JP3301722B2 - 薄膜型電子デバイス - Google Patents

薄膜型電子デバイス

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JP3301722B2
JP3301722B2 JP32047697A JP32047697A JP3301722B2 JP 3301722 B2 JP3301722 B2 JP 3301722B2 JP 32047697 A JP32047697 A JP 32047697A JP 32047697 A JP32047697 A JP 32047697A JP 3301722 B2 JP3301722 B2 JP 3301722B2
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insulating
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    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings
    • H05K3/285Permanent coating compositions
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜型電子ディバ
イスモジュ−ル用等のパッシベ−ション樹脂塗膜、透明
性を有する薄膜電子デバイス用表面保護封止膜、半導体
封止材料及びその他の絶縁塗料等に使用される絶縁性塗
膜形成樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜型電子ディバイスモジュ−ル構造を
有する多層基板間では、層間絶縁膜・立体交叉絶縁体膜
等のパッシベーション膜が使用されている。これらの膜
に要求される諸特性としては、層間絶縁性、上下層間密
着性、耐候性、耐湿性、耐熱性、耐磨耗性、耐引掻性、
耐屈曲性、表面硬度等が良好であることや、スクリ−ン
印刷法等で代表されるインク状態での塗布被覆適性、硬
化性等に優れていることが必要とされている。このよう
な条件を満足させるために、スチレン系樹脂・飽和ポリ
エステル,不飽和ポリエステル系樹脂・エポキシ系樹脂
・アルキッド系樹脂・シリコン系樹脂・アクリル系樹脂
・フッ素系樹脂・等の熱硬化系,熱可塑系,UV硬化
系,樹脂塗料が検討されてきた。
【0003】また、より高度な薄膜型電子ディバイスモ
ジュ−ルを得る為、スクリ−ン印刷法等によりパタ−ニ
ングした塗布型絶縁塗膜を光電変換薄膜上に積層し、さ
らに、スパッタリング法等によりITO等の透明導電膜
をドライプロセスで成膜するといった手法が知られてい
る。近年、このような機能性薄膜と印刷法等で得られる
厚膜との積層化・ハイブリッド化構造を多用する必要性
が増しつつある。積層化・ハイブリッド化構造に対応し
得る塗布型絶縁塗膜には、真空成膜時における「耐スパ
ッタリング性」「耐熱性」「低アウトガス性」「揮発成
分・アウトガス成分が機能性薄膜や真空成膜装置内部表
面と化学的に反応不活性で、コンタミネ−ション成分と
成らない」等の性能が要求される。またこれらの条件を
満足し得る塗布型絶縁塗膜形成過程において、使用する
「インキ・塗料」等は常温スクリ−ン印刷、コ−ティン
グ時は、化学的に反応不活性で、塗工適性・印刷膜寸法
精度・均一性等の作業経時劣化が少なく、かつ塗膜熱硬
化時には基材ポリマ−フィルムの熱変形を生じない程度
の低い温度にて短時間で十分な架橋構造を形成出来、層
間絶縁・立体交叉絶縁・パッシベ−ション膜として要求
される諸特性を十分満足する性能を発揮する事が要求さ
れ、現状ではそこまでの絶縁塗膜は得られていない。
【0004】例えば、特開昭61−218625号公
報、USP5637156号等においては、上記諸特性
のバランスを取り、薄膜型電子ディバイスモジュ−ル構
造を有する多層基板間の層間絶縁膜・立体交叉絶縁体パ
ッシベ−ション膜として要求される諸特性の改善を図っ
ている。
【0005】しかし、特開昭61−218625号公報
では、主成分エポキシ樹脂の分子量が高い物でも約14
00、実施例では900以下で、これに、酸無水物硬化
剤を化学当量反応させている。それ故、主鎖の架橋間分
子量が低く、塗膜とした場合に、ITOやα−Siとい
った機能性薄膜等との密着性・耐磨耗性・硬化性が悪
く、モジュ−ルとしての環境信頼性のレベルは低く満足
しうるものではなかった。
【0006】また、USP5637156号では、上記
の問題点は大部分改善されているものの、真空成膜時に
おける耐スパッタリング性、耐熱性、低アウトガス性
等、量産時に必要とされる性能面で劣っていた。また、
成膜した際に生じる揮発成分・アウトガス成分が機能性
薄膜や真空成膜装置内部表面と化学的に反応活性を有
し、コンタミネ−ション成分となる恐れもある。さら
に、スクリ−ン印刷用一液硬化インキとした場合、ポッ
トライフが短いといった問題を有していた。
【0007】ところで、太陽電池その他の光機能性薄膜
電子デバイスにおいて、透明性を有する表面保護絶縁封
止膜を設ける必要があるが、このような表面封止膜にお
いても上記と同様な不具合があり、このような問題のな
い優れた封止膜用絶縁樹脂が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄膜
太陽電池・プリント基板等に代表される、真空成膜機能
性薄膜と絶縁性印刷・コ−ティング膜が積層・ハイブリ
ッド化された構造を有する電子ディバイスモジュ−ルや
半導体において、多層基板間の層間絶縁膜・立体交叉絶
縁体膜、透明性を有する表面保護絶縁封止膜、および半
導体封止材料について要求される諸特性である、層間絶
縁性、上下層間密着性、耐候性、耐湿性、耐熱性、耐磨
耗性、耐引掻性、耐屈曲性、硬化性表面硬度を満足し、
ならびに、真空成膜各種機能性薄膜と積層ハイブリッド
化に際し、膜質を低下させず、かつスクリ−ン印刷法等
に代表されるインク状態での塗布被覆適性にも優れた、
電気絶縁塗料及び絶縁塗膜となる薄膜型電子ディバイス
モジュ−ル用絶縁性塗膜形成樹脂および透明性を有する
表面保護絶縁封止膜を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の構成に
より達成される。 (1) 真空成膜機能性薄膜と絶縁性印刷・コーティン
グ膜が積層・ハイブリッド化された構造を有し、前記絶
縁性印刷・コーティング膜が、メチロ−ル基および/ま
たはアルコキシメチル基を有するメラミン樹脂と、この
メラミン樹脂のメチロ−ル基および/またはアルコキシ
メチル基と架橋反応性を有する水酸基、カルボキシル
基、エポキシ基およびアミド基の1種または2種以上を
有する樹脂とを縮重合架橋させると共に、前記メラミン
樹脂を自己縮合反応させる熱硬化反応によって得られた
絶縁性塗膜形成樹脂を有し、前記メラミン樹脂との架橋
反応性を有する水酸基、カルボキシル基、エポキシ基お
よびアミド基の1種または2種以上を有する樹脂は、エ
ポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リアミド樹脂および部分ケン化フッ素樹脂の1種または
2種以上である薄膜型電子デバイス。 (2) 前記メラミン樹脂は、n−ブチル化メラミン樹
脂、メチル化メラミン樹脂、混合エ−テル化メラミン樹
脂、iso−ブチル化メラミン樹脂およびブチル化尿素
メラミン樹脂の1種または2種以上である上記(1)の
薄膜型電子デバイス。 (3) 前記エポキシ樹脂は、数平均分子量2000〜
50000のフェノキシ樹脂および/またはビスフェノ
−ル系エポキシ樹脂である上記(1)または(2)の薄
膜型電子デバイス。 (4) さらに酸化ケイ素、炭酸カルシウム、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸バリウム、ベンガラおよびカ−ボ
ンブラックの1種または2種以上をフィラーとして含有
する上記(1)〜(3)のいずれかの薄膜型電子デバイ
ス。
【0010】
【作用】ある程度の分子量を持った反応性水酸基を有す
る絶縁性・耐加水分解性・分子主鎖骨格の剛直性等を備
えたエポキシポリマ−・オリゴマ−、例えば、好ましく
はフェノキシ樹脂を樹脂成分とし、その硬化剤として、
樹脂成分の主に活性水酸基や末端エポキシ基との縮重合
による架橋反応性と自己縮合反応による重合性を併せ持
つメラミン樹脂をそのメチロ−ル基と樹脂成分の活性水
酸基との化学等量からやや過剰に添加した樹脂を絶縁塗
膜の主成分とする。インキ化に際しては、好ましくは上
記主成分樹脂を高沸点溶媒に溶解したラッカ−に、微粒
子SiO2(アエロジル)等のチクソ性付与剤、色素や
顔料等の着色剤、色素・高電気抵抗カ−ボンブラック等
のレ−ザ−光吸収剤等、を分散剤と共に良く分散しスク
リ−ン印刷インキとし印刷・乾燥・熱硬化し、高信頼
性、可撓性層間絶縁膜、立体交叉絶縁体膜形成パッシベ
−ション樹脂組成物として活用する。また、好ましくは
被膜塗布時に使用するペ−ストは消泡剤,レベリング剤
等の添加剤を加え、よりスクリ−ン印刷インキとしての
印刷適性を向上させる。
【0011】また、太陽電池等に代表される薄膜電子デ
バイスの透明性を有する保護膜として使用した場合に
も、透光性、低粘着性等を有し、優れた絶縁性封止膜特
性を示し、半導体封止材料としても好適に用いることが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁性塗膜形成樹脂組成
物は、メチロ−ル基および/またはアルコキシメチル基
を有するメラミン樹脂と、このメラミン樹脂のメチロ−
ル基および/またはアルコキシメチル基と架橋反応性を
有する水酸基、カルボキシル基、エポキシ基およびアミ
ド基の1種または2種以上を有する樹脂とを縮重合架橋
させると共に、前記メラミン樹脂を自己縮合反応させる
熱硬化反応により得られる。
【0013】メラミン樹脂のメチロ−ル基および/また
はアルコキシメチル基と架橋反応性を有する水酸基、カ
ルボキシル基、エポキシ基およびアミド基の1種または
2種以上を有する主成分樹脂としては、これらの反応性
基を有する樹脂材であれば特に限定されるものではない
が、好ましくは、絶縁性・耐加水分解性・分子主鎖骨格
の剛直性等を備えたエポキシポリマ−・オリゴマ−が好
ましい。このようなエポキシポリマ−・オリゴマ−とし
ては、エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、部分ケン化フッ素樹脂等を好ま
しく挙げることができ、なかでもエポキシ樹脂が好まし
い。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用
して用いてもよい。2種以上を用いる場合の混合比は任
意である。
【0014】前記エポキシ樹脂としては、半導体その他
の封止用途等に使用されているクレゾールノボラック
型、ビフェニル型、ジシクロペンタジェン型等の高硬化
性高温耐熱型エポキシ樹脂も使用可能であるが、インキ
化等への応用を考えると、好ましくは数平均分子量10
00〜50000、より好ましくは数平均分子量200
0〜50000の樹脂材が好ましく、このような樹脂材
としてはフェノキシ樹脂、ビスフェノ−ル系エポキシ樹
脂を好ましく挙げることができる。これらは単独で用い
てもよいし、双方を併用してもよく、その際の混合比は
任意である。
【0015】フェノキシ樹脂は下記の式(I)で示され
る構造を有するものが好ましく、例えば東都化成社製
商品名フェノトート YP−50Sの場合、ビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリンより合成される高分子量ポ
リヒドロキシポリエーテルで、比重(20/20℃)=
1.17〜1.19、ガラス転位点(DSC法)=約1
00℃、数平均分子量=11800程度、重量平均分子
量=58600程度である。このようなフェノキシ樹脂
としては、前記フェノトート YP−50Sの他、 Phe
noxy Associates 社製、PAPHEN Phenoxy Resins PKHC、
PKHH、PKHJ等が挙げられ、下記式(I)におけるnの小
さい順からPKHC(数平均分子量約14000)、PKHH
(数平均分子量約15400)、PKHJ(数平均分子量約
18700)となり、特にPKHHないしPKHCが好ましい
(ここでnは82〜123程度が好ましい。)。
【0016】
【化1】
【0017】ビスフェノ−ル系エポキシ樹脂としては、
シェル化学製エピコート1002(分子量約1060,
n=3)、エピコート1007(分子量約2900,n
=10)、エピコート1010(分子量約5500,n
=18)等が挙げられる。
【0018】架橋反応性を有する水酸基、カルボキシル
基およびアミド基は、これらの樹脂中に好ましくは2〜
30wt%、特に4〜15wt%、さらには4〜10wt%程
度存在することが好ましい。
【0019】硬化剤としては、前記樹脂成分の活性水酸
基、および一部は樹脂末端のエポキシ基との縮重合によ
る架橋反応性と自己縮合反応による重合性を併せ持つメ
ラミン樹脂を用いる。硬化剤として、メラミン樹脂を主
成分のエポキシ系樹脂成分に添加することは、イソシア
ナ−ト系の硬化剤のように、エポキシ系樹脂成分の活性
水酸基とメラミン樹脂のメチロ−ル基、一部アルコキシ
メチル基との化学等量に基ずく縮重合架橋による熱硬化
反応のみでなく、メラミン樹脂内のメチロ−ル基同志、
メチロール基とイミノ基、アルコキシメチル基とイミノ
基、メチロール基およびアルコキシメチル基同士の自己
縮合反応による重合・架橋による熱硬化反応も併せて進
行するため極めて架橋性の高い塗布型絶縁塗膜が得られ
る。従って、メチロ−ル基と樹脂成分の活性水酸基との
化学等量からやや過剰に添加することが好ましい。添加
量としては、好ましくは前記主成分樹脂に対して5〜4
5wt%、より好ましくは20〜30wt%程度である。
【0020】メラミン樹脂自体一般に分子量が高く、主
たる反応性基であるメチロ−ル基は、ウレタン結合を形
成するイソシアナ−ト基程常温付近での水分中の水酸基
をも含む反応性水素との化学反応性が低く、約120℃
以上の焼き付け温度を要する。従って、室温付近でのド
ライプロセス真空成膜時においては極めて架橋性の高い
塗布型絶縁塗膜となり、「揮発成分・アウトガス成分」
が少なく、機能性薄膜や真空成膜装置内部表面と化学的
な反応性が極めて低く、コンタミネ−ション成分になり
にくい。
【0021】また、インキ・塗料・塗膜等に用いた場
合、スクリ−ン印刷、コ−ティング操作を行う場合に、
常温下でも化学的に反応性が低く、塗工適性・印刷膜寸
法精度・均一性等において経時劣化が少なく、熱硬化時
には基材ポリマ−フィルムの熱変形を生じない程度の低
い温度にて短時間で十分な架橋構造を得ることができ、
層間絶縁・立体交叉絶縁・パッシベ−ション膜、透光性
絶縁封止膜として要求される諸特性を十分満足する性能
を発揮する。
【0022】このようなメラミン樹脂は、例えば下記式
(II)で示される基本骨格構造を有し、これに上記メチ
ロ−ル基および/またはアルコキシメチル基を有するも
のを好ましく挙げることができる。平均分子量は100
0〜5000程度が好ましい。また、メチロ−ル基およ
び/またはアルコキシメチル基は、メラミン1モルに対
し、0.5〜10個、特に0.5〜3個程度存在するこ
とが好ましい。このようなメラミン樹脂の具体例として
は、好ましくはn−ブチル化メラミン樹脂、メチル化メ
ラミン樹脂、混合エ−テル化メラミン樹脂、iso−ブ
チル化メラミン樹脂およびブチル化尿素メラミン樹脂で
ある。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用し
てもよく、その際の混合比は任意である。
【0023】
【化2】
【0024】上記式(II)において、Rは水素、メチロ
−ル基およびアルコキシメチル基を表し、R1 は−CH
2−、−CH2OCH2−を表す。ただし、R1 が末端と
なる場合には、Rと同義である。なお、多くの場合n=
1〜3であるが、n>3となる場合もある。
【0025】上記硬化剤による硬化を促進するために、
アルキルスルフォン酸系反応促進剤、例えば、三井東圧
化学社製、商品名:キャタリスト6000等の硬化触媒
等を添加してもよい。これらの硬化促進剤は単独で添加
しても2種以上混合してもよい。これらの硬化促進剤
は、メラミン樹脂に対し、2wt%以下程度添加すればよ
い。
【0026】本発明の絶縁性塗膜形成樹脂は、さらにフ
ィラーとして、酸化ケイ素(アエロジル)、炭酸カルシ
ウム、アルミナ、酸化チタン、炭酸バリウム、ベンガラ
およびカ−ボンブラックの1種または2種以上を含有し
ていてもよい。アエロジル、炭酸カルシウム、アルミ
ナ、酸化チタン、炭酸バリウムは膜強度や、インキ自体
の剛性を高め、チクソ性を向上させる。ベンガラおよび
カ−ボンブラックはレーザー光等の吸収を良好にする光
吸収剤や着色剤として作用する。特にカーボンブラック
は、微細集積構造形成に際し、レーザーによるスクラブ
加工等において、燃焼して炭酸ガスとして揮発するため
好都合である。これらの添加量としては、好ましくはア
エロジル3〜15wt%、炭酸カルシウム3〜20wt%、
アルミナ5〜20wt%、酸化チタン5〜20wt%、炭酸
バリウム10〜30wt%、ベンガラ5〜20wt%、高抵
抗カ−ボンブラック2〜8wt%である。また、これらの
フィラーの総計が30wt%以下、特に20wt%以下であ
ることが好ましい。
【0027】この他に、必要により分散剤、消泡剤、レ
ベリング剤等の添加剤を総計で10wt%以下含有してい
てもよい。これらを添加することにより、インキの消泡
性、レベリング性が向上し、下地となるシリコン、透明
導電膜、層間絶縁膜などとの濡れ性が改善される。この
ため、ピンホール、インキのハジキ等が防止でき、リコ
ート性が向上する。分散剤、消泡剤、レベリング剤等と
しては、シリコーン系、アクリル系、ビニルエーテル系
の樹脂成分が好ましい。
【0028】例えば、シリコーン系の添加剤としては、
メチルアルキルポリシロキサン系シリコーン化合物でそ
の一部をポリエーテル変性した化合物、アルキル変性し
た化合物、あるいはジメチルポリシロキサンをポリエス
テル変性した化合物等を挙げることができる。シリコー
ン系以外でも、アクリル系、ポリビニールエーテル系等
のオリゴマーないしはポリマー(数平均分子量2000
0以下程度の樹脂)が好ましい。
【0029】これらの樹脂、フィラー、分散剤、消泡剤
等を分散、溶解する溶媒としては有機溶媒が好ましい。
このような有機溶媒としては、スクリーン印刷版のメッ
シュ上での溶剤の乾燥によるカスレ等の発生を防止する
ため、少なくとも、沸点160℃以上で溶解力の良好な
有機溶媒が好ましい。このような溶媒として、ケトン、
エステル系溶媒、イソホロン、テルピネオール、N−メ
チルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ブチルカルビト
ールアセタート等が挙げられ、特に、高沸点のイソホロ
ン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の複
素環式化合物、ブチルカルビトールアセタール等の酢酸
エステル等が好ましい。これらは単独で使用しても2種
以上を混合して用いてもよく、2種以上を用いる場合の
混合比は任意である。これらの溶媒は、通常、主成分樹
脂に対して15〜30wt%程度用いられる。
【0030】次に、本発明の絶縁性塗膜形成樹脂の製造
方法について説明する。主成分樹脂を有機溶剤、例えば
シクロヘキサノン/イソホロンの混合溶剤等に完全に溶
解する。これに必要に応じて、アエロジェル、炭酸カル
シウム、アルミナ、酸化チタン、炭酸バリウム、ベンガ
ラ、カ−ボンブラック等のフィラーや、分散剤等とを混
合し、ボ−ルミル等により20〜120時間分散する。
次に必要により消泡剤、レベリング剤等を添加し更に
0.5〜5時間混合する。その後、上記のメラミン樹
脂、必要により硬化促進剤を更に加え、10〜120分
間混合分散し、パッシベ−ション膜用絶縁性樹脂組成物
を得る。
【0031】得られた絶縁樹脂組成物インキは、シルク
スクリーン法等により電子デバイスモジュールの多層基
板間等に塗布され、熱硬化されてパッシベーション用の
絶縁性塗膜となる。塗膜の厚さとしては、塗布する多層
基板等の構造や機能等により適宜調整すればよいが、通
常、パッシベーション用絶縁膜として用いる場合3〜1
00μm 、透明性を有する保護膜として用いる場合5〜
100μm 程度である。熱硬化の条件としては、大気中
で80〜160℃で10〜60分間保持することが好ま
しい。
【0032】
【実施例】[実施例1]原料として下記のものを用意し
た。 フェノキシ樹脂(UCC社製:PKHH Mn=15,400) 20重量部 シクロヘキサノン 40重量部 イソホロン 30重量部 高抵抗カ−ボンブラック(デグッサ社製:平均粒子径25nm) 4重量部 アエロジル(デグッサ社製:平均粒子径15nm) 10重量部 分散剤(オレイン酸) 3重量部 消泡剤 (東芝シリコーン製:TSA-720) 1重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS-66 ) 1重量部
【0033】先ず上記原料中、フェノキシ樹脂をシクロ
ヘキサノン/イソホロンの混合溶剤に完全に溶解し、カ
−ボンブラック、アエロジル、分散剤と共にジルコニア
製ボ−ルミルにより48時間分散した。次いで、消泡
剤、レベリング剤を添加し更に2時間混合し、下記の熱
架橋反応成分を添加した。 n−ブチル化メラミン樹脂(三井東圧化学製:ユ−バン21R :重量平均分子量約7000) 5重量部 硬化促進剤(三井東圧化学製:キャタリスト6000) 0.03重量部
【0034】これらを更に20分間混合分散し、パッシ
ベ−ション膜用絶縁性樹脂組成物を得た。
【0035】得られた絶縁樹脂組成物インキを、図1に
示す構造の薄膜型電子デバイスモジュールを得るため塗
布した。
【0036】すなわち、図1は薄膜型電子デバイスモジ
ュールの構造断面図であり、図において、基材PENフ
ィルム2上にAl薄膜をAr ガススパッタリングにより
成膜し、下部電極3を形成した。次いで、その上に、ア
モルファスSi薄膜層4をプラズマCVD法により成膜
し、さらに所定のパタ−ンによる上記第1層間絶縁樹脂
層8を150メッシュポリエステルスクリ−ンにて印刷
(1次印刷)した。
【0037】塗布後、160℃オーブン中にて10分間
熱硬化させ、絶縁膜を得た。次にこの第1層間絶縁樹脂
層8である絶縁膜上にITO透明電極層5をAr ガスス
パッタリングにより形成した。このスパッタリング工程
で絶縁膜はなんらのダメ−ジも認められず均一なITO
透明電極層5が積層出来た。
【0038】次に、YAGレーザーにより、絶縁あるい
は電気接続のための溝や貫通孔形成するためのレーザス
クライブによる開溝12を、第1の層間絶縁樹脂層8、
ITO透明電極5、アモルファスシリコン層4、下部電
極3に行った。
【0039】さらに、上記の樹脂組成物を用いて、第2
の層間絶縁樹層を前記開溝12上に上記同様スクリーン
印刷(2次印刷)し、160℃オーブン中にて10分間
熱硬化させ、下部電極3とITO透明電極5とを絶縁す
るためのセパレータ9を形成した。次いで、その上に同
様にして導電性銀ペーストを印刷して配線電極10を形
成した。同時にレーザスクライブにより基板を貫通した
スルーホール加工部11にも導電性銀ペーストを埋め込
んだ。最後に、裏面側にスル−ホールの導電性銀ペース
トに接触するよう銀電極をスクリーン印刷により形成
し、プラス側取り出し電極1およびマイナス側取り出し
電極(図示せず)を形成し、最後に透光性樹脂で保護層
6を形成して太陽電池モジュールを得た。このとき、Y
AGレ−ザ−による絶縁膜の分断や、穴開け加工工程に
おいても寸法精度の良い加工が出来た。
【0040】本絶縁樹脂組成物インキを用い。スクリー
ン印刷法にて上記1次・2次印刷を24時間以上連続し
て繰り返しても、インキのゲル化等による印刷適性の劣
化等は認められず、しかも、160℃オーブン中にて1
0分間熱硬化させた絶縁膜は、シクロヘキサノンによる
ラビングテストでも不溶であった。また、動的粘弾性率
の測定からも、未硬化の絶縁樹脂のTg が76.1℃で
あるのに対して89.0℃のTg を示し、完全な一液硬
化性絶縁性インキであることが確認された。
【0041】[比較例1]実施例1と同様に絶縁性イン
キ主成分をジルコニア製ボ−ルミルにより48時間分散
した。次いで、消泡剤、レベリング剤を添加し更に2時
間混合した。
【0042】さらに、熱架橋剤として、イソシアヌレ−
ト結合ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(HDI三量
体)をフェノキシ樹脂の含有水酸基とイソシアネ−ト基
が化学等量となるように17重量部添加した。
【0043】これらを更に20分間混合分散し、パッシ
ベ−ション膜用絶縁性樹脂組成物を得た。
【0044】得られた絶縁樹脂組成物インキを用い、実
施例1同様に図1構造とする為に同様の作業を行い、可
撓性アモルファスSi太陽電池を得た。
【0045】[評価方法・結果]得られた各薄膜型電子
デバイスモジュールについて、下記の評価試験を行い、
その性能を評価した。
【0046】1:耐湿試験 第2絶縁樹脂にメラミン熱硬化性絶縁インキを用いて試
作した本発明サンプルと、上記イソシアヌレ−ト結合ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト(HDI三量体)化学等
量熱架橋性絶縁インキを用いて試作した比較サンプルと
を用い、これを85℃と、95%RH・125℃の環境
下で1400時間以上の動作試験を行った。その際、薄
膜型電子デバイスモジュールのAg配線電極とITO薄
膜界面の接触抵坑、および表1に示す電流・電圧特性(I
-V特性:Iop,FF)を測定した。
【0047】その結果、Ag配線電極とITO薄膜界面
の接触抵坑は、85℃、95%RH・125℃の環境下
で比較サンプルは、本発明サンプルより初期で約1.5
〜2.0乗Ω高く、経時的に増加不安定化傾向にあり、
特に、85℃、95%RHの条件のように湿度が加わる
と比較サンプルは上昇後飽和してしまうが、本発明サン
プルでは、安定化傾向を示した。
【0048】本実施例による界面の接触抵坑の差は、表
1に示す太陽電池の短絡電流(Isc)動作電流(Iop)及び
曲線因子(F.F) 直列抵坑(Rse) にも反映されており、(#
1)は(#2)より優れた電流・電圧特性を加速環境下におい
ても示した。
【0049】
【表1】
【0050】2:薄膜の有機物元素による変質汚染 ITO/α−Si界面でのインキの有機物元素による汚
染を測定するため、SIMSにより炭素原子の深さ方向
の分析を行った。
【0051】その結果、12C/29Siの強度比は、本発
明サンプルが3.37であるのに対し比較サンプルは2
6.1と極めて高く、メラミン硬化インキを使用する方
がITO/α−Si界面でのインキの有機物元素による
汚染の点でも有利であることがわかる。
【0052】3:ITO薄膜表面の第2絶縁樹脂用硬化
剤による化学反応汚染 ITO薄膜表面の第2絶縁樹脂用硬化剤による化学反応
汚染を、Auger 分光法にて解析した。硬化剤としてイソ
シアヌレ−ト結合ヘキサメチレンジイソシアネ−ト(H
DI三量体:コロネ−トHX)を使用した比較サンプル
は、ITO薄膜の新水性表面とイソシアナ−ト基が反応
し第2絶縁樹脂膜端分から2000μm離れた部分でも
N,C等の有機系元素が観測され、In元素の強度が低
く、また第2絶縁樹脂膜端分から400μm離れた部分
までのチャ−ジアップ電位が大きい。それに対して本発
明のメラミン樹脂硬化では、ITO薄膜の新水性表面と
の反応性が遥かに少なく、このためAg配線電極とIT
O薄膜界面の接触抵坑の増加などの電流・電圧特性劣化
要因とならない。
【0053】4:耐熱性 絶縁樹脂膜の動的粘弾性測定法による、Tg(E" のピ−
ク温度)と弾性率(E')の温度特性を求めた。硬化剤とし
てイソシアヌレ−ト結合ヘキサメチレンジイソシアネ−
ト(HDI三量体:コロネ−トHX)を使用した比較サン
プルの絶縁樹脂膜のTgは、58.3℃、とHDI分子
主鎖により硬化剤無添加絶縁樹脂膜(STD:Tg 76.1℃)
を、むしろ内部可塑化している。それに対して、メラミ
ン熱硬化性絶縁膜である本発明サンプルは、Tgが89
℃と高く、Tgに至るまでの動的弾性率も高い値を示し
絶縁樹脂膜の高い熱硬化度を示している。この事は、第
一樹脂塗膜上にITO電極をスパッタ法等のドライプロ
セス真空成膜により積層化・ハイブリッド化した構造を
形成場合に、本発明サンプルが、真空成膜時における
「耐スパッタリング性」「耐熱性」「低アウトガス性」
等で有利であることを示している。また高温・多湿など
の各種環境下における太陽電池としての信頼性の面でも
有利である。
【0054】5:ポットライフ 硬化剤としてメラミン樹脂を用いた本発明サンプルのイ
ンキでは、室温程度ではほとんど反応せず、かつスクリ
−ン印刷時の大気からの吸湿水分との反応性も極めて低
く、連続48時間のスクリ−ン印刷作業においてもイン
キのゲル化等による印刷適性劣化は認められない。しか
し、硬化剤としてイソシアヌレ−ト結合ヘキサメチレン
ジイソシアネ−ト(HDI三量体:コロネ−トHX)を使
用した比較サンプルのインキでは、イソシアネ−ト基の
室温程度でも徐々に反応が進行し、かつスクリ−ン印刷
時の大気からの吸湿水分との反応性も敏感で、尿素結合
を生じてゲル化が進行するため、連続24時間のスクリ
−ン印刷作業が印刷適性を保持する上でも限界であっ
た。
【0055】[実施例2]原料として下記のものを用意
した。 エポキシ樹脂(油化シェル製:エピコート1009 分子量約3750) 20重量部 γ−ブチロラクトン 40重量部 イソホロン 30重量部 消泡剤 (東芝シリコーン製:TSA-720) 3重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS-66 ) 1重量部
【0056】先ず上記原料中、エポキシ樹脂をγ−ブチ
ロラクトン/イソホロンの混合溶剤に完全に溶解し、ジ
ルコニア製ボ−ルミルにより48時間分散した。次い
で、消泡剤、レベリング剤を添加し更に2時間混合し、
下記の熱架橋反応成分を添加した。 ブチル化メラミン樹脂(三井化学製:ユーバン20SE−60 :分子量約3500〜4000) 5重量部
【0057】これらを更に20分間混合分散し、透明性
を有する絶縁性表面保護封止膜用組成物を得た。
【0058】得られた組成物インキを、実施例1と同様
にして作製した図1に示す構造の薄膜型電子デバイスモ
ジュールの保護層6として、150メッシュポリエステ
ルスクリーンにて印刷し、160℃オーブン中にて熱硬
化を行った。
【0059】同様にして得られた本発明のサンプル50
0個について、保護層6を下面側に反転し、スクリーン
印刷機の吸引ステージに吸着固定し、図1に示すような
取り出し電極1を形成するためのスクリーン印刷を行っ
た。その結果、保護層6の粘着性等により、吸引ステー
ジに薄膜型電子デバイスモジュールが貼り付くこともな
く、セルの破損ないし性能劣化率は、500サンプル中
0.5%以下と優れた品質安定性、工程作業性を有する
透光性絶縁保護封止膜特性を示した。また、85℃、1
000時間保存後の波長400nmにおける光透過率には
変化は認められず、黄変も認められなかった。この、粘
着性における有利な点は、動的弾性の室温における弾性
率の大きさ、Tgの高さからも推察された。
【0060】[比較例2]実施例2と同様に、表面保護
封止膜用インキ主成分をジルコニア製ボ−ルミルにより
48時間分散した。次いで、消泡剤、レベリング剤を添
加し更に2時間混合した。
【0061】さらに、熱架橋剤として、トルエンジイソ
シアネ−ト(TDI)と、トリメチロールプロパン(T
MP)のアダクト体(三官能性ポリイソシアネート:日
本ポリウレタン(株)製、コロネートL、NCO含有率
13.2wt%)をフェノキシ樹脂の含有水酸基と化学
等量となるように添加した。
【0062】これらを更に20分間混合分散し、表面保
護封止膜用樹脂組成物を得た。
【0063】得られた表面保護封止膜用組成物インキを
用い、実施例2同様にしてスクリーン印刷試験を行っ
た。その結果、反転した保護層6の粘着により、吸着ス
テージへのセルの貼り付きによって生ずる破損率ないし
性能劣化率は、500サンプル中80%以上であった。
また、85℃、1000時間保存後の波長400nmにお
ける光透過率は、20%低下し、黄変が認められた。
【0064】[実施例3] 原料として下記のものを用意した。 飽和ポリエステル樹脂[東洋紡製:バイロン200 分子量約15000〜 20000、水酸基価5.6〜8.5(mgKOH/g)(100〜150(eq/106g ) )] 20重量部 γ−ブチロラクトン 40重量部 イソホロン 30重量部 沈降性炭酸カルシウム(丸尾カルシウム製:平均粒径0.005μm ) 10重量部 消泡剤 (東芝シリコーン製:TSA-720) 3重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS-66 ) 1重量部
【0065】先ず上記原料中、飽和ポリエステル樹脂を
γ−ブチロラクトン/イソホロンの混合溶剤に完全に溶
解し、ジルコニア製ボ−ルミルにより、微粒子炭酸カル
シウムと共に48時間分散した。次いで、消泡剤、レベ
リング剤を添加し更に2時間混合し、下記の熱架橋反応
成分を添加した。 メチル化メラミン樹脂(住友化学製:スミマールM−100 分子量約500〜700) 5重量部
【0066】これらを更に20分間混合分散し、パッシ
ベ−ション膜用絶縁性樹脂組成物を得た。得られた組成
物インキを、実施例1と同様にして図1に示す構造の薄
膜型電子デバイスモジュールに適用し、実施例1と同様
にして評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0067】[実施例4]原料として下記のものを用意
した。 OH基含有フッ素樹脂(旭硝子製:ルミフロンLF100 水酸基価26(mgKOH/g) :50%溶液固形分換算) 20重量部 γ−ブチロラクトン 40重量部 イソホロン 30重量部 消泡剤 (東芝シリコーン製:TSA-720) 3重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS-66 ) 1重量部
【0068】先ず上記原料中、ルミフロン樹脂をγ−ブ
チロラクトン/イソホロンの混合溶剤に完全に溶解し、
ジルコニア製ボ−ルミルにより48時間分散した。次い
で、消泡剤、レベリング剤を添加し更に2時間混合し、
下記の熱架橋反応成分を添加した。 ブチル化メラミン樹脂(三井東圧化学製:ユーバン22R :分子量約5000〜6000) 5重量部
【0069】これらを更に20分間混合分散し、透光性
絶縁性表面保護封止膜用組成物を得た。得られた組成物
インキを、実施例2と同様にして図1に示す構造の薄膜
型電子デバイスモジュールに適用し、実施例2と同様に
して評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0070】[実施例5]実施例1で得られたパッシベ
−ション膜用絶縁性樹脂組成物を、ディッピング法にて
ハイブリッドICに塗布し、半導体封止用樹脂とした。
得られた樹脂モールドICは、クラック等の発生もな
く、ヒートサイクル試験、耐湿性試験において良好な特
性を示した。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、 1)架橋性の高い塗布型絶縁塗膜が得られ、例えば、薄膜
型電子ディバイスモジュ−ルの製造プロセスにおいて、
第一樹脂塗膜上にスパッタリング法により上部透明導電
膜であるITO電極をドライプロセス真空成膜により積
層化・ハイブリッド化構造を形成するに際しても、絶縁
塗膜は、真空成膜時における「耐スパッタリング性」
「耐熱性」「低アウトガス性」等の特徴が発揮され,結
晶性・低抵抗の良質なITO透明電極が得られる。
【0072】2)硬化剤としてのメラミン樹脂及びエポキ
シ樹脂等との硬化物である絶縁樹脂塗膜は、「揮発成分・
アウトガス成分」が少なく、100℃以下程度では、化
学的な反応性が低く、pin−pinタンデム、薄膜多
結晶・単結晶・非晶質等、特にpin−pinタンデム
のSi 系・化合物半導体系光電変換膜上への印刷膜形成
時に、薄膜の有機物元素による変質変性・セル化に際し
て例えば、Ag配線電極とITO薄膜界面の接触抵抗の
増加不安定化、これらに基ずくIV特性劣化(Iop,FF)・真
空成膜時における真空成膜装置内部表面の有機物・元素
によるコンタミネ−ションが極めて少ない。
【0073】3)インキ・塗料・塗膜等を常温にてスクリ
−ン印刷、コ−ティング操作を行う時も、化学的に反応
性が低いため、インキのポットライフが長く、塗工適性
・印刷膜寸法精度・均一性等の作業経時劣化が少なく、
かつ熱硬化時には基材ポリマ−フィルムの熱変形を生じ
ない程度の低い温度にて短時間で十分な架橋構造を有す
る層間絶縁・立体交叉絶縁・パッシベ−ション膜,透明
性を有する表面保護封止膜等として要求される諸特性十
分満足する性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄膜型電子ディバイスモジュ−ルの一構成例を
した、概略断面図である。
【符号の説明】
1 取り出し電極 2 基材 3 下部電極 4 α−Si層 5 ITO透明電極 6 保護層(透光性樹脂) 8 第1層間樹脂層 9 セパレータ 10 配線電極 11 スルーホール加工部 12 開口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−8699(JP,A) 特開 平8−245906(JP,A) 特開 平3−14861(JP,A) 特開 平4−220477(JP,A) 特開 昭64−9274(JP,A) 特開 平2−135612(JP,A) 特開 平10−298460(JP,A) 特開 平10−259350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/29 - 23/31 C08G 4/00 - 16/06 C08G 59/00 - 59/72 C08L 61/00 - 63/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空成膜機能性薄膜と絶縁性印刷・コー
    ティング膜が積層・ハイブリッド化された構造を有し、 前記絶縁性印刷・コーティング膜が、メチロ−ル基およ
    び/またはアルコキシメチル基を有するメラミン樹脂
    と、 このメラミン樹脂のメチロ−ル基および/またはアルコ
    キシメチル基と架橋反応性を有する水酸基、カルボキシ
    ル基、エポキシ基およびアミド基の1種または2種以上
    を有する樹脂とを縮重合架橋させると共に、 前記メラミン樹脂を自己縮合反応させる熱硬化反応によ
    って得られた絶縁性塗膜形成樹脂を有し、 前記メラミン樹脂との架橋反応性を有する水酸基、カル
    ボキシル基、エポキシ基およびアミド基の1種または2
    種以上を有する樹脂は、 エポキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
    ポリアミド樹脂および部分ケン化フッ素樹脂の1種また
    は2種以上である薄膜型電子デバイス。
  2. 【請求項2】 前記メラミン樹脂は、n−ブチル化メラ
    ミン樹脂、メチル化メラミン樹脂、混合エ−テル化メラ
    ミン樹脂、iso−ブチル化メラミン樹脂およびブチル
    化尿素メラミン樹脂の1種または2種以上である請求項
    1の薄膜型電子デバイス。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ樹脂は、数平均分子量20
    00〜50000のフェノキシ樹脂および/またはビス
    フェノ−ル系エポキシ樹脂である請求項1または2の薄
    膜型電子デバイス。
  4. 【請求項4】 さらに酸化ケイ素、炭酸カルシウム、ア
    ルミナ、酸化チタン、炭酸バリウム、ベンガラおよびカ
    −ボンブラックの1種または2種以上をフィラーとして
    含有する請求項1〜3のいずれかの薄膜型電子デバイ
    ス。
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