JP3308464B2 - 接着剤組成物およびそれを用いて得られる情報記録媒体 - Google Patents

接着剤組成物およびそれを用いて得られる情報記録媒体

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JP3308464B2
JP3308464B2 JP11453997A JP11453997A JP3308464B2 JP 3308464 B2 JP3308464 B2 JP 3308464B2 JP 11453997 A JP11453997 A JP 11453997A JP 11453997 A JP11453997 A JP 11453997A JP 3308464 B2 JP3308464 B2 JP 3308464B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物およ
びそれを用いて得られる情報記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光磁気的あるいは光相変化的に情報を記
録し、かつ、記録した情報を読み取ることが可能な情報
記録媒体のなかでも、特に光記録媒体は、レーザー光の
照射により情報を記録し、かつ、記録した情報を読み取
ることが可能なものである。このような光記録媒体とし
ては、例えば図2の断面図に示すように、円盤形状の光
記録媒体(光ディスク)11がある。この光ディスク1
1は、各透明基板12a,12bの片面に光記録層13
a,13bが形成され、その表面にさらに透明保護層1
4a,14bが形成されてなる2枚の光ディスク基板1
6a,16bを、接着剤層(接着剤シート)15を介し
て各光ディスク基板16a,16bの透明保護層14
a,14bが互いに対面するよう貼り合わされ構成され
ている。図において、17は光ディスク11の略中央に
穿孔された孔である。
【0003】そして、上記光ディスク11は、例えば、
つぎのような方法によって作製される。まず、透明基板
12a,12bを射出成形等の方法により作製した後、
その表面に光記録層13a,13bをスパッタリング等
により形成し、その表面にさらに透明保護層14a,1
4bをスピンコート法等により形成して2枚の光ディス
ク基板16a,16bを作製する。つぎに、上記光ディ
スク基板16a,16bの表面にスピンコート法やスク
リーン印刷法等により接着剤を塗布して接着剤層(接着
剤シート)15を形成し、この接着剤層(接着剤シー
ト)15を介して、上記光ディスク基板16a,16b
を貼り合わせて光ディスク11を作製している。なお、
上記接着剤としては、従来より、光硬化性接着剤や熱硬
化性接着剤等の反応性接着剤や、ホットメルト接着剤等
が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記透
明基板12a,12bの射出成形時に透明基板12a,
12bに反りが生じたり、あるいは上記光記録層13
a,13b、透明保護層14a,14bの形成時に反り
や変形等が生じるため、これらを用いて形成した光ディ
スク基板16a,16bにも、同様に反りや変形等が生
じる。そのため、この光ディスク基板16a,16bを
貼り合わせてなる光ディスク11は、接着剤層(接着剤
シート)15の厚みが均一でなく、光ディスク11自身
に反りや変形等が生じるため、記録媒体の情報の記録や
読み取り(再生)において支障が生じるという問題を有
している。なお、上記光ディスク基板16a,16bを
加熱や圧縮により貼り合わせて光ディスク11を作製し
たとしても、湿熱環境下では経時的に接着剤層の厚みが
不均一となり、光ディスク11自身に反りや変形等の問
題が生じる。このように、湿熱環境下でも反りや変形等
が小さく、耐湿熱性および耐久性の双方の特性を備えた
光ディスクは未だ得られていないのが実情であり、この
ような光ディスクの開発が待望されている。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、湿熱環境下で優れた接着力を有し、接着剤層の
厚みが均一で反りや変形等が小さく、耐湿熱性および耐
久性の双方の特性を備えた接着剤組成物およびそれを用
いて得られる情報記録媒体の提供をその目的する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、下記の(A)〜(D)を原料とする共
重合体を架橋処理してなる架橋構造体を含有する接着剤
組成物であって、上記(A)から誘導される構造単位が
共重合体全体の20〜50重量%、上記(B)から誘導
される構造単位が共重合体全体の50〜80重量%、上
記(C)から誘導される構造単位が共重合体全体の1〜
20重量%、上記(D)から誘導される構造単位が共重
合体全体の1〜10重量%に設定され〔但し、上記
(A)〜(D)の合計量は100重量%である〕、か
つ、上記架橋構造体中の溶剤不溶分が80〜99重量%
である接着剤組成物を第1の要旨とする。
【0007】(A)炭素数6〜10のアルキル基を有す
るアクリル酸エステル系単量体および炭素数6〜10の
アルキル基を有するメタクリル酸エステル系単量体の少
なくとも一方。 (B)アクリル酸エチル。 (C)下記の一般式(1)で表される単量体。
【化2】 (D)ヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系単
量体およびヒドロキシル基を有するメタクリル酸エステ
ル系単量体の少なくとも一方。
【0008】また、第1の記録層と第2の記録層とが、
上記接着剤組成物からなる接着剤層を介して接着された
情報記録媒体であって、この情報記録媒体が下記の特性
(X)を備えている情報記録媒体を第2の要旨とする。 (X)80℃×85%RHの湿熱環境下、100時間水
平に保持した時のラジアルチルトの変化量が0.5°以
下。
【0009】すなわち、本発明者らは、湿熱環境下での
経時的な反りや変形等が小さく、耐湿熱性および耐久性
の双方の特性を備えた情報記録媒体を得るべく鋭意研究
を重ねた。その研究の過程で、情報記録媒体の接着剤層
形成材料に着目し、これを中心に研究を続けた。その結
果、特定の原料(A)〜(D)を共重合させて得た共重
合体を架橋処理してなる特殊な架橋構造体を含有し、か
つ、上記架橋構造体中の溶剤不溶分が特定の範囲に設定
された特殊な接着剤組成物を、情報記録媒体の接着剤層
として用いると、湿熱環境下での経時的な接着力に優
れ、接着剤層の厚みが均一で反りや変形等が小さく耐湿
熱性および耐久性の双方の特性を備えた情報記録媒体が
得られることを見出し本発明に到達した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の特殊な接着剤組成物は、前記A〜
Dを原料とする共重合体を架橋処理してなる特殊な架橋
構造体を含有するものである。
【0012】上記原料(A)としては、炭素数6〜10
のアルキル基を有するアクリル酸エステル系単量体およ
び炭素数6〜10のアルキル基を有するメタクリル酸エ
ステル系単量体の少なくとも一方が用いられる。上記原
料(A)としては、例えば、下記の一般式(2)で表さ
れるものが用いられる。
【0013】
【化3】
【0014】上記原料(A)の具体例としては、ヘキシ
ルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート(2−EHA)、2−エチルヘキ
シルメタクリレート(2−EHMA)、ヘプチルアクリ
レート、ヘプチルメタクリレート、n−オクチルアクリ
レート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルア
クリレート、イソオクチルメタクリレート、イソノニル
アクリレート、イソノニルメタクリレート等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0015】上記原料(A)は、共重合体全体の20〜
50重量%(以下「%」と略す)の割合で重合させるこ
とが必要であり、好ましくは25〜40%である。すな
わち、上記原料(A)の量が20%未満では、凝集力が
小さく、光ディスク等の耐湿熱性が劣り、50%を超え
ると充分な接着力が得られないからである。
【0016】上記原料(A)とともに用いられる原料
(B)としては、アクリル酸エチル(EA)が用いられ
る。
【0017】上記原料(B)は、共重合体全体の50〜
80%の割合で重合させることが必要であり、好ましく
は60〜75%である。すなわち、上記原料(B)の量
が50%未満では充分な接着力が得られず、80%を超
えると凝集力が小さく、光ディスク等の耐湿熱性が劣る
からである。
【0018】上記原料(A)および(B)とともに用い
られる原料(C)としては、下記の一般式(1)で表さ
れる単量体が用いられる。
【0019】
【化4】
【0020】上記原料(C)の具体例としては、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート(MMA)、アク
リル酸、メタクリル酸があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。
【0021】上記原料(C)は、共重合体全体の1〜2
0%の割合で重合させることが必要であり、好ましくは
2〜10%である。すなわち、上記原料(C)の量が1
〜20%の範囲から外れると充分な接着力が得られない
からである。
【0022】上記原料(A)〜(C)とともに用いられ
る原料(D)としては、ヒドロキシル基を有するアクリ
ル酸エステル系単量体およびヒドロキシル基を有するメ
タクリル酸エステル系単量体の少なくとも一方が用いら
れる。上記原料(D)の具体例としては、特に限定はな
く、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート(HE
A)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等
があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。
【0023】上記原料(D)は、共重合体全体の1〜1
0%の割合で重合させることが必要であり、好ましくは
2〜8%である。すなわち、上記原料(D)の量が1〜
10%の範囲から外れると充分な接着力が得られないか
らである。
【0024】上記原料(A)〜(D)は、ブロック、ラ
ンダム、交互、グラフトのいずれの形式で重合していて
もよい。
【0025】本発明における共重合体の製造方法は特に
限定されず、溶液重合法、乳化重合法および懸濁重合法
のいずれの方法を採用することも可能であり、好ましく
は、溶液重合法である。
【0026】上記溶液重合法または乳化重合法によって
単量体を重合する場合、重合用溶媒(媒体)としては、
水、および有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、クロロメタン、クロロエタン、クロロフルオロメタ
ン、クロロフルオロエタン、フルオロメタン、フルオロ
エタン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、エチレングリコール、グリセ
リン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等が用いられ、これらの溶
媒は適宜併用してもよい。
【0027】そして、上記重合法による共重合体の製造
に際しては、通常、重合開始剤が用いられる。上記重合
開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(ベンゾイ
ルパーオキシド)、tert−ブチルパーオキシド、ラ
ウロイルパーオキシド、クミルパーオキシド、tert
−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化水素、
過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウ
ム、、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)
−ヒドロクロリド、レドックス系開始剤(過酸化水素−
塩化第一鉄、過硫酸アンモニウム−酸性亜硫酸ナトリウ
ム等)、tert−ブチル(E)−3−イソプロポキシ
カルボニルパーオキシアクリレート、1,1−ジ−te
rt−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、
2,2−ビス(4,4−ジーtert−ブチルパーオキ
シシクロヘキシル)プロパン等のラジカル供与剤等があ
げられる。また、紫外線、電子線、放射線等による光重
合によってラジカルを発生させてもよく、この場合、光
増感剤等を併用してもよい。
【0028】なお、上記共重合体は、原料となる前記
(A)〜(D)から誘導される構造単位から構成されて
おり、その各構造単位の割合は前記原料(A)〜(D)
それぞれ用いて重合させる際の各割合に準じている。
【0029】前記特殊な架橋構造体は、上記共重合体を
適宜の手段で架橋処理して得られる。上記架橋手段とし
ては、特に限定はなく、ポリイソシアネート化合物、エ
ポキシ化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合
物、金属アルコキシド等の架橋剤を用い、この架橋剤と
上記共重合体(中に含まれる水酸基やカルボキシル基)
とを反応させて架橋する方法が一般的である。
【0030】上記架橋剤としてポリイソシアネート化合
物を用いる場合の割合は、上記共重合体100部に対し
て、通常0.1〜5部のポリイソシアネート化合物が用
いられる。すなわち、ポリイソシアネート化合物の割合
が5部を超えると充分な接着力が得られ難いからであ
る。
【0031】上記特殊な架橋構造体は、溶剤不溶分が8
0〜99%であることが必要であり、好ましくは85〜
98%である。すなわち、架橋構造体中の溶剤不溶分が
80%未満では、ラジアルチルトの変化量が大きくなり
すぎ、耐湿熱性が劣り、99%を超えると充分な接着力
が得られ難いからである。
【0032】上記架橋構造体中の溶剤不溶分は、つぎの
ようにして求められる。すなわち、架橋構造体からサン
プルを約0.1g切り出し、これをトルエン中に室温で
5日間浸漬する。つぎに、サンプルをピンセットで引き
上げアルミカップに移し、130℃で2時間乾燥した
後、サンプルの重量を秤量する。そして、下記の式に従
って求められる。
【0033】
【数1】
【0034】なお、上記架橋構造体は接着剤組成物全体
の少なくとも2%を占めることが好ましい。
【0035】本発明の特殊な接着剤組成物は、上記架橋
構造体の他に、さらに従来公知の粘着付与剤、添加剤、
老化防止剤等を適宜に配合することも可能である。
【0036】本発明の特殊な接着剤組成物は、例えば、
図1(a),(b)に示す光記録媒体(光ディスク)1
の接着剤層5形成材料として用いられる。上記光記録媒
体(光ディスク)1は、図1(a),(b)に示すよう
に円盤形状となっており、各透明基板2a,2bの片面
に光記録層3a,3bが形成され、その表面にさらに透
明保護層4a,4bが形成されてなる2枚の光ディスク
基板6a,6bが、接着剤層(接着剤シート)5を介し
て各光ディスク基板6a,6bの透明保護層4a,4b
が互いに対面するよう貼り合わされ構成されている。そ
して、上記光記録媒体1の略中央には孔7が穿孔されて
いる。
【0037】上記光記録媒体(光ディスク)1は、例え
ば、つぎのようにして作製することができる。まず、各
透明基板2a,2bの片面に光記録層3a,3bをスパ
ッタリング等により形成し、その表面にさらにスピンコ
ート法等により透明保護層4a,4bを形成して2枚の
光ディスク基板6a,6bを作製する。一方、前記特定
の原料(A)〜(D)を共重合して得た共重合体を前述
の方法で架橋処理し、特定の溶剤不溶分に設定した特殊
な架橋構造体を主成分とする接着剤組成物を作製する。
つぎに、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム等の剥離ライナー上に上記接着剤組成物を塗布し乾燥
して、接着剤シート5を作製する。
【0038】そして、上記2枚の光ディスク基板6a,
6bの各透明保護層4a,4bが互いに対面する状態
で、上記接着剤シート5を介し相互に圧接して接着する
ことにより一体化して、目的とする光記録媒体(光ディ
スク)1を作製する。なお、上記光ディスク基板6a,
6bと接着剤シート5との貼り合わせは、気泡を入れず
に貼り合わせることが重要で、通常ハンドローラ、ゴム
ローラ、プレス等での貼り合わせ、減圧下での貼り合わ
せ、加圧下での貼り合わせ等の方法を用いることができ
る。
【0039】このようにして得られる本発明の光記録媒
体(光ディスク)1は、接着剤層(接着剤シート)5形
成材料として特殊な接着剤組成物を用いているため、8
0℃×85%RHの湿熱環境下、100時間水平に保持
した時のラジアルチルトの変化量が0.5°以下であ
り、耐湿熱性および耐久性の双方の特性に優れている。
【0040】上記ラジアルチルトの変化量とは、上記光
ディスク1を水平に保持した時の中心軸方向(ラジアル
方向)の反り角を意味し、光ディスク1を回転数100
rpmで回転させ、これにレーザー光を照射し、その反
射光による光ディスク1の振れから測定した値を意味す
る。
【0041】なお、上記光記録媒体(光ディスク)1を
構成する透明基板2a,2b、光記録層3a,3bおよ
び透明保護層4a,4bの形成材料としては、特に限定
するものではなく、従来公知のものを適宜に使用するこ
とができる。例えば、上記透明基板2a,2bとして
は、ポリカーボネート製透明基板等を使用するのが好ま
しく、また、上記透明保護層4a,4bの形成材料とし
ては、アクリル系紫外線硬化樹脂等を使用するのが好ま
しい。
【0042】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0043】
【実施例1〜4および比較例1〜5】まず、各ポリカー
ボネート製透明基板の片面に光記録層をスパッタリング
により形成し、その表面にさらにスピンコート法により
アクリル系紫外線硬化樹脂からなる透明保護層を形成し
て円盤形状の2枚の光ディスク基板を作製した。
【0044】一方、接着剤シートをつぎのようにして作
製した。すなわち、後記の表1および表2に示す各原料
A〜Dを同表に示す割合で混合して単量体混合物を得
た。つぎに、この単量体混合物の合計量に対して、重合
用溶媒であるトルエン100部と、重合開始剤である過
酸化ベンゾイル0.2部とを添加し、窒素雰囲気中60
℃で約7時間溶液重合して、共重合体溶液を得た。つぎ
に、この共重合体溶液100部に対して、触媒(東京フ
ァインケミカル社製のOL−1)を0.2部添加した
後、さらに架橋剤であるトリメチロールプロパンのトリ
レンジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製の
コロネートL)3部を添加して、特殊な接着剤組成物を
得た。つぎに、上記特殊な接着剤組成物を剥離ライナー
(PET製フィルム)上に塗布し、130℃で5分間乾
燥して厚みが50μmの接着剤シートを形成した。そし
て、この接着剤シートを上記円盤形状の光ディスク基板
よりも一回り小さい円盤形状に打ち抜いて、接着剤シー
トを得た。
【0045】そして、上記接着剤シートを介して、先に
述べた方法に従い上記2枚の光ディスク基板を貼り合わ
せ目的とする光ディスクを作製した。
【0046】このようして得られた各接着剤シートを用
いて、下記の基準に従い、架橋構造体中の溶剤不溶分お
よび接着力を測定した。その結果を下記の表1および表
2に併せて示した。
【0047】〔架橋構造体中の溶剤不溶分〕上記接着剤
シートからサンプル(架橋構造体)を約0.1g切り出
し、これをトルエン中に室温で5日間浸漬した。つぎ
に、サンプルをピンセットで引き上げアルミカップに移
し、130℃で2時間乾燥した後、サンプルの重量を秤
量した。そして、先に述べた式に従って架橋構造体中の
溶剤不溶分を測定した。
【0048】〔接着力〕上記接着剤シートをSUS板の
上にゴムローラ(荷重2kg)で1往復して圧着した。
そして、約30分放置した後、東洋ボールドウィン社製
のテンシロンUMT−4−100を用いて、23℃の雰
囲気下、300mm/分の速度で180°剥離試験を行
った。なお、試験片の幅は20mmであった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】また、実施例品および比較例品の光ディス
クを用いて、下記の基準に従い、ラジアルチルトの変化
量を測定するとともに、外観についても比較評価した。
その結果を下記の表3および表4に併せて示した。
【0052】〔ラジアルチルトの変化量〕80℃×85
%RHの湿熱環境下、光ディスクを100時間水平状態
に保持した。そして、光ディスクを回転数100rpm
で回転させ、これにレーザー光を照射し、その反射光に
よる光ディスクの振れから、ラジアルチルトの変化量を
測定した。
【0053】〔外観〕接着剤シートと光ディスク基板と
の界面に剥離や浮き等が生じないものを○として表示
し、剥離や浮き等が生じたものを×として表示した。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】上記表3および表4の結果から、実施例品
の光ディスクは、各原料A〜Dの量が特定範囲に設定さ
れ、かつ、溶剤不溶分が特定範囲に設定された特殊な接
着剤組成物を用いて接着剤層を形成しているため、接着
力に優れるとともに、ラジアルチルトの変化量も小さ
く、耐湿熱性および耐久性に優れていることがわかる。
【0057】これに対して、比較例1,3品の光ディス
クは、各原料A〜Dの量が特定の範囲から外れるため、
接着力が小さく、接着剤シートと光ディスク基板との界
面に剥離や浮き等が生じることがわかる。また、比較例
2,4品の光ディスクは、各単量体の量が特定の範囲か
ら外れるか、あるいは溶剤不溶分が特定範囲から外れる
ため、ラジアルチルトの変化量が大きく、耐湿熱性およ
び耐久性に劣ることがわかる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の情報記録媒体
は、特定の原料A〜Dを特定の割合で共重合して得た共
重合体を架橋処理してなる特殊な架橋構造体を含有し、
かつ、上記架橋構造体中の溶剤不溶分が特定範囲に設定
された特殊な接着剤組成物を用いて接着剤層を形成して
いるため、耐湿熱環境下での経時的な接着力に優れると
ともに、接着剤層の厚みが均一で反りや変形等が小さ
く、耐湿熱性および耐久性の双方の特性を備えている。
【0059】また、本発明の特殊な接着剤組成物は塗工
性や加工性に優れるため、情報記録媒体を作製する際の
作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の光記録媒体(光ディスク)の
一例の構成を示す断面図、(b)はその平面図である。
【図2】従来の光記録媒体(光ディスク)の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体(光ディスク) 2a,2b 透明基板 3a,3b 光記録層 4a,4b 透明保護層 5 接着剤層(接着剤シート) 6a,6b 光ディスク基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 健二郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−120238(JP,A) 特開 平9−12993(JP,A) 特開 平8−300543(JP,A) 特開 平6−256727(JP,A) 特開 平6−256725(JP,A) 特開 平6−256724(JP,A) 特開 平6−256726(JP,A) 特開 平8−297832(JP,A) 特開 平9−147418(JP,A) 特開 平8−302325(JP,A) 特開 平8−199146(JP,A) 特開 平8−199131(JP,A) 特開 平8−41433(JP,A) 特開 平7−331210(JP,A) 特開 平7−238267(JP,A) 特開 平7−133471(JP,A) 特開 平10−183092(JP,A) 特開 平10−183085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 133/08 C09J 5/00 C09J 133/06 G11B 7/24 541

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)を原料とする共重
    合体を架橋処理してなる架橋構造体を含有する接着剤組
    成物であって、上記(A)から誘導される構造単位が共
    重合体全体の20〜50重量%、上記(B)から誘導さ
    れる構造単位が共重合体全体の50〜80重量%、上記
    (C)から誘導される構造単位が共重合体全体の1〜2
    0重量%、上記(D)から誘導される構造単位が共重合
    体全体の1〜10重量%に設定され〔但し、上記(A)
    〜(D)の合計量は100重量%である〕、かつ、上記
    架橋構造体中の溶剤不溶分が80〜99重量%であるこ
    とを特徴とする接着剤組成物。 (A)炭素数6〜10のアルキル基を有するアクリル酸
    エステル系単量体および炭素数6〜10のアルキル基を
    有するメタクリル酸エステル系単量体の少なくとも一
    方。 (B)アクリル酸エチル。 (C)下記の一般式(1)で表される単量体。 【化1】 (D)ヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系単
    量体およびヒドロキシル基を有するメタクリル酸エステ
    ル系単量体の少なくとも一方。
  2. 【請求項2】 第1の記録層と第2の記録層とが、請求
    項1記載の接着剤組成物からなる接着剤層を介して接着
    された情報記録媒体であって、この情報記録媒体が下記
    の特性(X)を備えていることを特徴とする情報記録媒
    体。 (X)80℃×85%RHの湿熱環境下、100時間水
    平に保持した時のラジアルチルトの変化量が0.5°以
    下。
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