JP3301739B2 - ケーソン式海洋構造物 - Google Patents

ケーソン式海洋構造物

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JP3301739B2
JP3301739B2 JP21500199A JP21500199A JP3301739B2 JP 3301739 B2 JP3301739 B2 JP 3301739B2 JP 21500199 A JP21500199 A JP 21500199A JP 21500199 A JP21500199 A JP 21500199A JP 3301739 B2 JP3301739 B2 JP 3301739B2
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茂範 藤原
順次 平岡
茂男 松蔭
雅之 野口
康博 小田
恭平 山田
泰啓 一瀬
達也 国西
邦彦 滝本
良寛 西嶋
久夫 今藤
望 篠原
久士 宮本
浩之 井上
達也 永谷
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Chugoku Electric Power Co Inc
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Kajima Corp
Chugoku Electric Power Co Inc
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として、海域部
の埋立地等に重要な産業施設(発電所など)を設置する
場合に適用される護岸や防波堤などのケーソン式海洋構
造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、海域部の埋立地に護岸と近接し
て原子力発電所の重要施設を設置する場合、護岸には、
止水性(発電所建設工事中に締め切りを兼ねるための
遮水性確保)、耐波性(発電所建設工事中および運転
開始後の耐波浪性の確保)、耐震性(発電所運転開始
後の耐震性の確保)が要求される。このような要求性能
を満たす構造形式として、従来、次に示すような設置ケ
ーソン根入れタイプがある。
【0003】この設置ケーソン根入れタイプは、図9に
示すように、ケーソン51を設置する位置の岩盤Aを掘
削して凹部52を形成し、この凹部52内に均し(下
部)コンクリート53を打設し、その上にアスファルト
マット54を介してケーソン51を設置する構造であ
る。ケーソン51内には中詰砂55が充填され、ケーソ
ン51の上部には、蓋コンクリート56および上部工5
7が打設される。上部工57の海側にはパラペット58
が一体的に立設され、ケーソン51の海側には消波工5
9が段積みされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
設置ケーソン根入れタイプの場合、施工ステップが単純
で施工性が良いという利点があるものの、水深が深い
場合、ケーソンの高さが高くなりケーソンが大型化す
る、ケーソン底面のアスファルトマットと均しコンク
リートの接触面との境界面、均しコンクリートと岩盤と
の境界面における滑り抵抗のうちの小さい値をもって抵
抗値とする構造のため、十分な滑動抵抗を得るために
は、ケーソン重量を増すためにケーソン幅を大きくする
必要があり、ケーソンが大型化する、アスファルトマ
ットで止水が行われるため、通常の護岸であれば問題は
ないが、護岸の背面をドライアップして発電所等の建設
工事を行うような高止水性を要求される場合には、止水
処理に懸念が残る、などの問題点がある。
【0005】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、その目的は、比較的小型のケーソン
で十分な滑動抵抗および止水性が得られるケーソン式海
洋構造物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のケーソン式海洋
構造物は、ケーソン設置箇所の海側と背面側に設置した
型枠間にコンクリートを打設することによりケーソン設
置位置における地盤(岩盤など)上に打設される下部コ
ンクリートと、この下部コンクリート上に設置されるケ
ーソンと、前記型枠とケーソンの間に嵩上げコンクリー
トを打設することにより前記下部コンクリートから一体
的に立ち上がりケーソンの滑動を阻止するせん断キーコ
ンクリートを有することを特徴とする(請求項1)。
【0007】より具体的には、ケーソン設置箇所の海側
と背面側に設置した型枠間にコンクリートを打設するこ
とによりケーソン設置位置における地盤上に打設される
下部コンクリートと、この下部コンクリート上に設置さ
れるケーソンと、前記型枠とケーソンの間に嵩上げコン
クリートを打設することによりケーソンの海側(前面)
および背面側において前記下部コンクリートから一体的
に立ち上がりケーソンの滑動を阻止するせん断キーコン
クリート(嵩上げコンクリート)を有することを特徴と
するケーソン式海洋構造物である(請求項2)。
【0008】あるいは、ケーソン設置箇所の海側と背面
側に設置した型枠間にコンクリートを打設することによ
ケーソン設置位置における地盤上に打設される下部コ
ンクリートと、この下部コンクリート上に設置される
底部に凹部を有するケーソンと、前記下部コンクリート
の打設時にコンクリートブロックの下部を埋設すること
により、ケーソンの幅方向中央部において前記下部コン
クリートから一体的に突出して上部がケーソン底部の前
記凹部に嵌合しケーソンの滑動を阻止するせん断キーコ
ンクリート(コンクリートブロック)を有することを特
徴とするケーソン式海洋構造物である(請求項3)。
【0009】また、本発明は、ケーソンの背面側をドラ
イアップして所定の工事を行う止水性が要求される護岸
または防波堤に適用して特に有効であり、請求項1、2
または3に記載のケーソン、下部コンクリート、せん断
キーコンクリートと、ケーソン妻部のコンクリートによ
り一連の壁を構築することにより高い止水性を持たせる
(請求項4)。必要に応じて、護岸の場合には、ケーソ
ンの前面に消波工を設置し、防波堤の場合には、ケーソ
ンの前面および後面に消波工を設置する。
【0010】せん断キーコンクリートは、無筋コンクリ
ート、鉄筋で補強したコンクリート、鋼材フレームで補
強したコンクリート、あるいは鋼材および鉄筋で補強し
たコンクリート等とすることができる。
【0011】以上のような構成において、ケーソン前後
あるいはケーソンの底部中央で下部コンクリートから一
体的に突出するせん断キーコンクリートがせん断キーと
して働き、ケーソンに作用する荷重は、せん断キーコン
クリートと下部コンクリートを介して岩盤に伝達され、
前記荷重に対して抵抗するため、十分な滑動抵抗が得ら
れ、従来の根入れタイプと比較してケーソンサイズを小
さくすることができる。
【0012】また、ケーソンの下部が下部コンクリート
と前後のせん断キーコンクリートで囲まれるため、ある
いはケーソンの底部中央に下部コンクリートと一体のせ
ん断キーコンクリートが嵌合するため、十分な止水性が
得られる。十分な止水性が得られることから、ケーソン
の背面をドライアップして所定の建設工事を行う護岸や
防波堤に適用して極めて有効である。
【0013】なお、ケーソンの前後にせん断キーコンク
リートを設置するタイプでは、下部コンクリートの上に
ケーソンを設置した後、嵩上げコンクリートを打設すれ
ばよいため、施工工程が単純となると共に、ケーソンの
設置も容易となり、施工性が大幅に向上し、また、ケー
ソン自体も通常のケーソンを使用できるため、ケーソン
製作も改善される利点がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態に基づいて説明する。この実施形態は、ケーソン式護
岸の背面をドライアップして発電所等を設置する場合に
適用した例である。図1、図2は本発明のケーソン前後
にせん断キーコンクリートを設けた第1のケーソン式護
岸の例を示したものである。図3は第1のケーソン式護
岸の下部コンクリートの打設方法の1例を示したもので
ある。図4、図5は第1のケーソン式護岸のせん断キー
コンクリートの打設方法を示したものである。図6、図
7は第1のケーソン式護岸の施工方法を順に示したもの
である。図8は本発明のケーソンの底部中央にせん断キ
ーコンクリートを設けた第2のケーソン式護岸の例を示
したものである。
【0015】図1、図2において、第1のケーソン式護
岸は、主として、背面側に設置されるケーソン1と、海
側に設置される消波工2と、ケーソン1が設置される下
部コンクリート3と、ケーソン1の蓋コンクリート4お
よび上部工5から構成され、ケーソン1の前面(海側)
および背面に下部コンクリート3から所定高さで立ち上
がり無筋または鉄筋9等により補強されたせん断キーコ
ンクリート(嵩上げコンクリート)7、8をそれぞれ下
部コンクリート3と一体的に打設し、この前面および背
面のせん断キーコンクリート7、8をケーソン1の滑動
を阻止するせん断キーとして用いる。
【0016】下部コンクリート3およびせん断キーコン
クリート7、8は、図3に示すように、鋼管杭10と鋼
製型枠11を用いて打設する。即ち、ケーソン1が設置
される箇所の岩盤Aを所定の幅にわたって掘削し、海上
作業台上の杭打機を使用して型枠支持用の鋼管杭10を
打設する。この鋼管杭10は掘削部分12の海側および
背面側に所定のピッチで打設していく。
【0017】次に、隣合う鋼管杭10、10の間に鋼製
型枠11をセットしていく。セットに際しては、大型ク
レーンにより鋼製型枠11を吊り下げ、ヤットコ杭等の
ガイド金物を用いて案内し、鋼管杭10の支持金物に支
持させる。なお、地盤の傾斜・不陸により型枠と岩盤の
間に空隙の生じる場所は型枠の外面にフィルターユニッ
ト13を積み上げて固定し、水中コンクリートの流失を
防止する。
【0018】下部コンクリート3およびせん断キーコン
クリート7、8は、水中不分離性コンクリートを使用
し、型枠内に所定の高さまで1次コンクリートを打設し
て下部コンクリート3を形成し、この下部コンクリート
3上に設置固定したケーソン設置架台14(図3参照)
の上にケーソン1を正確に設置し、次いで、ケーソン1
の前面および背面に2次コンクリートを打設して鉄筋9
等で補強され下部コンクリート3から一体的に突出する
せん断キーコンクリート7、8を形成する(図4参
照)。
【0019】ここで、鉄筋(籠)9は、図4に示すよう
に、ケーソン1の底面より下に配設されケーソン1の下
面にまで延在する側面視で偏平長方形状の基部鉄筋9a
と、側面視で四角形の鉄筋ブロックと斜め鉄筋を有し前
記基部鉄筋9aから一体的に立ち上がるせん断キー鉄筋
9bからなり、1次コンクリートと2次コンクリートの
打継ぎ目が鉄筋9の下に位置するようにし、また鉄筋9
を1次鉄筋ブロック(基部鉄筋)9aと2次鉄筋ブロッ
ク(せん断キー鉄筋)9bに分け、ケーソン1の設置を
容易とし、また接合面の目荒らしを可能とする。
【0020】即ち、図5に示すように、型枠内に1次
コンクリートをその上面がケーソン下1m程度に位置す
るように打設し、下部コンクリート3を形成し、止水板
(図示省略)を設置する、1次コンクリート硬化後、
1次コンクリートの上面を目荒らしし、その後、1次鉄
筋ブロック9aを設置し、ケーソン設置架台14の上
にケーソン1を設置し、後述する中詰工を行い、2次
鉄筋ブロック9bを1次鉄筋ブロック9aに組み付け、
またケーソン1の妻部に鉄筋籠とその型枠を設置し(図
示せず)、2次コンクリートを打設し、せん断キーコン
クリート7、8、妻部コンクート(図示せず)を形成す
る。なお、ケーソン1の下面における一対のケーソン設
置架台14、14間には、間詰めモルタル15を注入す
る。
【0021】以上のような図4の構成であれば、1次コ
ンクリートと2次コンクリートの打継ぎ目に目荒らしが
可能となることにより、1次コンクリートと2次コンク
リートを一体化することができ、ケーソン1に作用する
荷重に対してコンクリートと鉄筋9で抵抗することがで
きる。なお、ケーソン1とせん断キーコンクリート7、
8との間には、図4に示すように、支圧板16を介在さ
せる。
【0022】以上はせん断キーコンクリート7、8を鉄
筋9で補強する例を示したが、これに限定されることな
く、無筋コンクリート、鋼製フレームで補強したコンク
リート、鋼材と鉄筋により補強したコンクリート、杭で
補強したコンクリートなどでもよい。
【0023】ケーソンの製作・曳航・設置から中詰投入
・蓋コンクリート打設・上部コンクリートの打設の一連
の工事は従来の設置ケーソンと同様の方法で行なう。但
し、上部コンクリート打設前に隣接するケーソン間の妻
部に補強鉄筋を設置し、一対の側壁型枠と妻部の函体型
枠を用い、これら型枠内にコンクリートミキサー車やコ
ンクリートミキサー船でコンクリートを打設し、1ブロ
ックの打設が完了すると、前記型枠を次のブロックへ移
動させる工法で妻部および上部コンクリートの打設を行
い、隣接ケーソン間の一体化を図り、止水性を確保す
る。また、前記型枠には、水を注排水することで組立・
解体の容易な水荷重を利用した特殊型枠を利用すること
ができる。
【0024】また、上部工5には後退パラペット6を採
用し(図1参照)、越波量に対して護岸の天端を低くす
ることにより、消波工2のブロック量を低減している。
この後退パラペット6は、スライディング型枠で護岸長
手方向に連続して構築することができる。なお、これに
限定されることなく、その他のパラペット型式を採用で
きることはいうまでもない。
【0025】消波工2は消波ブロックを所定数段積みし
て構成され、必要に応じて、消波工2の海側に、基礎捨
石・フィルターユニット(洗屈防止工)・被覆ブロック
・消波ブロックからなる人工リーフを設けてもよい。こ
れら消波工2および人工リーフにより到達波および越波
量の低減を図る。
【0026】また、必要に応じて、図1、図2に示すよ
うに、砕岩棒の衝撃で緩んだ岩盤Aの透水性を下げ止水
性を向上させることを目的として地盤改良21、22を
施工する。
【0027】以上のような構成の第1のケーソン式護岸
を次に示す手順で施工する(図6、図7参照)。なお、
これはせん断キーコンクリートに補強鉄筋を配設する例
である。
【0028】(1) 図6(i) に示すように、岩盤Aのケー
ソン設置箇所を掘削する。この掘削は、砕岩棒や油圧ブ
レーカー等で行うことができる。 (2) 図6(ii)に示すように、掘削部分12の海側および
背面側にそれぞれ鋼管杭10を所定ピッチで打設してい
く。隣り合う鋼管杭10、10間に鋼製型枠11をセッ
トしていく。
【0029】(3) 図6(iii) に示すように、鋼製型枠間
に1次コンクリートを打設し、下部コンクリート3を形
成する。また、この下部コンクリート3の上面に止水板
(図示省略)を設置する。
【0030】(4) 図6(iv)に示すように、ケーソンヤー
ドで製作したケーソン1を順次ケーソン設置箇所まで曳
航する。 (5) 図6(v) に示すように、1次コンクリートすなわち
下部コンクリート3の上面の目荒らしを行い、次いで1
次鉄筋ブロック(基部鉄筋)9aを設置すると共に、下
部コンクリート3の上面にケーソン設置架台14を設置
し、レベル調整を行う。
【0031】(6) 図6(vi)に示すように、曳航してきた
ケーソン1を順次沈降させてケーソン設置架台14上に
設置する。 (7) 図6(vii) に示すように、ケーソン1の設置後、直
ちに各枡内に中詰材17を投入し、海側の枡内には中詰
めコンクリート18を打設する。中詰完了後、天端を整
形・転圧し蓋コンクリート4を打設する。
【0032】(8) 図6(viii)に示すように、1次鉄筋ブ
ロック9aに2次鉄筋ブロック(せん断キー鉄筋)9b
を組み付け、両者を一体化させる。ケーソン1の妻部に
も鉄筋籠を設置する。
【0033】(9) 図6(ix)に示すように、ケーソン1の
前面および背面における1次コンクリート(下部コンク
リート3)の上に2次コンクートを打設し、ケーソン1
の前面および背面にせん断キーコンクリート7、8を形
成する。ケーソン1の妻部も型枠を設置してコンクリー
トを打設する。
【0034】(10)図7(i) に示すように、ケーソン1の
前面および背面に下部コンクート3から一体的に立ち上
がり鉄筋で補強された前面せん断キーコンクート7およ
び背面せん断キーコンクリート8が構築される。
【0035】(11)図7(ii)に示すように、蓋コンクリー
ト4の上に上部工配筋を行いコンクリートを打設して上
部工5を構築する。 (12)図7(iii) に示すように、ケーソン1および上部工
5が護岸長手方向に連続して構築されると、図7(iv)に
示すように、ケーソン1および上部工5の前面に消波ブ
ロックを段積みして消波工2を構築する。
【0036】(13)図7(vi)、図7(vii) に示すように、
上部工5に後退パラペット6を施工し、ドライアップし
たケーソン1の後方において発電所等の建設工事を行
い、次いでケーソン1の背面に盛土・埋立を行う。
【0037】次に、図8のケーソンの中央部にせん断キ
ーコンクリートを設けた第2のケーソン式護岸の例で
は、岩盤Aの掘削部分12に鋼管杭10・鋼製型枠11
により下部1次コンクリート3を打設し、その上にコン
クリートブロックからなるせん断キーコンクリート30
を設置し、下部2次コンクリート3を打設することでせ
ん断キーコンクリート30の下部を埋設固定し、この上
にケーソン1を下部の凹部1aがせん断キーコンクリー
ト30に嵌め込まれるように設置する構造である。その
他の構成および施工方法は第1のケーソン式護岸と同様
である。なお、上部工5のパラペット6は海側に設置し
ている。
【0038】なお、以上はケーソン式護岸について説明
したが、これに限らず、ケーソン式の防波堤や海岸堤防
などにも本発明を適用することができる。また、本発明
は高い止水性が要求される護岸や防波堤などに適用して
特に有効であるが、通常の護岸や防波堤などにも本発明
を適用することができる。
【0039】
【発明の効果】前述の通り、本発明は、ケーソン設置位
置における地盤上に打設される下部コンクリートと、こ
の下部コンクリート上に設置されるケーソンと、下部コ
ンクリートから一体的に立ち上がりケーソンの滑動を阻
止するせん断キーコンクリートとからケーソン式海洋構
造物を構成するようにしたため、次のような効果を得る
ことができる。
【0040】(1) ケーソン前後あるいはケーソンの底部
中央で下部コンクリートから一体的に突出するせん断キ
ーコンクリートがせん断キーとして働き、ケーソンに作
用する荷重は、ケーソン前後あるいはケーソンの底部中
央のせん断キーコンクリートと下部コンクリートを介し
て岩盤に伝達され、前記荷重に対して抵抗するため、十
分な滑動抵抗が得られ、従来の根入れタイプと比較して
ケーソンサイズを小さくすることができ、経済的なケー
ソン式護岸を得ることができる。
【0041】(2) ケーソンの下部が下部コンクリートと
前後のせん断キーコンクリートで囲まれるため、あるい
はケーソンの底部中央に下部コンクリートと一体のせん
断キーコンクリートが嵌合するため、十分な止水性が得
られる。十分な止水性が得られるため、ケーソンの背面
をドライアップして所定の建設工事を行う護岸や防波堤
に適用して極めて有効である。
【0042】(3) ケーソンの前後にせん断キーコンクリ
ートを設けるタイプでは、下部コンクリートの上にケー
ソンを設置した後、せん断キーコンクリートを打設すれ
ばよいため、施工工程が単純となると共に、ケーソンの
設置も容易となり、施工性が大幅に向上する。また、ケ
ーソン自体も通常のケーソンを使用できるため、ケーソ
ン製作も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のケーソン前後にせん断キーコンクリー
トを設けた第1のケーソン式護岸の1例を示す断面図で
ある。
【図2】図1のケーソン式護岸の平面図である。
【図3】本発明におけるケーソン下部コンクリートの打
設方法の1例を示す斜視図である。
【図4】図1のケーソン式護岸におけるせん断キーコン
クリート部分の補強鉄筋の設置方法を示す断面図であ
る。
【図5】図1のケーソン式護岸における下部コンクリー
トおよびせん断キーコンクリートの打設方法を順に示す
断面図である。
【図6】図1のケーソン式護岸の施工方法の前半部分を
順に示す断面図(その1)である。
【図7】図1のケーソン式護岸の施工方法の後半部分を
順に示す断面図(その2)である。
【図8】本発明のケーソンの中央部にせん断キーコンク
リートを設けた第2のケーソン式護岸の1例を示す断面
図である。
【図9】従来における護岸の構造形式であり、設置ケー
ソン根入れタイプを示す断面図である。
【符号の説明】
1…ケーソン 1a…ケーソン下部凹部 2…消波工 3…下部コンクリート 4…蓋コンクリート 5…上部工 6…パラペット 7…前面せん断キーコンクリート 8…背面せん断キーコンクリート 9…補強鉄筋 9a…1次鉄筋ブロック(基部鉄筋) 9b…2次鉄筋ブロック(せん断キー鉄筋) 10…鋼管杭 11…鋼製型枠 12…掘削部分 13…フィルターユニット 14…ケーソン設置架台 15…間詰めモルタル 16…支圧板 17…中詰材 18…中詰めコンクリート 20…人工リーフ 21、22…地盤改良 30…せん断キーコンクリート
フロントページの続き (72)発明者 松蔭 茂男 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 野口 雅之 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 小田 康博 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 山田 恭平 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 一瀬 泰啓 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 国西 達也 広島県広島市中区小町4番33号 中国電 力株式会社内 (72)発明者 滝本 邦彦 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 西嶋 良寛 広島県広島市中区中町6番13号 鹿島建 設株式会社広島支店内 (72)発明者 今藤 久夫 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 篠原 望 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 宮本 久士 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 井上 浩之 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 永谷 達也 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−25831(JP,A) 特開 平5−125711(JP,A) 特許133605(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/06 E03D 23/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーソン設置箇所の海側と背面側に設置
    した型枠間にコンクリートを打設することによりケーソ
    ン設置位置における地盤上に形成される下部コンクリー
    トと、この下部コンクリート上に設置されるケーソン
    と、前記型枠とケーソンの間に嵩上げコンクリートを打
    設することにより前記下部コンクリートから一体的に立
    ち上がりケーソンの滑動を阻止するせん断キーコンクリ
    ートを有することを特徴とするケーソン式海洋構造物。
  2. 【請求項2】 ケーソン設置箇所の海側と背面側に設置
    した型枠間にコンクリートを打設することによりケーソ
    ン設置位置における地盤上に形成される下部コンクリー
    トと、この下部コンクリート上に設置されるケーソン
    と、前記型枠とケーソンの間に嵩上げコンクリートを打
    設することによりケーソンの海側および背面側において
    前記下部コンクリートから一体的に立ち上がりケーソン
    の滑動を阻止するせん断キーコンクリートを有すること
    を特徴とするケーソン式海洋構造物。
  3. 【請求項3】 ケーソン設置箇所の海側と背面側に設置
    した型枠間にコンクリートを打設することによりケーソ
    ン設置位置における地盤上に打設される下部コンクリー
    トと、この下部コンクリート上に設置される、底部に凹
    部を有するケーソンと、前記下部コンクリートの打設時
    にコンクリートブロックの下部を埋設することにより、
    ケーソンの幅方向中央部において前記下部コンクリート
    から一体的に突出して上部がケーソン底部の前記凹部
    嵌合しケーソンの滑動を阻止するせん断キーコンクリー
    トを有することを特徴とするケーソン式海洋構造物。
  4. 【請求項4】 ケーソンの背面側をドライアップして所
    定の工事を行う止水性が要求される護岸または防波堤に
    対して、請求項1、2または3に記載のケーソン、下部
    コンクリート、せん断キーコンクリートと、ケーソン妻
    部のコンクリートにより一連の壁を構築することにより
    高い止水性を持たせたことを特徴とするケーソン式海洋
    構造物。
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