JP3303498B2 - トップヒート式ヒートパイプ,冷却システム及び加熱システム - Google Patents

トップヒート式ヒートパイプ,冷却システム及び加熱システム

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JP3303498B2 JP00601194A JP601194A JP3303498B2 JP 3303498 B2 JP3303498 B2 JP 3303498B2 JP 00601194 A JP00601194 A JP 00601194A JP 601194 A JP601194 A JP 601194A JP 3303498 B2 JP3303498 B2 JP 3303498B2
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    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般的には凝縮器よ
りも高所に蒸発器が設置されるいわゆるトップヒート式
ヒートパイプ、及びこのヒートパイプを利用した冷却シ
ステム並びに加熱システムに関するものであり、さらに
詳しくは、作動液を循環させるためのウイック材による
毛管力やポンプなどの外部動力を要しないで連続的に運
転することができるトップヒート式ヒートパイプ、及び
このヒートパイプを利用した冷却システム並びに加熱シ
ステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来例−1 従来のトップヒート式ヒートパイプには、内周壁にウイ
ック材を定着させたコンテナを脱気して所定量の作動液
を封入したものがある。このヒートパイプは、下方の凝
縮部で凝縮した液を前記ウイック材の毛管力によって上
方の蒸発部へ輸送し蒸発させることにより熱交換を行う
もので、熱輸送距離及び熱輸送量が小さくてもよい場合
に適する。
【0003】従来例−2 例えば、建物の冷却システムや加熱システムのように熱
輸送距離及び熱輸送量が大きい場合は、高所に設置され
た蒸発器の気相領域と低所に設置された凝縮器の気相領
域とを蒸気管で連通するとともに、凝縮器の液相領域と
前記蒸発器とを途中にポンプ(補助熱源を使用した気泡
ポンプを含む)を介して液管で連通させて循環系を構成
し、循環系内を真空脱気して蒸発器に所定量の作動液を
封入したものが使用されている。このヒートパイプで
は、蒸発器で蒸発した作動液の蒸気は凝縮器に達して凝
縮され、その凝縮液はポンプによって蒸発器に輸送され
る。
【0004】従来例−3 特公平2−30439号公報(特開昭61−17548
3号公報)には、外部動力を使用なしで作動させること
ができるトップヒート式(ループ式)ヒートパイプが提
案されている。このヒートパイプを図12を参照しなが
ら説明する。1は蒸発器、2は蒸発器1よりも低所に設
置された凝縮器、9aは蒸発器1よりも上方に設置され
た第1液溜、9bは凝縮器2よりも下方に設置された第
2液溜である。蒸発器1は蒸気管6により、第1液溜9
a内のフロート9cによって作動するフロート弁9eを
介して第1液溜9aの上部と、また、第2液溜9b内の
フロート9dによって作動するフロート弁9f,9gを
介して凝縮器2及び第2液溜9bの上部と、それぞれ連
通されている。そして、それぞれ液管7により、逆止弁
9hを介して凝縮器2と第2液溜9bの底部とを連通さ
せ、逆止弁9i,9jを介して第2液溜9bと第1液溜
9aの底部及び蒸発器1とを連通させることによって、
密閉管路を形成し、この密閉管路内に作動液aを封入し
ている。フロート弁9e,9f,9gはともに、各液溜
9a,9bの液面が上昇する場合と下降する場合とで、
その開閉作動点が異なるようにヒステリシス特性を持っ
ている。また、第1液溜9aは、放熱フィン9kを有し
ていて冷却機能を備えている。
【0005】図12のヒートパイプは以下のように作動
する。各液溜9a,9bの液面が一定値以下の低い状態
では、フロート弁9gは閉じフロート弁9fは開いてい
るので、蒸発器1内で蒸発した作動液aは蒸気管6と通
じて凝縮器2に移動し、凝縮する。凝縮器2で凝縮した
液は、逆止弁9hを通過して第2液溜9bに移動する。
第2液溜9bの液面が一定以上に上昇すると、上方のフ
ロート弁9fが閉じて下方のフロート弁9gが開くの
で、蒸発器1内で蒸発した蒸気が第2液溜9bに移動
し、その内部圧力が上昇する。この第2液溜9bの内部
圧力の上昇により、第2液溜9b内の液は、放熱フィン
9kにより冷却されて低圧になっている第1液溜9a内
に押し上げられる。第1液溜9aの液面が一定以上に上
昇すると、フロート弁9eが開くので、蒸発器1の気相
領域と第1液溜9aの気相領域とが連通し、両者が等圧
になって第1液溜9a内の液が蒸発器1へ移動する。こ
のようなサイクルが自動的に繰り返されて熱交換が行わ
れる。なお、フロート弁9e,9f,9gには、フロー
トと磁石及び間欠伝導軸を使用してヒステリシス特性を
持たせたもの(特公平2−637号公報)や、普通の弁
を使用したもの(特公平2−636号公報)も提案され
ているが、前述のようなサイクルの繰り返しにより熱交
換が行われることは同じである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例−1の
ヒートパイプは、熱輸送量が小さいので適用領域が非常
に限られ、例えば冷暖房空調システムには使用できな
い。また、従来例−2のヒートパイプは、作動液を輸送
するためにポンプなどの外部動力を必要とするので、外
部動力が得られない場所では運転不可能であるほか、外
部動力のための保守メンテナンスが必要不可欠である
し、運転費用も嵩むという問題があった。
【0007】従来例−3のヒートパイプは、凝縮した作
動液が第2液溜9bから第1液溜9aへ押し上げられて
いる間は、蒸発器1から凝縮器2へ通じる途中のフロー
ト弁9fが閉じているので、凝縮器2は作動しない。こ
のため、密閉循環系を構成するヒートパイプの作動が一
時的に停止することになり、連続的に熱輸送を行うこと
ができない。特に、作動液が第2液溜9bから第1液溜
9aへ押し上げられている途中において、第1液溜9a
内の液面レベルが一定以上に上昇してフロート弁9eが
開き、第1液溜9a内の作動液が蒸発器1へ移動する場
合には、第1液溜9a内が放熱フィン9kにより冷却さ
れて一定以下の低圧になり、さらに第2液溜9bの液面
レベルが一定以下に下降するまで、フロート弁9fが開
かないため凝縮器2は作動しない。したがって、このよ
うな場合にはかなり長時間にわたってヒートパイプの作
動(凝縮器2における凝縮)が停止し、十分な熱輸送が
行えなくなる。この発明の目的は、非常に簡単な構造で
あって、外部動力が無くても円滑に連続して作動させる
ことができるトップヒート式ヒートパイプを提供するこ
と、及び、このヒートパイプを利用することによって、
非常に低コストで連続的に運転できる冷却システム並び
に加熱システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によるトップヒ
ート式ヒートパイプは、前述の目的を達成するため、蒸
発器の最高液面レベル(作動中に変化する液面が最高に
なったときのレベル)より高所に液相領域が当該蒸発器
の気相領域と連通する調整タンクを設置し、前記蒸発器
の気相領域と当該蒸発器より低所に設置された凝縮器と
を、蒸発器の作動中当該蒸発器から蒸気が常時流れる状
態に蒸気管で連通させるとともに、前記凝縮器と前記調
整タンクの液相領域とを液管で連通させ、前記蒸発器
気相領域と調整タンクの液相領域との連通部に、前記蒸
発器の液面が所定のレベル以下になったとき、又は前記
調整タンクの液面が所定のレベル以上になったときに開
く制御弁を設置したことを特徴としている。
【0009】前述のヒートパイプにおいて、例えば蒸発
器内の液面レベルと常時ほぼ同じ液面レベルとなる状態
に気相領域及び液相領域において当該蒸発器と連通され
た補助タンクを設置し、前記調整タンクの液相領域を前
記蒸発器又は前記補助タンクの気相領域と連通させ、当
該調整タンクの液相領域と前記蒸発器又は前記補助タン
クの気相領域との連通部に、前記蒸発器の液面ないし前
記補助タンクの液面が所定のレベル以下になったとき、
又は前記調整タンクの液面が所定のレベル以上になった
ときに開く制御弁を設置してもよい。
【0010】前記制御弁には、作用上差し支えない限り
フロート弁を使用することができるが、フロート以外の
液面レベルセンサの検出値によって開閉されるような電
磁弁を使用することもできる。前記凝縮器と調整タンク
とを連通する液管の途中には、前記凝縮器より低レベル
に位置するバッファータンクを設置するのが好ましく、
また、この液管の途中には逆止弁を設置するのが好まし
い。
【0011】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プを利用することにより、種々の新規な冷却システム及
び加熱システムを構成することができる。これらの冷却
システム及び加熱システムの構成及び作用は、後述のこ
の発明によるトップヒート式ヒートパイプの作用ととも
に説明する。
【0012】
【作用】この発明によるトップヒート式ヒートパイプ
は、蒸発器(又は、蒸発器及び補助タンク),凝縮器,
調整タンクを経て再び蒸発器(又は、蒸発器及び補助タ
ンク)へと通じる密閉された循環系を形成しているの
で、この循環系内を真空脱気するとともに蒸発器内に所
定量の作動液を封入し、例えば工場や都市の余剰エネル
ギーその他のエネルギーを利用して蒸発器を加熱するこ
とにより運転する。
【0013】蒸発器の加熱により作動液が蒸発すると、
その蒸気は蒸気管を経て凝縮器に移動し凝縮する。凝縮
器で凝縮した液は、凝縮器及び当該凝縮器と前記調整タ
ンクとを連通する液管内の下方部分に溜まる。このと
き、凝縮器の下流に当該凝縮器よりも低レベルにバッフ
ァータンクが設置されていると、凝縮器内に液が溜まる
のが防止される。
【0014】蒸発器内で発生する蒸気により、当該蒸発
器から凝縮器までの内圧(温度)が高まり、この内圧が
一定以上高くなると、この内圧と前記調整タンクの内圧
(温度)との差が大きくなり、高くなった前者の内圧に
より凝縮器及び前記液管内に溜まった凝縮液が高所に設
置されている調整タンクに押し上げられる。この液の移
動は、蒸発器から凝縮器までの内圧と、前記調整タンク
の内圧とのバランスが回復するまで継続する。
【0015】そして、蒸発器(又は補助タンク)の作動
液の液面が所定のレベル以下になるか、又は前記調整タ
ンクの液面が所定のレベル以上になると、蒸発器(又は
補助タンク)の気相領域と調整タンクの液相領域との連
通部に設けられている制御弁が開き、蒸発器(又は補助
タンク)内の蒸気が調整タンク内に入り込むとともに調
整タンク内の液が蒸発器(又は補助タンク)内に流れ込
む。蒸発器(又は補助タンク)内の液面が所定のレベル
以上になり、又は調整タンク内の液面が所定のレベル以
下になると、前記制御弁は閉じる。
【0016】前述のように、蒸発器内の作動液の継続的
な蒸発に伴い、蒸発器から凝縮器までの内圧と、調整タ
ンクの内圧との差が一定以上大きくなることによって、
凝縮器及び前記液管内の凝縮液が調整タンクに押し上げ
られるので、作動液が相変化しながら前記密閉循環系内
を循環する。また、蒸発器から凝縮器までの内圧と、調
整タンクの内圧との差によって凝縮液を調整タンクに押
し上げるため、凝縮器の運転が途中で妨げられることな
く連続して熱輸送が行われる。その結果、この発明によ
るトップヒート式ヒートパイプは、作動液の循環のため
の外部動力が無くても円滑にかつ連続して作動する。
【0017】この発明によるヒートパイプにおいては、
作動させる前に前述のように所定量の作動液を蒸発器に
封入するほか、液管及び調整タンク内にも所定量の作動
液を封入しておいてもよい。この場合には、調整タンク
の液が凝縮器の方へ逆流しないようにするため、前述の
ように凝縮器と調整タンクとを連通する液管の途中に逆
止弁を設置するのが好ましい。
【0018】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プの前記蒸発器を冷却を必要とする場所に設置し、当該
ヒートパイプを真空脱気するとともに、前記蒸発器内に
適量の作動液を封入して運転すれば、作動液は、前述し
たと同様に循環のための外部動力が無くても相変化しな
がら循環するので、より低コストで円滑に連続運転する
ことができるトップヒート式の新規な冷却システムが構
成される。
【0019】また、この発明によるトップヒート式ヒー
トパイプの前記凝縮器を加熱を必要とする場所に設置
し、当該ヒートパイプを真空脱気するとともに、前記蒸
発器内に適量の作動液を封入して運転すれば、作動液
は、前述の冷却システムの場合と同様に、循環のための
外部動力が無くても相変化しながら円滑循環するので、
より低コストで円滑に連続運転することができるトップ
ヒート式の新規な加熱システムが構成される。
【0020】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プを利用することにより、以下のようにその他の新規な
冷却システムを構成することができる。例えば、冷却を
必要とするビルの同じ階に複数の蒸発器(冷却ユニッ
ト)を設置し、これらの複数の蒸発器を気相領域及び液
相領域において互いに連通させ、これらの蒸発器よりも
低所に少なくとも一つの凝縮器を設置し、前記蒸発器の
うちの少なくとも一つの蒸発器の最高液面レベル(後述
のように運転する途中で変化する液面が最高になったと
きのレベル)より高所に調整タンクを設置し、当該蒸発
器の気相領域と当該調整タンクの液相領域とを、前述の
本発明によるトップヒート式ヒートパイプにおけると同
様な制御弁を介して連通させ、前記各蒸発器の作動中当
該蒸発器から蒸気が常時流れる状態に、前記各蒸発器の
気相領域と前記凝縮器とを蒸気管で連通させるととも
に、前記凝縮器と調整タンクとを液管で連通させる。
【0021】前述の冷却システムは、蒸発器,蒸気管,
凝縮器,液管及び調整タンクから構成されている密閉循
環系内を真空脱気し、各蒸発器内に所定量の作動液を封
入して運転する。この冷却システムによれば、蒸発器が
設置されている周囲の温かい空気により蒸発器が加熱さ
れて当該蒸発器内の作動液が蒸発し、その蒸気は蒸気管
を通じ凝縮器に送られ、凝縮する。この熱交換により前
記蒸発器の周囲が冷却される。そして、凝縮器内で凝縮
した液は当該凝縮器及びこの凝縮器と調整タンクとを連
通する液管内に溜まる。蒸発器内の作動液の蒸発が継続
すると、発生する蒸気により当該蒸発器から凝縮器まで
の内圧(内部温度)が高まり、この内圧と前記調整タン
クの内圧との差が大きくなるので、高くなった前者の内
圧により前記液管に溜まった凝縮液は調整タンクに押し
上げられる。各蒸発器の液面が所定のレベル以下になる
か、又は前記調整タンクの液面が所定のレベル以上にな
ると前記制御弁が開き、蒸発器内の蒸気が調整タンクに
移動するとともに、調整タンク内の液が各蒸発器に流れ
る。この冷却システムは、このようにして、システムの
循環系内で作動液が相変化しながら、凝縮器で凝縮され
た液が調整タンクへ押し上げられて循環する結果、作動
液を循環させるための外部動力が無くても円滑にかつ連
続的に運転することができる。
【0022】同じ階に設置された複数の蒸発器の一つと
調整タンクとの間には、当該蒸発器と常時液面レベルが
一致するように気相及び液相の領域で連通する補助タン
クを設置し、この補助タンクの気相領域と前記調整タン
の液相領域とを制御弁を介して連通させてもよい。
【0023】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プを使用して冷却システムを構成するときに、前述のよ
うに同じレベルに複数の蒸発器を設置する場合でも、調
整タンク(又は、調整タンク及び補助タンク)と凝縮器
はそれぞれ一つ設置すればよい。いずれの場合にも、各
階ごとにこの発明による一つのトップヒート式ヒートパ
イプの循環系が構成され、各階ごとのヒートパイプ循環
系がそれぞれ前述のように作用する。
【0024】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プを使用することにより、例えば次のように他の新規な
加熱システムを構成することができる。すなわち、ビル
の同じ階に複数の凝縮器(加熱ユニット)を設置し、こ
れらの複数の凝縮器を気相領域及び液相領域において互
いに連通させ、これらの凝縮器よりも高所に少なくとも
一つの蒸発器を設置し、前記蒸発器の最高液面レベル
(運転中変化する液面が最高になったときのレベル)よ
り高所に調整タンクを設置し、当該蒸発器の気相領域と
当該調整タンクの液相領域とを、前述のこの発明のトッ
プヒート式ヒートパイプにおけると同様な制御弁を介し
て連通させ、前記蒸発器の作動中当該蒸発器から蒸気が
常時流れる状態に、前記蒸発器の気相領域と前記凝縮器
とを蒸気管で連通させるとともに、前記凝縮器と前記調
整タンクとを液管で連通させる。
【0025】前述の加熱システムは、蒸発器,蒸気管,
凝縮器,液管及び調整タンクから構成される密閉循環系
を真空脱気し、各蒸発器内に所定量の作動液を封入して
運転する。この加熱システムによれば、加熱により蒸発
器内の作動液が蒸発すると、その蒸気は蒸気管を通じて
凝縮器に送られ、この凝縮器内で蒸気が凝縮することに
よりその周辺が温められる。そして、前述の冷却システ
ムと同様な作用により、システムの密閉循環系内で作動
液が相変化しながら、凝縮器で凝縮された液が調整タン
クへ押し上げられて循環する結果、作動液を循環させる
ための外部動力が無くても円滑に連続運転することがで
きる。
【0026】前述の蒸発器の一つと調整タンクとの間に
は、当該蒸発器と常時液面レベルが一致するように気相
及び液相の領域で連通する補助タンクを設置し、この補
助タンクの気相領域と前記調整タンクとを制御弁を介し
て連通させてもよい。
【0027】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プを使用して加熱システムを構成するとき、同じレベル
に複数の凝縮器を設置する場合でも、調整タンク(又
は、調整タンク及び補助タンク)と蒸発器はそれぞれ一
つ設置すればよい。いずれの場合にも、各階ごとにこの
発明による一つのヒートパイプの循環系が構成され、こ
れらの各循環系がそれぞれ前述のように各別に作用す
る。
【0028】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プ、及び冷却システム並びに加熱システムにおいて、前
記制御弁は、蒸発器(又は補助タンク)の液面が所定の
レベル以下になったとき、又は調整タンクの液面が所定
のレベル以上になったときに開くように制御されるので
あり、このような制御のための最も一般的な手段は、前
記蒸発器(若しくは補助タンク)又は調整タンクの液面
の変化を検出するフロートその他のレベルセンサを設置
し、このレベルセンサの検出値により当該制御弁を開閉
するように構成することである。
【0029】しかしながら、繰り返し運転していると、
運転中における蒸発器の加熱温度,凝縮器の能力その他
の可変条件が安定していれば、制御弁が一度開閉してか
ら次に開くまでの時間(前記制御弁が開閉してから、前
記蒸発器若しくは補助タンク又は調整タンクの液面レベ
ルが、次に前記制御弁が開閉するのに適するレベルまで
変化する時間)はほぼ一定するので、このように経験的
に設定することができる一定の時間間隔で当該制御弁を
開閉するように構成することもできる。そして、このよ
うな時間間隔で制御弁を作動させるように構成しても、
当該制御弁は、前記蒸発器ないし補助タンクの液面が所
定以下のレベルになったとき、又は前記調整タンクの液
面が所定以上のレベルになったときに開かれるので、こ
の発明の特徴を具備しており、したがってこの発明によ
るトップヒート式ヒートパイプ,冷却システム及び加熱
システムに含まれる。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明によるト
ップヒート式ヒートパイプ、及びこの発明による冷却シ
ステム並びに加熱システムの好ましい実施例を説明す
る。図1はこの発明によるトップヒート式ヒートパイプ
の一実施例を示す概略配管図、図2は制御弁とその周辺
部材との関連構成の変形例を示す断面図、図3は制御弁
の他の変形例を示す断面図、図4は制御弁とその周辺部
材との関連構成のさらに他の変形例を示す概略図、図5
は制御弁とその周辺部材との関連構成のさらに他の変形
例を示す概略図、図6は制御弁のさらに他の変形例を示
す断面図、図7は制御弁とその周辺部材との関連構成の
さらに他の変形例を示す概略図、図8はこの発明による
トップヒート式ヒートパイプの他の実施例を示す概略配
管図、図9はこの発明の実施例によるトップヒート式ヒ
ートパイプを利用した冷却システムを含む空調システム
の概略配管図、図10はこの発明の他の実施例によるト
ップヒート式ヒートパイプを利用した冷却システムを含
む空調システムの部分配管図、図11はこの発明の実施
例によるトップヒート式ヒートパイプを利用した加熱シ
ステムを含む空調システムの概略配管図である。
【0031】図1において、1は強化ガラス及び銅板を
パッキングを介して挟み込むようにして作られたタンク
によって構成されている蒸発器、2は銅パイプをコイル
状に成形した凝縮器、3は蒸発器1と同じ材質の補助タ
ンク、4は蒸発器1と同じ材質の調整タンクである。蒸
発器1の上部(気相領域)は蒸気管6により当該蒸発器
1より低所に設置されている凝縮器2と連通しており、
蒸発器1の作動中は当該蒸発器1から凝縮器2へ蒸気が
常時流れるように構成されている。この凝縮器2は、当
該凝縮器2のレベル以下に設置された途中のバッファー
タンク5を介して液管7により調整タンク4と連通して
いる。補助タンク3は、蒸発器1の液面レベルと常時ほ
ぼ一致するように蒸発器1とほぼ同じレベルに設置さ
れ、上部と下部においてそれぞれ蒸気管30,液管31
により前記蒸発器1と連通している。調整タンク4は、
蒸発器1(及び補助タンク3)の最高液面レベルよりも
高所に位置するように設置され、その液相領域は、下部
側方に通水孔41が形成されたパイプにより構成された
連通部40によって、補助タンク3の気相領域と連通し
ている。補助タンク3内には、内部の液面レベルの変化
によりフロートガイド81に沿って上下動するフロート
80が設置され、このフロート80と連動するフロート
弁からなる制御弁8が、前記連通部40に設置されてい
る。
【0032】この実施例のトップヒート式ヒートパイプ
は、前述のように蒸発器1,蒸気管6,凝縮器2,バッ
ファータンク5を含む液管7,調整タンク4,及び補助
タンク3を経て蒸発器1に戻る密閉された循環系を構成
しており、この循環系の適当な部分に排気用配管9,9
0を設置し、これらの排気用配管9,90を使用して循
環系内を真空脱気し、蒸発器1の内部に適量の作動液a
(この実施例では水)を封入して例えばヒータ10など
の熱源により作動させる。
【0033】この実施例において、蒸発器1と補助タン
ク3の容量は1600cm3 、調整タンク4の容量は90
0cm3 であり、蒸気管30は内径5.5mm,長さ400
mmの銅製のパイプ、蒸気管6は内径5.5mm,長さ10
00mmの銅製のパイプ、液管7は内径2.4mm, 長さ1
000mmの銅製のパイプであり、液管7の最下位から調
整タンク4に達するまでの高さhは700mmに設定して
いる。また、フロート80の重さは90gである。
【0034】この実施例のトップヒート式ヒートパイプ
の蒸発器1及び補助タンク3内に、1500cm3 の作動
液(水)aを封入し、蒸発器1の内底部に挿入された2
00Wのヒータ10により蒸発器1内の作動液aを加熱
蒸発させ、蒸発器1の温度が常に60℃に維持されるよ
うに凝縮器2の能力を変化させて実験を行った。凝縮器
2で凝縮した液は、バッファータンク5及び液管7の下
部に溜まり、調整タンク4内の温度が約47℃に達した
とき、液管7を通じて凝縮液が調整タンク4に押し上げ
られた。
【0035】調整タンク4内に溜まる液の量が多くな
り、その液の水頭圧が大きくなると、補助タンク3内の
液面レベルが低下してフロート80が下がり、制御弁8
が調整タンク4と補助タンク3との連通部40を開き、
補助タンク3内の蒸気が調整タンク4内に移動して当該
調整タンク4内の温度が上昇するとともに、調整タンク
4内の液が補助タンク3内に流れ込み、調整タンク4か
ら液が補助タンク3へ一定量流れ込むと、フロート80
が浮上して制御弁8が閉じられた。
【0036】蒸発器1の継続的加熱により、蒸発器1内
の温度と調整タンク4内の温度との差が約13℃程度に
なると、凝縮器2で凝縮された液が調整タンク4に押し
上げられ、次いで制御弁8が開いて調整タンク4の液が
補助タンク3内に流れ込む。このように、作動液aはト
ップヒート式ヒートパイプを構成する循環系内で相変化
しながら循環し、円滑にかつ長時間連続して作動した。
【0037】前述の実施例では、蒸発器1の液面が作動
液aの沸騰により激しく上下動する場合を考慮して、蒸
発器1の液面を別の位置で検出するために、当該蒸発器
1に付属する補助タンク3を設置しているが、例えば、
図2のように蒸発器1の最高液面レベルより高所に調整
タンク4を設置し、この調整タンク4を連通部40によ
り蒸発器1の気相領域と連通させ、蒸発器1内の液面レ
ベルの変化によって開閉する制御弁8を前記連通部40
に設置しても実施することができる。なお、この制御弁
8は、蒸発器1内に設置されたフロート80の上下動に
よって作動するフロート弁である。
【0038】前述の実施例では、調整タンク4と補助タ
ンク3又は蒸発器1の気相領域とを連通する連通部40
は一箇所にのみ設置しているが、例えば図3のように、
調整タンク4と蒸発器1又は補助タンク3との間に、液
が流下する連通部42と蒸気が流通する連通部43とを
設け、この各連通部42,43に共通のフロート80に
よって制御される制御弁8,8を設置しても実施するこ
とができる。
【0039】前述の実施例では、蒸発器1又は補助タン
ク3の上部に調整タンク4を接触するように設置してい
るが、調整タンク4は蒸発器1又は補助タンク3の液面
レベルより常に高所に位置するようになっていれば、例
えば、図4又は図5のように蒸発器1ないし補助タンク
3と離れた位置に設置されていても差し支えない。
【0040】制御弁8には、前述の各実施例のようにフ
ロート弁を使用することができるほか、例えば図4のよ
うに、蒸発器1又は補助タンク3の液面レベルを検出す
るフロート以外の液面レベルセンサ82を設置し、この
液面レベルセンサ82の検出値によって開閉する電磁弁
からなる制御弁8を使用することもできる。また、作動
液aの循環により、蒸発器1又は補助タンク3の液面レ
ベルが下がれば、調整タンク4の液面レベルは相対的に
上がるので、例えば図5のように、調整タンク4の液面
レベルが所定の設定値以上になったとき制御弁8が開く
ように構成しても実施することができる。図5の例で
は、調整タンク4に液面レベルセンサ82を設置し、こ
の液面レベルサンサ82の検出値に基づいて開閉する電
磁弁からなる制御弁8を、調整タンク4と蒸発器1又は
補助タンク3との連通部40に設置している。
【0041】調整タンク4の液面レベルの変化によっ
て、当該調整タンク4と蒸発器1又は補助タンク3との
連通部に設置した制御弁8を開閉するように構成する場
合に、図5のように制御弁8を制御するための液面レベ
ルセンサ82を調整タンク4に設置することに代えて、
例えば図6のように、調整タンク4内にその液面レベル
の変化によりフロートガイド81,81に沿って上下動
するフロート80を設置し、このフロート80に伴って
上下動するフロート弁からなる制御弁8を、前記調整タ
ンク4と蒸発器1又は補助タンク3との連通部40に設
置しても実施することができる。
【0042】例えば、図7のように調整タンク4と蒸発
器1の気相領域とを連通させた場合において、蒸発器1
と気相及び液相の領域で連通するように当該蒸発器1と
ほぼ同じレベルに補助タンク3を設置し、この補助タン
ク3の液面レベルの変化により、蒸発器1と調整タンク
4との連通部40に設置されている制御弁8を制御する
ように構成した場合でも、実質的に蒸発器1の液面が所
定のレベルに達したとき制御弁8が開閉し、図1の実施
例のヒートパイプと同様に作用するのでこの発明による
トップヒート式ヒートパイプに含まれる。なお、図7の
制御弁8は、補助タンク3に設置されたレベルセンサ8
2の検出値によって制御される電磁弁である。
【0043】この発明によるトップヒート式ヒートパイ
プにおいては、例えば図8のように、液管7の下方の部
分に逆止弁70を設置してもよい。この逆止弁70は、
ヒートパイプの運転開始に先立って、あらかじめ調整タ
ンク4内に所定量の作動液を封入しておく場合に有益で
ある。また、蒸発器1の液相領域と補助タンク3とを連
通するパイプ31の途中に逆止弁32を設置し、蒸発器
1の液が補助タンク3の方に流れないように構成しても
実施することができる。この逆止弁32は、蒸発器1の
作動液aの沸騰が激しく、その液面が激しく揺れ動くよ
うな場合に、その液面の激しい揺れ動きの影響が補助タ
ンク3の方に及ばないように、すなわち、蒸発器1の液
面がより正確に検出されるようにするために有益であ
る。
【0044】前記実施例のトップヒート式ヒートパイプ
は、その蒸発器1を冷却を必要とする場所に設置し、循
環系内を真空脱気して蒸発部1へ適量の作動液を封入す
ることにより、この発明の一つの実施例による冷却シス
テムが構成される。この冷却システムは、前記実施例の
トップヒート式ヒートパイプと同様に作用するので、作
動液を循環させるための外部動力が無くても円滑に連続
運転することができる。
【0045】また、前記実施例のトップヒート式ヒート
パイプは、その凝縮器1を加熱を必要とする場所に設置
し、循環系内を真空脱気して蒸発部1へ適量の作動液を
封入することにより、この発明の一つの実施例による加
熱システムが構成される。この加熱システムも、前記実
施例のトップヒート式ヒートパイプと同様に作用するの
で、作動液を循環させるための外部動力が無くても円滑
に連続運転することができる。
【0046】図9には、この発明によるトップヒート式
ヒートパイプを利用した他の実施例の冷却システムと、
一般的なボトムヒート式(又は重力式)ヒートパイプを
利用した加熱システムとからなる空調システムが例示さ
れている。先ず冷却システムについて説明する。例え
ば、ビルの各階a1,a2・・・には、それぞれ複数の
空調ユニット11,12・・・を設置するとともに、当
該階a1,a2・・・の空調ユニット11,12・・・
とほぼ同じレベルにそれぞれ一つの補助タンク3a,3
b・・・を設置し、各補助タンク3a,3b・・・の上
にそれぞれ調整タンク4a,4b・・・を設置してい
る。また、各空調ユニット11,12よりも低所には、
それぞれの階a1,a2・・・ごとに対応してそれぞれ
一つの凝縮器2a,2b・・・が設置され、これらの各
凝縮器2a,2bは、冷熱槽2’から冷熱を受けるよう
になっている。
【0047】一つの階a1の各空調ユニット11内の蒸
発器1aにおける上部ヘッダ13(当該蒸発器1aの気
相領域)は、蒸気管33により、互いに連通されている
とともにその階a1の補助タンク3aの気相領域と連通
し、各蒸発器1aにおける下部ヘッダ14(当該蒸発器
1aの液相領域)は、液管34により、互いに連通され
ているとともに前記補助タンク3aの液相領域と連通し
ている。同様に、他の階a2の各空調ユニット12内の
蒸発器1bにおける上部ヘッダ15は、蒸気管35によ
り、互いに連通されているとともにその階a2における
補助タンク3bの気相領域と連通している。各蒸発器1
bにおける下部ヘッダ16は、液管36により互いに連
通されているとともに前記補助タンク3bの液相領域と
連通している。
【0048】各階a1,a2の補助タンク3a,3b内
には、内部の作動液aの液面の変化に伴って上下動する
フロート83,84が設置され、これらのフロート8
3,84の動きによって制御される制御弁8a,8b
が、調整タンク4a,4bと補助タンク3a,3bとの
各連通部40,40にそれぞれ設置されている。そし
て、各階a1,a2の各蒸発器1a,1bの上部ヘッダ
13,15は、蒸気管33,35及び補助タンク3a,
3bの気相領域を介して、各蒸気管6a,6bにより、
それぞれの階a1,a2に対応する凝縮器2a,2bと
連通し、各凝縮器2a,2bは、液管7a,7bにより
各階a1,a2に設置された前記調整タンク4a,4b
とそれぞれ連通している。なお、図9の実施例では、蒸
発器1a,1bと蒸気管6a,6bとの間に補助タンク
3a,3bがそれぞれ介在しているが、蒸気管6aは蒸
発器1a相互のヘッダ13を連通する蒸気管33と、蒸
気管6bは蒸発器1b相互のヘッダ15を連通する蒸気
管35とそれぞれ連通していても差し支えない。
【0049】次に図9の空調システムにおける加熱シス
テムについて説明する。ビルの低所には蒸発器17が設
置され、この蒸発器17は温熱槽1’から温熱を受ける
ようになっている。一つの階a1の空調ユニット11内
の各凝縮器20における上部ヘッダ22は、蒸気管60
により互いに連通するとともに、空調ユニット11,1
2よりも低所に設置されている蒸発器17と連通してい
る。また、それらの各凝縮器20の下部ヘッダ23は、
液管71により互いに連通するとともに、前記蒸発器1
7と連通している。同様に、他の階a2の空調ユニット
12内の各凝縮器21における上部ヘッダ24は、蒸気
管61により互いに連通するとともに、前記蒸発器17
と連通している。また、それらの各凝縮器21の下部ヘ
ッダ25は、液管72により互いに連通するとともに、
前記蒸発器17と連通している。
【0050】図9の空調システムにおいて、階a1に対
応して設置された各蒸発器1a,補助タンク3a,凝縮
器2a,調整タンク4a、及び、階a2に対応して設置
された各蒸発器1b,補助タンク3b,凝縮器2b,調
整タンク4bは、それぞれ密閉された独立のトップヒー
ト式ヒートパイプの循環系からなる冷却システムを構成
しており、これらの各循環系内を真空脱気するととも
に、各循環系の蒸発器1a,1b及び補助タンク3a,
3b内に適量の作動液aを封入して運転する。
【0051】周囲の温かい空気により蒸発器1a,1b
内の作動液が蒸発すると、その蒸気はそれぞれの階a
1,a2に対応する凝縮器2a,2bでそれぞれ凝縮さ
れ、この熱交換により各蒸発器1a,1bの周囲が冷却
される。そして、それぞれ冷却システムを構成する前記
の各独立の循環系は、実質的にこの発明の実施例による
トップヒート式ヒートパイプと同様に構成されているの
で、蒸発器1a内及び補助タンク3a内とそれらに対応
する調整タンク4a内との内圧差(温度差)、蒸発器1
b内及び補助タンク3b内とそれに対応する調整タンク
4b内との内圧差(温度差)が、それぞれ一定以上にな
るごとに、それぞれの蒸発器2a,2bで凝縮した液が
それぞれの調整タンク4a,4bに押し上げられる。
【0052】また、補助タンク3a,3b内の液面がそ
れぞれ所定のレベル以下になるごとに、当該各補助タン
ク3a,3b内のフロート83,84の作動により、そ
れらに対応する制御弁8a,8bが開き、補助タンク3
a,3b内の蒸気がそれらに対応する調整タンク4a,
4b内に移動するとともに、当該調整タンク4a,4b
に溜まっている液がそれらに対応する補助タンク3a,
3bへ流れ込む。したがって、この冷却システムは作動
液を循環させるための外部動力が無くても、作動液が相
変化しながら当該循環系を循環するので、より低コスト
で円滑に連続運転することができる。
【0053】図9の空調システムにおいて、階a1,a
2を加熱したい場合には、図示しないバルブの操作によ
ってその冷却システムの運転を停止し、加熱システムを
運転する。すなわち、蒸発器17で加熱されて発生した
作動液の蒸気は、液管60,61を経て各階a1,a2
の空調ユニット11,12における各凝縮器20,21
に供給され、その蒸気が、周囲の冷たい空気により凝縮
器20,21で凝縮することによって当該凝縮器20,
21の周囲が暖められる。凝縮した液は、それぞれ液管
71,72を経て蒸発器17に還流し蒸発する。
【0054】図9の空調システムおいて、各蒸発器1
a,1b及び各凝縮器20,21は、図示しないバルブ
の操作により各別に運転を停止したり再開したりできる
ように構成するのが好ましい。
【0055】図10には、この発明の他の実施例による
トップヒート式ヒートパイプを利用した他の冷却システ
ムを含む空調システムが例示されている。この空調シス
テムにおける冷却システムでは、図9の実施例において
各階a1,a2に設置している補助タンク3a,3bを
省略している。すなわち、各階a1,a2・・・に設置
された複数の空調ユニット11,12・・・における各
蒸発器1a,1a・・・、及び1b,1b・・・の最高
液面レベルよりも高所にそれぞれ一つの調整タンク4
a,4bを設置し、各階a1,a2の一つの蒸発器1
a,1bの上部ヘッダ13,15とそれぞれの調整タン
ク4a,4bとを連通させている。
【0056】そして、これらの調整タンク4a,4bに
設置された各液面レベルセンサ85,86の検出値によ
り制御される制御弁8a,8bを、調整タンク4aと蒸
発器1aとの連通部40、及び調整タンク4bと蒸発器
1bとの連通部40にそれぞれ設置し、それぞれの調整
タンク4a,4bの液面が所定のレベル以上になったと
きに、それらに対応した制御弁8a,8bが開くように
構成している。各階a1,a2の各蒸発器1a,1bの
上部ヘッダ13,15は、それぞれ蒸気管33,35に
より相互に連通するとともに、蒸気管6a,6bにより
それぞれ対応する各別の凝縮器2a,2bと連通し、各
蒸発器1a相互及び各蒸発器1b相互の下部ヘッダ1
4,16は、液管34,36により相互に連通してい
る。この実施例の空調システムの他の部分は、図9の空
調システムと同様に構成されているので、それぞれ各部
に同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0057】図10の空調システムにおける冷却システ
ムは、各蒸発器1a,凝縮器2a,調整タンク4aを含
む密閉された循環系と、各蒸発器1b,凝縮器2b,調
整タンク4bを含む密閉された循環系とがそれぞれ独立
しており、各循環系は、図9の例における冷却システム
の各循環系と同様に作用し、それらと同様な効果を奏す
る。
【0058】なお、図10の空調システムにおける冷却
システムには、各階の調整タンク4a,4bとそれぞれ
の階の液管34,36とを連通する図示しない連通管を
設置し、この連通管の途中に各制御弁8a,8bの開閉
と同期して開閉する図示しない制御弁(逆止弁でもよ
い。)を設置することにより、各制御弁8a,8bが開
いて調整タンク4a,4bの液が蒸発器1a,1bへ流
入するときの流れを円滑にするように構成することがで
きる。
【0059】図9又は図10で例示した冷却システムに
おいては、前記各実施例以外に、その蒸発器1a,1b
と調整タンク4a,4b及び制御弁8a,8bの関連構
成について、図2ないし図7で例示した構成を採用する
ことができる。また、液管7a,7bの途中には、図1
におけるようなバッファータンク5や、図8におけるよ
うな逆止弁70を設置することができる。
【0060】図9〜図10の例の空調システムによれ
ば、冷却及び加熱ともに熱媒体の搬送のための外部動力
を用いずに運転することができる空調システムを、温熱
槽及び冷熱槽をともにビルなどの最下階(例えば地下)
に設置して構成することができる。
【0061】図11には、この発明の実施例によるトッ
プヒート式ヒートパイプを利用した加熱システムと、普
通の重力式ヒートパイプを利用した冷却システムとで構
成された空調システムが例示されている。図11の空調
システムにおける加熱システムは、ビルの各階a1,a
2・・・ごとに複数設置された空調ユニット11,11
・・・及び12,12・・・、各階a1,a2の空調ユ
ニット11,12に設置された複数の凝縮器20,2
1、それぞれの階a1,a2・・・ごとに対応して前記
凝縮器20,21よりも高所に設置されたそれぞれの蒸
発器1c,1d・・・、これらの蒸発器1c,1dごと
に対応して当該蒸発器1c,1dの最高液面レベルより
高所に設置され、かつ、それぞれ対応する蒸発器1c,
1dの気相領域と連通した各調整タンク4c,4dを備
えており、各蒸発器1c,1dは温熱槽1’より温熱を
受けるように構成されている。
【0062】各蒸発器1c,1dとそれらに対応する各
調整タンク4c,4dとの連通部40には、それぞれ電
磁弁からなる制御弁8c,8dが設置され、各制御弁8
c,8dは、それぞれの調整タンク4c,4dの液面レ
ベルを検出する液面レベルセンサ87,88の検出値に
より、調整タンク4c,4dの液面が所定のレベル以上
になったとき開くように制御される。
【0063】各凝縮器20は、上部ヘッダ22の部分に
おいて蒸気管6cにより、また下部ヘッダ23の部分に
おいて液管7cによりそれぞれ相互に連通されている。
また、各上部ヘッダ22は前記蒸気管6cにより蒸発器
1cの気相領域と連通し、各下部ヘッダ23は液管7c
により調整タンク4cと連通している。同様に、各凝縮
器21は、上部ヘッダ24の部分において蒸気管6dに
より、また下部ヘッダ25の部分において液管7dによ
りそれぞれ相互に連通されており、各上部ヘッダ24は
前記蒸気管6dにより蒸発器1dの気相領域と連通し、
各下部ヘッダ25は液管7dにより調整タンク4dと連
通している。また、各液管7c,7dの低レベル位置に
はバッファータンク5が設置されている。
【0064】図11の空調システムにおける冷却システ
ムは、各階a1,a2に設置された空調ユニットの各蒸
発器1a,1a及び1b,1b、これらの蒸発器1a,
1bよりも高所に設置され、冷熱槽2’より冷熱が供給
される凝縮器26、各階a1,a2に設置された受液器
91,92とを備えており、受液器91は液管75によ
り凝縮器26の底部と連通し、下位の受液器92はその
上位の受液器91の所定レベルと液管76により連通し
ている。各階a1,a2の各蒸発器1a,1bは上部ヘ
ッダ13,15の部分でそれぞれの蒸気管62,63に
より相互に連通するとともに、蒸気管62,63は蒸気
管64を介して凝縮器26と連通している。また、各階
の蒸発器1a,1bの下部ヘッダ23,25は、それぞ
れ液管73,74で相互に連通するとともに、これらの
液管73,74は当該階a1,a2における受液器9
1,92の底部とそれぞれ連通している。
【0065】図11のシステムにおいて、蒸発器1c,
階a1の各凝縮器20,調整タンク4c、及び、蒸発器
1d,階a2の各凝縮器21,調整タンク4dは、それ
ぞれ独立したトップヒート式ヒートパイプの密閉循環系
からなる加熱システムを構成しており、これらの各循環
系内を真空脱気するとともに、各循環系の蒸発器1c,
1d内に適量の作動液aを封入し、それぞれの蒸発器1
c,1dを加熱して運転する。加熱により蒸発器1c,
1d内の作動液が蒸発すると、その蒸気はそれぞれの階
a1,a2に対応する凝縮器20,21でそれぞれ凝縮
され、この熱交換により各階の凝縮器20,21の周囲
が暖められる。
【0066】そして、それぞれ加熱システムを構成する
前記各独立の循環系は、実質的にこの発明の実施例によ
るトップヒート式ヒートパイプと同様に構成されている
ので、蒸発器1cから各凝縮器20までの内圧と調整タ
ンク4cの内圧の差、及び、蒸発器1dから各凝縮器2
1までの内圧と調整タンク4dの内圧の差(温度差)が
それぞれ一定以上になると、それぞれの凝縮器20,2
1で凝縮した液がそれぞれの調整タンク4c,4dに押
し上げられ、さらに、調整タンク4c,4d内の液面が
それぞれ所定のレベル以上になるごとにそれらに対応す
る制御弁8c,8dが開き、蒸発器1c,1d内の蒸気
がそれらに対応する調整タンク4c,4d内に移動する
とともに、当該調整タンク4c,4dに溜まっている液
がそれらに対応する蒸発器1c,1dへ流れ込む。した
がって、この加熱システムは作動液を循環させるための
外部動力が無くても、作動液が相変化しながら当該循環
系を循環するので、より低コストで円滑に連続運転する
ことができる。
【0067】各階a1,a2を冷却したい場合は、前記
加熱システムの運転を図示されていないバルブの操作に
より停止して、冷却システムを作動させる。すなわち、
凝縮器26で冷却された凝縮液は、液管75を経て各階
a1,a2の受液器91,92に供給され、受液器9
1,92の液は、液管73,74を経て各階の蒸発器1
a,1bに送られ、それらの各蒸発器1a,1b内で蒸
発することによって当該蒸発器1a,1bの周囲が冷却
される。それらの蒸気は、蒸気管62,63及び64を
経て凝縮器26に還流し、再び凝縮される。
【0068】図11の空調システムおいて、各蒸発器1
a,1b及び各凝縮器20,21は、図示しないバルブ
の操作により各別に運転を停止したり再開したりできる
ように構成するのが好ましい。
【0069】図11で例示した加熱システムにおいて
は、前記各実施例以外に、その蒸発器1c,1dと調整
タンク4c,4d及び制御弁8c,8dの関連構成につ
いて、図2ないし図7で例示した構成を採用することが
できる。
【0070】図11の例の空調システムによれば、冷
却,加熱ともに熱媒体の搬送に外部動力を用いずに運転
することができる空調システムを、温熱槽及び冷熱槽を
ともにビルなどの最上階(例えば屋上)に設置して構成
することができる。
【0071】
【発明の効果】この発明によるトップヒート式ヒートパ
イプ,冷却システム及び加熱システムは、凝縮器を含む
気相領域の内圧と調整タンクを含む液相領域の内圧との
差によって凝縮液を調整タンクに押し上げるため、作動
液を循環させるためのポンプその他の外部動力が無い簡
単な構造により、運転中に凝縮器の作動が妨げられるこ
となく連続して高所から低所に熱を輸送することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトップヒート式ヒートパイプの
一実施例を示す概略配管図である。
【図2】制御弁とその周辺部材との関連構成の変形例を
示す断面図である。
【図3】制御弁の他の変形例を示す断面図である。
【図4】制御弁とその周辺部材との関連構成のさらに他
の変形例を示す概略図である。
【図5】制御弁とその周辺部材との関連構成のさらに他
の変形例を示す概略図である。
【図6】制御弁のさらに他の変形例を示す概略図であ
る。
【図7】制御弁とその周辺部材との関連構成のさらに他
の変形例を示す断面図である。
【図8】この発明によるトップヒート式ヒートパイプの
他の実施例を示す概略配管図である。
【図9】この発明の実施例によるトップヒート式ヒート
パイプを利用した冷却システムを含む空調システムの概
略配管図である。
【図10】この発明の他の実施例によるトップヒート式
ヒートパイプを利用した冷却システムを含む空調システ
ムの概略配管図である。
【図11】この発明の実施例によるトップヒート式ヒー
トパイプを利用した加熱システムを含む空調システムの
概略配管図である。
【図12】従来のトップヒート式ヒートパイプの一例を
示す概略配管図である。
【符号の説明】
a 作動液 1,1a,1b,1c,1d,17 蒸発器 1’ 温熱槽 10 ヒータ 11,12 空調ユニット 13,15,22,24 上部ヘッダ 14,16,23,25 下部ヘッダ a1,a2 ビルの各階 2,2a,2b,20,21,26 凝縮器 3,3a,3b 補助タンク 32,70 逆止弁 4,4a,4b 調整タンク 40,42,43 連通部 41 通水孔 5 バッファータンク 6,6a,6b,6c,6d,30,33,35,6
0,61 蒸気管 7,7a,7b,7c,7d,31,34,36,7
1,72 液管 8,8a,8b,8c,8d 制御弁 80,83,84 フロート 81 フロートガイド 82,85,86 液面レベルセンサ 9,90 排気用配管 91,92 受液器 9a 第1液溜 9b 第2液溜 9c,9d フロート 9e,9f,9g フロート弁 9h,9i,9j 逆止弁 9k 放熱フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 素谷 順二 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 神谷 是行 横浜市栄区東上郷町18番7号 (56)参考文献 特開 昭62−280547(JP,A) 特開 昭62−59394(JP,A) 特開 昭61−125591(JP,A) 特開 昭62−794(JP,A) 特開 平1−121688(JP,A) 特開 平3−175220(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 15/02 - 15/06

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高所に設置された蒸発器、 この蒸発器よりも低所に設置された凝縮器、前記蒸発器の作動中当該蒸発器から前記凝縮器へ蒸気が
    常時に流れる状態に 前記蒸発器の気相領域と前記凝縮器
    とを連通する蒸気管、 前記蒸発器の最高液面レベルより高所に設置され、液相
    領域が前記蒸発部の気相領域と連通された調整タンク、 前記凝縮器と前記調整タンクとを連通する液管、及び、 前記蒸発器の気相領域と調整タンクの液相領域との連通
    部に設置され、前記蒸発器の液面が所定のレベル以下に
    なったとき又は前記調整タンクの液面が所定のレベル以
    上になったときに開く制御弁とを備えたことを特徴とす
    る、 トップヒート式ヒートパイプ。
  2. 【請求項2】 高所に設置された蒸発器、 この蒸発器よりも低所に設置された凝縮器、 前記蒸発器の液面レベルと常時ほぼ同じ液面レベルとな
    る状態に気相領域及び液相領域において当該蒸発器と連
    通された補助タンク、前記蒸発器の作動中当該蒸発器から前記凝縮器へ蒸気が
    常時流れる状態に 前記蒸発器又は補助タンクの気相領域
    と前記凝縮器とを連通する蒸気管、 前記蒸発器の最高液面レベルより高所に設置され、液相
    領域が前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と連通
    された調整タンク、 前記凝縮器と前記調整タンクとを連通する液管、及び、 前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と調整タンク
    の液相領域との連通部に設置され、前記蒸発器ないし補
    助タンクの液面が所定のレベル以下になったとき又は前
    記調整タンクの液面が所定のレベル以上になったときに
    開く制御弁とを備えたことを特徴とする、 トップヒート式ヒートパイプ。
  3. 【請求項3】 前記蒸発器と補助タンクとの液相領域相
    互を連通する配管の途中に、蒸発器から補助タンクへの
    液の流れを阻止する逆止弁を設置した、請求項2に記載
    のトップヒート式ヒートパイプ。
  4. 【請求項4】 前記制御弁がフロート弁である、請求項
    1〜3のいずれかに記載のトップヒート式ヒートパイ
    プ。
  5. 【請求項5】 前記制御弁が液面レベルセンサの検出値
    により開閉される電磁弁である、請求項1〜3のいずれ
    かに記載のトップヒート式ヒートパイプ。
  6. 【請求項6】 前記凝縮器と前記調整タンクとを連通す
    る液管の途中に、前記凝縮器の設置レベル以下に位置す
    るバッファータンクを設置した、請求項1〜5のいずれ
    かに記載のトップヒート式ヒートパイプ。
  7. 【請求項7】 前記凝縮器と前記調整タンクとを連通す
    る液管の途中に、調整タンクから凝縮器側への液の流れ
    を阻止する逆止弁を設置した、請求項1〜6のいずれか
    に記載のトップヒート式ヒートパイプ。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜7のいずれかに記載のト
    ップヒート式ヒートパイプによって構成された冷却シス
    テム。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜7のいずれかに記載のト
    ップヒート式ヒートパイプによって構成された加熱シス
    テム。
  10. 【請求項10】 ほぼ同じレベルに設置され、気相領域
    及び液相領域で互いに連通された複数の蒸発器、 これらの蒸発器よりも低所に設置され、これらの蒸発器
    の作動中当該各蒸発器から蒸気が常時流れる状態に前記
    各蒸発器の気相領域とが蒸気管により連通された少なく
    とも一つの凝縮器、 前記蒸発器の最高液面レベルよりも高所に設置され、
    相領域が前記複数の蒸発器のうちの少なくとも一つの蒸
    発器の気相領域と連通し、かつ前記凝縮器と液管により
    連通された調整タンク、 前記少なくとも一つの蒸発器の気相領域と前記調整タン
    の液相領域との連通部に設置され、前記各蒸発器の液
    面が所定のレベル以下になったとき又は前記調整タンク
    の液面が所定のレベル以上になったときに開く制御弁と
    を備えたことを特徴とする、 冷却システム。
  11. 【請求項11】 ほぼ同じレベルに設置され、気相領域
    及び液相領域で互いに連通した複数の蒸発器、 これらの蒸発器の液面レベルと常時ほぼ同じ液面レベル
    となる状態に気相領域及び液相領域において少なくとも
    一つの蒸発器と連通された補助タンク、 前記各蒸発器よりも低所に設置され、これらの蒸発器の
    作動中当該各蒸発器から蒸気が常時流れる状態に前記各
    蒸発器又は前記補助タンクの気相領域とが蒸気管により
    連通された少なくとも一つの凝縮器、 前記各蒸発器の最高液面レベルより高所に設置され、
    相領域が前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と連
    通し、かつ前記凝縮器と液管により連通された調整タン
    ク、及び、 前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と前記調整タ
    ンクの液相領域との連通部に設置され、前記蒸発器ない
    し補助タンクの液面が所定のレベル以下になったとき又
    は前記調整タンクの液面が所定のレベル以上になったと
    きに開く制御弁とを備えたことを特徴とする、 冷却システム。
  12. 【請求項12】 高所に設置された少なくとも一つの蒸
    発器、 この蒸発器より低所においてほぼ同じレベルに設置さ
    れ、気相領域及び液相領域で互いに連通し、かつ、前記
    蒸発器の作動中当該蒸発器から蒸気が常時流れる状態に
    当該蒸発器の気相領域とが蒸気管により連通された複数
    の凝縮器、 前記蒸発器の最高液面レベルより高所に設置され、液相
    領域が当該蒸発器の気相領域と連通し、かつ前記各凝縮
    器と液管により連通された調整タンク、及び、 前記蒸発器の気相領域と前記調整タンクの液相領域との
    連通部に設置され、前記蒸発器の液面が所定のレベル以
    下になったとき又は前記調整タンクの液面が所定のレベ
    ル以上になったときに開く制御弁とを備えたことを特徴
    とする、 加熱システム。
  13. 【請求項13】 高所に設置された少なくとも一つの蒸
    発器、 この蒸発器の液面レベルと常時ほぼ同じ液面レベルとな
    る状態に気相領域及び液相領域において当該蒸発器と連
    通された補助タンク、 前記蒸発器より低所においてほぼ同じレベルに設置さ
    れ、気相領域及び液相領域で互いに連通し、かつ、前記
    蒸発器の作動中当該蒸発器から蒸気が常時流れる状態に
    前記蒸発器又は前記補助タンクの気相領域とが蒸気管に
    より連通された複数の凝縮器、 前記蒸発器の最高液面レベルより高所に設置され、液相
    領域が前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と連通
    し、かつ前記各凝縮器と液管により連通された調整タン
    ク、及び、 前記補助タンク又は前記蒸発器の気相領域と前記調整タ
    ンクの液相領域との連通部に設置され、前記蒸発器ない
    し前記補助タンクの液面が所定のレベル以下になったと
    き又は前記調整タンクの液面が所定のレベル以上になっ
    たときに開く制御弁とを備えたことを特徴とする、 加熱システム。
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