JP3302823B2 - ブック原稿の頁めくり装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ブック原稿の頁を自動
的にめくる頁めくり機能を備えた、複写機、ファクシミ
リ、及び、スキャナ等のブック原稿読取装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、ブック原稿の原稿情報を読み取っ
た後に、この読み取りを終えた原稿頁の頁めくりを自動
的に行うように構成されたブック原稿読取装置が種々開
発されている。このブック原稿読取装置の一種に、ブッ
ク原稿の読み取り頁面を上方にしてブック原稿を見開い
て原稿台上に載置し、この見開かれて載置されたブック
原稿の原稿面に対して、原稿情報の読み取り走査を行う
読取手段、及び、原稿の頁めくりを行う頁めくり手段を
備えた原稿読取ユニットを接触させて往復移動させるこ
とにより、該ブック原稿の原稿情報の読み取り走査、及
び、読取を終えた原稿頁を１枚ずつ分離して頁めくりを
行うようにしたブック原稿読取装置が知られている。

【０００３】このブック原稿読取装置の原稿読取ユニッ
トに搭載されている頁めくり手段の従来技術の一例を図
５に示す。従来の頁めくり手段は、図５に示すように、
アースされた駆動ローラ３４と、従動ローラ３５と、こ
の駆動ローラ３４及び従動ローラ３５に巻回されて張架
され該ブック原稿上面に位置する原稿頁を吸着して該原
稿頁を頁めくり方向に向かって搬送するめくりベルト３
３ａ，３３ｂと、駆動ローラ３４を支点として従動ロー
ラ３５を移動させて該原稿頁を吸着する水平位置から該
原稿頁を持ち上げる傾斜位置にめくりベルト３３ａ，３
３ｂの原稿頁吸着面を移動させるベルト移動手段（図示
せず）と、めくりベルト３３ａ，３３ｂの外周に圧接す
るように配置された平坦な外周面を有する帯電ローラ３
６ａと、周期的な凹凸の形成された外周面を有する帯電
ローラ３６ｂと、これらの帯電ローラ３６ａ，３６ｂに
高電圧を印加するための高圧電源７０とを具備してい
る。

【０００４】図５において、帯電ローラ３６ａ，３６ｂ
に高電圧が印加された状態で原稿読取ユニットが移動す
ると、装置本体側に固定配置されたラック５６に対し
て、このラック５６に噛み合う原稿読取ユニット側に配
設されたアイドルギヤ５７が相対移動回転され、このア
イドルギヤ５７に噛み合う駆動ギヤ５８を介して駆動ロ
ーラ３４が所定方向に回転される。そして、この駆動ロ
ーラ３４の回転により、めくりベルト３３ａ，３３ｂが
回転され、このめくりベルト３３ａ，３３ｂの外周面
に、高電圧が印加された帯電ローラ３６ａ，３６ｂによ
り、（＋）の電荷と（−）の電荷とが交互にストライプ
状に並んだ静電気のパターンが形成される。これによ
り、めくりベルト３３ａ，３３ｂの外周面に不平等電界
による吸着力が発生し、原稿台上に見開かれた原稿頁
が、このめくりベルト３３ａ，３３ｂの外周面に吸着さ
れる。

【０００５】このようにしてめくりベルト３３ａ，３３
ｂの外周面に吸着されたブック原稿１４の上面に位置す
る原稿頁は、図６に示すように、ベルト移動手段により
駆動ローラ３４を支点として従動ローラ３５が移動され
て、該原稿頁を吸着する水平位置から該原稿頁を持ち上
げる傾斜位置に、めくりベルト３３ａ，３３ｂの原稿頁
吸着面が移動されることによって持ち上げられる。

【０００６】この吸着された原稿頁は、図６に示すよう
に、従動ローラ３５の中央部分に位置するゴムローラか
らなる頁送りローラ５１と、この頁送りローラ５１に対
して、破線で示す待機位置から実線で示す頁めくり位置
に偏位して圧接する頁めくりローラ６とによって挾持さ
れ、この状態で、装置本体側に固定配置されたラック５
６に対して、このラック５６に噛み合う原稿読取ユニッ
ト側に配設されたアイドルギヤ６０が相対移動回転さ
れ、このアイドルギヤ６０に噛み合う頁めくり駆動ギヤ
５５及びこの頁めくり駆動ギヤ５５に設けられたトルク
リミッタ５９を介して頁めくりローラ６が矢印方向に回
転されることによって、上面位置の１頁の原稿頁のみが
他の頁から分離される。すなわち、頁めくりローラ６
は、トルクリミッタ５９の作用で、頁送りローラ５１の
回転により、時計方向へ連れ回りしているが、めくりベ
ルト３３ａ，３３ｂが２枚以上の頁を吸着した場合に
は、その２枚目以降の頁に、トルクリミッタ５９による
戻し力が作用して、この２枚目以降の頁が頁めくりロー
ラ６のニップ部でストップされ、１頁分の原稿頁のみが
搬送される。この頁めくりローラ６は、この頁分離動作
後、ガイド板５２の下方へ退避される（図２参照）。

【０００７】このようにして吸着分離された原稿頁は、
原稿読取ユニット１５の移動によって、ガイド板５２に
沿って、搬送ローラ５３により原稿読取ユニット１５の
外側部に一旦排出された後、原稿読取ユニット１５が更
に移動してブック原稿１４の見開き中央部を通過するこ
とにより、搬送ローラ５３の駆動が遮断され、待機位置
に復帰した頁めくりローラ６により、ブック原稿１４の
反対側の原稿頁面上にめくり込まれる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
ブック原稿読取装置では、周期的な凹凸の形成された外
周面を有する帯電ローラ３６ｂが１種類だけ配設された
構成であるため、めくりベルト３３ａ，３３ｂに形成さ
れる電荷パターンが、この帯電ローラ３６ｂの凹凸の周
期（ピッチ）により、１種類の電荷パターンのみに一義
的に決定されてしまう。しかしながら、この電荷パター
ンは、そのピッチが大きいほど強力な吸着力が発生する
ので、厚紙からなる原稿頁を吸着する場合にはそのピッ
チが大きい方が有利となる反面、このピッチの大きな電
荷パターンを用いて薄紙からなる原稿頁を吸着した場合
には、多数枚の原稿頁を一度に吸着してしまう傾向があ
る。

【０００９】また、この電荷パターンの原稿頁吸着力
は、その環境湿度によっても変化するため、原稿頁の吸
着力が低下する高湿度環境では、ピッチの大きな電荷パ
ターンが適しており、吸着力が大きくなりすぎる低湿度
環境では、ピッチの小さな電荷パターンが適している。

【００１０】従って、従来のブック原稿読取装置では、
その原稿読取ユニットのめくりベルトに、ピッチの固定
された１本の帯電ローラのみによって電荷パターンを形
成していたため、原稿頁の紙厚や周囲の温湿度環境に左
右される原稿吸着条件を充分にカバーすることが難し
く、読み取り可能な原稿の種類や範囲及び使用環境が限
定される不具合があった。

【００１１】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、より広範な原稿種類及び温湿
度条件での使用が可能なブック原稿読取装置を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、原稿の種類や
環境温湿度などの頁めくり条件に応じて、めくりベルト
に適切なピッチの電荷パターンを形成することのできる
帯電ローラを、複数の帯電ローラの中から手動により選
択的に切り替ることによって頁めくり動作の信頼性向上
を図ることのできるブック原稿読取装置を提供すること
にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明は、上述の課題
を解決するために、請求項１では、見開かれて載置され
たブック原稿の原稿面に接触して往復移動することによ
り、原稿の頁めくりを行うユニットを有するブック原稿
の頁めくり装置において、上記ユニット内に設けられた
駆動ローラ及び従動ローラと、該駆動ローラ及び従動ロ
ーラに巻回され該ブック原稿上面に位置する原稿頁を吸
着して該原稿頁を頁めくり方向に向かって搬送するめく
りベルトと、上記駆動ローラを支点として上記従動ロー
ラを移動させて該原稿頁を吸着する水平位置から該原稿
頁を持ち上げる傾斜位置に該めくりベルトの原稿頁吸着
面を移動させるベルト移動手段と、該めくりベルトの外
周に圧接するように配置された平坦な外周面を有する帯
電ローラと、ピッチの異なる周期的な凹凸の形成された
外周面を有する少なくとも２本の帯電ローラと、上記の
各帯電ローラに高電圧を印加するための高圧電源とを有
し、上記のピッチの異なる周期的な凹凸の形成された外
周面を有する少なくとも２本の帯電ローラのうち、何れ
か一方の帯電ローラに対して上記高圧電源から高電圧を
出力するように、高電圧印加回路を選択的に切り換える
ための電圧回路切換手段を具備する構成とする。

【００１３】

【００１４】また、請求項２では、電圧回路切換手段を
手動で制御して、上記高電圧印加回路を選択的に切り換
えるための電圧回路切換制御手段を具備する構成とす
る。

【００１５】

【作用】本発明の請求項１記載の構成によれば、ピッチ
の異なる周期的な凹凸の形成された外周面を有する少な
くとも２本の帯電ローラを具備しているので、各々の帯
電ローラにより、めくりベルトに対して、原稿の種類や
環境条件に応じたそれぞれピッチの異なる電荷パターン
が形成される。高電圧印加回路を選択的に切り換えるた
めの電圧回路切換手段を具備しているので、高電圧印加
回路が選択的に切り換えられることにより、上記のピッ
チの異なる周期的な凹凸の形成された外周面を有する少
なくとも２本の帯電ローラのうち、何れか一方の帯電ロ
ーラに対して上記高圧電源から高電圧が出力される。

【００１６】

【００１７】また、本発明の請求項２記載の構成によれ
ば、上記電圧回路切換手段が電圧回路切換制御手段によ
り手動で制御される。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。図１に、本発明を実施したページめくり機能
を備えたブック原稿読取装置の全体構成を示す。

【００１９】図１において、原稿台１３は、装置本体に
対して手前側に引き出せるように構成されており、ブッ
ク原稿１４は、この原稿台１３を装置の前面に引き出し
た状態で、原稿読取ユニット１５に対して上下動自在に
支持された昇降台１３ａ，１３ｂの上に原稿頁を見開い
て載置される。昇降台１３ａ，１３ｂは、載置されたブ
ック原稿１４の厚さや見開かれた左右の原稿頁の頁量の
差に応じて、見開かれたブック原稿１４の左右の頁面を
同一平面に位置させるように左右独立して昇降するよう
に構成されている。

【００２０】昇降台１３ａ，１３ｂ上にブック原稿１４
を載置した後、装置本体内に原稿台１３を押し込むと、
ブック原稿１５が、装置本体の中央部に待機している原
稿読取ユニット１５の真下に滑り込む。この状態で、図
示しない昇降台駆動機構が作動し、ブック原稿１４の左
右の各原稿頁が押えシート３７，３８の下面に圧接する
まで、各昇降台１３ａ，１３ｂがそれぞれ独立して上昇
される。

【００２１】原稿読取ユニット１５は、原稿読取手段と
頁めくり手段とを備えており、駆動モータ２２の駆動に
より、タイミングベルト１９を介して、ブック原稿１４
の原稿頁面に沿って往復移動される。この時、各押えシ
ート３７，３８は、原稿読取ユニット１５の移動に伴っ
て緊張及び弛緩されないように、個々の巻取りローラ３
９，４４により、それぞれ張架される向きに巻取られる
構成になっており、これにより、ブック原稿１４の左右
の原稿頁が、常時所定の圧力により押圧される。

【００２２】図２に、原稿読取ユニット１５の内部に設
けられた原稿読取手段１７と頁めくり手段１８の構成を
示す。原稿読取ユニット１５が、図１の左端から右端に
向けて走査移動する際には、ブック原稿読取部３２を照
明する光源（蛍光灯）３０ａ，３０ｂ、ミラー２６，２
７，３１、レンズ２８、及び、読取素子（ＣＣＤ基板）
２９などで構成された縮小光学系からなる原稿読取手段
１７によって、ブック原稿１４の見開かれた原稿頁面の
画像情報の読み取り走査が行われる。また、本実施例の
原稿読取手段１７は、平生、図２の破線で示す位置に待
機されている光路切替ミラー２５を、そのブック原稿１
４の読み取り光路に介在させることによって、図１に示
す装置本体上部のコンタクトガラス１２上に載置された
シート原稿（図示せず）の画像情報も読み取ることがで
きる。このシート原稿の画像情報を読み取る場合には、
そのシート原稿読取部２３を照明する手段として、光源
（蛍光灯）２４ａ，２４ｂが使用される。

【００２３】一方、原稿読取ユニット１５が、図１の右
端から左端に向けて移動する際には、頁めくり手段１８
により、ブック原稿１４の原稿頁の頁めくり動作が行わ
れる。本実施例の頁めくり手段１８は、図２乃至図４に
示すように、原稿読取ユニット１５内に設けられた駆動
ローラ３４及び従動ローラ３５と、これらの駆動ローラ
３４及び従動ローラ３５に巻回され該ブック原稿上面に
位置する原稿頁を吸着して該原稿頁を頁めくり方向に向
かって搬送するめくりベルト３３ａ，３３ｂと、駆動ロ
ーラ３４を支点として従動ローラ３５を移動させて該原
稿頁を吸着する水平位置から該原稿頁を持ち上げる傾斜
位置にめくりベルト３３ａ，３３ｂの原稿頁吸着面を移
動させるベルト移動手段（図示せず）と、めくりベルト
３３ａ，３３ｂの外周に圧接するように配置された平坦
な外周面を有する帯電ローラ３６ａと、ピッチの異なる
周期的な凹凸の形成された外周面を有する少なくとも２
本の帯電ローラ３６ｂ，３６ｃと、これらの各帯電ロー
ラ３６ａ，３６ｂ，３６ｃに高電圧を印加するための高
圧電源７０と、２本の帯電ローラ３６ｂ，３６ｃのうち
の何れか一方の帯電ローラに対して高圧電源７０から高
電圧を出力するように高電圧印加回路を選択的に切り換
えるための電圧回路切換手段７１と、この電圧回路切換
手段７１を手動で制御して高電圧印加回路を選択的に切
り換えるための電圧回路切換制御手段７２とからなるめ
くりベルトユニットにより構成されている。

【００２４】ここで、平坦な外周面を有する帯電ローラ
３６ａは、図４に示すように、（直流）高圧電源７０の
マイナス（−）端子に接続されており、ピッチの異なる
周期的な凹凸の形成された外周面を有する２本の帯電ロ
ーラ３６ｂ，３６ｃは、これら２本の帯電ローラ３６
ｂ，３６ｃのうちの何れか一方の帯電ローラに対して高
圧電源７０から高電圧を出力するように高電圧印加回路
を選択的に切り換えるための電圧回路切換手段７１を介
して、（直流）高圧電源７０のプラス（＋）端子にそれ
ぞれ接続されている。

【００２５】また、各めくりベルト３３ａ，３３ｂは、
表面（外周面）が高抵抗層、裏面（内周面）が中抵抗層
からなる２層構造の無端ベルトで構成されている。駆動
ローラ３４は、支軸がアースされた金属ローラの外周
に、導電性ゴム層を被覆して構成されている。帯電ロー
ラ３６ａは、図３（ａ）に示すように、外周面が平坦な
金属等からなる導電性ローラを、絶縁層を介して、支軸
に固定して構成されている。

【００２６】図３（ｂ）に示す帯電ローラ３６ｂ、及
び、図３（ｃ）に示す帯電ローラ３６ｃは、外周面に周
期的な凹凸の形成された金属等からなる導電性ローラ
を、同じく、絶縁層を介して、支軸に固定して構成され
ている。また、本実施例における各帯電ローラ３６ｂ，
３６ｃは、外周面に形成された周期的な凹凸のピッチ
を、帯電ローラ３６ｂではピッチ３ｍｍ、帯電ローラ３
６ｃではピッチ６ｍｍの、それぞれ異なったピッチをな
すように構成されている。

【００２７】電圧回路切換手段７１は、例えばリレー等
で構成されており、電圧回路切換制御手段７２からの制
御信号を受けて、２本の帯電ローラ３６ｂ，３６ｃのう
ちの何れか一方の帯電ローラに対して、高圧電源７０か
ら高電圧を出力するように、高電圧印加回路を選択的に
切り換える働きをする。ここで、電圧回路切換制御手段
７２は、例えば、本発明によるブック原稿読み取り装置
が搭載された複写機やファクシミリ等の画像形成装置の
操作パネル上に配置されたボタン式のスイッチを使用
し、このスイッチを手動操作することによって、電圧回
路切換手段７１の制御信号を出力するように構成しても
よく、あるいは、ブック原稿読取装置本体内の温湿度を
検出する温湿度センサの出力信号を電圧回路切換手段７
１の制御信号として利用した自動式の構成であってもよ
い。

【００２８】図４において、原稿読取ユニット１５が図
１の右端側から左端側に向けて移動すると、この原稿読
取ユニット１５の移動方向と平行に配置されたラック５
６と、このラック５６に噛み合うように原稿読取ユニッ
ト１５に枢支されたアイドルギヤ５７と、駆動ローラ３
４の支軸に固定された駆動ギヤ５８とにより、めくりベ
ルト３３ａ，３３ｂが、原稿読取ユニット１５の移動速
度と同じ速度で、反時計方向に回転される。

【００２９】めくりベルト３３ａ，３３ｂが回転してい
る状態で、帯電ローラ３６ａと、２本の帯電ローラ３６
ｂ，３６ｃのうちの何れか一方の帯電ローラに、高圧電
源７０から高電圧が印加されると、このめくりベルト３
３ａ，３３ｂの表面に、プラス（＋）電荷とマイナス
（−）電荷とが交互に帯電された縞状の電荷パターンが
形成され、この電荷パターンの不平等電界によって、ブ
ック原稿１４の原稿頁を吸着させる吸着力が発生する。

【００３０】ここで、縞状の電荷パターンのプラス
（＋）電荷とマイナス（−）電荷とのピッチは、各帯電
ローラ３６ｂ，３６ｃの凹凸のピッチによって決定さ
れ、このピッチが大きいと、電荷パターンの原稿頁の吸
着力が大きくなり、このピッチが小さいと、電荷パター
ンの原稿頁の吸着力が小さくなる傾向を有している。そ
こで、本発明のブック原稿読取装置では、上述のような
帯電ローラ３６ａ，３６ｂの特性を利用して、例えば、
ブック原稿１４の原稿頁の紙厚が厚い場合や使用環境が
高湿度の場合には、ピッチが大きく原稿頁吸着力の大き
な帯電ローラ３６ｃを使用し、ブック原稿１４の原稿頁
の紙厚が薄い場合や使用環境が低湿度の場合には、ピッ
チが小さく原稿頁吸着力の小さな帯電ローラ３６ｂを使
用するように、高電圧印加回路を選択的に切り換えるた
めの電圧回路切換手段７１と、この電圧回路切換手段７
１を手動で制御して高電圧印加回路を選択的に切り換え
るための電圧回路切換制御手段７２とを介して、２本の
帯電ローラ３６ｂ，３６ｃのうちの何れか一方の帯電ロ
ーラに対して高圧電源７０から高電圧を出力する。

【００３１】このように、本発明のブック原稿読取装置
では、ブック原稿１４の原稿頁の紙厚の厚薄や使用環境
温湿度の高低などに応じて、めくりベルト３３ａ，３３
ｂに形成される電荷パターンの原稿頁吸着力を選択的に
可変できるので、頁めくり可能なブック原稿の種類や使
用環境を拡大させることができる。

【００３２】このようにして適切な電荷パターンがめく
りベルト３３ａ，３３ｂに形成され、原稿読取ユニット
１５が更に移動して、ブック原稿１４の右頁端部がめく
りベルト３３ａ，３３ｂの下側にかかることによって、
めくりベルト３３ａ，３３ｂに原稿頁端部が吸着され
る。以下、図５において述べたように、めくりベルト３
３ａ，３３ｂが傾斜して、吸着された原稿頁が持ち上げ
られて、頁めくりローラ６により、他の頁から分離さ
れ、原稿読取ユニット１５の移動により排出搬送された
後、ブック原稿１４の左頁側へめくり込まれる。

【００３３】

【発明の効果】本発明のブック原稿読取装置によれば、
ブック原稿の原稿頁の紙厚の厚薄や使用環境温湿度の高
低などに応じて、めくりベルトに形成される電荷パター
ンの原稿頁吸着力を可変できるので、頁めくり可能なブ
ック原稿の種類や使用環境を拡大させることができる。
また、本発明によれば、ピッチの異なる２本の周期的な
凹凸を外周に形成した帯電ローラを、手動により選択す
ることができるので、原稿の種類や使用環境に適したピ
ッチの帯電ローラを使用することができ、頁めくり動作
の信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したページめくり機能を備えたブ
ック原稿読取装置の全体構成図である。

【図２】本発明のブック原稿読取装置の原稿読取ユニッ
トの内部に設けられた原稿読取手段と頁めくり手段の構
成を示す概略断面図である。

【図３】本発明のブック原稿読取装置の原稿読取ユニッ
トの内部に設けられた頁めくり手段のめくりベルトに電
荷パターンを形成するための帯電ローラの概略断面図で
ある。

【図４】本発明のブック原稿読取装置の原稿読取ユニッ
トの内部に設けられた頁めくり手段の概略斜視図であ
る。

【図５】従来のブック原稿読取装置における頁めくり手
段のめくりベルトに電荷パターンを形成する動作を示す
概略斜視図である。

【図６】従来のブック原稿読取装置における頁めくり手
段の頁めくり動作を示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１３ 原稿台 １３ａ，１３ｂ 昇降台 １４ ブック原稿 １５ 原稿読取ユニット １７ 原稿読取手段 １８ 頁めくり手段 ２２ 駆動モータ ３３ａ，３３ｂ めくりベルト ３４ 駆動ローラ ３５ 従動ローラ ３６ａ，３６ｂ，３６ｃ 帯電ローラ ３７，３８ 押えシート ７０ 高圧電源 ７１ 電圧回路切換手段 ７２ 電圧回路切換制御手段

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】見開かれて載置されたブック原稿の原稿面
   に接触して往復移動することにより、原稿の頁めくりを
   行うユニットを有するブック原稿の頁めくり装置におい
   て、上記ユニット内に設けられた駆動ローラ及び従動ロ
   ーラと、該駆動ローラ及び従動ローラに巻回され該ブッ
   ク原稿上面に位置する原稿頁を吸着して該原稿頁を頁め
   くり方向に向かって搬送するめくりベルトと、上記駆動
   ローラを支点として上記従動ローラを移動させて該原稿
   頁を吸着する水平位置から該原稿頁を持ち上げる傾斜位
   置に該めくりベルトの原稿頁吸着面を移動させるベルト
   移動手段と、該めくりベルトの外周に圧接するように配
   置された平坦な外周面を有する帯電ローラと、ピッチの
   異なる周期的な凹凸の形成された外周面を有する少なく
   とも２本の帯電ローラと、上記の各帯電ローラに高電圧
   を印加するための高圧電源とを有し、上記のピッチの異
   なる周期的な凹凸の形成された外周面を有する少なくと
   も２本の帯電ローラのうち、何れか一方の帯電ローラに
   対して上記高圧電源から高電圧を出力するように、高電
   圧印加回路を選択的に切り換えるための電圧回路切換手
   段を具備することを特徴とするブック原稿の頁めくり装
   置。
2. 【請求項２】上記電圧回路切換手段を手動で制御して、
   上記高電圧印加回路を選択的に切り換えるための電圧回
   路切換制御手段を具備することを特徴とする請求項１記
   載のブック原稿の頁めくり装置。