JP3299066B2 - パターン検査装置及び方法 - Google Patents

パターン検査装置及び方法

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JP3299066B2
JP3299066B2 JP02348995A JP2348995A JP3299066B2 JP 3299066 B2 JP3299066 B2 JP 3299066B2 JP 02348995 A JP02348995 A JP 02348995A JP 2348995 A JP2348995 A JP 2348995A JP 3299066 B2 JP3299066 B2 JP 3299066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二つのパターンを照合
して両パターン間での相違部分を検出するパターン検査
装置及び方法に関するものであり、印刷工程の校正段階
で初校と再校とを比較して相違部分を検出する場合や、
プリント配線板、ICマスクパターン、リードフレーム
等のパターン欠陥を検出する場合等に利用される。
【0002】
【従来の技術】印刷工程の校正段階では、校正刷り又は
製版フィルムの初校と再校とを比較して相違部分を検出
し、修正指示された箇所が正しく修正されているか、ま
た修正指示された箇所以外で変更された部分はないか、
を確かめるという検版作業が行なわれる。このような作
業を行なうための検版装置としては、初校と再校のフィ
ルムをテレビカメラで撮像して得られる画像をメモリに
記憶し、記憶された初校と再校の画像を比較照合して両
者間での相違部分を点滅表示させるもの(以下「従来例
1」という)が、特公平4−61345号公報において
開示されている。
【0003】上記従来例1において初校と再校の画像を
比較照合する際には、初校と再校との位置合わせが必要
となる。上記公報には、この位置合わせについて次の二
つの方法が記載されている。 (1)ピン機構による方法 (2)メモリに記憶した初校の画像と、現在テレビカメ
ラで取り込んでいる再校の画像とを交互に表示しなが
ら、再校フィルムの位置を合わせるという方法
【0004】一方、二つの画像パターンを比較照合する
方法として、二つの画像パターンを所定範囲内でずらし
ながら局所領域毎に比較することにより、対象物の位置
ずれや位置合わせ誤差を吸収しつつ二つのパターンを照
合するという方法(以下「揺すらせ比較法」という)が
知られており、揺すらせ比較法の実施例としてのパター
ン欠陥検査装置(以下「従来例2」という)が特公平6
−21769号公報に開示されている。このパターン欠
陥検査装置は、2値画素信号の2次元オブジェクトパタ
ーンを2次元マスタパターンと所定の大きさの局所領域
毎に比較して欠陥検出を行なうものであって、オブジェ
クトパターンの一つの局所領域に対し、図5に示すよう
に、マスタパターンにおいて位置的に対応する局所領域
M0を中心として2次元的に所定画素数だけ周辺を広げ
たエリア(以下「揺すらせ範囲」といい、図5では上下
左右に3画素ずつ広げたエリアを揺すらせ範囲としてい
る)を設定し、その揺すらせ範囲内で2次元的に1画素
ずつ順次ずれた複数の局所領域M11〜M77のマスタパタ
ーンと、前記一つの局所領域のオブジェクトパターンと
を、検査ウィンドウWMを利用したパターンマッチング
法により比較する。このとき、パターン全体の検査に要
する時間を短縮するために、一つの局所領域のオブジェ
クトパターンと、複数の局所領域M11〜M77のマスタパ
ターンとのパターンマッチングが並列処理により行なわ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例1において
初校と再校との位置合わせに(1)の方法を採用した場
合、ピン穴の無い検査対象物に対してはピン用の穴を新
たに設けなければならない。また、(2)の方法を採用
した場合には、作業者がモニタの画面を見ながら手で検
査対象物(再校フィルム)を移動させることになるた
め、位置合わせに精度的な限界がある。これに対し、別
途駆動機構を設けて検査対象物を移動させることも考え
られるが、この場合にはコストの上昇を招くとともに装
置も大型化するという問題が生じる。さらに、検査対象
物が紙のように伸縮を伴う場合には、(1)と(2)の
いずれの方法によっても検査対象物の各部を全て一致さ
せることはできない。
【0006】一方、従来例2では、従来例1における上
記欠点を解消することができるが、一つの局所領域のオ
ブジェクトパターンと、複数の局所領域M11〜M77のマ
スタパターンとのパターンマッチングが並列処理により
行なわれるため、そのパターンマッチングのためのハー
ドウェアが大規模化し、コスト上昇を招く。また、検版
装置では、紙のように伸縮を伴うものが検査対象物とさ
れたり、伸縮を無視できる検査対象物であっても検査対
象物の二つの画像の間に傾きが生じたりするため、伸縮
が蓄積されて位置ずれが大きくなったり、画像の傾きに
よって端部における位置ずれが大きくなったりする(図
4参照)。揺すらせ比較においてこれらに対処するため
には、揺すらせ範囲を大きくしなければならない。揺す
らせ範囲が大きくなると、従来例2のような並列処理を
行なう場合にはハードウェアが大規模化する。一方、ハ
ードウェアの大規模化を避けるために揺すらせ比較を逐
次的に行なう場合には、揺すらせ範囲が大きくなると処
理時間が長くなる。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、大規模
なハードウェアを使用することなく、かつ、長い処理時
間を要することなく、揺すらせ比較法に基づく局所領域
毎の比較によって二つの画像パターン間での相違部分を
検出するパターン検査装置及び方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る第1のパターン検査装置では、
二つの検査対象パターンを照合し、該二つの検査対象パ
ターン間での相違部分を検出するパターン検査装置にお
いて、 a)前記二つの検査対象パターンを2次元的に走査して
画素毎に読み取ることにより、前記二つの検査対象パタ
ーンのそれぞれの画像データを生成する画像入力手段
と、 b)画像入力手段によって生成された二つの画像データ
を、それぞれオブジェクトパターンを表わすオブジェク
トデータ及びマスタパターンを表わすマスタデータとし
て記憶する画像記憶手段と、 c)オブジェクトパターンとマスタパターンとを略全体
的に重なった状態とするための、オブジェクトパターン
とマスタパターンとの相対的な移動量であるマスタ移動
量を記憶する移動量記憶手段と、 d)オブジェクトパターンにおける複数画素から成るブ
ロックを単位として各ブロックに対応する画像データを
オブジェクトデータから順次抽出するオブジェクト抽出
手段と、 e)オブジェクト抽出手段によって1ブロック分の画像
データが抽出される毎に、移動量記憶手段に記憶された
マスタ移動量だけ移動させたマスタパターンにおいてオ
ブジェクトパターンの該ブロックと位置的に対応するブ
ロックを中心ブロックとして2次元的に所定画素数だけ
周辺に広げた拡張ブロックを設定し、該拡張ブロック内
で2次元的に1画素ずつ順次ずれた各ブロックに対応す
る画像データをマスタデータから順次抽出するマスタ抽
出手段と、 f)オブジェクト抽出手段によってブロック単位で抽出
される画像データを、該画像データに対応して前記拡張
ブロック内からマスタ抽出手段によってブロック単位で
順次抽出される各画像データと比較し、比較される二つ
の画像データによって表わされる二つのパターンが一致
するか否かを順次判定する照合手段と、 g)前記拡張ブロック内のいずれかのブロックについて
前記二つのパターンが一致すると照合手段によって判定
されると、マスタ抽出手段による画像データの抽出を中
止するとともに、一致した該ブロックの前記拡張ブロッ
ク内の位置に基づいて移動量記憶手段に記憶されたマス
タ移動量を更新し、オブジェクト抽出手段に1ブロック
分の画像データを新たに抽出させた後、新たに抽出され
た該画像データに対してマスタ抽出手段による画像デー
タの抽出を再開させる制御手段と、を備えることを特徴
としている。
【0009】本発明に係る第2のパターン検査装置で
は、上記第1のパターン検査装置において、画像記憶手
段に記憶されたオブジェクトデータ及びマスタデータに
基づき、オブジェクトパターン及びマスタパターンを表
示する表示手段と、表示手段に表示されたオブジェクト
パターンとマスタパターンのいずれか一方を移動させる
ための指示を外部から入力し、該指示に応じてオブジェ
クトパターン又はマスタパターンを移動させる移動操作
手段と、を更に備え、移動量記憶手段は、移動操作手段
によってオブジェクトパターンとマスタパターンとを略
全体的に重なった状態とするための、オブジェクトパタ
ーンとマスタパターンとの相対的な移動量を、マスタ移
動量の初期値として記憶する、ことを特徴としている。
【0010】本発明に係る第3のパターン検査装置で
は、上記第1又は第2のパターン検査装置において、オ
ブジェクト抽出手段は、走査線順次にかつ互いに重なら
ないように、ブロック単位で画像データをオブジェクト
データから抽出し、オブジェクトパターンにおいて主走
査方向に並ぶブロック列の先頭のブロックについて照合
手段により一致すると判定された場合に、マスタパター
ンにおける一致したブロックの前記拡張ブロック内の位
置に基づくマスタ移動量を記憶する先頭移動量記憶手段
を更に備え、マスタ抽出手段は、オブジェクトパターン
において主走査方向に並ぶブロック列の先頭のブロック
に対応する画像データがオブジェクト抽出手段によって
抽出されたときには、該画像データと照合手段によって
比較されるべき画像データをマスタデータから抽出する
前に、マスタパターンを移動量記憶手段に記憶されたマ
スタ移動量だけ移動させる代わりに先頭移動量記憶手段
に記憶されたマスタ移動量だけ移動させる、ことを特徴
としている。
【0011】本発明に係る第4のパターン検査装置で
は、上記第1又は第2のパターン検査装置において、オ
ブジェクト抽出手段は、直前にオブジェクトデータから
抽出された画像データに対応するブロックと位置的に隣
接するブロックに対応する画像データを抽出する、こと
を特徴としている。
【0012】本発明に係る第5のパターン検査装置で
は、上記第1乃至第4のいずれか一つのパターン検査装
置において、マスタ抽出手段は、前記拡張ブロック内に
おいて、前記中心ブロックから開始して前記中心ブロッ
クから遠ざかる順序で、2次元的に1画素ずつ順次ずれ
た各ブロックに対応する画像データをマスタデータから
抽出する、ことを特徴としている。
【0013】本発明に係るパターン検査方法では、二つ
の検査対象パターンを2次元的に走査して画素毎に読み
取ることにより得られた二つの画像データを、それぞれ
オブジェクトパターンを表わすオブジェクトデータ及び
マスタパターンを表わすマスタデータとして記憶し、オ
ブジェクトパターンにおける複数画素から成るブロック
を単位として各ブロックに対応する画像データをオブジ
ェクトデータから順次抽出し、オブジェクトデータから
1ブロック分の画像データが抽出される毎に、マスタ移
動量だけ移動させたマスタパターンにおいて該ブロック
と位置的に対応するブロックを中心ブロックとして2次
元的に所定画素数だけ周辺に広げた拡張ブロックを設定
して、該拡張ブロック内で2次元的に1画素ずつ順次ず
れた各ブロックに対応する画像データをマスタデータか
ら順次抽出し、オブジェクトデータからブロック単位で
抽出された画像データを、該画像データに対応して前記
拡張ブロック内からブロック単位で順次抽出される各画
像データと比較し、比較される二つの画像データによっ
て表わされる二つのパターンが一致するか否かを順次判
定する、という処理により、ブロック単位で前記二つの
検査対象パターンにおける相違部分を検出するパターン
検査方法において、前記拡張ブロック内のいずれかのブ
ロックについて前記二つのパターンが一致すると判定さ
れると、一致した該ブロックの前記拡張ブロック内の位
置に基づいてマスタ移動量を更新することを特徴として
いる。
【0014】
【作用】 [第1のパターン検査装置の作用]本発明の第1のパタ
ーン検査装置によると、二つの検査対象パターンを読み
取って得られたオブジェクトデータ及びマスタデータが
画像記憶手段に記憶され、これらのデータに基づき、以
下のようにして二つの検査対象パターン間での相違部分
が検出される。まず、オブジェクトパターンとマスタパ
ターンとを相対的に移動させて両パターンのほぼ全体を
重なった状態とするのに必要な移動量、すなわち概略位
置合わせに必要な移動量が求められ、この移動量がマス
タ移動量として記憶される。次に、オブジェクト抽出手
段により、オブジェクトデータからブロック単位で画像
データが順次抽出される。この抽出毎に、マスタ抽出手
段により、その抽出に係るオブジェクトパターンのブロ
ックと位置的に対応するマスタパターンのブロックを中
心ブロックとする拡張ブロックがマスタパターンに設定
され、この拡張ブロック内で2次元的に1画素ずつ順次
ずれたブロックに対応する画像データがマスタデータか
ら順次抽出される。ここで拡張ブロックは、マスタ移動
量だけ移動させたマスタパターン、すなわちオブジェク
トパターンとの位置合わせが概略的に行なわれたマスタ
パターンに対して設定される。
【0015】このようにしてオブジェクトデータから抽
出された1ブロック分の画像データは、それに対応して
拡張ブロック内の各ブロック分の画像データとしてマス
タデータから順次抽出される画像データと照合手段によ
って比較され、それら二つの画像データによって表わさ
れる二つのパターンが一致するか否かが順次判定され
る。これにより、オブジェクトパターンとマスタパター
ンとの位置ずれを拡張ブロックの範囲内で補正しつつ両
パターンをブロック単位で照合するという処理、すなわ
ちブロック単位の揺すらせ比較が逐次的に行なわれるこ
とになる。
【0016】照合手段による比較の結果、一致すると判
定された場合は、その一致に対応する拡張ブロック内の
位置に基づいてマスタ移動量が更新され、現時点の拡張
ブロックについてマスタ抽出手段による画像データの抽
出が終了する。この後、オブジェクト抽出手段によって
次のブロックに対応する新たな画像データが抽出される
と、その抽出に対応してマスタ抽出手段が動作し、次の
ブロックに対応する新たな拡張ブロックが、更新後のマ
スタ移動量だけ移動させたマスタパターンに対して設定
される。これにより、次のブロックについての揺すらせ
比較において、今回の揺すらせ比較での位置ずれの補正
が反映される。
【0017】一方、照合手段による比較の結果、拡張ブ
ロック内で1画素ずつ順次ずれた全てのブロックについ
て一致しないと判定された場合は、オブジェクトパター
ンにおける現時点のブロックは相違部分とされ、マスタ
移動量を更新することなく、オブジェクト抽出手段によ
って次のブロックに対応する新たな画像データが抽出さ
れ、その抽出に対応してマスタ抽出手段が動作する。
【0018】以上のようにしてブロック単位の揺すらせ
比較が次々に実行され、オブジェクトパターンおける未
比較のブロックが無くなると、本パターン検査装置によ
る動作が完了する。
【0019】[第2のパターン検査装置の作用]第2の
パターン検査装置によると、上記第1のパターン検査装
置と同様にして画像記憶手段に記憶されたオブジェクト
データ及びマスタデータに基づき、オブジェクトパター
ン及びマスタパターンが表示手段に表示される。そして
作業者が、この表示を見ながら、移動操作手段によって
マスタパターン又はオブジェクトパターンを表示手段の
画面上において移動させることにより、マスタパターン
とオブジェクトパターンとがほぼ全体的に重なった状態
とする。このときのオブジェクトパターンとマスタパタ
ーンとの相対的な移動量が、マスタ移動量の初期値とし
て移動量記憶手段に記憶される。
【0020】[第3のパターン検査装置の作用]第3の
パターン検査装置によると、走査線順次にかつ重ならな
いように、ブロック単位でオブジェクトデータから画像
データが抽出され、この画像データを用い、上記第1又
は第2のパターン検査装置と同様にしてブロック単位の
揺すらせ比較が逐次的に実行される。ただし、以下の点
が上記第1又は第2のパターン検査装置と異なる。すな
わち、オブジェクトパターンにおいて主走査方向に並ぶ
ブロック列の先頭のブロックに対応する画像データにつ
いて照合手段により一致すると判定された場合に、マス
タパターンの一致した画像データに対応する前記拡張ブ
ロック内の位置に基づくマスタ移動量が先頭移動量記憶
手段に記憶される。その後、オブジェクトパターンにお
いて主走査方向に並ぶブロック列の先頭のブロックに対
応する画像データがオブジェクト抽出手段によって抽出
されたときには、移動量記憶手段ではなく先頭移動量記
憶手段に記憶されたマスタ移動量だけ移動したマスタパ
ターンに対して拡張ブロックが設定され、その拡張ブロ
ック内の画像データがブロック単位でマスタデータから
抽出される。これにより、オブジェクトパターンの各ブ
ロックについての揺すらせ比較において、常に、その比
較対象のブロックから距離的に近いブロックについての
揺すらせ比較での位置ずれ補正が反映される。
【0021】[第4のパターン検査装置の作用]第4の
パターン検査装置によると、オブジェクトデータからの
画像データの抽出において、続けて抽出される二つの画
像データに対応するブロックは常に位置的に隣接してお
り、このような抽出の順序に従ってブロック単位での揺
すらせ比較が逐次的に行なわれる。したがって、オブジ
ェクトパターンの各ブロックについての揺すらせ比較に
おいて、その比較対象のブロックから距離的に近いブロ
ックについての揺すらせ比較での位置ずれ補正が反映さ
れる。
【0022】[第5のパターン検査装置の作用]第5の
パターン検査装置によると、オブジェクトパターンの各
ブロック毎の揺すらせ比較において、そのブロックに対
応してマスタパターンに設定された拡張ブロック内の各
ブロックの画像データは、中心ブロックから開始して中
心ブロックから遠ざかる順序で抽出される。ここで中心
ブロックの位置は、オブジェクトパターンにおいて距離
的に近いブロックについての揺すらせ比較での位置ずれ
補正に対応しているため、一つの拡張ブロックについて
少ない比較回数で一致する確率が高くなり、1回の揺す
らせ比較に要する平均的な処理時間が短縮される。
【0023】[パターン検査方法の作用]本発明のパタ
ーン検査方法によると、上記第1のパターン検査装置の
作用と同様にして、ブロック単位の揺すらせ比較が、ブ
ロックのパターンが一致すると判定される毎にマスタ移
動量を更新しながら逐次的に行なわれ、二つの検査対象
パターン間での相違部分がブロック単位で検出される。
【0024】
【実施例】
[実施例のハードウェア構成]図2は、本発明の一実施
例であるパターン検査システムにおけるハードウェア構
成を示す図である。このパターン検査システムは、ポイ
ンティングデバイスとしてのマウス22が接続されたホ
ストコンピュータ20、スキャナ12、及びプリンタ1
4から構成され、印刷工程の校正段階での検版作業に使
用される。したがって、校正刷り又は製版フィルムの初
校と再校とが検査対象物10となる。
【0025】このパターン検査システムにおいてスキャ
ナ12は、検査対象物10である初校及び再校のパター
ンを読み取ってそれらの画像データを生成する。この画
像データはホストコンピュータ20に転送される。な
お、スキャナ12の代わりにテレビカメラで検査対象物
10のパターンを読み取ることにより画像データを生成
してもよい。
【0026】ホストコンピュータ20は、CPU、メモ
リ、CRTディスプレイ、及びI/Oポート等を備えて
おり、スキャナ12から転送された上記画像データを2
値化した後、初校に対する2値画像データをマスタデー
タとして、再校に対する2値画像データをオブジェクト
データとして、それぞれ内部のメモリに記憶する。そし
て、これらのマスタデータ及びオブジェクトデータやマ
ウス22による入力操作に基づいて後述の処理を行な
い、初校と再校との相違部分を検出する。この相違部分
を示すデータは検査結果としてプリンタ14に転送され
る。
【0027】プリンタ14は、ホストコンピュータ20
から転送された検査結果のデータに基づき、初校と再校
との相違部分を出力する。なお、プリンタの代わりにプ
ロッタ、CRTディスプレイ等に初校と再校との相違部
分を出力させてもよい。
【0028】[相違検出処理]本実施例では、初校と再
校との相違部分を検出するための処理(以下「相違検出
処理」という)は、ホストコンピュータ20において所
定のプログラムに基づくCPUの動作により行なわれ
る。この相違検出処理の原理は既述の従来例2の欠陥検
出処理の原理と基本的には同一であり、局所領域(以下
「検査ブロック」という)毎に揺すらせ比較が行なわれ
る。以下、本実施例の相違検出処理の詳細につき図1の
フローチャートを参照しつつ説明する。
【0029】まずステップS10において、校正刷り又
は製版フィルムの再校である修正後のパターンを読み取
って得られたデータを2値化した後、オブジェクトデー
タとしてメモリに記憶する。同様にステップS12にお
いて、校正刷り又は製版フィルムの初校である修正前の
パターンを読み取って得られたデータを2値化した後、
マスタデータとしてメモリに記憶する。このとき、マス
タデータによって表わされるパターン(マスタパター
ン)とオブジェクトデータによって表わされるパターン
(オブジェクトパターン)の位置がほぼ合わせられる
(概略位置合わせ)。本実施例では、位置合わせ手段と
してはピン機構が採用されておらず、マウス操作により
位置合わせが行なわれる。すなわちステップS14にお
いて、マスタパターンとオブジェクトパターンが、ホス
トコンピュータ20のCRTディスプレイに、異なる色
でかつ最初に比較照合される検査ブロック近傍が拡大さ
れて表示され、作業者がこの表示を見ながらマウス22
を操作することにより、マスタパターンをオブジェクト
パターンとほぼ重なる位置まで移動させる。ホストコン
ピュータ20は、このときのマスタパターンの移動量を
マスタ移動量としてメモリに記憶する。なお、位置合わ
せ手段としてピン機構が採用されている場合は、概略位
置合わせ済みの画像データがスキャナ12によって生成
されるため、ステップS14の処理は不要である。
【0030】次にステップS16において、オブジェク
トデータから一つの検査ブロック分のデータを抽出する
(以下、データが抽出された検査ブロックを「現検査ブ
ロック」といい、抽出されたデータを「オブジェクト検
査データ」という)。ここで、検査ブロックのサイズ
は、例えば版の内容が文字を中心とする場合は最小文字
サイズ程度となるように選択する。
【0031】オブジェクト検査データの抽出後は、ステ
ップS18において、ステップS14でメモリに記憶さ
れたマスタ移動量だけ移動させたマスタパターンにおい
てオブジェクトパターンの現検査ブロックと位置的に対
応する同一サイズのブロック(以下「マスタ基準ブロッ
ク」という)を求め、そのマスタ基準ブロックを中心ブ
ロックとして所定画素数だけ周辺を広げた領域(揺すら
せ範囲)を設定し、その揺すらせ範囲内で2次元的に1
画素ずつ順次ずれた複数の同一サイズのブロック(以下
「マスタブロック」という)のうち一つを現マスタブロ
ックとして選択する。本実施例におけるこの選択の開始
点はマスタ基準ブロックであり、現時点はステップS1
8の最初の実行時点であるため、ここではマスタ基準ブ
ロックを現マスタブロックとして選択する。そして、マ
スタデータから現マスタブロック分のデータ(以下「マ
スタ検査データ」という)を抽出する。
【0032】このようにしてオブジェクト検査データ及
びマスタ検査データを抽出した後、ステップS20にお
いて、両検査データによって表わされる二つのパターン
を比較照合する。そしてステップS22において、これ
ら二つのパターンに一定以上の相違があるか否かを判定
する。例えば、従来例2と同様に、検査ウィンドウを利
用したパターンマッチング法により上記二つのパターン
を比較して相違の有無を判定すればよい。すなわち、複
数画素からなる検査ウィンドウ(例えば2×2画素サイ
ズのウィンドウ)WPを現検査ブロック内に走査させる
と共に、同一サイズの検査ウィンドウWMを現マスタブ
ロック内に検査ウィンドウWPと位置的に対応させなが
ら走査させ、いずれかの走査位置において検査ウィンド
ウWP、WM内に含まれる相対応する画素の値が全て不一
致のときに両検査データによって表わされる二つのパタ
ーンに相違があると判定し、それ以外のときに相違が無
いと判定すればよい。このような検査ウィンドウを利用
すれば、初校及び再校のパターンの読み取りに伴う量子
化誤差に起因する誤判定を防止できるという利点があ
る。
【0033】ステップS22において相違があると判定
された場合は、揺すらせ範囲内において、マスタブロッ
クの選択の開始点であるマスタ基準ブロックから次第に
遠ざかるような順序で、1画素分ずれた他のマスタブロ
ックを現マスタブロックとして順次選択し、現マスタブ
ロック及び現検査ブロックの二つのパターンを比較照合
する。このために、まずステップS24において、揺す
らせ範囲内に設定された全てのマスタブロックについて
比較照合が行なわれたか否か、すなわちマスタブロック
のずらしが終了したか否かを判定し、マスタブロックの
ずらしが終了していなければステップS26へ進む。ス
テップS26では、次に比較照合の対象とすべきマスタ
ブロックを現マスタブロックとして揺すらせ範囲内から
選択し、その現マスタブロック分のデータすなわちマス
タ検査データをマスタデータから抽出するために、その
抽出の開始アドレスを1画素分だけ変更する。その後、
ステップS18へ戻って、変更後の開始アドレスに基づ
き新たにマスタ検査データを抽出し、そのマスタ検査デ
ータを用いて、上記と同様にして、現マスタブロック及
び現検査ブロックの二つのパターンの比較照合をする。
以下同様にして、現マスタブロック及び現検査ブロック
の二つのパターン間で相違がある限り、ステップS24
→S26→S18→S20→S22→S24というルー
プが繰り返し実行され、ステップS22で揺すらせ範囲
内に設定された全てのマスタブロックについて相違があ
ると判定されれば、ステップS24を経てステップS3
2へ進み、現検査ブロックは相違部分であると判定され
る。これは、再校において現検査ブロックに対応する領
域内で初校に対し変更が加えられていることを意味す
る。ステップS32の実行後は、オブジェクトパターン
内の次の検査ブロックについてマスタパターンと一致す
るか否かを調べるために、ステップS34へ進む。
【0034】ステップS22において、現マスタブロッ
クと現検査ブロックの二つのパターン間での相違が無い
と判定されると、ステップS28へ進み、現検査ブロッ
クは一致部分であると判定される。これは、再校におい
て現検査ブロックに対応する領域内では初校に対し変更
が無いことを意味する。ステップS28の実行後は、ス
テップS30において、現マスタブロックの揺すらせ範
囲内の位置に基づきマスタ移動量を更新する。すなわ
ち、マスタ基準ブロックに対する現マスタブロックのず
れ量を現在のマスタ移動量に加算した値を新たなマスタ
移動量としてメモリに記憶する。その後、オブジェクト
パターン内の次の検査ブロックについてマスタパターン
と一致するか否かを調べる。
【0035】そのために、まず、ステップS34におい
て、オブジェクトパターン内の全ての検査ブロックにつ
いてマスタパターンとの一致/不一致が調べられたか否
か、すなわち検査ブロックが終了したか否かを判定し、
検査ブロックが終了していなければステップS36へ進
む。ステップS36では、次にマスタパターンとの一致
/不一致を調べるべき検査ブロックを現検査ブロックと
して選択し、その現検査ブロック分のデータであるオブ
ジェクト検査データをオブジェクトデータから抽出する
ために、その抽出の開始アドレスを算出する。ここで、
一致/不一致を調べるべき検査ブロックは、スキャナ1
2による再校パターンの読み取りの際の走査順に選択さ
れる。すなわち、読み取りの際の主走査方向に検査ブロ
ックが順次選択され、主走査ラインに対応する一つの検
査ブロック列の選択が終了する毎に、選択すべき検査ブ
ロックの位置が副走査方向に1検査ブロック分だけ移動
する。
【0036】ステップS36において開始アドレスが算
出されると、ステップS16へ戻って、この開始アドレ
スに基づき新たにオブジェクト検査データを抽出し、そ
のオブジェクト検査データを用いて、上記と同様にし
て、現検査ブロックについてマスタパターンと一致する
か否かを調べる。このときマスタ検査データは、現在の
マスタ移動量だけ移動させたマスタパターンにおいてオ
ブジェクトパターンの現検査ブロックと位置的に対応す
る同一サイズのブロックをマスタ基準ブロックとして順
次抽出され、抽出されたマスタ検査データを用いて現検
査ブロックにつきマスタパターンと一致するか否かが調
べられる。以下同様にして、オブジェクトパターンに未
処理の検査ブロックがある限り、ステップS34→S3
6→S16→……→S34というループが繰り返し実行
され、ステップS34で検査ブロックが終了したと判定
されると、本実施例の相違検出処理が完了する。
【0037】上記相違検出処理により相違ありと判定さ
れた検査ブロック(ステップS32参照)は初校と再校
との相違部分に相当し、この相違部分は、プリンタ14
に、オブジェクトパターン及びマスタパターンの双方の
色と異なる色で示される。作業者は、このような出力結
果を見て、初校に対して修正指示された箇所が正しく修
正されているか、また修正指示された箇所以外で変更さ
れた部分はないか、を確かめる(検版作業)。
【0038】[実施例の効果]上記実施例によれば、初
校を示すマスタパターンと再校を示すオブジェクトパタ
ーンとについて各検査ブロック毎の揺すらせ比較が逐次
的に行なわれるため(ステップS18〜S26)、並列
処理により揺すらせ比較を行なっていた従来例2のよう
な大規模なハードウェアは不要である。
【0039】また上記実施例では、オブジェクトパター
ンが検査ブロックについてマスタパターンと一致すると
判定されると(ステップS28)、マスタ移動量が更新
されるため(ステップS30)、マスタパターンとオブ
ジェクトパターンとがその一致に対応する位置関係にあ
る状態において次の検査ブロックと位置的に対応するマ
スタパターンのブロックをマスタ基準ブロックとして、
次の検査ブロックについての揺すらせ比較が行なわれ
る。一方、検査ブロックについてマスタパターンと相違
すると判定されたときには(ステップS32)、マスタ
移動量は更新されない。したがって、各検査ブロックに
ついての揺すらせ比較は、常に、最近の検査ブロックの
一致に対応する位置関係を中心として行なわれる。ここ
で揺すらせ比較の対象となる検査ブロックすなわち一致
/不一致を調べるべき検査ブロックは、既述のように、
再校パターンの読み取りの際の走査順に選択される(ス
テップS36)。その結果、各検査ブロックについての
揺すらせ比較は、通常、その検査ブロックと距離的に近
い検査ブロックの一致に対応する位置関係を中心として
行なわれることになる。一方、初校や再校が伸縮を伴う
ものであったり、初校と再校とを読み取って得られたマ
スタパターンとオブジェクトパターンとが図4に示すよ
うに互いに傾いていたりして、二つのパターン間での位
置ずれが大きくなる箇所が生じても、隣接検査ブロック
での位置ずれ量の差は大きくはならない。したがって、
各揺すらせ比較において、比較照合の開始点であるマス
タ基準ブロックの近傍で検査ブロックのパターンが一致
する確率が高くなる。よって、初校や再校が伸縮を伴う
ものであったり、マスタパターンとオブジェクトパター
ンとが互いに傾いていたりしても、揺すらせ範囲を大き
くすることなく、相違検出処理を行なうことが可能とな
る。
【0040】さらに本実施例では、各検査ブロックに対
応する揺すらせ範囲において、距離的に近い検査ブロッ
クの一致に対応する位置であるマスタ基準ブロックの位
置から開始して次第にその開始位置から遠ざかるような
順序でマスタブロックが選択される。これにより、一つ
の検査ブロックについて少ない比較照合回数で一致する
と判定される確率が高くなるため、1回の揺すらせ比較
に要する平均的な処理時間が短縮される。
【0041】[変形例]ところで上記実施例では、読み
取りの際の主走査ラインに対応する一つの検査ブロック
列(以下、単に「検査ブロック列」という)についての
揺すらせ比較が終了すると、副走査方向に1検査ブロッ
ク分移動した位置の検査ブロック列の先頭の検査ブロッ
クについての揺すらせ比較が行なわれる。このため、各
検査ブロック列の先頭の検査ブロックについての揺すら
せ比較は、距離的に遠い検査ブロックの一致に対応する
位置関係を中心として行なわれ、比較照合に要する時間
が長くなるおそれがある。これを避けるためには、例え
ば、各検査ブロック列の先頭の検査ブロックについての
揺すらせ比較が終了した時点のマスタ移動量(以下「先
頭マスタ移動量」という)を別途メモリに記憶してお
き、次の検査ブロック列の先頭の検査ブロックについて
の揺すらせ比較を行なう直前に、先頭マスタ移動量をマ
スタ移動量とすればよい。また、揺すらせ比較の対象と
なる検査ブロックを完全に走査順に選択するのではな
く、隣接する検査ブロック列について互いに逆方向にな
るように選択、すなわち、いわば往復走査又は一筆書き
的走査に相当する順に選択してもよい。マスタ移動量の
更新方法又は検査ブロックの選択方法をこのように変更
することにより、全ての検査ブロックについて、距離的
に近い検査ブロックの一致に対応する位置関係を中心と
して揺すらせ比較を行なうことができる。
【0042】また上記実施例では、相違検出処理の主要
部が所定のプログラムに基づくCPUの動作すなわちソ
フトウェアにより実現されているが、ハードウェアによ
り相違検出処理を実現してもよい。このハードウェアと
して、例えば図3に示す構成の相違検出装置が考えられ
る。この相違検出装置では、画像入力部30によって初
校及び再校のパターンが読み取られ、それらの2値画像
データが、それぞれマスタデータ及びオブジェクトデー
タとして画像メモリ38に記憶される。そして、これら
記憶されたデータによって表わされるマスタパターン及
びオブジェクトパターンが画像表示部32に異なる色で
表示される。次に作業者がこの表示を見て、移動操作部
34によりマスタパターンをオブジェクトパターンとほ
ぼ重なる位置まで移動させる。このときの移動量はマス
タ移動量として移動量メモリ36に記憶される。この
後、オブジェクト抽出部42により、画像メモリ38に
記憶されたオブジェクトデータから各検査ブロックに対
応するオブジェクト検査データが順次抽出される。この
オブジェクト検査データの抽出毎に、マスタ抽出部44
により、移動量メモリ36に記憶されたマスタ移動量だ
け移動させたマスタパターンにおいてその検査ブロック
に対応する揺すらせ範囲から2次元的に1画素ずつ順次
ずれた各マスタブロックが順次選択され、選択されたマ
スタブロックに対応するマスタ検査データが画像メモリ
38に記憶されたマスタデータから抽出される。このよ
うにして順次抽出されるオブジェクト検査データとマス
タ検査データとを用いて照合部46おいて比較照合され
る。この比較照合において、オブジェクト検査データと
マスタ検査データによって表わされる二つのパターン間
で一定以上の相違があれば不一致であると判定され、相
違が一定以下であれば一致すると判定され、この判定内
容が照合結果として出力される。ここで一致すると判定
されると、制御部40による制御の下、マスタ抽出部4
4によりマスタ検査データの抽出が中止されるととも
に、その一致に係るマスタブロックの位置に基づいて移
動量メモリ36に記憶されたマスタ移動量が更新され、
オブジェクト抽出部42により次のオブジェクト検査デ
ータが抽出された後、マスタ抽出部44によるマスタ検
査データの抽出が再開される。以上の動作により、各検
査ブロックについて上記実施例と同様の揺すらせ比較が
逐次的に行なわれ、初校と再校との相違部分がブロック
単位で検出される。
【0043】なお、以上の説明において、初校及び再校
のパターンを読み取って得られるオブジェクトデータ及
びマスタデータは2値画像データであるとしているが、
校正刷りによる検版作業では初校及び再校が多色刷りの
場合がある。この場合には、カラーCCD等によって初
校及び再校のパターンを読み取ってR、G、Bの3つの
信号を生成し、これらの信号に基づいて初校及び再校の
それぞれについて3つの2値画像データを作成すること
により、上記と同様にして初校と再校との間の相違部分
を検出することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ブロック単位の揺すら
せ処理が逐次的に行なわれるため、従来の揺すらせ比較
よりも小規模のハードウェアで二つのパターン間での相
違部分を検出することができる。また、ブロック単位の
揺すらせ比較は、通常、オブジェクトパターンにおいて
そのブロックと距離的に近いブロックについてのマスタ
パターンとの一致に対応する位置を中心として行なわれ
るため、ブロック単位の揺すらせ比較には、距離的に近
いブロックについての揺すらせ比較での位置ずれ補正が
反映される。特に、本発明の第3又は第4のパターン検
査装置によると、オブジェクトデータから続けて抽出さ
れる二つの画像データに対応するブロックは常に位置的
に近いため、各揺すらせ比較には、常に、その比較対象
のブロックから距離的に近いブロックについての揺すら
せ比較での位置ずれ補正が反映される。このように、距
離的に近いブロックについての揺すらせ比較での位置ず
れ補正が反映されると、マスタパターンやオブジェクト
パターンが形成された検査対象物が伸縮を伴うものであ
ったり、それら二つのパターン間に傾きを伴う位置ずれ
があったりしても、揺すらせ範囲を大きくすることな
く、相違部分の検出を行なうことができる。これによ
り、ハードウェア量や処理時間の増大が抑えられる。
【0045】また、本発明の第2のパターン検査装置に
よると、作業者が表示手段に表示されたオブジェクトパ
ターン及びマスタパターンを見ながら移動操作手段を操
作することにより、マスタパターンとオブジェクトパタ
ーンとをほぼ全体的に重ねることができるため、ピン穴
の無い検査対象物に対しても概略的な位置合わせを行な
うことができる。そして、その概略的な位置合わせに基
づく位置関係を出発点として揺すらせ比較を開始するこ
とができる。
【0046】さらに、本発明の第5のパターン検査装置
によると、各揺すらせ比較において、その比較対象のブ
ロックと距離的に近いブロックの一致に対応するマスタ
パターンのブロックから開始して次第にその開始位置か
ら遠ざかるような順序で、マスタパターンのブロックが
拡張ブロックから選択されて比較される。これにより、
一つの拡張ブロックについて少ない比較回数で一致する
と判定される確率が高くなるため、1回の揺すらせ比較
に要する平均的な処理時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるパターン検査システ
ムにおける相違検出処理を示すフローチャート。
【図2】 本発明の一実施例であるパターン検査システ
ムにおけるハードウェア構成を示す図。
【図3】 本発明の他の実施例における相違検出装置の
構成を示す図。
【図4】 オブジェクトパターンとマスタパターンとの
間における傾きを伴う位置ずれを示す図。
【図5】 揺すらせ比較法を概念的に示す図。
【符号の説明】
10…検査対象物(初校及び再校) 12…スキャナ 14…プリンタ 20…ホストコンピュータ 22…マウス 30…画像入力部 32…画像表示部 34…移動操作部 36…移動量メモリ 38…画像メモリ 40…制御部 42…オブジェクト抽出部 44…マスタ抽出部 46…照合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−20459(JP,A) 特開 昭61−176807(JP,A) 特開 昭62−32586(JP,A) 特開 平2−255990(JP,A) 特公 平6−21769(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G06T 7/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの検査対象パターンを照合し、該二
    つの検査対象パターン間での相違部分を検出するパター
    ン検査装置において、 a)前記二つの検査対象パターンを2次元的に走査して
    画素毎に読み取ることにより、前記二つの検査対象パタ
    ーンのそれぞれの画像データを生成する画像入力手段
    と、 b)画像入力手段によって生成された二つの画像データ
    を、それぞれオブジェクトパターンを表わすオブジェク
    トデータ及びマスタパターンを表わすマスタデータとし
    て記憶する画像記憶手段と、 c)オブジェクトパターンとマスタパターンとを略全体
    的に重なった状態とするための、オブジェクトパターン
    とマスタパターンとの相対的な移動量であるマスタ移動
    量を記憶する移動量記憶手段と、 d)オブジェクトパターンにおける複数画素から成るブ
    ロックを単位として各ブロックに対応する画像データを
    オブジェクトデータから順次抽出するオブジェクト抽出
    手段と、 e)オブジェクト抽出手段によって1ブロック分の画像
    データが抽出される毎に、移動量記憶手段に記憶された
    マスタ移動量だけ移動させたマスタパターンにおいてオ
    ブジェクトパターンの該ブロックと位置的に対応するブ
    ロックを中心ブロックとして2次元的に所定画素数だけ
    周辺に広げた拡張ブロックを設定し、該拡張ブロック内
    で2次元的に1画素ずつ順次ずれた各ブロックに対応す
    る画像データをマスタデータから順次抽出するマスタ抽
    出手段と、 f)オブジェクト抽出手段によってブロック単位で抽出
    される画像データを、該画像データに対応して前記拡張
    ブロック内からマスタ抽出手段によってブロック単位で
    順次抽出される各画像データと比較し、比較される二つ
    の画像データによって表わされる二つのパターンが一致
    するか否かを順次判定する照合手段と、 g)前記拡張ブロック内のいずれかのブロックについて
    前記二つのパターンが一致すると照合手段によって判定
    されると、マスタ抽出手段による画像データの抽出を中
    止するとともに、一致した該ブロックの前記拡張ブロッ
    ク内の位置に基づいて移動量記憶手段に記憶されたマス
    タ移動量を更新し、オブジェクト抽出手段に1ブロック
    分の画像データを新たに抽出させた後、新たに抽出され
    た該画像データに対してマスタ抽出手段による画像デー
    タの抽出を再開させる制御手段と、を備えることを特徴
    とするパターン検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパターン検査装置にお
    いて、 画像記憶手段に記憶されたオブジェクトデータ及びマス
    タデータに基づき、オブジェクトパターン及びマスタパ
    ターンを表示する表示手段と、 表示手段に表示されたオブジェクトパターンとマスタパ
    ターンのいずれか一方を移動させるための指示を外部か
    ら入力し、該指示に応じてオブジェクトパターン又はマ
    スタパターンを移動させる移動操作手段と、を更に備
    え、 移動量記憶手段は、移動操作手段によってオブジェクト
    パターンとマスタパターンとを略全体的に重なった状態
    とするための、オブジェクトパターンとマスタパターン
    との相対的な移動量を、マスタ移動量の初期値として記
    憶する、ことを特徴とするパターン検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のパターン検査装
    置において、 オブジェクト抽出手段は、走査線順次にかつ互いに重な
    らないように、ブロック単位で画像データをオブジェク
    トデータから抽出し、 オブジェクトパターンにおいて主走査方向に並ぶブロッ
    ク列の先頭のブロックについて照合手段により一致する
    と判定された場合に、マスタパターンにおける一致した
    ブロックの前記拡張ブロック内の位置に基づくマスタ移
    動量を記憶する先頭移動量記憶手段を更に備え、 マスタ抽出手段は、オブジェクトパターンにおいて主走
    査方向に並ぶブロック列の先頭のブロックに対応する画
    像データがオブジェクト抽出手段によって抽出されたと
    きには、該画像データと照合手段によって比較されるべ
    き画像データをマスタデータから抽出する前に、マスタ
    パターンを移動量記憶手段に記憶されたマスタ移動量だ
    け移動させる代わりに先頭移動量記憶手段に記憶された
    マスタ移動量だけ移動させる、ことを特徴とするパター
    ン検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のパターン検査装
    置において、 オブジェクト抽出手段は、直前にオブジェクトデータか
    ら抽出された画像データに対応するブロックと位置的に
    隣接するブロックに対応する画像データを抽出する、こ
    とを特徴とするパターン検査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一つの請求項
    に記載のパターン検査装置において、 マスタ抽出手段は、前記拡張ブロック内において、前記
    中心ブロックから開始して前記中心ブロックから遠ざか
    る順序で、2次元的に1画素ずつ順次ずれた各ブロック
    に対応する画像データをマスタデータから抽出する、こ
    とを特徴とするパターン検査装置。
  6. 【請求項6】 二つの検査対象パターンを2次元的に走
    査して画素毎に読み取ることにより得られた二つの画像
    データを、それぞれオブジェクトパターンを表わすオブ
    ジェクトデータ及びマスタパターンを表わすマスタデー
    タとして記憶し、 オブジェクトパターンにおける複数画素から成るブロッ
    クを単位として各ブロックに対応する画像データをオブ
    ジェクトデータから順次抽出し、 オブジェクトデータから1ブロック分の画像データが抽
    出される毎に、マスタ移動量だけ移動させたマスタパタ
    ーンにおいて該ブロックと位置的に対応するブロックを
    中心ブロックとして2次元的に所定画素数だけ周辺に広
    げた拡張ブロックを設定して、該拡張ブロック内で2次
    元的に1画素ずつ順次ずれた各ブロックに対応する画像
    データをマスタデータから順次抽出し、 オブジェクトデータからブロック単位で抽出された画像
    データを、該画像データに対応して前記拡張ブロック内
    からブロック単位で順次抽出される各画像データと比較
    し、比較される二つの画像データによって表わされる二
    つのパターンが一致するか否かを順次判定する、という
    処理により、ブロック単位で前記二つの検査対象パター
    ンにおける相違部分を検出するパターン検査方法におい
    て、 前記拡張ブロック内のいずれかのブロックについて前記
    二つのパターンが一致すると判定されると、一致した該
    ブロックの前記拡張ブロック内の位置に基づいてマスタ
    移動量を更新することを特徴とするパターン検査方法。
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