JP3300876B2 - 回路装置 - Google Patents

回路装置

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JP3300876B2
JP3300876B2 JP8135496A JP8135496A JP3300876B2 JP 3300876 B2 JP3300876 B2 JP 3300876B2 JP 8135496 A JP8135496 A JP 8135496A JP 8135496 A JP8135496 A JP 8135496A JP 3300876 B2 JP3300876 B2 JP 3300876B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、直流電源からの
直流電圧をスイッチング素子のオン・オフ駆動によって
昇圧して所要の直流電圧に変換する昇圧手段を備えた回
路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の回路装置として、車
輌用放電灯の点灯回路がある。この車輌用放電灯の点灯
回路では、直流電源(車載バッテリ)からの直流電圧を
スイッチング素子のオン・オフ駆動によって昇圧して所
要の直流電圧に変換し、この直流電圧を矩形波状の交流
電圧に変換し、この交流電圧に始動用パルスを重畳させ
て放電灯を点灯させるようにしている。図7はこの車輌
用放電灯の点灯回路の要部を示し、同図において、1は
車載バッテリ、2はDC−DCコンバータ、3はDC−
ACインバータ、4は制御回路、5はスタータ回路、6
は放電灯(バルブ)、R1,R2,R3は抵抗である。
【0003】この車輌用放電灯の点灯回路において、D
C−DCコンバータ2は、コイルL1と電界効果トラン
ジスタ(FET)Q1とダイオードD1とコンデンサC
1とにより構成され、車載バッテリ1からのバッテリ電
圧をFET・Q1のオン・オフ駆動によって昇圧して所
要の直流電圧に変換し、この直流電圧をDC−ACイン
バータ3へ供給する。DC−DCコンバータ2での昇圧
動作、すなわちFET・Q1のオン・オフ駆動は、制御
回路4によって制御される。
【0004】制御回路4は、抵抗R1とR2との接続点
に生じる電圧をDC−DCコンバータ2の出力電圧Vと
して、また抵抗R3の両端に生じる電圧をDC−DCコ
ンバータ2の出力電流Iとして検出する。制御回路4に
はPWM回路4−1が設けられている。PWM回路4−
1は、検出された出力電圧Vおよび出力電流Iに基づい
て、FET・Q1のオン・オフ駆動を制御する。
【0005】すなわち、PWM回路4−1は、一定の駆
動周波数でFET・Q1をオンする一方、このオンした
FET・Q1をオフするタイミング、すなわちデューテ
ィ比を出力電圧Vおよび出力電流Iに基づいて制御す
る。例えば、放電灯6の点灯を開始する場合には、瞬時
点灯させるべく、デューティ比を大として、大きな出力
電圧Vおよび出力電流Iとする。また、放電灯6を点灯
させた後は、放電灯6の性質に応じ、所定の出力電圧V
および出力電流Iとなるようにデューティ比を制御す
る。
【0006】図8(a)にデューティ比を例えば50%
とした場合のFET・Q1のオン・オフ状況を示し、図
8(b)にデューティ比を50%よりも小さくした場合
のFET・Q1のオン・オフ状況を示す。この場合、F
ET・Q1のオン周期、すなわち駆動周波数は一定であ
り、例えば190kHzとされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車輌用放電灯の点灯回路によると、FET・
Q1をオン・オフ駆動する際の駆動周波数が一定(19
0kHz)であり、この駆動周波数の高調波(380kH
z,570kHz,760kHz,・・・・)とラジオ放送
波の周波数が近接していると、干渉によりラジオからビ
ート音(「ヒュー」音)が出るという問題があった。図
9に駆動周波数が190kHz一定である場合の放射電界
強度を示す。同図において、横軸は周波数、縦軸はノイ
ズの大きさである。この図からも分かるように、190
kHzの高調波で大きなノイズが発生しており、このノイ
ズがラジオ放送波に干渉を及ぼし、ビート音(ビートノ
イズ)を発生させる。
【0008】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、ビートノイ
ズの発生を抑制することのできる回路装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、直流電
源からの直流電圧をスイッチング素子のオン・オフ駆動
によって昇圧して所要の直流電圧に変換するDC−DC
コンバータを備え、このDC−DCコンバータによって
昇圧された直流電圧を矩形波状の交流電圧に変換し、こ
の交流電圧に始動用パルスを重畳させて放電灯を点灯さ
せる回路装置において、DC−DCコンバータの出力電
圧および出力電流の少なくとも1つに基づいて点灯初期
には過電力を供給し定常時には一定電力を供給するよう
にDC−DCコンバータのスイッチング素子をオン・オ
フ駆動する際のデューティ比を制御するPWM回路と、
このPWM回路によってスイッチング素子をオン・オフ
駆動する際の駆動周波数を所定の周波数の間で常に変調
する変調回路とを設けたものである。この発明によれ
ば、スイッチング素子をオン・オフ駆動する際の駆動周
波数に常に変調がかけられ、駆動周波数が一定となら
ず、所定の周波数の間で常に変化する。
【0010】
【0011】
【0012】第2発明(請求項2に係る発明)は、第1
発明において、駆動周波数を変調する際の変調周波数を
数Hz〜数百Hzとしたものである。この発明によれば、駆
動周波数がゆっくり変化し、同じ駆動周波数の繰り返し
が少なくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。図1はこの発明に係る車輌用放電灯
の点灯回路の要部を示す図である。同図において、図7
と同一符号は同一、或いは同等構成要素を示す。
【0014】この実施の形態において、制御回路7は、
PWM回路7−1と、出力電力制御回路7−2と、変調
回路7−3とを備えている。PWM回路7−1は、オシ
レータOSCを有し、このオシレータOSCに対して抵
抗RT とコンデンサCT とによるCR回路が外付けされ
ている。
【0015】図2はオシレータOSCの内部構成を示す
図である。オシレータOSCは、フリップフロップFF
1とコンパレータCP1,CP2とFET・Q2とを備
え、抵抗RT とコンデンサCT との接続点PaにFET
Q2のドレインが接続されている。また、コンパレー
タCP1の反転入力とコンパレータCP2の非反転入力
とがFET・Q2のドレインに接続され、コンパレータ
CP1の非反転入力に0.2Vの電圧が、コンパレータ
CP2の反転入力に2.5Vの電圧が印加されている。
そして、コンパレータCP1の出力がフリップフロップ
FF1のリセット端子に接続され、コンパレータCP2
の出力がフリップフロップFF1のセット端子に接続さ
れ、フリップフロップFF1のQ出力がFET・Q2の
ゲートに接続されている。
【0016】変調回路7−3は、コンパレータCP3と
抵抗Rxと抵抗R4〜R7とコンデンサC2とを備え、
抵抗T とコンデンサCT との接続点Paに抵抗Rxの
一端が接続されている。そして、抵抗Rxの他端にコン
デンサC2が接続され、抵抗RxとコンデンサC2との
接続点PbがコンパレータCP3の反転入力に接続され
ている。コンパレータCP3の非反転入力には抵抗R4
と抵抗R7との接続点Pcが接続されており、コンパレ
ータCP3の出力は抵抗R5を介して接続点Pcに、ま
た抵抗R6を介して接続点Pbに接続されている。
【0017】この車輌用放電灯の点灯回路において、出
力電力制御回路7−2は、抵抗R1とR2との接続点に
生じる電圧をDC−DCコンバータ2の出力電圧Vとし
て検出し、また抵抗R3の両端に生じる電圧をDC−D
Cコンバータ2の出力電流Iとして検出し、この検出さ
れる出力電圧Vおよび出力電流Iに基づいて、DC−D
Cコンバータ2の出力電力を点灯初期は過電力になるよ
うに、また定常時には出力電力を一定に保つべく、PW
M回路7−1へ制御指令を送る。
【0018】PWM回路7−1は、出力電力制御回路7
−2からの制御指令に応じ、FET・Q1をオン・オフ
駆動する際のデューティ比を調整する。ここで、FET
・Q1をオン・オフ駆動する際の駆動周波数は、オシレ
ータOSCの発振周波数によって定まる。すなわち、抵
抗RT とコンデンサCT との接続点Paに生じる信号波
形の周波数によって定まる。
【0019】図3に変調回路7−3を設けない場合の接
続点Paに生じる信号波形を示す。この場合、オシレー
タOSCにおいてFET・Q2は、0.2V以下でオフ
となり、2.5V以上でオンになる。したがって、接続
点Paに生じる信号波形は図3に示すような鋸波とな
り、その周波数は一定となる。この実施の形態では19
0kHz一定となる。
【0020】図4(a)に変調回路7−3を設けた場合
の接続点Paに生じる信号波形を示す。この場合、変調
回路7−3において接続点Pb,Pc,Pdの電位は同
図(b),(c),(d)に示すように変化し、抵抗R
xを介してコンデンサCT への充電電流が変化すること
によって、接続点Paに生じる信号波形の周波数が変化
する。すなわち、接続点Pbに生じる三角波を信号波と
して、接続点Paに生じる信号波形が滑らかに周波数変
調される。
【0021】この実施の形態では、変調回路7−3にお
ける回路定数の設定によって、接続点Paに生じる信号
波形の周波数、すなわちオシレータOSCの発振周波数
が、175kHzを中心値として±25kHzの幅で変化す
る。これにより、FET・Q1をオン・オフ駆動する際
の駆動周波数が、150kHz〜200kHzの間で常に変
化する。
【0022】図5(a)にデューティ比を例えば50%
とした場合のFET・Q1のオン・オフ状況を示し、図
8(b)にデューティ比を50%よりも小さくした場合
のFET・Q1のオン・オフ状況を示す。この場合、F
ET・Q1のオン周期、すなわち駆動周波数は150k
Hz〜200kHzの間で常に変化する。なお、この場合、
デューティ比の調整は従来と同様にして行われる。
【0023】図6に駆動周波数を150kHz〜200k
Hzの間で常に変化させた場合(駆動周波数に変調をかけ
た場合)の放射電界強度を示す。同図において、横軸は
周波数、縦軸はノイズの大きさである。この図からも分
かるように、従来(図9)においては190kHzの高調
波で大きなノイズが発生していたが、駆動周波数に変調
をかけることによりノイズの発生が大きく抑制されてい
る。これにより、FET・Q1をオン・オフ駆動する際
のノイズがラジオ放送波に及ぼす影響が小さくなり、ビ
ートノイズの発生を抑制することができる。また、駆動
周波数が一定周波数に安定しないので、定常的にラジオ
放送波と干渉しないようになり、これによってもビート
ノイズの発生を抑制することができる。
【0024】発明者の実験では、AMラジオの場合、駆
動周波数の変調幅を±9kHz以上とすることが望ましい
ことが分かった。また、変調周波数は、数Hz〜数百Hzと
することが望ましいことが分かった。変調周波数を数Hz
〜数百Hzとすることにより、駆動周波数がゆっくり変化
し、同じ駆動周波数の繰り返しが少なくなり、ラジオ放
送波との干渉がさらに少なくなる。
【0025】なお、上述では、輌用放電灯の点灯回路を
例にとって説明したが、輌用放電灯の点灯回路以外の回
路装置についても同様にして適用することができる。す
なわち、直流電源からの直流電圧をスイッチング素子の
オン・オフ駆動によって昇圧して所要の直流電圧に昇圧
手段を備えた回路装置であれば、どのような回路装置に
も適用できる。
【0026】また、この実施の形態では、干渉を及ぼす
相手側をラジオ放送波としたが、同様の構成によって各
種の電波に対してビートノイズの発生を抑制することが
可能である。また、この実施の形態では、DC−DCコ
ンバータの出力電圧Vと出力電流Iの両方に基づいてP
WM回路7−1への制御指令を作るようにしたが、出力
電圧Vあるいは出力電流Iの何れか一方に基づいてPW
M回路7−1への制御指令を作るようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、スイッチング素子をオン・オフ駆動する
際の駆動周波数を所定の周波数の間で常に変調するよう
にしたので、駆動周波数が一定とならず、所定の周波数
の間で常に変化するものとなり、各種の電波に対してビ
ートノイズの発生を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車輌用放電灯の点灯回路の要部
を示す図である。
【図2】 オシレータの内部構成を示す図である。
【図3】 変調回路を設けない場合の接続点Paに生じ
る信号波形を示す図である。
【図4】 変調回路の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図5】 図1におけるFET・Q1のオン・オフ状況
を例示する図である。
【図6】 駆動周波数に変調(150kHz〜200kH
z)をかけた場合の放射電界強度を示す図である。
【図7】 従来の車輌用放電灯の点灯回路の要部を示す
図である。
【図8】 図7におけるFET・Q1のオン・オフ状況
を例示する図である。
【図9】 駆動周波数が190kHz一定である場合の放
射電界強度を示す図である。
【符号の説明】
1…車載バッテリ、2…DC−DCコンバータ、Q1…
FET、3…DC−ACインバータ、5…スタータ回
路、6…放電灯(バルブ)、7…制御回路、7−1…P
WM回路、OSC…オシレータ、7−2…出力電力制御
回路、7−3…変調回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−220397(JP,A) 特開 昭61−55895(JP,A) 特開 昭61−55897(JP,A) 特開 平5−326181(JP,A) 特開 平2−299197(JP,A) 特開 平7−302687(JP,A) 特開 平6−275391(JP,A) 特開 平6−243975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 41/14 - 41/298

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源からの直流電圧をスイッチング
    素子のオン・オフ駆動によって昇圧して所要の直流電圧
    に変換するDC−DCコンバータを備え、このDC−D
    Cコンバータによって昇圧された直流電圧を矩形波状の
    交流電圧に変換し、この交流電圧に始動用パルスを重畳
    させて放電灯を点灯させる回路装置において、 前記DC−DCコンバータの出力電圧および出力電流の
    少なくとも1つに基づいて点灯初期には過電力を供給し
    定常時には一定電力を供給するように前記DC−DCコ
    ンバータのスイッチング素子をオン・オフ駆動する際の
    デューティ比を制御するPWM回路と、 このPWM回路によって前記スイッチング素子をオン・
    オフ駆動する際の駆動周波数を所定の周波数の間で常に
    変調する変調回路と を備えたことを特徴とする回路装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動周波数を変
    調する際の変調周波数が数Hz〜数百Hzとされていること
    を特徴とする回路装置。
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