JP4557107B2 - 画像情報配信システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配信元で用意した静止画または動画などのビデオ画像を遠隔地の多数の受信装置に配信する画像配信システムに関し、特に、衛星を用いたテレビ放送システム、地上波テレビ放送システムまたはケーブルテレビ(CATV)システムなどを利用して配信するビデオ画像配信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、店舗内にビデオモニタを配置して、動画あるいは複数の静止画を順番に表示させることによって、顧客に対する情報提供、例えば、安売り情報、新商品紹介等を放映するサービスが普及しつつある。
各店舗毎に上記の画像情報を用意してスタンドアロンのシステムにてサービスを運用する場合もあるが、コンビニエンスストアチェーンなどにおいては、本部にて画像情報を管理し、全国に点在する各店舗にこれらの画像情報を配信するシステムが導入されている。
一方、近年、液晶表示装置の低価格化が進み、液晶テレビが非常に安価に利用できるようになりつつある。そして、この傾向はさらに強くなるものと思われる。この点に鑑みると、適切な画像配信システムにより遠隔地に点在する液晶テレビに広告等の画像情報を表示することは極めて現実的であると言える。このようなテレビ装置は、小型かつ薄型であることから、店舗内のみならず、人目に付く場所に設置される看板や自動販売機に内蔵される表示器として利用することができる。
このようなシステムに求められる画像配信システムとしては、配信元で用意した静止画または動画などの種々のビデオ画像を遠隔地の表示装置に配信元の意のままに表示できるようなものであることが望ましい。
これまで画像を配信するために、種々の方法が考えられてきた。例えば、専用回線を各店舗に敷設して、これを介して配信する手法があるが、回線の維持費用が高価であるので複数の店舗に同じ情報を一斉に配信するには不向きであった。また、他の手法として、公衆通信網を介してインターネットで送る方法が知られている。この方法は、最も手軽であるが、多数の配信先にデータ量の大きい画像情報を一斉に送信するとトラフィックが高くなり配信に時間が掛かるので、大量の画像配信や多数の受け手への配信には不向きである。更に、通信衛星を利用して配信する方法も考えられるが、衛星の利用料金や各店舗に専用の受信端末を設置する費用等が高価であり、広告等の情報提供のために利用するには明らかにオーバースペックとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、複数の遠隔地の表示装置に対して柔軟な画像表示制御を低コストで可能とするビデオ画像配信方法、システム、および応用システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本願発明は、テレビ放送の送信局から、放送時間帯の画像が全く変化しない静止画フレーム期間を使用して、予め用意した画像コンテンツを複数の受信局に配信する画像情報配信システムに於いて、前記送信局は、前記静止画フレーム期間の第2フレーム以降に前制御フレームと該前制御フレームの直後に配置された前記画像コンテンツに係る画像データのフレームと該画像データのフレームの直後に配置された後制御フレームとを挿入しフレームシーケンスに含めて送信する制御フレーム送信手段を有し、前記前制御フレームには、受信局を指定可能な受信局指定情報を含む受信局の制御に必要な制御情報が格納されており、受信局は、受信したフレームが前制御フレームである場合、前制御フレームの直前のフレームに格納された画像を前制御フレームから後制御フレームまでの期間中繰り返し再生表示する反復再生手段と、前制御フレームの受信局指定情報に自局を指定する情報が含まれているか否かを判断する判断手段と、受信局指定情報に自局を指定する情報が含まれている場合、前制御フレームと後制御フレーム間に挟まれたフレームを受信し記録する動作手段と、を含むことを特徴とする。
【0005】
更に、前記制御情報の受信局指定情報が複数の受信局からなる配信先グループのIDを含むことを特徴とする。
更に、前記動作手段は、制御情報に基づいて画像コンテンツの再生を行うことを特徴とする。
更に、前記動作手段は、前記制御情報に基づいて、画像コンテンツの表示時間、表示の順番、または表示の繰り返しのいずれかの再生制御を行うことを特徴とする。
更に、前記動作手段は、前記制御情報に基づいて、既に記録されている画像コンテンツを削除することを特徴とする。
更に、前記受信局が、テレビ放送受信機と、アダプタと、画像コンテンツを表示する表示手段と、を有するものであり、前記アダプタは、前記テレビ放送受信機から出力されるビデオ信号を入力するビデオ入力部と、前記判断手段と、動作手段と、前記表示手段にビデオ信号を出力するビデオ出力部と、を有するものであることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を添付図面により詳細に説明する。
なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
(実施の形態)
以下の説明に於いて、本発明の具体的な実施例として電子看板システムを例にとって、本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、これに限らず、凡そ送信側で用意した画像を含むコンテンツを送信側から離れた装置の表示器に表示する機能を必要とする種々のシステムに適用可能である。
図1は、本発明の一実施例による電子看板システムの構造を示す略ブロック図であり、特開平8−149452号公報、特開平8−322028号公報に開示された技術を基礎として構成したものである。図1に於いて、電子看板システム1は、少なくとも1つの送信局2と複数の受信局(即ち、配信先)4とからなる。送信局2は、地上波放送局でも、BS(放送衛星)またはCS(通信衛星)放送局でもよい。送信局2がBSまたはCS放送局の場合、データの伝送路の一部として放送衛星または通信衛星3を利用することになる。送信局2は、送信用のビデオ再生装置21、本発明を特徴づける制御情報を収容したビデオフレームを送信ビデオストリームに含める制御画像付加装置22、制御画像付加装置22からの送信ビデオストリームを所望のチャンネルの送信信号に変える送信装置(送信手段)23、及び送信信号を電波として送出するアンテナ24からなる。制御画像付加装置22は、受信局に配信するための静止画を記録した光ディスクを再生する光ディスクドライブ25を備えることが好ましい。ビデオ再生装置21、送信装置(送信手段)23およびアンテナ24は、通常の放送局が用いる従来のものでよい。
一方、受信局4は、少なくとも、送信局2から直接または衛星3を介して電波を捕捉するアンテナ40、捕捉した電波から所望のチャンネルを選択するチューナ41、選択されたチャンネルのビデオストリームから送信された画像の再生および蓄積再生を実現する本発明を特徴づけるアダプタ42、および所与のビデオ信号を表示するビデオ表示器44からなる。受信局4において静止画の表示と動画のリアルタイム表示しか行わない場合は、以上の構成で十分である。更に、受信局4において動画の蓄積再生も行う場合は、ビデオデータを記録するビデオ記録再生装置43を用意することになる。受信局4の構成要素のうち、アダプタ42以外の要素40、41及び44は、すべて大量生産により安価に市販されているBS,CS放送受信装置を用意すればよい。
【0007】
図2は、図1のアダプタ42の一実施例を示す略ブロック図である。図2におて、アダプタ42は、チューナ41で選択されたチャンネルのビデオストリームをメモリに記憶可能なデータに変換するビデオ入力部110、アダプタの機能を制御するコントローラ120、所定数のビデオフレームを格納できる容量の画像メモリ130、及び所与の動画および静止画をビデオ信号として出力するビデオ出力部140からなる。ビデオ出力部140は、ビデオメモリ142を含む。このメモリ142に受信した静止画を蓄えることができる。なお、図1に於いて、受信部4に、ビデオ記録再生装置43を設置できるように、アダプタ42には、ビデオ記録再生装置43を制御する制御信号を送るためのインタフェースとして例えばRS−232Cシリアルインタフェース(IF)150を備えていることが望ましい。
以下の説明に於いて、「配信する」とは、少なくとも1つの本発明に係わる受信局4によって利用されるように送信局2が画像コンテンツを送信することである。画像コンテンツの配信は、例えば、空いているチャンネルを介して行うことができる。配信すべき画像コンテンツが少ない枚数の静止画のみで、動画を使用しないシステムの場合は、このシステムの為に、わざわざ空きチャンネルを確保しなくても、使用中のチャンネルにおいて番組やシーンの変わり目を利用して静止画を配信することができる。また、動画を配信する場合でも、使用されているチャンネルの、例えば深夜などの放送時間帯以外の時間に送信してもよい。使用されているチャンネルを利用する場合は、画像コンテンツが実際に配信されている時間以外は、受信局4は、そのチャンネルの通常の送信内容を受信することができる。
【0008】
図3及び図4を参照しながら図1および図2に示した本発明による画像情報配信システムの配信方法を説明する。図3は、本発明により動画あるいは複数枚の静止画像を配信する場合の送信フレームシーケンス、及びこのシーケンスで用いる前制御フレーム及び後制御フレームの第1のフィールドを示す図である。周知のように、インターレース方式にあっては1つのフレームを2つに分けて送信して一つの画像を構成しており、ここでは、先に送信されるものをそのフレームの第1のフィールド、後に送信されるものを第2フィールドと呼ぶこととする。図3から分かるように、本発明によれば、送信フレームシーケンスに於いて配信されるべき画像データ210の前後に前制御フレーム(前制御画像)202と後制御フレーム(後制御画像)204とをそれぞれ挿入して、画像データ210の配信を行う。この場合、前制御フレーム202および後制御フレーム204に必要な制御情報は、各フレーム202、204の例えば第1のフィールドにおいて表示される部分の左端から始まる走査線(図3ではH1,H2,...として示した)に含めるものとする。各水平走査線の表示ドット数が、仮に640ドットとし、1ビットを4ドットで表すとすれば、各走査線ごとに160ビット、即ち20バイトが収容可能である。
ここで、注目すべきことは、制御情報をフレームとフレームの間の帰線消去期間に埋め込むのではなく、表示されるフレームそのものを利用したことである。このようにすることにより、帰線消去期間に含める場合に比較して、制御信号の挿入および検出が容易になるため回路構成を簡単化できる。さらに、制御信号を画像(静止画像)データとして扱うため、テレビ放送方式が例えばアナログ方式からデジタル方式へと変更されても、本発明に係わる制御画像付加装置(送信局用装置)22およびアダプタ42はそのまま使用することができるという利点がある。
【0009】
図4は、本発明により画像データを配信する場合(a)と、画像の配信を伴わず制御フレームのみを送信する場合(b)の送信フレームシーケンスを示す図である。画像データ210を送信する場合は、例えば、図4(a)に示すように画像データ210の前に配信制御フレーム206を置く。この場合、フレーム206にて、後述のように表示時間、表示フレーム数または停止時刻を指定できるので、後制御フレームに相当するものは不要である。また、図4(b)に示すように、画像の配信は行わず、例えば受信側にて記録済みの画像コンテンツ(静止画および動画を一括して「画像コンテンツ」と称する)を再生する再生コマンド(後述する)や記録済みの画像コンテンツを削除する削除コマンド(後述する)などを含む制御フレーム208を単独で送ることも可能である。
図5は、本発明に係わる電子看板システム1で利用可能な各種の制御フレームを構成する走査線による制御情報の例を示す表である。表の左から第1列は走査線の符号、第2列(「内容」欄)は、対応する走査線にって表現されるデータの種類を示す。図5の表において、横線を記したセルは、該当するフレームの該当する走査線にはデータが含まれないことを示す。各フレームの空白の走査線には、内容欄に示したデータが収容されるものとする。
図5の表より、制御フレーム202〜208は、前制御フレーム202、後制御フレーム204、配信制御フレーム206およびその他の制御フレーム208の4種類に大別でき、それらは走査線符号H1に収容されるヘッダHD1〜HD4によって識別できることが分かる。走査線H1以降の各走査線には次のような制御情報が含まれる。
H2:配信先(即ち、受信局)4のID(複数のIDも可)
H3:配信先グループID(後述する)
H4:画像ID(HD1〜3の配信制御フレームの場合は配信する画像コンテンツのIDであり、HD4のその他の制御フレームの場合は、H6のコマンドの引数として使用される)
H5:再生記録モードを指定するコード
H6:そのフレームで送信すべきコマンド
【0010】
H5の再生記録モードの種類としては、次のようなモードが考えられる。
1)即時再生記録モード:
配信される画像コンテンツをリアルタイムで表示しながら記録も行う。
2)即時再生モード:
記録は行わず、即座に再生のみを行う。
3)記録モード:
記録のみを行う。このとき引数として予約再生時刻SPTを指定できる。これらH5の再生記録モードでは、引数として、種々の指定が可能である。画像コンテンツが複数枚の静止画の場合は、1枚当たりの表示時間や表示の順番(送信順か、その逆か、ランダムか)、表示のくり返し回数等を指定できる。
H6のコマンドとしては、例えば次のようなコマンドがある。
1)再生(play):
配信時とは別に、既に配信し記録されている画像コンテンツに対し、画像IDを指定し、さらに上述のSPモードの要領で再生を指示することができる。複数の画像コンテンツを用いて所望のシーケンスで再生させたい場合は、playに続けて所定の引数を使用することにより、所望のシーケンスを表すプログラムをH100から記述することができる。このため、プログラム中で利用できるよう種々の制御コマンドを用意することが好ましい。これにより、動画および静止画を含む所望のシーケンスで再生表示させたり、巡回表示させることが可能となる。
2)画像削除(delete):
記録済みの画像コンテンツのうち、H4の画像IDで指定されたコンテンツを削除する。
3)グループ化(group):
このコマンドを含む制御フレーム208の場合、例えばH2の配信先(受信局)IDに、グループ化したい配信先のIDをすべて含める。このようにして指定された配信先をグループ化する。具体的には、H2に指定された受信局は、それぞれ、H3に収容されているグループIDを、後述する自局の図7に示す所属グループIDリスト222に追加する。
4)グループ解除(dissolve):
H3に指定されたIDの配信先グループを解除する。具体的には、H3の配信先グループIDが図7の所属グループIDリスト222にある受信局は、それぞれ所属グループIDリスト222からその配信先グループIDを削除する。
【0011】
以上述べたように、グループ化コマンド及びグループ解除コマンドを送ることができるので、送信局2は、自由に配信先(即ち、受信局)4をグループ化できる。したがって、これらのコマンドを送る度に、図6(a)に示すような配信先グループIDと配信先IDリストを関係付けるテーブルにレコードを追加したり、削除したりして、このテーブルを維持する。
以上のように、送信局2は、画像コンテンツの受信局での記録および削除も自由にできるので、記録または削除を行う度に、図6(b)に示す配信先(グループ)IDとその配信先(グループ)に記録した画像コンテンツのIDを関係付けるテーブルにおいて、該当する配信先(グループ)に対して画像IDの追加または削除を行う。
一方、各受信局4は、図7に示すようなデータ(以降、「保持データ」と称する)300を維持管理するものとする。即ち、保持データ300には、アダプタ42の製造時に永久的に付与される受信局ID220、送信局2から指定される配信先グループIDのリスト(即ち、所属グループIDリスト)222、記録済みの画像コンテンツのID224及び対応する画像コンテンツの再生予定日時(指定されている場合)などが含まれる。
【0012】
以上のような構成に於いて、送信局2から送られてくるビデオストリームを受信する場合の、受信局4の動作を図2を参照しつつ図8を用いて説明する。図8は、受信局4のアダプタ42の動作例を示すフローチャートである。
図8において、受信局4の電源(図示せず)が投入されるか、又はリセットされた後、フレームを受信すると、アダプタ42のコントローラ120は、まずステップ252において、保持データ300の受信局ID(自局ID)220が受信したフレームのH2に存在するか否かを判断する。存在しない場合、ステップ254において、H3のグループIDが、保持データ300の所属グループIDリスト222に存在するか否か判断する。存在しなければ、自局に係わる制御フレームではないと判断し、ステップ256で次のフレームを待ち、ステップ252に戻る。
ステップ252またはステップ254において、判断結果がYES(自局ID)の場合、ステップ258において、H1のヘッダがHD1〜4の何れであるかを判断する。ヘッダがHD1の場合、ステップ260において、後続の画像データを受信しH5の再生記録モードに従って処理する。さらに、ステップ262において、次のフレームの第1フィールドにおけるH2に保持データ300の受信局ID(自局ID)220を含むかどうかを判断する。含まなければ、少なくとも自局に係る制御フレームではないと判断し、ステップ260に戻る。ステップ262において、受信局ID220を含むならば(画像データは終了したものと判断して)、ステップ264において次のフレームを待ち、ステップ252に戻る。
ステップ258において、H1のヘッダが、HD3(即ち、静止画配信フレーム)ならば、ステップ266において、既に述べたようにH5の再生記録モードに従って次のフィールドを処理した後、ステップ264に進む。ステップ258において、H1のヘッダが、HD4ならば、ステップ268において、既に述べたようにH6に指定されたコマンドを実行した後、ステップ264に進む。
なお、ステップ258においてH1ヘッダがHD2となることは、通常はあり得ない。しかし、例えば送信側が画像データ210を送信している期間に受信側が電源ONした場合などが考えられるが、このときはこの後制御フレームを無視して次のフレームを待つことになる。
【0013】
図9は、以上述べた動作を行うことにより本発明の電子看板システム1において為された表示の例を示す図である。同図に示すように、本発明によれば、配信先4を任意にグループ化し、配信先のグループごとに、異なる表示をさせることが可能である。グループと単独の配信先の混在も可能であり、各受信局に複数のグループIDを設定できるので、受信局4を重複して複数のグループに所属させることも可能である。即ち、柔軟なグループ化が可能である。
さらに、画像コンテンツの配信登録、削除、及び再生を受信局4単位のみならず柔軟なグループ単位でも行うことができるので、極めて柔軟性の高いシステムの運用が可能である。
本発明の画像情報配信システムは、送信局に制御画像付加装置22を追加し、受信局にアダプタ42を追加するだけで実現することができる。
さらに、制御情報を静止画像データとして送信するので、伝送方式が変更されても制御画像付加装置22と受信局にアダプタ42はそのまま使用することが可能である。
【0014】
(変形例)
前述の実施例では、放送中に1枚でも静止画を送信すると、制御フレームも含めて少なくとも2フレームがフレームシーケンスに唐突に含まれることになる。このようなフレームシーケンスが受信側で表示されるとチラツキとして知覚されることになる。このような事態に対処するための技術を図10を用いて説明する。
時としてテレビ放送中に画像が全く変化しない期間が何秒か続くことがある。この典型的な例としては、図10(a)に示すような番組の初めのタイトル表示などがある。このように画像が全く変化しない期間を、仮に「静止画フレーム期間」と呼び、そのフレーム数をNsとする。すると、静止画フレーム期間については、静止画フレーム期間の先頭のフレームがあれば、残りの(Ns−1)フレームは、先頭のフレームを繰り返し表示するように構成すれば、受信する必要なくなる。
したがって、送信局1側で、図10(b)に示すように静止画フレーム期間の第2フレームから第Nsフレームの任意の期間に前制御フレーム202、画像データ210(Ndフレームとする)及び後制御フレーム204を配置し、受信局4側で、同図(c)に示すように前制御フレーム202の直前のフレーム201を、前制御フレーム202から後制御フレーム204までの期間中(即ち、(Nd+2)フレームの期間中)繰り返し再生表示した後、通常のリアルタイム表示に戻すことにより、画像を乱すことなく画像を配信することができる。
図10から分かるように、(b)に示したフレーム構成の場合に配信されるフレーム数が最大となり、その数はNs−3である。即ち、この方法によれば、1からNs−3の任意の画像フレームを配信することができる。
なお、当業者にとって明らかなように、この配信方法を実現するには、前制御フレーム202を受信した際にその直前のフレーム201を反復表示できるようにするために、例えばアダプタ42が1フレーム分のバッファメモリ(図示せず)を備えて、常に1フレーム分を保持しておくことにより実現することができる。
【0015】
(その他の変形例)
以上は、本発明の説明のために実施の形態の例を掲げたに過ぎない。したがって、本発明の技術思想または原理に沿って上述の実施の形態に種々の変更、修正または追加を行うことは、当業者には容易である。
例えば、配信制御フレーム206を用いて動画の配信を行うことも可能であり、この場合、後制御フレーム204に相当するものがないので、配信制御フレーム206に動画の再生時間またはフレーム数を含め、受信局では、配信制御フレーム206の受信後、指定された再生時間またはフレーム数だけ再生した時点で再生を停止するようにしてもよい。
また、上述の例では、静止画を再生する場合、再生時間または停止時刻を予め設定して再生するように構成した。このようにする代わりに、再生を終わらせたい時に停止制御フレームを送って再生を終了させてもよい。
制御情報は、必ずしも、バイト単位のデータで構成する必要はなく、任意のコード体系を用いることができる。
前述の例では、一つのフレームの走査線ごとに異なる制御情報を収容したが、制御情報の配列方法は、第1フィールドと第2フィールドの両方を使用するなど、このほかに種々の方法が考えられる。
また、コマンドも、上記の他に、起動時間を設定して受信側をスリープさせるなど、種々の制御コマンドを利用することが可能である。
実施例では、衛星を用いたテレビ放送を例に説明したが、本発明は、地上波テレビ放送およびケーブルテレビ放送システムにも応用可能である。また、深夜などの放送時間帯以外の時間を使用して画像を配信すれば、既存の放送施設を安価に使用できるのでコストダウンに効果がある。
以上のようにシステムを構築することにより、次のような情報配信が実現できる。
例えば、コンビニエンスストア内にこの電子掲示板システムの受信局を設置した場合:
・ブロックを都市部、郊外、山間部、港湾部などといった具合に分割して、それぞれの顧客に応じた広告等の情報を配信する。
・ブロックを北海道、東北、北陸・・・九州、南西諸島といった具合に分割して、それぞれの地域のニーズに合わせた広告等の情報を配信する。
・POSシステムにより得られたデータ、例えば「雑誌がよく売れる」、「清涼飲料がよく売れる」、「弁当がよく売れる」、逆に「菓子類の売れ行き不振」、「文具類の売れ行き不振」などの顧客の購買動向に応じて、各店舗をグループに分割して、ブロック化し、売れ筋商品の新製品情報を配信したり、売れ行き不振商品のテコ入れのための広告を配信したりといった広告の重み付けをすることができる。
本発明は、以上述べた実施の形態に捕らわれることなく、ただ特許請求の範囲の記載に従って解釈するべきである。
【0016】
【発明の効果】
本発明はテレビ放送を利用するものであるから、送信側は、テレビ放送局の放送設備をそのまま利用するので、インフラストラクチャの整備に要する初期費用を低く抑えることができる。
テレビ放送のフレームフォーマットは、1秒間に30フレームであるから、5秒の時間があれば150種類もの静止画像を送信することができる。よってテレビ局に支払う「放映料」もほんの僅かであり、通常のテレビ番組を放送していない休止時間帯であれば、そのランニングコストの低下は更に期待できる。これは、配信する情報が受信局側で蓄積されて、受信局側の制御により画像情報を表示するという機能によるものである。
一方、受信局側も、通常のテレビ放送受信機にアダプタを追加するだけであるから、初期導入費用が安価となる。
更に、地域性や生活環境あるいはPOSシステムを利用して得られた顧客の購買動向などに基づいて、送信局にて、配信先をブロック分けすることにより、情報配信サービスを柔軟に運用することができるという著効を奏する。
イベント会場などでの案内システムとして:
また、本発明はイベント会場などの要所にテレビを設置することにより、案内を表示することができる。この場合、セミナーや会議などのタイムスケジュールにあわせて、案内画像を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による電子看板システムの構造を示す略ブロック図。
【図2】図1のアダプタ42の一実施例を示す略ブロック図。
【図3】本発明により画像データを配信する場合の送信フレームシーケンス、及びこのシーケンスで用いる前後の制御フレームの第1のフィールドを示す図。
【図4】(a)は本発明により静止画を配信する場合を示す図、(b)は画像の配信を伴わず制御フレームのみを送信する場合の送信フレームシーケンスを示す図。
【図5】本発明で用いる各種の制御フレームの走査線が含む制御情報の例を示す図。
【図6】図1の送信局2の制御画像付加装置が保持する2つのテーブルの構造を示す図であり、(a)は配信先グループIDとこのグループを構成する受信局のIDのリストを対応付けるテーブルを示す図、(b)は配信先および配信先グループのIDとこれらの配信先(即ち、受信局)4が保持する記録画像のIDを関係付けるテーブルを示す図。
【図7】受信局4が維持管理する情報のリストを示す図。
【図8】本発明の原理により受信局4のアダプタ42が行う動作例を示すフローチャート。
【図9】本発明により電子看板システム1が広告を表示する様子を示す図。
【図10】(a)〜(c)は静止画フレーム期間を利用して配信する方法を示す図。
【符号の説明】
1 電子看板システム、2 送信局、3 衛星、4 受信局、21 ビデオ再生装置、22 本発明の制御画像付加装置、23 送信装置、24、40 アンテナ、25 光ディスクドライブ、41 チューナ、42 本発明のアダプタ、43 ビデオ記録再生装置、44 ビデオ表示装置、110 ビデオ入力部、120 コントローラ、130 画像メモリ、140 ビデオ出力部、142 ビデオメモリ、150 RS−232Cインタフェース、202 前制御フレーム、204 後制御フレーム、206 配信制御フレーム、208 制御フレーム

Claims (6)

  1. テレビ放送の送信局から、放送時間帯の画像が全く変化しない静止画フレーム期間を使用して、予め用意した画像コンテンツを複数の受信局に配信する画像情報配信システムに於いて、
    前記送信局は、
    前記静止画フレーム期間の第2フレーム以降に前制御フレームと該前制御フレームの直後に配置された前記画像コンテンツに係る画像データのフレームと該画像データのフレームの直後に配置された後制御フレームとを挿入しフレームシーケンスに含めて送信する制御フレーム送信手段を有し、
    前記前制御フレームには、受信局を指定可能な受信局指定情報を含む受信局の制御に必要な制御情報が格納されており、
    受信局は、
    受信したフレームが前制御フレームである場合、前制御フレームの直前のフレームに格納された画像を前制御フレームから後制御フレームまでの期間中繰り返し再生表示する反復再生手段と、前制御フレームの受信局指定情報に自局を指定する情報が含まれているか否かを判断する判断手段と、
    受信局指定情報に自局を指定する情報が含まれている場合、前制御フレームと後制御フレーム間に挟まれたフレームを受信し記録する動作手段と、を含むことを特徴とする画像情報配信システム。
  2. 前記制御情報の受信局指定情報が複数の受信局からなる配信先グループのIDを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像情報配信システム。
  3. 前記動作手段は、
    制御情報に基づいて画像コンテンツの再生を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像情報配信システム。
  4. 前記動作手段は、
    前記制御情報に基づいて、画像コンテンツの表示時間、表示の順番、または表示の繰り返しのいずれかの再生制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像情報配信システム。
  5. 前記動作手段は、
    前記制御情報に基づいて、既に記録されている画像コンテンツを削除することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像情報配信システム。
  6. 前記受信局が、テレビ放送受信機と、アダプタと、画像コンテンツを表示する表示手段と、を有するものであり、
    前記アダプタは、
    前記テレビ放送受信機から出力されるビデオ信号を入力するビデオ入力部と、前記判断手段と、動作手段と、前記表示手段にビデオ信号を出力するビデオ出力部と、を有するものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像情報配信システム。
JP2000225566A 2000-07-26 2000-07-26 画像情報配信システム Expired - Fee Related JP4557107B2 (ja)

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