JP2000084688A - レーザー溶接方法 - Google Patents

レーザー溶接方法

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JP2000084688A JP10253594A JP25359498A JP2000084688A JP 2000084688 A JP2000084688 A JP 2000084688A JP 10253594 A JP10253594 A JP 10253594A JP 25359498 A JP25359498 A JP 25359498A JP 2000084688 A JP2000084688 A JP 2000084688A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接中に溶接用レーザーの焦点の位置が所定
位置からずれたことを容易に検知することができるレー
ザー溶接方法を提供する。 【解決手段】 溶接用レーザー発振器1から発振される
溶接用レーザー10の光路を媒体5、6によって被溶接
物8へ誘導して溶接を行うレーザー溶接方法において、
測定用レーザー20を発振受光し測定用レーザーの光路
の距離を測定可能なレーザー距離計2を、測定用レーザ
ー20が媒体5、6に誘導されて被溶接物8を照射する
位置に配置し、レーザー溶接時にレーザー距離計2によ
って測定用レーザー20の光路の距離を測定し、測定し
た距離の変化から、溶接用レーザー10の焦点の所定位
置からのずれを検知する、レーザー溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー溶接方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CO2 レーザー溶接では、放物面
鏡などでレーザ−が集光され、光路が変更されて、レー
ザーの焦点が被溶接物にほぼ一致する位置にレーザーが
照射され、被溶接物の溶接が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、被溶接物が大
型部品であると、レーザーの照射時間が長くなるので、
レーザーの熱によって放物面鏡が膨張し焦点距離が変化
する熱レンズ現象が生じることが知られている。焦点が
被溶接物から大きくずれると、被溶接物に照射されるレ
ーザーのエネルギ密度が低下し、溶接品質が低下する。
したがって、溶接時に焦点位置が検知されることが望ま
れる。本発明の目的は、溶接中に溶接用レーザーの焦点
の位置が所定位置からずれたことを容易に検知すること
ができるレーザー溶接方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、つぎのとおりである。 (1) 溶接用レーザー発振器から発振される溶接用レ
ーザーの光路を媒体によって被溶接物へ誘導して溶接を
行うレーザー溶接方法において、測定用レーザーを発振
受光し測定用レーザーの光路の距離を測定可能なレーザ
ー距離計を、前記測定用レーザーが前記媒体と同じ媒体
に誘導されて前記被溶接物を照射する位置に配置し、レ
ーザー溶接時に前記レーザー距離計によって測定用レー
ザーの光路の距離を測定し、測定した距離の変化から、
前記溶接用レーザーの焦点の所定位置からのずれを検知
する、レーザー溶接方法。 (2) 溶接用レーザー発振器から発振される溶接用レ
ーザーの光路を媒体によって被溶接物へ誘導して溶接を
行うレーザー溶接方法において、測定用レーザーを発振
受光し測定用レーザーの光路の距離を測定可能なレーザ
ー距離計を、前記測定用レーザーが前記媒体と同じ媒体
に誘導されて前記被溶接物を照射する位置に配置し、レ
ーザー溶接時に前記レーザー距離計によって測定用レー
ザーの光路の距離を測定し、測定した距離の変化から、
前記溶接用レーザーの焦点の所定位置からのずれを検知
し、焦点が所定位置になるまで被溶接物もしくは媒体の
配置を変え溶接を行う、レーザー溶接方法。
【0005】上記(1)のレーザー溶接方法では、測定
用レーザーを発振し受光するレーザー距離計によって、
溶接用レーザーが誘導される媒体と同じ媒体に誘導され
て被溶接物を照射する測定用レーザーの光路の距離が測
定される。距離の変化があった場合は、溶接用レーザー
の焦点が所定位置からずれたことを示すので、レーザー
距離計によって測定される距離の変化から溶接用レーザ
ーの焦点の所定位置からのずれを容易に検知することが
できる。上記(2)のレーザー溶接方法では、測定用レ
ーザーを発振し受光するレーザー距離計によって、溶接
用レーザーが誘導される媒体と同じ媒体に誘導されて被
溶接物を照射する測定用レーザーの光路の距離が測定さ
れ、距離の変化から、溶接用レーザーの焦点の所定位置
からのずれが検知された場合に、焦点が所定位置になる
まで被溶接物もしくは媒体の配置を変えて溶接を行うの
で、溶接時間が長い場合でも、安定した品質の溶接を行
うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例のレーザー溶
接方法を実施可能なレーザー溶接設備の概要を示す。
【0007】まず、本発明実施例のレーザー溶接方法を
実施可能なレーザー溶接設備の概要を、図1を参照し
て、説明する。本発明実施例では、CO2 レーザー溶接
を例にとって説明するが、YAGレーザー溶接にも適用
できる。本発明実施例のレーザー溶接方法を実施可能な
レーザー溶接設備は、溶接用レーザーを発振する溶接用
レーザー発振器1と、溶接用レーザーと異なる波長の第
1の測定用レーザー20を発振し受光する第1のレーザ
ー距離計(第1の測定用レーザー発振器受光器)2と、
光路管4と、溶接用レーザー発振器1から発振される溶
接用レーザーを被溶接物8へ誘導する媒体となる集光系
5と反射鏡6と、を有する。また、溶接用レーザーと異
なる波長の第2の測定用レーザー30を発振し受光する
第2のレーザー距離計(第2の測定用レーザー発振器受
光器)3が配置されていてもよい。
【0008】溶接用レーザー発振器1から発振された溶
接用レーザー10は、集光系5によって集光され、反射
鏡6によって光路を変更されて、被溶接物8に照射され
る。溶接用レーザーの焦点位置は、媒体の配置(位置・
角度)を調整することによって任意の位置(所定位置)
に設定できる。本発明実施例では、溶接用レーザー10
の焦点位置は、被溶接物8にほぼ一致する位置とされ
る。したがって、溶接開始直後、溶接用レーザー10の
焦点は、被溶接物8にほぼ一致している。
【0009】第1のレーザー距離計2は、第1の測定用
レーザー20が、溶接用レーザー10が誘導される媒体
5、6と同じ媒体5、6に誘導されて被溶接物8を照射
するように配置される。第1の測定用レーザー20の焦
点と被溶接物8は溶接開始直後は一致している。第1の
レーザー距離計2から発振された第1の測定用レーザー
20は、溶接用レーザー発振器1から発振される溶接用
レーザー10の光路の途中の、溶接用レーザー発振器1
と集光系5との間に配置されたハーフミラー7に当た
り、溶接用レーザー10と同一光路もしくは平行な光路
になるように光路が変更される。
【0010】第1のレーザー距離計2から発振され被溶
接物8に照射された第1の測定用レーザー20は、一部
が反射して第1のレーザー距離計2に受光される。な
お、第1の測定用レーザー20の発振位置と受光位置が
同じ場合は焦点位置が被溶接物に一致した状態を示し、
第1の測定用レーザー20の発振位置と受光位置が異な
る場合は焦点位置が被溶接物からずれている状態を示
す。
【0011】第1のレーザー距離計2が発振し受光する
第1の測定用レーザー20の光路の距離は、溶接開始直
後から溶接が行われている間、第1のレーザー距離計2
によって測定可能とされている。溶接開始直後の第1の
レーザー距離計2によって測定される測定値と、溶接中
に測定された測定値が同じ場合は、焦点位置は溶接開始
直後から変わっていないことを示す。また、溶接開始直
後の第1のレーザー距離計2によって測定される測定値
に対して、溶接中に測定された測定値の値が異なる場合
には、焦点が溶接開始直後の位置からずれていることを
示す。第1のレーザー距離計2から発振される第1の測
定用レーザー20は、溶接用レーザー10と同じ媒体
5、6を通っているので、第1の測定用レーザー20の
焦点が溶接開始直後の位置からずれている場合は、溶接
用レーザー10の焦点が所定位置からずれていることを
示す。したがって、第1のレーザー距離計2の測定値の
変化は、溶接用レーザー10の光路の焦点が所定位置か
らずれていることを示し、第1のレーザー距離計2の測
定値の変化から、溶接用レーザー10の焦点の所定位置
からのずれが検知される。
【0012】第2のレーザー距離計3は、第2の測定用
レーザー30が集光系5を通らずに、被溶接物8に照射
されるように配置される。なお、第2の測定用レーザー
30の焦点位置は被溶接物8と一致している。第2のレ
ーザー距離計3から発振され被溶接物8に照射された第
2の測定用レーザー30は、一部が反射して第2のレー
ザー距離計3に受光され、第2のレーザー距離計3によ
って、第2の測定用レーザー30の光路の距離が測定さ
れる。
【0013】レーザーを集光するための集光系5には、
凸レンズ、放物面鏡、球面鏡などが1枚もしくは複数枚
用いられる。反射鏡6には平面鏡が用いられる。
【0014】つぎに、上記レーザー溶接設備を用いて実
施される、本発明実施例のレーザー溶接を行う方法を、
図1を参照して、説明する。溶接用レーザー発振器1か
ら発振された溶接用レーザー10が、ハーフミラー7を
通過し、集光系5に集光され、反射鏡6で光路を変更さ
れ、被溶接物8に照射されることにより、被溶接物8の
溶接が行われる。溶接開始直後は、溶接用レーザー10
の焦点は被溶接物8にほぼ一致する所定位置にある。溶
接開始と同時に、第1のレーザー距離計2から第1の測
定用レーザー20が発振される。第1の測定用レーザー
20は、ハーフミラー7によって溶接用レーザー10に
対して平行な光路に変更され、集光系5によって集光さ
れ、反射鏡6で光路を変更され、被溶接物8に照射さ
れ、一部が反射して第1のレーザー距離計2に受光され
る。そして、第1のレーザー距離計2によって、第1の
測定用レーザー20の光路の距離が測定される。第1の
レーザー距離計2による測定は、溶接が行われている
間、実施される。溶接開始後、第1のレーザー距離計2
の測定値が溶接開始直後の測定値と比較して、異なった
値を示し始める。これは、レーザーが長時間照射される
ことによって、集光系5に歪みが生じ(熱レンズ現
象)、第1の測定用レーザー20の焦点位置が変わった
ためである。したがって、第1のレーザー距離計2の測
定値の変化から、溶接用レーザー10の焦点位置が所定
位置からずれたことが容易に検知される。
【0015】溶接開始と同時に、第2のレーザー距離計
3から第2の測定用レーザー30を発振してもよい。第
2のレーザー距離計3から発振される第2の測定用レー
ザー30は、集光系5を通らないことから熱レンズ現象
の影響を受けない。そのため、第2のレーザー距離計3
によって発振され受光される第2の測定用レーザー30
の光路の距離は溶接開始直後から溶接が行われている
間、常に一定である。したがって、第2のレーザー距離
計3によって測定される測定値と、第1のレーザー距離
計2によって測定される測定値との差を常時測定するこ
とにより、焦点の所定位置からのずれと、集光系5の熱
レンズ現象による集光系5の歪みの程度が容易にわか
る。
【0016】焦点位置のずれが検知されたあと、焦点位
置のずれ量に応じて、集光系5や反射鏡6もしくは被溶
接物8を移動させ、焦点位置を溶接開始直後の所定位置
に戻すことにより、高品質の溶接を維持することができ
る。
【0017】
【発明の効果】本発明の請求項1のレーザー溶接方法に
よれば、レーザー距離計によって測定される測定用レー
ザーの光路の距離の変化から、溶接用レーザーの焦点が
所定位置からずれていることを容易に検知できる。本発
明の請求項2のレーザー溶接方法によれば、レーザー距
離計によって測定される測定用レーザーの光路の距離の
変化から、溶接用レーザーの焦点が所定位置からずれて
いることが検知された場合に、焦点が所定位置とされる
まで被溶接物もしくは媒体の配置を変え、溶接を行うの
で、長時間連続して溶接を行っても安定した溶接品質が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のレーザー溶接方法を実施するた
めに使用されるレーザー溶接設備の概要を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 溶接用レーザー発振器 2 レーザー距離計(第1のレーザー距離計) 5 媒体(集光系) 6 媒体(反射鏡) 8 被溶接物 10 溶接用レーザー 20 測定用レーザー(第1の測定用レーザー)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接用レーザー発振器から発振される溶
    接用レーザーの光路を媒体によって被溶接物へ誘導して
    溶接を行うレーザー溶接方法において、測定用レーザー
    を発振受光し測定用レーザーの光路の距離を測定可能な
    レーザー距離計を、前記測定用レーザーが前記媒体と同
    じ媒体に誘導されて前記被溶接物を照射する位置に配置
    し、レーザー溶接時に前記レーザー距離計によって測定
    用レーザーの光路の距離を測定し、測定した距離の変化
    から、前記溶接用レーザーの焦点の所定位置からのずれ
    を検知する、レーザー溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接用レーザー発振器から発振される溶
    接用レーザーの光路を媒体によって被溶接物へ誘導して
    溶接を行うレーザー溶接方法において、測定用レーザー
    を発振受光し測定用レーザーの光路の距離を測定可能な
    レーザー距離計を、前記測定用レーザーが前記媒体と同
    じ媒体に誘導されて前記被溶接物を照射する位置に配置
    し、レーザー溶接時に前記レーザー距離計によって測定
    用レーザーの光路の距離を測定し、測定した距離の変化
    から、前記溶接用レーザーの焦点の所定位置からのずれ
    を検知し、焦点が所定位置になるまで被溶接物もしくは
    媒体の配置を変え溶接を行う、レーザー溶接方法。
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