JP3299860B2 - 圧延機の板厚制御方法 - Google Patents

圧延機の板厚制御方法

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JP3299860B2
JP3299860B2 JP13201495A JP13201495A JP3299860B2 JP 3299860 B2 JP3299860 B2 JP 3299860B2 JP 13201495 A JP13201495 A JP 13201495A JP 13201495 A JP13201495 A JP 13201495A JP 3299860 B2 JP3299860 B2 JP 3299860B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドラフトスケジュー
ル、及び、各スタンドの圧下位置、ロール速度等の演算
に基づき各スタンドを動作させ、原板材を上記目標板厚
へ加工する圧延機の板厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばタンデム圧延機等の圧延機
は、例えばラインに原板材が供給されると、その原板材
が圧延機つまり複数のスタンドに到達する前に、計算機
のデータファイル等から、その原板材に対応した計画板
厚、計画板幅、加工完成時の目標板厚等の情報を認識
し、各スタンドの目標出側板厚を設定するドラフトスケ
ジュールを計算する。
【0003】このドラフトスケジュールの計算方法とし
ては、各スタンドの圧下率の比を指定する方法や、各ス
タンドのパワー配分比を指定する方法、あるいは最適配
分の指標として、特公平5−47289号公報に開示さ
れるように、最終スタンドより1つ上流のスタンド目標
出側板厚をテーブルの値を用いた内挿法により定め、さ
らに上流の複数のスタンドの目標出側板厚を各々のモー
タ電流の配分を所定の比率とするように定めるという方
法も提案されている。
【0004】ドラフトスケジュールが決定されると、ド
ラフトスケジュールの設定に基づき各スタンドで必要と
なる圧下位置、ロール速度等の設定値を計算する。この
各スタンドで必要となる圧下位置、ロール速度等の設定
値の計算は基本的には計算機のデータファイル等から認
識する原板材の計画板厚、計画板幅、加工完成時の目標
板厚等の情報に基づくものであるから予測的な値であ
る。
【0005】各スタンドで必要となる圧下位置、ロール
速度等の設定値の予測計算には、変形抵抗(板材の硬
さ)、摩擦係数、偏平ロール、圧延力、先進率等の物理
現象を表わす様々な数式モデルを用いる。
【0006】例えば偏平ロール(圧延する際のロールの
偏平量)は、Hitchcockの式、 R’=R(1+(CoP/△h)) …(1) Co =16(1−ν0 2)/πE0 …(2) で表わせる。ここにR’は偏平ロール半径、Rはロール
半径(非偏平時)、Pは圧延力、△hは圧下量(入側板
厚−出側板厚)、ν0はポアソン比、E0ヤング率であ
る。
【0007】また圧延力(圧延に要する力)は、Sim
sの式、
【数1】
【数2】 で表わせる。ここにPは圧延力、R’は偏平ロール半
径、μは摩擦係数、bは板幅、△hは圧下量、hは出側
板厚、kpは変形抵抗、γは圧下率である。
【0008】各スタンドで必要となる圧下位置、ロール
速度等の設定値の予測計算が終了すると、原板材が各ス
タンドに到達する前に、その予測計算結果をドラフトス
ケジュールの計算結果と共に計算機のCRT画面に表示
し、かつ各スタンドの動作を制御するDDCコントロー
ラへ転送する。
【0009】各スタンドで必要となる圧下位置、ロール
速度等の設定値の予測計算の結果とドラフトスケジュー
ルの計算の結果をCRT画面に表示するのは、オペレー
タに計算結果を確認させたり、計算結果に適宜修正を行
わせるためである。
【0010】ドラフトスケジュールの修正は、CRT画
面上に表示された各スタンドの入側板厚、出側板厚の値
をオペレータによるキー入力で変更することで行われ
る。変更後は、変更された板厚の値を使って設定値の予
測計算の再計算が行われ、再計算の結果は各スタンドの
動作を制御するDDCコントローラへ転送され、各スタ
ンドの動作が修正される。
【0011】かくて原板材が各スタンドに到達すると、
当該原板材はDDCコントローラに動作を制御された各
スタンドに圧延されて、順次板厚が薄くなり、最終スタ
ンドを通過すると加工完成時の目標板厚、つまり製品と
しての板厚に圧延される。
【0012】しかし、このような圧延機の板厚制御方法
では、ドラフトスケジュールを計算する場合、原板材が
圧延機つまり複数のスタンドに到達する前に、計算機の
データファイル等から、その原板厚に対応した計画板
厚、計画板幅、加工完成時の目標板厚等の情報を認識す
ることに基づくから、当然、原板材がエッジャ、デスケ
ーリング、レベラ、サイドトリマ等の設備を通過するこ
とにより生じる原板材の認識される板厚と実際の板厚と
の間に含まれる誤差については全く考慮されておらず、
従って各スタンドで必要となる圧下位置、ロール速度等
の設定値の予測計算にも、実際にあるべき計算値からみ
て誤差が含まれる結果となることが比較的多い。
【0013】そこで近年、原板材の実績と予測計算との
ずれを補い、計算精度を向上させる方法の1つとして、
例えば特開昭56−71516号公報に開示されるよう
に、各スタンドの圧延荷重、圧下位置、前方張力、後方
張力、及び入側板厚の変動量の検出値から各スタンドの
材料温度変動量、出側板厚変動量を計算し、この計算か
ら次スタンドの出側板厚変動量を予測計算し、さらに出
側板厚変動量予測値を補償する圧下位置修正量を計算
し、次スタンドの圧下位置を修正するというものが提案
されている。
【0014】即ち、この方法の要点は、第iスタンドの
かみ込み前の予測計算による予測荷重値と、かみ込み時
のセンサで計測した実績荷重値とを比較して、予測荷重
値と実績荷重値との誤差から第i+1スタンドの圧下位
置の設定値を修正するというものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
56−71516号公報に開示された方法では、第2ス
タンド以降のスタンドの圧下位置の設定値を修正するこ
とはできるが、最初の第1スタンドの圧下位置の設定を
修正することはできないから、第1スタンドにおいて予
測荷重値と実績荷重値とに誤差が含まれる場合もある。
即ち、最初の予測計算では、原板材の板厚が実績とは異
なる予測値を使用しているから、いくら予測計算で用い
る数式モデルの計算予測精度が向上したとしても、最終
的には設定精度の向上が図れない。
【0016】本発明は、上記課題に鑑みて成されたもの
で、例えばドラフトスケジュールの計算結果に対しオペ
レータが確認、修正を行う時間的余裕を与えつつ、各ス
タンドの圧下位置、ロール速度の計算の高精度化を図る
ことができる圧延機の板厚制御装置を提供することを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
原板材の計画板厚、原板材の計画板幅、原板材の送り速
度、加工完成時の目標板厚の情報に基づきドラフトスケ
ジュール、及び、各スタンドの圧下位置、ロール速度を
演算し、かつ原板材が各スタンドのうち先頭のスタンド
に到達する前に少なくともドラフトスケジュールの演算
結果を表示部に表示し、しかる後に、それ等の演算結果
に基づき動作する各スタンドで、上記原板材を上記目標
板厚へ加工する圧延機の板厚制御方法において、圧延前
の原板材の形状を整える各種設備のうち最下流側の設備
と上記各スタンドのうち先頭のスタンドとの間に、上記
原板材の実際の状態を実績値として計測するセンサを配
置し、上記センサにより計測された原板材の実際の実績
値を用いて各スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を
再実行する第2の演算機能を構成し、上記第2の演算機
能の演算結果に基づき上記各スタンドの圧下位置、ロー
ル速度の動作を修正することを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明は、原板材の計画板
厚、原板材の計画板幅、原板材の送り速度、加工完成時
の目標板厚の情報に基づきドラフトスケジュール、及
び、各スタンドの圧下位置、ロール速度を演算し、かつ
原板材が各スタンドのうち先頭のスタンドに到達する前
に少なくともドラフトスケジュールの演算結果を表示部
に表示し、しかる後に、それ等の演算結果に基づき動作
する各スタンドで、上記原板材を上記目標板厚へ加工す
る圧延機の板厚制御方法において、圧延前の原板材の形
状を整える各種設備のうち最下流側の設備と上記各スタ
ンドのうち先頭のスタンドとの間に、上記原板材の実際
の状態を実績値として計測するセンサを配置し、上記セ
ンサにより計測された原板材の実際の実績値を用いて各
スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を再実行する第
2の演算機能を構成し、上記第2の演算機能の演算結果
に基づき上記各スタンドの圧下位置、ロール速度の動作
を修正し、また一方で、圧延中における各スタンドの圧
延力、及び、ロール速度、板厚、板幅の実績値を計測す
る他の複数のセンサを配置し、当該他の複数のセンサに
より計測された圧延中の板材の実際の各種実績値を記憶
する記憶部を設け、学習機能として、上記記憶部に記憶
される各種実績値に基づき上記ドラフトスケジュールの
演算、及び、上記各スタンドの圧下位置、ロール速度の
演算を行う数式モデルに修正を加えることを特徴とす
る。
【0019】請求項3記載の発明は、上記センサが原板
材の実際の板厚を計測する板厚センサであることを特徴
とする。請求項4記載の発明は、上記センサが原板材の
実際の板幅を計測する板幅センサであることを特徴とす
る。請求項5記載の発明は、上記センサが原板材の実際
の送り速度を計測する速度センサであることを特徴とす
る。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明では、先ず第1の演算機能
で原板材の計画板厚、原板材の計画板幅、原板材の送り
速度、加工完成時の目標板厚の情報に基づきドラフトス
ケジュール、及び、各スタンドの圧下位置、ロール速
演算し、かつ原板材が各スタンドのうち先頭のスタン
ドに到達する前に少なくともドラフトスケジュールの演
算結果を表示部に表示する。次いで第2の演算機能で圧
延前の原板材の形状を整える各種設備のうち最下流側の
設備と上記各スタンドのうち先頭のスタンドとの間に設
置されたセンサにより得られる原板材の実績値を用いて
各スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を再実行す
る。この演算結果に基づき上記各スタンドの圧下位置、
ロール速度の動作を決定する設定を修正する。
【0021】請求項2記載の発明では、上述の作用の後
に、次の原板材がラインに供給されるまでに、学習機能
で記憶部から取込んだ各種実績値つまり他の複数のセン
サが計測した各スタンドの圧延力、及び、ロール速度、
板厚、板幅の実績値に基づき上記ドラフトスケジュール
の演算、及び、上記各スタンドの圧下位置、ロール速
演算を行う数式モデルに修正を加える。
【0022】請求項3記載の発明では、上記センサが原
板材の実際の板厚を計測する板厚センサであるから、各
スタンドの圧下位置、ロール速度の演算には原板材の板
厚の実績値が利用される。請求項4記載の発明では、上
記センサが原板材の実際の板幅を計測する板幅センサで
あるから、各スタンドの圧下位置、ロール速度の演算に
は原板材の板幅の実績値が利用される。請求項5記載の
発明では、上記センサが原板材の実際の送り速度を計測
する速度センサであるから、各スタンドの圧下位置、ロ
ール速度の演算には原板材の送り速度の実績値が利用さ
れる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づき説明す
る。図1に本発明の第1実施例の構成を示す。図中、1
は生産管理計算機で、原板材つまり圧延材の工程管理等
を行う。例えばラインに供給される原板材の種別を認識
し、内部に備わるデータファイルから、その原板材の計
画板厚(予め予測される板厚)、計画板幅(予め予測さ
れる板幅)、送り速度等をその都度認識する。3はプロ
セス計算機で、プロセスの管理や対象とする原板材の計
画板厚、計画板幅、送り速度等の情報を生産管理計算機
1から認識し、その情報からドラフトスケジュール、及
び圧延機としての各スタンド7(7a,7e)の圧下位
置、ロール速度等を演算する第1の演算機能と、後述す
る板厚センサ9で計測される原板材の実績板厚等の情報
を認識し、その情報に基づき各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度等の設定を再計算する第2
の演算機能とを備える。4はCRT(表示部)で、プロ
セス計算機3が演算したドラフトスケジュール、及び圧
延機としての各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、
ロール速度等の情報を表示する。5はDDCコントロー
ラで、プロセス計算機3が計算したドラフトスケジュー
ル、及び圧延機としての各スタンド7(7a,7e)の
圧下位置、ロール速度等の情報に基づき各スタンド7
(7a,7e)の動作を制御する。
【0024】7は圧延機としての各スタンドで、ライン
8上の原板材を上,下から押圧するロールを備えて構成
されている。9は板厚センサで、例えばγ線を用いてラ
イン8に供給される原板材の板厚を計測し、その計測値
をプロセス計算機3へ供給する。板厚センサ9はレベラ
11と各スタンド7(7a,7e)のうち先頭のスタン
ド7aとの間に設置されるもので、例えば先頭のスタン
ド7aから10m以内の位置に設置することが後述する
第2の演算(各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、
ロール速度等の再計算)を行う上で好ましい。
【0025】11はレベラで、ライン8の上,下に波形
に配置される多数のロールから成り、原板材の形状を整
える。即ちライン8の上流側及び下流側の両側から原板
材に張力をかけながら原板材を通し原板材の形状を整え
る。レベラ11を通る原板材は若干伸び(約2%程
度)、伸びた分、板厚が少し薄くなる傾向がある。ここ
に原板材の実績の板厚は生産管理計算機1がテーブルか
ら認識する板厚の値からずれて誤差を含む原因がある。
プロセス計算機3の第2の演算機能は板厚センサ9で原
板材の誤差のない正しい実績の板厚を認識し、正確な各
スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等を
演算する。
【0026】次に図2ないし図5に示すフローチャート
を参照し本実施例の動作について説明する。先ず、全体
的な処理の流れについて説明する。この場合、原板材が
レベラ11に到達する前に、上位の生産管理計算機1か
ら下位のプロセス計算機3に対し、ライン8に供給され
る原板材のデータ情報として、圧延前の原板材の計画板
厚、計画板幅、圧延後の加工完成時の目標板厚等の計画
値の情報を伝送し、プロセス計算機3でそのタイミング
において第1段階の設定計算(即ち第1の演算機能の起
動)を行うことになる。
【0027】即ち、プロセス計算機3が第1段階の設定
計算を行う場合、図3に示すステップ201で、上位の
生産管理計算機1から下位のプロセス計算機3に対し、
ライン8に供給される原板材のデータ情報として、圧延
前の原板材の計画板厚、計画板幅、圧延後の加工完成時
の目標板厚等の計画値の情報を伝送する。次いでステッ
プ202へ進み、プロセス計算機3において第1段階の
設定計算を行う。具体的には、上述の計画値を入力とし
てドラフトスケジュールを計算し、かつ、仮設定値の計
算、即ち圧延機としての各スタンド7(7a,7e)の
圧下位置、ロール速度等を計算する。
【0028】ステップ202で、第1段階の設定計算、
即ちドラフトスケジュールの計算及び仮設定値の計算が
終了すると、次いで一方ではステップ203へ進み、第
1段階の設定計算の内容、即ちドラフトスケジュールの
計算内容及び仮設定値の計算内容をCRT4に表示した
後に、ステップ205へ進む。また他方ではステップ2
04へ進み、原板材がレベラ11を通過し板厚センサ9
に到達した時点で、板厚センサ9により原板材の板厚の
実績値を計測し、この実績板厚をプロセス計算機3に取
込んだ後に、ステップ205へ進む。
【0029】かくしてステップ205では、プロセス計
算機3において第2段階の設定計算を行う。具体的に
は、プロセス計算機3が板厚センサ9が計測した原板材
の板厚の実績値を使用し設定値の計算、即ち圧延機とし
ての各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速
度等の計算を再度実行し、ステップ206へ進みつつ、
本フローの処理を終了する。ステップ206では、第2
段階の設定計算、即ち圧延機としての各スタンド7(7
a,7e)の圧下位置、ロール速度等の再計算(修正)
の内容を正式な設定値としてDDCコントローラ5へ伝
送する。この段階でDDCコントローラ5は当該正式な
設定値に基づき各スタンド7(7a,7e)の動作を制
御することになる。
【0030】次に第1段階の設定計算の詳細について説
明する。先ず図3に示すステップ301で、生産管理計
算機1からプロセス計算機3に伝送された圧延前の原板
材の計画板厚、計画板幅、圧延後の加工完成時の目標板
厚等の計画値の情報を取込む。次いでステップ302へ
進み、ドラフトスケジュールの計算処理を開始し、ステ
ップ303で、第1スタンド7aの入側板厚を生産管理
計算機1から伝送された原板材の計画板厚に設定し、最
終第nスタンド7eの出側板厚を同じく伝送された圧延
後の加工完成時の目標板厚に設定する。ステップ304
で、ある最適配分法等を用いて第1スタンド7aから第
n−1スタンドの出側板厚を計算する。
【0031】次いでステップ305へ進み、各スタンド
7(7a,7e)の設定値の計算処理を開始し、ステッ
プ306で、既に計算されたドラフトスケジュールの計
算結果から各スタンド7(7a,7e)の入側及び出側
板厚の情報を取込み、ステップ307で、各数式モデル
(従来の技術で説明した数式モデルを含む)を使用して
各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度の
設定値を計算する。尚、これらの処理は第1スタンド7
aから最終第nスタンド7eまで繰り返される。次いで
ステップ308へ進み、上記各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度の設定値の計算で求められ
た出力値を仮設定値として本フローを終了する。
【0032】次に第2段階の設定計算の詳細について説
明する。先ず図4に示すステップ401で、上記第1段
階の設定計算で決定されたドラフトスケジュールから各
スタンド7(7a,7e)の入側及び出側板厚の設定値
を読込み、ステップ402で、第1スタンド7aの入側
板厚の実績値として、板厚センサ9で計測した原板材の
板厚の実績値を読込み、第1スタンド7aの入側板厚の
情報を、それまでのドラフトスケジュールの第1スタン
ド7aの入側板厚の設定値の情報から板厚センサ9で計
測した原板材の板厚の実績値の情報に置換える。
【0033】次いでステップ403へ進み、各スタンド
7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度の設定値の計
算処理を開始し、ステップ404で、上記ドラフトスケ
ジュールと板厚センサ9で計測した原板材の板厚の実績
値の情報を用いて各スタンド7(7a,7e)の入側及
び出側板厚の情報を入力値として取込む。板厚センサ9
で計測した原板材の板厚の実績値の情報を用いた場合、
多くは原板材の板厚の実績値が原板材の計画板厚(デー
タファイル等の値)の情報よりも小さくなっているか
ら、各スタンド7(7a,7e)の圧延力の値も異な
り、このため各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、
ロール速度の設定値も異なる。この関係で新たに板厚セ
ンサ9で計測した原板材の板厚の実績値の情報を入力値
として取込む必要が生じるのである。
【0034】次いでステップ405で、上記ドラフトス
ケジュールと板厚センサ9で計測した原板材の板厚の実
績値の情報を用いて認識される各スタンド7(7a,7
e)の入側及び出側板厚の情報と各種数式モデル(従来
の技術で説明した各種数式モデルを含む)とを使用し、
各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等
の設定値を計算する。尚、これらの処理は第1スタンド
7aから最終第nスタンド7eまで繰り返される。次い
でステップ406へ進み、上記各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度の設定値の計算で求められ
た出力値をDDCコントローラ5に実際に伝送する設定
値とする処理を行い、本フローを終了する。
【0035】即ち、本実施例の圧延機の板厚制御装置
は、図5に示すように、原板材がレベラ11に到達する
前に、生産管理計算機1で次の原板材つまり被圧延材の
コイルデータの計画値、即ち次の原板材つまり被圧延材
における圧延前の原板材の計画板厚、計画板幅、圧延後
の加工完成時の目標板厚等の計画値の情報をデータファ
イル等より取出し、これをプロセス計算機3へ伝送し、
プロセス計算機3で今回伝送された計画値を用いて第1
段階の設定計算つまりドラフトスケジュールの計算及び
各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度の
仮設定値の計算を行い、ここで一旦各計算結果をCRT
4に表示してオペレータに確認、または必要があれば修
正を行わせるものであり、しかも、しかる後に、図6に
示すように、原板材がレベラ11を越えて板厚センサ9
に到達した時点で、板厚センサ9で計測した原板材の板
厚の実績値をプロセス計算機3に取込み、この板厚セン
サ9で計測した原板材の板厚の実績値を第1スタンド7
aの入側板厚に用いつつ、この板厚センサ9で計測した
原板材の板厚の実績値と各種数式モデルに基づき第2段
階の設定計算、即ち各スタンド7(7a,7e)の圧下
位置、ロール速度の設定値の再計算(修正)を行うもの
である。
【0036】本実施例では、第1段階の計算としてドラ
フトスケジュールの計算及び各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度の仮設定値の計算を行って
各計算結果をCRT4に表示し、これによりオペレータ
に確認、または修正を行わせる時間を与えた後に、板厚
センサ9で原板材の板厚の実績値を計測してプロセス計
算機3に取込ませ、この板厚センサ9で計測した原板材
の板厚の実績値と各種数式モデルに基づき第2段階の設
定計算として各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、
ロール速度の設定値の再計算(修正)を行うものである
から、例えばドラフトスケジュールの計算結果に対しオ
ペレータが確認、修正を行う時間的余裕を与えつつ、各
スタンドの圧下位置、ロール速度等の計算の高精度化を
図ることができ、結果として、製品の品質信頼性が大き
く向上する。
【0037】図7に本発明の第2実施例の構成を示し、
図1に示す部分と同一部分には同一符号を付して説明を
省略する。図中、13は板幅センサで、例えば板厚セン
サ9の付近に設置されるもので、原板材の板幅を計測
し、計測結果をプロセス計算機3へ伝送する。15は例
えばサイドトリマ(エッジャの場合もある)で、ライン
8における図示しないレベラ11の下流側に設置される
もので、原板材の側縁を削るカッタ等を備えて成り、原
板材の板幅を整える。
【0038】次に図8に示すフローチャートを参照し本
実施例の動作について説明する。先ず、ステップ801
で、上位の生産管理計算機1から下位のプロセス計算機
3に対し、ライン8に供給される原板材のデータ情報と
して、圧延前の原板材の計画板厚、計画板幅、送り速
度、圧延後の加工完成時の目標板厚等の計画値の情報を
伝送する。次いでステップ802へ進み、プロセス計算
機3において第1段階の設定計算を行う。具体的には、
圧延前の原板材の計画板幅(データファイル等の情報)
を含む上述の計画値を入力としてドラフトスケジュール
を計算し、かつ、仮設定値の計算、即ち圧延機としての
各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等
を計算する。
【0039】ステップ802で、第1段階の設定計算、
即ちドラフトスケジュールの計算及び仮設定値の計算が
終了すると、次いで一方ではステップ803へ進み、第
1段階の設定計算の内容、即ちドラフトスケジュールの
計算内容及び仮設定値の計算内容をCRT4に表示した
後に、ステップ805へ進む。また他方ではステップ8
04へ進み、原板材がサイドトリマ15を通過し板幅セ
ンサ13に到達した時点で、板幅センサ13により原板
材の板幅の実績値を計測し、この実績板幅をプロセス計
算機3に取込んだ後に、ステップ805へ進む。または
サイドトリマ15の設定幅等を認識し、その認識板幅を
プロセス計算機3に取込んだ後に、ステップ805へ進
んでも良い。
【0040】かくしてステップ805では、プロセス計
算機3において第2段階の設定計算を行う。具体的に
は、板幅センサ13が計測した原板材の板幅の実績値を
使用し設定値の計算、即ち圧延機としての各スタンド7
(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等の計算を再度
実行し、ステップ806へ進みつつ、本フローの処理を
終了する。ステップ806では、第2段階の設定計算、
即ち圧延機としての各スタンド7(7a,7e)の圧下
位置、ロール速度等の再計算(修正)の内容を正式な設
定値としてDDCコントローラ5へ伝送する。この段階
でDDCコントローラ5は当該正式な設定値に基づき各
スタンド7(7a,7e)の動作を制御することにな
る。
【0041】尚、本実施例における第2段階の計算方法
は、生産管理計算機1から提供される原板材の計画板幅
の代わりに各種数式モデル(従来の技術で説明した数式
モデルを含む)に対し板幅センサ13で計測される原板
材の板幅の実績値を用いて再計算(修正)する点等、第
1実施例の場合と基本的に等しいので詳しい説明は省略
する。また本実施例でも、板厚センサ9が計測した原板
材の板厚の実績値を使用し、第1実施例と同様の処理を
行うが、その具体的な内容は第1実施例の内容と等しい
ものであるから詳しい説明は省略する。
【0042】本実施例では、第1段階の計算としてドラ
フトスケジュールの計算及び各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度の仮設定値の計算を行って
各計算結果をCRT4に表示し、これによりオペレータ
に確認、または修正を行わせる時間を与えた後に、特
に、板幅センサ13で原板材の板幅の実績値を計測して
プロセス計算機3に取込ませ、この板幅センサ13で計
測した原板材の板幅の実績値と各種数式モデルに基づき
第2段階の設定計算として各スタンド7(7a,7e)
の圧下位置、ロール速度の設定値の再計算(修正)を行
うものであるから、第1実施例と同様に、例えばドラフ
トスケジュールの計算結果に対しオペレータが確認、修
正を行う時間的余裕を与えつつ、各スタンドの圧下位
置、ロール速度等の計算の高精度化を図ることができ、
結果として、製品の品質信頼性が大きく向上する。
【0043】具体的には、板幅センサ13で計測した原
板材の板幅の実績値を用いるから、圧延力の大きさが板
幅の大きさに比例することから明白な通りより正確な圧
延力を計算することができ、ひいては各スタンドの圧下
位置、ロール速度等の計算の高精度化を図ることがで
き、結果として、原板材をより正確な板厚にまで圧延す
ることができるようになり、この観点からも製品の品質
信頼性を大きく向上させることができる。
【0044】図9に本発明の第3実施例の構成を示し、
図1に示す部分と同一部分には同一符号を付しその説明
を省略する。図中、17はブライドルロール(速度セン
サ)で、ライン8において図示しないサイドトリマ15
よりも下流側に設置されるもので、例えばライン8を一
部折曲げる如く4つのロールを備えて成り、例えば一部
のロールに回転数に応じてパルス信号を発して速度を計
測するように構成されている。パルス信号はロールの回
転数を通知するもので、DDCコントローラ5へ伝送さ
れる。DDCコントローラ5はブライドルロール17か
らのパルス信号を取込んでブライドルロール17の周速
を検出し、これにより原板材のライン8上の送り速度つ
まり第1スタンド7a入側の板速度を認識する。この板
速度の実績値がプロセス計算機3に伝送される。
【0045】次に図10に示すフローチャートを参照し
本実施例の動作について説明する。先ず、ステップ10
01で、上位の生産管理計算機1から下位のプロセス計
算機3に対し、ライン8に供給される原板材のデータ情
報として、圧延前の原板材の計画板厚、計画板幅、送り
速度、圧延後の加工完成時の目標板厚等の計画値の情報
を伝送する。次いでステップ1002へ進み、プロセス
計算機3において第1段階の設定計算を行う。具体的に
は、圧延前の原板材の送り速度(テーブル情報)を含む
上述の計画値を入力としてドラフトスケジュールを計算
し、かつ、仮設定値の計算、即ち圧延機としての各スタ
ンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等を計算
する。
【0046】ステップ1002で、第1段階の設定計
算、即ちドラフトスケジュールの計算及び仮設定値の計
算が終了すると、次いで一方ではステップ1003へ進
み、第1段階の設定計算の内容、即ちドラフトスケジュ
ールの計算内容及び仮設定値の計算内容をCRT4に表
示した後に、ステップ1005へ進む。また他方ではス
テップ1004へ進み、原板材がブライドルロール17
を通過する時にその一部ロールから発せられるパルス信
号をDDCコントローラ5において取込み、これにより
DDCコントローラ5においてその周速度を検出し、原
板材の板速度の実績値としてプロセス計算機3に取込
み、この後に、ステップ1005へ進む。
【0047】かくしてステップ1005では、プロセス
計算機3において第2段階の設定計算を行う。具体的に
は、マスフロー一定則を用いて各スタンド7(7a,7
e)出側の板速度を算出する一方、ブライドルロール1
7から測定される原板材の板速度の実績値を使用し仮設
定値の計算、即ち圧延機としての各スタンド7(7a,
7e)の圧下位置、ロール速度等の計算を再度実行し、
ステップ1006へ進みつつ、本フローの処理を終了す
る。ステップ1006では、第2段階の設定計算、即ち
圧延機としての各スタンド7(7a,7e)の圧下位
置、ロール速度等の再計算(修正)の内容を正式な設定
値としてDDCコントローラ5へ伝送する。この段階で
DDCコントローラ5は当該正式な設定値に基づき各ス
タンド7(7a,7e)の動作を制御することになる。
【0048】尚、本実施例における第2段階の計算方法
は、生産管理計算機1から提供される原板材の送り速度
(データファイル等の情報)の代わりに各種数式モデル
(従来の技術で説明した数式モデルを含む)に対しブラ
イドルロール17で計測される原板材の板速度の実績値
を用いて再計算(修正)する点等、第1実施例の場合と
基本的に等しいので詳しい説明は省略する。また本実施
例でも、板厚センサ9が計測した原板材の板厚の実績値
を使用し、第1実施例と同様の処理を行うが、その具体
的な内容は第1実施例の内容と等しいものであるから詳
しい説明は省略する。
【0049】本実施例では、板速度が変わると変形抵抗
や摩擦係数が変わり圧延力も変わることに鑑み、ブライ
ドルロール17で計測した原板材の板速度の実績値を用
いるようにしたから、より正確な圧延力を計算すること
ができ、ひいては各スタンドの圧下位置、ロール速度等
の計算の高精度化を図ることができ、結果として、原板
材をより正確な板厚にまで圧延することができるように
なり、この観点からも製品の品質信頼性を大きく向上さ
せることができる。
【0050】図11に本発明の第4実施例の構成を示
し、図1に示す部分と同一部分には同一符号を付しその
説明を省略する。図中、21は圧延力センサ(ロードセ
ル)で、各スタンド7(7a,7e)の各々に備えられ
るもので、圧延力を計測し、プロセス計算機3aへ伝送
する。23はロール速度センサで、各スタンド7(7
a,7e)のロールの各々に備えられるもので、圧延時
のロール回転速度を計測し、プロセス計算機3aへ伝送
する。29は温度センサで、圧延材の鋼材温度を計測
し、プロセス計算機3aへ伝送する。
【0051】一方、プロセス計算機3aは、第1実施例
で説明した構成の他、特に学習機能31、及び記憶部3
3を備えている。学習機能31は、板厚センサ9、板幅
センサ13、及びブライドルロール17の各々の計測情
報(実績値)、また圧延力センサ21、ロール速度セン
サ23、及び温度センサ29の各々の計測情報(実績
値)を取込み、これ等の計測情報(実績値)を記憶部3
3に一旦記憶する機能を備える。
【0052】また学習機能31は、プロセス計算機3a
自体が各種数式モデル(従来の技術で説明した数式モデ
ルを含む)を用いて実行したドラフトスケジュールの演
算結果、第1の演算機能ないし第2の演算機能による各
スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等の
演算結果、あるいは板材へ加える圧延力の演算結果に対
し、前回の演算結果と実績値を比較して得られる各種学
習係数を適用してその演算結果を修正する機能を備え
る。
【0053】一例として、学習機能31による学習係数
を用いて圧延力の演算結果を修正する場合について述べ
ると、例えば所定の数式モデルで計算した結果、原板材
Aに対する圧延力の設定計算値FAが900tonであった
場合に、実際に原板材Aを圧延する時に必要な圧延力を
測定したところ圧延力の実績値FA’が990tonであっ
たならば、圧延力の設定計算値FAと圧延力の実績値F
A’との比をとって学習係数Cとし、 C=FA’/FA=990/900=1.1 この学習係数Cを、次の原板材Bに対する圧延力の設定
計算値FB(例えば800tonだとした場合)に乗算し、 FB=800×C=800×1.1=880 を得て、これを原板材Bの圧延力の設定計算値に置換え
るという方法がある。しかし、この他の方法として差を
とる方法や、学習係数を乗算する位置を変えるという方
法等様々な方法がある。
【0054】次に図12に示すフローチャートを参照し
本実施例の動作について説明する。先ず、ステップ12
01で、上位の生産管理計算機1から下位のプロセス計
算機3aに対し、ライン8に供給される原板材のデータ
情報として、圧延前の原板材の計画板厚、計画板幅、送
り速度、圧延後の加工完成時の目標板厚等の計画値の情
報を伝送する。次いでステップ1202へ進み、プロセ
ス計算機3aにおいて第1段階の設定計算を行う。具体
的には、上述の計画値を入力としてドラフトスケジュー
ルを計算し、かつ、仮設定値の計算、即ち圧延機として
の各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度
等を計算する。
【0055】次いでステップ1203で、プロセス計算
機3aにおいて以下に述べる実績値の全てでも良いが、
板厚センサ9が計測した原板材の板厚の実績値、板幅セ
ンサ13が計測した原板材の板幅の実績値、あるいはブ
ライドルロール17で計測した原板材の板速度の実績値
のうち、必要な実績値を取込む。
【0056】次いでステップ1204で、プロセス計算
機3aにおいて第2段階の設定計算を行う。具体的に
は、ステップ1203で取込んだ実績値を使用し仮設定
値の計算、即ち圧延機としての各スタンド7(7a,7
e)の圧下位置、ロール速度等の計算を再度実行する。
そしてステップ1205へ進み、再計算した設定値をD
DCコントローラ5へ伝送する。この段階でDDCコン
トローラ5は当該正式な設定値に基づき各スタンド7
(7a,7e)の動作を制御することになる。
【0057】次いでステップ1206で、原板材が各ス
タンド7(7a,7e)で圧延中の際に圧延力センサ2
1、ロール速度センサ23、及び温度センサ29の各々
の計測情報(実績値)を取込み、これ等の計測情報(実
績値)を記憶部33に一旦記憶する。そしてステップ1
207で、学習機能31により記憶部33から各種計測
情報(実績値)を取出し、これよりドラフトスケジュー
ルの演算、第1の演算機能ないし第2の演算機能による
各スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等
の演算、あるいは板材へ加える圧延力の演算に使用する
各種学習係数を前述の例のように算出する。
【0058】以上の処理が終了すると、ステップ120
8へ進み、学習機能31で算出した学習係数を次の原板
材つまり被圧延材の各種設定計算を行う際に反映させ
る。即ち、一方ではステップ1202に対し、第1段階
の設定計算であるドラフトスケジュールの計算結果、仮
設定値の計算結果、即ち圧延機としての各スタンド7
(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等の計算結果に
学習係数を用いるよう設定し、他法ではステップ120
4に対し、第2段階の設定計算である圧延機としての各
スタンド7(7a,7e)の圧下位置、ロール速度等の
計算を再度実行する計算結果に学習係数を用いるよう設
定する。
【0059】かくして次の原板材つまり被圧延材を圧延
する場合において、特にステップ1202、かつステッ
プ1204の処理を実行する際には、学習機能31を有
効に活用した第1、第2段階の設定計算を行うことにな
る。
【0060】本実施例では、原板材つまり被圧延材の圧
延加工を行う毎に各種数式モデルの変数に対する修正、
また第1、第2段階の設定計算に対する修正を行い得る
学習機能31を構成したから、一旦、原板材つまり被圧
延材を各スタンド7(7a,7e)で圧延した後、次の
原板材つまり被圧延材の圧延加工では、その都度、最近
の学習機能の効果を反映した設定計算を使用することが
でき、より一層正確な設定計算を使用することができ
る。従って、原板材をより正確な板厚にまで圧延するこ
とができるようになり、この観点からも製品の品質信頼
性を大きく向上させることができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1段階
の計算であるドラフトスケジュールの計算及び各スタン
ドの圧下位置、ロール速度の仮設定値の計算を行って表
示部に表示した後に、センサで原板材の実際の状態を実
績値として計測し、これに基づき第2段階の計算である
各スタンドの圧下位置、ロール速度の設定値の再計算
(修正)を行うように構成したから、ドラフトスケジュ
ールの計算結果に対しオペレータが確認、修正を行う時
間的余裕を与えつつ、各スタンドの圧下位置、ロール速
度の計算の高精度化を図ることができ、結果として、製
品の品質信頼性を大きく向上させることができる。
【0062】請求項2記載の発明によれば、他の複数の
センサで板材の変形抵抗、摩擦係数、偏平ロール半径、
圧延力、及び環境温度の状態を実績値として計測し、こ
れに基づきドラフトスケジュールの演算結果、各スタン
ドの圧下位置、ロール速度の演算結果、あるいは板材へ
の圧延力の演算結果を修正するように構成したから、上
記発明の効果に加えて、次の原板材つまり被圧延材の圧
延加工では、その都度、最近の学習機能の効果を反映し
た設定計算を使用することができ、より一層正確な設定
計算を使用することができ、従ってこの観点からも、原
板材をより正確な板厚にまで圧延することができるよう
になり、製品の品質信頼性を大きく向上させることがで
きる。
【0063】請求項3記載の発明によれば、センサが板
厚センサであるから各スタンドの圧下位置、ロール速
設定値を精度良く導くことが可能になる。
【0064】請求項4記載の発明によれば、センサが板
幅センサであるから各スタンドの圧下位置、ロール速
設定値を精度良く導くことが可能になる。
【0065】請求項5記載の発明によれば、センサが速
度センサであるから各スタンドの圧下位置、ロール速
設定値を精度良く導くことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】 第1実施例の処理の全体の流れを示すフロー
チャートである。
【図3】 第1実施例の処理のうち第1段階の設定計算
の詳細を説明するフローチャートである。
【図4】 第1実施例の処理のうち第2段階の設定計算
の詳細を説明するフローチャートである。
【図5】 第1実施例による第1段階の設定計算時の概
念を説明する図である。
【図6】 第1実施例による第2段階の設定計算時の概
念を説明する図である。
【図7】 本発明の第2実施例の構成を示す図である。
【図8】 第2実施例の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図9】 本発明の第3実施例の構成を示す図である。
【図10】 第3実施例の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図11】 本発明の第4実施例の構成を示す図であ
る。
【図12】 第4実施例の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 生産管理計算機、3,3a プロセス計算機、4
CRT(表示部)、5 DDCコントローラ、7(7
a,7e) スタンド(圧延機)、8 ライン、9 板
厚センサ、11 レベラ、13 板幅センサ、15 サ
イドトリマ、17 ブライドルロール(速度センサ)、
21 圧延力センサ、23 ロール速度センサ、29
温度センサ、31 学習機能、33 記憶部。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板材の計画板厚、原板材の計画板幅、
    原板材の送り速度、圧延完成時の目標板厚の情報に基づ
    きドラフトスケジュール、及び、各スタンドの圧下位
    置、ロール速度を演算し、かつ原板材が各スタンドのう
    ち先頭のスタンドに到達する前に少なくともドラフトス
    ケジュールの演算結果を表示部に表示し、しかる後に、
    それ等の演算結果に基づき動作する各スタンドで、上記
    原板材を上記目標板厚へ圧延する圧延機の板厚制御方法
    において、 先頭スタンドより上流側に、上記原板材の実際の状態を
    実績値として計測するセンサを配置し、 上記センサにより計測された原板材の実績値を用いて各
    スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を再実行する第
    2の演算機能を構成し、 上記第2の演算機能の演算結果に基づき上記各スタンド
    の圧下位置、ロール速度の動作を修正することを特徴と
    する圧延機の板厚制御方法。
  2. 【請求項2】 原板材の計画板厚、原板材の計画板幅、
    原板材の送り速度、圧延完成時の目標板厚の情報に基づ
    きドラフトスケジュール、及び、各スタンドの圧下位
    置、ロール速度を演算し、かつ原板材が各スタンドのう
    ち先頭のスタンドに到達する前に少なくともドラフトス
    ケジュールの演算結果を表示部に表示し、しかる後に、
    それ等の演算結果に基づき動作する各スタンドで、上記
    原板材を上記目標板厚へ圧延する圧延機の板厚制御方法
    において、 先頭スタンドより上流側に、上記原板材の実際の状態を
    実績値として計測するセンサを配置し、 上記センサにより計測された原板材の実績値を用いて各
    スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を再実行する第
    2の演算機能を構成し、 上記第2の演算機能の演算結果に基づき上記各スタンド
    の圧下位置、ロール速度の動作を修正し、 また一方で、 圧延中における各スタンドの圧延力、及び、ロール速
    度、板厚、板幅の実績値を計測する他の複数のセンサを
    配置し、 当該他の複数のセンサにより計測された圧延中の板材の
    実際の各種実績値を記憶する記憶部を設け、 学習機能として、上記記憶部に記憶される各種実績値に
    基づき上記ドラフトスケジュールの演算、及び、上記各
    スタンドの圧下位置、ロール速度の演算を行う数式モデ
    ルに修正を加えることを特徴とする圧延機の板厚制御方
    法。
  3. 【請求項3】 上記センサが原板材の実際の板厚を計測
    する板厚センサであることを特徴とする請求項1または
    2記載の圧延機の板厚制御方法。
  4. 【請求項4】 上記センサが原板材の実際の板幅を計測
    する板幅センサであることを特徴とする請求項1または
    2記載の圧延機の板厚制御方法。
  5. 【請求項5】 上記センサが原板材の実際の送り速度を
    計測する速度センサであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の圧延機の板厚制御方法。
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