JP3300677B2 - 釘打機 - Google Patents

釘打機

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JP3300677B2
JP3300677B2 JP35197198A JP35197198A JP3300677B2 JP 3300677 B2 JP3300677 B2 JP 3300677B2 JP 35197198 A JP35197198 A JP 35197198A JP 35197198 A JP35197198 A JP 35197198A JP 3300677 B2 JP3300677 B2 JP 3300677B2
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trigger
flow path
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air chamber
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登 萩原
聡 讃岐
平八郎 廣田
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Shinko Ind Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力流体を駆動源
とした釘打機に係わり、特に、釘の暴発防止に有効な技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、この種の釘打機の一従来例を示
す縦断面図である。同図中、符号1はトリガー、2は
釘、3はシリンダ、4はピストン、5は空気室、6はバ
イパス流路、7はヘッドバルブ、8はトリガーバルブ、
9はスプリングを示している。この釘打機で釘2を打つ
には、このトリガー1を人差し指で引くことにより、コ
ンプレッサ(図示略)から供給される圧縮空気Aをシリ
ンダ3内に導入し、釘打用のピストン4を駆動させれば
よい。
【0003】すなわち、トリガー1を引く前(図7)
は、空気室5とバイパス流路6とが連通し、コンプレッ
サから空気室5に送り込まれた圧縮空気Aがバイパス流
路6を介してヘッドバルブ7の背面7Aに送り込まれ
る。この状態では、空気室5とヘッドバルブ背面7A側
の圧力が均衡しているため、ヘッドバルブ7は、スプリ
ング9によってシリンダ3の上端に押し付けられ、空気
室5とシリンダ3との連通が遮断される。よって、シリ
ンダ3に圧縮空気Aが導入されず、釘2は射出されな
い。
【0004】この状態で、トリガー1を引くと(図
8)、空気室5とバイパス流路6との連通がトリガーバ
ルブ8により遮断され、ヘッドバルブ背面7Aへの圧縮
空気Aの供給が絶たれるとともに、ヘッドバルブ背面7
Aの空気がバイパス流路6を逆流してトリガーバルブ8
の下開口部から放出されるため、ヘッドバルブ7は、空
気室5の圧力によりスプリング9に抗して上方に移動す
る。
【0005】すると、空気室5とシリンダ3とが連通す
るとともに、ヘッドバルブ7に形成された貫通孔7aを
介して外部にシリンダエアを排気するための通気孔10
が閉じるため、シリンダ3に導入された圧縮空気Aによ
ってピストン4が押し下げられる。これにより、マガジ
ン11から供給されて本体12内に保持された釘2が、
ピストン4に連結されたドライバに叩打され、対象物F
に向けて射出される。
【0006】ところが、このような構成の釘打機では、
他の指とともに人差し指も参加させて釘打機を支える方
が安定的に支えることができるため、瞬間的に人差し指
をトリガー1から離すという動作が行い難いという欠点
がある。したがって、トリガー動作のみによって釘2が
射出される場合は、誤って釘2を暴発させてしまうおそ
れが大きい。
【0007】このため、かかる暴発を防止すべく、フェ
ールセーフ機能を備えた種々の釘打機が開発されてい
る。例えば、図9は、コンタクトアームを備えた釘打機
の縦断面図であり、同図中、符号13はコンタクトアー
ム、14はトリガーを示している。この釘打機では、コ
ンタクトアーム13を床,壁等の対象物Fに押しつけた
状態でなければ、トリガー14を引いても釘2が射出さ
れないようになっている。
【0008】すなわち、トリガー14内に設けられたト
リガーレバー15は、その一端でトリガー14に旋回自
在に軸支されており、コンタクトアーム13を対象物F
に押し付けずにトリガー14を引いても、図10に示す
ように、トリガーレバー15はスプリング(図示略)に
より下方付勢されたトリガーバルブ8を押し上げること
ができない。このため、ヘッドバルブ7が空気室5とシ
リンダ3との連通を遮断した状態が維持され、釘2が射
出されることはない。
【0009】一方、図11に示すように、コンタクトア
ーム13を対象物Fに押しつけた場合には、アームスプ
リング16が縮み、コンタクトアーム13が本体12に
対して上方に相対移動する。すると、トリガーレバー1
5の自由端側が板アーム17によって下方から押し上げ
られ、旋回軸18よりも上方に位置させられるとともに
下方からも支持されてその旋回が規制される。
【0010】従って、この状態でトリガー14を引け
ば、図12に示すように、トリガーバルブ8がトリガー
レバー15によって押し上げられ、空気室5とバイパス
流路6との連通が遮断されるため、空気室5の圧縮空気
Aがシリンダ3に導入される。よって、ピストン4が圧
縮空気Aにより押し下げられ、釘2が射出される(いわ
ゆる、トリガー打ち)。
【0011】また、この釘打機では、トリガー14を予
め引いておき、コンタクトアーム13を対象物Fに押し
つけることによって、釘2を射出させることも可能であ
る(いわゆる、コンタクト打ち)。このコンタクト打ち
は、連続的な釘打作業を容易にし、作業能率を大幅に向
上させることができるため、現場では多用されている。
【0012】いずれの釘打法にしても、この釘打機の場
合には、トリガー14を引くという操作と、コンタクト
アーム13を対象物Fに押しつけるという操作が行われ
なければ、釘2が射出されないため、暴発を有効に防止
することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンタ
クトアーム13を備えた釘打機であっても、次のような
理由から、フェールセーフが有効に機能しない場合があ
った。釘打機はそれだけでもかなりの重さがあるうえ
に、多数の釘2が装填されるため、作業時における総重
量は相当に重くなっている。
【0014】また、上述したように、トリガー14を人
差し指で引いた状態の方が釘打機を支え易く、手にかか
る負担を軽減することができる。さらに、トリガー14
を引いた状態でも、コンタクトアーム13を対象物Fに
押し付けない限り、釘2が射出されない。これらのこと
から、作業現場では、釘打作業を中断しているときであ
っても、トリガー14を引いたままにしていることが多
かった。
【0015】しかし、この状態は、コンタクトアーム1
3が移動しただけで釘2が射出されてしまう状態である
から、仮にコンタクトアーム13が周辺の物体や本人、
さらには周りで作業をしている他人等に不用意に接触す
ることがあれば、作業者の意志に反して釘2が射出され
ることになり、傷害ないしは物損事故を発生させるおそ
れがあった。
【0016】そこで、このような実体に鑑み、より安全
な釘打作業を実現すべく、流体供給・遮断操作装置(以
下、カプラーと称する。)の開発が試みられている(特
開平10−217151号等)。この種のカプラー21
は、例えば図13に示すように構成されており、コンプ
レッサから延びるエアホースと釘打機との間に接続され
る。
【0017】そして、操作レバー22が未操作の状態で
は、スプリング23に付勢された弁体24により、エア
ホースと空気室5とを連通させる流路25が遮断され、
圧縮空気Aの供給が絶たれるため、この状態でトリガー
14を引いても釘2が射出されることはない。
【0018】一方、操作レバー22を図13の破線で示
すように押し下げると、弁体24がスプリング23に抗
して下方移動し、エアホースと空気室5とが流路25を
介して連通するため、空気室5に圧縮空気Aが供給され
る。よって、この状態でトリガー14を引けば、釘2は
対象物Fに向けて射出される。
【0019】このように、コンタクトアーム13を備え
た釘打機にカプラー21を接続した場合には、トリガー
14を引く操作と、コンタクトアーム13を対象物Fに
押し付ける操作と、操作レバー22を押し下げる操作を
行わなければ、釘2が射出されない。このため、たとえ
コンタクト打ちを終えた後にトリガー14を引いたまま
にしていても、コンタクトアーム13が周囲の物体等に
接触しただけでは釘2が射出されず、暴発をさらに効果
的に防止することができる。
【0020】しかしながら、この釘打機では、一方の手
で釘打機を握りつつ他方の手で操作レバー22を操作し
なければならないことから、釘打作業時に両手を必要と
する。このため、一方の手で対象物Fを所定の箇所に位
置決めしたうえで釘2を打つといった作業ができなかっ
たり、はしごに登っての作業にあっては落下の危険性が
あるという不都合があった。
【0021】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、フェールセーフを確
実に機能させつつ、片手での釘打作業を可能にすること
にあり、その趣旨は次の通りである。
【0022】[本発明の趣旨]釘打機および装填された
釘束の重さを片手で保持する場合、把手部の上方は主と
して親指と人差し指の間の部分で、また、把手部の下部
は、人差し指以下の指で握るのが最も安定した状態であ
る。このため、先述した如く、釘打機を作動させるため
の主動作である「トリガーを引く」という行為が人差し
指で行われることにより、これが引かれたままの状態に
なり、結果として不都合が生じやすかった。本発明の着
眼点は、釘打機の支持に直接関与せず、比較的フリーに
動かせる親指を用いて不都合の回避または主動作を行お
うとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】このような趣旨から、上
記課題を解決して上記目的を達成するために、本発明の
釘打機は、本体内に、供給源から供給された圧力流体を
貯留する空気室と、釘打用のピストンを移動自在に収納
するシリンダとを備え、前記空気室から前記シリンダに
導入された圧力流体により前記ピストンを駆動し、前記
本体内に保持された釘を叩打して対象物に打ち込む釘打
機であって、前記圧力流体が前記シリンダに導入される
状態と、導入されない状態とを切り換える切換機構を備
えるとともに、この切換機構は、前記シリンダの圧力流
体導入口を開閉するヘッドバルブと、前記圧力流体導入
口を閉止させる方向に前記ヘッドバルブを付勢する付勢
手段と、前記圧力流体を前記空気室から前記ヘッドバル
ブの背面側へとバイパスさせるバイパス流路と、該バイ
パス流路を開閉するトリガーバルブと、前記本体を握る
手の人差し指により操作されるトリガーと、前記釘の射
出口から突出するように配されたコンタクト部を対象物
に押し付けることで前記本体に対し前記トリガー側に相
対移動させられるコンタクトアームと、前記トリガーが
引かれ且つ前記コンタクトアームが前記トリガー側に移
動した時に前記トリガーバルブを駆動して前記バイパス
流路を開から閉にするトリガーレバーと、前記圧力流体
が前記供給源から前記空気室に供給される状態と供給さ
れない状態とを切り換えるカプラーとを備えてなり、こ
のカプラーは、前記空気室と前記供給源との間に配され
る本体部と、該本体部にバイパスホースおよびリターン
ホースにより連結される操作部とから構成されるととも
に、前記本体部は、前記空気室と前記供給源とを連通さ
せる第1の流路が形成されているとともに、該第1の流
路を開閉する第1の弁体と、該第1の弁体を付勢して前
記第1の流路を閉とすることにより前記圧力流体を前記
バイパスホースを介して前記操作部へとバイパスさせる
第1の付勢手段と、前記操作部から前記リターンホース
を介して戻される圧力流体に付勢されて前記第1の弁体
を駆動する弁体駆動部とを備えてなり、前記操作部は、
前記バイパスホースとリターンホースとを連通させる第
2の流路が形成されているとともに、該第2の流路を開
閉する第2の弁体と、前記第2の流路が閉となるように
前記第2の弁体を付勢する第2の付勢手段と、前記本体
を握る手の親指操作により前記第2の弁体を駆動する弁
体駆動手段とを備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0024】このような構成の釘打機においては、第1
の弁体が何ら駆動されず、第1の流路が閉の状態では、
本体部に供給された圧力流体は、空気室に供給されるこ
となく、バイパスホースを通って操作部へと供給され
る。このとき、第2の弁体も駆動されておらず、第2の
流路が閉の状態であれば、圧力流体の移動はそこで止ま
る。よって、この状態でトリガーバルブが駆動されて
も、シリンダに圧力流体は導入されない。
【0025】他方、親指操作により弁体駆動手段を介し
て第2の弁体が駆動され、第2の流路が開になると、バ
イパスホースを通って本体部から操作部に供給された圧
力流体が、リターンホースを通って本体部に戻される。
すると、この圧力流体により弁体駆動部を介して第1の
弁体が駆動され、第1の流路が開になる。
【0026】このため、供給源から本体部に送り込まれ
た圧力流体は、空気室へと供給される。よって、この状
態でトリガーバルブが駆動されれば、圧力流体はシリン
ダに導入される。
【0027】従って、釘打作業中断時にトリガーを引い
たままの状態でコンタクト部を周辺の物体等に接触させ
ることがあっても、親指操作により弁体駆動手段が駆動
されない限り、圧力流体が空気室に供給されないため、
作業者の意志に反して釘が暴発することはない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。なお、これらの図中、上
述した従来の釘打機と同様の構成部分については、同一
符号を付している。
【0029】図は、本発明の一実施形態に係る釘打機
の一部を断面にした側面図であり、本体12内には、図
示しないコンプレッサ(供給源)で0.5〜0.8MP
aに昇圧された圧縮空気(圧力流体)Aを受け入れる空
気室5が形成され、その左端部には、釘打用のピストン
4を内部に備えたシリンダ3が設けられている。
【0030】このシリンダ3の周りには、空気室5とは
隔絶された状態で余圧室31が形成されており、空気室
5とシリンダ3および余圧室31とシリンダ3とは、そ
れぞれシリンダ3の上端(圧力流体導入口)および下端
で連通している。シリンダ3の上端に対向する空気室5
の内壁面にはヘッドバルブ収納凹部32が形成され、こ
のヘッドバルブ収納凹部32には、ヘッドバルブ7が上
下動可能に挿入されている。
【0031】ヘッドバルブ収納凹部32には、空気室5
から延びるバイパス流路6が連通しており、空気室5の
圧縮空気Aをヘッドバルブ7の背面7Aに供給可能にし
ている。また、ヘッドバルブ収納凹部32内のヘッドバ
ルブ背面7A側には、スプリング9が介装され、ヘッド
バルブ7はシリンダ3の上端を閉止する方向に付勢され
ている。
【0032】空気室5とバルブヘッド背面7Aとをつな
ぐバイパス流路6の開閉は、トリガーバルブ8の上下動
によりなされる。トリガーバルブ8は、下方付勢された
状態で取り付けられており、未使用時には最下端に位置
して空気室5とバイパス流路6とを連通させているが、
付勢力に抗して上方に移動させられると、空気室5とバ
イパス流路6との連通が遮断されるとともに、トリガー
バルブ8の下開口部が開放される。
【0033】トリガーバルブ8の下方には、トリガーレ
バー15を内部に有するトリガー14が設けられてい
る。トリガーレバー15は、その一端がトリガー14の
自由端側(右端側)に軸支されて旋回自在とされてい
る。
【0034】このトリガーレバー15の旋回は、トリガ
ーレバー15の自由端側(左端側)を下方から支持する
板アーム17により拘束可能になっている。すなわち、
板アーム17は、本体12の先端部に設けられたコンタ
クトアーム13の末端部に連結され、コンタクトアーム
13に連動して上方移動した際にトリガーレバー15を
下方から支持する。
【0035】コンタクトアーム13は、対象物Fに押し
付けられるコンタクト部13aと、本体12に設けられ
たコンタクトアームガイド部33を貫通するアーム部1
3bとを備え、アームスプリング16の伸縮により本体
12に対して図の上下方向に相対移動可能とされてい
る。コンタクト部13aは、未使用時に射出口34より
も所定長突出するように位置決めされている。
【0036】アーム部13bの末端部には、調整リング
35がねじ込まれ、これによりコンタクトアーム13の
コンタクトアームガイド部33からの抜け止めがなされ
るとともに、コンタクト部13aの射出口34からの突
出長が調整可能とされている。調整リング35とアーム
スプリング16との間には、前記板アーム17の下端部
が挟持されており、これにより、板アーム17はトリガ
ーレバー15の自由端下方に位置決めされた状態でコン
タクトアーム13の末端部に連結されている。
【0037】以上の構成に加えて、本実施形態の釘打機
は、図13に示したカプラー21の改良に係るカプラー
を備えている。このカプラーは、釘打機を握る手の親指
操作により、カプラー内の弁体が駆動されることを特徴
とするものである。
【0038】本実施形態のカプラーは、コンプレッサか
ら延びるエアホース(図示略)と釘打機との間に接続さ
れる本体部91(図)と、該本体部91とは別体に構
成され、かつ釘打機のトリガー14の近傍に本体12を
支持する手の親指で操作可能に取り付けられる操作部9
2(図)と、これら本体部91と操作部92とを連通
させるバイパスホース93およびリターンホース94と
を主体にして構成されている。
【0039】本体部91の内部には、図に示すよう
に、エアホースと空気室5とを連通させる流路95(第
1の流路)と、この流路95の下流側において直角に交
差する内空部96とが形成されている。流路95の上流
側には、バイパスホース93の一端が連結されており、
該バイパスホース93の他端は操作部92の上流側に連
結されている。
【0040】また、操作部92の下流側には、リターン
ホース94の一端が連結されており、該リターンホース
94の他端は、本体部91側の内空部96の上部に連結
されている。この内空部96には、流路95を開閉する
弁体97(第1の弁体)と、該弁体97の上端部に連結
して同軸配置された弁体駆動部98と、前記弁体97の
下端に当接して同軸配置されるスプリング99(第1の
付勢部材)とが内挿されている。
【0041】弁体97および弁体駆動部98は、スプリ
ング99の伸縮に伴って内空部96に沿って移動可能と
され、未使用時には、弁体97が流路95を閉じるよう
に位置決めされている。弁体駆動部98は、その上端部
に拡径部98aを備え、この拡径部98aの背面には、
リターンホース94を介して操作部92からの圧縮空気
Aが供給可能とされている。
【0042】内空部96を形成する操作部91の側壁に
は、該内空部96と外部とを連通させる通気孔96aが
形成されている。弁体駆動部98の概中央部は弁部98
bとされ、この弁部98bは、内空部96の下端側を狭
めてなる細径部96bを気密滑動する。
【0043】そして、弁体駆動部98を駆動しない場合
は、空気室5の空気が細径部96bを通って通気孔96
aから外部に放出され(図)、弁体駆動部98を駆動
した場合は、細径部96bが閉止されてコンプレッサか
ら供給される圧縮空気Aの漏れを防ぐとともに、弁体駆
動部98の拡径部98aの移動に伴う圧縮空気Aが通気
孔96aから放出される(図)。この際、弁体駆動部
98の下端寸法は、弁部98bが細径部96bに嵌合し
た後に弁体97が開くように設定されている。
【0044】他方、操作部92の内部には、図および
に示すように、その上流側に連結されたバイパスホ
ース93と、下流側に連結されたリターンホース94と
を連通させる流路102(第2の流路)が形成されてい
るとともに、該流路102に対して直角に交差する内空
部103が形成されている。
【0045】この内空部103には、流路102を開閉
する弁体104(第2の弁体)と、この弁体104を下
方へと押し込む操作レバー105(弁体駆動手段)と、
前記弁体104の下端に当接して同軸配置されるスプリ
ング106(第2の付勢部材)とが内挿されている。
【0046】弁体104は、流路102を開閉する第1
弁部104aと、操作レバー105の力を伝える連結部
104bと、内空部103を仕切る第2弁部104cと
からなり、第1弁部104aおよび連結部104bは、
一体または図の如く分離して構成され、スプリング1
06の伸縮に伴って内空部103に沿って移動可能とさ
れている。操作部92の上部には、内空部103と外部
とを連通させる連通孔103aが形成され、その下方
は、弁体104の第2弁部が気密滑動する細径部103
bとされている。
【0047】弁体104は、操作レバー105が引かれ
ない状態(図)では、第1弁部104aにより流路1
02を閉止するとともに、第2弁部104cが内空部1
03の細径部103bの上方に位置し、リターンホース
94の空気(すなわち、本体部91の弁体駆動部98か
らの戻り空気)は、連通孔103aから外部に排出され
る。
【0048】他方、操作レバー105が引かれた状態
(図)では、第2弁部104cが内空部103の細径
部103bに嵌合し、細径部103bが閉止されて本体
部91からバイパスホース93を介して供給される圧縮
空気Aの漏れを防ぐ。
【0049】操作レバー105は、その一端(支点)が
軸支されることにより旋回軸107を中心にして旋回可
能とされている。そして、操作レバー105の他端が親
指により押圧される力点、中間部が弁体104の上端に
下向き荷重を作用させる作用点とされることで、てこの
作用により弁体104をスプリング106に抗して押し
込めるようにしている。
【0050】次に、本実施形態に係るカプラーの作用に
ついて説明する。トリガー14および操作レバー105
を引かず、コンタクトアーム13も対象物Fに押し付け
ていない状態(以下、状態Jという。)では、図に示
すように、本体部91内の弁体97により流路95が遮
断されているため、コンプレッサから供給された圧縮空
気Aは、空気室5に向かわず、バイパスホース93を通
って操作部92へと導かれる。
【0051】しかし、この操作部92においても、弁体
104により流路102が遮断されているため、圧縮空
気Aはそこで止まり、リターンホース94を通って本体
部91に戻されることもない。よって、状態Jでは、空
気室5に圧縮空気Aが供給されないため、トリガー14
のみを引いても(以下、状態Kという。)、釘2は射出
されない。さらに、この状態Kからコンタクトアーム1
3が周辺の物体等に不用意に接触してトリガーバルブ8
が駆動されるようなことがあっても、釘2は射出されな
い。
【0052】他方、図に示すように、状態Kから親指
で操作レバー105を引くと(以下、状態Lとい
う。)、弁体104の上端が操作レバー105により押
圧される。これにより、弁体104の下方に配されたス
プリング106が縮み、弁体104は下方に移動する。
すると、バイパスホース93とリターンホース94とが
連通し、エアホースからバイパスホース93を通って操
作部92に供給された圧縮空気Aは、リターンホース9
4を通って、再び本体部91の内空部96へと戻され
る。
【0053】内空部96に流入した圧縮空気Aは、弁体
駆動部98をその拡径部98aの背面側から付勢するた
め、弁体97はその下方に配されたスプリング99に抗
して下方に移動してエアホースと空気室5とが連通し、
操作レバー105を引いている間、この状態が保持され
る。
【0054】そして、この状態Iからコンタクトアーム
13のコンタクト部13aを対象物Fに押し付ければ、
図2に示すように、アームスプリング16が縮んでコン
タクトアーム13が上方に移動し、トリガーバルブ8が
トリガーレバー15によって押し上げられ、ヘッドバル
ブ7がシリンダ3の上端から離間する。これにより、シ
リンダ3内に圧縮空気Aが導入され、マガジン11から
本体12内に供給された釘2は、ドライバに叩打されて
対象物Fに向けて射出される。
【0055】このように、本実施形態の釘打機では、エ
アホースから空気室5に供給される圧縮空気Aの供給・
遮断を制御するカプラを設け、トリガー14を引く操作
と、操作レバー105を引く操作と、コンタクトアーム
13を対象物Fに押し付ける操作が行わなければ、釘2
が射出されない。
【0056】このため、トリガー14を引いたまま釘打
作業を中断し、この状態でコンタクトアーム13を周辺
の物体等に不用意に接触させてしまうことがあっても、
操作レバー105を引かない限り、エアホースと空気室
5との連通が弁体により遮断されているため、作業者の
意志に反して釘2が射出されることはない。
【0057】また、釘打機を握っている手の親指で操作
レバー105を操作することができるため、片手で釘打
作業を行うことができる。よって、他方の手で対象物F
を支えながら釘打作業ができ、また、はしごに登った状
態での作業も安全に行うことができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る釘打
機によれば、切換機構を作動させる外部操作の一部を、
釘打機を握る手の親指で操作させるようにしているた
め、作業中断時にされがちな握り、すなわち釘打機を人
差し指でも支えることができるように五本の指全てで釘
打機を握っていても、この握りによって一部の外部操作
がなされているということがない。よって、フェールセ
ーフを確実に機能させつつ、片手での釘打作業を可能に
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る釘打機において、
トリガーおよびロックレバーを引かず、コンタクト部も
対象物に押し付けていない状態を示す縦断面である。
【図2】 図の状態に次いでトリガーを引き、更にそ
の後コンタクト部を対象物に押し付けてコンタクトアー
ムを移動させた状態を示す全体構成の縦断面図である。
【図3】 本発明の実施形態に係るカプラーの本体部
について、その一部を断面にして示す側面図である。
【図4】 本発明の実施形態に係るカプラーの操作部
について、その一部を断面にして示す側面図である。
【図5】 図の状態に次いで、操作レバーを引いた状
態を示す断面図である。
【図6】 図に示すレバー操作の結果、操作部から本
体部に圧縮空気が戻り、弁体が移動した状態を示す断面
図である。
【図7】 釘打機の第一従来例を示す縦断面図である。
【図8】 図の状態に次いで、トリガーを引いた状態
を示す縦断面図である。
【図9】 釘打機の第二従来例を示す縦断面図である。
【図10】 図の状態に次いで、トリガーを引いた状
態を示す要部拡大断面図である。
【図11】 図の状態に次いで、コンタクト部を対象
物に押し付けてコンタクトアームを移動させた状態を示
す全体構成の断面図である。
【図12】 図11の状態に次いで、トリガーを引いた
状態を示す要部拡大断面図である。
【図13】 釘打機の第三従来例に係るカプラーを示す
縦断面図である。
【符号の説明】
2 釘 3 シリンダ 4 ピストン 5 空気室 6 バイパス流路 7 ヘッドバルブ 7A ヘッドバルブ背面 8 トリガーバルブ 9 スプリング(付勢手段) 12 本体 13 コンタクトアーム 13a コンタクト部 14 トリガー 15 トリガーレバー 34 射出口 91 本体部 92 操作部 93 バイパスホース 94 リターンホース 95、102 流路(第1の流路、第2の流路) 97、104 弁体(第1の弁体、第2の弁体) 99、106 スプリング(第1の付勢手段、第2の付
勢手段) 98 弁体駆動部 105 操作レバー(弁体駆動手段) A 圧縮空気(圧力流体) F 対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−173477(JP,A) 特開 昭54−163481(JP,A) 実開 平5−74778(JP,U) 実開 平6−66970(JP,U) 実開 平5−51576(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25C 7/00 B25C 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体内に、供給源から供給された圧力流
    体を貯留する空気室と、釘打用のピストンを移動自在に
    収納するシリンダとを備え、前記空気室から前記シリン
    ダに導入された圧力流体により前記ピストンを駆動し、
    前記本体内に保持された釘を叩打して対象物に打ち込む
    釘打機であって、 前記圧力流体が前記シリンダに導入される状態と、導入
    されない状態とを切り換える切換機構を備えるととも
    に、 この切換機構は、前記シリンダの圧力流体導入口を開閉
    するヘッドバルブと、前記圧力流体導入口を閉止させる
    方向に前記ヘッドバルブを付勢する付勢手段と、前記圧
    力流体を前記空気室から前記ヘッドバルブの背面側へと
    バイパスさせるバイパス流路と、該バイパス流路を開閉
    するトリガーバルブと、前記本体を握る手の人差し指に
    より操作されるトリガーと、前記釘の射出口から突出す
    るように配されたコンタクト部を対象物に押し付けるこ
    とで前記本体に対し前記トリガー側に相対移動させられ
    るコンタクトアームと、前記トリガーが引かれ且つ前記
    コンタクトアームが前記トリガー側に移動した時に前記
    トリガーバルブを駆動して前記バイパス流路を開から閉
    にするトリガーレバーと、前記圧力流体が前記供給源か
    ら前記空気室に供給される状態と供給されない状態とを
    切り換えるカプラーとを備えてなり、 このカプラーは、前記空気室と前記供給源との間に配さ
    れる本体部と、該本体部にバイパスホースおよびリター
    ンホースにより連結される操作部とから構成されるとと
    もに、 前記本体部は、前記空気室と前記供給源とを連通させる
    第1の流路が形成されているとともに、該第1の流路を
    開閉する第1の弁体と、該第1の弁体を付勢して前記第
    1の流路を閉とすることにより前記圧力流体を前記バイ
    パスホースを介して前記操作部へとバイパスさせる第1
    の付勢手段と、前記操作部から前記リターンホースを介
    して戻される圧力流体に付勢されて前記第1の弁体を駆
    動する弁体駆動部とを備えてなり、 前記操作部は、前記バイパスホースとリターンホースと
    を連通させる第2の流路が形成されているとともに、該
    第2の流路を開閉する第2の弁体と、前記第2の流路が
    閉となるように前記第2の弁体を付勢する第2の付勢手
    段と、前記本体を握る手の親指操作により前記第2の弁
    体を駆動する弁体駆動手段とを備えてなることを特徴と
    する釘打機。
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