JP3300014B2 - 真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法 - Google Patents

真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空脱ガス処理による溶
鋼の精錬方法に関するものであり、特に高品位の各種鋼
材を効率的に製造することを目的としている。
【0002】
【従来の技術】RH脱ガス法などの真空脱ガス処理によ
る溶鋼の精錬方法で低S鋼を溶製する場合、精錬用添加
剤(フラックス)や合金化剤(以下精錬用添加剤とい
う)の歩止向上を図るなどの目的から、真空槽内の溶鋼
へ精錬用添加剤の粉体を精錬用気体及び他のキャリアガ
ス(以下キャリアガスという)によって、上記粉体が溶
鋼へ十分侵入しうる速度で吹きつける方法が利用されて
いる(特開昭61-59376号公報参照)。この方法は粉体の
滓化もはやく溶鋼との接触反応も促進されるため、一般
に粉体単味の反応効率が良好である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の溶鋼内へ精錬用
添加剤(フラックス)を吹き付ける方法そのものは粉
体、たとえば脱硫剤として使用される CaO粉の反応効率
が高く、しかもAl等の還元剤の歩止も著しく高いものと
なっている。しかしながらこの方法のみでは取鍋スラグ
からの酸素供給による復硫がおさえられないため、見掛
け上の脱硫効率は低くなる。
【0004】一般にこの方法における脱硫反応は次式で
表わされる。 CaO+←→ CaS+ ・・・ (1) CaO などのフラックスを吹き付けることにより(1) 式は
右へ進行(脱S)する。しかし、取鍋スラグ等からの酸
素供給があれば(1) 式の反応は左へ進行(復S)する。
【0005】本発明は前記従来の技術の問題点を解決
し、脱硫反応等の精錬反応効率の高い真空脱ガス処理に
よる溶鋼の精錬方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、取鍋と組み合わせた真空脱ガス槽内の溶鋼
表面に精錬用添加剤の粉体をキャリアガスによって吹き
付ける真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法において、
前記精錬の初期に真空脱ガス槽内の溶鋼表面に取鍋スラ
グの融点を上昇させる成分を含有するスラグ改質剤の粉
体をキャリアガスによって吹き付け、このスラグ改質剤
によって前記取鍋スラグと前記溶鋼との境目に存在する
前記取鍋スラグの融点を上昇させて、前記取鍋スラグ
固化して不活性にした後、前記精錬用添加剤の粉体をキ
ャリアガスによって吹き付けて精錬することを特徴とす
る真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法である。
【0007】
【作用】 本発明によれば、前記の精錬用添加剤(フラッ
クス)の粉体吹き付けによる精法において、取鍋スラ
グ改質剤を精錬の初期に吹き付け取鍋スラグの固化によ
り不活性にして取鍋スラグからの酸素供給量を低下させ
た後に通常の精錬用添加剤たとえば脱硫用フラックスを
吹き付けるので、復硫を著しく低下することができ、脱
硫反応効率等の精錬反応効率を向上することができる。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。本例では図1に示すRH式真空脱ガス装置を使用し
て溶鋼の脱ガス脱硫処理を行った。すなわち転炉により
吹錬された溶鋼1を取鍋2に装入する。取鍋2の上方に
は、その下部に2本の浸漬管3a、3bを設けてある円
筒状の真空脱ガス槽3を配設しており、2本の浸漬管3
a、3bは取鍋2内の溶鋼1に浸漬されている。浸漬管
3aの内部にはガス供給管7を介してArガスが供給され
るようになっている。
【0009】脱ガス槽3は真空排気ダクト6から排気し
て内部を真空引きすることにより減圧できるようになっ
ており、脱ガス槽3の内部が減圧されると一方の浸漬管
3aにアルゴンガス供給管7から供給されるArガスによ
るガスリフトポンプの原理に基いて浸漬管3aより取鍋
2内の溶鋼1が吸引され上昇して脱ガス槽3内へ入り、
ここで脱ガス処理された後、他方の浸漬管3bより取鍋
2内へ環流するようになっている。
【0010】脱ガス槽3の天井壁を貫通してランス4が
溶鋼表面に対して鉛直に取付けられていて、精錬用添加
剤または合金化剤の粉体5を精錬用気体および他のキャ
リアガスによって脱ガス槽3内の溶鋼中に十分侵入し得
る速度で吹きつけるようになっている。排気ダクト6か
らの排気による脱ガス槽3内の真空度は高い方がよいが
最低でも環流時の槽底部の耐火物が、吹き付けられてい
る粉体5により損耗されるのを防止するため溶鋼高さが
200mm以上になるように調整している。
【0011】前述のように脱ガス槽3内の溶鋼表面の上
方に配設したランス4を介して精錬用添加剤の粉体5を
高速で吹き付ける方法では、取鍋スラグを攪拌するイ
ンジェクション法とは異なりAl等の合金歩止がよく、精
錬添加剤の歩止も高い。しかしながら、従来法による精
錬用添加剤の吹き込みのみでは取鍋スラグ8からの酸素
供給による復硫がおさえられないために、見掛けの脱硫
効率は低くなる。図3に取鍋スラグの酸素ポテンシャ
ルの指標となるT.Fe(FeO)+ MnOの脱硫率に及ぼす影
響を示す。図3に示すように取鍋スラグの酸素ポテン
シャル上昇は、脱硫率の低下に大きく影響を及ぼしてい
る。
【0012】そこで本発明では、吹き付け精錬初期に取
鍋スラグ8の融点を上昇させる成分MgO を含有する MgO
系フラックスを吹き付けて、そのフラックスを取鍋スラ
グ8に吸引させることにより取鍋スラグを固化し、不
活性にする。それにより、取鍋スラグ8中にT.Fe、 M
nOなどからの酸素供給を著しく低下させる。図4に、Ca
O-MgO-Al2O3 系の酸化物の状態図を示すが、 MgO濃度が
高くなるほどスラグ融点は上昇し固化しやすくなること
がわかる。
【0013】 250トン転炉で吹錬したC 0.073%の溶鋼
を出鋼して図1に示すRH式脱ガス装置を使用して脱ガ
ス処理を行った。転炉の出鋼温度は1630℃であった。脱
ガス開始時の溶鋼Cは 0.071%で温度は1597℃であっ
た。図2に示すように本発明法では脱ガス処理開始から
2.5分後にラバールノズル式のランスを下降し、表1
に示す化学成分の(CaO+MgO)フラックスを吹込速度100k
g/分、Arガス3.2Nm3/分により脱ガス槽内の溶鋼表面
に吹き付け浴内に侵入させた。
【0014】
【表1】
【0015】脱ガス槽の溶鋼浴内に浸入した(CaO+
MgO)フラックスは環流する溶鋼と共に下降側の浸漬管
を通って取鍋内に入った後、溶鋼上に浮上して MgO
成分が取鍋スラグと溶鋼との境目に存在する取鍋
ラグの融点を上昇させる。脱ガス開始から約6分経過
した時点で(CaO+MgO)フラックスを表1に示す CaO単味
のフラックスに切換えてランスから脱ガス槽内の溶
表面に吹き付けて脱ガス、脱硫処理を精錬開始から
約16分の時点まで行う。約16分の時点で CaOフラックス
の吹き付けを中止した状態で脱ガス処理を継続し約20分
で真空脱ガス処理を終了する。脱ガス処理終了後の溶鋼
Cは 19ppmであった。ここで(CaO+MgO)フラックスの吹
込量は1.5kg/t・Steel であり、 CaOフラックスの吹込
量は3.3kg/t・Steel であった。
【0016】本発明によれば(CaO+MgO)フラックスの M
gO成分が取鍋スラグに吸収されて溶鋼との境界部で
取鍋スラグの融点上昇により固化して不活性になる。
このため取鍋スラグから溶鋼への酸素供給による復
硫が抑制されるため引続く CaOフラックスによる脱硫効
率が向上する。なお図2に示すようにほぼ同条件で精錬
開始 2.5分後から約14分までの期間に CaO単味フラック
スを吹き付けて脱ガス脱硫処理を行い、その後16分から
20分まで脱ガス処理を行う従来法を実施した。この場合
の CaOフラックスの吹込量は 4.0kg/t・Steel であっ
た。
【0017】前述のような本発明法と従来法による脱ガ
ス処理における溶鋼の脱硫推移を図5に示す。図5に示
すように本発明によれば取鍋スラグが固化して不活性
になるので取鍋スラグからの酸素供給が抑制されるの
で脱硫効率が向上するのに対し、従来法では取鍋スラグ
からの酸素供給により復硫が生じるので脱硫効率が本
発明より著しく低いことがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明は真空脱ガス精錬で精錬用添加剤
を溶鋼に十分侵入しうる速度で吹き付ける精錬方法にお
いて、初期に取鍋スラグの改質剤を吹き付けることによ
り、取鍋スラグを固化し不活性化するので脱硫フラック
ス吹き付けによる脱硫反応の効率を著しく向上すること
ができる。また、取鍋スラグを不活性化することは溶鋼
の再酸化を防止することにもつながるため、清浄鋼の鋼
中酸素濃度低減の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのRH式真空脱ガス装置
を示す断面図である。
【図2】本発明法と従来法の精錬用添加剤吹込み条件を
示すグラフである。
【図3】取鍋スラグの (T・Fe+MnO)と脱硫率との関係
を示すグラフである。
【図4】CaO −MgO −Al2O3 3元状態図である。
【図5】本発明法と従来法の脱硫推移を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 取鍋 3 脱ガス槽 4 ランス 5 粉体 6 排気ダクト 7 アルゴンガス供給管 8 取鍋スラグ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10 C21C 7/072

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋と組み合わせた真空脱ガス槽内の溶
    鋼表面に精錬用添加剤の粉体をキャリアガスによって吹
    き付ける真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法におい
    て、前記精錬の初期に真空脱ガス槽内の溶鋼表面に取鍋
    スラグの融点を上昇させる成分を含有するスラグ改質剤
    の粉体をキャリアガスによって吹き付け、このスラグ改
    質剤によって前記取鍋スラグと前記溶鋼との境目に存在
    する前記取鍋スラグの融点を上昇させて、前記取鍋スラ
    を固化して不活性にした後、前記精錬用添加剤の粉体
    をキャリアガスによって吹き付けて精錬することを特徴
    とする真空脱ガス処理による溶鋼の精錬方法。
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