JP3299669B2 - 白色系の難燃性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

白色系の難燃性シリコーンゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白色系の難燃性シ
リコーンゴム組成物に関し、特に硬化させることにより
得られるシリコーンゴムが、白色系であって難燃性に優
れ、かつ、長期間の加熱条件において難燃性が低下しな
い(経時変化しない)該組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルケニル基含有オルガノポリシ
ロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、白
金系触媒及び微粉末シリカ(充填剤)を含有する付加反
応硬化型液状オルガノポリシロキサン組成物を、室温〜
200 ℃以下の加熱により硬化させて得られる硬化物が知
られている。この硬化物は、ゴム状弾性体であり、電気
絶縁性に優れ、また、この硬化物に残存する白金又は白
金化合物が難燃化剤として作用する。このため、電気・
電子部品、特にテレビの部品・回路等の難燃性を必要と
する箇所に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の白金又
は白金化合物を含有する硬化物の難燃性は、初期には良
好であっても、長期間の加熱により低下するという問題
がある。すなわち、テレビ等の家庭用電子機器の部品の
中には、作動中の温度が50〜150 ℃(通常は60〜90℃程
度)になるものがあり、該硬化物がこのような温度下に
長く置かれると、難燃性が低下する。したがって、長期
間の加熱条件下で使用されても、難燃性を維持する硬化
物が安全上強く求められている。また、これらの材料
は、部品への注型、塗布作業での汚れを回避したり、部
品の意匠性等の点から、外観が白色の硬化物であること
が、特に望まれている。従来、有機過酸化物により高温
下で硬化する熱加硫型(いわゆるミラブル型)シリコー
ンゴム組成物において、難燃性向上のために添加される
白色系の添加剤である煙霧質酸化チタン(特公昭47−
21826号公報)、及び、オルガノシラン又はオルガ
ノシロキサンで処理された表面処理酸化チタン(特開昭
49−67933号公報)についても、これらを含有す
る硬化物は、初期には顕著な難燃性を示しても、50〜15
0 ℃において長時間の加熱を行った場合には、やはり低
下するという問題がある。なお、煙霧質酸化チタンに
は、その表面をオルガノシラン又はオルガノポリシロキ
サンで処理したとしても、組成物の粘度を増加させると
いう欠点がある。さらに、オルガノハイドロジェンポリ
シロキサンのケイ素結合水素の加水分解を促進するた
め、組成物の流動性や長期保存性を低下させるという欠
点もある。一方、通常の顔料用酸化チタン、特にその表
面をアルミナ、シリカ、酸化亜鉛等で被覆したものは、
組成物の粘度を増加させる効果が小さい。しかし、難燃
性を向上させる効果は、認められない。
【0004】そこで、本発明の目的は、白色系の付加反
応硬化型液状オルガノポリシロキサン組成物を硬化させ
ることにより得られる白色系の硬化物が、難燃性に優
れ、かつ、長期間の加熱条件下においても難燃性が低下
しない(経時変化しない)該組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の欠
点を改良し得る添加剤を鋭意検討した結果、平均粒子径
が0.10μm 〜0.50μm であり、かつ、純度98%以上の二
酸化チタンを含有するシリコーンゴム組成物が顕著な効
果を有することを見いだした。
【0006】すなわち、本発明は、 (A)平均組成式(1) : (R1a(R2bSiO(4-a-b)/2 (1) 〔式中、R1 は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の1価炭化水素基で あり、R2 はアルケニル基であり、aは1.8 〜2.0 、bは0.001 〜0.2 かつ a+b=1.98〜2.04を満たす数である〕 で表され、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有す るオルガノポリシロキサン 100 重量部、 (B)平均組成式(2) : (R1c(H)dSiO(4-c-d)/2 (2) 〔式中、R1 は前記と同じ意義であり、cは1.0 〜2.0 、dは0.04〜1.0 、かつ c+d=1.04〜2.5 を満たす数である〕 で表され、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオ ルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)成分中のアル ケニル基1個に対してケイ素原子に結合した水素原子を0.5 〜5個与える量、 (C)平均粒子径が50μm 以下の微粉末シリカ 10〜150 重量部、 (D)平均粒子径が0.10〜0.50μm であり、純度98%以上の二酸化チタン 1〜20重量部、 及び (E)白金系触媒 触媒量 を含有してなる白色系の難燃性シリコーンゴム組成物を
提供する。さらに、上記の組成物を硬化させることによ
り得られる白色系の難燃性シリコーンゴムをも提供す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。
【0008】(A)成分 (A)成分は、下記の平均組成式(1) : (R1 a (R2 b SiO(4-a-b)/2 (1) 〔式中、R1 は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非
置換の1価炭化水素基であり、R2 はアルケニル基であ
り、aは1.8 〜2.0 、bは0.001 〜0.2 かつa+b=1.
98〜2.04を満たす数である〕で表され、1分子中にケイ
素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有する
ものである。このオルガノポリシロキサンは、本発明の
組成物の基油成分(主剤)であり、後述する(E)成分
の存在下で、(B)成分とヒドロシリル化付加反応し
て、硬化物を与える。
【0009】平均組成式(1) において、R1 で示される
1価炭化水素基の炭素原子数は、通常、1〜12、好まし
くは1〜8であり、R1 の具体例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキ
ル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール
基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル
基等のアラルキル基;あるいはこれらの炭化水素基の水
素原子の一部又は全部がフッ素原子、塩素原子、ニトリ
ル基等で置換された置換炭化水素基、例えばトリフルオ
ロプロピル基、クロロメチル基、シアノエチル基等が挙
げられる。これらの中で、その化学的安定性や合成の容
易さから、すべてメチル基、メチル基とフェニル基との
組合せ及びメチル基とトリフルオロプロピル基との組合
せが好ましい。
【0010】平均組成式(1) において、R2 で示される
アルケニル基の炭素原子数は、通常、2〜6、好ましく
は2〜4であり、R2 の具体例としては、ビニル基、ア
リル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基
等が挙げられ、好ましくはビニル基及びアリル基、化学
的安定性や合成の容易さの点からビニル基が特に好まし
い。
【0011】平均組成式(1) のオルガノポリシロキサン
の分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよ
く、好ましくは直鎖状及び分岐状、特に好ましくは合成
の容易さの点から直鎖状である。
【0012】(A)成分の25℃における粘度は、通常、
100 〜500,000 cSt の範囲でよく、好ましくは500 〜20
0,000cStの範囲である。粘度が低すぎると、本発明の組
成物を硬化させて得られる硬化物の機械的性質が劣る。
逆に、高すぎると、特に微粉末シリカの混合作業が困難
となり、組成物の粘度も高くなって作業性が大きく低下
する。
【0013】(A)成分には、平均組成式(1) で示され
るオルガノポリシロキサンを、適宜1種単独又は2種以
上を併用してもよい。
【0014】(B)成分 (B)成分は、下記の平均組成式(2) : (R1 c (H)d SiO(4-c-d)/2 (2) 〔式中、R1 は前記と同じ意義であり、cは1.0 〜2.0
、dは0.04〜1.0 、かつc+d=1.04〜2.5 を満たす
数である〕で表され、1分子中にケイ素原子に結合した
水素原子(すなわち、SiH 基)を少なくとも3個有する
オルガノハイドロジェンポリシロキサンである。このオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンは、後述する
(E)成分の存在下で、(A)成分と反応して硬化物を
形成するための架橋剤である。
【0015】平均組成式(2) のR1 で示される1価炭化
水素基の中で、好ましいものは、化学的安定性や合成の
容易さの点から、すべてメチル基、メチル基とフェニル
基との組合せ、及び、メチル基とトリフルオロプロピル
基との組合せである。
【0016】平均組成式(2) のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンの分子構造は、特に制限がなく、直鎖
状、分岐状、環状、網状のいずれでもよく、ケイ素−水
素結合を有するシロキサン単位のみからなる重合体で
も、これとトリオルガノシロキシ単位、ジオルガノシロ
キシ単位、モノオルガノシロキシ単位及びSiO2 単位
から選ばれる1種又は2種以上との共重合体でもよい。
【0017】(B)成分の25℃における粘度は、通常、
3〜400cStの範囲でよく、好ましくは4〜200cStの範囲
である。この粘度が低すぎると、揮発性が大きくなる。
逆に、高すぎると、組成物の粘度が高くなり、作業性が
低下する。
【0018】(B)成分には、平均組成式(2) で示され
るオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、適宜1種
単独又は2種以上を使用してもよい。
【0019】(B)成分の配合量は、(A)成分中のア
ルケニル基1個に対して、(B)成分中に含有されるケ
イ素原子に結合した水素原子(SiH 基)の数が0.5 〜5.
0 個、好ましくは1.0 〜4.0 個となる量である。0.5 個
より少ないと、得られる硬化物の機械的強度が劣る。逆
に、5.0 個より多いと、硬化時に発泡したり、硬化物の
機械的強度が低下する。さらに、硬化物の難燃性や耐熱
性も低下する。
【0020】(C)成分 (C)成分は、平均粒子径50μm 以下、通常、0.003 〜
50μm 、好ましくは0.005 〜30μm 、さらに好ましくは
0.01〜10μm の微粉末シリカである。この微粉末シリカ
は、組成物に所望の流動性を与えるとともに、硬化させ
て得られる硬化物の機械的強度を向上させる。また、こ
の微粉末シリカの添加により、組成物中の可燃成分であ
る(A) 成分及び(B) 成分の割合を低下させて、難燃性を
向上させることができる。
【0021】該微粉末シリカとして、例えば煙霧質シリ
カ、沈降法シリカ等の補強性シリカ;これらの補強性シ
リカを、予め、オルガノシラン、オルガノシロキサン、
オルガノシラザン等の有機ケイ素化合物で表面処理した
もの;前記補強性シリカを配合時に、上記の有機ケイ素
化合物で表面処理したもの;結晶シリカ、溶融シリカの
ような比較的粒子径の大きい非補強性シリカ等が挙げら
れる。補強性シリカの場合には、良好な電気的性質及び
難燃性を硬化物に付与する点から、表面処理されたもの
が好ましい。これらは1種単独又は2種以上組み合わせ
て使用してもよい。
【0022】(C)成分の配合量は、(A)成分100 重
量部に対して、10〜150 重量部であり、好ましくは10〜
100 重量部の範囲である。10重量部より少ないと、得ら
れる硬化物の機械的強度が不十分となる。逆に、150 重
量部を超えると、組成物の流動性が低下するとともに、
硬化物の伸びがなくなる、硬くて脆くなる等のように、
機械的性質が損なわれる。
【0023】(D)成分 (D)成分は、平均粒子径が0.10〜0.50μm 、特には0.
15〜0.45μm であり、かつ、純度が98%以上、通常、9
8.0〜100 %、特に98.2〜 100%の二酸化チタンであ
る。ここで、純度とは、粒子中のTiO2 含有率(重量
%)を意味し、表面処理されたものについては、表面処
理後の粒子中のTiO2 含有率(重量%)を意味する。
(D)成分の添加により、得られる硬化物に良好な難燃
性が付与され、かつ、長期間の加熱条件下においても、
難燃性が保持される。(D)成分の結晶形は、ルチル形
でもアナターゼ形でもよい。
【0024】(D)成分の平均粒子径が0.10μm 未満で
あると、硬化物に良好な難燃性を与えても、長期間の加
熱により難燃性が低下する。また、組成物の流動性を低
下させ、保存中に、(B)成分中のケイ素に結合した水
素を消費するため、硬化させて得られる硬化物の機械的
強度を低下させる。さらには、硬化時の発泡の原因とな
る。逆に、平均粒子径が0.50μm を超えると、難燃性付
与効果は無くなる。
【0025】前記純度、すなわち、粒子中のTiO2
有率(重量%)が、98%未満であると、粒子径にかから
わず、難燃性を向上させる効果がほとんど認められな
い。なお、二酸化チタンの表面をアルミナ、シリカ、酸
化亜鉛等で被覆することは、組成物中への分散性を良く
しても、難燃性の向上には寄与しない。
【0026】また、従来、有機過酸化物加硫型(ミラブ
ル型)シリコーンゴム組成物において、加熱や湿気によ
る難燃性の経時変化を防ぐ目的で、煙霧質酸化チタンの
表面を、オルガノシラン又はオルガノポリシロキサンで
処理することが行われている(特開昭46−67933
号)。このような表面処理酸化チタンを付加硬化型液状
シリコーンゴム組成物に配合する場合、表面処理後の粒
子中のTiO2 含有率が98重量%未満であると、難燃性
の経時変化を抑制することは困難となり、難燃性が低下
する。
【0027】(D)成分の配合量は、(A)成分100 重
量部対して、1〜20重量部であり、好ましくは3〜10重
量部の範囲である。配合量が1重量部より少ないと、難
燃性が充分には得られない。逆に、20重量部を超える
と、組成物の流動性が悪くなり、また、得られる硬化物
の機械的性質が低下する。
【0028】(E)成分 (E)成分は、白金系触媒であり、(A)成分中のアル
ケニル基と(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原
子(SiH 基)との反応を促進する。また、本発明の組成
物を硬化させて得られる硬化物の難燃化の役割も有す
る。
【0029】白金系触媒は、従来公知のものを特に制限
なく使用でき、例えば白金ブラック、塩化白金酸、塩化
白金酸のアルコール変性物、白金とオレフィン、アルデ
ヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコールとの
錯体等が挙げらる。
【0030】(E)成分の配合量は、いわゆる触媒量で
あり、所望の硬化速度に応じて適宜調節されればよく、
例えば(A)成分に対して白金金属量で、通常、5〜15
0 ppm 、好ましくは10〜100 ppm の範囲である。この添
加量が少なすぎると、前記触媒機能が充分に発揮されな
いため、硬化不良となり、また、難燃性も充分に得られ
ない。逆に、多すぎると、難燃性はかえって低下し、耐
熱性も低下する。また、可使時間が取れなくなり、コス
ト的にも不利になる。
【0031】その他の添加剤 本発明の組成物は、(A)成分〜(E)成分の他に、必
要に応じて充填剤、顔料、耐熱性向上剤、反応制御剤、
可塑剤、接着助剤等を、本発明の目的を損なわない量の
範囲で添加してもよい。
【0032】具体的には、(R1 3 SiO1/2 単位、
CH2 =CH(R1 2 SiO1/2単位、及び、SiO
1/2 単位(式中、R1 は前記と同じ意味である)から本
質的になるシリコーン樹脂、アルミナ等の充填剤;本発
明の(D)成分以外の酸化チタン、酸化亜鉛等の顔料;
ケイ酸ジルコニウム、アナターゼ形酸化チタン等の耐熱
性向上剤;ビニルシロキサン、アセチレンアルコール
類、エチニル基を含有するシラン又はシロキサン、トリ
アリルイソシアヌレート等の反応制御剤;不活性のシリ
コーンオイル等の可塑剤;並びにSiH基とアルコキシ
シリル基とを有するオルガノポリシロキサン、SiH基
とエポキシ基及び/又はエステル基とを有するオルガノ
ポリシロキサン、SiH基とエポキシ基及びアルコキシ
シリル基を有するオルガノポリシロキサン、アミノアル
キルアルコキシシランとグリシドキシアルキルアルコキ
シシランとの反応生成物等の接着助剤が挙げられる。な
お、上記のビニル基含有シリコーン樹脂、ビニルシロキ
サン、ケイ素原子に結合した水素原子を含有する接着助
剤を添加する場合には、全組成物中のケイ素原子に結合
したアルケニル基1個対してケイ素原子に結合する水素
原子(SiH 基)を0.5 〜5個存在させる必要がある。
【0033】シリコーンゴム組成物の調製及びその硬化 本発明の組成物は、(A)成分〜(E)成分、及び、場
合によっては必要に応じてその他の添加剤を、所定量均
一に混合することによって容易に得ることができる。
(A)成分と(B)成分との反応は、(E)成分の存在
下では迅速に進行するので、組成物の使用前は2包装、
すなわち、主剤と硬化剤とに分けておき、使用時に混合
して組成物を得るのが好ましい。2包装に分ける組合せ
としては、(A)成分、(B)成分及び(E)成分を同
一包装内に共存させないこと以外に特に限定はない。例
えば、(A)〜(D)成分の混合物と(E)成分に分け
る方法、(A)成分の一部、(C)成分、(D)成分及
び(E)成分の混合物を主剤とし、(A)成分の残りと
(B)成分の混合物を硬化剤とする方法、この変形とし
て、(C)成分を主剤と硬化剤とに分配し、どちらか一
方に(D)成分を配合する方法等が挙げられる。なお、
反応制御剤として、例えばアセチレンアルコール類、エ
チニル基を含有するシラン又はシロキサン、トリアリル
イソシアヌレート等を使用すれば、1包装として保存し
ておくことも可能である。
【0034】本発明の組成物は、室温でも硬化させるこ
とができ、好ましくは加熱することにより硬化が促進さ
れる。特に、100 ℃以上の温度で加熱すれば、短時間で
硬化させることができる。
【0035】得られる硬化物は、長期の熱間の使用に耐
え得る、安全性の高い難燃性電気絶縁材料であり、例え
ばテレビの部品・高圧回路の絶縁材料、家庭用電子機
器、航空・車両用電子機器等の難燃材料として有用であ
る。
【0036】また、得られる硬化物の外観は白色であ
る。したがって、該組成物を部品へ注型するとき、又
は、塗布するときの組成物による汚れを避けたい場合、
部品の意匠性を重視する場合等には、好適に使用するこ
とができる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示して、本発明
を具体的に説明する。以下の各例において、組成物を硬
化させて得られる硬化物について測定される難燃性を、
初期難燃性と称し、該硬化物をさらに長期間加熱したも
のについて測定される難燃性を、熱エージング後の難燃
性と称する。なお、部は重量部を示し、比表面積はBE
T法による測定値を示し、粘度は25℃における測定値を
示す。
【0038】実施例1 平均分子式: CH2 =CH(CH3 )2 SiO[(CH3 )2 SiO]520 Si(CH3 )2CH=CH2 で示され、粘度が10,000cSt であり、分子鎖両末端がビ
ニルジメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロ
キサン100 部、及び、ヘキサメチルジシラザンで表面処
理された比表面積300 m2/gの煙霧質シリカ(平均粒子径
0.007 μm )25部を、ニーダーを用いて均一に混練した
後、これを150 ℃の温度で2時間熱処理してベースコン
パウンドとした。得られたベースコンパウンドに、平均
粒子径が0.28μm であり、純度(すなわち、TiO2
重量%)99.8%の二酸化チタン6部を添加し、三本ロー
ルで均一に混合した。次いで、この混合物に、塩化白金
酸のオクチルアルコール溶液(白金原子2重量%)0.15
部、及び、エチニルシクロヘキサノールの50%トルエン
溶液0.5 部を添加し、プラネタリーミキサー中で混合し
た。最後に、平均分子式: H(CH3 )2 SiO[(CH3 )HSiO]5 [(CH3 )2 SiO]11Si(CH3 )
2 H で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン1.8 部
を添加して、減圧下で混合して成形用組成物Aを得た。
この成形用組成物Aを、以下に示す難燃性の評価試験の
試料に供した。
【0039】初期難燃性の評価 成形用組成物Aを、温度120 ℃、圧力30Kg/cm2 の条
件下で、10分間プレスしてシート状とし、120 ℃の熱風
循環オーブン中で50分間加熱して硬化させ、長さ127 m
m、幅12.7mm、厚さ2mmの形状の硬化物(シリコーンゴ
ム)の試験片を作製した。
【0040】次いで、該硬化物の難燃性の評価を、UL
−94の難燃性の試験方法に準じて、以下のようにして
行った。ブンゼンバーナー(内径9.5 mm)の頂部から上
方に発生している高さ38mmの開放黄色炎中において、試
験片の末端がブンゼンバーナーの頂部から19.2mmの高さ
の位置になるように、前記試験片を垂直に固定した。そ
して、開放黄色炎中に10秒間暴露した。その後、該試験
片を開放黄色炎中から取り出し、該試験片が完全に消炎
するまでの時間(秒)を測定した。この操作を、同一の
試料について、2回繰返した。以上の操作を5個の試料
について行い、合計10回の測定値(離炎後、試料が完全
に消炎するまでの時間)の平均値を求めた。その結果
を、表1の初期難燃性の欄に示す。
【0041】熱エージング後の難燃性の評価 成形用組成物Aを、温度120 ℃、圧力30Kg/cm2 の条
件下で、10分間プレスしてシート状とし、120 ℃の熱風
循環オーブン中で50分間加熱して硬化させ、硬化物(シ
リコーンゴム)を得た後、さらに、150 ℃の温度で24時
間加熱した。こうして、長さ127 mm、幅12.7mm、厚さ2
mmの形状の試験片を作製した。
【0042】該硬化物の難燃性を、上記初期難燃性の評
価方法と同一の操作で行った。この結果を、表1の熱エ
ージング後の難燃性の欄に示す。
【0043】実施例2 実施例1で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、平均粒子径0.15μm 、純度
98.2%の二酸化チタン8部を使用した以外は、実施例1
と同様な操作を行って、成形用組成物Bを得た。この成
形用組成物Bを用いて、実施例1と同様の操作で、初期
難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価した。その結
果を表1に示す。
【0044】比較例1 実施例1で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、煙霧質二酸化チタン(平均
粒子径0.021 μm 、純度99.5%)6部を使用した以外
は、実施例1と同様な操作を行って、成形用組成物Cを
得た。この成形用組成物Cを用いて、実施例1と同様の
操作で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価
した。その結果を表1に示す。
【0045】比較例2 実施例1で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、平均粒子径0.53μm 、純度
99.0%の二酸化チタン6部を使用した以外は、実施例1
と同様な操作を行って、成形用組成物Dを得た。この成
形用組成物Dを用いて、実施例1と同様の操作で、初期
難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価した。その結
果を表1に示す。
【0046】比較例3 実施例1で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、30モル%のジフェニルシロ
キサン単位を含み、末端がアルコキシ基で停止された粘
度80cSt のメチルフェニルシリコーンオイルと煙霧質二
酸化チタン(平均粒子径0.021 μm 、純度99.5%)を重
量割合で1:1となるように混合し、250 ℃で4時間加
熱することによって得られた処理酸化チタンを6部使用
した以外は、実施例1と同様な操作を行って、成形用組
成物Eを得た。この成形用組成物Eを用いて、実施例1
と同様の操作で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃
性を評価した。その結果を表1に示す。
【0047】比較例4 実施例1で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、顔料級二酸化チタン(平均
粒子径0.21μm 、純度95.0%)6部を使用した以外は、
実施例1と同様な操作を行って、成形用組成物Fを得
た。この成形用組成物Fを用いて、実施例1と同様の操
作で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例3 実施例1で得られた成形用組成物Aに、さらにγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン1モルとγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン2モルを90℃で3時間反
応させて得られた反応生成物の30%キシレン溶液2.5 部
を、添加混合して、成形用組成物Gを得た。この成形用
組成物Gを用いて、実施例1と同様の操作で、初期難燃
性及び熱エージング後の難燃性を評価した。その結果を
表2に示す。
【0050】比較例5 実施例3で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、煙霧質二酸化チタン(平均
粒子径0.021 μm 、純度99.5%)6部を使用した以外
は、実施例3と同様な操作を行って、成形用組成物Hを
得た。この成形用組成物Hを用いて、実施例1と同様の
操作で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0051】比較例6 実施例3で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、平均粒子径0.53μm 、純度
99.0%の二酸化チタン6部を使用した以外は、実施例3
と同様な操作を行って、成形用組成物Iを得た。この成
形用組成物Iを用いて、実施例1と同様の操作で、初期
難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価した。その結
果を表2に示す。
【0052】比較例7 実施例3で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、比較例3で使用したシリコ
ーンオイル処理二酸化チタン6部を使用した以外は、実
施例3と同様な操作を行って、成形用組成物Jを得た。
この成形用組成物Jを用いて、実施例1と同様の操作
で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0053】比較例8 実施例3で使用した平均粒子径0.28μm 、純度99.8%の
二酸化チタン6部に替えて、顔料級二酸化チタン(平均
粒子径0.21μm 、純度95.0%)6部を使用した以外は、
実施例3と同様な操作を行って成形用組成物Kを得た。
この成形用組成物Kを用いて、実施例1と同様の操作
で、初期難燃性及び熱エージング後の難燃性を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明の組成物を硬化させて得られる硬
化物は、白色系で難燃性に優れ、かつ、50〜150 ℃の温
度で長期間加熱されても、難燃性が低下しない。したが
って、長期の熱間の使用に耐え得る、安全性の高い白色
難燃性電気絶縁材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−60957(JP,A) 特開 昭53−6356(JP,A) 特開 昭49−63744(JP,A) 特開 平4−91165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/22 C08K 3/36 C08L 83/04 - 83/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)平均組成式(1) : (R1a(R2bSiO(4-a-b)/2 (1) 〔式中、R1は脂肪族不飽和結合を含まない置換又は非置換の1価炭化水素基で あり、R2はアルケニル基であり、aは1.8 〜2.0 、bは0.001 〜0.2 かつ a+b=1.98〜2.04を満たす数である〕 で表され、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有す るオルガノポリシロキサン 100 重量部、 (B)平均組成式(2) : (R1c(H)dSiO(4-c-d)/2 (2) 〔式中、R1は前記と同じ意義であり、cは1.0 〜2.0 、dは0.04〜1.0 、かつ c+d=1.04〜2.5 を満たす数である〕 で表され、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオ ルガノハイドロジェンポリシロキサン (A)成分中のアル ケニル基1個に対してケイ素原子に結合した水素原子を0.5 〜5個与える量、 (C)平均粒子径が50μm 以下の微粉末シリカ 10〜150 重量部、 (D)平均粒子径が0.10〜0.50μm であり、純度98%以上の二酸化チタン 1〜20重量部、 及び (E)白金系触媒 触媒量 を含有してなる白色系の難燃性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の組成物を硬化させること
    により得られる白色系の難燃性シリコーンゴム。
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