JP3309317B2 - 巻芯に巻回されたテープ状記録担体用の組立て容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は底壁部分、頂壁部分および側壁部分から成
り、これらが射出成形フィルムヒンジにより相互に連接
されており、巻芯がその内部溝腔により巻芯柱体に嵌装
され、二内部溝腔を有する巻芯上に巻回されているテー
プ状記録担体を積重ねた状態で装填するための、単一も
しくは複数部分から構成される包装容器に関するもので
ある。

磁気テープ製造者によって、いわゆる巻回生テープ単
位が全世界にわたり大量に販売されている。この場合磁
気テープは、芯体、例えばフランジを持たない巻芯、す
なわちいわゆるNAB芯、あるいは米国特許4081151号によ
る重積可能巻芯などの芯体に巻回される。この巻回テー
プもしくはテープ巻回体（パンケーキとも称される）
は、１個ずつ、あるいは複数個をまとめて梱包し、収縮
プラスチックフィルムで被覆するか、あるいは各種包装
ボール箱に収納される。

しかしながら、このような梱包は、容器材料の大部分
が使い捨てになる欠点を有する。

磁気テープ梱包は刊行物、米国特許3543922号、同470
8246号、同4955471号、ヨーロッパ特許320751号各明細
書、西独実用新案8900709号、同8912747号、第8912749
号などに記載されている。これらの梱包は、比較的かさ
ばるスチロポールで構成され、不必要に大きい搬送容積
を占め、しかも内容物の取出し後に特別廃棄処分に附さ
れねばならないか、あるいは合成樹脂パレットとスリー
ブとで構成されるか、このスリーブが可成り複雑な構造
であり、しかも内容物の保護が不充分である。収縮プラ
スチックフィルムで被覆されているに過ぎないからであ
る。従って搬送のためにはさらに外装カートンを使用し
なければならない。

スチロポールを使用せず、再使用ないしリサイクル可
能なパンケーキ容器が、西独実用新案9011867号、西独
特許出願P4025906号に開示されている。しかしながらこ
の磁気テープ包装容器は、搬送に際して、また塵埃に対
する内容物の保護が不充分である。従って上述した種類
のテープ巻回体用容器であって、以下の諸要件を同時に
満足させるものを提供するが、この技術分野の課題であ
る。すなわち、 廃棄されるべき容器材料部分をできるだけ少量にする
こと、 構成が簡単であること、 テープ巻回体を搬送に耐え、塵埃が進入しないように
包装すること、 簡単に梱包し、取出せること、 テープ巻回体業者に逆送する場合の容器が小さいこ
と、 再使用可能であること、 付加的な外装を必要としないこと である。

請求項１および請求項２における本発明特徴部分によ
り、上記した課題は解決され得る。本発明のその余の諸
特徴は、３項以下の各請求項、以下の説明および図面か
ら明らかである。

以下において添付図面を参照しながら本発明をさらに
詳細に説明する。

図１は完全に係合を解いた状態に在る一体的容器の斜
視図、 図２は部分的に係合された状態に在る同様の容器の斜
視図、 図３は巻芯柱体と底壁への固定を示す詳細図、 図４、図５は２部分から組立てられる容器の２実施態
様を示す斜視図、 図６は多部分を重積して組立てられた複数の組立てら
れた容器の断面図、 図７は搬送に際して位置ずれしないように完全に容器
構成体部分が係止された状態を示す断面図である。

本発明組立て容器の一体的実施態様においては、図１
に示されるように、底壁部分（１）、頂壁部分（２）、
４側壁部分（19）およびこれらを相互接合するいわゆる
射出成形フィルムヒンジ（24）から成り、折り畳み可能
の一体的に接合された扁平体として構成されている。こ
れら各部分は、図２に示されるように、ヒンジ部分で折
り曲げられ、直方体容器を構成し得るようになされてい
る。組立てられた容器の周溝（30）に結束バンド（図示
せず）を嵌合巻回して、搬送ないし携行に対処し得る。
なお結束バンドに携行用把持部材を設け、容器外側の把
持部材部分に凹陷部を形成することもできる。この結束
バンドを除いて、本発明容器各部分はすべて再使用可能
であり、また搬送に適する。

この容器の係止開放のためには、パレット保護に使用
されるような材料から成る結束バンドを切断する。次い
で頂壁部分（２）を持ち上げれば、全側壁部分（19）は
簡単に倒れて旧の平坦状に復する。これにより被収納体
は完全にアクセス自由になされる。巻芯（13）に巻回さ
れているテープは、特別に構成された巻芯柱体（11）
（これについては後述する）上に重積されている。巻芯
柱体は一体的に固定された把持部材（14）を有し、これ
を把持してテープと共に柱体を容器底部から持ち上げ、
いわゆるクリールーム内に通常設けられている作業場に
持参することができる。容器自体は、例えばカートン容
器は、一般に塵埃をもたらさないから、テープと共にク
リーンルーム内に持ち込める。なお底壁部分内面の対向
両偶角部には、テープを持ち上げるための凹陷部21が設
けられている。

再び平坦になされた容器は、備え付けの積載手段によ
り、場所を取らないようにパレット上に重積され、製造
業者に逆送されるために待機する。突出する稜角部、稜
縁のない平坦な形態の故に、容器は容易にしかも充分に
洗浄処理され得る。これにより洗浄水のたまりやすい偶
角部も一切ない。次いで容器は前述したように新たな装
填サイクルに附される。

次いで容器構成の細部にわたり説明する。装填された
内容物を塵埃および湿気から保護するために、容器は側
壁部分あるいは底壁部分あるいは頂壁部分の、分解され
た状態において外側に在る縁辺に、密封凸条（18）を有
する。これは容器組立ての際に補完的形態の条溝（20）
に嵌合する。この凸条部分は、このための技術的手段に
より相互係合可能に形成され得る。これは底壁部分
（１）と側壁部分（19）の蝶番帯域にも形成し得る。

巻芯柱体（11）は、容器の組立てられた状態で底壁部
分（１）と頂壁部分（２）の間においてずれないように
装着される。このために底壁部分（１）と頂壁部分
（２）は、それぞれの幾何学的中央部分にそれぞれ凹陷
部（３、４）を有し、これからそれぞれ突出部（５、
６、７、８）が突出している。部分的円筒状に形成され
た巻芯柱体の端面（９、10）は、底壁部分および頂壁部
分の各凹陷部に嵌入し得るように形成される。

巻芯柱体は図３に示されるように、底壁部分（１）に
装着されるべき柱体端面（10）周辺に段部（12）を有
し、これは巻芯（13）がその中央溝腔に隣接する下面と
当接する。柱体上方端面（９）にはＵ字状の携行円把持
部材（14）が設けられ、これはその好ましい実施態様に
おいて２種類の位置をとり得るようになされている。す
なわち鎖線で示されるその上方位置では、完全巻回され
たテープ巻回体を把持し得るように、実線で示されるそ
の下方位置では、組立てられた容器を搬送するため把持
部材は巻芯柱体内に嵌入格納される。このために把持部
材（14）の両脚部（15、16）は、柱体内に挿入され得
る。

把持部材（14）の両脚部（15、16）は、突出状態、格
納状態でそれぞれこれを係止するための突出部（図示せ
ず）を有するのが好ましい。この係止が困難である場合
には、把持部材を柱体と一体的に形成してもよい。この
場合には、把持部材下方の凹陷部（17）で把持され得
る。

それぞれの巻回テープを容易に取出すために、巻芯柱
体にはその全高にわたり対向両凹面（25、26）を横断面
円弧状に形成する。

容器の外表面のうちの１面には、ラベルを表示したカ
ードを嵌合させるための凹陷部（28）を設けてもよく、
さらには、凹陷部（28）に付随させて、カード除去用凹
陷部（29）を設けてもよい ヒンジ接合された一体的構成の代りに、本発明容器は
２部分もしくはそれ以上の部分から構成されることがで
き、図４および図５にその２実施態様が示されている。
これら実施態様において、底壁部分および頂壁部分が、
それぞれ２壁面部分と接合されているか、あるいは底壁
部分に４側壁部分が接合されており、これと分離されて
いる頂壁部分とが結合される。

多数の組立てられた状態の容器をまとめて搬送するた
め、底壁部分あるいは頂壁部分の外側縁に沿って条溝
（23）を設け、組立てられた状態に在る側壁部分（19）
の対応して補完的に形成された凸条（18）を係合させ
て、多数の組立てられた容器の搬送に際して位置ずれを
もたらさないようにすることができる。図６にはこの点
が図示されている。なお各容器の外表面には、例えばヨ
ーロッパ特許217254号明細書に記載されているように、
けば状構造を追加的に形成することができる。さらに、
容器の裏面には、パレット上における良好な重積体をも
たらすために突出部および凹陷部を設けることができ
る。

図７には２個（もしくはそれ以上）の完全に係止開放
状態に在る容器が、逆送するために重積されている状態
で示されている。この場合容器外面の凹陷部に対応する
突出部（５）が底壁部分の内面に形成されている。

容器が２部分から形成される実施態様においては、容
器の高さを異ならさせることが可能である。さらに、異
なる高さの容器を形成し得るようにするため、密封枠状
部分を非対称的に形成することができる。

巻芯柱体は、複数柱体が重積され得るよう構成するこ
とが可能である。この場合、製造過程において、補助ピ
ン上に嵌合し得るようにすることが必要である。

本発明容器は、好ましい実施態様において、ポリプロ
ピレン、アクリロニトリル／ブタジエン／スチレン共重
合体のような合成樹脂から構成される。またこれは射出
成形かあるいは押出し吹込み成形により二重壁構造にな
されるのが好ましい。これにより容器はさらに耐衝撃的
に、かつ耐候的になされる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブラントシュテター，ヘルマン ドイツ連邦共和国、Ｄ−8000、ミュンヒ ェン、70、シャイドラーシュトラーセ、 25 (72)発明者 トラル，ヨゼ ドイツ連邦共和国、Ｄ−8000、ミュンヒ ェン、70、シュティフツボーゲン、162 (72)発明者 ヒラー，ライナルト ドイツ連邦共和国、Ｄ−6800、マンハイ ム、１、アム、ブルネンガルテン、21 (72)発明者 ショルティズィック，ベルント ドイツ連邦共和国、Ｄ−8000、ミュンヒ ェン、80 ノイマルクター、シュトラー セ、82 ベー (72)発明者 ルツ，ゴットフリート ドイツ連邦共和国、Ｄ−8031、ゼーフェ ルト、ハウプトシュトラーセ、44 アー (56)参考文献 特開 昭55−98783（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−186634（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65D 85/672

Claims (11)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】底壁部分（１）、頂壁部分（２）および側
   壁部分（19）から成り、これらが射出成形フィルムヒン
   ジ（24）により相互に連接されており、内部溝腔を有す
   る巻芯（13）に巻回されているテープ状記録担体重積体
   用の、合成樹脂から成る一体的部分の直方体包装容器で
   あって、 巻芯（13）の内部溝腔が巻芯柱体（11）に嵌装可能であ
   り、 底壁部分（１）ならびに頂壁部分（２）の内面の幾何学
   的中央にそれぞれ凹陷部（３、４）が形成されており、
   この凹陷部（３、４）からそれぞれ突出部（５、６、
   ７、８）が突出しており、これらの間に巻芯柱体（11）
   の端面（９、10）がねじれないように挿入可能であり、 円弧状段部（12）が、巻芯（13）を支承するように、底
   壁部分（１）に保持されている巻芯柱体（11）の端面
   （10）に形成されており、 巻芯柱体（11）には、２種類の位置、すなわち上方位置
   および下方位置、をとり得る、２本の脚部を有するＵ字
   状把持部材（14）が、組立て状態に在る容器から、テー
   プと共に巻芯柱体（11）を取出し得るように設けられて
   おり、この把持部材（14）の両脚部（15、16）が、頂壁
   部分（２）に嵌合する柱体端面（９）の腔溝（31）内に
   嵌入し、両脚部（15、16）を連結する把持部分（27）が
   下方位置において上記端面（９）から突出しないように
   なされ、 巻芯柱体（11）が上記端面（９）の中間に把持部材（1
   4）用凹陷部としての凹陷面（17）を有し、 密封凸条（18）が側壁部分（19）および／あるいは頂壁
   部分（２）の外側周縁に設けられ、容器組立ての際に、
   頂壁部分（２）および／あるいは側壁部分（19）の補完
   的条溝（20）に嵌入するようになされていることを特徴
   とする容器。
2. 【請求項２】底壁部分（１）、頂壁部分（２）および側
   壁部分（19）から成り、内部溝腔を有する巻芯（13）に
   巻回されているテープ状記録担体重積体用の、合成樹脂
   から成る複数部分の直方体包装容器であって、 底壁部分（１）および／あるいは頂壁部分（２）が少な
   くとも側壁部分（19）と射出成形フィルムヒンジ（24）
   により相互に連接されており、 巻芯（13）の内部溝腔が巻芯柱体（11）に嵌装可能であ
   り、 底壁部分（１）ならびに頂壁部分（２）の内面の幾何学
   的中央にそれぞれ凹陷部（３、４）が形成されており、
   この凹陷部（３、４）からそれぞれ突出部（５、６、
   ７、８）が突出しており、これらの間に巻芯柱体（11）
   の端面（９、10）がねじれないように挿入可能であり、 円弧状段部（12）が、巻芯（13）を支承するように、底
   壁部分（１）に保持されている巻芯柱体（11）の端面
   （10）に形成されており、 巻芯柱体（11）には、２種類の位置、すなわち上方位置
   および下方位置、をとり得る、２本の脚部を有するＵ字
   状把持部材（14）が、組立て状態に在る容器から、テー
   プと共に巻芯柱体（11）を取出し得るように設けられて
   おり、この把持部材（14）の両脚部（15、16）が、頂壁
   部分（２）に嵌合する柱体端面（９）の腔溝（31）内に
   嵌入し、両脚部（15、16）を連結する把持部分（27）が
   下方位置において上記端面（９）から突出しないように
   なされ、 巻芯柱体（11）が上記端面（９）の中間に把持部材（1
   4）用凹陷部としての凹陷面（17）を有し、 密封凸条（18）が側壁部分（19）および／あるいは頂壁
   部分（２）の外側周縁に設けられ、容器組立ての際に、
   頂壁部分（２）および／あるいは側壁部分（19）の補完
   的条溝（20）に嵌入するようになされていることを特徴
   とする容器。
3. 【請求項３】請求項１または２による容器であって、容
   器外表面に、結束バンドと嵌合させるための周溝（30）
   が設けられ、さらにラベル嵌合のための凹陷部（28）が
   設けられていることを特徴とする容器。
4. 【請求項４】請求項３による容器であって、凹陷部（2
   8）がカード除去用凹陷部（29）と共に設けられている
   ことを特徴とする容器。
5. 【請求項５】請求項１または２による容器であって、底
   壁部分（１）に、その内面に少くとも２個の、対向偶角
   部テープ把持用凹陷部（21）が設けられていることを特
   徴とする容器。
6. 【請求項６】請求項１または２による容器であって、密
   封凸条（18）が、底壁部分（１）外側の対応縁辺におけ
   る補完条溝（23）および／あるいは頂壁部分（２）の条
   溝（20）に嵌入して、複数個の容器を位置ずれの生じな
   いように重積せしめられることを特徴とする容器。
7. 【請求項７】請求項１または２による容器であって、底
   壁部分（１）ならびに頂壁部分（２）の少くとも１外表
   面にけば状構造が形成されていることを特徴とする容
   器。
8. 【請求項８】請求項１または２による容器であって、巻
   芯柱体（11）がその全高にわたりテープ受領のためそれ
   ぞれ２面の対向凹面（25、26）を具備することを特徴と
   する容器。
9. 【請求項９】請求項１または２による容器であって、分
   解平坦化されて重積された複数個の容器が、それぞれ底
   壁部分（１）内面に突出部（５）を有し、隣接底壁部分
   （１）外面における対応凹陷部（22）に嵌入しているこ
   とを特徴とする容器。
10. 【請求項１０】請求項１または２による容器であって、
    ポリプロピレンあるいはアクリロニトリル／ブタジエン
    ／スチレン共重合体のような硬質合成樹脂から形成され
    ていることを特徴とする容器。
11. 【請求項１１】請求項１または２による容器であって、
    底壁部分（１）、側壁部分（19）、頂壁部分（２）が押
    出し吹込み成形法により二重壁構造になされていること
    を特徴とする容器。