JP3300103B2 - 静止画送出装置および静止画受信表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、複数の静止画受信表
示装置に対して多種類の静止画を送出する静止画サービ
スシステムにおける静止画送出装置並びに静止画受信表
示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１５は従来の静止画サービスシステム
を構成する静止画送出装置および静止画受信表示装置を
示す構成図である。図において、１は多種類の静止画を
送出する静止画送出装置、２は静止画送出装置１により
送出される多種類の静止画を受信し表示する静止画受信
表示装置、３は静止画を含むビデオ信号の発生源である
ビデオシステム、４はビデオシステム３を制御し各静止
画受信表示装置２からの要求に応じて各静止画受信表示
装置２へ多種類の静止画を送出させる静止画サービス制
御コンピュータであり、ビデオシステム３および静止画
サービス制御コンピュータ４は静止画送出装置１に含ま
れる。

【０００３】５は静止画送出装置１のビデオシステム３
から出力されるビデオ信号を変調して送出するビデオ変
調器、６はこの変調されたビデオ信号を復調するビデオ
復調器、７は静止画送出装置１の静止画サービス制御コ
ンピュータ４と静止画受信表示装置２間の静止画の要求
等の制御用データを変調／復調するモデム、８は静止画
受信表示装置２において静止画送出装置１と静止画の要
求等の通信をモデム７を通じておこなう通信制御装置、
９はビデオ復調器６により復調されたビデオ信号に含ま
れる静止画を格納し表示するフレームメモリ装置であ
り、モデム７、通信制御装置８、およびフレームメモリ
装置９は静止画受信表示装置２に含まれる。１０は静止
画受信表示装置２が出力する静止画をインターレース表
示で表示するＴＶなどの表示装置である。

【０００４】次に動作について説明する。静止画送出装
置１の静止画サービス制御コンピュータ４は、レーザー
ディスクプレイヤーやＶＴＲなどからなるビデオシステ
ム３を制御してサービスしたい静止画のビデオ信号を準
備するとともに、準備した静止画を表示させたい静止画
受信表示装置２の通信制御装置８とモデム７を介して通
信を行ない、フレームメモリ装置９が現在ビデオ復調器
６を介して受信している、ビデオ変調器５を介してビデ
オシステム３より送信されている静止画のビデオ信号を
取り込むよう静止画受信表示装置２の通信制御装置８に
指示を出す。フレームメモリ装置９は通信制御装置８の
指示に従い静止画のビデオ信号をメモリに格納し、表示
装置１０に出力し、表示装置１０はそれをインターレー
ス表示で画面に表示する。静止画１枚をサービスする毎
にこの動作を繰り返し行なう。

【０００５】なお、発振側で画像（静止画）に識別デー
タが付加され、音声等が多重され、変調して出力したも
のを、受信側で復調判別された画像（静止画）が表示さ
れる従来例として、例えば特開平１−３１９３７９号公
報が、また静止画受信表示装置の従来例として、例えば
特開平２−２２２２８９号公報がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の静止画送出装置
および静止画受信表示装置は以上のように構成されてい
るので、１つの静止画受信表示装置にある静止画を表示
させるのに毎回静止画の要求やそれに対する答え等のや
りとりが必要になり時間がかかるだけでなく、静止画受
信表示装置の台数が増えるとこの時間がますます増大し
ていくという問題点があった。また、従来の静止画受信
表示装置はインターレース表示しかできず、これによる
ラインフリッカなどの画質障害が出るなどの問題点があ
った。

【０００７】請求項１から請求項６の発明は、上記のよ
うな問題点を解消するためになされたもので、複数台の
静止画受信表示装置に多種類の静止画を高速にしかも確
実に伝送表示させるとともに、静止画受信表示装置の台
数が増えても、この性能が大きく劣化しない静止画送出
装置および静止画受信表示装置を得ることを目的とす
る。また、請求項７の発明は、静止画受信表示装置の表
示においてラインフリッカなどの画質障害を抑える事を
目的とする。さらに、請求項８の発明は、調整すること
なく安定して静止画を受信表示する事ができる静止画受
信表示装置を得る事を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明に係る静
止画送出装置は、コンポジットビデオ信号の各フレーム
に記録されている複数の静止画データを格納すべく静止
画１枚分のデータ容量を持ち、書き込みと読み出しが非
同期に行なえる時間軸変換用バッファメモリ部と、上記
時間軸変換用バッファメモリ部より読み出される静止画
データを複数枚格納するフレームメモリ部と、上記時間
軸変換用バッファメモリ部から静止画データを読み出し
て上記フレームメモリ部に書き込むタイミング、及び上
記フレームメモリ部からフレームを読み出すタイミング
を同じタイミングで行うように上 記時間軸変換用バッフ
ァメモリ部及び上記フレームメモリ部に制御信号を出力
する読み出し制御部と、上記フレームメモリ部より読み
出される各フレームの垂直ブランク期間に各静止画を識
別するための識別情報を多重する識別情報多重部と、上
記識別情報多重部より送られる静止画データおよび識別
情報をコンポジットビデオ信号として出力するビデオ出
力部とを備えたものである。

【０００９】また、請求項２の発明に係る静止画送出装
置は、ビデオ静止画とデジタル静止画の２通りのフォー
マットの複数の静止画データを格納するフレームメモリ
部と、上記フレームメモリ部より読み出されたデジタル
静止画をビデオ静止画のフォーマットに応じてフォーマ
ット変換するフォーマット変換部と、上記フォーマット
変換部より送られる２系統の静止画データの重ね合わせ
を行なう優先処理部とを備えたものである。

【００１０】また、請求項３の発明に係る静止画送出装
置は、識別情報多重部より送られる各フレームの垂直ブ
ランク期間に多重された識別情報の始めと終わりに位相
調整用の固定データを多重する固定データ多重部を備え
たものである。

【００１１】また、請求項４の発明に係る静止画送出装
置は、アドレスセレクタとデータセレクタとメモリから
なる、独立したバスを持つ複数のメモリブロックに対し
て、アドレスデコーダから制御信号を発生するフレーム
メモリ部を備えたものである。

【００１２】また、請求項５の発明に係る静止画受信表
示装置は、静止画送出装置から送出される識別情報が多
重されたコンポジットビデオ信号を、識別情報再生部で
識別情報のみ分離し再生し、その識別情報により指定さ
れるフィールド静止画メモリ部が格納する静止画データ
を出力するものである。

【００１３】また、請求項６の発明に係る静止画受信表
示装置は、静止画送出装置から送出される識別情報が多
重されたコンポジットビデオ信号と、通常のコンポジッ
トビデオ信号を入力セレクタ部で選択して入力し、書き
込みと読み出しを非同期に行なえるフィールド静止画メ
モリ部に格納するものである。

【００１４】また、請求項７の発明に係る静止画受信表
示装置は、第１フィールド静止画メモリ部および第２フ
ィールド静止画メモリ部からの読み出しデータをもと
に、静止画表示なのか、動画表示なのか、またインター
レース表示なのかノンインターレース表示なのかにより
補間および速度変換部で補間処理と速度変換を行なうも
のである。

【００１５】さらに、請求項８の発明に係る静止画受信
表示装置は、位相調整用の固定データをサンプリングす
る同一周波数で位相の異なる多種のクロックをクロック
生成部で生成し、その多種のクロックから一つのクロッ
クをクロック選択部で選択し、位相調整用の固定データ
が多重されたコンポジットビデオ信号から識別情報再生
部が分離し再生した位相調整用の固定データを端末制御
部で検出し、正しい位相調整用の固定データを得られる
クロックを選択するように上記クロック選択部を制御す
るものである。

【００１６】

【作用】請求項１の発明における静止画送出装置は、フ
レームメモリ部より読み出される各フレームの垂直ブラ
ンク期間に各静止画を識別するための識別情報を識別情
報多重部で多重し、上記識別情報多重部より送られる静
止画データおよび識別情報をコンポジットビデオ信号と
して出力することにより、静止画を高速に送出できる。
また、静止画データをフレームメモリ部に格納する前
に、静止画１枚分のデータ容量を持ち書き込みと読み出
しが非同期に行なえる時間軸変換用バッファメモリ部に
格納し、読み出し制御部により、時間軸変換用バッファ
メモリ部から静止画データを読み出してフレームメモリ
部に書き込むタイミング、及びフレームメモリ部からフ
レームを読み出すタイミングを同じタイミングで行うこ
とができる。

【００１７】また、請求項２の発明における静止画送出
装置は、ビデオ静止画とデジタル静止画の２通りのフォ
ーマットの複数の静止画データをフレームメモリ部に格
納し、上記フレームメモリ部より読み出されたデジタル
静止画をビデオ静止画のフォーマットに応じてフォーマ
ット変換部でフォーマット変換することにより、ビデオ
静止画の他にデジタル静止画も送出することができる。
また、フォーマット変換部より送出される２系統の静止
画データを、優先処理部で重ね合わせをすることによ
り、２枚の静止画を重ね合わせて送出することができ
る。

【００１８】また、請求項３の発明における静止画送出
装置は、フレームメモリ部より読み出される各フレーム
の垂直ブランク期間に多重される識別情報の始めと終わ
りに、固定データ多重部で位相調整用の固定データを多
重することにより、コンポジットビデオ信号の受信側で
は、その位相調整用の固定データが正しく再生されるク
ロックを選択することによって、安定して識別情報を認
識することができる。

【００１９】また、請求項４の発明におけるフレームメ
モリ部は、アドレスセレクタとデータセレクタとメモリ
からなる、独立したバスを持つ複数のメモリブロックに
対して、アドレスデコーダから制御信号を発生すること
により、異なるメモリブロックであれば同時に読み書き
できる。

【００２０】また、請求項５の発明における静止画受信
表示装置は、静止画送出装置から送出される識別情報が
多重されたコンポジットビデオ信号を、識別情報再生部
で識別情報のみ分離し再生し、その識別情報により指定
されるフィールド静止画メモリ部が格納する静止画デー
タを出力することにより、連続して送出される静止画を
選択して表示することができる。

【００２１】また、請求項６の発明における静止画受信
表示装置は、静止画送出装置から送出される識別情報が
多重されたコンポジットビデオ信号と通常のコンポジッ
トビデオ信号を入力セレクタ部で選択して入力し、書き
込みと読み出しを非同期に行なえるフィールド静止画メ
モリ部に格納することにより、通常のコンポジットビデ
オ信号による動画も表示することができる。

【００２２】また、請求項７の発明における静止画受信
表示装置は、第１フィールド静止画メモリ部および第２
フィールド静止画メモリ部からの読み出しデータをもと
に、静止画表示なのか、動画表示なのか、またインター
レース表示なのかノンインターレース表示なのかにより
補間および速度変換部で補間処理と速度変換を行なうこ
とにより、静止画表示、動画表示、インターレース表示
およびノンインターレース表示が可能となる。

【００２３】さらに、請求項８の発明における静止画受
信表示装置は、位相調整用の固定データをサンプリング
する同一周波数で位相の異なる多種のクロックをクロッ
ク生成部で生成し、その多種のクロックから一つのクロ
ックをクロック選択部で選択し、位相調整用の固定デー
タが多重されたコンポジットビデオ信号から識別情報再
生部が分離し再生した位相調整用の固定データを端末制
御部で検出し、正しい位相調整用の固定データを得られ
るクロックを選択するように上記クロック選択部を制御
することにより、サンプリングクロックの調整が自動的
にできる。

【００２４】

【実施例】実施例１． 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図１
はこの発明による静止画サービスシステムを構成する静
止画送出装置および静止画受信表示装置の一実施例を示
す構成図であり、図２は図１の静止画送出装置の一実施
例の詳細を示す構成図である。また図３は４枚の静止画
の格納および送出を示す図であり、図４はカラーバーが
表示されている時のコンポジットビデオ信号、輝度信号
（Ｙ）、色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）を示す図であり、
図５は垂直ブランク期間の走査線に多重された識別情報
を示す図である。図において、従来のものと同一符号は
同一または相当部分を示すので説明を省略する。

【００２５】図１において、１１は静止画サービス制御
コンピュータ４からの描画コマンドにより内部のフレー
ムメモリに描画を行ない描画が完了した静止画データを
デジタル出力する描画処理装置である。なお、図１５の
従来例と異なり、ビデオシステム３および静止画サービ
ス制御コンピュータ４は静止画送出装置１と別構成とし
て図に示されている。また、従来例に存在していた、制
御用データを伝送する通信路およびそれに関連したモデ
ム７、通信制御装置８は必要なくなっている。

【００２６】また、図２において、１２は静止画サービ
ス制御コンピュータ４と制御コマンドなどを通信する外
部通信インターフェイス部、１３は外部通信インターフ
ェイス部１２からの制御コマンドに従い各部を制御して
静止画送信サービスを実行させる統括制御部、１４はビ
デオシステム３から入力されたコンポジットビデオ信号
を輝度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）にデコ
ードするビデオデコーダ部、１５はビデオデコーダ部１
４からの輝度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）
をアナログ／デジタル変換しビデオ静止画データとして
出力するアナログ／デジタル変換部、１６はアナログ／
デジタル変換部１５からの静止画データを複数枚分格納
するフレームメモリ部、１７はフレームメモリ部１６に
静止画データを格納するのに必要な制御信号を発生する
書き込み制御部、１８はフレームメモリ部１６から静止
画データを読みだして出力するのに必要な制御信号や各
種情報を発生する読み出し制御部、１９はフレームメモ
リ部１６からの静止画データと読み出し制御部１８から
の識別情報をビデオ信号のタイミングに合わせて多重し
多重静止画データとして出力する識別情報多重部、２０
はこの多重静止画データをデジタル／アナログ変換しさ
らにコンポジットビデオ信号にエンコードし静止画多重
ビデオ信号として出力するビデオ出力部である。

【００２７】次に動作について説明する。上記のように
この発明の静止画送出装置および静止画受信表示装置を
用いた静止画サービスシステムでは、静止画サービス制
御コンピュータ４はビデオシステム３を制御して必要な
ビデオ静止画を準備し、さらに静止画送出装置１を制御
して用意したビデオ静止画を静止画送出装置１のフレー
ムメモリ部１６の指定したアドレスに格納させる。

【００２８】また、静止画サービス制御コンピュータ４
は、描画コマンドを描画処理装置１１に送り、必要なデ
ジタル静止画を準備し、さらに静止画送出装置１を制御
して用意したデジタル静止画を静止画送出装置１のフレ
ームメモリ部１６の指定したアドレスに格納させる。こ
のデジタル静止画を入力することができる静止画送出装
置１は実施例４で説明する。このようにして複数の静止
画が静止画送出装置１に格納される。

【００２９】また、静止画サービス制御コンピュータ４
はこれらの格納された静止画から送出する静止画を静止
画送出装置１に対して指定をする。静止画送出装置１は
指定された静止画を指定された順番に１フレーム（画
面）ずつ連ねて１系統のコンポジットビデオ信号として
出力する。この出力信号の各フレームの垂直ブランク期
間には各フレームの静止画を識別するための識別情報が
静止画送出装置１で多重されている。以下、この出力信
号を静止画多重ビデオ信号と呼ぶ。静止画送出装置１は
この一連の送出を常時くり返し行なう。この静止画多重
ビデオ信号は、さらにビデオ変調器５で変調され伝送路
へ送出される。

【００３０】伝送路には多数の端末が接続される。各端
末では、まずビデオ復調器６で静止画多重ビデオ信号を
復調する。次に静止画受信表示装置２で各フレームの垂
直ブランク期間に多重されている識別情報を再生し、こ
れをもとに表示すべき静止画だけを検出し内部のビデオ
メモリに取り込み格納し、この静止画をフリーズしてＲ
ＧＢ信号として出力する。このＲＧＢ信号が表示装置１
０で表示される。

【００３１】以上のように、各フレームに１枚の静止画
を含み、各フレームの垂直ブランク期間には各フレーム
の静止画を識別するための識別情報が静止画送出装置１
で多重された静止画多重ビデオ信号を送出することによ
り、例えば１秒間に３０フレームの静止画が送出でき、
従来例に存在していた制御用データを伝送する通信路等
は必要なくなり、静止画受信表示装置２の台数に関らず
一定の速度で静止画を静止画受信表示装置２に送出する
ことができる。

【００３２】例えば、図３において、花、雲、海、空、
の４枚の静止画を格納する時には、各静止画の格納に必
要な時間は１／３０秒＊４フレームの時間になるが、実
際に格納する時は、１フレームずつビデオシステム３で
用意して（例えばレーザーディスクを検索して）格納す
るという動作を４回繰り返す。よって、静止画をとり込
む時間は１フレーム当たり１／３０秒で可能だが、静止
画をビデオシステム３で用意するのに時間がかかるの
で、実際には１フレーム当たり２〜３秒の格納時間が必
要となる。

【００３３】次に静止画送出装置１の動作についてさら
に説明する。まずフレームメモリ部１６に静止画データ
を格納するときの動作を説明する。ビデオ信号を格納す
る場合、ビデオシステム３より入力されたビデオ信号は
ビデオデコーダ部１４で輝度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ
−Ｙ、Ｂ−Ｙ）にデコードされ（図４参照）、さらにア
ナログ／デジタル変換部１５でアナログ／デジタル変換
されビデオ静止画データとして、ビデオシステム３より
入力されたビデオ信号に同期した書き込み制御部１７の
発生する書き込みタイミングで、フレームメモリ部１６
の指定されたアドレスのフレームメモリに書き込まれ
る。このライトアドレスは、外部通信インターフェイス
部１２に入力された静止画サービス制御コンピュータ４
からの制御コマンドに基づき統括制御部１３が書き込み
制御部１７に指示して発生させる。このような処理によ
り、複数枚の静止画データがフレームメモリ部１６に格
納される。

【００３４】次に格納されている静止画データを連続し
て読み出す動作について説明する。格納されている静止
画をどのような順番でくり返し送出するかは、外部通信
インターフェイス部１２を介しての制御コマンド（例え
ば、フレームメモリ部１６のアドレス５に格納されてい
る静止画を静止画番号１の静止画として送出する）によ
り指定される。統括制御部１３は、この制御コマンドの
指定により静止画データが格納されているアドレスなど
の情報をフレーム毎に読み出し制御部１８に対して発生
する。読み出し制御部１８はリードアドレスとビデオ出
力部２０の出力する静止画多重ビデオ信号に同期した読
み出し制御信号をフレームメモリ部１６に対して出力す
る。フレームメモリ部１６はこれらの制御信号に従い静
止画データを出力する。

【００３５】この静止画データの垂直ブランク期間にそ
の静止画を静止画受信表示装置２が識別するための識別
情報が、読み出し制御部１８からの制御信号に基づき識
別情報多重部１９で多重され、最終的な静止画データと
して出力される。ここで識別データは、１、０のシリア
ルデータとして一定の周期（ドットクロックの数倍以上
の周期）で、１のときＦＦ（輝度１００％）、０のとき
０（輝度０％）が静止画データの輝度（Ｙ）データに多
重される（図５参照）。ビデオ出力部２０ではこの最終
的な静止画データをデジタル／アナログ変換後コンポジ
ットビデオ信号にエンコードして伝送路へ出力する。

【００３６】このコンポジットビデオ信号は、各水平同
期パルスの後にバースト信号（基準となるサブキャリー
信号）が多重されているが、このバースト信号は４フィ
ールド（２フレーム）で位相が巡回しているため、同じ
静止画を奇数番目に出したり、偶数番目に出したりする
と、受信側の画質に悪影響を与えるので、同じ静止画は
同じバースト信号の位相のフレームになるように制御し
て送出する必要がある。つまり、同じ静止画（フレー
ム）はいつも偶数番目、もしくは奇数番目になるよう
に、全静止画の総数が偶数枚である必要がある。

【００３７】実施例２． 実施例１では、入力されるコンポジットビデオ信号を
Ｙ，Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙにデコードした後アナログ／デジタ
ル変換して、フレームメモリ部１６に格納していたが、
コンポジットビデオ信号をビデオデコーダ部１４でデコ
ードせずにそのままアナログ／デジタル変換して、フレ
ームメモリ部１６に格納し、出力時にはビデオ出力部２
０でビデオエンコードせずに出力するという構成も考え
られる。ただし、この場合には、バースト信号（基準と
なるサブキャリー信号）の位相巡回の連続性を守るため
に、２フレーム分の静止画データが必要となり、静止画
１枚当たり１／１５秒（２フレーム／１枚）必要とな
る。またサンプリング周波数もこのサブキャリー周波数
の整数倍にする必要がある。

【００３８】実施例３． 図６はこの発明における静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。図において、２１はアナログ／デジタ
ル変換部１５から出力される１画面（フレーム）分の静
止画データを格納でき、書き込みと読み出しが非同期に
行なえる時間軸変換用バッファメモリ部である。

【００３９】次に静止画送出装置１の動作について説明
する。時間軸変換用バッファメモリ部２１には、ビデオ
デコーダ部１４に入力されるビデオ信号のタイミングに
同期して書き込み制御部１７が発生する書き込み制御信
号により、アナログ／デジタル変換部１５から出力され
る１画面分の静止画データが書き込まれる。書き込み完
了後に読み出し制御部１８が発生するビデオ出力部２０
が出力する静止画多重ビデオ信号に同期したタイミング
で時間軸変換用バッファメモリ部２１から静止画データ
が読み出され、同時にフレームメモリ部１６の指定され
たアドレスに書き込まれる。また、フレームメモリ部１
６からの読み出しも同様に、ビデオ出力部２０が出力す
る静止画多重ビデオ信号に同期したタイミングで行なわ
れる。

【００４０】つまり、時間軸変換用バッファメモリ部２
１への書き込みは、ビデオデコーダ部１４に入力される
ビデオ信号のタイミングに同期して行なわれるが、時間
軸変換用バッファメモリ部２１からの読み出し、フレー
ムメモリ部１６への書き込み、およびフレームメモリ部
１６からの読み出しは、ビデオ出力部２０が出力する静
止画多重ビデオ信号に同期したタイミングで行なわれ
る。

【００４１】実施例４． 図７はこの発明における静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。図において、２２は例えば図１の描画
処理装置１１のようなデジタル静止画データ出力を持つ
装置からのデジタル静止画データを受信するデジタル静
止画インターフェイス部、２３はアナログ／デジタル変
換部１５でデジタル化されたビデオ静止画データとデジ
タル静止画インターフェイス部２２から出力されるデジ
タル静止画データのいずれかの静止画データを選択する
ライト静止画データセレクタ部、２４はフレームメモリ
部１６から読み出されたリード静止画データを読み出し
制御部１８からのフォーマット情報により各々フォーマ
ット変換するフォーマット変換部である。

【００４２】次に静止画送出装置１の動作について説明
する。デジタル静止画データを格納する場合、例えば描
画処理装置１１のようなデジタル静止画データ出力を持
つ装置からのデジタル静止画データはデジタル静止画イ
ンターフェース部２２で受信され、ライト静止画データ
セレクタ部２３に出力される。

【００４３】格納する静止画がビデオかデジタルかによ
ってライト静止画データセレクタ部２３が制御され、ど
ちらかの静止画データが時間軸変換用バッファメモリ部
２１に出力される。

【００４４】ここで例えばビデオ静止画データは各ドッ
ト当たり１６ビット（Ｙ：８ビット、Ｃ：８ビット）の
データとする。またデジタル静止画データは各ドット当
たり１３ビット（Ｙ：４ビット、Ｒ−Ｙ：４ビット、Ｂ
−Ｙ：４ビット、ＫＥＹ：１ビット）のデータとする。
ここで、デジタル静止画データがＲＧＢ信号で出力され
ていた場合には、Ｙ，Ｒ−Ｙ，Ｂ−Ｙは、

【００４５】 Ｙ＝０．３Ｒ＋０．５９Ｇ＋０．１１Ｂ Ｒ−Ｙ＝０．７Ｒ−０．５９Ｇ−０．１１Ｂ Ｂ−Ｙ＝−０．３Ｒ−０．５９Ｇ−０．８９Ｂ

【００４６】で変換した後に、各４ビットのデジタルデ
ータに正規化することにより得られる。またＫＥＹデー
タは透過状態を表わすビットであり、静止画の重ね合わ
せの時に必要となるデータである。またドットクロック
の周波数（水平解像度）は両方とも同じとする。このよ
うにすることにより、ビデオ静止画データの１６ビット
に合わせてフレームメモリを構成しておき、この１６ビ
ットのうちの１３ビットを使用してデジタル静止画デー
タを格納しておくことができる。

【００４７】次に格納されている静止画データを連続し
て読み出す動作について説明する。格納されている静止
画をどのような順番でくり返し送出するかは、外部通信
インターフェイス部１２を介しての制御コマンドにより
指定される。統括制御部１３は、この制御コマンドの指
定により静止画データがビデオ静止画なのかデジタル静
止画なのかを示すフォーマット情報などをフレーム毎に
読み出し制御部１８に対して発生する。読み出し制御部
１８はリードアドレスと読み出し制御信号を読み出しタ
イミングに合わせてフレームメモリ部１６に対して出力
する。フレームメモリ部１６はこれらの制御信号に従い
静止画データを出力する。この静止画データは、フォー
マット変換部２４でそれぞれのフォーマット情報に基づ
き共通のフォーマットに変換され、Ｙデータ、Ｒ−Ｙデ
ータ、Ｂ−Ｙデータ、ＫＥＹデータ（デジタル静止画の
場合のみ、１ビット）が出力される。以上により、ビデ
オ静止画の他にデジタル静止画もデジタルデータのまま
で格納でき、フォーマット変換後にビデオ静止画と同様
に送出でき、デジタル静止画の画質劣化を抑えることが
できる。

【００４８】実施例５． 図８はこの発明における静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。図において、１６は時間軸変換用バッ
ファメモリ部２１からのライト静止画データを複数枚分
格納する独立した２系統の出力が可能なフレームメモリ
部、２４はフレームメモリ部１６から読み出された２系
統のリード静止画データ１および２を読み出し制御部１
８からのフォーマット情報により各々フォーマット変換
するフォーマット変換部、２５はフォーマット変換部２
４で同一フォーマットに変換された２系統の静止画デー
タを読み出し制御部１８からの重ね合わせ情報により重
ね合わせ処理を行なう優先処理部である。

【００４９】次に静止画送出装置１の動作について説明
する。格納されている静止画をどのような順番でくり返
し送出するかは、外部通信インターフェイス部１２を介
しての制御コマンドにより指定される。統括制御部１３
は、この制御コマンドの指定により重ね合わせる２枚の
静止画データが格納されているアドレスとそれらの静止
画データがビデオ静止画なのかデジタル静止画なのかを
示すフォーマット情報と２枚の静止画の重ね合わせの情
報などをフレーム毎に読み出し制御部１８に対して発生
する。

【００５０】このとき統括制御部１３ではライトアドレ
スとリードアドレスが同じメモリブロックを指定しない
ように各アドレスを発生する。読み出し制御部１８は２
系統のリードアドレスと読み出し制御信号を出力する静
止画多重ビデオ信号のタイミングに合わせてフレームメ
モリ部１６に対して出力する。フレームメモリ部１６は
これらの制御信号に従い２つのメモリブロックから独立
して２系統の静止画データを出力する。２系統のリード
データは、フォーマット変換部２４でそれぞれのフォー
マット情報に基づき共通のフォーマットに変換され、２
系統のＹデータ、Ｒ−Ｙデータ、Ｂ−Ｙデータ、ＫＥＹ
データ（デジタル静止画の場合のみ、１ビット）が出力
される。

【００５１】これらの２系統の静止画データは優先処理
部２５において各静止画のＫＥＹデータと読み出し制御
部１８からの重ね合わせ情報に基づきドット毎にマルチ
プレクスされて１系統の静止画データとして出力され
る。この静止画データの垂直ブランク期間にその静止画
を受信側が識別するための識別情報が、読み出し制御部
１８からの制御信号に基づき識別情報多重部１９でそれ
ぞれ多重され、最終的な静止画データとして出力され
る。以上により、ビデオ静止画とデジタル静止画を重ね
合わせて送出することができる。

【００５２】実施例６． 図９はこの発明における静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。図において、２６は読み出し制御部１
８からの制御信号により静止画受信表示装置における位
相調整用の固定データを多重する固定データ多重部であ
る。

【００５３】次に静止画送出装置１の動作について説明
する。識別情報多重部１９より出力される静止画データ
の垂直ブランク期間に多重された識別情報の前後に固定
データが、固定データ多重部２６により読み出し制御部
１８からの制御信号に基づき多重され、最終的な静止画
データとして出力される。ここで識別データおよび固定
データは、１、０のシリアルデータとして一定の周期
（ドットクロックの数倍以上の周期）で、１のときＦＦ
（輝度１００％）、０のとき０（輝度０％）が静止画デ
ータのＹデータに多重される。ビデオ出力部２０ではこ
の最終的な静止画データをデジタル／アナログ変換後コ
ンポジットビデオ信号にエンコードして伝送路へ出力す
る。なお、静止画受信表示装置における固定データによ
る位相調整については、実施例１１で述べる。

【００５４】実施例７． 図１０はこの発明の静止画送出装置におけるフレームメ
モリ部の実施例を示す構成図である。図において、３１
は静止画データを格納するメモリ、３２は各メモリブロ
ックの中位アドレスを選択するアドレスセレクタ、３３
は各メモリブロックのデータを選択するデータセレク
タ、３４は上位ライトアドレスと上位リードアドレス
１、２をデコードして各メモリブロックのアドレスセレ
クタ３２とデータセレクタ３３とメモリ３１に各々制御
信号を発生するアドレスデコーダ、３５はメモリ３１、
アドレスセレクタ３２、データセレクタ３３からなるメ
モリブロックである。

【００５５】次に静止画送出装置１のフレームメモリ部
１６の動作について説明をする。フレームメモリ部１６
はアドレスセレクタ３２、データセレクタ３３、メモリ
３１から構成される複数のメモリブロック３５と、アド
レスデコーダ３４からなる。アドレスデコーダ３４でラ
イトアドレス、リードアドレス１および２をそれぞれデ
コードして各メモリブロック３５のアドレスセレクタ３
２およびデータセレクタ３３およびメモリ３１へ制御信
号を出力する。この制御信号により各メモリブロック３
５へのアドレスが選択されるとともに、メモリのライト
もしくはリードの動作が制御され、さらにデータセレク
タ３３内のデータバッファの方向およびゲートが制御さ
れる。以上により、複数の静止画データの格納および読
み出しを独立して行なうことができる。

【００５６】実施例８． 図１１はこの発明における静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。図において、４１は静止画送出
装置１より送出された静止画多重ビデオ信号（コンポジ
ットビデオ信号）を輝度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−
Ｙ、Ｂ−Ｙ）にデコードするビデオデコーダ部、４２は
ビデオデコーダ部４１からの輝度信号（Ｙ）と色差信号
（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）をアナログ／デジタル変換しデジタ
ルビデオデータとして出力するアナログ／デジタル変換
部、４３はアナログ／デジタル変換部４２からの第１フ
ィールドのデジタルビデオデータを格納する第１フィー
ルド静止画メモリ部（フィールド静止画メモリ部）、４
４は同じく第２フィールドのデジタルビデオデータを格
納する第２フィールド静止画メモリ部（フィールド静止
画メモリ部）、４５は第１フィールド静止画メモリ部４
３および第２フィールド静止画メモリ部４４のビデオデ
ータをデジタル／アナログ変換するデジタル／アナログ
変換部、４６はデジタル／アナログ変換部４５からの輝
度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）をＲＧＢ信
号に変換するＲＧＢマトリクス部である。

【００５７】４７は入力された静止画多重ビデオ信号に
同期してライトタイミングやリードタイミングなどの制
御信号を発生するタイミング発生部、４８はビデオデコ
ーダ４２からの輝度信号（Ｙ）から識別情報を再生する
識別情報再生部である。また、４９は外部にて静止画選
択などのリモコン操作ができるリモコン操作部、５０は
識別情報やリモコン操作部４９からの情報により各部の
制御を行なう端末制御部である。

【００５８】次に静止画受信表示装置２の動作について
説明する。静止画受信表示装置２は、静止画送出装置１
から送出された静止画多重ビデオ信号に多重された静止
画のうちの１つをフリーズ表示できる。静止画送出装置
１から送出された静止画多重ビデオ信号は、ビデオデコ
ーダ部４１で輝度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−
Ｙ）にデコードされるとともに、同期信号（Ｈ、Ｖ）が
分離される。この輝度および色差信号はアナログ／デジ
タル変換部４２でデジタルデータに変換され第１フィー
ルド静止画メモリ部４３および第２フィールド静止画メ
モリ部４４にライトタイミング信号により書き込まれ
る。

【００５９】タイミング発生部４７では、同期信号をも
とに輝度および色差信号をアナログ／デジタル変換する
サンプリングクロック、第１フィールド静止画メモリ部
４３および第２フィールド静止画メモリ部４４への書き
込みを制御するライトタイミング信号、垂直ブランク期
間の輝度信号に多重されている識別情報をサンプリング
するための基準クロックなどを発生する。識別情報再生
部４８ではタイミング発生部４７から供給されるクロッ
クで輝度信号の識別情報が多重されている期間をサンプ
リングするとともにしきい値と比較して２値（１、０）
のシリアルデータとして再生され、さらに並列変換され
て識別情報として出力される。

【００６０】端末制御部５０はリモコン操作部４９で指
定された静止画の番号にあたる識別情報を検出し、その
フレームの静止画多重ビデオ信号を第１フィールド静止
画メモリ部４３または第２フィールド静止画メモリ部４
４に取り込み格納し、他の静止画の場合は書き込みを禁
止するようにタイミング発生部４７を制御する。第１フ
ィールド静止画メモリ部４３および第２フィールド静止
画メモリ部４４は、タイミング発生部４７からのリード
タイミング信号により読み出しが制御される。読み出さ
れた静止画データは、デジタル／アナログ変換部４５で
アナログ信号（Ｙ、Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）に変換される。こ
の輝度および色差信号はＲＧＢマトリクス部４６でアナ
ログＲＧＢ信号に変換され、表示装置に出力される。以
上により、１秒間当たり３０枚の送られてくる静止画か
ら必要な静止画を抜きとって表示することができる。

【００６１】実施例９． 図１２はこの発明における静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。図において、５１は入力ビデオ
信号に同期してライトタイミングなどの制御信号を発生
するライトタイミング発生部、５２は内部の発振器をも
とにリードタイミングなどの制御信号を発生するリード
タイミング発生部、５３は静止画送出装置１より送出さ
れた静止画多重ビデオ信号と外部入力ビデオ信号（通常
の動画など）を切り替える入力セレクタ部である。

【００６２】次に静止画受信表示装置２の動作について
説明する。静止画受信表示装置２は、静止画送出装置１
から送出された静止画多重ビデオ信号と外部入力ビデオ
信号の２つの入力を持ち、静止画多重ビデオ信号に多重
された静止画のうちの１つをフリーズ表示したり、外部
入力ビデオ信号を通常表示（動画）したりできる。

【００６３】これら２つの入力信号からいずれかが入力
セレクタ部５３で選択され、ビデオデコーダ部４１で輝
度信号（Ｙ）と色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）にデコード
されるとともに、同期信号（Ｈ、Ｖ）が分離される。こ
の輝度および色差信号はアナログ／デジタル変換部４２
でデジタルデータに変換され第１フィールド静止画メモ
リ部４３および第２フィールド静止画メモリ部４４にラ
イトタイミング発生部５１が発生するライトタイミング
信号により書き込まれる。

【００６４】第１フィールド静止画メモリ部４３および
第２フィールド静止画メモリ部４４は、書き込みと読み
出しが時分割で非同期に行なえる構成になっており、内
部に基準の水晶発振器をもつリードタイミング発生部５
２からのリードタイミング信号により読み出しが制御さ
れる。従って、入力セレクタ部５３に入力されるビデオ
信号が途絶えたり、切り替わったり、揺らいだりして
も、ＲＧＢマトリクス部４６より出力される信号は常に
安定している（時間軸補正機能）。

【００６５】実施例１０． 図１３はこの発明における静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。図において、５４は第１フィー
ルド静止画メモリ部４３および第２フィールド静止画メ
モリ部４４のデジタルビデオデータをもとに補間および
速度変換を行なう補間および速度変換部である。

【００６６】次に静止画受信表示装置２の動作について
説明する。リードタイミング発生部５２は端末制御部５
０からのリード制御信号により、インターレース表示／
ノンインターレース表示、動画／静止画のモードにより
第１フィールド静止画メモリ部４３、第２フィールド静
止画メモリ部４４、補間および速度変換部５４を制御す
る。

【００６７】インターレース表示のときは動画でも静止
画でも同様に、第１フィールドには第１フィールド静止
画メモリ部４３から、第２フィールドには第２フィール
ド静止画メモリ部４４から読み出し、補間および速度変
換部５４はそれらの読み出しデータをフィールドで切り
替えて速度変換は行なわずそのまま出力する。

【００６８】ノンインターレース表示で静止画のときは
第１フィールド、第２フィールドともに第１フィールド
静止画メモリ部４３と第２フィールド静止画メモリ部４
４から同時に読み出し２倍の速度に変換して１ライン毎
に第１フィールド静止画メモリ部４３と第２フィールド
静止画メモリ部４４のデータを出力する。

【００６９】ノンインターレース表示で動画のときは第
１フィールドに第１フィールド静止画メモリ部４３から
読み出し、第２フィールドに第２フィールド静止画メモ
リ部４４から読み出し、各フィールドともそのフィール
ド内の上下２ラインのデータからその平均をとって間の
ラインのデータを生成し２倍の速度に変換して出力す
る。

【００７０】このように表示のモードに応じて補間およ
び速度変換されたデータはデジタル／アナログ変換部４
５でアナログ信号（Ｙ、Ｒ−Ｙ、Ｂ−Ｙ）に変換され
る。この輝度および色差信号はＲＧＢマトリクス部４６
でアナログＲＧＢ信号に変換され、表示装置１０に出力
される。

【００７１】実施例１１． 図１４はこの発明における静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。図において、５５は識別情報を
サンプリングするための位相の異なる多種のクロックを
生成するクロック生成部、５６はクロック生成部５５で
作られた多種のクロックから１つのクロックを選択する
クロック選択部、５０は識別情報やリモコン操作部４９
からの情報により各部の制御を行なう端末制御部であ
る。

【００７２】次に静止画受信表示装置２の動作について
説明する。ライトタイミング発生部５１では、垂直ブラ
ンク期間の輝度信号に多重されている識別情報をサンプ
リングするための基準クロックを発生する。クロック生
成部５５では基準クロックをもとにこれと同一周波数で
位相の異なるクロック（クロック１〜Ｎ）を生成する。
クロック選択部５６では位相制御信号によりこれらのク
ロックの中から１つのクロックを選択して出力する。識
別情報再生部４８ではクロック選択部５６で選択された
クロックで輝度信号の識別情報が多重されている期間を
サンプリングするとともにしきい値と比較して２値
（１、０）のシリアルデータとして再生し、さらに並列
変換して識別情報として出力する。端末制御部５０はこ
の識別情報の中のあらかじめ定められた位相調整用の固
定データが正しく再生されるようにクロック選択部５６
を制御する。以上により、調整なしで安定して静止画を
識別受信することができる。

【００７３】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明によれ
ば、静止画送出装置を、フレームメモリ部より読み出さ
れる各フレームの垂直ブランク期間に各静止画を識別す
るための識別情報を識別情報多重部で多重し、上記識別
情報多重部より送られる静止画データおよび識別情報を
コンポジットビデオ信号として出力するように構成した
ので、複数台の静止画受信表示装置に多種類の静止画を
高速にしかも確実に伝送表示させるとともに、静止画受
信表示装置の台数が増えても、この性能が大きく劣化し
ない静止画送出装置が得られる効果がある。また、静止
画データをフレームメモリ部に格納する前に、静止画１
枚分のデータ容量を持ち書き込みと読み出しが非同期に
行なえる時間軸変換用バッファメモリ部に格納し、読み
出し制御部により、時間軸変換用バッファメモリ部から
静止画データを読み出してフレームメモリ部に書き込む
タイミング、及びフレームメモリ部からフレームを読み
出すタイミングを同じタイミングで行うように制御信号
を出力するように構成したので、フレームメモリ部への
書き込みおよび読み出しを同じタイミングで行なうこと
が可能になり、タイミング発生用の回路やフレームメモ
リ部周辺の回路が簡略になり、ノイズの影響も少ない静
止画送出装置が得られる効果がある。

【００７４】また、請求項２の発明によれば、静止画送
出装置を、ビデオ静止画とデジタル静止画の２通りのフ
ォーマットの複数の静止画データをフレームメモリ部に
格納し、上記フレームメモリ部より読み出されたデジタ
ル静止画をビデオ静止画のフォーマットに応じてフォー
マット変換部でフォーマット変換するように構成したの
で、ビデオ静止画の他にデジタル静止画もビデオ静止画
と同様に送出できる静止画送出装置が得られる効果があ
る。また、静止画送出装置を、フレームメモリ部より同
時に読み出される２系統の静止画データを、優先処理部
で重ね合わせをするように構成したので、固定の背景画
と可変の前景画からなる静止画等を送出できる静止画送
出装置が得られる効 果がある。

【００７５】また、請求項３の発明によれば、静止画送
出装置を、フレームメモリ部より読み出される各フレー
ムの垂直ブランク期間に多重される識別情報の始めと終
わりに、固定データ多重部で位相調整用の固定データを
多重するように構成したので、コンポジットビデオ信号
の受信側では、その位相調整用の固定データが正しく再
生されるクロックを選択することによって、安定して識
別情報を認識することができる静止画送出装置が得られ
る効果がある。

【００７６】また、請求項４の発明によれば、アドレス
セレクタとデータセレクタとメモリからなる、独立した
バスを持つ複数のメモリブロックに対して、アドレスデ
コーダから制御信号を発生するフレームメモリ部を備え
るように構成したので、複数の静止画データの格納およ
び読み出しを独立して行なうことができる静止画送出装
置が得られる効果がある。

【００７７】また、請求項５の発明によれば、静止画受
信表示装置を、静止画送出装置から送出される識別情報
が多重されたコンポジットビデオ信号を、識別情報再生
部で識別情報のみ分離し再生し、その識別情報により指
定されるフィールド静止画メモリ部が格納する静止画デ
ータを出力するように構成したので、１秒間当たり３０
枚送られてくる静止画から必要な静止画を抜きとって表
示できる静止画受信表示装置が得られる効果がある。

【００７８】また、請求項６の発明によれば、静止画受
信表示装置を、静止画送出装置から送出される識別情報
が多重されたコンポジットビデオ信号と通常のコンポジ
ットビデオ信号を入力セレクタ部で選択して入力し、書
き込みと読み出しを非同期に行なえるフィールド静止画
メモリ部に格納するように構成したので、静止画だけで
なく動画も表示でき、これらの表示を切り替えても画面
の同期が乱れない時間軸補正機能を持った静止画受信表
示装置が得られる効果がある。

【００７９】また、請求項７の発明によれば、静止画受
信表示装置を、第１フィールド静止画メモリ部および第
２フィールド静止画メモリ部からの読み出しデータをも
とに、静止画表示なのか、動画表示なのか、またインタ
ーレース表示なのかノンインターレース表示なのかによ
り補間および速度変換部で補間処理と速度変換を行なう
ように構成したので、インターレース表示もしくはノン
インターレース表示のいずれのタイミングでも出力で
き、特にノンインターレースで静止画を表示する場合は
ラインフリッカのない高画質な表示ができる静止画受信
表示装置が得られる効果がある。

【００８０】さらに、請求項８の発明によれば、静止画
受信表示装置を、位相調整用の固定データをサンプリン
グする同一周波数で位相の異なる多種のクロックをクロ
ック生成部で生成し、その多種のクロックから一つのク
ロックをクロック選択部で選択し、位相調整用の固定デ
ータが多重された静止画ビデオ信号から識別情報再生部
が分離し再生した位相調整用の固定データを端末制御部
で検出し、正しい位相調整用の固定データを得られるク
ロックを選択するように上記クロック選択部を制御する
ように構成したので、調整なしで安定して静止画を識別
受信できる静止画受信表示装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による静止画サービスシステムを構成
する静止画送出装置および静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。

【図２】この発明による静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。

【図３】４枚の静止画の格納および送出を示す図であ
る。

【図４】カラーバーが表示されている時のコンポジット
ビデオ信号、輝度信号（Ｙ）、色差信号（Ｒ−Ｙ、Ｂ−
Ｙ）を示す図である。

【図５】垂直ブランク期間の走査線に多重された識別情
報を示す図である。

【図６】この発明による静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。

【図７】この発明による静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。

【図８】この発明による静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。

【図９】この発明による静止画送出装置の一実施例を示
す構成図である。

【図１０】この発明による静止画送出装置のフレームメ
モリ部の一実施例を示す構成図である。

【図１１】この発明による静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。

【図１２】この発明による静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。

【図１３】この発明による静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。

【図１４】この発明による静止画受信表示装置の一実施
例を示す構成図である。

【図１５】 従来の発明による静止画サービスシステム
を構成する静止画送出装置および静止画受信表示装置を
示す構成図である。

【符号の説明】

１６ フレームメモリ部 １９ 識別情報多重部 ２０ ビデオ出力部 ２１ 時間軸変換用バッファメモリ部 ２４ フォーマット変換部 ２５ 優先処理部 ２６ 固定データ多重部 ３１ メモリ ３２ アドレスセレクタ ３３ データセレクタ ３４ アドレスデコーダ ３５ メモリブロック ４３ 第１フィールド静止画メモリ部（フィールド静止
画メモリ部） ４４ 第２フィールド静止画メモリ部（フィールド静止
画メモリ部） ４８ 識別情報再生部 ５０ 端末制御部 ５３ 入力セレクタ部 ５４ 補間および速度変換部 ５５ クロック生成部 ５６ クロック選択部

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 7/10 H04N 7/16 - 7/173 H04N 5/907 H04N 5/91 - 5/956 H04N 7/18

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンポジットビデオ信号の各フレームに
   記録されている複数の静止画データを格納すべく静止画
   １枚分のデータ容量を持ち、書き込みと読み出しが非同
   期に行なえる時間軸変換用バッファメモリ部と、上記時
   間軸変換用バッファメモリ部より読み出される静止画デ
   ータを複数枚格納するフレームメモリ部と、上記時間軸
   変換用バッファメモリ部から静止画データを読み出して
   上記フレームメモリ部に書き込むタイミング、及び上記
   フレームメモリ部からフレームを読み出すタイミングを
   同じタイミングで行うように上記時間軸変換用バッファ
   メモリ部及び上記フレームメモリ部に制御信号を出力す
   る読み出し制御部と、上記フレームメモリ部より読み出
   される各フレームの垂直ブランク期間に各静止画を識別
   するための識別情報を多重する識別情報多重部と、上記
   識別情報多重部より送られる静止画データおよび識別情
   報をコンポジットビデオ信号として出力するビデオ出力
   部とを備えた静止画送出装置。
2. 【請求項２】 ビデオ静止画とデジタル静止画の２通り
   のフォーマットの複数の静止画データを格納するフレー
   ムメモリ部と、上記フレームメモリ部より読み出された
   デジタル静止画をビデオ静止画のフォーマットに応じて
   フォーマット変換するフォーマット変換部と、上記フォ
   ーマット変換部より送られる２系統の静止画データの重
   ね合わせを行なう優先処理部と、上記優先処理部より送
   られる各フレームの垂直ブランク期間に各静止画を識別
   するための識別情報を多重する識別情報多重部と、上記
   識別情報多重部より送られる静止画データおよび識別情
   報をコンポジットビデオ信号として出力するビデオ出力
   部とを備えた静止画送出装置。
3. 【請求項３】 コンポジットビデオ信号の各フレームに
   記録されている複数の静止画データを格納するフレーム
   メモリ部と、上記フレームメモリ部より読み出される各
   フレームの垂直ブランク期間に各静止画を識別するため
   の識別情報を多重する識別情報多重部と、上記識別情報
   多重部より送られる各フレームの垂直ブランク期間に多
   重された識別情報の始めと終わりに位相調整用の固定デ
   ータを多重する固定データ多重部と、上記固定データ多
   重部より送られる静止画データ、識別情報および位相調
   整用の固定データをコンポジットビデオ信号として出力
   するビデオ出力部とを備えた静止画送出装置。
4. 【請求項４】 フレームメモリ部は、独立したライトア
   ドレスバス、リードアドレスバス、ライトデータバスお
   よびリードデータバスに接続され、これらのアドレスを
   デコードし独立した複数のメモリブロックに対して制御
   信号を発生するアドレスデコーダ及びアドレスセレクタ
   とデータセレクタとメモリからなる複数のメモリブロッ
   クを有することを特徴とする請求項１から請求項３のう
   ちのいずれか１項記載の静止画送出装置。
5. 【請求項５】 請求項１から請求項４のうちのいずれか
   １項記載の静止画送出装置からコンポジットビデオ信号
   を受信し、その識別情報のみ分離し再生する識別情報再
   生部と、上記識別情報再生部により得られる識別情報に
   より表示する静止画の選択を行なう端末制御部と、上記
   端末制御部により選択された静止画を格納するフィール
   ド静止画メモリ部とを備えた静止画受信表示装置。
6. 【請求項６】 請求項１から請求項４のうちのいずれか
   １項記載の静止画送出装置から送出された識別情報が多
   重されたコンポジットビデオ信号と、通常のコンポジッ
   トビデオ信号とを選択して入力する入力セレクタ部と、
   上記入力セレクタ部より得られる静止画送出装置から送
   出されたコンポジットビデオ信号より、識別情報のみ分
   離し再生する識別情報再生部と、上記識別情報再生部に
   より得られる識別情報により表示する静止画の選択を行
   なう端末制御部と、上記端末制御部により選択された静
   止画を格納する書き込みと読み出しを非同期に行なえる
   フィールド静止画メモリ部とを備えた静止画受信表示装
   置。
7. 【請求項７】 請求項１から請求項４のうちのいずれか
   １項記載の静止画送出装置からコンポジットビデオ信号
   を受信し、その識別情報のみ分離し再生する識別情報再
   生部と、上記識別情報再生部により得られる識別情報に
   より表示する静止画の選択を行なう端末制御部と、上記
   端末制御部により選択された静止画を格納する、独立し
   て読み出せる第１フィールド静止画メモリ部および第２
   フィールド静止画メモリ部と、上記第１フィールド静止
   画メモリ部および第２フィールド静止画メモリ部からの
   読み出しデータをもとに、静止画表示なのか、動画表示
   なのか、またインターレース表示なのかノンインターレ
   ース表示なのかにより補間処理と速度変換を行ない、イ
   ンターレース表示およびノンインターレース表示の両タ
   イミングで静止画データを出力する補間および速度変換
   部とを備えた静止画受信表示装置。
8. 【請求項８】 請求項３記載の静止画送出装置から識別
   情報および識別情報の始めと終わりにある位相調整用の
   固定データが多重されたコンポジットビデオ信号を受信
   し、その識別情報のみ分離し再生する識別情報再生部
   と、上記識別情報および位相調整用の固定データをサン
   プリングする同一周波数で位相の異なる多種のクロック
   を生成するクロック生成部と、上記クロック生成部によ
   り生成された多種のクロックから一つのクロックを選択
   し上記識別情報再生部に供給するクロック選択部と、位
   相調整用の固定データを正確に分離し再生するクロック
   を上記クロック選択部に選択させるとともに、上記識別
   情報再生部により得られる識別情報により表示する静止
   画の選択を行なう端末制御部と、上記端末制御部により
   選択された静止画を格納するフィールド静止画メモリ部
   とを備えた静止画受信表示装置。