JP3302204B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
り、特に光導電膜積層型の固体撮像装置に関する。
Vision)用の固体撮像装置として、従来の固体撮像素子
を信号電荷の蓄積及び転送部(固体撮像素子チップ)と
して用い、その上に光導電膜を積層した光導電膜積層型
の固体撮像装置(PSID)が開発されている。このP
SIDは、従来装置と比較して高感度かつ低スミアとい
う特長を有している。
介して光電変換層を積層した構造であるが、上記の特長
を実現するためには、固体撮像素子チップ表面と光電変
換層との付着強度を高い値に維持する必要がある。この
付着強度が低ければ、その製造工程において光電変換層
の内部応力により光電変換層の一部が固体撮像素子チッ
プから剥離し、チップ表面に再付着し画像欠陥の原因と
なり、製造歩留まりを著しく低下させる。さらに、その
剥離が撮像面に及べば、素子の製造が不可能となってし
まう。
電変換層及びキャリア注入阻止層内部における光生成キ
ャリアの捕獲、熱放出に起因する残像現象の抑制が重要
な課題である。そのためには、光電変換層及びキャリア
注入阻止層内部の裾準位密度を低減することが必要であ
る。
素化非晶質シリコン膜において裾準位密度を低減するた
めには、該水素化非晶質シリコン膜中のシリコン原子と
水素原子の結合状態を変化させ、1個のシリコン原子に
対して2個の水素原子が結合している結合状態(Si−
H2 結合)を低減することが必要である。
膜中の結合状態を改善すると、裾準位密度が低減される
と同時に、該水素化非晶質シリコン膜の内部応力の増加
を招く。従って、前述の固体撮像素子チップ表面と光電
変換層との付着強度が低ければ、光電変換層の剥離を防
止するために水素化非晶質シリコン膜の裾準位密度低減
が制限されてしまい、十分に残像現象を抑制できない。
換層との間に配置されるキャリア注入阻止層において、
光電変換層と同様に裾準位密度を低減することで残像現
象を抑制することが可能である。例えば、キャリア注入
阻止層として水素化非晶質シリコンカーバイド膜を使用
する場合には、膜中のシリコン原子に対する炭素原子の
比を低減することで裾準位密度を低減し、残像現象を抑
制できる。
膜のシリコン原子に対する炭素原子の比を低減させる
と、裾準位密度を低減すると同時に水素化非晶質シリコ
ンカーバイド膜のバンドギャップを低減してしまう。こ
のとき、キャリア注入阻止層として、導電型を変調する
ための不純物ドーピングを行わない、いわゆるi型(イ
ントリンシック)水素化非晶質シリコンカーバイド膜を
使用する場合には、固体撮像素子チップの画素電極から
のキャリア注入阻止能力は、キャリア注入阻止層のバン
ドギャップに強く依存するので、キャリア注入阻止能力
が低下し暗電流の増加が発生してしまう。即ち、残像現
象の抑制と暗電流の抑制がトレードオフの関係にあり、
十分な残像現象の抑制ができない。
現象を抑制するために光電変換層の裾準位密度を低減す
ると、内部応力の増大を招き、膜剥がれを生じる。ま
た、残像現象の抑制のためにキャリア注入阻止層の裾準
位密度を低減すると、バンドギャップが低減しキャリア
注入阻止能力が低下し、暗電流の増加を招く。
ので、その目的とするところは、膜剥がれや暗電流の増
加を招くことなく、残像現象を十分に抑制できる光導電
膜積層型の固体撮像装置を提供することにある。
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち本発
明は、半導体基板に信号電荷蓄積部,信号電荷読出し部
及び信号電荷転送部を設け、且つ最上層に信号電荷蓄積
部と電気的に接続された画素電極を設けた固体撮像素子
チップと、この固体撮像素子チップ上に形成された光導
電膜と、この光導電膜上に形成された透明電極とを備え
た光導電膜積層型の固体撮像装置において、光導電膜は
固体撮像素子チップ上に少なくともキャリア注入阻止層
と光電変換層とを積層してなり、キャリア注入阻止層は
水素化非晶質シリコンカーバイド膜により構成され、且
つ該膜中のシリコン原子と炭素原子及び水素原子の結合
状態においてシリコン−メチル基結合よりもシリコン−
炭素結合の割合が高いことを特徴とする。
は、次のものがあげられる。 (1) 光導電膜は、固体撮像素子チップ上に正孔注入阻止
層を介して光電変換層を積層したものであること。 (2) 光導電膜は、固体撮像素子チップ上に正孔注入阻止
層,光電変換層及び電子注入阻止層を順に積層したもの
であること。 (3) 正孔注入阻止層におけるシリコン原子と炭素原子及
び水素原子との結合状態が、赤外光吸収特性において、
シリコン−メチル基結合(Si−CH3 結合)の吸収を
示す赤外光波数780cm-1近傍での赤外光吸収量より
も、シリコン−炭素結合(Si−C結合)の吸収を示す
赤外光波数760cm-1近傍での赤外光吸収量が高いこ
と。 (4) 光電変換層は水素化非晶質シリコン膜からなり、該
シリコン膜の内部応力が5×109 dyne/cm2 以上であ
ること。 (5) 正孔注入阻止層は、導電型変調のための不純物ドー
ピングを行わないイントリンシック型であること。 (6) 正孔注入阻止層と光電変換層との間に、少なくとも
1層の緩衝層が形成されていること。 (7) 緩衝層は、正孔注入阻止層の組成から光電変換層の
組成へと連続的に変化するものであること。
換層の間に配置されるキャリア注入阻止層である水素化
非晶質シリコンカーバイド膜内部の結合状態として、シ
リコン原子−炭素原子結合(Si−C結合)が多数あ
り、逆にシリコン原子−メチル基結合(Si−CH3 結
合)が少ない。このため、Si−CH3 結合の周囲にお
いて発生するシリコンカーバイド膜中の結合ネットワー
クの乱れ(例えば、結合角の変動やシリコン原子−水素
原子結合(Si−H2 結合)の局所的増加)を十分に抑
制できる。従って、水素化非晶質シリコンカーバイド膜
中の裾準位密度が低減されるので、該水素化非晶質シリ
コンカーバイド膜の裾準位より発生する残像現象を十分
に抑制可能となる。
水素化非晶質シリコン膜を使用する場合の重要課題であ
る、固体撮像素子チップと光電変換層との密着性が大幅
に向上することが、実験によって明らかになった。即
ち、固体撮像素子チップと光電変換層との間に配置され
るキャリア注入阻止層として水素化非晶質シリコンカー
バイド膜を使用し、該水素化非晶質シリコンカーバイド
膜内部のシリコン原子と炭素原子及び水素原子の結合状
態を制御し、Si−C結合がSi−CH3 結合と比較し
て多数ある状態にすることで、固体撮像素子チップと光
電変換層との密着性は著しく向上する。そして、固体撮
像装置の製造上の課題である光電変換層の剥離は完全に
防止できるので、素子の製造歩留まりは大幅に向上す
る。
原子の結合状態の制御により固体撮像素子チップと光電
変換層との密着性が向上する理由は次のように推察され
る。即ち、密着性を向上するためには、キャリア注入阻
止層としての水素化非晶質シリコンカーバイド膜の機械
的強度を高めるために、膜中のマイクロボイドの発生を
抑制することが必要である。このマイクロボイドはSi
−CH3 結合の周囲に発生することから、Si−CH3
という結合状態を低減することが重要となる。従って本
発明のように、Si−C結合がSi−CH3 結合と比較
して多数ある状態にすることは、Si−CH3 結合を減
らすことになり、これにより密着性が向上すると考えら
れる。
るために光電変換層である水素化非晶質シリコン膜の内
部応力を抑制する必要があり、固体撮像素子の残像現象
を抑制するために水素化非晶質シリコン膜中のシリコン
原子と水素原子の結合状態を変化させ1個のシリコン原
子に対して2個の水素原子が結合している結合状態を低
減することが必ずしも十分には行えなかった。これに対
し本発明では、固体撮像素子チップと光電変換層との密
着性が大幅に向上するので、上記水素化非晶質シリコン
膜の内部応力が5×109 dyne/cm2 以上もの高い場合
でも、上記の剥離現象の発生を抑制できる。従って、上
記水素化非晶質シリコン膜中の結合状態の制御が十分に
行えるので、素子の残像現象を大幅に抑制できる。
止層と光電変換層との間に少なくとも1層の緩衝層を設
けることで、該2層間の界面に形成される準位である、
いわゆる界面準位の密度が低減されている。即ち、水素
化非晶質シリコンカーバイド膜からなるキャリア注入阻
止層と水素化非晶質シリコン膜からなる光電変換層が直
接接触する場合には、両層の構成材料が異なり、両層の
構成材料の原子間距離が異なることに起因した場合のミ
スマッチが発生し、このミスマッチにより両層の界面及
び界面近傍にいわゆる界面準位が形成される。しかし、
本発明のように、両層間に少なくとも1層の緩衝層を設
けることで、上記の界面準位の形成は抑制され、界面準
位に起因する残像現象は十分に抑制される。
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係わる固
体撮像装置の1画素構成を示す断面図である。
素子分離層11,n+ 型CCD埋込みチャネル(信号電
荷転送部)12,n++型蓄積ダイオード(信号電荷蓄積
部)13が形成されている。基板10上には転送ゲート
15a,15bが形成されており、転送ゲート15aの
一部は蓄積ダイオード13からCCD埋込みチャネル1
2へ信号電荷を読出すための信号電荷読出し部として機
能するものとなっている。基板10及び転送ゲート15
a,15b上には第1の絶縁膜16が形成されており、
その上に蓄積ダイオード13に接続された引出し電極1
7が形成されている。そして、第2の絶縁膜18が形成
され、その上に引出し電極17に接続された画素電極2
0が形成されている。
成され、このチップ上に後述する光導電膜21が堆積さ
れている。そして、光導電膜21上に、反応性スパッタ
リング法等により膜厚35nmのITO(Indium Tin O
xide)からなる透明電極22が形成されている。
が、実際には図1の構成が画素数分だけ配列されてい
る。具体的には、蓄積ダイオード13がマトリックス状
に配列され、CCD埋込みチャネル12からなる垂直C
CDは蓄積ダイオード13間に縦列方向に複数本配列さ
れている。そして、垂直CCDを転送された信号電荷
は、図示しない横列方向に配置された水平CCDに読出
されて転送された後、図示しない出力アンプを介して外
部に出力されるものとなっている。
ンカーバイド膜からなる正孔注入阻止層21a,i型水
素化非晶質シリコン膜からなる光電変換層21b,p型
水素化非晶質シリコンカーバイド膜からなる電子注入阻
止層21cの3層を上記順に積層してなる。これらの層
は、13.56MHzのいわゆるRF放電を用いたプラ
ズマCVD法により成膜しており、その成膜条件として
基板温度230℃、RF電力30W、ガス圧力0.5To
rrを使用している。
るためのi型水素化非晶質シリコンカーバイド膜21a
の形成においては、材料ガスとしてモノシランガス,メ
タンガス,水素ガスを、各々3SCCM,7SCCM,100SC
CMの流量にて反応室内に導入し膜厚20nmの層を形成
している。
ン膜21bの形成においては、シランガスと水素ガス
を、各々10SCCM,100SCCMの流量にて反応室内に導
入し膜厚2μmの層を形成している。
入を阻止するためのp型水素化非晶質シリコンカーバイ
ド膜21cの形成においては、シランガス,メタンガ
ス,水素ガス,ジボランガスを、各々3SCCM,7SCCM,
100SCCM,0.06SCCMの流量にて反応室内に導入し
膜厚20nmの層を形成している。
ンカーバイド膜21aの赤外光吸収特性を図2に示す。
図2において波数760cm-1の赤外光吸収はシリコン
原子−炭素原子結合(Si−C結合)による吸収であ
り、波数780cm-1の赤外光吸収はシリコン原子−メ
チル基結合(Si−CH3 結合)による吸収である。図
2から分かるように、本実施例におけるi型水素化非晶
質シリコンカーバイド膜21aではSi−C結合の吸収
がSi−CH3 結合の吸収よりも高い。
膜中の結合状態については、成膜時の材料ガスの流量
比、特にシランガスとメタンガスの合計流量に対する水
素ガスの流量を制御することで制御可能であり、水素ガ
スの相対的な流量を増加することでSi−C結合状態を
増加させることができる。或いは、水素ガスをヘリウム
ガスに置換して成膜しても同様に制御可能である。さら
に、反応室内部のガス圧力を低下することでもSi−C
結合状態を増加させることができる。また、反応室への
ガス導入速度(流量)を増加させることでも同様に制御
できる。
質シリコンカーバイド膜21aの結合状態を変化させた
ときに、図1に示す積層型固体撮像装置における光導電
膜21の剥離状況を調整するために行った実験の結果
は、下記の(表1)の通りである。
するか否かを、i型水素化非晶質シリコンカーバイド膜
21aの赤外光吸収特性におけるSi−C結合の吸収ピ
ーク高さのSi−CH3 結合の吸収ピーク高さに対する
比に対して評価した結果を示している。(表1)に示さ
れる通り、本発明によりi型水素化非晶質シリコンカー
バイド膜21aの結合状態としてSi−C結合状態の赤
外吸収が支配的となっている場合では、光導電膜21の
剥離は完全に防止されている。従って、光導電膜21の
剥離による素子製造上の歩留まり低下は完全に防止され
るので、素子製造歩留まりは大幅に向上し、素子製造コ
ストは低減される。
ド膜21aの裾準位密度について、光熱偏向分光法によ
り評価したところ、裾準位密度の指標であるアーバッハ
エネルギーは(表1)に併記したようにSi−C結合の
増加に伴い低下しており、素子の残像現象抑制が可能と
なる。その結果、上述の光導電膜21中の裾準位に起因
する残像現象の指標である光照射停止後50msec にお
ける残像電流値の定常光電流に対する比は0.4%(定
常光電流=2.6×10-7A/cm2 )、光導電膜印加
電圧=6V)を得ている。
1の付着力が大幅に向上しているので、光電変換層であ
るi型水素化非晶質シリコン膜21bの内部応力の増加
に対する膜剥離耐性が向上している。このため、内部応
力の増加を伴うi型水素化非晶質シリコン膜21b内部
の結合状態改善が可能となり、i型水素化非晶質シリコ
ン膜21bの裾準位密度低減により、さらに素子の残像
現象を抑制することが可能である。
ついては、素子形成と同一条件によって単結晶シリコン
基板上に水素化非晶質シリコン膜を適当な膜厚、例えば
1μm程度形成し、水素化非晶質シリコン膜の形成前後
の単結晶シリコン基板の「反り」の変化により評価した
ものであり、以下、特に説明のない場合の膜の内部応力
も同様に評価したものである(例えば、薄膜ハンドブッ
ク,オーム社,p334,1983)。
力と残像及び膜剥がれとの関係を示す。本実施例で示し
た水素化非晶質シリコン膜21bの内部応力は7×10
9 dyne/cm2 という高ストレス膜であるが、i型非晶質
シリコンカーバイド膜21aよる付着量向上効果により
膜剥離現象は全く発生していない。
におけるSi−C結合の吸収ピーク高さのSi−CH3
結合の吸収ピークの比が0.6程度のi型非晶質シリコ
ンカーバイド膜を使用した場合には、i型水素化非晶質
シリコン膜21bの内部応力が5×109 dyne/cm2 以
上の領域では膜剥離現象が発生してしまい、i型水素化
非晶質シリコン膜中の結合状態改善による残像現象の抑
制を十分に行えなかった。
止層としての水素化非晶質シリコンカーバイド膜21a
の内部の結合状態として、Si−C結合が多くSi−C
H3結合が少なくなるようにしているため、Si−CH3
結合の周囲において発生するシリコンカーバイド膜2
1a中の結合ネットワークの乱れを十分に抑制できる。
このため、シリコンカーバイド膜21a中の裾準位密度
を低減することができ、シリコンカーバイド膜21aの
裾準位より発生する残像現象を十分に抑制可能となる。
ーバイド膜21aのシリコン原子に対する炭素原子の比
を低減させるのではないため、シリコンカーバイド膜2
1aのバンドギャップが低下し、キャリア注入阻止能力
が低下することもない。従って、暗電流の増加が発生す
る等の不都合もない。
膜21の密着性が向上して膜剥がれが防止されるため、
水素化非晶質シリコン膜21bの内部応力に制限される
ことなく、該膜21bを裾準位密度が低い状態に形成す
ることができる。このため、膜剥がれを招くことなく、
シリコン膜21の裾準位に起因する残像現象を抑制する
ことができる。 (実施例2)図4は、本発明の第2の実施例に係わる積
層型固体撮像装置の1画素構成を示す断面図である。な
お、図1と同一部分には同一符号を付して、その詳しい
説明は省略する。
が、本実施例では第1の実施例とは光導電膜21の構成
が異なっている。即ち、画素電極20からのキャリア注
入を阻止するためのi型水素化非晶質シリコンカーバイ
ド膜21aと、光電変換層であるi型水素化非晶質シリ
コン膜21bとの間に緩衝層21dが挿入された構造と
なっている。この緩衝層21d以外の構造については、
第1の実施例と全く同様である。
えども短距離秩序は存在しており、水素化非晶質シリコ
ンカーバイド膜21aと水素化非晶質シリコン膜21b
とはミクロな結合状態は異なっている。具体的には、シ
リコン−シリコンの結合長とシリコン−炭素の結合長は
異なっている。従って、シリコンカーバイド膜21aと
シリコン膜21bの界面においては両層の結合長の差異
に起因する未結合手、即ちダングリングボンドが形成さ
れ、これが界面準位となり積層型固体撮像装置の残像特
性を劣化させる。そこで本実施例では、これらの間に緩
衝層21dを挿入し、i型水素化非晶質シリコンカーバ
イド膜21aとi型水素化非晶質シリコン膜21bの界
面におけるミクロ構造の不整合に起因する界面準位の形
成を抑制している。
る。光導電膜21の成膜には第1の実施例と同様にプラ
ズマCVD法を用い、その成膜条件は第1の実施例と同
様とした。まず、第1の実施例と同様にして、i型水素
化非晶質シリコンカーバイド膜21aを形成する。
スの構成を時間と共に変化させることで緩衝層21dを
形成する。例えば図5に示すように、モノシランガス流
量を3SCCMから10SCCMに時間と共に増加させる。それ
と共にメタンガス流量を7SCCMから0SCCMに時間と共に
低減させる。その結果として、i型非晶質シリコンカー
バイド層21aとの接触面においてはi型非晶質シリコ
ンカーバイド膜21aと全く同一の構造であり、i型非
晶質シリコン膜21bとの接触面においてはi型非晶質
シリコン膜21bと同一の構造であり、さらにその内部
ではミクロな構造が連続的に変化しているような緩衝層
21dが形成される。
在により、前述の界面準位の形成を抑制することが可能
となり、積層型固体撮像装置の残像特性の劣化を抑制す
ることができる。
の形成条件を、最終的に光電変換層であるi型水素化非
晶質シリコン膜21bの形成条件と一致するように形成
すれば、緩衝層21dと光電変換層21bを連続的に形
成することも可能となり、緩衝層21dと光電変換層2
1bとの界面が形成されないことから、より望ましい。
さらに、i型シリコンカーバイド膜21aと緩衝層21
dも連続的に形成することが、同様の理由でより望まし
い。
ら適当な膜厚が必要であり、シリコン−シリコン結合長
が0.235nmであることから、その5倍程度の1n
m以上の膜厚を有することが望ましい。一方、緩衝層2
1dは光電変換層21bと比較して、その内部にシリコ
ン−炭素結合を有するために、本質的に裾準位が相対的
に多い。このため、緩衝層21dの膜厚が大きすぎれば
残像特性を劣化させてしまう。従って、緩衝層21dの
膜厚はi型非晶質シリコンカーバイド膜21aの膜厚と
同等か、それ以下であることが望ましい。
れるものではない。実施例では光導電膜21が3層構造
である場合を示しているが、光電変換層と固体撮像素子
チップとの間のみにキャリア注入層を形成した2層積層
構造の光導電膜であってもよいし、4層以上の積層構造
の光導電膜であってもよい。要は、少なくとも固体撮像
素子チップに接するキャリア流入阻止層として前述の水
素化非晶質シリコンカーバイド膜が存在すれば同様な効
果を得ることができる。
形成方法としてRFプラズマCVD法を使用したが、D
CプラズマCVD法、VHFプラズマCVD法、ECR
法、マイクロ波プラズマCVD法、光CVD法、その他
の方法においても同様の効果を得ることができる。そし
て、本実施例においては水素化非晶質シリコンカーバイ
ド膜を形成するための材料ガスとして、シリコン系ガス
としてシランガスを、カーボン系ガスとしてメタンガス
を各々使用しているが、その他のジシラン,トリシラン
等のシリコン系ガスや、エチレン,アセチレン等のカー
ボン系ガスを必要に応じて選択しても良く、同様の効果
を得ることができる。
のキャリア注入阻止層としてi型水素化非晶質シリコン
カーバイド膜を用いたが、隣接画素電極間の電気的に分
離が可能であればn型水素化非晶質シリコンカーバイド
膜を用いてもよく、同様の効果を得ることができる。
のための半導体基板としてインターライン転送方式CC
D基板を使用しているが、フレームインターライン転送
方式CCD基板等のCCD基板を初めとする、信号電荷
転送、読出しの機能を有する基板であれば同様の効果を
得ることができる。
荷を直接転送し、読出す構造を示したが、光電変換され
た信号電荷を利用して、半導体基板内部の状態を変調す
る構成の素子においても同様の効果を得ることが可能で
ある。
ーバイド膜中におけるSi−CH3結合とSi−C結合
の割合を確認するために、赤外光吸収特性において、S
i−CH3 結合の吸収を示す赤外光波数780cm-1近
傍での赤外光吸収量と、Si−C結合の吸収を示す赤外
光波数760cm-1近傍での赤外光吸収量とを測定した
が、これに限らず両者の割合を測定できるものであれば
よい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々
変形して実施することができる。
ャリア注入阻止層の改良により、キャリア阻止能力を低
下させることなく該層に起因する残像現象を抑制するこ
とができ、しかも固体撮像素子チップと光電変換層の密
着性を十分高めることができ、光電変換層の応力が大き
くなっても膜剥がれを防止できる。従って、膜剥がれや
暗電流の増加を招くことなく、残像現象を十分に抑制で
きる光導電膜積層型の固体撮像装置を実現することが可
能となる。
画素構成を示す断面図。
ーバイド膜の赤外光吸収特性を示す図。
膜剥がれとの関係を示す図。
画素構成を示す断面図。
するための図。
Claims (5)
- 【請求項1】半導体基板に信号電荷蓄積部,信号電荷読
出し部及び信号電荷転送部を設け、且つ最上層に信号電
荷蓄積部と電気的に接続された画素電極を設けた固体撮
像素子チップと、この固体撮像素子チップ上に形成され
た光導電膜と、この光導電膜上に形成された透明電極と
を備えた光導電膜積層型の固体撮像装置において、 前記光導電膜は前記固体撮像素子チップ上に少なくとも
キャリア注入阻止層と光電変換層とを積層して構成さ
れ、前記キャリア注入阻止層は水素化非晶質シリコンカ
ーバイド膜により構成され、且つ該膜中のシリコン原子
と炭素原子及び水素原子の結合状態においてシリコン−
メチル基結合よりもシリコン−炭素結合の割合が高いこ
とを特徴とする固体撮像装置。 - 【請求項2】前記キャリア注入阻止層におけるシリコン
原子と炭素原子及び水素原子の結合状態が、赤外光吸収
特性において、シリコン−メチル基結合の吸収を示す赤
外光波数780cm-1近傍での赤外光吸収量よりも、シ
リコン−炭素結合の吸収を示す赤外光波数760cm-1
近傍での赤外光吸収量が高いことを特徴とする請求項1
記載の固体撮像装置。 - 【請求項3】前記光電変換層は水素化非晶質シリコン膜
からなり、該膜の内部応力が5×109 dyne/cm2 以上
であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。 - 【請求項4】前記キャリア注入阻止層は、導電型変調の
ための不純物ドーピングを行わないイントリンシック型
であることを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。 - 【請求項5】前記キャリア注入阻止層と光電変換層との
間に、少なくとも1層の緩衝層が形成されていることを
特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28989394A JP3302204B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | 固体撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28989394A JP3302204B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | 固体撮像装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08148667A JPH08148667A (ja) | 1996-06-07 |
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