JP3302968B2 - 荷役用グラブバケットの油圧回路およびグラブバケット - Google Patents

荷役用グラブバケットの油圧回路およびグラブバケット

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JP3302968B2
JP3302968B2 JP2000049545A JP2000049545A JP3302968B2 JP 3302968 B2 JP3302968 B2 JP 3302968B2 JP 2000049545 A JP2000049545 A JP 2000049545A JP 2000049545 A JP2000049545 A JP 2000049545A JP 3302968 B2 JP3302968 B2 JP 3302968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ばら物などの荷役
作業に用いるグラブバケットを動作させるための油圧回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来のグラブバケットを用いた
荷役装置、特にグラブバケットを動作させるための油圧
回路を概略示すものである。また図5は、図4の装置の
油圧回路のみを概略示すものである。図4において、荷
役装置60は、グラブバケット61、グラブバケット61の昇
降時にこれを支持する支持ワイヤ62の巻き取りおよび繰
り出しを行う昇降ドラム63、荷役作業時にグラブバケッ
ト61の開閉を行うための開閉ワイヤ64の巻き取りおよび
繰り出しを行う開閉ドラム65、これらドラムを駆動する
ための油圧回路66、これらドラムを同期させるための同
調装置67および、グラブバケット61の動作を制御するた
めの制御装置68を具える。
【0003】図4および図5に示すように、油圧回路66
は、昇降ドラム63を駆動させる昇降用回路69および、開
閉ドラム65を駆動させる開閉用回路70を具える。昇降用
回路69は、昇降ドラム63を駆動する油圧モータ71、油圧
モータ71を作動させる作動油を送る油圧ポンプ72、作動
油が流れる油路(カウンターライン)73a,73bおよび各
油路の間に、油圧モータ71と並列に設けたリリーフ弁74
を具え、これらによって閉じた回路が形成されている。
また開閉用回路70も、開閉ドラム65を駆動する油圧モー
タ75、油圧モータ75を作動させる作動油を送る油圧ポン
プ76、作動油が流れる油路(カウンターライン)77a,7
7bおよび各油路の間に、油圧モータ75と並列に設けたリ
リーフ弁78を具え、これらによって閉じた回路が形成さ
れている。なお、油圧ポンプ72,76は、単一の電動モー
タ79で駆動されると共に、それぞれ制御装置68と電気的
に接続した電磁比例弁80,81によって制御される。
【0004】同調装置67(図4参照)は、昇降ドラム63
および開閉ドラム65それぞれの回転数を同一にするため
に設けられているもので、各ドラムの回転数を検出する
回転数センサ82,83からの回転数信号を得て両者の差を
求め、その結果を油圧ポンプ72,76にそれぞれ設けた電
磁比例弁80,81へフィードバックさせる。
【0005】次に、この荷役装置の動作について説明す
る。 (1)グラブバケットを閉じた状態で昇降させる場合 グラブバケット61を閉じて貨物を保持した状態で昇降さ
せる場合、支持ワイヤ62の張力が開閉ワイヤ64の張力よ
りも大きくなることにより、グラブバケット61から荷こ
ぼれが発生する。これを防ぐために、本来、昇降用回路
69の油圧ポンプ72の吐出量Qhと開閉用回路70の油圧ポ
ンプ76の吐出量Qgを等しくして昇降ドラム65の回転数
Ndhと開閉ドラム63の回転数Ndgを等しくし、各ワイヤ
の張力を等しくする必要があるが、実際には、各油圧ポ
ンプの間の性能誤差等を考慮して、通常はQg≧Qhとし
ている。それによって開閉ワイヤ64の張力が、支持ワイ
ヤ62の張力よりも大きく設定される。このとき、開閉用
回路70の油路77aからリリーフ弁78を通して油路77bへ、
QgとQhとの差に相当する流量ΔQ=Qg−Qhの油が流
れる。
【0006】(2)グラブバケットで貨物を掴む場合 開いたグラブバケット61を貨物上に配置し、支持ワイヤ
62の張力を0にすると共に、開閉ワイヤ64によりグラブ
バケット61を閉鎖する。支持ワイヤ62の張力を0にする
ためには、昇降ドラム63を、グラブバケット61を下降さ
せる方向(支持ワイヤ62の繰り出し方向)に回転させて
支持ワイヤ62を緩める。一方、開閉ドラム65を開閉ワイ
ヤ64の巻き取り方向に回転させる。このとき、グラブバ
ケット61の自重にって貨物にグラブバケット61の刃先か
らの力が作用し、グラブバケット61が貨物を掴んで閉じ
ることとなる。
【0007】(3)グラブバケットを開いた状態で昇降さ
せる場合 (1)と同様に、支持ドラム63と開閉ドラム65の回転数を
等しくし、かつグラブバケット61の開いた状態を維持さ
せつつこれを昇降させる。
【0008】しかしながら、こうした従来のグラブバケ
ット装置においては、以下の問題点がある。まず、上記
(1)の場合、各油圧回路中の作動油の圧力は、通常、荷
役装置における最大荷重に応じて、リリーフ弁により設
定される。ところが、荷役作業を行う貨物の種類や量に
応じた圧力の変更が困難であるため、常にリリーフ弁に
より設定された圧力で荷役作業を行わなければならず、
グラブバケットの開閉装置に過大な負荷が加わる等によ
り荷役装置の寿命が低下するといった問題がある。また
(2)においては、従来の荷役装置では支持ワイヤの張力
の制御および、それによる支持ワイヤの、荷役貨物の特
性に合致させた繰り出しを適切に行うことができないた
め、グラブバケットによる効果的な貨物の掴み作業を行
うことが困難なことがある。また掴み作業の終了後、グ
ラブバケットを引き上げる際に、支持ワイヤに衝撃力が
加わり、この衝撃力が支持ワイヤのみならず、他の部分
にも影響が及ぶことがあり得る。さらに(3)の場合に
は、昇降ドラムと開閉ドラムの回転が何らかの原因で同
調できないときに、グラブバケットが昇降時に開閉を繰
り返して揺れなどが生じたり、それによって貨物を掴む
際の掴み量が所望量を下回ってしまい、効率的な作業が
難しくなるといった問題が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、グラブバケットによる荷役作業を効率よく
行うことができ、またグラブバケットを用いた荷役装置
の機器の長寿命化を可能とすると共に、比較的単純な装
置構成を実現できる、荷役用グラブバケットの油圧回路
およびグラブバケットを提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、荷役用のグラブバケットを動作させるた
めの油圧回路であって、前記グラブバケット昇降のため
の昇降ドラムを駆動する油圧モータと、油圧ポンプと、
油圧ラインとを具える昇降用回路と、前記グラブバケッ
ト開閉のための開閉ドラムを駆動する油圧モータと、油
圧ポンプと、油圧ラインとを具える開閉用回路と、を具
える油圧回路において、前記昇降用回路と前記開閉用回
路とを接続する荷重釣り合い回路をさらに具え、この荷
重釣り合い回路に方向切り換え弁および流量制御弁から
なる荷重釣り合い制御弁組立体を設けたことを特徴とす
る。
【0011】すなわち、本発明による油圧回路において
は、グラブバケットの昇降を制御する回路と、グラブバ
ケットの開閉を制御する回路との間に、それぞれの機能
を行うためのワイヤに加わる荷重(張力)の釣り合いを
制御するための荷重釣り合い回路を設け、さらにこの回
路に方向切り換え弁と流量制御弁を設けている。それに
よって、それぞれの回路の油圧およびドラムの回転数を
貨物の種類や量に応じて適切に制御することができ、支
持ワイヤと開閉ワイヤの張力をほぼ等しくすることがで
きる。したがって、作業中の荷こぼれの発生や、支持ワ
イヤと開閉ワイヤの張力の不釣り合いにより生じるグラ
ブバケットの昇降時の開閉の発生等の不具合を防ぐこと
が可能となる。また、同調装置を必要とすること無く昇
降ドラムと開閉ドラムの回転を適切に同調させることが
できるため、グラブバケットを用いたクレーン装置など
の構成を単純化することが可能であり、それによって装
置の製作や保守等に係る費用の削減にも寄与することが
できる。
【0012】また本発明による油圧回路は、前記昇降用
回路に、前記グラブバケットを昇降かつ支持するために
前記昇降ドラムによって巻き取りおよび繰り出しを行う
支持ワイヤの張力を調整するための、圧力制御弁および
方向切替弁からなる支持ワイヤ張力制御弁組立体を前記
油圧モータと並列に設けたことを特徴とする。そのた
め、貨物の種類や量などに応じた、適切な油圧力を設定
・調整することが可能となり、効率的な荷役作業を行う
ことができ、また装置の長寿命化にも寄与できる。
【0013】さらに本発明による油圧回路は、前記開閉
用回路に、前記グラブバケットを開閉させるために前記
開閉ドラムによって巻き取りおよび繰り出しを行う開閉
ワイヤにより、前記グラブバケットを開状態で前記昇降
ドラムにより昇降させる際に、前記グラブバケットの開
状態を保持するための、圧力制御弁および方向切替弁か
らなるグラブバケット開閉制御弁組立体を前記油圧モー
タと並列に設けたことを特徴とする。そのため、グラブ
バケットを開いた状態に維持したまま昇降させることが
でき、昇降時のグラブバケット開閉の繰り返しの発生
や、それによって生じる貨物の掴み量の低下を防ぐこと
が可能となる。
【0014】また、本発明は、上述した油圧回路により
動作するグラブバケットに関するものである。
【0015】本発明によるグラブバケットは、その昇降
および開閉をそれぞれ行うための各ワイヤの張力を適切
に釣り合いを取るように制御され、また昇降のためのワ
イヤの張力を、貨物の種類や量などに応じて適切に制御
される。そのため荷こぼれの発生や、昇降および開閉の
ためのワイヤ同士の張力の不釣り合いによる不具合の発
生を防ぐことができ、効率的な荷役作業が行えることと
なる。また、昇降および開閉のためのワイヤをそれぞれ
巻き取りおよび繰り出しを行う各ドラムの回転を、同調
装置無しに同調させることができることから、本グラブ
バケットを用いるクレーン装置などの構成をを単純化す
ることが可能であり、それによって装置の製作や保守等
に係る費用の削減にも寄与することができる。
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0016】図1は、本発明に係るグラブバケットを用
いた荷役装置の構成を概略示すものであり、また図2
は、図1に示す装置の油圧回路のみを概略示すものであ
る。
【0017】図1において、荷役装置10は、グラブバケ
ット11、グラブバケット11の昇降時にこれを支持する支
持ワイヤ12の巻き取りおよび繰り出しを行う昇降ドラム
13、荷役作業時にグラブバケット11の開閉を行うための
開閉ワイヤ14の巻き取りおよび繰り出しを行う開閉ドラ
ム15、これらドラムを駆動するための油圧回路16およ
び、グラブバケット11の動作を制御するための制御装置
17を具える。
【0018】油圧回路16は、昇降ドラム13を駆動させる
昇降用回路18および、開閉ドラム15を駆動させる開閉用
回路19を具える。昇降用回路18は、昇降ドラム13を駆動
する油圧モータ20、油圧モータ20を作動させる作動油を
送る油圧ポンプ21、作動油が流れる油路(カウンターラ
イン)22a,22bおよび各油路の間に、油圧モータ20と並
列に設けたワイヤ張力制御弁組立体23を具え、これらに
よって閉じた回路が形成されている。また開閉用回路19
も、開閉ドラム15を駆動する油圧モータ24、油圧モータ
24を作動させる作動油を送る油圧ポンプ25、作動油が流
れる油路(カウンターライン)26a,26bおよび各油路の
間に、油圧モータ24と並列に設けたグラブバケット開閉
制御弁組立体27を具え、これらによって閉じた回路が形
成されている。また、昇降用回路18と開閉用回路19との
間に、これらを接続する荷重釣り合い回路28が設けら
れ、この荷重釣り合い回路28には荷重釣り合い弁組立体
29が取り付けられている。なお、油圧ポンプ21,25は、
単一の電動モータ30で駆動されると共に、それぞれ制御
装置17と電気的に接続した電磁比例弁31,32によって制
御される。
【0019】図2に示すように、ワイヤ張力制御弁組立
体23は、主圧力制御弁33、補圧力制御弁34および方向切
換弁35からなる。ここで補圧力制御弁34および方向切換
弁35は、主圧力制御弁33のベントライン36に接続されて
いる。またグラブバケット開閉制御弁組立体27は、主圧
力制御弁37、二つの補圧力制御弁38,39および方向切換
弁40からなる。ここで補圧力制御弁38,39および方向切
換弁40は、主圧力制御弁37のベントライン41に接続され
ている。さらに荷重釣り合い弁組立体29は、流量制御弁
42および方向切換弁43からなる。
【0020】荷重釣り合い弁組立体29においては、グラ
ブバケット11を閉じた状態で昇降させるときに方向切換
弁43のソレノイド44が励磁され、このとき油路22a,26a
が流量制御弁42を介して接続する。またワイヤ張力制御
弁組立体23においては、グラブバケット11が貨物の掴み
動作を行うときに方向切替弁35のソレノイド45が励磁さ
れ、このときの主圧力制御弁33の設定圧力は補圧力制御
弁34での設定圧力となる。さらに、グラブバケット開閉
制御弁組立体27においては、グラブバケット11を開いた
状態で上昇させるときには方向切換弁40のソレノイド46
が励磁され、油路26aの設定圧力が補圧力制御弁39の設
定圧力となる。一方グラブバケット11を開いた状態で下
降させるときには方向切換弁40のソレノイド47が励磁さ
れ、油路26aの設定圧力が補圧力制御弁38の設定圧力と
なる。
【0021】図3はグラブバケット11の構成を示すもの
であり、図3(a)は貨物を保持して閉じている状態を、
図3(b)は開いている状態をそれぞれ示すものである。
グラブバケット11は、上部ブロック48,貨物を掴んで保
持するセル49a,49b、上部ブロック48とセル49a,49bと
を接続する連結ロッド50,51、セル49a,49bを接続する
シーブブロック52を具える。支持ワイヤ12は上部ブロッ
ク48に接続され、一方開閉ワイヤ14は上部ブロック48お
よびシーブブロック52にそれぞれ設けられている複数の
滑車53,54に掛け渡された後、上部ブロック48で終端し
ている。ここで、図3(a)に示す閉状態においては、グ
ラブバケット11の自重と、貨物の重量を合わせた荷重が
支持ワイヤ12および開閉ワイヤ14によって支持されてい
る。一方図3(b)に示す開状態においては、グラブバケ
ット11の自重は支持ワイヤ12によって支持され、開閉ワ
イヤ14にはワイヤの自重に相当する張力が働いている。
【0022】次に、荷役装置10の動作について説明す
る。 (1)グラブバケットを閉じた状態で上昇させる場合 グラブバケット11を閉じた状態(図3(a)参照)で上昇
させる場合、開閉用回路19の油圧ポンプ25の吐出量Qgu
と昇降用回路18の油圧ポンプ21の吐出量Qhuとの関係
を、
【数1】Qgu=Qhu+ΔQ とする。これは、支持ワイヤ12の張力が開閉ワイヤ14の
張力よりも大きくなった場合に、グラブバケット11のセ
ル49がわずかに開いて荷こぼれを生じるためである。
【0023】このとき、開閉用回路19の油圧モータ24
は、流量ΔQに相当する分、昇降用回路18の油圧モータ
20よりも速く回転し、開閉ワイヤ14が開閉ドラム15に巻
き取られる速度が、支持ワイヤ12が昇降ドラム13に巻き
取られる速度よりも速くなる。そのため、支持ワイヤ12
が弛みがちになり、一方グラブバケット11の自重および
貨物の重量を開閉ワイヤ14で主に受け持つ状態になる。
したがって、開閉ワイヤ14の張力が上昇し、結果として
油路26aの油圧が、油路22aの油圧よりも大きくなる。
【0024】ところが、油路26aと油路22aとは荷重釣り
合い回路30によって接続しており、荷重釣り合い弁組立
体29の方向切換弁43のソレノイド44を励磁すると、油路
26aから流量ΔQに相当する流れが方向切換弁43および
流量制御弁42を通して油路22aへと流れ、それと共に油
路26aの圧力が、油路22aの圧力に対して
【数2】Δp=k*ΔQk:定数 だけ上昇することとなる。なお、このΔpはごく僅かな
量である。
【0025】すなわち、油路26aの圧力Δpを、ΔQに
よって設定することが可能であり、このΔQも、荷重釣
り合い回路28の流量制御弁42で設定することができる。
その結果、支持ワイヤ12と開閉ワイヤ14の張力差Δpを
適切に調整して、荷役作業時にグラブバケットが不用意
に開いて荷こぼれが発生するのを防ぐことが可能とな
り、かつ、支持ワイヤの張力と開閉ワイヤの張力を近似
的に等しくすることが可能となる。
【0026】(2)グラブバケットを閉じた状態で下降さ
せる場合 この場合、開閉用回路19の油圧ポンプ25の吐出量Qguと
昇降用回路18の油圧ポンプ21の吐出量Qhuとの関係を、
【数3】Qhu=Qgu+ΔQ とする。
【0027】このとき、開閉用回路19の油圧モータ24
は、流量ΔQに相当する分、昇降用回路18の油圧モータ
20よりも遅く回転し、開閉ワイヤ14が開閉ドラム15から
繰り出される速度が、支持ワイヤ12が昇降ドラム13から
繰り出される速度よりも遅くなる。そのため、開閉ワイ
ヤがグラブバケット11の自重および貨物の重量を主に受
け持つ状態になる。したがって、開閉ワイヤ14の張力が
上昇し、結果として油路26aの油圧が、油路22aの油圧よ
りも大きくなる。
【0028】ところが、油路26aと油路22aとは荷重釣り
合い回路30によって接続しており、荷重釣り合い弁組立
体29の方向切換弁43のソレノイド44を励磁すると、油路
26aから流量ΔQに相当する流れが方向切換弁43および
流量制御弁42を通して油路22aへと流れ、それと共に油
路26aの圧力が、油路22aの圧力に対して
【数4】Δp=k*ΔQk:定数 だけ上昇することとなる。なお、このΔpはごく僅かな
量である。
【0029】すなわち、油路26aの圧力Δpを、ΔQに
よって設定することが可能であり、このΔQも、荷重釣
り合い回路28の流量制御弁42で設定することができる。
その結果、支持ワイヤ12と開閉ワイヤ14の張力差Δpを
適切に調整して、荷役作業時にグラブバケットが不用意
に開いて荷こぼれが発生するのを防ぐことが可能とな
り、かつ、支持ワイヤの張力と開閉ワイヤの張力を近似
的に等しくすることが可能となる。
【0030】(3)グラブバケットで貨物を掴む場合 従来の荷役装置(図4参照)と同様に、開いたグラブバ
ケット11を貨物上に配置し、支持ワイヤ12の張力を0に
すると共に、開閉ワイヤ14によりグラブバケット11を閉
鎖する。支持ワイヤ12の張力を0にするためには、昇降
ドラム13を、グラブバケット11を下降させる方向(支持
ワイヤ12の繰り出し方向)に回転させて支持ワイヤ12を
緩める。一方、開閉ドラム15を開閉ワイヤ14の巻き取り
方向に回転させる。このとき、グラブバケット11の自重
にって貨物にグラブバケット11の刃先からの力が作用
し、グラブバケット11が貨物を掴んで閉じることとな
る。
【0031】ここで、本荷役装置10においては、掴み作
業の開始後、ワイヤ張力制御弁組立体23の方向切替弁35
のソレノイド45を励磁し、油圧ポンプ21により作動油を
昇降用ドラム13の巻き上げ方向へ吐出させ、支持ワイヤ
の張力を増加させる。また、これによって主圧力制御弁
33における設定圧力が、補圧力制御弁34の設定圧力と等
しくなる。すなわち、本装置10では、掴み作業時におけ
る油圧回路18の設定圧力が補圧力制御弁34によって調整
可能であり、特に、その設定圧力を支持ワイヤ12の自重
に相当する値とすることができる。それゆえ効果的な掴
み作業を行うことができ、またクラブバケット11引き上
げ時に支持ワイヤ12に発生する衝撃力を抑制することが
可能である。
【0032】(4)グラブバケットを開いた状態で上昇さ
せる場合 グラブバケット11を開いた状態(図3(b)参照)で上昇
させる(巻き上げる)場合、(1)と同様に、開閉用回路1
9の油圧ポンプ25の吐出量Qguと昇降用回路18の油圧ポ
ンプ21の吐出量Qhuとの関係を、
【数5】Qgu=Qhu+ΔQ とする。
【0033】このとき、図3(b)に示す状態でグラブバ
ケット11を上昇させると、開閉用回路19の油圧モータ24
は、昇降用回路18の油圧モータ20よりも流量差ΔQに相
当するだけ速く回転する。このとき、グラブバケット11
のセル49a,49bは閉じる方向に動こうとし、また開閉ワ
イヤ14にはセル49a,49bの自重にシーブブロック52の自
重を加えた値の荷重が作用する。
【0034】ここで、グラブバケット開閉制御弁組立体
27の方向切換弁40のソレノイド46を励磁して主圧力制御
弁37の設定圧力を補圧力制御弁39の設定圧力と等しくす
る。すなわち、本荷役装置10では、グラブバケットを開
いた状態で巻き上げる際の、開閉用回路の圧力を適切な
値に設定することが可能となる。特に、この設定圧力を
グラブバケットのセルの自重にシーブブロックの自重を
加えた値の荷重に相当する値以下とすることで、セルを
開いた状態に維持しつつ、巻き上げを行うことができ
る。
【0035】(5)グラブバケットを開いた状態.で下降さ
せる場合 グラブバケット11を開いた状態で下降させる(巻き下げ
る)場合も、(2)と同様に、開閉用回路19の油圧ポンプ2
5の吐出量Qguと昇降用回路18の油圧ポンプ21の吐出量
Qhuとの関係を、
【数6】Qhu=Qgu+ΔQ とする。
【0036】このとき、図3(b)に示す状態でグラブバ
ケット11を下降させると、開閉用回路19の油圧モータ24
は、昇降用回路18の油圧モータ20よりも流量差ΔQに相
当するだけ遅く回転する。このとき、開閉ワイヤ14が開
閉ドラム15から繰り出される速度が、支持ワイヤ12が昇
降ドラム13から繰り出される速度よりも遅くなる。その
結果、グラブバケット11のセル49a,49bは閉じる方向に
動こうとする。
【0037】ところが、開閉ワイヤ14にはセル49a,49b
の自重にシーブブロック52の自重を加えた値の荷重が作
用しているため、開閉用回路19には、この荷重に相当す
る圧力が発生する。。
【0038】ここで、グラブバケット開閉制御弁組立体
27の方向切換弁40のソレノイド47を励磁して主圧力制御
弁37の設定圧力を補圧力制御弁38の設定圧力と等しくす
る。すなわち、本荷役装置10では、グラブバケットを開
いた状態で下ろす際の、開閉用回路の圧力を適切な値に
設定することが可能となる。特に、この設定圧力をグラ
ブバケットのセルの自重にシーブブロックの自重を加え
た値の荷重に相当する値以下とすることで、セルを開い
た状態に維持しつつ、巻き下げを行うことができる。
【0039】以上説明したように、本発明による荷役用
グラブバケットの油圧回路によれば、グラブバケットの
昇降および開閉それぞれの動作を行うための回路の油圧
および、グラブバケットを昇降および開閉させるための
各ドラムの回転数を貨物の種類や量に応じて適切に制御
することができる。その結果、作業中の荷こぼれの発生
や、支持ワイヤと開閉ワイヤの張力の不釣り合いにより
生じるグラブバケットの昇降時の開閉の発生等の不具合
を防ぐことが可能となり、かつ、グラブバケットを閉じ
た状態で上昇および下降させる際の支持ワイヤの張力と
開閉ワイヤの張力を、近似的に等しくすることが可能と
なる。また、従来のような同調装置を必要としないこと
から、グラブバケットを用いたクレーン装置などの構成
を単純化することが可能であり、それによって装置の製
作や保守等に係る費用の削減にも寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る荷役装置の構成を概略示すもので
ある。
【図2】図1に示す荷役装置における油圧回路を概略示
すものである。
【図3】本発明に係る荷役装置のグラブバケットを示す
図である。
【図4】従来の荷役装置の構成を概略示す図である。
【図5】図4に示す荷役装置における油圧回路を概略示
す図である。
【符号の説明】
10,60 荷役装置 11,61 グラブバケット 12,62 支持ワイヤ 13,63 昇降ドラム 14,64 開閉ワイヤ 15,65 開閉ドラム 16,66 油圧回路 17,68 制御装置 18,69 昇降用回路 19,70 開閉用回路 20,24,71,75 油圧モータ 21,25,72,76 油圧ポンプ 22,26,73,77 カウンターライン 23 ワイヤ張力制御弁組立体 27 グラブバケット開閉制御弁組立体 28 荷重釣り合い回路 29 荷重釣り合い弁組立体 30,79 電動モータ 31,32,80,81 電磁比例弁 33,37 主圧力制御弁 34,38,39 補圧力制御弁 35,40,43 方向切換弁 36,41 ベントライン 42 流量制御弁 44,45,46,47 ソレノイド 48 上部ブロック 49 グラブバケットのセル 50,51 連結ロッド 52 シーブブロック 82,83 回転数センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66C 3/12 B66C 13/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷役用のグラブバケットを動作させるた
    めの油圧回路であって、 前記グラブバケット昇降のための昇降ドラムを駆動する
    油圧モータと、油圧ポンプと、油圧ラインとを具える昇
    降用回路と、 前記グラブバケット開閉のための開閉ドラムを駆動する
    油圧モータと、油圧ポンプと、油圧ラインとを具える開
    閉用回路と、を具える油圧回路において、 前記昇降用回路と前記開閉用回路とを接続する荷重釣り
    合い回路をさらに具え、この荷重釣り合い回路に方向切
    り換え弁および流量制御弁からなる荷重釣り合い制御弁
    組立体を設けたことを特徴とする、荷役用グラブバケッ
    トの油圧回路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧回路において、 前記昇降用回路に、前記グラブバケットを昇降かつ支持
    するために前記昇降ドラムによって巻き取りおよび繰り
    出しを行う支持ワイヤの張力を調整するための、圧力制
    御弁および方向切替弁からなる支持ワイヤ張力制御弁組
    立体を、前記油圧モータと並列に設けたことを特徴とす
    る、荷役用グラブバケットの油圧回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の油圧回路におい
    て、 前記開閉用回路に、前記グラブバケットを開閉させるた
    めに前記開閉ドラムによって巻き取りおよび繰り出しを
    行う開閉ワイヤにより、前記グラブバケットを開状態で
    前記昇降ドラムにより昇降させる際に、前記グラブバケ
    ットの開状態を保持するための、圧力制御弁および方向
    切替弁からなるグラブバケット開閉制御弁組立体を前記
    油圧モータと並列に設けたことを特徴とする、荷役用グ
    ラブバケットの油圧回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の油圧
    回路により動作するグラブバケット。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のグラブバケットを具える
    クレーン装置。
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