JP3301696B2 - 高出力レーザ伝送方法及びその装置 - Google Patents

高出力レーザ伝送方法及びその装置

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JP3301696B2
JP3301696B2 JP09408496A JP9408496A JP3301696B2 JP 3301696 B2 JP3301696 B2 JP 3301696B2 JP 09408496 A JP09408496 A JP 09408496A JP 9408496 A JP9408496 A JP 9408496A JP 3301696 B2 JP3301696 B2 JP 3301696B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切断、溶接等のレ
ーザ加工において利用される高出力レーザ伝送方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高出力レーザを用いるレーザ加工装置の
構成として、レーザ発振器を固定して加工ヘッドを移動
させる形式がある。このような形式のレーザ加工装置で
は、加工に用いる高出力レーザ(以下、「加工レーザ」
と称する)を発振器から加工ヘッドまで伝送する必要が
ある。しかし、高出力の加工レーザは光ファイバでは伝
送不能であり、ミラーなどを組合わせた光学系によって
伝送しなければならない。
【0003】このレーザ伝送光学系において、レーザビ
ームが正確に伝送されるように、ミラー等の位置を調整
することは極めて重要である。しかし、加工レーザは出
力が数kW〜数10kWと大きく、被加工物に集光される前
の比較的出力密度の小さい状態であっても、検出用セン
サを破壊することなくビームの位置を検出することは不
可能である。そのため、加工レーザを低出力・可視光レ
ーザであるHe−Neレーザに切り替えて、目視により
He−Neレーザの光路を確認しつつ、ミラー等の位置
を調整していた。
【0004】しかし、この従来の方法には、加工レーザ
照射中の加工レーザ伝送経路を測定していないため、加
工レーザ照射中にミラーの位置・角度が振動等によって
変動して伝送経路が正規の経路から外れても、これを検
知し、修正することができないという欠点があった。
【0005】この欠点を解決した方法の一つに、特願平
7−318416号に提案されているように加工レーザ
と同時にガイドレーザを伝送し、ガイドレーザの位置変
動をもって加工レーザの位置変動とみなし、加工レーザ
照射中にガイドレーザの位置に応じてミラーの位置・角
度を調整する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高出力レーザを伝送す
る光学系には反射形光学部品、中でも表面に金蒸着を施
して表面の酸化を防ぐと共に、裏面を水冷して放熱を容
易にした全反射ミラーを用いるのが一般的である。しか
しミラー裏面を水冷しても、ミラー表面からの入熱の影
響を完全に排除することは困難であり、図1に示すよう
にミラー表面は凸面形状に熱変形する。
【0007】図2にこのミラー表面の熱変形をシミュレ
ーションした結果を示す。シミュレーションの条件は、
入射ビームは径90mmの45kWCO2 レーザ、ミラー表
面吸収率2%、ミラー背面冷却水温度35℃、雰囲気温
度35℃、である。図2に示すように、CO2 レーザ照
射範囲の外側ではミラー表面はほぼ一定の勾配を持つ斜
面となっている。
【0008】加工レーザと同時にガイドレーザを伝送す
る場合、加工レーザはミラー中央部で反射・伝送される
ためミラー表面の熱変形が反射後の光路に与える影響は
少ないが、ガイドレーザはミラーの加工レーザ照射範囲
の外側で反射されるため、ミラー表面の熱変形が反射後
の光路に少なからず影響を与える。前述のシミュレーシ
ョンによれば、ミラー周辺部に生じる傾斜の角度は約
0.17mradである。したがって、本来加工レーザと平
行に伝送されるはずのガイドレーザはの反射方向は加工
レーザの反射方向に対して約0.34mradずれることに
なる。
【0009】図3は、図2に示したように熱変形したミ
ラー表面で反射されたガイドレーザが、35m伝送後に
正規の伝送位置からどれだけずれるかを示したシミュレ
ーション結果である。加工レーザとガイドレーザの間隔
にもよるが、伝送後の加工レーザとガイドレーザの位置
には約10.0〜11.5mmものずれが生じる。したが
って、ガイドレーザの位置変動をもって加工レーザの位
置変動とみなす制御系においては、加工レーザが正規の
経路で伝送されていても35m伝送後にはガイドレーザ
の位置が約10.0〜11.5mmずれているものと検出
されてしまう。この位置変動を修正するべくミラーの位
置・角度が調整される結果、加工レーザの伝送に著しい
ずれが生じてしまう。
【0010】本発明は、高出力レーザのエネルギーによ
って伝送ミラーに変形が生じても、加工レーザを正確に
伝送することができる高出力レーザ伝送方法及び装置を
提供するものである。
【0011】
【問題を解決するための手段】この発明の高出力レーザ
伝送方法は、高出力レーザを所定の位置に伝送する方法
において、高出力レーザを伝送すると同時に高出力レー
ザと光軸が平行なガイドレーザを複数本伝送し、前記高
出力レーザと複数本のガイドレーザとをレーザ伝送ミラ
ーで伝送するとともに、伝送した各ガイドレーザの光路
に生じたずれをセンサにより検出し、高出力レーザの照
射面に形成される複数のガイドレーザ照射点の幾何学的
重心位置偏差を算出し、その結果に基づいてミラーの角
度および位置の少なくとも一つを調整することを特徴と
している。
【0012】上記高出力レーザ伝送方法において、ガイ
ドレーザ照射点が高出力レーザ照射点に対し対称となる
ように、または照射面上の高出力レーザ照射点を中心と
する円周上に等間隔となるようにガイドレーザを配置す
るようにする
【0013】また、この発明の高出力レーザ伝送装置
は、高出力レーザ発振器と、複数のガイドレーザ発振器
と、角度および位置の少なくとも一つが調整可能な、前
記高出力レーザと複数のガイドレーザを同時に伝送する
ためのレーザ伝送可動ミラーと、レーザ伝送可動ミラー
の出射側にあって高出力レーザと光軸を平行にして伝送
される各ガイドレーザの位置を検出するセンサと、セン
サからの各ガイドレーザの位置信号に基づいて高出力レ
ーザの光軸に垂直な照射面に形成される複数のガイドレ
ーザ照射点の幾何学的重心位置を算出し、複数のガイド
レーザ照射点の幾何学的重心位置に基づき高出力レーザ
の位置を算出する信号処理装置と、信号処理装置からの
高出力レーザの位置信号に応じてレーザ伝送可動ミラー
を調整するミラー調整手段とを備えたことを特徴として
いる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の高出力レーザ伝送方法
及び装置は、主としてレーザ加工装置において用いられ
る。ここで、レーザ加工装置とは、高出力レーザビーム
を被加工物に集光照射して、溶接、切断等のレーザ加工
を行う装置をいう。レーザ加工はオンラインで移動する
被加工物に行うようにしても、オフラインで被加工物を
固定して行ってもよい。
【0015】加工に用いる高出力レーザとしては、例え
ばCO2 レーザが適している。加工レーザはレーザ発振
器から加工ヘッドまで反射形光学部品や透過形光学部品
等からなる光学系によって伝送され、加工ヘッドに設け
られた集光光学素子によって被加工物上に集光される。
加工点を移動させながら加工を行う場合には、レーザ発
振器は固定して、加工ヘッドを移動させて行う。
【0016】この発明では、光学系に加工レーザと同時
に複数本のガイドレーザを伝送させる。ガイドレーザは
加工レーザと光軸を平行にして、レーザ伝送装置の上流
側から入射させる。例えば、レーザ伝送装置の入側の加
工レーザ経路の近傍にビーム合成ミラーを設け、このビ
ーム合成ミラーにガイドレーザ発振器からのビームを照
射して反射させ、加工レーザと同時にレーザ伝送装置に
導入するようにしてもよい。
【0017】ガイドレーザとしては、出力が数mW程度の
レーザが好ましい。過度に高出力のガイドレーザを用い
るとガイドレーザがセンサを破壊し、低出力のものでは
センサで正確に検出できないからである。例えば、出力
5mW程度のHe−Neレーザを用いるとよい。
【0018】加工レーザと複数のガイドレーザとは、レ
ーザ伝送装置内を反射型光学部品、例えばレーザ伝送ミ
ラーを介して同時に伝送される。本発明では、レーザ伝
送装置内部にガイドレーザの位置変動を検出するセンサ
を設けている。加工レーザ照射中にレーザ伝送ミラーの
位置・角度が振動等によって変動して加工レーザ伝送経
路に変動が生じた場合、平行に伝送されているガイドレ
ーザにも同様の位置変動が生じる。
【0019】センサは、ガイドレーザの伝送される光路
上、レーザ伝送ミラーの出射側に設ける。レーザ伝送ミ
ラーの出射側に出射側ミラーを設け、この出射側ミラー
とセンサとを一体にしてもよい。またセンサには、フォ
トダイオード等の光電変換素子からなる2次元イメージ
センサ、あるいはCCDカメラ等を用いる。センサは、
ガイドレーザの位置を検出して、その位置を位置信号と
して出力する。また、本発明ではガイドレーザを複数用
いているが、センサは各ガイドレーザの位置変動を各々
独立して検出できるように配置する。また、各ガイドレ
ーザの位置変動を検出する位置は、加工レーザ光軸と垂
直な平面上にあることが望ましい。
【0020】レーザ伝送ミラー表面で加工レーザのエネ
ルギーが1〜2%吸収され、ミラー表面は図2のシミュ
レーション結果が示すように熱変形する。その結果、加
工レーザの反射方向は熱変形の影響を受けないものの、
加工レーザの外側で反射されるガイドレーザはこの影響
を受ける。具体的には、反射ガイドレーザは反射加工レ
ーザに対して発散角を持つようになる。したがって、セ
ンサが検出するガイドレーザの位置はこの発散角により
加工レーザからずれており、ガイドレーザの位置から直
接的に加工レーザの位置を知ることはできない。
【0021】そこで本発明は、複数のガイドレーザを用
いて、各ガイドレーザの光路に生じたずれをセンサによ
り検出し、当該ずれ間でミラーの変形による影響を補償
して高出力レーザの光路に生じたずれを算出し、算出し
た高出力レーザの光路のずれを修正するようにした。
【0022】レーザ伝送ミラーの熱変形により各ガイド
レーザは発散するが、図2のシミュレーション結果が示
すように熱変形ミラーの斜面の角度はほぼ一定であり、
その発散角はほぼ等しい。したがって、レーザ光軸に対
して垂直な平面上で各ガイドレーザの位置を検出すれ
ば、各ガイドレーザのミラー熱変形による移動量は均等
である。したがって、2本のガイドレーザがレーザ光軸
に対し対称に配置されている2本の場合にはその中心の
位置を算出すれば、ミラー熱変形による発散角の影響が
相殺され、加工レーザの位置を知ることができる。ま
た、ガイドレーザを3本以上用いる場合には、ガイドレ
ーザ照射点が高出力レーザ照射点に対し対称となるよう
に、または照射面上の高出力レーザ照射点を中心とする
円周上に等間隔となるようにガイドレーザを配置すれば
よい。
【0023】図2において示されているように、熱変形
したミラーによるガイドレーザの移動量はガイドレーザ
の位置により多少変動するが、上述のようにガイドレー
ザのと高出力レーザとを配置すれば、この変動の影響を
排除することもできる。
【0024】センサから出力された各ガイドレーザの位
置信号は、加工レーザ位置算出装置に伝達される。加工
レーザ位置算出装置は、各ガイドレーザの位置信号から
加工レーザの位置を算出し、これを加工レーザ位置信号
として伝送ミラー調整手段に伝達する。伝送ミラー調整
手段は、コントローラ、モータ、ミラー回転および/ま
たは変位機構などからなる。例えば、制御モータにコン
トローラを備えたパルスモータを用いて、加工レーザ位
置信号をコントローラに出力し、加工レーザのずれを算
出させて、これを修正するべく制御モータを制御して、
伝送ミラーを調整するようにしてもよい。尚、伝送ミラ
ーの調整とは、ミラー角度及びミラー位置の少なくとも
一つを変更させることをいう。
【0025】また、レーザ伝送装置の出側に出射側ミラ
ーを設ける場合には、出射側ミラーの位置をモニターす
る手段を設けて、上述と同様の手順により、出射側ミラ
ーの位置に応じて伝送ミラーの調整を行うようにしても
よい。
【0026】
【実施例】図4に示すように配置した装置により、図2
及び図3に示したシミュレーション結果の検証実験を行
った。
【0027】[実験1]直径300mm、ミラー背面冷却
水温度30℃、表面に金蒸着を施したレーザ伝送ミラー
に、径90mmの45kWCO2 レーザと、CO2 レーザ光
軸と100mmの間隔を持たせたCO2 レーザと平行な出
力2mWのHeNeレーザとを同時に照射し、反射させ
た。ミラーの位置・角度に変動は与えなかったが、ミラ
ー熱変形の影響を受けたHeNeレーザはミラーで反射
してから35m 伝送後、11mmレーザ光軸と反対の方向
にずれており、この値は図2及び図3に示したシミュレ
ーション結果からの予測値によく一致する。
【0028】[実験2]図5(a)及び(b)に示すよ
うにCO2 レーザとHeNeレーザを配置して、レーザ
伝送ミラーに照射し、反射させた。CO2 レーザ、He
Neレーザ、レーザ伝送ミラーは実験1で使用したもの
と同様である。図5(a)に示すように2本のHeNe
レーザを配置した場合の35m 伝送後に各ガイドレーザ
に生じた変動を表1に、図5(b)に示すように4本の
HeNeレーザを配置した場合の変動を表2に示す。ど
ちらの場合も、ミラーの位置・角度に変動を与えなかっ
たにも関わらず各ガイドレーザは大きく変動している
が、本発明の方法にしたがってガイドレーザの幾何学的
重心の位置を算出すれば、その位置はほとんど変動せず
ミラー熱変形の影響を受けていないことがわかる。
【表1】
【表2】
【0029】図6は、本発明を用いたレーザ加工装置の
一例を示す模式的に示す斜視図である。レーザ加工装置
は、主として、レーザ供給源1、レーザ伝送ミラー群1
1〜16、親台車31、子台車41、加工ヘッド23、
光センサユニット51、制御装置53、ミラー姿勢調整
機構61よりなっている。また、図中Wは被加工物を、
Lは加工レーザの光軸を、Gはガイドレーザの光軸をそ
れぞれ示している。
【0030】被加工物Wは矢印方向に連続的に移動して
おり、これと同期して親台車31が親台車レール33上
を移動する。子台車41は親台車31上に設けられた子
台車レール43上を被加工物の幅方向に移動する。親台
車31の移動距離は最長30m 、子台車41の移動距離
は最長2m である。
【0031】レーザ供給源1から出射された加工レーザ
は、第1伝送ミラー11、親台車31上に設けた第2伝
送ミラー12、子台車41上に設けた第3伝送ミラー1
3、第4伝送ミラー14、第5伝送ミラー15、及び第
6伝送ミラー16により伝送されて、パラボリックミラ
ー21により集光され、加工ヘッド23から被加工物W
の加工点に照射される。
【0032】この装置では、レーザ供給源1から加工レ
ーザと同時に、光軸Gが加工レーザの光軸Lと平行なガ
イドレーザを4本出射し、第1伝送ミラー(レーザ伝送
可動ミラー)11により伝送させる。この4本のガイド
レーザの位置を第2伝送ミラー12の手前に設けた4台
の光センサユニット51により検出して各ガイドレーザ
の位置信号を制御装置53に出力する。制御装置53か
らの制御信号によりミラー姿勢調整機構61で第1伝送
ミラー11の位置・角度を調整する。
【0033】図7は、図6に示したレーザ加工装置で用
いられるレーザ供給源1を示した側面図である。このレ
ーザ供給源1は、加工レーザ発振器2、第1ミラー3、
コリメーションミラー4、ミラーシャッタ5、第2ミラ
ー6、4台のガイドレーザ発振器8、及びガイドレーザ
反射ミラー9からなっている。加工レーザ発振器2は出
力45kWの連続波CO2 レーザ発振器であり、その出力
するレーザビームの径は100mm、ビーム自体の発散角
は1〜2mradである。ガイドレーザ発振器8は出力5mW
のHeNeレーザ発振器で、ビームの径10mm、ビーム
自体の発散角は0.1mradである。
【0034】このレーザ供給源1は、加工レーザを第1
ミラー3、コリメーションミラー4、第2ミラー6を介
して伝送し、レーザ加工装置へ供給する。その際に、第
2ミラー6の出側に設けたガイドレーザ反射ミラー9に
より、ガイドレーザ発振器8から出力された4本のガイ
ドレーザを、その光軸Gを加工レーザの光軸Lと平行に
なるようにして、加工レーザとともにレーザ加工装置へ
供給する。ガイドレーザ光軸Gは正方形に配置されてお
り、その幾何学的重心に加工レーザ光軸Lが配置されて
いる。ガイドレーザの光軸Gと加工レーザの光軸Lとの
間隔は80mmである。なお、ミラーシャッタ5は、加工
中断時にコリメーションミラー4と第2ミラー6との間
で加工レーザを遮断する。
【0035】図8は、図6に示したレーザ加工装置で用
いられる光センサユニット51を示した側面図である。
この光センサユニット51は、複数のフォトダイオード
を平面的に配列したエリアセンサ(2次元イメージセン
サ)であり、ガイドレーザの光路(X軸)上に垂直に配
置される。ガイドレーザのスポットをエリアセンサで検
出した映像信号をパルス信号に変換し、パルスの位相に
基づいてガイドレーザの光軸の水平(Y軸)方向及び垂
直(Z)方向位置を把握する。
【0036】この実施例の装置では、第2伝送ミラー1
2と光センサユニット51とを一体に成形している。こ
のように配置することで、第1伝送ミラー11に生じた
ずれだけでなく、親台車31の振動等により生じる第2
伝送ミラー12の位置等のずれも光センサユニット51
により検出でき、第1伝送ミラー11の調整によりこの
ずれを修正することができる。
【0037】図9は、光センサユニット51が出力した
電気信号を処理して第1伝送ミラー11の姿勢を調整す
る制御装置53及びミラー姿勢調整機構61の構成図で
ある。光センサユニット51からの各ガイドレーザ位置
の信号は、増幅器54、サンプルホールド回路55を経
て加工レーザ位置算出装置52に出力される。第1伝送
ミラー11の姿勢制御による自励振動を防止するため
に、サンプルホールド回路55のタイミングは親台車3
1の移動速度に応じて設定する。上記タイミングは、親
台車の移動速度や制御系の特性によっては0.1〜0.
5sec に固定することもできる。
【0038】加工レーザ位置算出装置52は、各ガイド
レーザ光軸Gのずれを水平方向と垂直方向のそれぞれに
ついて演算し、その値からガイドレーザ光軸Gの幾何学
的重心の位置に生じた水平方向及び垂直方向のずれを算
出してモータコントローラ56に位置信号として出力す
る。そして、モータコントローラ56は、このずれの値
を加工レーザに生じているずれとみなして、第1パルス
モータ63及び第2パルスモータ72に制御信号を出力
する。この際、第2伝送ミラー12の位置データと親台
車31の移動速度データとをメインコントローラ57を
介してモータコントローラ56に導入して位置信号に修
正を加える。モータコントローラ56は修正した位置信
号に応じて第1パルスモータ63と第2パルスモータ7
2を駆動して第1伝送ミラー11の姿勢調整を行い、加
工レーザ光軸のずれが修正される。
【0039】図9に示すように、ミラー調整機構61は
固定枠62、第1回転枠71、及び第2回転枠81を備
えている。第1回転枠71及び第2回転枠81は、基準
状態で固定枠62と平行になるように設定されている。
固定枠62には、第1パルスモータ63で駆動される水
平位置調整ねじ軸64が取り付けられており、軸先端部
は第1回転枠71にピン連結66されている。水平方向
(紙面に対し垂直方向)に間隔をおいて、固定枠62と
第1回転枠71との間に第1コイルばね68が取り付け
られている。第1回転枠71は、固定枠62に支持され
た第1支軸79の回りに回転可能である。また、第1回
転枠71には、第2パルスモータで駆動される垂直位置
調整ねじ軸73が取り付けられており、軸先端部は第2
回転枠81にピン連結75されている。垂直方向に間隔
をおいて、第1回転枠71と第2回転枠81との間に第
2コイルばね77が取り付けられている。第2回転枠8
1は、第1伝送ミラー11が固定されており、第1回転
枠71に支持された第2支軸83の回りに回転可能であ
る。モータコントローラ56からの制御信号で第1パル
スモータ63及び第2パルスモータ72が駆動される
と、水平位置調整ねじ軸64及び垂直位置調整ねじ軸7
3がそれぞれ出入し、ガイドビームの位置に応じて第1
回転枠71及び第2回転枠81がそれぞれ回転して加工
ビームの光軸位置を修正する。
【0040】なお、以上伝送ミラーの角度を調整する場
合について説明したが、伝送ミラーの位置を調整する場
合も同様に、加工レーザの位置を調整できる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、加工レーザのエネルギ
ー吸収によりレーザ伝送ミラーに熱変形が生じても、伝
送後の加工レーザの位置を正確に把握してこれを制御す
ることができるので、高出力の加工レーザを用いて正確
な加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラー表面の熱変形を模式的に示す図面であ
る。
【図2】ミラー表面の熱変形をシミュレーションした結
果を示すグラフである。
【図3】図2に示したように熱変形したミラー表面で反
射されたガイドレーザが、35m伝送後に正規の伝送位
置からどれだけずれるかを示すグラフである。
【図4】ミラー表面の熱変形によるガイドレーザの移動
量を求める実験装置の構成図である。
【図5】実験2におけるガイドレーザの配置を示す図面
である。(a)はガイドレーザを2本用いた場合を、
(b)はガイドレーザを4本用いた場合を示す。
【図6】本発明を用いたレーザ加工装置の一例を模式的
に示す斜視図である。
【図7】レーザ供給装置を示した側面図である。
【図8】伝送ミラーと光センサユニットとを示す側面図
である。
【図9】伝送ミラーの制御装置及びミラー姿勢調整機構
の構成図である。
【符号の説明】
1レーザ供給源 2 加工レーザ発振器 3 第1ミラー 4 コリメーションミラー 5 ミラーシャッタ 6 第2ミラー 8 ガイドレーザ発振器 9 ガイドレーザ反射ミラー 11 第1伝送ミラー 12 第2伝送ミラー 13 第3伝送ミラー 14 第4伝送ミラー 15 第5伝送ミラー 16 第6伝送ミラー 21 パラボリックミラー 23 加工ヘッド 31 親台車 33 親台車レール 41 子台車 43 子台車レール 51 光センサユニット 53 制御装置 54 増幅器 55 サンプルホールド回路 56 モータコントローラ 61 ミラー姿勢調整機構 62 固定枠 63 第1パルスモータ 64 水平位置調整ねじ軸 68 コイルばね 71 第1回転枠 72 第2パルスモータ 73 垂直位置調整ねじ軸 77 コイルばね 81 第2回転枠 L 加工レーザ光軸 G ガイドレーザ光軸 W 被加工物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 基 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 南田 勝宏 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭56−114390(JP,A) 実開 昭63−135314(JP,U) 実開 昭61−143779(JP,U) 実公 昭59−27990(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/04 B23K 26/00 B23K 26/06 G02B 26/08 H01S 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高出力レーザをミラーで所定の位置に伝
    送する方法において、高出力レーザを伝送すると同時に
    高出力レーザと光軸が平行で、かつ照射点が高出力レー
    ザに対し対称となるように、あるいは照射点が高出力レ
    ーザ照射点を中心とする円周上に等間隔となるように、
    ガイドレーザを複数本伝送し、前記高出力レーザと複数
    本のガイドレーザとをレーザ伝送ミラーで伝送するとと
    もに、伝送した各ガイドレーザの光路に生じたずれをセ
    ンサにより検出し、高出力レーザの照射面に形成される
    複数のガイドレーザ照射点の幾何学的重心位置偏差を算
    出し、その結果に基づいて前記レーザ伝送ミラーの角度
    および位置の少なくとも一つを調整することを特徴とす
    る高出力レーザ伝送方法。
  2. 【請求項2】 高出力レーザ発振器と、照射点が高出力
    レーザに対し対称となるように、あるいは照射点が高出
    力レーザ照射点を中心とする円周上に等間隔となるよう
    に配した複数のガイドレーザ発振器と、角度および位置
    の少なくとも一つが調整可能な、前記高出力レーザと複
    数のガイドレーザを同時に伝送するためのレーザ伝送可
    動ミラーと、レーザ伝送可動ミラーの出射側にあって高
    出力レーザと光軸を平行にして伝送される各ガイドレー
    ザの位置を検出するセンサと、センサからの各ガイドレ
    ーザの位置信号に基づいて高出力レーザの光軸に垂直な
    照射面に形成される複数のガイドレーザ照射点の幾何学
    的重心位置を算出し、複数のガイドレーザ照射点の幾何
    学的重心位置に基づき高出力レーザの位置を算出する信
    号処理装置と、信号処理装置からの高出力レーザの位置
    信号に応じてレーザ伝送可動ミラーを調整するミラー調
    整手段とを備えたことを特徴とする高出力レーザ伝送装
    置。
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