JP7126220B2 - レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置に関するものである。
従来より、溶接部の溶け込み深さを直接測定することで、溶接部の品質を評価するようにしたレーザ溶接装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、レーザ光と測定光とを同軸上に重ね合わせて溶接部のキーホール内部に照射して、キーホールの底部で反射した測定光を、ビームスプリッタを介して光干渉計に入射させるようにした構成が開示されている。ここで、光干渉計では、測定光の光路長を測定できるため、測定した光路長からキーホールの深さを、溶接部の溶け込み深さとして特定するようにしている。
特開2012-236196号公報
しかしながら、例えば、ビームスプリッタが熱、振動、またはその経時変化等によって歪んでしまい、レーザ光と測定光との光軸ずれが生じた場合には、キーホールの深さを正確に特定することができなくなるおそれがある。
具体的に、キーホールの底部の断面は、溶接方向の前方の部分で溶け込みが浅い湾曲形状となっている。ここで、レーザ光よりも溶接方向の前方に測定光が光軸ずれした場合には、キーホールの最深部ではなく、最深部よりも溶け込みの浅い湾曲部分に測定光が照射されることとなる。そのため、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さが測定されてしまうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができるようにすることにある。
本開示の態様は、レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接を行うレーザ溶接方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の態様は、前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射するステップと、
前記レーザ溶接中に前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定するステップと、
測定された複数の測定値の相対比較により、前記レーザ光に対して前記測定光が光軸ずれした光軸ずれ方向を判定するステップと、
前記測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動するように補正するステップとを備えたことを特徴とするものである。
第1の態様では、測定された複数の測定値を相対比較して光軸ずれ方向を判定する。そして、測定光の照射位置を、レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動させている。
これにより、レーザ光に対する測定光の光軸ずれを補正して、溶接部の溶け込み深さを精度良く特定することができる。
具体的に、レーザ光よりも溶接方向の前方に測定光が光軸ずれした場合には、溶接部のキーホールの最深部ではなく、最深部よりも溶け込みの浅い部分に測定光が照射されてしまい、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さが測定されてしまう。
そこで、レーザ光に対してどの方向に測定光が光軸ずれしているのかを確認して、測定光の照射位置を、レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動させ、レーザ光と測定光とを略同軸に重ね合わせるようにする。
このように、レーザ光と測定光とが略同軸となるように調整することで、レーザ溶接中に実際に測定された測定値が、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さとなるのを抑えることができる。
ここで、所定の領域内とは、例えば、レーザ光の光軸を中心とする半径20~30μmの円形状の領域内とすればよい。
第2の態様は、第1の態様において、
前記測定光の照射位置を補正するステップでは、該測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸中心よりも溶接方向の後方に移動するように補正することを特徴とするものである。
第2の態様では、測定光の照射位置を、レーザ光の光軸中心よりも溶接方向の後方に移動させている。
これにより、レーザ溶接中に実際に測定された測定値が、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さとなるのを抑えることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記測定光の照射位置を補正するステップでは、該測定光の光路上に配置された平行平板を回転させることによって、該測定光の照射位置を補正することを特徴とするものである。
第3の態様では、平行平板を回転させることで、測定光の光軸ずれを補正する方向に、測定光の照射位置を補正することができる。また、複数枚の平行平板を用いれば、合計板厚が同じとなる1枚の平行平板を用いた場合に比べて、最大の補正量は同じであるが、複数枚の平行平板のそれぞれの回転の組合せにより微細な位置調整が可能となる。
第4の態様は、第1乃至第3の態様のうち何れか1つにおいて、
前記レーザ溶接中に、前記測定光の照射位置を、所定の溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整するステップを備えたことを特徴とするものである。
第4の態様では、測定光の照射位置を、溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整している。
これにより、例えば、測定光とともにレーザ光を旋回移動させながら照射すれば、レーザ光を広範囲に照射することができる。
第5の態様は、レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接を行うレーザ溶接装置を対象とし、
前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射する照射部と、
前記レーザ溶接中に前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定する測定部と、
測定された複数の測定値の相対比較により、前記レーザ光に対して前記測定光が光軸ずれした光軸ずれ方向を判定する判定部と、
前記測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動するように補正する照射位置補正部とを備えたことを特徴とするものである。
第5の態様では、測定された複数の測定値を相対比較して光軸ずれ方向を判定する。そして、測定光の照射位置を、レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動させている。
これにより、レーザ光に対する測定光の光軸ずれを補正して、溶接部の溶け込み深さを精度良く特定することができる。
第6の態様は、第5の態様において、
前記レーザ溶接中に、前記測定光の照射位置を、所定の溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整する照射位置調整部を備えたことを特徴とするものである。
第6の態様では、測定光の照射位置を、溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整している。
これにより、例えば、測定光とともにレーザ光を旋回移動させながら照射すれば、レーザ光を広範囲に照射することができる。
本開示の態様によれば、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができる。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置の模式図である。 図2は、レーザ照射ヘッドの構成を示す模式図である。 図3は、レーザ光、測定光、キーホールの位置関係を示す側面断面図である。 図4は、測定光の光軸ずれが生じたときのレーザ光、測定光、キーホールの位置関係を示す側面断面図である。 図5は、光軸ずれが生じていない場合と、光軸ずれが生じている場合とで、溶け込み深さの測定結果を比較したグラフ図である。 図6は、レーザ光に対する測定光の光軸ずれの方向を特定するための手順を示す図である。 図7は、レーザ光及び測定光を円軌道で移動させたときの位置と、その位置で測定された溶け込み深さとの関係を示すグラフ図である。 図8Aは、光学部材を透過したレーザ光の位置変化量を示す図である。 図8Bは、光学部材を透過した測定光の位置変化量を示す図である。 図8Cは、レーザ光及び測定光の位置変化量の差を示す図である。 図9は、2枚の平行平板で光軸ずれを補正した状態を示す図である。 図10は、レーザ光に対する測定光の光軸ずれを補正した状態を示す図である。 図11は、レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に測定光を移動させた状態を示す図である。 図12は、レーザ光の光軸中心よりも溶接方向の後方に測定光を移動させた状態を示す図である。の側面断面図である。 図13は、溶接部の溶け込み深さの測定動作を示すフローチャート図である。 図14は、本実施形態2に係るレーザ照射ヘッドの構成を示す模式図である。 図15は、レーザ光をスピン軌道で溶接対象物に照射したときの溶接部の側面断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、レーザ溶接装置10は、レーザ光Lを出力するレーザ発振器11と、測定光Sを出力する光干渉計12と、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に向けて照射するレーザ照射ヘッド20(照射部)と、レーザ照射ヘッド20が取り付けられてレーザ照射ヘッド20を移動させるロボット18と、レーザ照射ヘッド20やロボット18の動作を制御してレーザ溶接を行う制御装置16とを備えている。
レーザ発振器11は、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ光Lを出力する。レーザ発振器11とレーザ照射ヘッド20とは、光ファイバ19で接続されている。レーザ光Lは、光ファイバ19を介して、レーザ発振器11からレーザ照射ヘッド20に伝送される。
光干渉計12は、レーザ光Lとは波長の異なる測定光Sを出力する測定光発振器13と、後述する溶接部35の溶け込み深さを測定する測定部14とを有する。測定光発振器13は、制御装置16からの指令に基づいて、測定光Sを出力する。光干渉計12とレーザ照射ヘッド20とは、光ファイバ19で接続されている。測定光Sは、光ファイバ19を介して、光干渉計12からレーザ照射ヘッド20に伝送される。
レーザ照射ヘッド20は、ロボット18のアーム先端部分に取り付けられており、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30で結像する。
ロボット18は、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ照射ヘッド20を指定された位置まで移動させ、レーザ光L及び測定光Sを走査する。
制御装置16は、レーザ発振器11、光干渉計12、ロボット18と接続されており、レーザ照射ヘッド20の移動速度の他に、レーザ光Lの出力開始や停止、レーザ光Lの出力強度などを制御する機能も備えている。詳しくは後述するが、制御装置16は、測定部14で測定された複数の測定値に基づいて、溶接部35の溶け込み深さを判定する判定部17を有する。
溶接対象物30は、上下に重ね合わされた上側金属板31と下側金属板32とを有する。レーザ溶接装置10は、上側金属板31の上面にレーザ光Lを照射することで、上側金属板31と下側金属板32とを溶接する。
ここで、本実施形態に係るレーザ溶接装置10では、レーザ溶接と同時に溶接部35の溶け込み深さの測定を行うことができるようになっている。
具体的に、図2に示すように、レーザ照射ヘッド20は、レーザ光Lと測定光Sとを同軸の光束に結合するビームスプリッタ25と、レーザ光L及び測定光Sが透過するコリメートレンズ21及びフォーカスレンズ22と、第1の平行平板26と、第2の平行平板27とを有する。
ビームスプリッタ25は、ダイクロイックミラーであり、レーザ発振器11からのレーザ光Lを透過し、光干渉計12からの測定光Sを反射するように、透過・反射させる波長が設定されている。
このとき、ビームスプリッタ25で、レーザ光Lと測定光Sとを十分に分離するために、レーザ光Lと測定光Sとの波長差を100nm以上とすることが望ましい。また、本実施形態では、レーザ光Lのスポット径を700~800μm、測定光Sのスポット径を100μmとしている。
第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、図示しないモータに接続され、制御装置16からの指令に従って回転する。
レーザ発振器11から出力されたレーザ光Lは、光ファイバ19を通ってレーザ照射ヘッド20に送られる。レーザ照射ヘッド20に入ったレーザ光Lは、ビームスプリッタ25を透過する。
一方、光干渉計12から出力された測定光Sは、光ファイバ19を通ってレーザ照射ヘッド20に送られる。レーザ照射ヘッド20に入った測定光Sは、ビームスプリッタ25によって、レーザ光Lと同心・同軸上に重ね合わされる。同軸に重ね合わされたレーザ光Lと測定光Sとは、コリメートレンズ21によって平行化され、フォーカスレンズ22によって集光される。
フォーカスレンズ22で集光されたレーザ光L及び測定光Sは、制御装置16によって制御された第1の平行平板26及び第2の平行平板27を通ることによって、レーザ光L及び測定光Sの照射位置(焦点距離)が決定され、溶接対象物30の溶接部35にレーザ光L及び測定光が照射される。
このとき、レーザ照射ヘッド20は、第1の平行平板26及び第2の平行平板27を回転させることにより、レーザ光Lと測定光Sとが円軌道となるように回転させて移動させることができる。つまり、第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を変更可能な照射位置補正部を構成している。
また、ロボット18によって、レーザ照射ヘッド20を移動させることで、溶接対象物30における溶接領域において、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させることができる。
図3に示すように、レーザ溶接装置10では、上側金属板31と下側金属板32とを有する溶接対象物30の溶接部35を溶接するにあたり、溶接対象物30の上方から上側金属板31の上面にレーザ光Lが照射される。
レーザ光Lの照射された溶接部35は、その上部から溶融し、溶接部35に溶融池36が形成される。溶接部35が溶融する際に、溶融池36から溶融金属が蒸発し、蒸発時に生じる蒸気の圧力によってキーホール37が形成される。ここでは、溶融池36とキーホール37とを合わせて溶接部35として扱う。溶融池36の溶接方向の後方には、溶融池36が凝固することで凝固部38が形成される。
このとき、光干渉計12から出射される測定光Sが、ビームスプリッタ25により、レーザ発振器11からのレーザ光Lと同心・同軸上に重ね合わされ、キーホール37の内部に照射される。照射された測定光Sは、キーホール37の底部37aで反射し、ビームスプリッタ25を介して、光干渉計12に入射する。
光干渉計12に入射した測定光Sの光路長は、測定部14で測定される。測定部14では、測定した光路長からキーホール37の深さを、溶接部35の溶け込み深さとして特定する。レーザ溶接装置10では、特定した溶け込み深さに基づいて、溶接部35の良否を判断するようにしている。
以上の構成により、レーザ溶接装置10は、溶け込み深さ測定機能と、レーザ溶接機能とを同時に行うことを可能とする。
ところで、例えば、ビームスプリッタ25が熱、振動、またはその経時変化等によって歪んでしまい、レーザ光Lと測定光Sとの光軸ずれが生じることがある。そして、レーザ光Lと測定光Sとの光軸ずれが生じた場合には、光干渉計12が、キーホール37の深さを実際の深さよりも浅く測定してしまい、溶け込み深さを精度良く測定することができない場合がある。
具体的に、キーホール37は、溶接部35で溶融した金属が蒸発し、蒸発時の蒸気の圧力によって形成される。形成されるキーホール37の形状は、レーザ光Lの照射時間や溶融池36の状態によって変化する。
ここで、キーホール37の溶接方向の前方の内壁部は、レーザ照射ヘッド20の移動速度(溶接速度)が速くなるほど、キーホール37の後方に向かって湾曲した形状となる傾向を示す。そこで、キーホール37の底部37aの湾曲部分の曲率を低減するために、レーザ溶接速度を適切に設定するのが好ましい。
しかしながら、レーザ溶接速度を適切に設定したとしても、キーホール37の開口径と底部37aの孔径とを略等しくするのは困難であり、キーホール37の溶接方向の前方の内壁部では、溶け込みが浅い湾曲形状が生じてしまうこととなる。
そのため、図4の仮想線で示すように、測定光Sが、レーザ光Lに対して溶接方向の前方に光軸ずれした場合には、キーホール37の底部37aの位置と、測定光Sのスポットの中心の位置とが一致しなくなり、測定光Sが底部37aに照射されない状態が生じ得る。
底部37aに測定光Sが照射されない状態、例えば、測定光Sが、レーザ光Lに対して溶接方向の前方に光軸ずれして、キーホール37の前側の内壁部に測定光Sが照射された状態では、測定光Sの反射した位置を底部37aの位置として、光干渉計12は、キーホール37の深さを測定する。
つまり、底部37aに測定光Sが照射されなければ、光干渉計12は、キーホール37の深さを実際の深さよりも浅く測定してしまう。図4に示す例では、キーホール37の実際の深さDminよりも浅い深さDを測定することとなる。このように、実際の深さよりも浅く測定したキーホール37の深さからは、精度良く溶接部35の検査を行うことはできない。
以下、光軸ずれが生じていない場合と、光軸ずれが生じている場合とで、溶接部35の溶け込み深さ、つまり、キーホール37の深さの測定値がどのように変化するのかについて説明する。
図4に示す例では、上側金属板31の板厚が1mm、下側金属板32の板厚が4.3mmであり、測定光Sの光軸が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の前方に100μmずれているものとする。
図5は、溶接対象物30の表面又は基準となる仮想の面からの、溶接部35の溶け込み深さとして、キーホール37の深さを測定したときのグラフ図である。図5に示すように、光軸ずれが生じている方向に移動させながら溶け込み深さを測定した場合には、キーホール37の深さの測定値が3mm付近を推移している。これに対し、光軸ずれが生じていない場合には、キーホール37の深さの測定値が4mm付近を推移している。
なお、測定値が浅くなるのは、測定光Sがレーザ光Lに対して溶接方向の前方に光軸ずれしている場合なので、例えば、レーザ光Lの溶接方向の後方向や左右方向に測定光Sが光軸ずれしている場合は、キーホール37の深さの測定値が4mm付近を推移することとなる。
〈光軸ずれ方向の判定方法〉
そこで、本実施形態では、レーザ光Lに対してどの方向に測定光Sが光軸ずれしているのかを確認するために、レーザ溶接装置10の起動時などに、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を円軌道で移動させながらレーザ溶接を行うようにした。
図6に示すように、レーザ溶接装置10は、溶接対象物30に対して、図6に中心線で示すような円形状の溶接経路に沿ってレーザ溶接を行う。以下、例えば、円形状の溶接経路における図6の下部位置を判定の開始位置としての基点の0°位置として、レーザ照射ヘッド20自体を、図6のX点を中心として所定の半径(例えば、50~70mm)で、時計回り方向としての溶接方向に円軌道の軌跡で移動させながらレーザ溶接を行うものとする。また、図6に示す例では、測定光Sが、レーザ光Lに対して右斜め前45°方向に光軸ずれしているものとする。
まず、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を、円形状の溶接経路に沿って時計回り方向に移動させながらレーザ溶接を行う。このとき、基点の0°位置をスタートしてから再び0°位置に戻ってくるまでの間、溶接部35の溶け込み深さを測定する。
そして、判定部17において、レーザ溶接中に測定された複数の測定値を相対比較することにより、測定光Sの光軸ずれ方向を判定する。
具体的に、レーザ光L及び測定光Sが、円形状の溶接経路の0°位置から90°位置に向かって移動している間は、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の後方に位置している。そのため、図7に示すように、溶接経路の0°位置から90°位置の区間では、溶接部35の溶け込み深さは略一定の値で推移している。
次に、レーザ光L及び測定光Sが、溶接経路の90°位置から180°位置に向かって移動している間は、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の前方に位置している。そのため、図7に示すように、溶接経路の90°位置から180°位置の区間では、溶接部35の溶け込み深さは、0°位置から90°位置の区間よりも小さな値が測定されている。
また、レーザ光L及び測定光Sが、溶接経路の180°位置から270°位置に向かって移動している間と、270°位置から360°位置(0°位置)に向かって移動している間は、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の後方に位置している。そのため、図7に示すように、溶接経路の0°位置から90°位置の区間では、溶接部35の溶け込み深さは略一定の値で推移している。
ここで、図7のグラフ図を見ると、レーザ光L及び測定光Sが、溶接経路の135°位置付近を移動する際に、最も小さな値が測定されている。このことから、溶接経路の135°位置を通過する際に、レーザ光Lの光軸に対して溶接方向の前方となる方向、つまり、測定光Sが、レーザ光Lに対して右斜め前45°方向に光軸ずれしていることが分かる。
このように、レーザ溶接装置10の起動時などで、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれの方向が分からない場合でも、測定された複数の測定値を相対比較することで、レーザ光Lに対して測定光Sが相対的に光軸ずれしている光軸ずれ方向を判定することができる。
〈光軸ずれの補正方法〉
そして、このような光軸ずれ方向の判定を行った後、実際にレーザ溶接を開始する前に、測定光Sの光軸がレーザ光Lの光軸と略同軸となるように補正するようにしている。
以下、測定光Sの光軸ずれを補正するための補正方法について、図8A~図8Cを用いて説明する。図8A及び図8Bに示すように、レーザ光Lと測定光Sとは、波長が異なっており、本実施形態では、レーザ光Lの波長λ1を975nm、測定光Sの波長λ2を1300nmとしている。
以下の説明では、板厚t/2の第1の平行平板26及び第2の平行平板27を重ね合わせ、説明し易いように、レーザ光L及び測定光Sが透過する平行平板の合計板厚tとする計算上の部材を、光学部材28と呼ぶ。この場合は、第1の平行平板26と第2の平行平板27との厚みの合計が合計板厚tであり、平行平板の合計板厚により最大補正量が決定される。
ここで、レーザ光L及び測定光Sが光学部材28を透過すると、空気の屈折率n(=1)と、光学部材28の屈折率n1,n2との違いにより、屈折角φ1’,φ2’が生じる。そして、この屈折角φ1’,φ2’に応じて、位置変化量d1,d2が変化する。
ここで、屈折率n1,n2は、光の波長に依存するため、レーザ光L及び測定光Sの波長差によって、屈折角φ1’,φ2’に変化が生じる。これに伴い、図8Cに示すように、レーザ光L及び測定光Sの光軸ずれ量d1-d2が生じる。
以下、光軸ずれ量d1,d2の求め方について説明する。図8Aに示すように、レーザ光Lの波長λ1が975nmのとき、光学部材28の屈折率n1が1.451となっている。なお、屈折率n1は、光学部材28の材質によって異なるが、本実施形態では、例えば、合成石英の屈折率で算出している。また、光学部材28へのレーザ光Lの入射角φ1を45°とする。また、計算上の合計板厚tとしての光学部材28の厚さtを40mmとしている。
ここで、スネルの法則より、下記(1)式が得られる。
n・sinφ1=n1・sinφ1’ ・・・(1)
そして、(1)式より、屈折角φ1’=29.1648[°]が算出される。
また、位置変化量d1は、下記(2)式で算出することができる。
d1=t・sinφ1・(1-cosφ1/(n1・cosφ1’)) ・・・(2)
そして、(1)式で算出した屈折角φ1’と、(2)式とに基づいて、位置変化量d1=12.4995[mm]が算出される。
次に、図8Bに示すように、測定光Sの波長λ2が1300nmのとき、光学部材28の屈折率n2が1.447となっている。なお、屈折率n2は、光学部材28の材質によって異なるが、本実施形態では、例えば、合成石英の屈折率で算出している。また、光学部材28へのレーザ光Lの入射角φ2を45°とする。また、計算上の合計板厚tとしての光学部材28の厚さtを40mmとする。
ここで、スネルの法則より、下記(3)式が得られる。
n・sinφ2=n2・sinφ2’ ・・・(3)
そして、(3)式より、屈折角φ2’=29.2533[°]が算出される。
また、位置変化量d2は、下記(4)式で算出することができる。
d2=t・sinφ2・(1-cosφ2/(n2・cosφ2’)) ・・・(4)
そして、(3)式で算出した屈折角φ2’と、(4)式に基づいて、位置変化量d2=12.4422[mm]が算出される。
次に、図8Cに示すように、レーザ光L及び測定光Sを同軸に重ね合わせた状態で光学部材28を透過させると、先ほど算出したように、光軸ずれが発生する。このときの光軸ずれ量d1-d2は、57.3μmとなる。
このように、レーザ光L及び測定光Sの波長差によって、光学部材28を透過した際に、57.3μmの光軸ずれが生じることとなる。そこで、本実施形態では、このような光学部材28による位置変化量を敢えて活用することで、特定された光軸ずれ方向に対して補正を行うようにしている。
具体的に、図9に示すように、第1の平行平板26と第2の平行平板27とを回転させ、特定された光軸ずれ方向とは逆方向に、波長差による光軸ずれが生じるように調整する。これにより、図10にも示すように、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸中心に向かって移動するように変化して、レーザ光Lと測定光Sとが略同軸となるように補正される。
このようにすれば、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれを補正して、溶接部35の溶け込み深さを精度良く特定することができる。
なお、図10に示す例では、測定光Sの光軸がレーザ光Lの光軸と略同軸となるように補正するようにしたが、この形態に限定するものではない。
例えば、図11に示すように、測定光Sの照射位置としての測定光Sの光軸を、レーザ光Lの光軸を中心とする所定の領域40内(図11にハッチングで示す領域)に移動するように補正してもよい。なお、図11に示す例では、ハッチングで示す領域40の大きさを誇張して測定光Sのスポット径よりも相対的に大きく描いているが、実際には、測定光Sのスポット径が100μmであるのに対し、半径20~30μm程度の円形状の領域40である。
これにより、測定光Sの光軸がレーザ光Lの光軸に対して多少ずれていたとしても、所定の領域40内に測定光Sの光軸が位置していれば、測定値のばらつきを抑えることができる。
また、例えば、図12に示すように、測定光Sの照射位置を、レーザ光Lのスポット径におけるレーザ光Lの光軸中心よりも溶接方向の後方の領域41に移動するように補正してもよい。つまり、レーザ光Lに対して測定光Sが溶接方向の前方に位置している場合にのみ、測定値が小さく測定されてしまうため、溶接方向の後方の領域41に位置させることで、測定値のばらつきを抑えることができる。
以下、溶接部35の溶け込み深さの測定動作について、図13のフローチャート図を用いて説明する。図13に示すように、まず、ステップS101では、レーザ照射ヘッド20においてレーザ光Lと測定光Sとを同軸に重ね合わせて溶接部35に照射し、ステップS102に進む。
ステップS102では、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を、円形状の溶接経路に沿って移動させながら、溶接部35で反射した測定光Sに基づいて溶接部35の溶け込み深さを測定し、ステップS103に進む。
ステップS103では、判定部17において、円形状の溶接経路に沿って移動させながら測定した複数の測定値を相対比較して、測定値にばらつきがあるかを判定する。ステップS103での判定が「YES」の場合には、ステップS104に分岐する。ステップS103での判定が「NO」の場合には、ステップS105に分岐する。
ステップS104では、複数の測定値のうち、最も小さな測定値が測定された方向に基づいて、レーザ光Lに対して測定光Sが光軸ずれした光軸ずれ方向を判定し、ステップS106に進む。
ステップS105では、光軸ずれが生じていないと判定し、処理を終了する。
ステップS106では、第1の平行平板26及び第2の平行平板27を回転させ、特定された光軸ずれ方向とは逆方向に、レーザ光Lと測定光Sとの波長差による光軸ずれが生じるように調整することで光軸ずれを補正して、処理を終了する。
これにより、レーザ光Lに対して測定光Sが光軸ずれしていた場合でも、第1の平行平板26及び第2の平行平板27によって光軸ずれを補正して、溶接部35の溶け込み深さを精度良く特定することができる。
《実施形態2》
図14は、本実施形態2に係るレーザ照射ヘッドの構成を示す模式図である。以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
図14に示すように、レーザ照射ヘッド20は、レーザ光Lと測定光Sとを同軸の光束に結合するビームスプリッタ25と、レーザ光L及び測定光Sが透過するコリメートレンズ21及びフォーカスレンズ22と、第1の平行平板26と、第2の平行平板27と、第3の平行平板29とを有する。
第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、レーザ光Lと測定光Sとが円軌道となるように回転させ、旋回移動(スピン軌道)させるために用いられる。つまり、第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を変更可能な照射位置調整部を構成している。
なお、第1の平行平板26及び第2の平行平板27の回転を調整することで、スピン軌道の他にも、円形状、楕円形状、四角形状などの様々な軌道で溶接を行うことができる。
第3の平行平板29は、前記実施形態1において説明したように、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれを補正するために用いられる。
レーザ溶接装置10は、溶接対象物30に対して、螺旋状にレーザ光L及び測定光Sを照射しながら溶接方向に相対的にビームスポットを移動させるスピン軌道でレーザ光L及び測定光Sを照射して、溶接対象物30を溶接する。このときに、第3の平行平板29を回転させ、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれ補正を行う。
なお、スピン軌道とは、照射するレーザ光L及び測定光Sによるスポットを円形状の軌道で移動させながら溶接方向に移動させるレーザ光L及び測定光Sの軌道であり、言い換えると、溶接方向において、レーザ光L及び測定光Sの軌跡が回転しながら相対的に直線移動されている軌道である。
ところで、レーザ光Lのスピン軌道のスピン径が大きい(例えば、φ0.3mm以上)場合には、図15に示すように、溶接部35の溶け込み深さにばらつきが生じて、溶接部35の底部の断面形状が、振幅の大きな波目状となることがある。
具体的に、レーザ光Lのスピン軌道のスピン径が小さければ、入熱エリアが狭いため、溶接部35の溶け込み深さの深い部分と浅い部分との差が小さく、溶接部35の底部の断面形状が、振幅の小さな波目状となる。
これに対し、レーザ光Lのスピン軌道のスピン径が大きいほど、入熱エリアが広がり、溶接部35の溶け込み深さは全体的に浅くなる傾向にある。そして、入熱エリアが広いほど、高入熱エリアや低入熱エリアが拡大され、溶接部35の溶け込み深さの深い部分と浅い部分とが拡大されることとなる。そして、溶け込み深さの浅い部分では、溶接強度が不足するおそれがあるため、溶け込み深さを精度良く測定する必要がある。
ここで、本実施形態2では、第1の平行平板26及び第2の平行平板27を用いて、レーザ光Lをスピン軌道で照射するとともに、第3の平行平板29を用いてレーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれを補正するようにしている。
このように、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれを根本的に無くす又は減らすことで、レーザ光Lに対する測定光Sの光軸ずれが生じていない状況下で、レーザ光Lのスピン軌道の全領域で溶接部35の溶け込み深さの測定を実施することができる。
これにより、溶接部35の溶け込み深さの深い部分と浅い部分との両方を、高精度に測定することが可能となる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、光軸ずれ方向を判定するために、円形状の溶接経路に沿ってレーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させながらレーザ溶接を行うようにしたが、この形態に限定するものではない。例えば、四角形状やその他の多角形状の溶接経路に沿って移動させてもよい。また、レーザ光L及び測定光Sの照射位置の移動方向は、時計回りであっても良いし、反時計回りであっても良い。
また、本実施形態では、平行平板等の光学部品を用いたレーザ照射ヘッド20やロボット18によって、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させているが、螺旋状の軌跡を通るようにレーザ照射位置を変更できれば、レーザ光Lを走査させるためのガルバノスキャナなどの光学装置を用いてもよい。
また、本実施形態では、複数の測定値のうち最も小さな測定値が測定された方向を、光軸ずれ方向と判定するようにしたが、これに限定するものではない。例えば、複数の測定値と所定の基準値とを比較して、基準値よりも小さな測定値が測定された方向を光軸ずれ方向と判定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1の平行平板26及び第2の平行平板27の2枚を用いて、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させているが、例えば、複数枚の平行平板の組合せではなく、複数枚の平行平板の板厚の計算上の合計板厚が同じとなる1枚の平行平板を用いて、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させるようにしてもよい。
また、本実施形態2では、第1の平行平板26及び第2の平行平板27をスピン軌道のために用い、第3の平行平板29を光軸ずれ補正のために用いるようにしたが、第1の平行平板26、第2の平行平板27、及び第3の平行平板29を3枚とも、光軸ずれ補正のために用いれば、合計板厚が同じとなる1枚や2枚の平行平板を用いた場合に比べて、最大の補正量は同じであるが、3枚以上の複数枚の平行平板のそれぞれの回転の組合せにより、さらに微細な分解能での位置調整が可能となる。
また、本実施形態2では、第3の平行平板29を、第1の平行平板26及び第2の平行平板27と同軸に並べて配置しているが、測定光Sの光路上であれば、どの位置でも構わない。例えば、ビームスプリッタ25の手前側、つまり、ビームスプリッタ25と光干渉計12との間に配置しても構わない。
以上説明したように、本発明は、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 レーザ溶接装置
14 測定部
17 判定部
20 レーザ照射ヘッド(照射部)
26 第1の平行平板(照射位置補正部、照射位置調整部)
27 第2の平行平板(照射位置補正部、照射位置調整部)
29 第3の平行平板(照射位置補正部)
35 溶接部
40 領域
41 領域
L レーザ光
S 測定光

Claims (6)

  1. レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接を行うレーザ溶接方法であって、
    前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射するステップと、
    前記レーザ溶接中に前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定するステップと、
    測定された複数の測定値の相対比較により、前記レーザ光に対して前記測定光が光軸ずれした光軸ずれ方向を判定するステップと、
    前記測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動するように補正するステップとを備えたことを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 請求項1において、
    前記測定光の照射位置を補正するステップでは、該測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸中心よりも溶接方向の後方に移動するように補正することを特徴とするレーザ溶接方法。
  3. 請求項1又は2において、
    前記測定光の照射位置を補正するステップでは、該測定光の光路上に配置された平行平板を回転させることによって、該測定光の照射位置を補正することを特徴とするレーザ溶接方法。
  4. 請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
    前記レーザ溶接中に、前記測定光の照射位置を、所定の溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整するステップを備えたことを特徴とするレーザ溶接方法。
  5. レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接を行うレーザ溶接装置であって、
    前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射する照射部と、
    前記レーザ溶接中に前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定する測定部と、
    測定された複数の測定値の相対比較により、前記レーザ光に対して前記測定光が光軸ずれした光軸ずれ方向を判定する判定部と、
    前記測定光の照射位置を、前記レーザ光の光軸を中心とする所定の領域内に移動するように補正する照射位置補正部とを備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。
  6. 請求項5において、
    前記レーザ溶接中に、前記測定光の照射位置を、所定の溶接経路上を移動する回転中心周りに移動するように調整する照射位置調整部を備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。
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