシフトレジスタの出力において、全て
のパス信号のタイミングがほぼ一致するように調整され
る。1220、1221、1222は相関器であり、受
信信号RI、RQと拡散符号との相関値XI、XQを計
算する。相関器1220、1221、1222の出力X
I、XQは、位相補償回路1223、1224、122
5により位相補償される。位相補償された結果の信号
は、加算器1226、1227により加算され、符号判
定器1228によりそれぞれ正負を判定され、符号判定
出力SI、SQを得る。1229、1230、1231
はタイミング誤差検出回路であり、受信信号RI、RQ
と拡散符号との時間差Errを与える。タイミング誤差
検出回路1229、1230、1231の出力Err
は、DA変換器(ディジタル・アナログ変換器)123
2、1233、1234によりアナログ信号に変換さ
れ、電圧制御クロック発振器1235、1236、12
37の出力周波数を制御する。図20が図19の例と異
なるのは、復調系のシステムクロックが各パス毎に独立
になっていることである。すなわち、電圧制御クロック
発振器1235の出力は、システムクロックφ1として
パス1の復調系(AD変換器1208、1209、シフ
トレジスタ1214、1215、相関器1220)の動
作を司り、電圧制御クロック発振器1236の出力は、
システムクロックφ2としてパス2の復調系(AD変換
器1210、1211、シフトレジスタ1216、12
17、相関器1221)の動作を司り、電圧制御クロッ
ク発振器1237の出力は、システムクロックφ3とし
てパス3の復調系(AD変換器1212、1213、シ
フトレジスタ1218、1219、相関器12221)
の動作を司ることである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスペクトル拡散受信機では、スペクトル拡散信号を
受信するときに、AD変換器による受信信号のサンプリ
ングタイミングを最適に制御しなければならない。サン
プリングタイミングが最適でない場合は、受信信号電力
を効率よく利用することができず、通信品質が劣化する
という問題がある。
【0007】また、図18に示すスペクトル拡散受信機
の場合、復調系ディジタル回路のシステムクロックは、
アナログ電圧制御クロック発振器1015により発生さ
せ、その発振器1015に制御電圧はDA変換器101
4により発生させる必要があるので、このようなアナロ
グ素子を使用すると、動作が不安定になり、装置全体の
小型化が困難となり、調整箇所が増えるなどの問題があ
る。
【0008】また、図19に示すRAKE機能付きスペ
クトル拡散受信機の場合は、拡散符号の同期追従は、メ
インパス信号に対してのみ行われ、これをメインパスト
ラッキングと称している。これにより、AD変換器11
08、1109のサンプリングタイミングは、メインパ
ス信号の最適サンプリングタイミングと一致するように
制御され、メインパスの信号は、最適サンプリングタイ
ミングで取り込むことができる。しかしながら、メイン
パス以外のパスの信号に対するサンプリングタイミング
は、シフトレジスタ1110〜1115の段数で制御さ
れるため、メインパス信号の最適サンプリングタイミン
グからの差をAD変換器1108、1109のサンプリ
ング周期の整数倍にしか設定することができない。ここ
で、各パスのメインパスの対する遅延時間は、AD変換
器1108、1109のサンプリング周期の整数倍にな
ることは希であり、多くの場合メインパス以外のパスの
信号を最適サンプリングタイミングで取り込むことはで
きない。最適サンプリングタイミングにより近いタイミ
ングで取り込むためには、AD変換器1108、110
9のサンプリング周波数を高くする必要があり、AD変
換器の消費電流が増大するばかりでなく、ハードウエア
のコストが増大するといった問題が生じる。
【0009】さらに、図20に示すRAKE機能付きス
ペクトル拡散受信機の場合は、同期追従は全てのパス信
号に対して独立に行われ、それぞれのAD変換器120
8〜1213のサンプリングタイミングは、それぞれの
パス信号の最適サンプリングタイミングと一致するよう
に制御され、これを独立トラッキングと称している。こ
れにより、全てのパスの信号を最適なタイミングでサン
プリングすることができる。しかしながら、RAKE合
成するパスそれぞれに対して、全て独立なシステムクロ
ック発振器(電圧制御クロック発振器1235〜123
7)とDA変換器1232〜1234とを設ける必要が
あり、ハードウエアの規模が増大するといった問題があ
る。
【0010】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、ハードウエアの規模を増大させることな
しに高い通信品質を保つことのできるスペクトル拡散受
信機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、受信信号のチップ周波数に対して1倍か
ら4倍程度の比較的低い周波数で、受信信号のチップ位
相に対して位相が非同期である自走クロックをシステム
クロックとして用いる。このとき、AD変換器によるサ
ンプリングタイミングが理想点からずれるが、タップ係
数可変型の波形整形フィルタを用いてこのサンプリング
タイミングのずれた受信信号サンプルを補間し、理想サ
ンプリングタイミングでサンプルした値を近似する。タ
ップ係数可変型の波形整形フィルタのタップ係数は、受
信信号のタイミング誤差検出回路により検出したタイミ
ング誤差から計算する。これにより、AD変換器を含む
全てのディジタル回路を動作させるシステムクロック
は、受信信号とは非同期の自走クロックで十分となる。
このため、電圧制御クロック発振器とそれの制御電圧を
発生するDA変換器が不要となり、装置中のアナログ素
子を削減することができる。
【0012】また、上記構成により、RAKE合成を行
う際は、メインパストラッキング方式においてAD変換
器のサンプリング周波数を高くしたり、独立トラッキン
グ方式において各パス毎に独立のシステムクロックを設
けたりすることなしに、全てのパスの信号を最適サンプ
リングタイミングでサンプルした値を得ることができ、
消費電流やハードウエア規模を増大させることなく、高
い通信品質を保つことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、受信したスペクトル拡散信号を、その搬送波周波数
にほぼ等しい周波数の局部発振信号を乗算することによ
りI、Qの2系統のベースバンド信号に変換する準同期
検波回路と、前記準同期検波回路の出力信号を、受信ス
ペクトル拡散信号のチップ周波数の数倍にほぼ等しい周
波数の固定サンプリングクロックによりサンプリングす
るアナログ・ディジタル変換器と、前記固定サンプリン
グクロックにより駆動され、前記アナログ・ディジタル
変換器の出力を波形整形するタップ係数可変型のディジ
タルFIRフィルタを用いた波形整形フィルタ回路と、
前記波形整形フィルタ回路の出力を入力として、受信し
たスペクトル拡散信号を復調する復調用拡散符号発生器
とディジタル乗算器と加算器とから構成される復調用相
関器と、前記復調用相関器の出力信号の正負の符号判定
を行うために、準同期検波時に発生する位相の誤差を前
記復調用相関器の出力信号を観測することにより推定
し、前記復調用相関器の出力信号に対してその誤差分を
補償する位相補償回路と、前記位相補償回路の出力の正
負をI成分とQ成分とで個別に判定する符号判定器と、
受信スペクトル拡散信号および復調拡散符号のタイミン
グ誤差を測定するタイミング誤差検出回路と、前記タイ
ミング誤差検出回路から受け取ったタイミング誤差信号
をもとに、受信スペクトル拡散信号のエネルギーを最も
効率よく獲得するようなタップ係数を計算して、前記タ
ップ係数可変型の波形整形フィルタ回路のタップ係数を
更新する波形整形フィルタタップ係数計算器とを備えた
スペクトル拡散受信機であり、AD変換器を含む全ての
ディジタル回路を動作させるシステムクロックが、受信
信号とは非同期の自走クロックで十分となるため、電圧
制御クロック発振器とそれの制御電圧を発生するDA変
換器が不要となり、装置中のアナログ素子を削減するこ
とができる。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、復調用
相関器の後段の位相補償回路を排除するとともに、波形
整形フィルタタップ係数計算器とタップ係数可変型波形
整形フィルタ回路の代わりに、準同期検波時に発生する
復調用相関器出力の位相誤差を推定し、その位相誤差の
補償のための信号をタップ係数可変型波形整形フィルタ
回路に対して指定するタップ係数に乗算する複素波形整
形フィルタタップ係数計算器と、前記複素波形整形フィ
ルタタップ係数計算器から与えられた複素タップ係数に
より特性が決定される複素タップ係数可変型波形整形フ
ィルタ回路とを備えた請求項1記載のスペクトル拡散受
信機であり、請求項1記載の発明の効果に加え、相関器
の前で位相補償を行うため、タイミング誤差検出回路に
おいて自乗器を用いる必要がなくなり、タイミング誤差
検出の特性が良くなる。また、符号判定器の前の位相補
償回路が不要となるので、ハードウエア規模を削減する
ことができる。
【0015】本発明の請求項3に記載の発明は、受信し
たスペクトル拡散信号を、その搬送波周波数にほぼ等し
い周波数の局部発振信号を乗算することによりI、Qの
2系統のベースバンド信号に変換する準同期検波回路
と、前記準同期検波回路の出力信号を、受信スペクトル
拡散信号のチップ周波数の数倍にほぼ等しい周波数の固
定サンプリングクロックによりサンプリングするアナロ
グ・ィジタル変換器と、前記固定サンプリングクロック
によって駆動され、前記アナログ・ディジタル変換器の
出力を入力して、復調しようとするパスのタイミング差
を予備的に除去する段数可変型のシフトレジスタの組
と、前記固定サンプリングクロックにより駆動され、前
記シフトレジスタの出力を波形整形するタップ係数可変
型のディジタルFIRフィルタを用いた波形整形フィル
タ回路と、前記波形整形フィルタ回路の出力を入力とし
て、受信したスペクトル拡散信号を復調する復調用相関
器と、前記復調用相関器の出力信号の正負の符号判定を
行うために、準同期検波時に発生する位相の誤差を前記
復調用相関器の出力信号を観測することにより推定し、
前記復調用相関器の出力信号に対してその誤差分を補償
する位相補償回路と、RAKE合成すべき全パスの位相
補償済み復調用相関器出力をI成分とQ成分とで個別に
加算する加算器と、前記加算結果の正負をI成分とQ成
分とで個別に判定する符号判定器と、受信スペクトル拡
散信号および復調拡散符号のタイミング誤差を測定する
タイミング誤差検出回路と、前記タイミング誤差検出回
路から受け取ったタイミング誤差信号をもとに、受信ス
ペクトル拡散信号のエネルギーを最も効率よく獲得する
ようなタップ係数を計算して、前記タップ係数可変型波
形整形フィルタ回路のタップ係数を更新する波形整形フ
ィルタタップ係数計算器とを有し、前記シフトレジスタ
の組と波形整形フィルタ回路と復調用相関器と位相補償
回路とタイミング誤差検出回路と波形整形フィルタタッ
プ係数計算器とを、RAKE合成すべきパスの数だけ備
えたRAKE機能付きのスペクトル拡散受信機であり、
AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作させるシ
ステムクロックが、受信信号とは非同期の自走クロック
で十分となるため、電圧制御クロック発振器とそれの制
御電圧を発生するDA変換器が不要となり、装置中のア
ナログ素子を削減することができる。また、RAKE合
成を行う際は、メインパストラッキング方式においてA
D変換器のサンプリング周波数を高くしたり、独立トラ
ッキング方式において各パス毎に独立のシステムクロッ
クを設けたりすることなしに、全てのパスの信号を最適
サンプリングタイミングでサンプルした値を得ることが
でき、消費電流やハードウエア規模を増大させることな
く、高い通信品質を保つことができる。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、復調用
相関器の後段の位相補償回路を排除するとともに、波形
整形フィルタタップ係数計算器とタップ係数可変型波形
整形フィルタ回路の代わりに、準同期検波時に発生する
復調用相関器出力の位相誤差を推定し、その位相誤差の
補償のための信号をタップ係数可変型波形整形フィルタ
回路に対して指定するタップ係数に乗算する複素波形整
形フィルタタップ係数計算器と、前記複素波形整形フィ
ルタタップ係数計算器から与えられた複素タップ係数に
より特性が決定される複素タップ係数可変型波形整形フ
ィルタ回路とを備えた請求項3記載のスペクトル拡散受
信機であり、請求項3記載の発明のの効果に加え、相関
器の前で位相補償を行うため、タイミング誤差検出回路
において自乗器を用いる必要がなくなり、タイミング誤
差検出の特性が良くなる。また、符号判定器の前の位相
補償回路が不要となるので、ハードウエア規模を削減す
ることができる。
【0017】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態を図面を参照して説明する。図1は本発明の請求項1
に対応する第1の実施の形態におけるスペクトル拡散受
信機の構成を示すものである。図1において、100は
受信アンテナ、101は準同期検波回路である。10
2、103はミキサ、104はπ/2位相器、105は
準同期検波用局部発振器である。ミキサ102、103
の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分とQ成分
であり、それぞれ個別のAD変換器(アナログ・ディジ
タル変換器)106、107に接続されている。AD変
換器106、107以降の回路は、全てディジタル回路
により実現される。AD変換器106、107の出力デ
ィジタル信号は、数ビットのバスであり、波形整形フィ
ルタ回路108に入力される。波形整形フィルタ回路1
08の出力DI、DQは、相関器109に入力され、相
関器109の出力XI、XQは、位相補償回路110に
入力され、位相補償回路110の出力YI、YQは、符
号判定器111に入力される。また、波形整形フィルタ
回路108の出力EI、LI、EQ、LQは、タイミン
グ誤差検出回路112に入力され、タイミング誤差検出
回路112の出力Errは、波形整形フィルタタップ係
数計算器113に入力され、波形整形フィルタタップ係
数計算器113からは、波形整形フィルタ回路108へ
タップ係数の設定情報が与えられる。
【0018】ここで、波形整形フィルタ回路108は、
図2、図3、図4のいずれの構成でもよい。また、波形
整形フィルタ回路108は、図5に示すようなFIR型
ディジタルフィルタであってもよい。図5において、2
15はレジスタであり、複数個組み合わされて、タップ
数と同じ段数のシフトレジスタを構成する。216はデ
ィジタル乗算器であり、タップ数と同数存在し、外部か
ら与えられるタップ係数と各レジスタ215の値との乗
算結果を出力する。217は加算器であり、全てのディ
ジタル乗算器216の出力を加算し、フィルタの出力値
とする。また、タイミング誤差検出回路112の構成を
図6に示し、相関器109の構成を図7に示す。
【0019】次に、本実施の形態1における動作につい
て説明する。まず、受信アンテナ100から受信された
信号は、ミキサ102、103、π/2位相器104、
準同期検波用局部発振器105から構成される準同期検
波回路101により準同期検波され、ベースバンド信号
のI成分とQ成分となり、それぞれ個別のAD変換器1
06、107によってサンプリングされ、ディジタルデ
ータRI、RQに変換される。ここで、このAD変換器
106、107以降の回路は、全て受信信号のチップ周
波数に対して1倍から4倍程度の周波数で、受信信号の
チップ位相に対して位相が非同期である自走クロックに
従って動作する。このため、AD変換器106、107
の入力データは、図9(f)に示すように、理想的なタ
イミング図9(d)からずれてサンプリングされ、R
I、RQとなる。波形整形フィルタ回路108中の復調
用のタップ係数可変波形整形フィルタのタップ係数は、
図9(g)に示すように、サンプリングタイミングがず
れた信号RI、RQが入力されたときに最も大きな出力
を得るように設定されている。このタイミング誤差は、
後述するタイミング誤差検出回路112によって計算さ
れる。
【0020】波形整形フィルタ回路108の出力は、相
関器109の内部において拡散符号と乗算されて1シン
ボル周期積分され、相関器出力XI、XQとなる。位相
補償回路110は、相関器出力XI、XQの準同期検波
による位相誤差を検出し、その検出した位相誤差を打ち
消すような位相補償演算をXI、XQに施し、出力Y
I、YQを与える。符号判定器111は、入力YI、Y
Qそれぞれの正負を判別し、符号判定出力SI、SQを
与える。ここで、XI、XQ、YI、YQ、SI、SQ
は、1シンボルに1サンプルの信号である。
【0021】次に、図6および図7を参照しながらタイ
ミング誤差検出回路112の動作について説明する。タ
イミング誤差検出回路112中の Early拡散符号発生器
302およびLate拡散符号発生器307は、復調用の相
関器109中の拡散符号発生器401が発生するものと
同一の拡散符号を発生する。波形整形フィルタ回路10
8に図2の構成を用いる場合には、 Early拡散符号発生
器302が発生する拡散符号のタイミングは、復調用の
相関器109中の拡散符号発生器401が発生する拡散
符号のタイミングよりもある一定の時間δだけ早くし、
Late拡散符号発生器307が発生する拡散符号のタイミ
ングは、復調用の相関器109中の拡散符号発生器40
1が発生する拡散符号のタイミングよりもある一定の時
間δだけ遅くする。波形整形フィルタ回路108に図3
または図4の構成を用いる場合には、 Early拡散符号発
生器302およびLate拡散符号発生器307が発生する
拡散符号のタイミングは、復調用の相関器109中の拡
散符号発生器401が発生する拡散符号のタイミングと
同一にする。
【0022】以上のように設定することにより、AD変
換器106、107のサンプリングタイミングが理想サ
ンプリングタイミングより遅い場合は、 Early枝相関器
300の出力の振幅が大きくなり、AD変換器106、
107のサンプリングタイミングが理想サンプリングタ
イミングより早い場合は、Late枝相関器301の出力の
振幅が大きくなる。次に、 Early枝相関器300および
Late枝相関器301の出力の電力を Early枝電力測定器
312およびLate枝電力測定器313によって計算し、
減算器321によって差をとり、タイミング誤差検出回
路112の出力Errを得る。以上のような構成によ
り、AD変換器106、107のサンプリングタイミン
グが理想サンプリングより遅い場合は、Errが負の値
をとり、AD変換器106、107のサンプリングタイ
ミングが理想サンプリングより早い場合は、Errが正
の値をとる。
【0023】次に、波形整形フィルタ回路108におけ
る波形整形フィルタのタップ係数の設定方法について説
明する。準同期検波されてベースバンド信号に変換され
た受信信号は、図8(a)に示すルートナイキスト単一
パルスを図8(b)のようにチップ周期Tcの間隔で並
べて加算して生成した図8(c)のようなものとなる。
この受信信号がAD変換器106、107によって図9
(d)のようなタイミング(このサンプリングタイミン
グが理想である。)でサンプリングされた場合、この受
信信号を最も効率よくディジタル回路に取り込むために
は、図9(e)のようなタップ係数列を持つ波形整形フ
ィルタを通すことが必要となる。また、受信信号が図9
(f)のように理想的なタイミングからdだけずれたタ
イミングでサンプリングされた場合、この受信信号を最
も効率よくディジタル回路に取り込むためには、図9
(g)のようなタップ係数列を持つ波形整形フィルタを
通すことが必要となる。タイミング誤差dは、上記のタ
イミング誤差検出回路112によって計算され、誤差信
号Errの形で波形整形フィルタタップ係数計算器11
3に与えられる。波形整形フィルタタップ係数計算器1
13は、誤差信号Errをもとに計算したタップ係数を
波形整形フィルタ回路108へ与える。
【0024】ここで、波形整形フィルタ回路108に図
2または図3の構成をとるときには、波形整形フィルタ
回路108内の全てのタップ係数可変波形整形フィルタ
に同じタップ係数が与えられる。波形整形フィルタ回路
108が図4の構成をとるときには、波形整形フィルタ
回路108内の全てのタップ係数可変波形整形フィルタ
のうち、EI、EQ用フィルタ209、212には、D
I、DQ用フィルタ211、214に与えるタップ係数
よりもδだけ早い形のタップ係数を与え、LI、LQ用
フィルタ210、213には、DI、DQ用フィルタ2
11、214に与えるタップ係数よりもδだけ遅い形の
タップ係数を与える。
【0025】このように、上記実施の形態1によれば、
AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作させるシ
ステムクロックが、受信信号とは非同期の自走クロック
で十分となり、電圧制御クロック発振器とそれの制御電
圧を発生するDA変換器が不要となるため、装置中のア
ナログ素子を削減することができる。
【0026】(実施の形態2)図10は本発明の請求項
2に対応する第2の実施の形態におけるスペクトル拡散
受信機の構成を示すものである。図10において、50
0は受信アンテナ、501は準同期検波回路である。5
02、503はミキサ、504はπ/2位相器、505
は準同期検波用局部発振器である。ミキサ502、50
3の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分とQ成
分であり、それぞれ個別のAD変換器(アナログ・ディ
ジタル変換器)506、507に接続されている。AD
変換器506、507以降の回路は、全てディジタル回
路により実現される。AD変換器506、507の出力
ディジタル信号は、数ビットのバスであり、複素波形整
形フィルタ回路508に入力される。複素波形整形フィ
ルタ回路508の出力DI、DQは、相関器509に入
力され、相関器509の出力XI、XQは、符号判定器
511および複素波形整形フィルタタップ係数計算器5
12に入力される。また、符号判定器511の出力S
I、SQは、コヒーレント型タイミング誤差検出回路5
10に入力される。複素波形整形フィルタ回路508の
出力EI、EQは、コヒーレント型タイミング誤差検出
回路510に入力され、コヒーレント型タイミング誤差
検出回路510の出力Errは、複素波形整形フィルタ
タップ係数計算器512に入力され、複素波形整形フィ
ルタタップ係数計算器512からは、複素波形整形フィ
ルタ回路508へタップ係数の設定情報が与えられる。
【0027】ここで、複素波形整形フィルタ回路508
は、図11、図12、図13のいずれの構成でもよい。
また、複素波形整形フィルタ回路508は、図14に示
すようなFIR型ディジタルフィルタであってもよい。
図14において、610は2列レジスタであり、複数個
組み合わされて、タップ数と同じ段数の2並列シフトレ
ジスタを構成する。611は複素ディジタル乗算器であ
り、タップ数と同数存在し、外部から与えられる複素タ
ップ係数と各2列レジスタ610の値との乗算結果を出
力する。612は加算器であり、全ての複素ディジタル
乗算器611の出力を加算し、フィルタの出力値とす
る。また、コヒーレント型タイミング誤差検出回路51
0の構成を図15に示す。相関器509の構成は図7に
示すものと同じである。
【0028】次に、本実施の形態2における動作につい
て説明する。まず、受信アンテナ500から受信された
信号は、ミキサ502、503、π/2位相器504、
準同期検波用局部発振器505から構成される準同期検
波回路501により準同期検波され、ベースバンド信号
のI成分とQ成分となり、それぞれ個別のAD変換器5
06、507によってサンプリングされ、ディジタルデ
ータRI、RQに変換される。ここで、このAD変換器
506、507以降の回路は、全て受信信号のチップ周
波数に対して1倍から4倍程度の周波数で、受信信号の
チップ位相に対して位相が非同期である自走クロックに
従って動作する。このため、AD変換器506、507
の入力データは、図9(f)に示すように、理想的なタ
イミングからずれてサンプリングされ、RI、RQとな
る。複素複素波形整形フィルタ回路508中の復調用の
タップ係数可変複素波形整形フィルタのタップ係数は、
図9(g)に示すように、ダンプリングタイミングがず
れた信号RI、RQが入力されたときに最も大きな出力
を得るように設定されている。このタイミング誤差は、
後述するコヒーレント型タイミング誤差検出回路510
によって計算される。
【0029】複素波形整形フィルタ回路108の出力
は、相関器509の内部において拡散符号と乗算されて
1シンボル周期積分され、相関器出力XI、XQとな
る。符号判定器511は、入力XI、XQそれぞれの正
負を判別し、符号判定出力SI、SQを与える。ここ
で、XI、XQ、SI、SQは、1シンボルに1サンプ
ルの信号である。
【0030】次に、コヒーレント型タイミング誤差検出
回路510の動作について説明する。図15はコヒーレ
ント型タイミング誤差検出回路510の構成を示してい
る。コヒーレント型タイミング誤差検出回路510中の
Early拡散符号発生器702およびLate拡散符号発生器
707は、復調用の相関器509中の拡散符号発生器4
01が発生するものと同一の拡散符号を発生する。複素
波形整形フィルタ回路508に図11の構成を用いる場
合には、 Early拡散符号発生器702が発生する拡散符
号のタイミングは、復調用の相関器509中の拡散符号
発生器401が発生する拡散符号のタイミングよりもあ
る一定の時間δだけ早くし、Late拡散符号発生器707
が発生する拡散符号のタイミングは、復調用の相関器5
09中の拡散符号発生器401が発生する拡散符号のタ
イミングよりもある一定の時間δだけ遅くする。複素波
形整形フィルタ回路508に図12または図13の構成
を用いる場合には、 Early拡散符号発生器702および
Late拡散符号発生器707が発生する拡散符号のタイミ
ングは、復調用の相関器509中の拡散符号発生器40
1が発生する拡散符号のタイミングと同一にする。
【0031】以上のように設定することにより、AD変
換器506、507のサンプリングタイミングが理想サ
ンプリングタイミングより遅い場合は、 Early枝相関器
700の出力の振幅が大きくなり、AD変換器506、
507のサンプリングタイミングが理想サンプリングタ
イミングより早い場合は、Late枝相関器701の出力の
振幅が大きくなる。次に、 Early枝相関器700および
Late枝相関器701の出力の電力を Early枝電力測定器
712およびLate枝電力測定器713によって計算し、
減算器721によって差をとり、コヒーレント型タイミ
ング誤差検出回路510の出力Errを得る。
【0032】実施の形態1に示したタイミング誤差検出
回路112中の Early枝電力測定器312およびLate枝
電力測定器313は、電力測定のために入力信号の位相
を一定方向にまとめる手段として自乗器を用いている
が、自乗操作は信号対雑音比を悪くしてしまうので、タ
イミング誤差検出回路112の性能は比較的よくない。
これに対し、コヒーレント型タイミング誤差検出回路5
10中の Early枝電力測定器712およびLate枝電力測
定器713は、自乗器の代わりに符号判定出力との乗算
を行うための乗算器714、715、718、719を
備えている。複素波形整形フィルタ回路508の出力E
I、LI、EQ、LQは、すでに位相補償が施されてお
り、さらに符号判定器511の出力を乗算することによ
り、 Early枝電力測定器712およびLate枝電力測定器
713の出力信号の位相を一定方向に揃えることができ
る。また、自乗操作を用いていないので、信号対雑音比
の劣化がなく、良好な特性を持つ。以上のような構成に
より、AD変換器506、507のサンプリングタイミ
ングが理想サンプリングより遅い場合は、Errが負の
値をとり、AD変換器506、507のサンプリングタ
イミングが理想サンプリングより早い場合は、Errが
正の値をとる。
【0033】次に、複素波形整形フィルタ回路508に
おける複素波形整形フィルタのタップ係数の設定方法に
ついて説明する。準同期検波されてベースバンド信号に
変換された受信信号は、図8(a)に示すルートナイキ
スト単一パルスを図8(b)のようにチップ周期Tcの
間隔で並べて加算して生成した図8(c)のようなもの
となる。この受信信号がAD変換器506、507によ
って図9(d)のようなタイミング(このサンプリング
タイミングが理想である。)でサンプリングされた場
合、この受信信号を最も効率よくディジタル回路に取り
込むためには、図9(e)のようなタップ係数列を持つ
複素波形整形フィルタを通すことが必要となる。また、
受信信号が図9(f)のように理想的なタイミングから
dだけずれたタイミングでサンプリングされた場合、こ
の受信信号を最も効率よくディジタル回路に取り込むた
めには、図9(g)のようなタップ係数列を持つ複素波
形整形フィルタを通すことが必要となる。タイミング誤
差dは、上記のコヒーレント型タイミング誤差検出回路
510によって計算され、誤差信号Errの形で複素波
形整形フィルタタップ係数計算器512に与えられる。
複素波形整形フィルタタップ係数計算器512は、まず
誤差信号Errをもとに計算したタップ係数を計算す
る。次に、相関器出力XI、XQの準同期検波による位
相を検出し、その検出した位相誤差を打ち消すような位
相補償用複素係数を計算して、上記のタップ係数に乗算
し、複素タップ係数を求める。そして、計算した複素タ
ップ係数を複素波形整形フィルタ回路508へ与える。
【0034】ここで、複素波形整形フィルタ回路508
に図11または図12の構成をとるときには、複素波形
整形フィルタ回路508内の全ての複素タップ係数可変
複素波形整形フィルタに同じ複素タップ係数が与えられ
る。複素波形整形フィルタ回路508が図13の構成を
とるときには、複素波形整形フィルタ回路508内の全
ての複素タップ係数可変複素波形整形フィルタのうち、
Early用フィルタ607には、 Demod用フィルタ609
に与える複素タップ係数よりもδだけ早い形の複素タッ
プ係数を与え、Late用フィルタ608には、 Demod用フ
ィルタ609に与える複素タップ係数よりもδだけ遅い
形の複素タップ係数を与える。
【0035】このように、上記実施の形態2によれば、
AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作させるシ
ステムクロックが、受信信号とは非同期の自走クロック
で十分となり、電圧制御クロック発振器とそれの制御電
圧を発生するDA変換器が不要となるため、装置中のア
ナログ素子を削減することができる。また、相関器の前
で位相補償を行うため、タイミング誤差検出回路におい
て自乗器を用いる必要がなくなり、タイミング誤差検出
回路の特性が良くなる。さらに、符号判定器の前の位相
補償回路が不要となるので、ハードウエア規模を削減す
ることができる。
【0036】(実施の形態3)図16は本発明の請求項
3に対応する第3の実施の形態におけるスペクトル拡散
受信機の構成を示すものである。図16において、80
0は受信アンテナ、801は準同期検波回路である。8
02、803はミキサ、804はπ/2位相器、805
は準同期検波用局部発振器である。ミキサ802、80
3の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分とQ成
分であり、それぞれ個別のAD変換器(アナログ・ディ
ジタル変換器)806、807に接続されている。AD
変換器806、807以降の回路は、全てディジタル回
路により実現され、またRAKE合成するパス数と同数
だけ設けられる。AD変換器806、807の出力ディ
ジタル信号は、数ビットのバスであり、段数可変シフト
レジスタ808、809、810、811、812、8
13を介して波形整形フィルタ回路814、815、8
16に入力される。波形整形フィルタ回路814、81
5、816の出力DI、DQは、相関器817、81
8、819に入力され、相関器817、818、819
の出力XI、XQは、位相補償回路820、821、8
22に入力され、位相補償回路820、821、822
の出力YI、YQは、加算器823、824に入力さ
れ、その出力は符号判定器825に入力される。また、
波形整形フィルタ回路814、815、816の出力E
I、LI、EQ、LQは、タイミング誤差検出回路82
6、827、828に入力され、タイミング誤差検出回
路826、827、828の出力Errは、波形整形フ
ィルタタップ係数計算器829、830、831に入力
され、波形整形フィルタタップ係数計算器829、83
0、831からは、波形整形フィルタ回路814、81
5、816へタップ係数の設定情報が与えられる。
【0037】ここで、波形整形フィルタ回路814、8
15、816は、図2、図 3、図4、図5のいずれの
構成でもよい。また、タイミング誤差検出回路826、
827、828の構成は図6に示すものと同じであり、
相関器817、818、819の構成は図7に示すもの
と同じである。
【0038】次に、本実施の形態3における動作につい
て説明する。まず受信アンテナ800から受信された信
号は、ミキサ802、803、π/2位相器804、準
同期検波用局部発振器805から構成される準同期検波
回路801により準同期検波され、ベースバンド信号の
I成分とQ成分となり、それぞれ個別のAD変換器80
6、807によってサンプリングされ、ディジタルデー
タRI、RQに変換される。ここで、このAD変換器8
06、807以降の回路は、全て受信信号のチップ周波
数に対して1倍から4倍程度の周波数で、受信信号のチ
ップ位相に対して位相が非同期である自走クロックに従
って動作する。このため、AD変換器806、807の
入力データは、図9(f)に示すように、理想的なタイ
ミング図9(d)からずれてサンプリングされ、RI、
RQとなる。波形整形フィルタ回路814、815、8
16中の復調用タップ係数可変波形整形フィルタのタッ
プ係数は、図9(g)に示すように、サンプリングタイ
ミングがずれた信号RI、RQが入力されたときに最も
大きな出力を得るように設定されている。このタイミン
グ誤差は、後述するタイミング誤差検出回路826、8
27、828によって計算される。また、復調しようと
するパスのタイミングは、数チップの差があるが、段数
可変シフトレジスタ808〜813によってこのタイミ
ング差をほぼなくすようにし、精密なタイミング調整
は、波形整形フィルタ回路814、815、816によ
って行うようにする。
【0039】波形整形フィルタ回路814、815、8
16の出力は、相関器817、818、819の内部に
おいて拡散符号と乗算されて1シンボル周期積分され、
相関器出力XI、XQとなる。位相補償回路820、8
21、822は、相関器出力XI、XQの準同期検波に
よる位相誤差を検出し、その検出した位相誤差を打ち消
すような位相補償演算をXI、XQに施し、出力YI、
YQを与える。加算器823、824は、RAKE合成
するパスの数だけある出力YI、YQをI、Q個別に合
成する。符号判定器825は、加算器823、824の
出力のそれぞれの正負を判別し、符号判定出力SI、S
Qを与える。ここで、XI、XQ、YI、YQ、SI、
SQは、1シンボルに1サンプルの信号である。
【0040】次に、図6および図7を参照しながらタイ
ミング誤差検出回路826、827、828の動作につ
いて説明する。タイミング誤差検出回路826、82
7、828中の Early拡散符号発生器302およびLate
拡散符号発生器307は、復調用の相関器817、81
8、819中の拡散符号発生器401が発生するものと
同一の拡散符号を発生する。波形整形フィルタ回路81
4、815、816に図2の構成を用いる場合には、 E
arly拡散符号発生器302が発生する拡散符号のタイミ
ングは、復調用の相関器817、818、819中の拡
散符号発生器401が発生する拡散符号のタイミングよ
りもある一定の時間δだけ早くし、Late拡散符号発生器
307が発生する拡散符号のタイミングは、復調用の相
関器817、818、819中の拡散符号発生器401
が発生する拡散符号のタイミングよりもある一定の時間
δだけ遅くする。波形整形フィルタ回路814、81
5、816に図3または図4の構成を用いる場合には、
Early拡散符号発生器302およびLate拡散符号発生器
307が発生する拡散符号のタイミングは、復調用の相
関器817、818、819中の拡散符号発生器401
が発生する拡散符号のタイミングと同一にする。
【0041】以上のように設定することにより、AD変
換器806、807のサンプリングタイミングが理想サ
ンプリングタイミングより遅い場合は、 Early枝相関器
300の出力の振幅が大きくなり、AD変換器806、
807のサンプリングタイミングが理想サンプリングタ
イミングより早い場合は、Late枝相関器301の出力の
振幅が大きくなる。次に、 Early枝相関器300および
Late枝相関器301の出力の電力を Early枝電力測定器
312およびLate枝電力測定器313によって計算し、
減算器321によって差をとり、タイミング誤差検出回
路826、827、828の出力Errを得る。以上の
ような構成により、AD変換器806、807のサンプ
リングタイミングが理想サンプリングより遅い場合は、
Errが負の値をとり、AD変換器806、807のサ
ンプリングタイミングが理想サンプリングより早い場合
は、Errが正の値をとる。
【0042】次に、波形整形フィルタ回路814、81
5、816における波形整形フィルタのタップ係数の設
定方法について説明する。準同期検波されてベースバン
ド信号に変換された受信信号は、図8(a)に示すルー
トナイキスト単一パルスを図8(b)のようにチップ周
期Tcの間隔で並べて加算して生成した図8(c)のよ
うなものとなる。この受信信号がAD変換器106、1
07によって図9(d)のようなタイミング(このサン
プリングタイミングが理想である。)でサンプリングさ
れた場合、この受信信号を最も効率よくディジタル回路
に取り込むためには、図9(e)のようなタップ係数列
を持つ波形整形フィルタを通すことが必要となる。ま
た、受信信号が図9(f)のように理想的なタイミング
からdだけずれたタイミングでサンプリングされた場
合、この受信信号を最も効率よくディジタル回路に取り
込むためには、図9(g)のようなタップ係数列を持つ
波形整形フィルタを通すことが必要となる。タイミング
誤差dは、上記のタイミング誤差検出回路826、82
7、828によって計算され、誤差信号Errの形で波
形整形フィルタタップ係数計算器829、830、83
1に与えられる。波形整形フィルタタップ係数計算器8
29、830、831は、誤差信号Errをもとに計算
したタップ係数を波形整形フィルタ回路814、81
5、816へ与える。
【0043】ここで、波形整形フィルタ回路814、8
15、816に図2または図3の構成をとるときには、
波形整形フィルタ回路814、815、816内の全て
のタップ係数可変波形整形フィルタに同じタップ係数が
与えられる。波形整形フィルタ回路814、815、8
16が図4の構成をとるときには、波形整形フィルタ回
路814、815、816内の全てのタップ係数可変波
形整形フィルタのうち、EI、EQ用フィルタ209、
212には、DI、DQ用フィルタ211、214に与
えるタップ係数よりもδだけ早い形のタップ係数を与
え、LI、LQ用フィルタ210、213には、DI、
DQ用フィルタ211、214に与えるタップ係数より
もδだけ遅い形のタップ係数を与える。
【0044】このように、上記実施の形態3によれば、
AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作させるシ
ステムクロックが、受信信号とは非同期の自走クロック
で十分となり、電圧制御クロック発振器とそれの制御電
圧を発生するDA変換器が不要となるため、装置中のア
ナログ素子を削減することができる。また、メインパス
トラッキング方式においてAD変換器のサンプリング周
波数を高くしたり、独立トラッキング方式において各パ
ス毎に独立のシステムクロックを設けたりすることなし
に、全てのパスの信号を最適サンプリングタイミングで
サンプルした値を得ることができ、消費電流やハードウ
エア規模を増大させることなく、高い通信品質を保つこ
とができる。
【0045】(実施の形態4)図17は本発明の請求項
4に対応する第4の実施の形態におけるスペクトル拡散
受信機の構成を示すものである。図17において、90
0は受信アンテナ、901は準同期検波回路である。9
02、903はミキサ、904はπ/2位相器、905
は準同期検波用局部発振器である。ミキサ902、90
3の出力は、それぞれベースバンド信号のI成分とQ成
分であり、それぞれ個別のAD変換器(アナログ・ディ
ジタル変換器)906、907に接続されている。AD
変換器906、907以降の回路は、全てディジタル回
路により実現され、またRAKE合成するパス数と同数
設けられる。AD変換器906、907の出力ディジタ
ル信号は、数ビットのバスであり、段数可変シフトレジ
スタ908、909、910、911、912、913
を介して複素波形整形フィルタ回路914、915、9
16に入力される。複素波形整形フィルタ回路914、
915、916の出力DI、DQは、相関器917、9
18、919に入力され、相関器917、918、91
9の出力XI、XQは、加算器920、921に入力さ
れ、その出力は符号判定器922に入力される。また、
符号判定器922の出力SI、SQは、コヒーレント型
タイミング誤差検出回路923、924、925に入力
される。複素波形整形フィルタ回路914、915、9
16の出力EI、EQは、コヒーレント型タイミング誤
差検出回路923、924、925に入力され、コヒー
レント型タイミング誤差検出回路923、924、92
5の出力Errは、複素波形整形フィルタタップ係数計
算器926、927、928に入力され、複素波形整形
フィルタタップ係数計算器926、927、928から
は、複素波形整形フィルタ回路914、915、916
へタップ係数の設定情報が与えられる。
【0046】ここで、複素波形整形フィルタ回路91
4、915、916は、図11、図12、図13、図1
4のいずれの構成でもよい。また、コヒーレント型タイ
ミング誤差検出回路923、924、925の構成は図
15に示すものと同じであり、相関器917、918、
919の構成は図7に示すものと同じである。
【0047】次に、本実施の形態4における動作につい
て説明する。まず、受信アンテナ900から受信された
信号は、ミキサ902、903、π/2位相器904、
準同期検波用局部発振器905から構成される準同期検
波回路901により準同期検波され、ベースバンド信号
のI成分とQ成分となり、それぞれ個別のAD変換器9
06、907によってサンプリングされ、ディジタルデ
ータRI、RQに変換される。ここで、このAD変換器
906、907以降の回路は、全て受信信号のチップ周
波数に対して1倍から4倍程度の周波数で、受信信号の
チップ位相に対して位相が非同期である自走クロックに
従って動作する。このため、AD変換器906、907
の入力データは、図9(f)に示すように、理想的なタ
イミングからずれてサンプリングされ、RI、RQとな
る。複素複素波形整形フィルタ回路914、915、9
16中の復調用のタップ係数可変複素波形整形フィルタ
のタップ係数は、図9(g)に示すように、ダンプリン
グタイミングがずれた信号RI、RQが入力されたとき
に最も大きな出力を得るように設定されている。このタ
イミング誤差は、後述するコヒーレント型タイミング誤
差検出回路923、924、925によって計算され
る。また、復調しようとするパスのタイミングは、数チ
ップの差があるが、段数可変シフトレジスタ908〜9
13によってこのタイミング差をほぼなくすようにし、
精密なタイミング調整は、複素波形整形フィルタ回路9
14、915、916によって行うようにする。
【0048】複素波形整形フィルタ回路914、91
5、916の出力は、相関器917、918、919の
内部において拡散符号と乗算されて1シンボル周期積分
され、相関器出力XI、XQとなる。加算器920、9
21は、RAKE合成するパスの数だけある出力XI、
XQをI、Q個別に合成する。符号判定器922は、加
算器920、921の出力のそれぞれの正負を判別し、
符号判定出力SI、SQを与える。ここで、XI、X
Q、SI、SQは、1シンボルに1サンプルの信号であ
る。
【0049】次に、コヒーレント型タイミング誤差検出
回路923、924、925の動作について図15を参
照して説明する。コヒーレント型タイミング誤差検出回
路923、924、925中の Early拡散符号発生器7
02およびLate拡散符号発生器707は、復調用の相関
器917、918、919中の拡散符号発生器401が
発生するものと同一の拡散符号を発生する。複素波形整
形フィルタ回路914、915、916に図11の構成
を用いる場合には、 Early拡散符号発生器702が発生
する拡散符号のタイミングは、復調用の相関器917、
918、919中の拡散符号発生器401が発生する拡
散符号のタイミングよりもある一定の時間δだけ早く
し、Late拡散符号発生器707が発生する拡散符号のタ
イミングは、復調用の相関器917、918、919中
の拡散符号発生器401が発生する拡散符号のタイミン
グよりもある一定の時間δだけ遅くする。複素波形整形
フィルタ回路914、915、916に図12または図
13の構成を用いる場合には、 Early拡散符号発生器7
02およびLate拡散符号発生器707が発生する拡散符
号のタイミングは、復調用の相関器917、918、9
19中の拡散符号発生器401が発生する拡散符号のタ
イミングと同一にする。
【0050】以上のように設定することにより、AD変
換器906、907のサンプリングタイミングが理想サ
ンプリングタイミングより遅い場合は、 Early枝相関器
700の出力の振幅が大きくなり、AD変換器906、
907のサンプリングタイミングが理想サンプリングタ
イミングより早い場合は、Late枝相関器701の出力の
振幅が大きくなる。次に、 Early枝相関器700および
Late枝相関器701の出力の電力を Early枝電力測定器
712およびLate枝電力測定器713によって計算し、
減算器721によって差をとり、コヒーレント型タイミ
ング誤差検出回路923、924、925の出力Err
を得る。
【0051】実施の形態3に示したタイミング誤差検出
回路826、827、828中の Early枝電力測定器7
12およびLate枝電力測定器713は、電力測定のため
に入力信号の位相を一定方向にまとめる手段として自乗
器を用いているが、自乗操作は信号対雑音比を悪くして
しまうので、タイミング誤差検出回路826、827、
828の性能は比較的良くない。これに対し、コヒーレ
ント型タイミング誤差検出回路923、924、925
中の Early枝電力測定器712およびLate枝電力測定器
713は、自乗器の代わりに符号判定出力との乗算を行
うための乗算器714、715、718、719を備え
ている。複素波形整形フィルタ回路914、915、9
16の出力EI、LI、EQ、LQは、すでに位相補償
が施されており、さらに符号判定器922の出力を乗算
することにより、 Early枝電力測定器712およびLate
枝電力測定器713の出力信号の位相を一定方向に揃え
ることができる。また、自乗操作を用いていないので、
信号対雑音比の劣化がなく、良好な特性を持つ。以上の
ような構成により、AD変換器906、907のサンプ
リングタイミングが理想サンプリングより遅い場合は、
Errが負の値をとり、AD変換器906、907のサ
ンプリングタイミングが理想サンプリングより早い場合
は、Errが正の値をとる。
【0052】次に、複素波形整形フィルタ回路914、
915、916における複素波形整形フィルタのタップ
係数の設定方法について説明する。準同期検波されてベ
ースバンド信号に変換された受信信号は、図8(a)に
示すルートナイキスト単一パルスを図8(b)のように
チップ周期Tcの間隔で並べて加算して生成した図8
(c)のようなものとなる。この受信信号がAD変換器
906、907によって図9(d)のようなタイミング
(このサンプリングタイミングが理想である。)でサン
プリングされた場合、この受信信号を最も効率よくディ
ジタル回路に取り込むためには、図9(e)のようなタ
ップ係数列を持つ複素波形整形フィルタを通すことが必
要となる。また、受信信号が図9(f)のように理想的
なタイミングからdだけずれたタイミングでサンプリン
グされた場合、この受信信号を最も効率よくディジタル
回路に取り込むためには、図9(g)のようなタップ係
数列を持つ複素波形整形フィルタを通すことが必要とな
る。タイミング誤差dは、上記のコヒーレント型タイミ
ング誤差検出回路923、924、925によって計算
され、誤差信号Errの形で複素波形整形フィルタタッ
プ係数計算器926、927、928に与えられる。複
素波形整形フィルタタップ係数計算器926、927、
928は、まず誤差信号Errをもとに計算したタップ
係数を計算する。次に、相関器出力XI、XQの準同期
検波による位相を検出し、その検出した位相誤差を打ち
消すような位相補償用複素係数を計算して、上記のタッ
プ係数に乗算し、複素タップ係数を求める。そして、計
算した複素タップ係数を複素波形整形フィルタ回路91
4、915、916へ与える。
【0053】ここで、複素波形整形フィルタ回路91
4、915、916が、図11または図12の構成をと
るときには、複素波形整形フィルタ回路914、91
5、916内の全ての複素タップ係数可変複素波形整形
フィルタに同じ複素タップ係数が与えられる。複素波形
整形フィルタ回路914、915、916が図13の構
成をとるときには、複素波形整形フィルタ回路914、
915、916508内の全ての複素タップ係数可変複
素波形整形フィルタのうち、 Early用フィルタ607に
は、 Demod用フィルタ609に与える複素タップ係数よ
りもδだけ早い形の複素タップ係数を与え、Late用フィ
ルタ608には、 Demod用フィルタ609に与える複素
タップ係数よりもδだけ遅い形の複素タップ係数を与え
る。
【0054】このように、上記実施の形態4によれば、
AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作させるシ
ステムクロックが、受信信号とは非同期の自走クロック
で十分となり、電圧制御クロック発振器とそれの制御電
圧を発生するDA変換器が不要となるため、装置中のア
ナログ素子を削減することができる。また、メインパス
トラッキング方式においてAD変換器のサンプリング周
波数を高くしたり、独立トラッキング方式において各パ
ス毎に独立のシステムクロックを設けたりすることなし
に、全てのパスの信号を最適サンプリングタイミングで
サンプルした値を得ることができ、消費電流やハードウ
エア規模を増大させることなく、高い通信品質を保つこ
とができる。さらに、相関器の前で位相補償を行うた
め、タイミング誤差検出回路において自乗器を用いる必
要がなくなり、タイミング誤差検出回路の特性が良くな
る。さらに、符号判定器の前の位相補償回路が不要とな
るので、ハードウエア規模を削減することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明は、上記実施の形態から明らかな
ように、AD変換器を含む全てのディジタル回路を動作
させるシステムクロックが、受信信号とは非同期の自走
クロックで十分となるので、電圧制御クロック発振器と
それの制御電圧を発生するDA変換器が不要となり、装
置中のアナログ素子を削減することができる。また、メ
インパストラッキング方式においてAD変換器のサンプ
リング周波数を高くしたり、独立トラッキング方式にお
いて各パス毎に独立のシステムクロックを設けたりする
ことなしに、全てのパスの信号を最適サンプリングタイ
ミングでサンプルした値を得ることができ、消費電流や
ハードウエア規模を増大させることなく、高い通信品質
を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスペクトル拡散
受信機の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1および3における波形整
形フィルタ回路の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1および3における波形整
形フィルタ回路の別の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1および3における波形整
形フィルタ回路のさらに別の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1および3における波形整
形フィルタ回路のさらに別の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態1および3におけるタイミ
ング誤差検出回路の構成を示すブロック図
【図7】本発明の各実施の形態における相関器の構成を
示すブロック図
【図8】(a)本発明の各実施の形態におけるルートナ
イキスト単一パルスの波形図 (b)(a)のルートナイキスト単一パルスをチップ周
期Tcの間隔で並べた波形図 (c)(b)の波形を加算した受信ベースバンド信号の
波形図
【図9】(d)理想的なタイミングでサンプリングされ
たルートナイキスト単一パルスの波形図 (e)理想的なタイミングでサンプリングされたルート
ナイキスト単一パルスの波形に整合する波形整形フィル
タのタップ係数を示す特性図 (f)誤差のあるタイミングでサンプリングされたルー
トナイキスト単一パルスの波形図 (g)誤差のあるタイミングでサンプリングされたルー
トナイキスト単一パルスの波形に整合する波形整形フィ
ルタのタップ係数を示す特性図
【図10】本発明の実施の形態2におけるスペクトル拡
散受信機の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態2および4における複素
波形整形フィルタ回路の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態2および4における複素
波形整形フィルタ回路の別の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態2および4における複素
波形整形フィルタ回路のさらに別の構成を示すブロック
【図14】本発明の実施の形態2および4における複素
波形整形フィルタ回路のさらに別の構成を示すブロック
【図15】本発明の実施の形態2および4におけるコヒ
ーレント型タイミング誤差検出回路の構成を示すブロッ
ク図
【図16】本発明の実施の形態3におけるスペクトル拡
散受信機の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態4におけるスペクトル拡
散受信機の構成を示すブロック図
【図18】従来例におけるスペクトル拡散受信機の構成
を示すブロック図
【図19】従来例におけるスペクトル拡散受信機の別の
構成を示すブロック図
【図20】従来例におけるスペクトル拡散受信機のさら
に別の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101、501、801、901 準同期検波回路 106、107、506、507、806、807、9
06、907 AD変換器 108、814、815、816 波形整形フィルタ回
路 508、914、915、916 複素波形整形フィル
タ回路 109、509、817、818、819、917、9
18、919 相関器 110、820、821、822 位相補償回路 111、511、825、922 符号判定器 112、826、827、828 タイミング誤差検出
回路 510、923、924、925 コヒーレント型タイ
ミング誤差検出回路 113、829、830、831 波形整形フィルタタ
ップ係数計算器 512、926、927、928 複素波形整形フィル
タタップ係数計算器 808、809、810、811、812、813、9
08、909、910、911、912、913 シフ
トレジスタ 823、824、920、921 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−154300(JP,A) 特開 平2−90743(JP,A) 高草木恵二(外1名),適応アルゴリ ズムを用いた高速周波数ホッピングスペ クトル拡散信号のコヒーレント復調器, 信学技報,1992年11月24日,Vol.92 No.341,77−88,SAT92−68 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 13/00 - 13/06 H04B 1/69 - 1/713

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信したスペクトル拡散信号を、その搬
    送波周波数にほぼ等しい周波数の局部発振信号を乗算す
    ることによりI、Qの2系統のベースバンド信号に変換
    する準同期検波回路と、前記準同期検波回路の出力信号
    を、受信スペクトル拡散信号のチップ周波数の数倍にほ
    ぼ等しい周波数の固定サンプリングクロックによりサン
    プリングするアナログ・ディジタル変換器と、前記固定
    サンプリングクロックにより駆動され、前記アナログ・
    ディジタル変換器の出力を波形整形するタップ係数可変
    型のディジタルFIRフィルタを用いた波形整形フィル
    タ回路と、前記波形整形フィルタ回路の出力を入力とし
    て、受信したスペクトル拡散信号を復調する復調用拡散
    符号発生器とディジタル乗算器と加算器とから構成され
    る復調用相関器と、前記復調用相関器の出力信号の正負
    の符号判定を行うために、準同期検波時に発生する位相
    の誤差を前記復調用相関器の出力信号を観測することに
    より推定し、前記復調用相関器の出力信号に対してその
    誤差分を補償する位相補償回路と、前記位相補償回路の
    出力の正負をI成分とQ成分とで個別に判定する符号判
    定器と、受信スペクトル拡散信号および復調拡散符号の
    タイミング誤差を測定するタイミング誤差検出回路と、
    前記タイミング誤差検出回路から受け取ったタイミング
    誤差信号をもとに、受信スペクトル拡散信号のエネルギ
    ーを最も効率よく獲得するようなタップ係数を計算し
    て、前記タップ係数可変型の波形整形フィルタ回路のタ
    ップ係数を更新する波形整形フィルタタップ係数計算器
    とを備えたスペクトル拡散受信機。
  2. 【請求項2】 復調用相関器の後段の位相補償回路を排
    除するとともに、波形整形フィルタタップ係数計算器と
    タップ係数可変型波形整形フィルタ回路の代わりに、準
    同期検波時に発生する復調用相関器出力の位相誤差を推
    定し、その位相誤差の補償のための信号をタップ係数可
    変型波形整形フィルタ回路に対して指定するタップ係数
    に乗算する複素波形整形フィルタタップ係数計算器と、
    前記複素波形整形フィルタタップ係数計算器から与えら
    れた複素タップ係数により特性が決定される複素タップ
    係数可変型波形整形フィルタ回路とを備えた請求項1記
    載のスペクトル拡散受信機。
  3. 【請求項3】 受信したスペクトル拡散信号を、その搬
    送波周波数にほぼ等しい周波数の局部発振信号を乗算す
    ることによりI、Qの2系統のベースバンド信号に変換
    する準同期検波回路と、前記準同期検波回路の出力信号
    を、受信スペクトル拡散信号のチップ周波数の数倍にほ
    ぼ等しい周波数の固定サンプリングクロックによりサン
    プリングするアナログ・ィジタル変換器と、前記固定サ
    ンプリングクロックによって駆動され、前記アナログ・
    ディジタル変換器の出力を入力して、復調しようとする
    パスのタイミング差を予備的に除去する段数可変型のシ
    フトレジスタの組と、前記固定サンプリングクロックに
    より駆動され、前記シフトレジスタの出力を波形整形す
    るタップ係数可変型のディジタルFIRフィルタを用い
    た波形整形フィルタ回路と、前記波形整形フィルタ回路
    の出力を入力として、受信したスペクトル拡散信号を復
    調する復調用相関器と、前記復調用相関器の出力信号の
    正負の符号判定を行うために、準同期検波時に発生する
    位相の誤差を前記復調用相関器の出力信号を観測するこ
    とにより推定し、前記復調用相関器の出力信号に対して
    その誤差分を補償する位相補償回路と、RAKE合成す
    べき全パスの位相補償済み復調用相関器出力をI成分と
    Q成分とで個別に加算する加算器と、前記加算結果の正
    負をI成分とQ成分とで個別に判定する符号判定器と、
    受信スペクトル拡散信号および復調拡散符号のタイミン
    グ誤差を測定するタイミング誤差検出回路と、前記タイ
    ミング誤差検出回路から受け取ったタイミング誤差信号
    をもとに、受信スペクトル拡散信号のエネルギーを最も
    効率よく獲得するようなタップ係数を計算して、前記タ
    ップ係数可変型波形整形フィルタ回路のタップ係数を更
    新する波形整形フィルタタップ係数計算器とを有し、前
    記シフトレジスタの組と波形整形フィルタ回路と復調用
    相関器と位相補償回路とタイミング誤差検出回路と波形
    整形フィルタタップ係数計算器とを、RAKE合成すべ
    きパスの数だけ備えたRAKE機能付きのスペクトル拡
    散受信機。
  4. 【請求項4】 復調用相関器の後段の位相補償回路を排
    除するとともに、波形整形フィルタタップ係数計算器と
    タップ係数可変型波形整形フィルタ回路の代わりに、準
    同期検波時に発生する復調用相関器出力の位相誤差を推
    定し、その位相誤差の補償のための信号をタップ係数可
    変型波形整形フィルタ回路に対して指定するタップ係数
    に乗算する複素波形整形フィルタタップ係数計算器と、
    前記複素波形整形フィルタタップ係数計算器から与えら
    れた複素タップ係数により特性が決定される複素タップ
    係数可変型波形整形フィルタ回路とを備えた請求項3記
    載のスペクトル拡散受信機。
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